JP5564975B2 - 塗膜形成方法、および塗膜積層体の製造方法 - Google Patents

塗膜形成方法、および塗膜積層体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ダイを使用したスロット塗布により基材表面に塗膜を形成する方法および、塗膜積層体の製造方法に関する。
電子写真感光体、太陽電池、およびカラーフィルター等の光学機能フィルターのような、基材上に所定の機能を有する塗膜が形成されてその機能を発揮する塗膜積層体が多くの機器に用いられている。基材上に塗膜を形成する方法は、当該塗膜の特性等に応じて様々な方法が提案されている。
かかる塗膜の形成方法のうちの1つに、スロット塗布による塗膜の形成方法がある。これは、液状である塗布液を供給するダイを平面状やロール状等の基材に対向させるとともに、相対的に一方向へ走行させつつ基材表面に塗布液を供給する方法である。すなわち、基材の走行方向の上流側に位置する上流側リップと下流側に位置する下流側リップとを有するリップによって塗布液吐出口が形成されたダイを用い、リップと基材表面との間に一定の間隔を保持して塗布液吐出口から塗布液を吐出することにより、基材表面に所定の膜厚の塗布膜を形成する。
このようなスロット塗布による塗布方法が特許文献1、および特許文献2に開示されている。これら文献では、ここに記載の条件を満たすことにより、塗布欠陥を抑制したり、塗布速度を向上させたりすることができる。
特開2004−216298号公報 特開2003−10773号公報
上記したようにスロット塗布による塗膜形成方法では、ダイと基材との間隔を所定の範囲内に保持しておく必要がある。この間隔が小さすぎると該間隔内に存する塗布液の内圧が上がり、液だれが生じてしまう。逆にこの間隔が大きすぎると雰囲気中の空気を巻き込こんでしまう。いずれの場合も適切な塗膜を形成することができず、これを回避するために、間隔の制御は重要である。
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載されるような従来の技術では、上記不具合を回避するための許容される間隔の範囲が狭かった。そのため、間隔制御のための手間が大きいことや、幅が広い基材に塗膜を形成する(塗布する)際に全幅に亘って間隔を許容範囲内に収めることが困難であるという問題があった。
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、スロット塗布による塗膜形成において、ダイと基材との間隙の許容範囲を大きく取ることができる塗膜形成方法、および塗膜積層体の製造方法を提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。ここではわかりやすさのため括弧書きにて図面の参照符号を付すが、本発明はこれに限定されるものではない。
請求項1に記載の発明は、直径D(mm)のロール上にシート状の基材(1)を配置し、ロールを回転させ、ロールに追随して回転する基材表面にダイ(10)から塗布液(2)を供給して塗膜を形成する方法であって、ダイは、基材との間に塗布液を保持可能な面である上流側リップ面(11a)と、上流側リップ面よりも回転の方向下流側に配置され、基材との間に塗布液を保持可能な面である下流側リップ面(12a)と、を有し、上流側リップ面と下流側リップ面との間には塗布液が吐出する間隔(G)が形成されており、上流側リップ面の、ロール回転方向の長さが2.0(mm)以上、0.02D(mm)以下であり、下流側リップ面の、ロール回転方向の長さが1.0(mm)以上、1.5(mm)以下である塗膜形成方法である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の塗膜形成方法において、上流側リップ面(11a)と基材(1)との距離d1と、下流側リップ面(12a)と基材との距離d2との関係が、d1−d2≦0であることを特徴とする
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の塗膜形成方法において、塗膜幅が1000(mm)以上であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の塗膜形成方法により基材上に塗膜を塗布する工程、および塗布された塗膜を乾燥する工程を含む塗膜積層体の製造方法である。
本発明によれば、スロット塗布による塗膜形成において、ダイと基材との間隙の許容範囲を大きく取ることができる。これにより、当該間隔の制御を容易とし、さらに、より幅広の基材への塗布も適切に行うことが可能となる。
1つの実施形態に係る塗膜形成方法のうち、用いられるダイの形状を模式的に表した断面図である。 図1における各種寸法や位置関係の記号を表した図である。
本発明の上記した作用および利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。
図1は、1つの実施形態に係る塗膜形成方法に用いられるダイ10の構造を模式的に表わす断面図である。図1には、塗膜が形成される基材1、及び塗膜となる塗布液2も併せて表わしている。ダイ10は、図1に表れる断面を概ね維持して紙面奥/手前方向に延在している。また、図2にはダイ10やその配置に関する各寸法等の記号を表した。
ダイ10は、上流側リップ11と、塗膜が形成される方向に対して上流側リップ11の下流側に配置される下流側リップ12とを備えている。上流側リップ11と下流側リップ12との間には間隙Gが形成されている。
上流側リップ11は図1、図2からわかるように、上流側リップ面11a、傾斜面11bおよび間隙形成面11cを備えている。
上流側リップ面11aは、基材1に対向して配置される長さtの面である。上流側リップ面11aは、図2に示したように基材1と距離dの間隙を有して位置づけられる。上流側リップ面11aは、ダイ10と基材1が相対的に移動して塗布液2を塗布する際に、少なくとも一部が塗布液2に接し、ここに塗布液2を保持可能とする面である。
傾斜面11bは、上流側リップ面11aの上流側端部から折れ曲がるように配置される面で、上流側リップ面11aに対してθの角度を有している。
間隙形成面11cは、上流側リップ面11aの下流側端部から略垂直に形成された面で、後述する下流側リップ12の間隙形成面12dとの間で間隙Gを形成する。
上流側リップ面11aの長さtは、2.0(mm)以上で、0.02D(mm)以下とする。ここでDは基材1が配置されるロールの直径(mm)である。tを2.0(mm)より小さくすると、上流側リップ面11aと基材1との距離(d)を近付けることによる液圧上昇に起因する液だれが生じやくなり、dの許容範囲が狭くなる。一方、tが0.02D(mm)より大きくなると、ロールの曲率によりリップ面が徐々にロール面から離れるため、その意味がなくなって無駄が生じるので好ましくない。例えばロールとリップ面との間隔調整の際に無駄な部分が邪魔になったり、リップ自体の重量が増す等の不具合を生じることがある。
間隙dは、上流側リップ面11aと基材1との間隙の大きさであり、これが適切な範囲内にあることが必要である。適切なdの範囲が大きければ間隙の制御が容易になる。また、適切なdの範囲が大きいことにより、幅方向(図1における紙面奥/手前方向)に広い基材においてもダイの位置調整を行いやすくなり、局部的に適切な塗布条件から外れる不具合を減らすことができる。例えば塗膜幅が1000mm以上のような場合にも不具合なく塗布をすることが可能となる。適切なdの具体的範囲はtにより変動するが、tが上記した範囲にあることにより、従来に比べてこの範囲を大きくすることが可能である。
なお、間隙dが適切な範囲より大きくなると塗布液中に空気を巻き込む可能性が高くなる。一方、間隙dが適切な範囲より小さくなると塗布液の内圧が高くなり、液だれが生ずる。
θは、上流側リップの傾斜面11bが、塗布液2に接することのないように、塗布液2が上流側リップ面11aに接する部位が前進した場合でも、その前進を抑止できる角度を有していればよい。
下流側リップ12は図1、図2からわかるように、下流側リップ面12a、第一傾斜面12b、第二傾斜面12c、および間隙形成面12dを備えている。
下流側リップ面12aは、基材1に対向して配置される長さtの面である。下流側リップ面12aは、図2に示したように基材1と距離dの間隙を有して位置づけられる。下流側リップ面12aは、ダイ10と基材1が相対的に移動して塗布液2を塗布する際に、塗布液2に接し、ここに塗布液2を保持可能とする面である。
第一傾斜面12bは、下流側リップ面12aの下流側端部から折れ曲がるように配置される面で、下流側リップ面12aに対してθの角度を有している。
第二傾斜面12cは、第一傾斜面12bの端部から折れ曲がるように配置される面で、第一傾斜面12bに対してθの角度を有している。
間隙形成面12dは、下流側リップ面12aの上流側端部から略垂直に形成された面で、上記した上流側リップ11の間隙形成面11cとの間で間隙Gを形成する。
下流側リップ面12aの長さtは、下流側リップ面12aと基材1との間に保持される塗布液2を安定した量で保持する観点から、短い方が好ましい。ただし短すぎると加工が困難であったり、熱変形を起こしやすいことがあるので、1.0mm〜1.5mm程度であることが好ましい。また、下流側リップ面12aの長さtは、上面側リップ面tより短いことが好ましい。これにより、液だれが発生する可能性を低減することができる。
間隙dは、これが大きすぎると下流側リップ面12aのエッジ部で塗布液が必要以上に離脱しやすくなり、塗布面が乱れる可能性が高くなる。一方、間隙dが小さすぎると下流側リップ面12aと基体1との間の塗布液の液圧が高くなり、上流側リップ面11a側に塗布液が増えて液だれが生じ易くなる。
θは、下流側リップ面12aと第一傾斜面12bとの境界で塗布液2の界面が形成されるような傾斜とされる。これにより、塗布液2が安定し、形成される塗膜の平滑性が向上したり、ダイ10の汚れを防止することが可能になる。
θの角度の具体的な範囲は、塗布液2の粘度や塗布条件によって最適化されるため限定されないが、鈍角(下流側リップ面12aと第一傾斜面12bとのなす角のうち、下流側リップ12の内部側が鋭角)または90°であることが好ましい。その中でも加工のしやすさの観点から90°がさらに好ましい。
θは大きすぎると下流側リップ12の剛性が低下し、逆に小さすぎると重量が大きくなるのでこれを考慮して適切な角度が設定される。
間隙形成面11c、12d間に形成される間隙Gは、不図示の塗布液流路および中間的な塗布液貯留部としてのマニホールドに連通し、塗布液吐出口を形成する。間隙Gの間隔の大きさは、塗布液2の粘度や塗布条件、目的とする塗布液の膜厚等によって適宜変更可能であり限定されない。例えば、粘度が低い塗布液を速い速度で塗布する目的の場合、塗布液が吐出する位置において間隙Gの大きさは10μm〜200μmであるとよい。間隔Gが狭すぎると機械精度の問題により一定の間隔形成が困難な傾向にあるとともに、異物による閉塞を生じる場合があり、間隔Gが広すぎると、マニホールドの塗布液貯留部の体積が大きくなるため、液の滞留が起こり易い傾向にある。
ダイ10の材質は、特に限定されることはないが、例えば、金属、セラミックス、ガラス、鉱物、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂やそれらの複合体等が使用される。また、ダイ10はリップ部分と他の部分で分割可能な構造であってもよく、その場合には、リップ部分の材質がその他の部分と異なっていてもよい。さらに、ダイの表面、特にリップ面、傾斜面、間隙形成面は、塗布液との関係をより好ましいものとするために親水化処理、疎水化処理などの化学的処理や、平滑処理、研磨処理、粗面化処理などの物理的処理がされていてもよい。
塗膜が形成される基材1の材質は特に限定されることはないが、例えば、ガラス、金属、半導体、セラミックス、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、鉱物やそれらの複合体等が挙げられる。また、基材の表面は平滑であっても凹凸があってもよい。凹凸の程度はその段差が乾燥(または固化)塗膜の厚みに対して概ね10倍程度まで良好な塗膜が得られる。凹凸としては、格子、隔壁、バンプ、スペーサー、画素パターン、回路パターン等による凹凸を挙げることができる。さらに基材1は、必要に応じて、塗布直後は塗布層を形成しているものの、所定時間経過後は塗布液を含浸、浸透又は吸収するような材質、構造であってもよい。
塗膜の材料となる塗布液2は、必要とされる機能を有し、基材1の表面を被覆可能なものであれば、特に組成が限定されるものではないが、例えば、有機溶剤系や水系などの溶剤、ポリマーなどのバインダー、顔料や染料などの着色剤、感光剤、セラミックス粉などの充填剤、導電性付与剤、増粘剤、界面活性剤、表面改質剤、発泡剤、硬化剤、強化剤、柔軟剤などの添加剤等を挙げることができる。
塗布液2の性状も特に限定されず、均一な溶液のほか、懸濁液、スラリー状、ペースト状など種々の性状のものを用いることができ、さらには気泡を含むものであってもよい。また、塗布液2は粘弾性を有するものであってもよい。
塗布液2の粘度は、塗布液2の組成や塗布条件、目的とする塗布膜厚等によって適宜変更可能であるが、通常、塗布する条件での粘度が1cp〜1000cp、好ましくは2cp〜500cp、より好ましくは3cp〜100cpである。粘度が大きいときには可能な塗布速度の上限が小さくなる。また、粘度が小さすぎると、液ダレ等が起こり易い傾向にある。
次に、1つの実施形態にかかる塗膜形成方法を含む塗膜積層体の製造方法について説明する。
図1、図2からわかるように、当該製造方法では、回転するロール上に配置された基材1表面にダイ10の間隔G(塗布液吐出口)から塗布液2を供給して、該塗布液を所定の厚さで基材1上に積層させる。詳しくは次の通りである。
ダイ10と基材1との間隔を塗布液2の特性および目的とする塗膜の膜厚に応じて設定した後、塗布液2をダイ10の塗布液吐出口から押し出す。
塗布液2は、塗布液吐出口から押し出され、基材1とリップ面11a、12aとの間に保持される。
ここで、基材1とダイ10との間隔は塗布液2の粘度や塗布条件、目的とする塗膜厚等によって適宜変更され限定されない。本発明ではダイ10の上流側リップ面11aを上記したような長さ(t)としている。これにより、上流側リップ面11aと基材1との間に保持される塗布液2の内圧が大きくても該塗布液2を適切に保持することが可能である。従って、従来に比べ、ダイ10と基材1とが近づいて配置されても液だれの発生が起こりにくい。また、これは、適切に塗膜形成ができる間隔の許容範囲を広げることができることも意味し、幅が広い基材への塗膜形成の際に、該幅方向における間隔の変動が大きくても適切に塗膜を形成することが可能となる。例えば塗膜幅が1000mm以上のような場合にも適切に塗布をすることが可能となる。従来は、当該間隔の許容範囲が狭く、幅が広い基材に適切に塗膜形成をすることが困難であった。
また、基材1はロール上に配置されているので、ロールと概ね同じ曲率を有している。従って、基材1は、上流側リップ面11aおよび下流側リップ面12aの間でこれらに最も近づく点(奥行き方向を考えると線)がある。ロールの曲率と実際の設備における取り付け時の傾斜などとを考慮すると、当該最も近づく点(線)は、上流側リップ面11aのいずれかの位置であることが好ましい。
塗布液2が基材1に接触し、上流側リップ11と基材1、下流側リップ12と基材1との間に各々界面が形成された後、ロールを回転させることによって塗布が開始される。基材1とダイ10との相対的移動は、ダイ10と基材1のうち一方が固定されていても、双方が相対的に移動するものであってもよい。基材1とダイ10との間隔は移動の最中に変化させることもできる。このように変化させることによって、ダイ10と基材1との間に保持される塗布液2をより安定させ、塗布膜の平滑性を向上させることが可能である。この場合にも本発明では、上記したように許容される範囲が広げられているので、この調整の機会を減らすことや、調整を容易とすることができる。
このような方法とは逆に、あらかじめ基材1とダイ10との相対的移動を開始した後、塗布液2を塗布液供給口から供給開始することもできる。
塗布操作の終了は、通常、基材1表面における目的部位に塗布液2が塗布された時点で、塗布液2の供給を停止することにより行う。その際には、基材1とダイ10との間隔を広げてもよいが、この操作は相対的な移動を止めてから行っても、相対的な移動中に行ってもよい。塗布終了の際に基材1とダイ10との間隔を広げることにより、液切れが良好となる傾向にあり、さらには、塗膜端部の平滑性が向上したり、ダイの汚れ防止性が向上する場合がある。
基材1とダイ10との間隔に対する塗膜の膜厚の好ましい比率は、通常0.01〜0.5である。膜厚の比率がこの範囲を越える場合は塗膜の平滑性が悪化する場合があり、また、この範囲未満では、安定な塗布状態が得られる塗布スピードの上限が小さくなり生産性が低下する傾向にある。好ましくは0.05〜0.4である。
塗布中の基材1とダイ10との相対的な移動速度は限定されないが、通常、0.005m/秒〜1m/秒である。塗布速度がこの範囲を越えると液枯れが生じやすい傾向にあり、一方、この範囲未満では生産性が低下する傾向にあり望ましくない。好ましくは0.01m/秒〜0.5m/秒である。
塗布する際の塗布液2の温度は限定されず、塗布液2の塗布が可能な程度に流動性がある状態であればよい。
塗布後の塗布液2は、通常、ホットプレート、IRオーブン、コンベクションオーブン、減圧乾燥機、加熱減圧乾燥機等を使用して乾燥される。乾燥温度は、塗布液の組成や粘度、塗膜の膜厚等によって最適化されるため限定されないが、通常、20℃〜200℃、好ましくは25℃〜150℃の範囲である。また、乾燥時間も限定されないが、通常1秒〜100秒、好ましくは5秒〜60秒の範囲である。塗布液が自己反応性や自己硬化性の化合物であったり、溶剤を含まないものである場合は、自然放置乾燥や自然冷却等により固化塗膜を形成することもできる。乾燥後の膜厚は、通常0.1μm〜100μm、好ましくは0.5μm〜50μmの範囲である。
実施例では、ダイ、基材の条件を変更し、適切に塗膜形成可能な上流側リップ面と基材との間隔(図2のd)の許容範囲を調べた。以下に説明する。
表1にダイの形状、ロール直径、ロール周速を示した。表1で用いた記号は図2と同じ意味としている。
Figure 0005564975
その他の条件は次の通りである。基材としては100μm厚のPET(ポリエチレンテレフタレート)製シートを用いた。塗布液は、Scを20質量%含有したPCr液(CPH−PCr)および、TLが質量30%、THFが70質量%である溶媒とした。塗布液の粘度は140cPであった。
塗布液の吐出方向はスロット(間隔G)の延長方向がロールの中心となるように設定した。塗布後の乾燥は、常温で40秒放置した後、100℃で30秒、さらに140℃で60秒間の条件で雰囲気中に晒すことによりおこなった。乾燥後の塗膜の膜厚は20μm(平均)となるようにした。
以上のような各条件にて、ダイと基材との間隔を変更し、塗膜の状態を観察し該間隔の上限および下限を調べた。表2に結果を示す。表2では、不具合を生じない最大のd、および不具合を生じない最小のdを理由とともに示し、最大dと最小dとの差によりダイの適切な可動範囲を明らかにした。
Figure 0005564975
表2からわかるように、No.1〜No.4では、特に最小dにおいて良好な結果を得ることができる。すなわち、「最大d−最小d」で示したように、ダイの適切な可動範囲を広くすることができる。
以上、現時点において実践的であり、かつ好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う塗膜形成方法、および塗膜積層体の製造方法もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
1 基材
2 塗布液
10 ダイ
11 上流側リップ
12 下流側リップ

Claims (4)

  1. 直径D(mm)のロール上にシート状の基材を配置し、前記ロールを回転させ、前記ロールに追随して回転する前記基材表面にダイから塗布液を供給して塗膜を形成する方法であって、
    前記ダイは、前記基材との間に前記塗布液を保持可能な面である上流側リップ面と、
    前記上流側リップ面よりも前記回転の方向下流側に配置され、前記基材との間に前記塗布液を保持可能な面である下流側リップ面と、を有し、
    前記上流側リップ面と前記下流側リップ面との間には前記塗布液が吐出する間隔が形成されており、
    前記上流側リップ面の、前記ロール回転方向の長さが2.0(mm)以上、0.02D(mm)以下であり、
    前記下流側リップ面の、前記ロール回転方向の長さが1.0(mm)以上、1.5(mm)以下である塗膜形成方法。
  2. 前記上流側リップ面と前記基材との距離d1と、前記下流側リップ面と前記基材との距離d2との関係が、d1−d2≦0であることを特徴とする請求項1に記載の塗膜形成方法。
  3. 塗膜幅が1000(mm)以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗膜形成方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の塗膜形成方法により前記基材上に塗膜を塗布する工程、および前記塗布された塗膜を乾燥する工程を含む塗膜積層体の製造方法。
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