JP2018137222A - リチウムイオン電池用被覆正極活物質 - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち、本発明は、リチウムイオン電池用正極活物質が有する表面の少なくとも一部を被覆樹脂組成物と導電剤とを含む被覆層で被覆してなるリチウムイオン電池用被覆正極活物質であって、上記被覆樹脂組成物は、遷移金属イオン又は遷移金属原子を捕捉するキレート性高分子化合物を含み、下記の計算式で得られる被覆率が30.0%を超えることを特徴とするリチウムイオン電池用被覆正極活物質。
被覆率(%)={1−[被覆正極活物質のBET比表面積/(正極活物質のBET比表面積×被覆正極活物質中に含まれる正極活物質の重量割合+導電剤のBET比表面積×被覆正極活物質中に含まれる導電剤の重量割合)]}×100
本発明のリチウムイオン電池用被覆正極活物質は、リチウムイオン電池用正極活物質が有する表面の少なくとも一部を被覆樹脂組成物と導電剤とを含む被覆層で被覆してなるリチウムイオン電池用被覆正極活物質であって、上記被覆樹脂組成物は、遷移金属イオン又は遷移金属原子を捕捉するキレート性高分子化合物を含み、下記の計算式で得られる被覆率が30.0%を超えることを特徴とする。
被覆率(%)={1−[被覆正極活物質のBET比表面積/(正極活物質のBET比表面積×被覆正極活物質中に含まれる正極活物質の重量割合+導電剤のBET比表面積×被覆正極活物質中に含まれる導電剤の重量割合)]}×100
正極活物質の表面のうち30.0%を超える領域がキレート性高分子化合物を含む被覆層により被覆されていると、たとえ正極活物質中に不純物となる遷移金属粒子や遷移金属化合物が混入していたとしても、該遷移金属粒子又は該遷移金属化合物が電解液中に移動する際に、キレート性高分子化合物により該遷移金属粒子又は該遷移金属化合物を捕捉することができる。すなわち、電解液中に遷移金属粒子や遷移金属化合物が溶出することを抑制することができ、リチウムイオン電池のサイクル特性を向上させることができる。
カルボキシル基又は酸無水物基を有する単量体を含む単量体組成物を重合してなる重合体は、カルボキシル基(酸無水物基の場合は加水分解により2個のカルボキシル基となる)が遷移金属イオン又は遷移金属原子を捕捉することによって遷移金属に対するキレート能が発現する。
アミノ基を有する単量体を含む単量体組成物を重合してなる重合体はアミノ基を有するため、該アミノ基によって遷移金属に対するキレート能が発現しやすくなる。
なお、4級アンモニウムイオンを含有する(メタ)アクリレートとしては、上記のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートのアミノ基を公知の4級化剤(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド及びジメチルカーボネート等)で4級化したものが挙げられる。
以下に、単量体(a3)〜(a5)について説明する。
CH2=C(R1)COOR2 (2)
[式(2)中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数4〜12の直鎖又は炭素数4〜36の分岐アルキル基である。]
上記一般式(2)で表される単量体(a3)において、R1は水素原子又はメチル基を表す。R1はメチル基であることが好ましい。
R2は、炭素数4〜12の直鎖若しくは分岐アルキル基、又は、炭素数13〜36の分岐アルキル基であることが好ましい。
炭素数4〜12の直鎖アルキル基としては、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基が挙げられる。
炭素数4〜12の分岐アルキル基としては、1−メチルプロピル基(sec−ブチル基)、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基(tert−ブチル基)、1−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基(ネオペンチル基)、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、1,1−ジメチルペンチル基、1,2−ジメチルペンチル基、1,3−ジメチルペンチル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2−エチルペンチル基、1−メチルヘプチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、6−メチルヘプチル基、1,1−ジメチルヘキシル基、1,2−ジメチルヘキシル基、1,3−ジメチルヘキシル基、1,4−ジメチルヘキシル基、1,5−ジメチルヘキシル基、1−エチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、1−メチルオクチル基、2−メチルオクチル基、3−メチルオクチル基、4−メチルオクチル基、5−メチルオクチル基、6−メチルオクチル基、7−メチルオクチル基、1,1−ジメチルヘプチル基、1,2−ジメチルヘプチル基、1,3−ジメチルヘプチル基、1,4−ジメチルヘプチル基、1,5−ジメチルヘプチル基、1,6−ジメチルヘプチル基、1−エチルヘプチル基、2−エチルヘプチル基、1−メチルノニル基、2−メチルノニル基、3−メチルノニル基、4−メチルノニル基、5−メチルノニル基、6−メチルノニル基、7−メチルノニル基、8−メチルノニル基、1,1−ジメチルオクチル基、1,2−ジメチルオクチル基、1,3−ジメチルオクチル基、1,4−ジメチルオクチル基、1,5−ジメチルオクチル基、1,6−ジメチルオクチル基、1,7−ジメチルオクチル基、1−エチルオクチル基、2−エチルオクチル基、1−メチルデシル基、2−メチルデシル基、3−メチルデシル基、4−メチルデシル基、5−メチルデシル基、6−メチルデシル基、7−メチルデシル基、8−メチルデシル基、9−メチルデシル基、1,1−ジメチルノニル基、1,2−ジメチルノニル基、1,3−ジメチルノニル基、1,4−ジメチルノニル基、1,5−ジメチルノニル基、1,6−ジメチルノニル基、1,7−ジメチルノニル基、1,8−ジメチルノニル基、1−エチルノニル基、2−エチルノニル基、1−メチルウンデシル基、2−メチルウンデシル基、3−メチルウンデシル基、4−メチルウンデシル基、5−メチルウンデシル基、6−メチルウンデシル基、7−メチルウンデシル基、8−メチルウンデシル基、9−メチルウンデシル基、10−メチルウンデシル基、1,1−ジメチルデシル基、1,2−ジメチルデシル基、1,3−ジメチルデシル基、1,4−ジメチルデシル基、1,5−ジメチルデシル基、1,6−ジメチルデシル基、1,7−ジメチルデシル基、1,8−ジメチルデシル基、1,9−ジメチルデシル基、1−エチルデシル基、2−エチルデシル基等が挙げられる。
炭素数13〜36の分岐アルキル基としては、1−アルキルアルキル基[1−メチルドデシル基、1−ブチルエイコシル基、1−ヘキシルオクタデシル基、1−オクチルヘキサデシル基、1−デシルテトラデシル基、1−ウンデシルトリデシル基等]、2−アルキルアルキル基[2−メチルドデシル基、2−ヘキシルオクタデシル基、2−オクチルヘキサデシル基、2−デシルテトラデシル基、2−ウンデシルトリデシル基、2−ドデシルヘキサデシル基、2−トリデシルペンタデシル基、2−デシルオクタデシル基、2−テトラデシルオクタデシル基、2−ヘキサデシルオクタデシル基、2−テトラデシルエイコシル基、2−ヘキサデシルエイコシル基等]、3〜34−アルキルアルキル基(3−アルキルアルキル基、4−アルキルアルキル基、5−アルキルアルキル基、32−アルキルアルキル基、33−アルキルアルキル基及び34−アルキルアルキル基等)、並びに、プロピレンオリゴマー(7〜11量体)、エチレン/プロピレン(モル比16/1〜1/11)オリゴマー、イソブチレンオリゴマー(7〜8量体)及びα−オレフィン(炭素数5〜20)オリゴマー(4〜8量体)等から得られるオキソアルコールから水酸基を除いた残基のような1又はそれ以上の分岐アルキル基を含有する混合アルキル基等が挙げられる。
単量体(a4)を構成する炭素数1〜3の1価の脂肪族アルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール及び2−プロパノール等が挙げられる。
重合性不飽和二重結合を有する構造としてはビニル基、アリル基、スチレニル基及び(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。
アニオン性基としては、スルホン酸基等が挙げられる。
単量体(a5)を構成するアニオン性単量体としては、例えばビニルスルホン酸、アリルスルホン酸及びスチレンスルホン酸等が挙げられる。
単量体(a5)を構成するカチオンとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン及びアンモニウムイオン等が挙げられる。
なお、(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を意味する。
単量体(a6)としては、以下の単量体(a61)〜(a68)が挙げられる。
上記モノオールとしては、(i)直鎖脂肪族モノオール(トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、ノナデシルアルコール、アラキジルアルコール等)、(ii)脂環式モノオール(シクロペンチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、シクロヘプチルアルコール、シクロオクチルアルコール等)、(iii)芳香脂肪族モノオール(ベンジルアルコール等)及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
(a63−1)アミド基含有ビニル化合物
(i)炭素数3〜30の(メタ)アクリルアミド化合物、例えばN,N−ジアルキル(炭素数1〜6)又はジアラルキル(炭素数7〜15)(メタ)アクリルアミド(N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジベンジルアクリルアミド等)、ジアセトンアクリルアミド
(ii)上記(メタ)アクリルアミド化合物を除く、炭素数4〜20のアミド基含有ビニル化合物、例えばN−メチル−N−ビニルアセトアミド、環状アミド[ピロリドン化合物(炭素数6〜13、例えば、N−ビニルピロリドン等)]
炭素数3〜15のニトリル基含有ビニル化合物、例えば(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン、シアノアルキル(炭素数1〜4)アクリレート
ニトロ基含有ビニル化合物(炭素数8〜16、例えばニトロスチレン)等
(a64−1)脂肪族ビニル炭化水素
炭素数2〜18又はそれ以上のオレフィン(エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン等)、炭素数4〜10又はそれ以上のジエン(ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン等)等
炭素数4〜18又はそれ以上の環状不飽和化合物、例えばシクロアルケン(例えばシクロヘキセン)、(ジ)シクロアルカジエン[例えば(ジ)シクロペンタジエン]、テルペン(例えばピネン及びリモネン)、インデン
炭素数8〜20又はそれ以上の芳香族不飽和化合物、例えばスチレン、ジビニルベンゼン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン
脂肪族ビニルエステル[炭素数4〜15、例えば脂肪族カルボン酸(モノ−又はジカルボン酸)のアルケニルエステル(例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメトキシアセテート)]
芳香族ビニルエステル[炭素数9〜20、例えば芳香族カルボン酸(モノ−又はジカルボン酸)のアルケニルエステル(例えばビニルベンゾエート、ジアリルフタレート、メチル−4−ビニルベンゾエート)、脂肪族カルボン酸の芳香環含有エステル(例えばアセトキシスチレン)]
脂肪族ビニルエーテル[炭素数3〜15、例えばビニルアルキル(炭素数1〜10)エーテル(ビニルメチルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニル2−エチルヘキシルエーテル等)、ビニルアルコキシ(炭素数1〜6)アルキル(炭素数1〜4)エーテル(ビニル−2−メトキシエチルエーテル、メトキシブタジエン、3,4−ジヒドロ−1,2−ピラン、2−ブトキシ−2’−ビニロキシジエチルエーテル、ビニル−2−エチルメルカプトエチルエーテル等)、ポリ(2〜4)(メタ)アリロキシアルカン(炭素数2〜6)(ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタン等)]、芳香族ビニルエーテル(炭素数8〜20、例えばビニルフェニルエーテル、フェノキシスチレン)
脂肪族ビニルケトン(炭素数4〜25、例えばビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン)、芳香族ビニルケトン(炭素数9〜21、例えばビニルフェニルケトン)
炭素数4〜34の不飽和ジカルボン酸ジエステル、例えばジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数1〜22の、直鎖、分岐鎖又は脂環式の基)、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数1〜22の、直鎖、分岐鎖又は脂環式の基)
重合性不飽和二重結合を有する構造としてはビニル基、アリル基、スチレニル基及び(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。
アニオン性基としては、スルホン酸基、ホスホン酸基等が挙げられる。
単量体(a7)としては、例えばビニルスルホン酸、アリルスルホン酸及びスチレンスルホン酸、ビニルホスホン酸、アリルホスホン酸、フェニルエテニルホスホン酸、スチレンホスホン酸等が挙げられる。
CH2=C(R1)COOR2 (1)
[式(1)中、R1は水素原子又はメチル基、R2は炭素数4〜12の直鎖又は分岐アルキル基である。]
上記[エステル化合物(a31)/(メタ)アクリル酸]は、30/70〜85/15であることがより好ましく、40/60〜70/30であることがさらに好ましい。
ビニル重合体(A1)を構成する1級アミノ基の水素原子を他の置換基で置換したものとしては、1級アミノ基に2つのカルボキシメチル基を導入したイミノ二酢酸基を有するイミノ二酢酸型重合体等が挙げられる。
ビニル重合体(A1)の重量平均分子量が上記範囲であると、被覆樹脂組成物表面のタック性が適当なものとなり、正極活物質を被覆しやすくなるため、好ましい。
装置:Alliance GPC V2000(Waters社製)
溶媒:オルトジクロロベンゼン
標準物質:ポリスチレン
検出器:RI
サンプル濃度:3mg/ml
カラム固定相:PLgel 10μm、MIXED−B 2本直列(ポリマーラボラトリーズ社製)
カラム温度:135℃
重合に際しては、公知の重合開始剤{アゾ系開始剤[2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル等)]、パーオキサイド系開始剤(ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド等)等}を使用して行なうことができる。
重合開始剤の使用量は、単量体組成物の全重量に基づいて好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.05〜2重量%、さらに好ましくは0.1〜1.5重量%である。
溶液又は分散液のモノマー濃度は好ましくは5〜95重量%、より好ましくは10〜90重量%、さらに好ましくは15〜85重量%であり、重合開始剤の使用量は、モノマーの全重量に基づいて好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.05〜2重量%である。
重合に際しては、公知の連鎖移動剤、例えばメルカプト化合物(ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン等)及び/又はハロゲン化炭化水素(四塩化炭素、四臭化炭素、塩化ベンジル等)を使用することができる。使用量はモノマーの全重量に基づいて好ましくは2重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下、さらに好ましくは0.3重量%以下である。
加熱温度は、架橋剤としてポリエポキシ化合物(a’1)を用いる場合は70℃以上とすることが好ましく、ポリオール化合物(a’2)を用いる場合は120℃以上とすることが好ましい。
遷移金属を50ppm含ませた正極活物質の表面を高分子化合物で被覆した被覆正極活物質を準備し、該被覆正極活物質10重量部と電解液を構成する溶媒[EC:DEC=1:1(体積比)の混合溶媒)]100重量部とを充分に混合した後、1時間静置して被覆正極活物質を沈殿させる。その後、該混合物から液体部分を分離し、遷移金属濃度を結合誘導プラズマ(ICP)発光分析により測定する。液体部分の遷移金属濃度が1ppm以下であれば、高分子化合物が遷移金属に対するキレート能を有していると判定する。反対に、遷移金属濃度が1ppmを超える場合には、遷移金属に対するキレート能を有していないと判定する。
上記キレート能の判定に用いる遷移金属元素は特に限定されないが、Fe、Ni、Coのいずれかであることが好ましく、Feであることがより好ましい。
被覆率が80%以下の場合には、正極活物質中に含まれる遷移金属が電解液中に溶出することを抑制しつつ、正極活物質と電解液との間のリチウムイオンの充分な移動を妨げることがなく好ましい。
なお、リチウム含有遷移金属リン酸塩は、遷移金属サイトの一部を他の遷移金属で置換したものであってもよい。
被覆層は被覆樹脂組成物と導電剤とを含み、リチウムイオン電池用正極活物質の少なくとも一部を被覆しており、下記の計算式で得られる被覆率が30.0%を超えている。
被覆率(%)={1−[被覆正極活物質のBET比表面積/(正極活物質のBET比表面積×被覆正極活物質中に含まれる正極活物質の重量割合+導電剤のBET比表面積×被覆正極活物質中に含まれる導電剤の重量割合)]}×100
正極活物質の表面のうち30.0%を超える領域がキレート性高分子化合物を含む被覆層により被覆されている(すなわち、上記被覆率が30.0%を超えている)と、たとえ正極活物質中に不純物となる遷移金属粒子や遷移金属化合物が混入していたとしても、該遷移金属粒子又は遷移金属化合物が電解液中に移動する際に、キレート性高分子化合物により該遷移金属粒子又は遷移金属化合物を捕捉することができる。すなわち、電解液中に遷移金属粒子や遷移金属化合物が溶出することを抑制することができ、リチウムイオン電池のサイクル特性を向上させることができる。
吸液率(%)=[(電解液浸漬後の被覆樹脂組成物の重量−電解液浸漬前の被覆樹脂組成物の重量)/電解液浸漬前の被覆樹脂組成物の重量]×100
吸液率を求めるための電解液としては、好ましくはエチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)を体積割合でEC:DMC=1:1で混合した混合溶媒に、電解質としてLiPF6を1mol/Lの濃度になるように溶解した電解液を用いる。
吸液率を求める際の電解液への浸漬は、50℃、3日間行う。50℃、3日間の浸漬を行うことにより被覆樹脂組成物が飽和吸液状態となる。なお、飽和吸液状態とは、それ以上電解液に浸漬しても被覆樹脂組成物の重量が増えない状態をいう。
なお、リチウムイオン電池を製造する際に使用する電解液は、上記電解液に限定されるものではなく、他の電解液を使用してもよい。
吸液率は20%以上であることがより好ましく、30%以上であることがさらに好ましい。
また、吸液率の好ましい上限値としては、400%であり、より好ましい上限値としては300%である。
引張破断伸び率(%)=[(破断時試験片長さ−試験前試験片長さ)/試験前試験片長さ]×100
引張破断伸び率は20%以上であることがより好ましく、30%以上であることがさらに好ましい。
また、引張破断伸び率の好ましい上限値としては、400%であり、より好ましい上限値としては300%である。
被覆層に含まれる導電剤は、導電性を有する材料から選択される。
具体的には、金属[ニッケル、アルミニウム、ステンレス(SUS)、銀、銅及びチタン等]、カーボン[グラファイト及びカーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルランプブラック等)等]、及びこれらの混合物等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
これらの導電剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。また、これらの合金又は金属酸化物を用いてもよい。電気的安定性の観点から、好ましくはアルミニウム、ステンレス、カーボン、銀、銅、チタン及びこれらの混合物であり、より好ましくは銀、アルミニウム、ステンレス及びカーボンであり、さらに好ましくはカーボンである。またこれらの導電剤としては、粒子系セラミック材料や樹脂材料の周りに導電性材料(上記した導電剤の材料のうち金属のもの)をめっき等でコーティングしたものでもよい。
なお、本明細書中において、導電剤の「粒子径」とは、導電剤の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の距離Lを意味する。導電剤の「平均粒子径」の値としては、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)等の観察手段を用い、数〜数十視野中に観察される粒子の粒子径の平均値として算出される値を採用するものとする。
導電性繊維としては、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等の炭素繊維、合成繊維の中に導電性のよい金属や黒鉛を均一に分散させてなる導電性繊維、ステンレス鋼のような金属を繊維化した金属繊維、有機物繊維の表面を金属で被覆した導電性繊維、有機物繊維の表面を導電性物質を含む樹脂で被覆した導電性繊維等が挙げられる。これらの導電性繊維の中では炭素繊維が好ましい。また、グラフェンを練りこんだポリプロピレン樹脂も好ましい。
導電剤が導電性繊維である場合、その平均繊維径は0.1〜20μmであることが好ましい。
リチウムイオン電池用被覆正極活物質の重量に対する導電剤の重量の割合は、特に限定されるものではないが、2〜14重量%であることが好ましい。
被覆層の導電率は、四端子法によって求めることができる。
被覆層の導電率が0.001mS/cm以上であることで、正極活物質への電気抵抗が高くなく、充放電が可能となる。
本発明のリチウムイオン電池用被覆正極活物質は、被覆樹脂組成物、導電剤及びリチウムイオン電池用正極活物質を混合することによって製造してもよく、被覆樹脂組成物と導電剤とを混合して被覆材を準備したのち、該被覆材とリチウムイオン電池用正極活物質とを混合することにより製造してもよい。
なお、リチウムイオン電池用正極活物質と被覆樹脂組成物と導電剤とを混合する場合、混合順序には特に制限はないが、リチウムイオン電池用活物質と被覆樹脂組成物とを混合した後、更に導電剤を加えて更に混合することが好ましい。
上記方法により、被覆樹脂組成物と導電剤を含む被覆層によってリチウムイオン電池用正極活物質の表面の少なくとも一部が被覆される。
上記分散液には、必要に応じて公知のリチウムイオン電池用の正極に含まれるポリフッ化ビニリデン(PVdF)等のバインダを添加してもよいが、PVdF等のバインダは添加しないことが好ましい。従来のリチウムイオン電池用の正極においては、バインダで正極活物質を正極内に固定することで導電経路を維持する必要がある。しかし、本発明のリチウムイオン電池用被覆正極活物質を用いた場合は、被覆層の働きによって正極活物質を正極内に固定することなく導電経路を維持することができるため、バインダを添加する必要がない。バインダを添加しないことによって、正極活物質を含む正極電極組成物の非結着体で正極活物質層を構成することができるため、正極活物質が正極内に固定化されず正極活物質の体積変化に対する緩和能力が更に良好となる。
なお、電極の製造に用いる導電材料は、被覆層が含む導電剤とは別であり、被覆活物質が有する被覆層の外部に存在し、活物質層中において被覆活物質表面からの電子伝導性を向上する機能を有する。
従来のリチウムイオン電池における正極活物質層は、正極活物質及び結着剤を溶媒中に分散させたスラリーを正極集電体等の表面に塗布し、加熱・乾燥させることにより製造されるため、正極活物質層は結着剤により固められた状態となっている。このとき、正極活物質は結着剤により互いに固定されており、正極活物質同士の位置が固定されている。そして、正極活物質層が結着剤によって正極集電体の表面に固定されているため、正極活物質の充放電時の膨張・収縮によって結着剤により固められた正極活物質層に亀裂が生じたり、正極活物質層が正極集電体の表面から剥離、脱落してしまうことがある。
これに対して、本発明のリチウムイオン電池用被覆正極活物質を用いると、正極活物質を含む正極電極組成物の非結着体で正極活物質層を構成することができるため、結着剤を使用した際に発生する上記問題(正極活物質層の正極集電体表面からの剥離、脱落、及び、クラックの発生)を抑制し、サイクル特性に優れる正極電極を得ることができる。
なお、非結着体とは、正極活物質層を構成する正極活物質組成物が結着剤(バインダともいう)により互いの位置を固定されていないことを意味する。
バインダとしてはデンプン、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフロオロエチレン、スチレン−ブタジエンゴム、ポリエチレン及びポリプロピレン等が挙げられる。
ただし、バインダは上記分散液に添加しないことが好ましい。
正極集電体の形状は特に限定されず、上記の材料からなるシート状の集電体、及び、上記の材料で構成された微粒子からなる堆積層であってもよい。
正極集電体の厚さは、特に限定されないが、50〜500μmであることが好ましい。
導電性高分子材料を構成する導電性材料としては、被覆層に含まれる導電剤と同様のものを好適に用いることができる。
導電性高分子材料を構成する樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリシクロオレフィン(PCO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂又はこれらの混合物等が挙げられる。
電気的安定性の観点から、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)及びポリシクロオレフィン(PCO)が好ましく、さらに好ましくはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリメチルペンテン(PMP)である。
また、集電体の一方の面に正極を形成し、もう一方の面に負極を形成して双極型電極を作製し、双極型電極をセパレータと積層してセル容器に収容し、電解液を注入し、セル容器を密閉することでも得られる。
鎖状炭酸エステルとしては、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネート及びジ−n−プロピルカーボネート等が挙げられる。
環状エーテルとしては、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン及び1,4−ジオキサン等が挙げられる。
鎖状エーテルとしては、ジメトキシメタン及び1,2−ジメトキシエタン等が挙げられる。
ニトリル化合物としては、アセトニトリル等が挙げられる。アミド化合物としては、DMF等が挙げられる。スルホンとしては、ジメチルスルホン及びジエチルスルホン等が挙げられる。
非水溶媒は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
更に好ましいのはラクトン化合物、環状炭酸エステル及び鎖状炭酸エステルであり、特に好ましいのは環状炭酸エステル及び環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステルの混合液である。最も好ましいのはエチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)との混合液、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)の混合液、又は、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の混合液である。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF70.0部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸ブチル20.0部、アクリル酸55.0部、メタクリル酸メチル22.0部、アリルスルホン酸ナトリウム3.0部及びDMF20部を配合したモノマー配合液と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.4部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.8部をDMF10.0部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、80℃に昇温し反応を5時間継続し樹脂濃度50%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して120℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行ってDMFを留去し、被覆樹脂組成物(R−1)を得た。
製造例1に記載の各原料を表1の配合比に変更した他は製造例1と同様にして、被覆樹脂組成物(R−2)〜(R−5)をそれぞれ得た。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにイオン交換水98.0部、硫酸アンモニウム62.7部、ポリアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物水溶液(ポリマー濃度20重量%、重量平均分子量80万)1.0部を投入し、撹拌し、溶解させ、重合浴とした。N−ビニルホルムアミド32.7部、ジビニルベンゼン2.7部、アクリロニトリル3.9部、アゾ系重合開始剤2、2’−アゾビス(4−メトキシ−2、4−ジメチルバレロニトリル)(V−70、和光純薬工業(株)製)0.1部を混合し、モノマー溶液とした。モノマー溶液と重合浴を混合、窒素でフラスコ内を置換しながら180rpmで撹拌した。30分後昇温し、45℃で3時間、続いて60℃で2時間重合した。重合後濾過、水洗、濾過し、含水状態の重合体球状粒子を得た。固形分率は38.8%であった。このようにして得られた反応生成物52.4部を4口フラスコに入れ、48重量%水酸化ナトリウム水溶液47.6部を加え、撹拌しながら80℃で7時間加水分解した。水洗、濾過し、含水状態のポリビニルアミン球状粒子を得た。このようにして得られた重合体粒子をポリビニルアミン架橋重合体粒子を10.9部(乾燥質量3.03g)、イオン交換水43.2部、モノクロロ酢酸ナトリウム18.9部をセパラブルフラスコに加え、撹拌しながら80℃に加温した。撹拌開始1時間後、24質量%水酸化ナトリウム水溶液27.0部を添加し、その後3時間80℃のまま加熱撹拌した。放冷の後、濾過にてイミノ二酢酸含有被覆樹脂組成物(R−6)を得た。
(R−6)の酸価及び重量平均分子量は、それぞれ、200、100,000であった。
[被覆正極活物質の作製]
正極活物質(LiNi0.8Co0.15Al0.05O2粉末、平均粒子径4μm)100部に対して、被覆樹脂組成物のイオン捕捉効果を確認するための鉄標準液を鉄濃度が50ppmとなるように添加し、万能混合機ハイスピードミキサーFS25[(株)アーステクニカ製]に入れ、室温、720rpmで撹拌した状態で、製造例1で得られた被覆樹脂組成物(R−1)をイソプロパノールに1.0重量%の濃度で溶解して得られた被覆樹脂組成物溶液11.2部を2分かけて滴下し、さらに5分撹拌した。
次いで、撹拌した状態で導電剤としてアセチレンブラック[電気化学工業(株)製 デンカブラック(登録商標)]6.2部を分割しながら2分間で投入し、30分撹拌を継続した。その後、撹拌を維持したまま0.01MPaまで減圧し、次いで撹拌と減圧度を維持したまま温度を140℃まで昇温し、撹拌、減圧度及び温度を8時間維持して揮発分を留去した。得られた粉体を目開き212μmの篩いで分級し、実施例1に係る被覆正極活物質(P−1)を得た。
被覆樹脂組成物の種類、固形分濃度及び部数、並びに、導電剤の部数のそれぞれを表2に記載したように変更したこと以外は実施例1と同様の手順で、実施例2〜10に係る被覆正極活物質(P−2)〜(P−10)を得た。
被覆樹脂組成物の固形分濃度及び部数並びに導電剤の部数のそれぞれを表2に記載したように変更したこと以外は実施例1と同様の手順で、比較例1〜4に係る被覆正極活物質(P’−1)〜(P’−4)を得た。
被覆率(%)={1−[被覆正極活物質のBET比表面積/(正極活物質のBET比表面積×被覆正極活物質中に含まれる正極活物質の重量割合+導電剤のBET比表面積×被覆正極活物質中に含まれる導電剤の重量割合)]}×100
JIS Z8830 ガス吸着による粉体(固体)の比表面積測定方法に準じ、以下の装置と測定条件で測定した。
測定装置:マイクロメリテックス社 ASAP−2010
吸着ガス:N2
死容積測定ガス:He
吸着温度:77K
測定前処理:100℃、10分間真空乾燥
測定モード:等温での吸着過程及び脱着過程
測定相対圧P/P0:約0〜0.99
平衡設定時間:1相対圧につき180sec
上記で得られたBET比表面積を用いて被覆率を計算した。
なお、正極活物質であるLiNi0.8Co0.15Al0.05O2粉末のBET比表面積は0.31m2/g、導電剤であるアセチレンブラックのBET比表面積は67.7m2/gであった。
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の混合溶媒(体積比率1:1)に対して30wt%の被覆正極活物質を添加して30分撹拌後、1時間静置し被覆正極活物質を沈降させた。そのときの上澄み液(抽出液)をメンブレンフィルターを用いてろ過し、ろ液をメタノールで希釈してICP発光分析装置で分析し、Fe含有量を定量した。
Claims (4)
- リチウムイオン電池用正極活物質が有する表面の少なくとも一部を被覆樹脂組成物と導電剤とを含む被覆層で被覆してなるリチウムイオン電池用被覆正極活物質であって、
前記被覆樹脂組成物は、遷移金属イオン又は遷移金属原子を捕捉するキレート性高分子化合物を含み、
下記の計算式で得られる被覆率が30.0%を超えることを特徴とするリチウムイオン電池用被覆正極活物質。
被覆率(%)={1−[被覆正極活物質のBET比表面積/(正極活物質のBET比表面積×被覆正極活物質中に含まれる正極活物質の重量割合+導電剤のBET比表面積×被覆正極活物質中に含まれる導電剤の重量割合)]}×100 - 前記被覆率が80%以下である請求項1に記載のリチウムイオン電池用被覆正極活物質。
- 前記キレート性高分子化合物が、(メタ)アクリル酸を必須構成単量体とする、酸価100〜500の重合体である請求項1又は2に記載のリチウムイオン電池用被覆正極活物質。
- 前記キレート性高分子化合物は、(メタ)アクリル酸、下記一般式(1)で示されるエステル化合物(a31)、炭素数1〜3の1価の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物(a4)及び重合性不飽和二重結合とアニオン性基とを有するアニオン性単量体の塩(a5)を必須構成単量体とする共重合体であって、前記エステル化合物(a31)と前記(メタ)アクリル酸の重量比[前記エステル化合物(a31)/前記(メタ)アクリル酸]が10/90〜90/10である請求項1〜3のいずれかに記載のリチウムイオン電池用被覆正極活物質。
CH2=C(R1)COOR2 (1)
[R1は水素原子又はメチル基、R2は炭素数4〜12の直鎖又は分岐アルキル基である。]
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