JP2022017016A - 鞍乗り型車両 - Google Patents
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本発明の目的は、制動制御装置及びブレーキ装置のそれぞれを接続する配管とフロントフォークとの干渉を容易に防止することを可能とした鞍乗り型車両を提供することにある。
また、上記構成において、複数の前記配管(86,87,88,89)は、それぞれ前後方向に延びる前後延出部(86d,87d,88d,89d)を備え、複数の前記前後延出部(86d,87d,88d,89d)は、それぞれ車幅方向に隔てて配置されていても良い。
また、上記構成において、前記フロントフォーク(12)を最大に転舵したときに、左右の前記フォークチューブ(81)のうちで前側に位置する一方の前記フォークチューブ(81)よりも後方の位置で、複数本の前記配管(86,87,88,89)が、前記ステー(63)の側方へ延びていても良い。
図1は、本発明の実施形態のABS45を備える自動二輪車10の左側面図である。
自動二輪車10は、車体フレーム11(図6参照)の前端部にフロントフォーク12を介して前輪13が支持され、車体フレーム11の下部にパワーユニット14を介して後輪16が支持され、車体の上部にシート17が配置されている。
自動二輪車10は、乗員がシート17に跨って座るスクータ型の鞍乗り型車両である。
前輪13には、ブレーキ装置としての前輪ブレーキ装置26が付設され、前輪ブレーキ装置26によって、前輪13が制動される。
ブレーキキャリパ26Bには、ハンドル25に設けられた前輪用ブレーキレバーの操作力に応じてABSモジュレータ46からブレーキ液圧が伝達され、このブレーキ液圧によって2枚のブレーキパッドを介してブレーキディスク26Aが挟み込まれて制動される。
車体カバー33は、フロントカバー34、フロントインナカバー35、左右一対のボディサイドカバー36、左右一対のフロアステップ37を備える。
フロントカバー34は、車体前部を覆っている。フロントインナカバー35は、フロントフォーク12の上部を後方から覆い、フロントカバー34の左右の後縁部に接続されている。左右のボディサイドカバー36は、フロントカバー34の左右の後縁からそれぞれシート17の左右側部の下方を後方に延びている。左右のフロアステップ37は、左右のボディサイドカバー36の下方に設けられ、乗員が足を載せる部分である。
前輪13は、上方からフロントフェンダ41で覆われ、後輪16は、上方からリアフェンダ42で覆われている。
フロントカバー34の下部には左右一対のヘッドライト44が配置され、左右のヘッドライト44の後方で、フロントカバー34の内部には、ABS45を構成するABSモジュレータ46が配置されている。
ABSモジュレータ46は、前輪ブレーキ装置26及び後輪ブレーキ装置31の制動を制御して、前輪13及び後輪16の制動時のロックを防止する。
自動二輪車10は、乗員が携帯するスマートキー(不図示)と、車体に設けられたコントロールユニット(不図示)との間で電子認証を行うスマートキーシステムを備える。
スマートロックモジュール50は、スマートキーシステムの一部を構成し、エンジン27の始動・停止、ハンドル25のロック・ロック解除、シート17や燃料タンク71(図2参照)のリッド72の開閉のロック解除(解錠)が可能である。
車体フレーム11は、前端部にヘッドパイプ21を備え、ヘッドパイプ21に、フロントフォーク12を構成するステアリングステム61が回動可能に支持されている。
ヘッドパイプ21の前部には、ステーとしての第1ステー63が前方に延びるように取付けられ、第1ステー63の前部上部にABSモジュレータ46が支持されている。
また、第1ステー63の上部には、ABSモジュレータ46の後方に配置されて縦に延びる第2ステー64が取付けられ、第2ステー64によって、ワイヤハーネスなどが支持されている。
ABSモジュレータ46の下方には、ヘッドライト44や他の電装品及びワイヤハーネス接続部が設けられ、第1ステー63の下方を上記したヘッドライト44や他の電装品に接続されるワイヤハーネス121(図3参照)が配策される。これにより、上記ワイヤハーネス121の長さを短くできる。
第1ステー63及び第2ステー64は、車体前部ステー65を構成する。
ブレーキキャリパ31Bには、ハンドル25に備える後輪用ブレーキレバーの操作力に応じてABSモジュレータ46からブレーキ液圧が伝達され、このブレーキ液圧によって2枚のブレーキパッドを介してブレーキディスク31Aが挟み込まれて制動される。
シート17は、運転者が座る運転者用シート17aと、同乗者が座る同乗者用シート17bとを一体に備える。収納ボックス67は、シート17の運転者用シート17aと同乗者用シート17bとの下方に亘って前後に長く形成され、収納ボックス67の上部の開口67aがシート17によって上方から覆われている。
シート17は、収納ボックス67の前端部にヒンジ(不図示)を介して開閉可能に取付けられている。シート17の後端部は、車体フレーム11の後部に設けられたシート施錠機構74によって施錠される。
フロントフォーク12は、左右一対の緩衝器であるフォークチューブ81と、左右のフォークチューブ81を連結するトップブリッジ82及びボトムブリッジ83とを備える。
トップブリッジ82の上部には、左右一対のハンドルホルダー24が取付けられ、左右のハンドルホルダー24にハンドル25が取付けられている。また、左右のフォークチューブ81の下端部には、車軸23(図1参照)が取付けられている。
トップブリッジ82とボトムブリッジ83とには、ステアリングステム61(図2参照)が上下に延びるように渡されている。
なお、第1ステー63及び第2ステー64の材質は、上記したものに限らない。
上記したスマートロックモジュール50及び車体前部ステー65では、フロントフォーク12が左右へ最大に回動した場合でも、フロントフォーク12とのクリアランスが確保されている。
図4に示すように、第1ステー63は、フロントフォーク12のトップブリッジ82とボトムブリッジ83との間を前後方向に延びている。
ABSモジュレータ46は、車幅方向の幅が第1ステー63の車幅方向の幅よりも広く、ABSモジュレータ46の一部が、第1ステー63の上方に位置する。
ABSモジュレータ46の上面46aには、複数の金属製の配管からなる配管群85が接続されている。配管群85は、一側(右側)から他側(左側)に順に並べられた配管としての第1配管86、第2配管87、第3配管88、第4配管89からなる。
配管群85の前部は、第1ステー63の上方を第1ステー63に沿って前後方向に延び、配管群85の後部は、第1ステー63の上方から車幅方向外側に外れて下方に延びている。
なお、上記した後部クランプ91及び上部クランプ92は、それぞれ第2ステー64、第1ステー63に固定されていなくても良い。
車体フレーム11は、ヘッドパイプ21、ダウンフレーム93、左右一対のロアフレーム94、左右一対のアッパーフレーム95、左右一対のリアフレーム96を備える。
ダウンフレーム93は、ヘッドパイプ21から下方斜め後方に延びている。左右のロアフレーム94は、ダウンフレーム93の下端部の左右から下方斜め側方に延びて更に屈曲して後方及び後方斜め上方に延びている。
左右のアッパーフレーム95は、ダウンフレーム93と左右のロアフレーム94との接続部よりも上方のダウンフレーム93から後方斜め下方に延びている。左右のリアフレーム96は、左右のアッパーフレーム95の後部から後方斜め上方に延びるとともに前後方向の中間部に左右のロアフレーム94の後端が接続されている。
第1配管86は、第1ステー63の一側(右側)からヘッドパイプ21、ダウンフレーム93及び右側のアッパーフレーム95の側方をそれぞれ通って右側のロアフレーム94の後部に至る。そして、第1配管86の後端部は、可撓性を有するブレーキホース(不図示)を後輪ブレーキ装置31のブレーキキャリパ31Bに接続される。
第2配管87の下端部は、第1ステー63の左側部に取付けられた接続部材101に接続されている。接続部材101には、可撓性を有するブレーキホース102が接続され、接続部材101から屈曲しつつ上方に延びている。ブレーキホース102の先端部102aは、後輪用ブレーキレバーによって作動する後輪用マスターシリンダに接続される。
また、第4配管89の下端部は、第1ステー63の左側部に取付けられた接続部材103に接続されている。接続部材103には、可撓性を有するブレーキホース104が接続され、接続部材103から屈曲しつつ下方に延びている。ブレーキホース104の先端部は、前輪ブレーキ装置26のブレーキキャリパ26Bに接続される。
第3配管88の下端部は、第1ステー63の右側部に取付けられた接続部材106に接続されている。接続部材106には、可撓性を有するブレーキホース107が接続され、接続部材106から屈曲しつつ上方に延びている。ブレーキホース107の先端部107aは、前輪用ブレーキレバーによって作動する前輪用マスターシリンダに接続される。
第1配管86は、第1ステー63の側方で、第1ステー63の右側部に固定された側部クランプ108で固定されている。
図9に示すように、フロントフォーク12は、車両が直進するときの方向に向いている。図中には、フロントフォーク12に取付けられたフロントフェンダ41の前後方向に延びる車両直進時の中心線41aを示している。
本実施形態では、ヘッドパイプ21から前方に第1ステー63を延ばし、第1ステー63の上方にABSモジュレータ46に接続された各配管(第1配管86、第2配管87、第3配管88、第4配管89)を配置している。このように、各配管(詳しくは、前後延出部86d,87d,88d,89d)を第1ステー63の上方に配置することで、配管同士の距離を短くでき、複数本の配管(第1配管86、第2配管87、第3配管88、第4配管89)をコンパクトに配置できる。
第1ステー63は、ヘッドパイプ21から左右のフォークチューブ81,81の間を通って前方に延びている。
この場合、第1配管86の前後延出部86dと他側(右側)のフォークチューブ81との最小クリアランスはC1となる。この最小クリアランスC1は、車体側と、フロントフォーク12やフロントフォーク12と共に回動する部品とのクリアランスの中で最も小さい。
上記したように、各配管(第1配管86、第2配管87、第3配管88、第4配管89)のうちで、最も車幅方向外側に配置された配管(第1配管86、第4配管89)とフロントフォーク12の左右のフォークチューブ81とは所定のクリアランスが確保されている。
図11及び図12に示すように、ヘッドパイプ21の前部には、上下に隔ててステーブラケット111,112が設けられ、ステーブラケット111,112にボルト113及びナット114で第1ステー63が取付けられている。
樹脂カバー98は、第1ステー63に左右一対のボルト116で締結され、第2ステー64にボルト117で締結されている。
このように、樹脂カバー98の第1ステー63及び第2ステー64への締結を、左右一対のボルト116とボルト117とで行うことで、樹脂カバー98を第1ステー63及び第2ステー64に強固に固定することができる。
また、左右一対のボルト116は、締結方向が上下方向であるため、樹脂カバー98の上下方向の振動を抑制する。ボルト117は、締結方向が前後方向及び前上がりに傾斜した方向であるため、樹脂カバー98の前後方向の振動を抑制する。
図13に示すように、車体フレーム11(図6参照)側からワイヤハーネス121が延び、ワイヤハーネス121から分岐したワイヤハーネス122が第1ステー63に沿って前方に延びている。
ワイヤハーネス121は、車体前部に配置されたヘッドライト44(図3参照)及びABSモジュレータ46に電力を供給し、ワイヤハーネス122は、その他の電装品に電力を供給する。
分岐ハーネス124~128は、それぞれ先端部にコネクタ135が設けられ、分岐ハーネス131~133は、それぞれ先端部にコネクタ136,137が設けられている。
例えば、コネクタ136は、メータ40に接続され、複数のコネクタ135,137は、他の電装品に接続される。
この構成によれば、配管(第1配管86、第2配管87、第3配管88、第4配管89)が転舵したフロントフォーク12と干渉するの容易に防止することができる。
この構成によれば、複数本の配管(第1配管86、第2配管87、第3配管88、第4配管89)と転舵したフロントフォーク12との干渉を容易に防止することができる。また、複数本の配管(第1配管86、第2配管87、第3配管88、第4配管89)が第1ステー63の上方に配置されるため、配管(第1配管86、第2配管87、第3配管88、第4配管89)の長さを短くできる。
この構成によれば、例えば、複数本の前後延出部86d,87d,88d,89dを上下2段に配置するのに比べて強固に固定できる。
この構成によれば、複数本の配管(第1配管86、第2配管87、第3配管88、第4配管89)の配策距離を短くできる。また、複数本の配管(第1配管86、第2配管87、第3配管88、第4配管89)がABSモジュレータ46に接続しやすくなり、複数本の配管(第1配管86、第2配管87、第3配管88、第4配管89)の組付け作業性及びメンテナンス性を向上できる。
この構成によれば、複数本の配管(第1配管86、第2配管87、第3配管88、第4配管89)をコンパクトに配策できる。
この構成によれば、第1ステー63がフロントフォーク12の転舵の影響を受けない。また、第1ステー63と、第1ステー63の先端部に設けられるヘッドライト44、スクリーン39のアジャスタなどの車載品とをフロントフォーク12と共に揺動することなしに固定できる。
本発明は、自動二輪車10に適用する場合に限らず、自動二輪車10以外も含む鞍乗り型車両にも適用可能である。なお、鞍乗り型車両とは、車体に跨って乗車する車両全般を含み、ATV(不整地走行車両)に分類される三輪車両や四輪車両を含む車両である。
11 車体フレーム
12 フロントフォーク
13 前輪
16 後輪
26 前輪ブレーキ装置(ブレーキ装置)
31 後輪ブレーキ装置(ブレーキ装置)
46 ABSモジュレータ(制動制御装置)
63 第1ステー(ステー)
81 フォークチューブ
82 トップブリッジ
83 ボトムブリッジ
86 第1配管(配管)
87 第2配管(配管)
88 第3配管(配管)
89 第4配管(配管)
86d,87d,88d,89d 前後延出部
Claims (6)
- 前輪(13)を支持するフロントフォーク(12)と、前記フロントフォーク(12)の前方に位置する制動制御装置(46)と、前記前輪(13)及び後輪(16)を制動するブレーキ装置(26,31)とを備える鞍乗り型車両において、
前記制動制御装置(46)は、車体フレーム(11)に取付けられたステー(63)に支持され、
前記ステー(63)の一部は、車幅方向において前記フロントフォーク(12)を構成する左右一対のフォークチューブ(81)の間に位置し、かつ車両前後方向において左右の前記フォークチューブ(81)より前方に位置し、
前記制動制御装置(46)と前記ブレーキ装置(26,31)とを接続する配管(86,87,88,89)は、上面視で前記ステー(63)と重なることを特徴とする鞍乗り型車両。 - 前記制動制御装置(46)の一部は、前記ステー(63)の上方に位置し、前記制動制御装置(46)に前記配管(86,87,88,89)が接続され、前記配管(86,87,88,89)は、前記ステー(63)の上方に前記ステー(63)に沿って配置されていることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両。
- 複数本の前記配管(86,87,88,89)は、それぞれ前後方向に延びる前後延出部(86d,87d,88d,89d)を備え、複数の前記前後延出部(86d,87d,88d,89d)は、それぞれ車幅方向に隔てて配置されていることを特徴とする請求項2に記載の鞍乗り型車両。
- 複数本の前記配管(86,87,88,89)は、それぞれ前記制動制御装置(46)の上面に接続されて車両前後で後方へ延びていることを特徴とする請求項2又は3に記載の鞍乗り型車両。
- 前記フロントフォーク(12)を最大に転舵したときに、左右の前記フォークチューブ(81)のうちで前側に位置する一方の前記フォークチューブ(81)よりも後方の位置で、複数本の前記配管(86,87,88,89)が、前記ステー(63)の側方へ延びていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。
- 前記フロントフォーク(12)は、左右の前記フォークチューブ(81)と、左右の前記フォークチューブ(81)を連結するトップブリッジ(82)及びボトムブリッジ(83)とを備え、前記ステー(63)は、前記トップブリッジ(82)、前記ボトムブリッジ(83)間に配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。
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