JP7058515B2 - リチウムイオン電池用被覆正極活物質 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン電池用被覆正極活物質に関する。
近年、環境保護のため二酸化炭素排出量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用二次電池の開発が鋭意行われている。二次電池としては、高エネルギー密度、高出力密度が達成できるリチウムイオン電池に注目が集まっている。
リチウムイオン電池には、充放電の際に、リチウムイオン電池を構成する不純物金属が正極又は負極の表面に析出し、微小短絡等の問題を生じさせることが知られている。すなわち、使用に伴って充電容量や起電力が低下する(サイクル特性が悪化する)という問題があった。
特許文献1には、不純物金属粒子及び不純物金属化合物粒子の表面に、該不純物金属粒子及び該不純物金属化合物粒子の溶解・析出を抑制する樹脂組成物を存在させたリチウムイオン電池が開示されている。
特開2004-186130号公報
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、意図しない不純物金属に対応することができない。すなわち、例えば、電池活物質を粉砕・分級する際に使用する粉砕機(主にステンレス製)から鉄、ニッケル等の不純物金属が混入する場合、該不純物金属は電池活物質中に内包されるから、不純物金属粒子の表面に直接樹脂組成物を存在させることは困難であった。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、サイクル特性に優れるリチウムイオン電池用被覆正極活物質を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、リチウムイオン電池用正極活物質が有する表面の少なくとも一部を被覆樹脂組成物と導電剤とを含む被覆層で被覆してなるリチウムイオン電池用被覆正極活物質であって、上記被覆樹脂組成物は、遷移金属イオン又は遷移金属原子を捕捉するキレート性高分子化合物を含み、下記の計算式で得られる被覆率が30.0%を超えることを特徴とするリチウムイオン電池用被覆正極活物質。
被覆率(%)={1-[被覆正極活物質のBET比表面積/(正極活物質のBET比表面積×被覆正極活物質中に含まれる正極活物質の重量割合+導電剤のBET比表面積×被覆正極活物質中に含まれる導電剤の重量割合)]}×100
本発明のリチウムイオン電池用被覆正極活物質は、サイクル特性に優れる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のリチウムイオン電池用被覆正極活物質は、リチウムイオン電池用正極活物質が有する表面の少なくとも一部を被覆樹脂組成物と導電剤とを含む被覆層で被覆してなるリチウムイオン電池用被覆正極活物質であって、上記被覆樹脂組成物は、遷移金属イオン又は遷移金属原子を捕捉するキレート性高分子化合物を含み、下記の計算式で得られる被覆率が30.0%を超えることを特徴とする。
被覆率(%)={1-[被覆正極活物質のBET比表面積/(正極活物質のBET比表面積×被覆正極活物質中に含まれる正極活物質の重量割合+導電剤のBET比表面積×被覆正極活物質中に含まれる導電剤の重量割合)]}×100
本発明のリチウムイオン電池用被覆正極活物質(以下、単に被覆正極活物質ともいう)において、正極活物質が有する表面のうち30.0%を超える領域が被覆樹脂組成物と導電剤とを含む被覆層で被覆されており、被覆樹脂組成物は遷移金属イオン又は遷移金属原子(以下、単に遷移金属ともいう)を捕捉するキレート性高分子化合物を含んでいる。
正極活物質の表面のうち30.0%を超える領域がキレート性高分子化合物を含む被覆層により被覆されていると、たとえ正極活物質中に不純物となる遷移金属粒子や遷移金属化合物が混入していたとしても、該遷移金属粒子又は該遷移金属化合物が電解液中に移動する際に、キレート性高分子化合物により該遷移金属粒子又は該遷移金属化合物を捕捉することができる。すなわち、電解液中に遷移金属粒子や遷移金属化合物が溶出することを抑制することができ、リチウムイオン電池のサイクル特性を向上させることができる。
キレート性高分子化合物とは金属イオン又は金属原子に対して配位結合する構造単位を有する高分子化合物であり、キレート性高分子化合物に含まれる配位結合する構造単位は孤立電子対を有する原子(窒素原子、酸素原子、硫黄原子及びリン原子等)を含む構造単位であり、アミノ基、カルボキシル基、酸無水物基、チオ基及びフォスフィノ基等の官能基並びにエーテル結合、エステル結合及びウレタン結合等の結合等が挙げられる。
被覆樹脂組成物に含まれる、キレート性高分子化合物は、遷移金属イオン又は遷移金属原子を捕捉する性質(以下、キレート能ともいう)を有していれば特に限定されず、アミノ基、カルボキシル基、酸無水物基及びチオ基からなる群から選択される少なくとも一種の官能基を有する高分子化合物であることが好ましく、カルボキシル基、酸無水物基及びアミノ基からなる群から選択される少なくとも一種の官能基を有する高分子化合物であることがより好ましい。カルボキシル基、酸無水物基、アミノ基及びチオ基からなる群から選択される少なくとも一種の官能基を有する高分子化合物としては、これらの官能基を有するビニル樹脂、ウレタン樹脂及びポリエステル樹脂等を好ましく用いることができる。
遷移金属イオン又は遷移金属原子を捕捉するキレート性高分子化合物は、2種以上の官能基を有していてもよい。2種以上の官能基を有するキレート性高分子化合物としては、アミノ基をN-カルボキシルメチル化した、イミノ基及びイミノ基に接続する2つのカルボキシルメチル基(まとめてイミノ二酢酸基ともいう)を有するキレート性高分子化合物が挙げられる。イミノ二酢酸基を有するキレート性高分子化合物は、例えば国際公開第2017/126355号に記載の製造方法で得ることができる。
遷移金属イオン又は遷移金属原子を捕捉するキレート性高分子化合物としては、カルボキシル基、酸無水物基及びアミノ基からなる群から選択される少なくとも一種の官能基を有する単量体を含む単量体組成物を重合してなるビニル重合体(A1)であることが特に好ましい。ビニル重合体(A1)としては、具体的には、カルボキシル基又は酸無水物基を有するビニルモノマー(a1)[以下、単に単量体(a1)ともいう]又はアミノ基を有するビニルモノマー(a2)[以下、単に単量体(a2)ともいう]を含む単量体組成物を重合してなるビニル重合体であることが好ましく、カルボキシル基又は酸無水物基を有する単量体(a1)を含む単量体組成物を重合してなるビニル重合体であることがより好ましく、カルボキシル基を有する単量体を含む単量体組成物を重合してなるビニル重合体であることがさらに好ましい。
カルボキシル基又は酸無水物基を有する単量体を含む単量体組成物を重合してなる重合体は、カルボキシル基(酸無水物基の場合は加水分解により2個のカルボキシル基となる)が遷移金属イオン又は遷移金属原子を捕捉することによって遷移金属に対するキレート能が発現する。
アミノ基を有する単量体を含む単量体組成物を重合してなる重合体はアミノ基を有するため、該アミノ基によって遷移金属に対するキレート能が発現しやすくなる。
単量体(a1)としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、ビニル安息香酸等の炭素数3~15の不飽和モノカルボン酸(a11);(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸等の炭素数4~24の不飽和ジカルボン酸(a12);アコニット酸等の炭素数6~24の3価~4価又はそれ以上の価数の不飽和ポリカルボン酸(a13)等が挙げられる。これらの中でも(メタ)アクリル酸が好ましく、メタクリル酸がより好ましい。
単量体(a2)としては、(a21)アミノ基含有ビニル化合物及び(a22)複素環含有ビニル化合物が挙げられる。
(a21)アミノ基含有ビニル化合物には、ビニル基を有する脂肪族アミン及びビニル基を有する芳香族アミンが含まれ、アミノ基含有(メタ)アクリレート、アミノ基含有(メタ)アクリルアミド、アミノ基含有芳香族ビニル炭化水素及びアミノ基含有アリルエーテル等が挙げられる。
アミノ基含有(メタ)アクリレートとしては、アミノアルキル(メタ)アクリレート、モノアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート及び4級アンモニウムイオンを含有する(メタ)アクリレート等が挙げられ、好ましいアミノ基含有(メタ)アクリレートとしては、アミノエチル(メタ)アクリレート、N-メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N-ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N-ベンジル-N-メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジベンジルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジベンジルアミノプロピル(メタ)アクリレート、モルホリノエチル(メタ)アクリレート及びN-メチルピペチジノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、4級アンモニウムイオンを含有する(メタ)アクリレートとしては、上記のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートのアミノ基を公知の4級化剤(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド及びジメチルカーボネート等)で4級化したものが挙げられる。
アミノ基含有(メタ)アクリルアミドとしては、アミノエチルアクリルアミド、N-メチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N-ベンジル-N-メチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、モルホリノエチル(メタ)アクリルアミド及びN-メチルピペチジノエチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
アミノ基含有芳香族ビニル炭化水素としては、アミノエチルスチレン、N-メチルアミノエチルスチレン、N,N-ジメチルアミノスチレン、N,N-ジプロピルアミノスチレン、N-ベンジル-N-メチルアミノスチレン及びN,N′-ジメチル-N-(4-ビニルベンジル)エチレンジアミン等が挙げられる。
アミノ基含有アリルエーテルとしては、アミノエチルアリルエーテル、N-メチルアミノエチルアリルエーテル、N,N-ジメチルアミノエチルアリルエーテル及びN,N-ジエチルアミノエチルアリルエーテル等が挙げられる。
(a22)複素環含有ビニル化合物としては、ピリジン化合物(炭素数7~14、例えば2-又は4-ビニルピリジン)、イミダゾール化合物(炭素数5~12、例えばN-ビニルイミダゾール)、ピロール化合物(炭素数6~13、例えばN-ビニルピロール)、ピロリドン化合物(炭素数6~13、例えばN-ビニル-2-ピロリドン)等が挙げられる。
ビニル重合体(A1)を構成する単量体には、単量体(a1)及び/又は単量体(a2)に加えて、さらに、下記一般式(2)で表される不飽和モノカルボン酸エステル化合物(a3)、炭素数1~3の1価の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物(a4)、重合性不飽和二重結合とアニオン性基とを有するアニオン性単量体の塩(a5)[以下、それぞれ単量体(a3)、単量体(a4)、単量体(a5)ともいう]の1種又は2種以上が含まれていてもよい。
以下に、単量体(a3)~(a5)について説明する。
(a3)下記一般式(2)で表される不飽和モノカルボン酸エステル化合物
CH=C(R)COOR (2)
[式(2)中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは炭素数4~12の直鎖又は炭素数4~36の分岐アルキル基である。]
上記一般式(2)で表される単量体(a3)において、Rは水素原子又はメチル基を表す。Rはメチル基であることが好ましい。
は、炭素数4~12の直鎖若しくは分岐アルキル基、又は、炭素数13~36の分岐アルキル基であることが好ましい。
(a31)単量体(a3)のうち、Rが炭素数4~12の直鎖又は分岐アルキル基である不飽和モノカルボン酸エステル化合物
炭素数4~12の直鎖アルキル基としては、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基が挙げられる。
炭素数4~12の分岐アルキル基としては、1-メチルプロピル基(sec-ブチル基)、2-メチルプロピル基、1,1-ジメチルエチル基(tert-ブチル基)、1-メチルブチル基、1,1-ジメチルプロピル基、1,2-ジメチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基(ネオペンチル基)、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、1,1-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1-エチルブチル基、2-エチルブチル基、1-メチルヘキシル基、2-メチルヘキシル基、2-メチルヘキシル基、4-メチルヘキシル基、5-メチルヘキシル基、1-エチルペンチル基、2-エチルペンチル基、3-エチルペンチル基、1,1-ジメチルペンチル基、1,2-ジメチルペンチル基、1,3-ジメチルペンチル基、2,2-ジメチルペンチル基、2,3-ジメチルペンチル基、2-エチルペンチル基、1-メチルヘプチル基、2-メチルヘプチル基、3-メチルヘプチル基、4-メチルヘプチル基、5-メチルヘプチル基、6-メチルヘプチル基、1,1-ジメチルヘキシル基、1,2-ジメチルヘキシル基、1,3-ジメチルヘキシル基、1,4-ジメチルヘキシル基、1,5-ジメチルヘキシル基、1-エチルヘキシル基、2-エチルヘキシル基、1-メチルオクチル基、2-メチルオクチル基、3-メチルオクチル基、4-メチルオクチル基、5-メチルオクチル基、6-メチルオクチル基、7-メチルオクチル基、1,1-ジメチルヘプチル基、1,2-ジメチルヘプチル基、1,3-ジメチルヘプチル基、1,4-ジメチルヘプチル基、1,5-ジメチルヘプチル基、1,6-ジメチルヘプチル基、1-エチルヘプチル基、2-エチルヘプチル基、1-メチルノニル基、2-メチルノニル基、3-メチルノニル基、4-メチルノニル基、5-メチルノニル基、6-メチルノニル基、7-メチルノニル基、8-メチルノニル基、1,1-ジメチルオクチル基、1,2-ジメチルオクチル基、1,3-ジメチルオクチル基、1,4-ジメチルオクチル基、1,5-ジメチルオクチル基、1,6-ジメチルオクチル基、1,7-ジメチルオクチル基、1-エチルオクチル基、2-エチルオクチル基、1-メチルデシル基、2-メチルデシル基、3-メチルデシル基、4-メチルデシル基、5-メチルデシル基、6-メチルデシル基、7-メチルデシル基、8-メチルデシル基、9-メチルデシル基、1,1-ジメチルノニル基、1,2-ジメチルノニル基、1,3-ジメチルノニル基、1,4-ジメチルノニル基、1,5-ジメチルノニル基、1,6-ジメチルノニル基、1,7-ジメチルノニル基、1,8-ジメチルノニル基、1-エチルノニル基、2-エチルノニル基、1-メチルウンデシル基、2-メチルウンデシル基、3-メチルウンデシル基、4-メチルウンデシル基、5-メチルウンデシル基、6-メチルウンデシル基、7-メチルウンデシル基、8-メチルウンデシル基、9-メチルウンデシル基、10-メチルウンデシル基、1,1-ジメチルデシル基、1,2-ジメチルデシル基、1,3-ジメチルデシル基、1,4-ジメチルデシル基、1,5-ジメチルデシル基、1,6-ジメチルデシル基、1,7-ジメチルデシル基、1,8-ジメチルデシル基、1,9-ジメチルデシル基、1-エチルデシル基、2-エチルデシル基等が挙げられる。
(a32)単量体(a3)のうち、Rが炭素数13~36の分岐アルキル基である不飽和モノカルボン酸エステル化合物
炭素数13~36の分岐アルキル基としては、1-アルキルアルキル基[1-メチルドデシル基、1-ブチルエイコシル基、1-ヘキシルオクタデシル基、1-オクチルヘキサデシル基、1-デシルテトラデシル基、1-ウンデシルトリデシル基等]、2-アルキルアルキル基[2-メチルドデシル基、2-ヘキシルオクタデシル基、2-オクチルヘキサデシル基、2-デシルテトラデシル基、2-ウンデシルトリデシル基、2-ドデシルヘキサデシル基、2-トリデシルペンタデシル基、2-デシルオクタデシル基、2-テトラデシルオクタデシル基、2-ヘキサデシルオクタデシル基、2-テトラデシルエイコシル基、2-ヘキサデシルエイコシル基等]、3~34-アルキルアルキル基(3-アルキルアルキル基、4-アルキルアルキル基、5-アルキルアルキル基、32-アルキルアルキル基、33-アルキルアルキル基及び34-アルキルアルキル基等)、並びに、プロピレンオリゴマー(7~11量体)、エチレン/プロピレン(モル比16/1~1/11)オリゴマー、イソブチレンオリゴマー(7~8量体)及びα-オレフィン(炭素数5~20)オリゴマー(4~8量体)等から得られるオキソアルコールから水酸基を除いた残基のような1又はそれ以上の分岐アルキル基を含有する混合アルキル基等が挙げられる。
(a4)炭素数1~3の1価の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物
単量体(a4)を構成する炭素数1~3の1価の脂肪族アルコールとしては、メタノール、エタノール、1-プロパノール及び2-プロパノール等が挙げられる。
(a5)重合性不飽和二重結合とアニオン性基とを有するアニオン性単量体の塩
重合性不飽和二重結合を有する構造としてはビニル基、アリル基、スチレニル基及び(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。
アニオン性基としては、スルホン酸基等が挙げられる。
単量体(a5)を構成するアニオン性単量体としては、例えばビニルスルホン酸、アリルスルホン酸及びスチレンスルホン酸等が挙げられる。
単量体(a5)を構成するカチオンとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン及びアンモニウムイオン等が挙げられる。
なお、(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を意味する。
ビニル重合体(A1)を構成する単量体には、カルボキシル基又は酸無水物基を有するビニルモノマー(a1)、アミノ基を有するビニルモノマー(a2)、上記一般式(2)で表される不飽和モノカルボン酸エステル化合物(a3)、炭素数1~3の1価の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物(a4)及び重合性不飽和二重結合とアニオン性基とを有するアニオン性単量体の塩(a5)の他に、単量体(a6)及び単量体(a7)が含まれていてもよい。
単量体(a6)としては、以下の単量体(a61)~(a68)が挙げられる。
(a61)炭素数13~20の直鎖脂肪族モノオール、炭素数5~20の脂環式モノオール又は炭素数7~20の芳香脂肪族モノオールと(メタ)アクリル酸から形成されるハイドロカルビル(メタ)アクリレート
上記モノオールとしては、(i)直鎖脂肪族モノオール(トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、ノナデシルアルコール、アラキジルアルコール等)、(ii)脂環式モノオール(シクロペンチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、シクロヘプチルアルコール、シクロオクチルアルコール等)、(iii)芳香脂肪族モノオール(ベンジルアルコール等)及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
(a62)ポリ(n=2~30)オキシアルキレン(炭素数2~4)アルキル(炭素数1~18)エーテル(メタ)アクリレート[メタノールのエチレンオキサイド(以下EOと略記)10モル付加物(メタ)アクリレート、メタノールのプロピレンオキサイド(以下POと略記)10モル付加物(メタ)アクリレート等]
(a63)窒素含有ビニル化合物
(a63-1)アミド基含有ビニル化合物
(i)炭素数3~30の(メタ)アクリルアミド化合物、例えばN,N-ジアルキル(炭素数1~6)又はジアラルキル(炭素数7~15)(メタ)アクリルアミド(N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジベンジルアクリルアミド等)、ジアセトンアクリルアミド
(ii)上記(メタ)アクリルアミド化合物を除く、炭素数4~20のアミド基含有ビニル化合物、例えばN-メチル-N-ビニルアセトアミド、環状アミド[ピロリドン化合物(炭素数6~13、例えば、N-ビニルピロリドン等)]
(a63-2)ニトリル基含有ビニル化合物
炭素数3~15のニトリル基含有ビニル化合物、例えば(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン、シアノアルキル(炭素数1~4)アクリレート
(a63-3)その他の窒素含有ビニル化合物
ニトロ基含有ビニル化合物(炭素数8~16、例えばニトロスチレン)等
(a64)ビニル炭化水素
(a64-1)脂肪族ビニル炭化水素
炭素数2~18又はそれ以上のオレフィン(エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン等)、炭素数4~10又はそれ以上のジエン(ブタジエン、イソプレン、1,4-ペンタジエン、1,5-ヘキサジエン、1,7-オクタジエン等)等
(a64-2)脂環式ビニル炭化水素
炭素数4~18又はそれ以上の環状不飽和化合物、例えばシクロアルケン(例えばシクロヘキセン)、(ジ)シクロアルカジエン[例えば(ジ)シクロペンタジエン]、テルペン(例えばピネン及びリモネン)、インデン
(a64-3)芳香族ビニル炭化水素
炭素数8~20又はそれ以上の芳香族不飽和化合物、例えばスチレン、ジビニルベンゼン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4-ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン
(a65)ビニルエステル
脂肪族ビニルエステル[炭素数4~15、例えば脂肪族カルボン酸(モノ-又はジカルボン酸)のアルケニルエステル(例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメトキシアセテート)]
芳香族ビニルエステル[炭素数9~20、例えば芳香族カルボン酸(モノ-又はジカルボン酸)のアルケニルエステル(例えばビニルベンゾエート、ジアリルフタレート、メチル-4-ビニルベンゾエート)、脂肪族カルボン酸の芳香環含有エステル(例えばアセトキシスチレン)]
(a66)ビニルエーテル
脂肪族ビニルエーテル[炭素数3~15、例えばビニルアルキル(炭素数1~10)エーテル(ビニルメチルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニル2-エチルヘキシルエーテル等)、ビニルアルコキシ(炭素数1~6)アルキル(炭素数1~4)エーテル(ビニル-2-メトキシエチルエーテル、メトキシブタジエン、3,4-ジヒドロ-1,2-ピラン、2-ブトキシ-2’-ビニロキシジエチルエーテル、ビニル-2-エチルメルカプトエチルエーテル等)、ポリ(2~4)(メタ)アリロキシアルカン(炭素数2~6)(ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタン等)]、芳香族ビニルエーテル(炭素数8~20、例えばビニルフェニルエーテル、フェノキシスチレン)
(a67)ビニルケトン
脂肪族ビニルケトン(炭素数4~25、例えばビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン)、芳香族ビニルケトン(炭素数9~21、例えばビニルフェニルケトン)
(a68)不飽和ジカルボン酸ジエステル
炭素数4~34の不飽和ジカルボン酸ジエステル、例えばジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数1~22の、直鎖、分岐鎖又は脂環式の基)、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数1~22の、直鎖、分岐鎖又は脂環式の基)
上記単量体(a6)として例示したもののうち耐電圧の観点から好ましいのは、(a61)、(a62)及び(a63)である。
(a7)重合性不飽和二重結合とアニオン性基とを有するアニオン性単量体
重合性不飽和二重結合を有する構造としてはビニル基、アリル基、スチレニル基及び(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。
アニオン性基としては、スルホン酸基、ホスホン酸基等が挙げられる。
単量体(a7)としては、例えばビニルスルホン酸、アリルスルホン酸及びスチレンスルホン酸、ビニルホスホン酸、アリルホスホン酸、フェニルエテニルホスホン酸、スチレンホスホン酸等が挙げられる。
ビニル重合体(A1)において、カルボキシル基又は酸無水物基を有するビニルモノマー(a1)、アミノ基を有するビニルモノマー(a2)、上記一般式(2)で表される不飽和モノカルボン酸エステル化合物(a3)、炭素数1~3の1価の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物(a4)、重合性不飽和二重結合とアニオン性基とを有するアニオン性単量体の塩(a5)及び上記単量体(a61)~(a68)の含有量は、ビニル重合体(A1)を構成する全単量体の総重量を基準として、それぞれ、(a1)及び/又は(a2)が0.1~80重量%、(a3)が0.1~99.9重量%、(a4)が0~60重量%、(a5)が0~15重量%、(a61)~(a68)の合計重量が0~99.8重量%であることが好ましい。
正極活物質との接着性及びキレート能の観点から、キレート性高分子化合物は、(メタ)アクリル酸、下記一般式(1)で示されるエステル化合物(a31)、炭素数1~3の1価の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物(a4)及び重合性不飽和二重結合とアニオン性基とを有するアニオン性単量体の塩(a5)を必須構成単量体とする共重合体であって、上記エステル化合物(a31)と上記(メタ)アクリル酸の重量比[エステル化合物(a31)/(メタ)アクリル酸]が10/90~90/10であることが好ましい。
CH=C(R)COOR (1)
[式(1)中、Rは水素原子又はメチル基、Rは炭素数4~12の直鎖又は分岐アルキル基である。]
上記[エステル化合物(a31)/(メタ)アクリル酸]は、30/70~85/15であることがより好ましく、40/60~70/30であることがさらに好ましい。
アミノ基を有するビニルモノマー(a2)を含む単量体組成物を重合してなるビニル重合体(A1)は、単量体(a2)由来の1級アミノ基の一部又は全部の水素原子が、他の置換基で置換されたものであってもよい。
ビニル重合体(A1)を構成する1級アミノ基の水素原子を他の置換基で置換したものとしては、1級アミノ基に2つのカルボキシメチル基を導入したイミノ二酢酸基を有するイミノ二酢酸型重合体等が挙げられる。
ビニル重合体(A1)の重量平均分子量(Mw)の好ましい下限は30,000であり、好ましい上限は80,000である。
ビニル重合体(A1)の重量平均分子量が上記範囲であると、被覆樹脂組成物表面のタック性が適当なものとなり、正極活物質を被覆しやすくなるため、好ましい。
ビニル重合体(A1)の重量平均分子量は、以下の条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下GPCと略記)測定により求めることができる。
装置:Alliance GPC V2000(Waters社製)
溶媒:オルトジクロロベンゼン
標準物質:ポリスチレン
検出器:RI
サンプル濃度:3mg/ml
カラム固定相:PLgel 10μm、MIXED-B 2本直列(ポリマーラボラトリーズ社製)
カラム温度:135℃
ビニル重合体(A1)は、公知の重合方法(塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合等)により製造することができる。
重合に際しては、公知の重合開始剤{アゾ系開始剤[2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル等)]、パーオキサイド系開始剤(ベンゾイルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド等)等}を使用して行なうことができる。
重合開始剤の使用量は、単量体組成物の全重量に基づいて好ましくは0.01~5重量%、より好ましくは0.05~2重量%、さらに好ましくは0.1~1.5重量%である。
溶液重合の場合に使用される溶媒としては、例えばエステル(炭素数2~8、例えば酢酸エチル及び酢酸ブチル)、アルコール(炭素数1~8、例えばメタノール、エタノール及びオクタノール)、炭化水素(炭素数4~8、例えばn-ブタン、シクロヘキサン及びトルエン)及びケトン(炭素数3~9、例えばメチルエチルケトン)が挙げられ、使用量はモノマーの合計重量に基づいて好ましくは5~900重量%、より好ましくは10~400重量%、さらに好ましくは30~300重量%であり、モノマー濃度としては、好ましくは10~95重量%、より好ましくは20~90重量%、さらに好ましくは30~80重量%である。
乳化重合及び懸濁重合における分散媒としては、水、アルコール(例えばエタノール)、エステル(例えばプロピオン酸エチル)、軽ナフサ等が挙げられ、乳化剤としては、高級脂肪酸(炭素数10~24)金属塩(例えばオレイン酸ナトリウム及びステアリン酸ナトリウム)、高級アルコール(炭素数10~24)硫酸エステル金属塩(例えばラウリル硫酸ナトリウム)、エトキシ化テトラメチルデシンジオール、メタクリル酸スルホエチルナトリウム、メタクリル酸ジメチルアミノメチル等が挙げられる。さらに安定剤としてポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等を加えてもよい。
溶液又は分散液のモノマー濃度は好ましくは5~95重量%、より好ましくは10~90重量%、さらに好ましくは15~85重量%であり、重合開始剤の使用量は、モノマーの全重量に基づいて好ましくは0.01~5重量%、より好ましくは0.05~2重量%である。
重合に際しては、公知の連鎖移動剤、例えばメルカプト化合物(ドデシルメルカプタン、n-ブチルメルカプタン等)及び/又はハロゲン化炭化水素(四塩化炭素、四臭化炭素、塩化ベンジル等)を使用することができる。使用量はモノマーの全重量に基づいて好ましくは2重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下、さらに好ましくは0.3重量%以下である。
また、重合反応における系内温度は好ましくは-5~150℃、より好ましくは30~120℃、さらに好ましくは50~110℃、反応時間は好ましくは0.1~50時間、より好ましくは2~24時間であり、未反応単量体の量が使用した単量体全量の好ましくは5重量%以下、より好ましくは1重量%以下、さらに好ましくは0.5重量%以下となった段階で反応の終点と判断し、重合反応を終了する。
キレート性高分子化合物は、カルボキシル基等の活性水素と反応する反応性官能基を有する架橋剤(A’)を用いてビニル重合体(A1)又はこれを構成する単量体組成物を架橋することによって得られたものであってもよい。架橋剤(A’)としては、公知のポリエポキシ化合物(a’1)及び公知のポリオール化合物(a’2)を用いることができる。
ポリエポキシ化合物(a’1)としては、エポキシ当量80~2,500のもの、例えばグリシジルエーテル[ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ピロガロールトリグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール(Mw200~2,000)ジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール(Mw200~2,000)ジグリシジルエーテル、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド1~20モル付加物のジグリシジルエーテル等];グリシジルエステル(フタル酸ジグリシジルエステル、トリメリット酸トリグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル等);グリシジルアミン[N,N-ジグリシジルアニリン、N,N-ジグリシジルトルイジン、N,N,N’,N’-テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’-テトラグリシジルキシリレンジアミン、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’-テトラグリシジルヘキサメチレンジアミン等];脂肪族エポキシド(エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化大豆油等);脂環式エポキシド(リモネンジオキサイド、ジシクロペンタジエンジオキサイド等)が挙げられる。
ポリオール化合物(a’2)としては、低分子多価アルコール{炭素数2~20の脂肪族又は脂環式のジオール[エチレングリコール(以下EGと略記)、ジエチレングリコール(以下DEGと略記)、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,4-ブタンジオール(以下14BGと略記)、1,6-ヘキサンジオール、3-メチルペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,9-ノナンジオール、1,4-ジヒドロキシシクロヘキサン、1,4-ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、2,2-ビス(4,4’-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン等];炭素数8~15の芳香環含有ジオール[m-又はp-キシリレングリコール、1,4-ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン等];炭素数3~8のトリオール(グリセリン、トリメチロールプロパン等);4価以上の多価アルコール[ペンタエリスリトール、α-メチルグルコシド、ソルビトール、キシリット、マンニット、グルコース、フルクトース、ショ糖、ジペンタエリスリトール、ポリグリセリン(重合度2~20)等]等}、及びこれらのアルキレン(炭素数2~4)オキサイド付加物(重合度2~30)等が挙げられる。
架橋剤(A’)の使用量は、電解液の吸液性の観点から、ビニル重合体(A1)中の活性水素含有基と、架橋剤(A’)中の反応性官能基の当量比が好ましくは、1:0.01~1:2、より好ましくは1:0.02~1:1となる量である。
架橋剤(A’)を用いてビニル重合体(A1)を架橋する方法としては、リチウムイオン電池用正極活物質をビニル重合体(A1)で被覆した後に架橋する方法が挙げられる。具体的には、リチウムイオン電池用正極活物質とビニル重合体(A1)を含む樹脂溶液を混合し脱溶剤することにより、リチウムイオン電池用正極活物質がビニル重合体(A1)で被覆された被覆正極活物質を製造した後に、架橋剤(A’)を含む溶液を該被覆正極活物質に混合して加熱することにより、脱溶剤と架橋反応を生じさせて、ビニル重合体(A1)が架橋剤(A’)によって架橋されて高分子化合物となる反応をリチウムイオン電池用正極活物質の表面で起こす方法が挙げられる。
加熱温度は、架橋剤としてポリエポキシ化合物(a’1)を用いる場合は70℃以上とすることが好ましく、ポリオール化合物(a’2)を用いる場合は120℃以上とすることが好ましい。
なお、高分子化合物が遷移金属に対するキレート能を有しているかどうかは、以下の方法により判定することができる。
遷移金属を50ppm含ませた正極活物質の表面を高分子化合物で被覆した被覆正極活物質を準備し、該被覆正極活物質10重量部と電解液を構成する溶媒[EC:DEC=1:1(体積比)の混合溶媒)]100重量部とを充分に混合した後、1時間静置して被覆正極活物質を沈殿させる。その後、該混合物から液体部分を分離し、遷移金属濃度を結合誘導プラズマ(ICP)発光分析により測定する。液体部分の遷移金属濃度が1ppm以下であれば、高分子化合物が遷移金属に対するキレート能を有していると判定する。反対に、遷移金属濃度が1ppmを超える場合には、遷移金属に対するキレート能を有していないと判定する。
上記キレート能の判定に用いる遷移金属元素は特に限定されないが、Fe、Ni、Coのいずれかであることが好ましく、Feであることがより好ましい。
本発明のリチウムイオン電池用被覆正極活物質において、被覆樹脂組成物は上記のキレート性高分子化合物を含むことによって遷移金属に対するキレート能を有しているが、Fe、Ni又はCoに対するキレート能を有していることがより好ましく、Feに対するキレート能を有していることがさらに好ましい。
本発明のリチウムイオン電池用被覆正極活物質において、被覆率は80%以下であることがより好ましい。
被覆率が80%以下の場合には、正極活物質中に含まれる遷移金属が電解液中に溶出することを抑制しつつ、正極活物質と電解液との間のリチウムイオンの充分な移動を妨げることがなく好ましい。
本発明のリチウムイオン電池用被覆正極活物質を構成するリチウムイオン電池用正極活物質としては、従来公知のものを好適に使用することができ、ある電位を与えることでリチウムイオンの挿入と脱離が可能な化合物であって、対極に用いるリチウムイオン電池用負極活物質よりも高い電位でリチウムイオンの挿入と脱離が可能な化合物を用いることができる。
リチウムイオン電池用正極活物質としては、リチウムと遷移金属との複合酸化物{遷移金属が1種である複合酸化物(LiCoO、LiNiO、LiAlMnO、LiMnO及びLiMn等)、遷移金属元素が2種である複合酸化物(例えばLiFeMnO、LiNi1-xCo、LiMn1-yCo、LiNi1/3Co1/3Al1/3及びLiNi0.8Co0.15Al0.05)及び金属元素が3種類以上である複合酸化物[例えばLiMM’M’’(M、M’及びM’’はそれぞれ異なる遷移金属元素であり、a+b+c=1を満たす。例えばLiNi1/3Mn1/3Co1/3)等]等}、リチウム含有遷移金属リン酸塩(例えばLiFePO、LiCoPO、LiMnPO及びLiNiPO)、遷移金属酸化物(例えばMnO及びV)、遷移金属硫化物(例えばMoS及びTiS)及び導電性高分子(例えばポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン及びポリ-p-フェニレン及びポリビニルカルバゾール)等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
なお、リチウム含有遷移金属リン酸塩は、遷移金属サイトの一部を他の遷移金属で置換したものであってもよい。
リチウムイオン電池用正極活物質の体積平均粒子径は、電池の電気特性の観点から、0.01~100μmであることが好ましく、0.1~35μmであることがより好ましく、2~30μmであることがさらに好ましい。
本明細書において、リチウムイオン電池用正極活物質の体積平均粒子径は、マイクロトラック法(レーザー回折・散乱法)によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径(Dv50)を意味する。マイクロトラック法とは、レーザー光を粒子に照射することによって得られる散乱光を利用して粒度分布を求める方法である。なお、体積平均粒子径の測定には、日機装(株)製のマイクロトラック等を用いることができる。
続いて、本発明のリチウムイオン電池用被覆正極活物質を構成する被覆層について説明する。
被覆層は被覆樹脂組成物と導電剤とを含み、リチウムイオン電池用正極活物質の少なくとも一部を被覆しており、下記の計算式で得られる被覆率が30.0%を超えている。
被覆率(%)={1-[被覆正極活物質のBET比表面積/(正極活物質のBET比表面積×被覆正極活物質中に含まれる正極活物質の重量割合+導電剤のBET比表面積×被覆正極活物質中に含まれる導電剤の重量割合)]}×100
正極活物質の表面のうち30.0%を超える領域がキレート性高分子化合物を含む被覆層により被覆されている(すなわち、上記被覆率が30.0%を超えている)と、たとえ正極活物質中に不純物となる遷移金属粒子や遷移金属化合物が混入していたとしても、該遷移金属粒子又は遷移金属化合物が電解液中に移動する際に、キレート性高分子化合物により該遷移金属粒子又は遷移金属化合物を捕捉することができる。すなわち、電解液中に遷移金属粒子や遷移金属化合物が溶出することを抑制することができ、リチウムイオン電池のサイクル特性を向上させることができる。
被覆層を構成する被覆樹脂組成物は、電解液に浸漬した際の吸液率が10%以上であり、飽和吸液状態での引張破断伸び率が10%以上である被覆樹脂組成物が好ましい。
電解液に浸漬した際の吸液率は、電解液に浸漬する前、浸漬した後の被覆樹脂組成物の重量を測定して、以下の式で求められる。
吸液率(%)=[(電解液浸漬後の被覆樹脂組成物の重量-電解液浸漬前の被覆樹脂組成物の重量)/電解液浸漬前の被覆樹脂組成物の重量]×100
吸液率を求めるための電解液としては、好ましくはエチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)を体積割合でEC:DMC=1:1で混合した混合溶媒に、電解質としてLiPFを1mol/Lの濃度になるように溶解した電解液を用いる。
吸液率を求める際の電解液への浸漬は、50℃、3日間行う。50℃、3日間の浸漬を行うことにより被覆樹脂組成物が飽和吸液状態となる。なお、飽和吸液状態とは、それ以上電解液に浸漬しても被覆樹脂組成物の重量が増えない状態をいう。
なお、リチウムイオン電池を製造する際に使用する電解液は、上記電解液に限定されるものではなく、他の電解液を使用してもよい。
吸液率が10%以上であると、リチウムイオンが被覆樹脂組成物を容易に透過することができるため、正極活物質層内でのイオン抵抗を低く保つことができる。吸液率が10%未満であると、リチウムイオンの伝導性が低くなり、リチウムイオン電池としての性能が充分に発揮されないことがある。
吸液率は20%以上であることがより好ましく、30%以上であることがさらに好ましい。
また、吸液率の好ましい上限値としては、400%であり、より好ましい上限値としては300%である。
飽和吸液状態での引張破断伸び率は、被覆樹脂組成物をダンベル状に打ち抜き、上記吸液率の測定と同様に電解液への浸漬を50℃、3日間行って被覆樹脂組成物を飽和吸液状態として、ASTM D683(試験片形状TypeII)に準拠して測定することができる。引張破断伸び率は、引張試験において試験片が破断するまでの伸び率を下記式によって算出した値である。
引張破断伸び率(%)=[(破断時試験片長さ-試験前試験片長さ)/試験前試験片長さ]×100
被覆樹脂組成物の飽和吸液状態での引張破断伸び率が10%以上であると、被覆樹脂組成物が適度な柔軟性を有するため、充放電時の正極活物質の体積変化によって被覆層が剥離することを抑制しやすくなる。
引張破断伸び率は20%以上であることがより好ましく、30%以上であることがさらに好ましい。
また、引張破断伸び率の好ましい上限値としては、400%であり、より好ましい上限値としては300%である。
本発明のリチウムイオン電池用被覆正極活物質を構成する被覆樹脂組成物の酸価は特に限定されないが、キレート効果を充分に発揮するために100~500であることが好ましい。
被覆層を構成する被覆樹脂組成物は、キレート性高分子化合物を含んでいればよく、その一部に遷移金属イオン又は遷移金属原子を捕捉することのできない高分子化合物(以下、非キレート性高分子化合物ともいう)を含んでいてもよい。被覆樹脂組成物に含まれるキレート性高子化合物の重量割合は、被覆樹脂組成物の合計重量に基づいて50~100重量%であることが好ましく、被覆樹脂組成物に含まれる高分子化合物を構成する単量体組成物の合計重量に基づく単量体(a1)及び単量体(a2)の合計重量の割合が0.1~80重量%であることがさらに好ましい。
続いて、被覆層に含まれる導電剤について説明する。
被覆層に含まれる導電剤は、導電性を有する材料から選択される。
具体的には、金属[ニッケル、アルミニウム、ステンレス(SUS)、銀、銅及びチタン等]、カーボン[グラファイト及びカーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルランプブラック等)等]、及びこれらの混合物等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
これらの導電剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。また、これらの合金又は金属酸化物を用いてもよい。電気的安定性の観点から、好ましくはアルミニウム、ステンレス、カーボン、銀、銅、チタン及びこれらの混合物であり、より好ましくは銀、アルミニウム、ステンレス及びカーボンであり、さらに好ましくはカーボンである。またこれらの導電剤としては、粒子系セラミック材料や樹脂材料の周りに導電性材料(上記した導電剤の材料のうち金属のもの)をめっき等でコーティングしたものでもよい。
導電剤の平均粒子径は、特に限定されるものではないが、電池の電気特性の観点から、0.01~10μmであることが好ましく、0.02~5μmであることがより好ましく、0.03~1μmであることがさらに好ましい。
なお、本明細書中において、導電剤の「粒子径」とは、導電剤の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の距離Lを意味する。導電剤の「平均粒子径」の値としては、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)等の観察手段を用い、数~数十視野中に観察される粒子の粒子径の平均値として算出される値を採用するものとする。
導電剤の形状(形態)は、粒子形態に限られず、粒子形態以外の形態であってもよく、カーボンナノチューブ等、いわゆるフィラー系導電性樹脂組成物として実用化されている形態であってもよい。
導電剤は、その形状が繊維状である導電性繊維であってもよい。
導電性繊維としては、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等の炭素繊維、合成繊維の中に導電性のよい金属や黒鉛を均一に分散させてなる導電性繊維、ステンレス鋼のような金属を繊維化した金属繊維、有機物繊維の表面を金属で被覆した導電性繊維、有機物繊維の表面を導電性物質を含む樹脂で被覆した導電性繊維等が挙げられる。これらの導電性繊維の中では炭素繊維が好ましい。また、グラフェンを練りこんだポリプロピレン樹脂も好ましい。
導電剤が導電性繊維である場合、その平均繊維径は0.1~20μmであることが好ましい。
リチウムイオン電池用被覆正極活物質の重量に対する被覆樹脂組成物と導電剤との合計重量の割合は、特に限定されるものではないが、2.1~25重量%であることが好ましい。
リチウムイオン電池用被覆正極活物質の重量に対する被覆樹脂組成物の重量の割合は、特に限定されるものではないが、0.1~11重量%であることが好ましい。
リチウムイオン電池用被覆正極活物質の重量に対する導電剤の重量の割合は、特に限定されるものではないが、2~14重量%であることが好ましい。
被覆層に含まれる導電剤の重量に対する被覆層に含まれる被覆樹脂組成物の重量の割合は特に限定されるものではないが、1~10重量%であることが好ましく、1~4重量%であることがより好ましい。
被覆層の導電率は、0.001~10mS/cmであることが好ましく、0.01~5mS/cmであることがより好ましい。
被覆層の導電率は、四端子法によって求めることができる。
被覆層の導電率が0.001mS/cm以上であることで、正極活物質への電気抵抗が高くなく、充放電が可能となる。
以下、上述した本発明のリチウムイオン電池用被覆正極活物質を製造する方法について説明する。
本発明のリチウムイオン電池用被覆正極活物質は、被覆樹脂組成物、導電剤及びリチウムイオン電池用正極活物質を混合することによって製造してもよく、被覆樹脂組成物と導電剤とを混合して被覆材を準備したのち、該被覆材とリチウムイオン電池用正極活物質とを混合することにより製造してもよい。
なお、リチウムイオン電池用正極活物質と被覆樹脂組成物と導電剤とを混合する場合、混合順序には特に制限はないが、リチウムイオン電池用活物質と被覆樹脂組成物とを混合した後、更に導電剤を加えて更に混合することが好ましい。
上記方法により、被覆樹脂組成物と導電剤を含む被覆層によってリチウムイオン電池用正極活物質の表面の少なくとも一部が被覆される。
リチウムイオン電池用被覆正極活物質を製造する方法において用いるリチウムイオン電池用正極活物質、被覆樹脂組成物及び導電剤としては、それぞれ本発明のリチウムイオン電池用被覆正極活物質において説明したものを好適に用いることができる。
本発明のリチウムイオン電池用被覆正極活物質は、例えば、リチウムイオン電池用正極活物質を万能混合機に入れて30~50rpmで撹拌した状態で、被覆樹脂組成物を含む樹脂溶液を1~90分かけて滴下混合し、さらに導電剤を混合し、撹拌したまま50~200℃に昇温し、0.007~0.04MPaまで減圧した後に10~150分保持することにより得ることができる。
リチウムイオン電池用正極活物質と被覆樹脂組成物との配合比率は特に限定されるものではないが、重量比率でリチウムイオン電池用正極活物質:被覆樹脂組成物=1:0.001~0.1であることが好ましい。
本発明のリチウムイオン電池用被覆正極活物質を正極とする際は、リチウムイオン電池用被覆正極活物質及び導電材料を、水又は溶媒の重量に基づいて30~60重量%の濃度で分散してスラリー化した分散液を、集電体にバーコーター等の塗工装置で塗布後、乾燥して水又は溶媒を除去して、必要によりプレス機でプレスすればよい。
上記分散液には、必要に応じて公知のリチウムイオン電池用の正極に含まれるポリフッ化ビニリデン(PVdF)等のバインダを添加してもよいが、PVdF等のバインダは添加しないことが好ましい。従来のリチウムイオン電池用の正極においては、バインダで正極活物質を正極内に固定することで導電経路を維持する必要がある。しかし、本発明のリチウムイオン電池用被覆正極活物質を用いた場合は、被覆層の働きによって正極活物質を正極内に固定することなく導電経路を維持することができるため、バインダを添加する必要がない。バインダを添加しないことによって、正極活物質を含む正極電極組成物の非結着体で正極活物質層を構成することができるため、正極活物質が正極内に固定化されず正極活物質の体積変化に対する緩和能力が更に良好となる。
なお、電極の製造に用いる導電材料は、被覆層が含む導電剤とは別であり、被覆活物質が有する被覆層の外部に存在し、活物質層中において被覆活物質表面からの電子伝導性を向上する機能を有する。
本発明のリチウムイオン電池用被覆正極活物質を用いると、サイクル特性に優れる正極活物質層及び正極電極を得ることができる。この点について、以下に詳細に説明する。
従来のリチウムイオン電池における正極活物質層は、正極活物質及び結着剤を溶媒中に分散させたスラリーを正極集電体等の表面に塗布し、加熱・乾燥させることにより製造されるため、正極活物質層は結着剤により固められた状態となっている。このとき、正極活物質は結着剤により互いに固定されており、正極活物質同士の位置が固定されている。そして、正極活物質層が結着剤によって正極集電体の表面に固定されているため、正極活物質の充放電時の膨張・収縮によって結着剤により固められた正極活物質層に亀裂が生じたり、正極活物質層が正極集電体の表面から剥離、脱落してしまうことがある。
これに対して、本発明のリチウムイオン電池用被覆正極活物質を用いると、正極活物質を含む正極電極組成物の非結着体で正極活物質層を構成することができるため、結着剤を使用した際に発生する上記問題(正極活物質層の正極集電体表面からの剥離、脱落、及び、クラックの発生)を抑制し、サイクル特性に優れる正極電極を得ることができる。
なお、非結着体とは、正極活物質層を構成する正極活物質組成物が結着剤(バインダともいう)により互いの位置を固定されていないことを意味する。
溶媒としては、1-メチル-2-ピロリドン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルアミノプロピルアミン及びテトラヒドロフラン等が挙げられる。
バインダとしてはデンプン、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフロオロエチレン、スチレン-ブタジエンゴム、ポリエチレン及びポリプロピレン等が挙げられる。
ただし、バインダは上記分散液に添加しないことが好ましい。
正極集電体を構成する材料としては、銅、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル及びこれらの合金等の金属材料、並びに、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラス等が挙げられる。なかでも、軽量化、耐食性、高導電性の観点から、より好ましくはアルミニウム及び銅であり、特に好ましくはアルミニウムである。また正極集電体は、導電性高分子材料からなる樹脂集電体であってもよい。
正極集電体の形状は特に限定されず、上記の材料からなるシート状の集電体、及び、上記の材料で構成された微粒子からなる堆積層であってもよい。
正極集電体の厚さは、特に限定されないが、50~500μmであることが好ましい。
樹脂集電体を構成する導電性高分子材料としては例えば、導電性高分子や、樹脂に必要に応じて導電性材料を添加したものを用いることができる。
導電性高分子材料を構成する導電性材料としては、被覆層に含まれる導電剤と同様のものを好適に用いることができる。
導電性高分子材料を構成する樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリシクロオレフィン(PCO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂又はこれらの混合物等が挙げられる。
電気的安定性の観点から、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)及びポリシクロオレフィン(PCO)が好ましく、さらに好ましくはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリメチルペンテン(PMP)である。
電極の製造時にリチウムイオン電池用被覆活物質と共に用いられる導電材料としては、被覆層に含まれる導電剤と同じものを用いることができる。
本発明のリチウムイオン電池用被覆正極活物質を含む正極を用いてリチウムイオン電池を作製する際には、対極となる電極を組み合わせて、セパレータと共にセル容器に収容し、電解液を注入し、セル容器を密封する方法等により製造することができる。
また、集電体の一方の面に正極を形成し、もう一方の面に負極を形成して双極型電極を作製し、双極型電極をセパレータと積層してセル容器に収容し、電解液を注入し、セル容器を密閉することでも得られる。
セパレータとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン製フィルムの微多孔膜、多孔性のポリエチレンフィルムとポリプロピレンとの多層フィルム、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等からなる不織布、及びそれらの表面にシリカ、アルミナ、チタニア等のセラミック微粒子を付着させたもの等が挙げられる。
電解液としては、リチウムイオン電池の製造に用いられる、電解質及び非水溶媒を含有する電解液を使用することができる。
電解質としては、公知の電解液に用いられているもの等が使用でき、例えば、LiPF、LiBF、LiSbF、LiAsF及びLiClO等の無機酸のリチウム塩系電解質、LiN(FSO、LiN(CFSO及びLiN(CSO等のフッ素原子を有するスルホニルイミド系電解質、LiC(CFSO等のフッ素原子を有するスルホニルメチド系電解質等が挙げられる。これらの内、電池出力及び充放電サイクル特性の観点から好ましいのはLiPFである。
電解液の電解質濃度としては、特に限定されないが、電解液の取り扱い性及び電池容量の観点から、1~5mol/Lであることが好ましく、1.5~4mol/Lであることがより好ましく、2~3mol/Lであることがさらに好ましい。
非水溶媒としては、公知の電解液に用いられているもの等が使用でき、例えば、ラクトン化合物、環状又は鎖状炭酸エステル、鎖状カルボン酸エステル、環状又は鎖状エーテル、リン酸エステル、ニトリル化合物、アミド化合物、スルホン、スルホラン等及びこれらの混合物を用いることができる。
ラクトン化合物としては、5員環(γ-ブチロラクトン及びγ-バレロラクトン等)及び6員環のラクトン化合物(δ-バレロラクトン等)等を挙げることができる。
環状炭酸エステルとしては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート及びブチレンカーボネート等が挙げられる。
鎖状炭酸エステルとしては、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチル-n-プロピルカーボネート、エチル-n-プロピルカーボネート及びジ-n-プロピルカーボネート等が挙げられる。
鎖状カルボン酸エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル及びプロピオン酸メチル等が挙げられる。
環状エーテルとしては、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3-ジオキソラン及び1,4-ジオキサン等が挙げられる。
鎖状エーテルとしては、ジメトキシメタン及び1,2-ジメトキシエタン等が挙げられる。
リン酸エステルとしては、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸エチルジメチル、リン酸ジエチルメチル、リン酸トリプロピル、リン酸トリブチル、リン酸トリ(トリフルオロメチル)、リン酸トリ(トリクロロメチル)、リン酸トリ(トリフルオロエチル)、リン酸トリ(トリパーフルオロエチル)、2-エトキシ-1,3,2-ジオキサホスホラン-2-オン、2-トリフルオロエトキシ-1,3,2-ジオキサホスホラン-2-オン及び2-メトキシエトキシ-1,3,2-ジオキサホスホラン-2-オン等が挙げられる。
ニトリル化合物としては、アセトニトリル等が挙げられる。アミド化合物としては、DMF等が挙げられる。スルホンとしては、ジメチルスルホン及びジエチルスルホン等が挙げられる。
非水溶媒は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
非水溶媒の内、電池出力及び充放電サイクル特性の観点から好ましいのは、ラクトン化合物、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル及びリン酸エステルである。
更に好ましいのはラクトン化合物、環状炭酸エステル及び鎖状炭酸エステルであり、特に好ましいのは環状炭酸エステル及び環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステルの混合液である。最も好ましいのはエチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)との混合液、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)の混合液、又は、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の混合液である。
次に本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限り本発明は実施例に限定されるものではない。なお、特記しない限り部は重量部、%は重量%を意味する。
<製造例1:被覆樹脂組成物(R-1)とその溶液の作製>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF70.0部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸ブチル20.0部、アクリル酸55.0部、メタクリル酸メチル22.0部、アリルスルホン酸ナトリウム3.0部及びDMF20部を配合したモノマー配合液と、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)0.4部及び2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)0.8部をDMF10.0部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、80℃に昇温し反応を5時間継続し樹脂濃度50%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して120℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行ってDMFを留去し、被覆樹脂組成物(R-1)を得た。
<製造例2~5:被覆樹脂組成物(R-2)~(R-5)とその溶液の作製>
製造例1に記載の各原料を表1の配合比に変更した他は製造例1と同様にして、被覆樹脂組成物(R-2)~(R-5)をそれぞれ得た。
Figure 0007058515000001
<製造例6:被覆樹脂組成物(R-6)とその溶液の作製>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにイオン交換水98.0部、硫酸アンモニウム62.7部、ポリアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物水溶液(ポリマー濃度20重量%、重量平均分子量80万)1.0部を投入し、撹拌し、溶解させ、重合浴とした。N-ビニルホルムアミド32.7部、ジビニルベンゼン2.7部、アクリロニトリル3.9部、アゾ系重合開始剤2、2’-アゾビス(4-メトキシ-2、4-ジメチルバレロニトリル)(V-70、和光純薬工業(株)製)0.1部を混合し、モノマー溶液とした。モノマー溶液と重合浴を混合、窒素でフラスコ内を置換しながら180rpmで撹拌した。30分後昇温し、45℃で3時間、続いて60℃で2時間重合した。重合後濾過、水洗、濾過し、含水状態の重合体球状粒子を得た。固形分率は38.8%であった。このようにして得られた反応生成物52.4部を4口フラスコに入れ、48重量%水酸化ナトリウム水溶液47.6部を加え、撹拌しながら80℃で7時間加水分解した。水洗、濾過し、含水状態のポリビニルアミン球状粒子を得た。このようにして得られた重合体粒子をポリビニルアミン架橋重合体粒子を10.9部(乾燥質量3.03g)、イオン交換水43.2部、モノクロロ酢酸ナトリウム18.9部をセパラブルフラスコに加え、撹拌しながら80℃に加温した。撹拌開始1時間後、24質量%水酸化ナトリウム水溶液27.0部を添加し、その後3時間80℃のまま加熱撹拌した。放冷の後、濾過にてイミノ二酢酸含有被覆樹脂組成物(R-6)を得た。
(R-6)の酸価及び重量平均分子量は、それぞれ、200、100,000であった。
<実施例1>
[被覆正極活物質の作製]
正極活物質(LiNi0.8Co0.15Al0.05粉末、平均粒子径4μm)100部に対して、被覆樹脂組成物のイオン捕捉効果を確認するための鉄標準液を鉄濃度が50ppmとなるように添加し、万能混合機ハイスピードミキサーFS25[(株)アーステクニカ製]に入れ、室温、720rpmで撹拌した状態で、製造例1で得られた被覆樹脂組成物(R-1)をイソプロパノールに1.0重量%の濃度で溶解して得られた被覆樹脂組成物溶液11.2部を2分かけて滴下し、さらに5分撹拌した。
次いで、撹拌した状態で導電剤としてアセチレンブラック[電気化学工業(株)製 デンカブラック(登録商標)]6.2部を分割しながら2分間で投入し、30分撹拌を継続した。その後、撹拌を維持したまま0.01MPaまで減圧し、次いで撹拌と減圧度を維持したまま温度を140℃まで昇温し、撹拌、減圧度及び温度を8時間維持して揮発分を留去した。得られた粉体を目開き212μmの篩いで分級し、実施例1に係る被覆正極活物質(P-1)を得た。
<実施例2~10>
被覆樹脂組成物の種類、固形分濃度及び部数、並びに、導電剤の部数のそれぞれを表2に記載したように変更したこと以外は実施例1と同様の手順で、実施例2~10に係る被覆正極活物質(P-2)~(P-10)を得た。
<比較例1~4>
被覆樹脂組成物の固形分濃度及び部数並びに導電剤の部数のそれぞれを表2に記載したように変更したこと以外は実施例1と同様の手順で、比較例1~4に係る被覆正極活物質(P’-1)~(P’-4)を得た。
被覆前の正極活物質であるLiNi0.8Co0.15Al0.05粉末、導電剤であるアセチレンブラック並びに実施例1~10及び比較例1~4で得られた被覆正極活物質について、それぞれ下記の方法でBET比表面積を測定し、その値から被覆率を計算してそれぞれ表2に記載した。
被覆率(%)={1-[被覆正極活物質のBET比表面積/(正極活物質のBET比表面積×被覆正極活物質中に含まれる正極活物質の重量割合+導電剤のBET比表面積×被覆正極活物質中に含まれる導電剤の重量割合)]}×100
[BET比表面積の測定方法]
JIS Z8830 ガス吸着による粉体(固体)の比表面積測定方法に準じ、以下の装置と測定条件で測定した。
測定装置:マイクロメリテックス社 ASAP-2010
吸着ガス:N
死容積測定ガス:He
吸着温度:77K
測定前処理:100℃、10分間真空乾燥
測定モード:等温での吸着過程及び脱着過程
測定相対圧P/P0:約0~0.99
平衡設定時間:1相対圧につき180sec
[被覆率の計算]
上記で得られたBET比表面積を用いて被覆率を計算した。
なお、正極活物質であるLiNi0.8Co0.15Al0.05粉末のBET比表面積は0.31m/g、導電剤であるアセチレンブラックのBET比表面積は67.7m/gであった。
[電解液溶媒中に抽出したFe含有量測定方法]
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の混合溶媒(体積比率1:1)に対して30wt%の被覆正極活物質を添加して30分撹拌後、1時間静置し被覆正極活物質を沈降させた。そのときの上澄み液(抽出液)をメンブレンフィルターを用いてろ過し、ろ液をメタノールで希釈してICP発光分析装置で分析し、Fe含有量を定量した。
Figure 0007058515000002
※抽出液のFe含有量において、<1の表記は検出限界以下であることを意味する。
表2の結果より、実施例1~10に係るリチウムイオン電池用被覆正極活物質は、正極活物質中に不純物が混入した場合であっても、これが電解液中に溶出することを抑制することができることがわかる。一方、比較例1~4に係るリチウムイオン電池用被覆正極活物質では、正極活物質中に混入した不純物が非水電解液中に溶出することを充分に抑制できないことがわかる。
本発明のリチウムイオン電池用被覆正極活物質は、特に、携帯電話、パーソナルコンピューター、ハイブリッド自動車及び電気自動車用に用いられる双極型二次電池用及びリチウムイオン二次電池用等の正極活物質として有用である。

Claims (4)

  1. リチウムイオン電池用正極活物質が有する表面の少なくとも一部を被覆樹脂組成物と導電剤とを含む被覆層で被覆してなるリチウムイオン電池用被覆正極活物質であって、
    前記被覆樹脂組成物は、遷移金属イオン又は遷移金属原子を捕捉するキレート性高分子化合物を含み、
    下記の計算式で得られる被覆率が30.0%を超え
    前記キレート性高分子化合物が、カルボキシル基又は酸無水物基を有するビニルモノマー(a1)及び下記一般式(2)で表される不飽和モノカルボン酸エステル化合物(a3)に加え、さらに、重合性不飽和二重結合とアニオン性基とを有するアニオン性単量体の塩(a5)(ただし、スチレンスルホン酸リチウムを除く)及び重合性不飽和二重結合とアニオン性基とを有するアニオン性単量体(a7)からなる群から選択される少なくとも1種を必須構成単量体とする共重合体であることを特徴とするリチウムイオン電池用被覆正極活物質。
    被覆率(%)={1-[被覆正極活物質のBET比表面積/(正極活物質のBET比表面積×被覆正極活物質中に含まれる正極活物質の重量割合+導電剤のBET比表面積×被覆正極活物質中に含まれる導電剤の重量割合)]}×100
    CH =C(R )COOR (2)
    [式(2)中、R は水素原子又はメチル基であり、R は炭素数4~12の直鎖又は炭素数4~36の分岐アルキル基である。]
  2. 前記被覆率が80%以下である請求項1に記載のリチウムイオン電池用被覆正極活物質。
  3. 前記キレート性高分子化合物が、(メタ)アクリル酸を必須構成単量体とする、酸価100~500の重合体である請求項1又は2に記載のリチウムイオン電池用被覆正極活物質。
  4. 前記キレート性高分子化合物は、(メタ)アクリル酸、下記一般式(1)で示されるエステル化合物(a31)、炭素数1~3の1価の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物(a4)及び重合性不飽和二重結合とアニオン性基とを有するアニオン性単量体の塩(a5)を必須構成単量体とする共重合体であって、前記エステル化合物(a31)と前記(メタ)アクリル酸の重量比[前記エステル化合物(a31)/前記(メタ)アクリル酸]が10/90~90/10である請求項1~3のいずれかに記載のリチウムイオン電池用被覆正極活物質。
    CH=C(R)COOR (1)
    [Rは水素原子又はメチル基、Rは炭素数4~12の直鎖又は分岐アルキル基である。]
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