JP2018134605A - フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】微細凹凸のあるフィルムを製造するにあたり型材からの塗膜の剥離を容易にするフィルムの製造方法を提供する。【解決手段】第1フィルム面に微細凹凸を有するフィルムの製造方法は、塗膜形成工程と、乾燥工程と、剥離工程とを有する。塗膜形成工程は、支持体12の支持体表面12aに塗布液17を塗布し、支持体凸部21の先端部に支持された状態の塗膜18を形成することにより、塗膜18と支持体凹部13との間に雰囲気を閉じ込める。塗布液17は、フィルムを成す固形分とこの固形分の溶媒とを含む。乾燥工程は、塗膜18を乾燥する。剥離工程は、塗膜18を支持体12から剥がすことによりフィルム10にする。【選択図】図2

Description

本発明は、フィルムの製造方法に関する。
創傷被覆材として使用されるフィルムとして、フィルム面に微細な凹凸(以下、微細凹凸と称する)が形成されているフィルムが知られている。フィルム面に微細凹凸を形成する手法としては、フィルムの材料であるフィルム材を、一方のフィルム面から、加熱下で、微細凹凸の型を押圧する手法と、表面に凹凸がある型材に、フィルムとなる固形分を含んだ溶液を塗布し、形成された塗膜を乾燥した後に型材から剥ぎ取る手法等がある。前者の手法は、微細凹凸が緻密なほど、加熱における温度の設定及び調節が難しい。そのため、微細凹凸を目的とする態様に形成する観点においては、後者の方が好ましい。
表面に凹凸がある型材に塗布液を塗布することによりその塗膜に微細凹凸を形成する方法として、型材の凹凸の凹部に気泡を捕捉しながら塗布液を塗布し、捕捉した気泡を転写面の一部として利用する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−108326号公報
しかし、型材の表面の凹凸を塗膜に転写することにより微細凹凸を形成する手法は、塗膜と型材との密着力が強く、そのため、微細凹凸が形成された塗膜を型材から剥離する際に、塗膜が破れたり、形成した微細凹凸の一部が型材に残ってしまう場合がある。また、特許文献1の手法を利用しても、型材の凸部の裾部である凹部の底面にまで塗膜が密着して形成されているので、剥離の際の上記の問題は依然として解消していない。
そこで本発明は、微細凹凸のあるフィルムを製造するにあたり型材からの塗膜の剥離を容易にするフィルムの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のフィルムの製造方法は、塗膜形成工程と、乾燥工程と、剥離工程とを有し、フィルム面に微細凹凸を有するフィルムを製造する。塗膜形成工程は、表面に複数の凹凸を有する支持体の前述の表面に、塗布液を塗布し、支持体の表面の凸部の先端部に支持された状態の塗膜を形成することにより、塗膜と支持体の表面の凹部との間に雰囲気を閉じ込める。塗布液は、フィルムを成す固形分と固形分の溶媒とを含む。乾燥工程は、塗膜を乾燥する。剥離工程は、塗膜を支持体から剥がすことによりフィルムにする。
支持体をその表面の垂直方向からみたときに、支持体の上記表面における凹部の面積割合が14%以上90%以下の範囲内であることが好ましい。
支持体の表面の複数の上記凹部は、二次元ヘキサゴナル状に配列していることが好ましい。
上記雰囲気は空気であることが好ましく、この場合において塗布液は親水性であることが好ましい。
乾燥工程は、塗膜の支持体と反対側の面側の圧力を調節する圧力調節工程を有することが好ましい。乾燥工程は、前記塗膜の温度を調節する温度調節工程を有することが好ましい。
本発明によれば、型材からの塗膜の剥離が容易になり、微細凹凸を有するフィルムが得られる。
本発明を実施したフィルムの断面模式図である。 塗膜形成工程の説明図である。 塗膜及び気泡の説明図である。 支持体の断面図である。 支持体の平面図である。 凹部割合の求め方の説明図である。 乾燥工程の説明図である。 乾燥工程の説明図である。 剥離工程の説明図である。
図1においてフィルム10は、本発明を実施した後述のフィルムの製造方法により得られた一例である。フィルム10は、一方のフィルム面(以下、第1フィルム面と称する)10aに微細な凹凸(以下、微細凹凸と称する)を有する凹凸フィルムであり、他方のフィルム面(以下、第2フィルム面と称する)10bは概ね平坦な平坦面とされている。
フィルム10は、創傷被覆材として使用することができ、第1フィルム面10aを貼り付け対象部位に接着させる態様で用いる。例えば創傷被覆材として用いる場合には、創傷部位に第1フィルム面10aを接着させる。
第1フィルム面10aは、第1フィルム面10aの垂直方向からみたときに、概ね円形の凹部(以下、フィルム凹部と称する)11を複数有している。この例のフィルム凹部11は、第1フィルム面10aにおいてヘキサゴナル状に配列、すなわち、二次元ヘキサゴナル状に配列している。ただし、第1フィルム面10aにおけるフィルム凹部11の配列は、この例に限られず、後述の支持体12(図2〜図6参照)の凹部(以下、支持体凹部と称する)13(図2〜図5参照)の配列によって変えることができる。また、フィルム凹部11の中心間距離P11は、この例では800μmであるが、支持体凹部13の中心間距離P13(図4,図5参照)を変えることにより変えられる。
各フィルム凹部11は、図1に示すように、深さD11が中央に向かって漸増している。フィルム凹部11の深さD11は、この例では10μmとしている。ただし、深さD11はこれに限られず、1μm以上100μm以下の範囲内であれば、後述の方法により製造可能である。なお深さD11は、フィルム凹部11の一番深い位置における寸法である。フィルム凹部11の一番深い位置におけるフィルム10の厚みT10は、この例では50μmとしているが、これに限られない。なお、本例において厚みT10は、マイクロメータ(圧子径は5mm)を用いて測定している。
フィルム10は、第1フィルム面10aに、溝16を有しているが、この溝16の深さは深さD11よりも大きい場合もあるし、小さい場合もある。また、溝16が無い場合もある。なお、この例の溝16は、第1フィルム面10aにおいて各フィルム凹部11を囲むように形成されている。
フィルム10の製造方法を説明する。フィルム10の製造方法は、塗膜形成工程と、乾燥工程と、剥離工程とを有する。塗膜形成工程は、図2に示すように、支持体12の表面(以下、支持体表面と称する)12aに、塗布液17を塗布し、塗膜18を形成する。支持体12は、支持体表面12aに、複数の凹凸を有する。なお、支持体12の詳細は、別の図面を用いて後述する。塗布液17は、フィルム10を成す固形分と、この固形分の溶媒とを含む。塗膜形成工程は、凹凸が形成されている支持体表面12aの凸部(以下、支持体凸部と称する)21の先端部21a(図3参照)に支持された状態に、塗膜18を形成し、これにより、支持体凹部13上の雰囲気を、塗膜18と支持体凹部との間に閉じ込める。支持体凸部21の先端部21aに支持された状態とは、すなわち先端部21aにのみ載った状態である。より具体的には、塗膜18と支持体12との接触下端が支持体凸部21の頂部である先端21t(図3参照)から図3における下側に位置していてもよい。本実施形態では、支持体凸部21の上側1/5の領域(支持体凹部13の底から支持体凸部21の先端までの高さをH(図3参照)とするときに、支持体凸部21における先端21tからH×1/5の高さ領域)内に塗膜18と支持体12との接触下端が位置していれば、支持体凸部21の先端部21aに支持された状態とみなしている。
本実施形態において、支持体12は100mm×100mm×1mmの板状とされているが、支持体12の大きさは特に限定されない。また、支持体12は板状に限定されず、上記と同様に支持体凹部13と支持体凸部21とが形成されているものであれば例えばブロック状などでもよい。本実施形態では支持体12を起立姿勢にすることにより支持体表面12aを水平方向と交差する状態にしている。支持体表面12aは水平方向と交差する方向にあればよく、図2に示すように水平方向と鉛直方向との両方に交差するいわゆる傾斜方向でもよいし、あるいは、鉛直方向であってもよい。本例では支持体表面12aが水平方向に対して45°に傾いた状態に、支持体12を起立姿勢にしている。支持体12を起立姿勢にすることにより、塗布液17は、支持体凹部13内への入り込みがより確実に抑制された状態で、支持体凸部21の先端部に沿ってより確実に流れる。その結果、塗膜18は、支持体凸部21に支持された状態に、より確実に形成され、かつ、塗布開始前において支持体凹部13上にあった雰囲気が、より確実に塗膜18と支持体凹部13との間に閉じ込められ、残存した状態になる。
本例の支持体12には、支持体表面12aにおいて、図2に示すように、支持体凹部13及び支持体凸部21が形成されていない平滑領域がある。起立姿勢の支持体12のこの平滑領域に、8cm3の塗布液17をスポイト(図示無し)により流下または滴下することにより、塗布液17を支持体凸部21の先端部に沿って流している。この塗膜形成は、25℃に管理された室内で行っている。
なお、図2には、起立姿勢の支持体12に塗布液17を供給している態様を示しているが、これに限られない。例えば、支持体表面12aを水平方向にした状態の支持体12に塗布液17を供給し、供給中あるいは供給後に、支持体12を起立した姿勢に変化させてもよい。
塗膜18と支持体凹部13との間に残存した雰囲気は、図3に示すように、気泡22として、この例ではより球形に近づくように塗膜18側に凸の丸みを帯びた態様に形状を変化させる。ただし、塗布液17の性状と、支持体表面12aの性状及び/または形状と、雰囲気の温度及び/または圧力とによっては塗膜18のメニスカスの形状は異なるから、残存した雰囲気が形成する気泡の形状はこの例に限られない。
支持体表面12aを水平方向にした状態で支持体12を移動させ、移動中の支持体12に公知の塗布ダイから塗布液17を流出することにより、支持体12に塗膜18を形成することもできる。この場合には、塗布ダイから流出する塗布液17の動圧と、支持体12の移動速度とのバランスを制御することにより、塗布液17の支持体凹部13内への入り込みが抑制され、塗膜18は支持体凸部21に支持された状態に形成される。また、支持体12に塗膜18を形成する方法としてはスピンコート法を用いることができる。スピンコート法によれば、塗布液17の流動は水平方向の流動が優先的に生じるから、塗布液17の支持体凹部13内への入り込みを抑制するのに好適である。
支持体凹部13は、雰囲気が溜まるガス溜まりとして機能し、本例では図4に示すように断面半円形としている。したがって、この例の支持体凸部21は、支持体凹部13同士を隔てる隔壁となっており、各支持体凸部の先端21tは連続した一面として構成されている。支持体凹部13はガス溜まりとして機能すればよいので、その断面形状は特に限定されず、例えば、楕円弧、多角形、不定形等であってもよい。支持体凹部13は一定の中心間距離P13をもって形成されているが、中心間距離P11はこの例のように一定でなくてもよい。ただし、後述の剥離工程において、支持体12から塗膜18をより均一な力で剥がすことができる観点では、中心間距離P13は一定である方が好ましい。塗膜18がより均一な力で剥がれることにより、目的とするフィルム10の微細凹凸が緻密である場合ほど、その微細凹凸をもつフィルム10がより確実に得られる。
支持体凹部13の中心間距離P13は800μmとしている。フィルム10(図1参照)のフィルム凹部11は、後述のように支持体凹部13に対向した状態に形成されるから、前述の中心間距離P11(図1参照)は中心間距離P13と等しくなっている。中心間距離P13は、この例の800μmに限られない。中心間距離P11は、10μm以上1000μm以下の範囲内であることが好ましい。
支持体凸部21の高さHは、この例では500μmとしているが、支持体凹部13がガス溜まりとして機能すればこれに限られない。支持体凸部21の高さHが少なくとも100μmであれば、支持体凹部13がガス溜まりとして機能することは確認されている。なお高さHは、図4に示すように、支持体凹部13の底から支持体凸部21の先端までの支持体12の厚み方向における距離である。
図5に示すように、支持体凹部13は、支持体表面12aにおいて直径が500μmの円形に形成されているが、直径はこれに限定されず、また支持体凹部13の支持体表面12aにおける形状も円形に限られない。支持体凹部13は、支持体表面12aの垂直方向からみたときに、支持体凹部13は、二次元ヘキサゴナル状に配列、すなわち支持体表面12aにおいてヘキサゴナル状に配列している。これにより、後述の剥離工程において、塗膜18が支持体12からより均一な力で剥がれる。さらに本実施形態の支持体凹部13は、支持体表面12aにおいて、最密に極めて近い態様で形成されている。これにより、塗膜18と支持体12との接触面積は極めて小さく抑えられ、その結果、剥離工程においてより小さな力で塗膜18が剥ぎ取られる。なお、図5のIV−IV線に沿う断面図が図4である。
支持体表面12aにおける支持体凹部13の面積割合(以下、凹部割合と称する)は、14%以上90%以下の範囲内であることが好ましく、本実施形態では58%としている。凹部割合が14%以上であることにより14%未満である場合に比べて、剥離工程におけるフィルム10の微細凹凸の破壊がより抑えられる。凹部割合が90%以下であることにより、乾燥工程での気泡22同士の合一がより確実に抑えられるから、均一な微細凹凸をもったフィルム10がより確実に得られる。凹部割合は、20%以上80%以下の範囲内であることがより好ましく、25%以上70%以下の範囲内であることがさらに好ましく、30%以上60%以下の範囲内であることが特に好ましい。
凹部割合は、以下の方法で求める。支持体表面12aの支持体凹部13及び支持体凸部21が形成されている領域を垂直方向から見た場合に、支持体表面12aにおける支持体凹部13の面積、すなわち、支持体凹部13の開口の面積をS13とし、支持体表面12aの面積をS12aとする。面積S13は、図6におけるクロスハッチングで示す部分の面積である。面積S12aは面積S13と支持体凸部21の面積(斜線で示すハッチング部分の面積)S21との和S13+S21である。上記の凹部割合(単位は%)は、(S13/S12a)×100で求められる。
なお、支持体凹部13及び支持体凸部21はこの支持体表面12aの中央における直径90mmの円形領域に設けてあるが、支持体凹部13及び支持体凸部21の形成領域等はこの例に限定されない。この支持体12は、射出成型により作製したものである。ただし、作製方法は、支持体12の大きさ、素材、及び/または、凹凸形状等を考慮して選択すればよく、例えばレーザー加工などの他の方法により作製してもよい。
支持体12の素材は種々のものを用いることができ、表面に凹凸加工がし易いことと、塗布液17に侵されないことなどを考慮し、選定される。本例の支持体12は撥水性の素材としてポリエチレンを用いて作製されており、支持体凹部13及び支持体凸部21が形成されていない平滑部位における水の接触角は103°である。
親水性の素材で形成されている支持体12であっても、支持体凹部13に表面処理などを施すことにより支持体表面12aにおける塗布液17の接触角を90°未満にすることができる。支持体表面12aにおける塗布液17の接触角を大きくする表面処理は、一般に用いられる種々の撥水コーティングから選択することができる。また、支持体凸部21の先端部21aにプラズマ処理またはUV(紫外線)オゾン処理等などの表面処理などを施すことによっても、支持体表面12aにおける塗布液17の接触角を90°未満にすることができる。支持体表面12aにおける塗布液17の接触角を90°未満にすることにより、支持体凸部21における先端21tからH×1/5の高さ領域)内に塗膜18と支持体12との接触下端を位置させることができ、塗布液17は支持体凸部21の先端部21aに支持された状態となる。これにより、支持体凹部13をガス溜まりとしてより確実に機能させることができる。その結果、目的とする微細凹凸をもつフィルム10がより確実に得られる。
接触角の測定は、本例では、協和界面化学株式会社製DMo−501によって測定している。なお、支持体12と同素材であり、支持体凹部13及び支持体凸部21のような凹凸が形成されていない平滑な試料を準備し、前述の表面処理方法にて処理した後に、塗布液17を用いて接触角を測定し、その測定値を、処理後の支持体表面12aにおける塗布液17の接触角と推定することができる。
以上のように、支持体凹部13及び/または支持体凸部21の先端部21aの接触角を調節することにより、塗膜18と支持体12との接触下端の位置をより精緻に調節できるようになり、目的とする種々の微細凹凸をもつフィルム10がより確実に得られる。
乾燥工程は塗膜18を乾燥する。乾燥工程は具体的には閉じ込めた雰囲気が塗膜18と支持体凹部13との間に気泡22として残存した状態で、塗膜18を乾燥する。これにより、支持体12と気泡22とを型として、塗膜18に、フィルム10の目的とする微細凹凸が形成される。このように、形成した気泡22を積極的に利用することによりフィルム10が製造される。すなわち、気泡22をフィルム10の微細凹凸の型の少なくとも一部として利用している。なお、気泡22の大きさと、前述の塗布液17と支持体凸部21との接触下端の位置に応じて、フィルム10の溝16(図1参照)の有無と溝16が形成された場合の溝16の深さとが決まる。
乾燥工程は、前記塗膜の温度を調節する温度調節工程を有することが好ましい。そこで本実施形態では、図7に示す温度調節装置25により塗膜18の温度を調節している。なお、図7においては、塗膜18及び支持体12の厚みを大きく誇張して描いてある。温度調節装置25は、温度調節台26と、コントローラ27とを有する。温度調節台26は、塗膜18が形成されている支持体12が載置され、支持体12を介して塗膜18の温度を調節する。コントローラ27は、温度調節台26の支持体12が載置される載置面の温度を制御する。この例では、厚みが1mm程度の薄い支持体12を用いているため、コントローラ27により設定される温度調節台26の載置面の温度を、塗膜18の温度とみなしている。しかし、塗膜18の図7における上側に、非接触式の温度センサ(図示し)を設け、この温度センサにより塗膜18の温度を検出してもよく、この温度センサの検出結果に基づいて温度調節台26の載置面の温度をコントローラ27により制御してもよい。塗膜18の温度を調節することにより、気泡22の形状及び/または大きさを制御できるから、塗膜18と支持体凸部21との接触下端の位置をより精緻に制御できる。
この例では、温度調節装置25により塗膜18を30℃以上40℃以下の温度範囲内に加熱することにより、塗膜18を乾燥しており、このように温度調節工程が乾燥工程となっている。しかし、乾燥工程は、この例に限られず、例えば、塗膜18の周りの雰囲気の風速を極めて小さく抑えた状態で、塗膜18の周りを連続的または断続的にガス置換することにより、塗膜18を乾燥してもよい。この手法には、市販の定温乾燥機を用いることができる。例えば、37℃の自然対流式の定温乾燥機を用い、120分間乾燥するなどにより、塗膜18を乾燥させることができる。また、このようなガス置換中において、気泡22の形状及び/または大きさを変化させるために温度調節装置25による温度調節を行ってもよい。
乾燥工程は、塗膜18の支持体12と反対側の面側の圧力を調節する圧力調節工程を有することが好ましい。圧力調節工程の圧力調節処理は、例えば図8に示す圧力調節装置31とチャンバ32とにより行うことができる。チャンバ32は、塗膜18が形成されている支持体12を内部に収容する。圧力調節装置31は、チャンバ32内の雰囲気を吸引する、あるいは、チャンバ32内にガスを供給することにより、チャンバ32の圧力を上下または一定に保持する。なお、圧力は大気圧にしてもよい。こうしたチャンバ32内の圧力を制御することにより、塗膜18の支持体12と反対側の面側の圧力が調節される。その結果、塗膜18の支持体12と反対側の面側の圧力P1から気泡22の圧力P2を減じた圧力差ΔPが調節され、気泡22が目的とする大きさ及び形状にされる。例えばΔPを大きくするほど気泡22が小さく及び/または気泡22の高さ(図3における上下方向の寸法)が小さくなる。また、ΔPを小さくするほど、気泡22が大きく及び/または気泡22の高さが大きくなる。このように気泡22の形状及び/または大きさを制御できるから、塗膜18と支持体凸部21との接触下端の位置をより精緻に制御できる。なお、図8においては、塗膜18及び支持体12の厚みをきく誇張して描いてある。
図8に示すように、チャンバ32内に温度調節台26を配し、温度調節装置25により前述の温度調節を行ってもよい。このように、乾燥工程は、温度調節工程と圧力調節工程との両方を有していてもよい。なお、乾燥工程は、温度調節工程と圧力調節工程とのうち、圧力調節工程のみを有していてもよい。この場合には、図8において温度調節装置25は不要となる。
剥離工程は、塗膜18を支持体12から剥がすことによりフィルムにする。この例の塗膜18及びフィルム10はフレキシブル(可撓性を有する)ので、本実施形態における剥離は、図8に示すように、位置を固定した支持体12から、フィルム10を矢線で示す剥取方向PDに向けて剥がす手法としている。塗膜18は、支持体凸部21の先端部にのみ接した状態で形成されており、このように支持体12との接触面積が小さく抑えられているから、支持体12から容易に剥ぎ取られる。その結果、第1フィルム面10aに微細凹凸が形成されたフィルム10が確実に得られる。
本実施形態における前述の雰囲気は空気であるが、これに限られず、塗布液17の性状などに応じて、例えば、窒素やアルゴンなどのいわゆる不活性ガスなどを用いてよい。雰囲気が空気である場合には、雰囲気置換などが不要であるから簡易な装置でフィルム10を製造することができる。
塗布液17の固形分として、この例ではゼラチンを用いているが、これに限られず、例えば、セルロース、キトサン、ヒアルロン酸等を用いることができる。
固形分がゼラチンである本実施形態では、塗布液17の溶媒成分として、水を用いているが、これに限られない。塗布液17の溶媒は、用いる固形分に応じて選択することができる。なお、固形分をゼラチンとし、溶媒として水を用いる場合の塗布液17には、界面活性剤と増粘剤と防腐剤と可塑剤との少なくともいずれかひとつを混合させてもよい。固形分がキトサンまたはヒアルロン酸である場合の溶媒としては、例えば、水、弱酸性水(例えば酢酸水溶液、クエン酸水溶液、塩酸)を使用することができる。固形分がセルロースである場合の溶媒としてはジクロロメタンを用いることができ、この場合の塗布液17には、界面活性剤と増粘剤と防腐剤と可塑剤との少なくともいずれかひとつを混合させてもよい。
本実施形態では、ゼラチンの濃度が15質量%である水溶液を塗布液17として用いている。ただし、塗布液17における固形分濃度は、塗膜形成工程における支持体表面12aでの流れの態様と、支持体表面12aにおける濡れ性の程度などを考慮して決定すればよく、塗布液17の質量を100%とするときに固形分が1質量%以上50質量%以下の範囲内であることが好ましい。塗布液17は以下の方法でつくっている。すなわち、ゼラチン(新田ゼラチン(株)製の750)15質量部を、50℃の水85質量部に入れ、マグネットスターラで15分間攪拌することにより溶解する。その後、室温(概ね25℃)に自然冷却し、塗布液17を得ている。25℃における塗布液17の粘度は1.1Pa・sであった。なお、塗布液17の粘度は、特に制限されないが、0.01Pa・s以上5Pa・s以下の範囲内が好ましい。
雰囲気が空気等の疎水性の気体である場合には、塗布液17は親水性であることが好ましく、上記のように、本実施形態でも親水性である水溶液を用いている。親水性であることにより、形成された気泡22の塗膜18への溶解が抑えられるから、塗膜18が形成直後から乾燥工程の終了までの間、気泡22がフィルム10の目的とする微細凹凸の型として機能する。ここで、疎水性の気体とは、大気圧下において25℃の水1cm3に対する飽和溶解量が0.1cm3以下の気体を意味する。また、親水性の液体とは、ガラスに対する接触角が0°より大きく30°以下の範囲内である液体を意味する。なお、上記のように、固形分をセルロースとし、溶媒をジクロロメタンとする場合の塗布液17は、疎水性の液体であるため、この場合の雰囲気は、上記飽和溶解量が1cm3以上である親水性の気体にすることにより、同様に微細凹凸の型としての機能が得られる。
10 フィルム
10a 第1フィルム面
10b 第2フィルム面
11 フィルム凹部
12 支持体
12a 支持体表面
13 支持体凹部
16 溝
17 塗布液
18 塗膜
21 支持体凸部
21a 先端部
21t 先端
22 気泡
25 温度調節装置
26 温度調節台
27 コントローラ
31 圧力調節装置
32 チャンバ
D11 フィルム凹部の深さ
H 支持体凸部の高さ
P11 フィルム凹部の中心間距離
P13 支持体凹部の中心間距離
T10 厚み

Claims (7)

  1. フィルム面に微細凹凸を有するフィルムの製造方法において、
    表面に複数の凹凸を有する支持体の前記表面に、前記フィルムを成す固形分と前記固形分の溶媒とを含む塗布液を塗布し、前記表面の凸部の先端部に支持された状態の塗膜を形成することにより、前記塗膜と前記表面の凹部との間に雰囲気を閉じ込める塗膜形成工程と、
    前記塗膜を乾燥する乾燥工程と、
    前記塗膜を前記支持体から剥がすことにより前記フィルムにする剥離工程と
    を有するフィルムの製造方法。
  2. 前記支持体を前記表面の垂直方向からみたときに、
    前記表面における前記凹部の面積割合が14%以上90%以下の範囲内である請求項1に記載のフィルムの製造方法。
  3. 前記表面の複数の前記凹部は、二次元ヘキサゴナル状に配列している請求項1または2に記載のフィルムの製造方法。
  4. 前記雰囲気は空気である請求項1ないし3のいずれか1項に記載のフィルムの製造方法。
  5. 前記塗布液は親水性である請求項4に記載のフィルムの製造方法。
  6. 前記乾燥工程は、前記塗膜の前記支持体と反対側の面側の圧力を調節する圧力調節工程を有する請求項1ないし5のいずれか1項に記載のフィルムの製造方法。
  7. 前記乾燥工程は、前記塗膜の温度を調節する温度調節工程を有する請求項1ないし6のいずれか1項に記載のフィルムの製造方法。
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