JP2018133547A - コイル組立体およびブレーキ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】接続用端子の位置ずれが生じ難いコイル組立体およびブレーキ制御装置を提供する。【解決手段】コイル組立体は、ボビン2と、ボビン2に巻線51が巻回されてなるコイル50と、ボビン2に取り付けられるヨーク3と、巻線51に電気的に接続される接続用端子と、を備える。ヨーク3は、ボビン2の軸方向の両端部に配置される端部31,32と、端部同士を繋ぐ側部33と、を備えている。ボビン2および各端部には、被装着体が挿通される挿通孔21a,31a,32aが形成されている。各挿通孔に対して被装着体を挿通した状態で、ボビン2の軸方向に直交する方向に、ボビン2とヨーク3とが相対的にスライド可能である構成とした。【選択図】図3

Description

本発明は、コイル組立体およびブレーキ制御装置に関する。
従来、二輪車や四輪車等の車両のブレーキ系統において、車輪ブレーキに作用させるブレーキ液圧を制御するブレーキ制御装置を備えたものが知られている。ブレーキ制御装置としては、内部にブレーキ液路が形成された基体と、基体の一面に取り付けられる電磁弁と、電磁弁を取り囲むコイル組立体と、電磁弁およびコイル組立体を覆うハウジングと、ハウジング内に配設された制御基板と、を備えているものがある。
このようなブレーキ制御装置では、制御基板がコイル組立体への通電を制御して電磁弁を開閉させることで、ブレーキ液路内のブレーキ液圧を変動させて、車輪ブレーキの制動力を制御している。
コイル組立体は、ヨークと、ヨーク内に配設されたボビンと、ボビンに巻回されたコイルと、を備えている。
コイルに接続される接続端子としては、例えば、特許文献1に示されるように、プレスフィット端子を備えたものが知られている。プレスフィット端子を制御基板の挿着孔に圧接挿着することで、コイル組立体と制御基板とが電気的に接続されている。そして、ボビンの中心孔に電磁弁が挿通されるように、コイル組立体を電磁弁の周囲に取り付け、制御基板からコイルに通電することで、電磁弁を開閉させることができる。
特開2010−234826号公報
前記した従来のコイル組立体およびブレーキ制御装置では、各構成部品の寸法公差や組み付け公差に起因して、制御基板の挿着孔に対してプレスフィット端子が位置ずれを生じるおそれがある。このようにプレスフィット端子に位置ずれを生じると、基体にハウジングを組み付ける場合、位置ずれが原因でプレスフィット端子と制御基板との接続が行い難くなるという課題があった。
本発明は、前記した問題を解決し、接続用端子の位置ずれが生じ難いコイル組立体およびブレーキ制御装置を提供する。
前記課題を解決するため、本発明は、コイル組立体であって、ボビンと、前記ボビンに巻線が巻回されてなるコイルと、前記ボビンに取り付けられるヨークと、前記ボビンに設けられ、前記巻線の端部が電気的に接続される接続用端子と、を備えている。前記ヨークは、前記ボビンの軸方向の両端部に配置される端部と、前記端部同士を繋ぐ側部と、を備えている。前記ボビンおよび前記各端部には、被装着体が挿通される挿通孔が形成されている。前記各挿通孔に対して被装着体を挿通した状態で、前記ボビンの軸方向に直交する方向に、前記ボビンと前記ヨークとが相対的にスライド可能である。
本発明のコイル組立体は、制御基板等に対してコイル組立体を組み付ける際に、軸方向に直交する方向にボビンとヨークとを相対的にスライドさせることで、制御基板等の挿着孔に対して接続用端子を位置合わせすることができる。つまり、各構成部品の寸法公差や組み付け公差に起因して、制御基板の挿着孔に対して接続用端子が位置ずれを生じていても、前記スライドにより位置ずれを吸収することができる。したがって、接続用端子の電気的接続を確実に行うことができる。
前記したコイル組立体において、前記ボビンおよび前記ヨークの一方に凸部を設け、他方に凹部を設ける。この場合には、前記ボビンと前記ヨークとが相対的にスライド可能となるように、前記凸部と前記凹部とが所定未満の圧力で嵌合されているのがよい。このような構成とすることで、ボビンからヨークが脱落するのを嵌合により好適に防止しつつ、前記スライドにより位置ずれを吸収することができる。
前記したコイル組立体において、前記ボビンは、筒状部と、前記筒状部の両端部に設けられた鍔部と、を備えている。この場合、前記鍔部には、前記ヨークの前記端部が挿入される収容部が形成されているのがよい。このような構成とすることで、ヨークの端部の露出を防止して絶縁を好適に図ることができる。
前記したコイル組立体において、前記ボビン側の前記挿通孔の内径は、前記ヨーク側の前記挿通孔の内径よりも大きいのがよい。このように構成することで、制御基板等への接続用端子の組み付け時に、ヨーク側に対してボビン側をスライドさせることができ、制御基板等の挿着孔に対する接続用端子の位置合わせが容易である。
前記したコイル組立体において、前記ボビンに位置決め用の突起部が設けられているのがよい。このように構成することで、制御基板等への接続用端子の組み付け時に、制御基板等が固定されるハウジングや被装着体が固定される基体等に、予めコイル組立体を位置決めしておくことができる。したがって、制御基板等の挿着孔に対する接続用端子の位置合わせが容易であるとともに、挿着孔に対する接続用端子の圧接挿着をスムーズに行うことができる。
また、本発明は、前記したコイル組立体を備えたブレーキ制御装置であって、内部に液路が形成された基体と、前記基体の一面に取り付けられた前記被装着体と、を備えている。ブレーキ制御装置は、前記基体の一面に固着され、前記被装着体および前記コイル組立体を覆うハウジングと、前記ハウジングに収容され、前記被装着体の作動を制御する制御基板と、を備えている。前記被装着体は電磁弁である。前記ヨークは前記電磁弁を介して前記基体側に固定され、前記ボビンは前記接続用端子および前記制御基板を介して前記ハウジング側に固定されている。
このブレーキ制御装置では、各構成部品の寸法公差や組み付け公差に起因して、ハウジング側の制御基板の挿着孔に対して接続用端子が位置ずれを生じていても、この位置ずれを吸収することができる。したがって、接続用端子の電気的接続を確実に行うことができる。
本発明では、接続用端子の位置ずれが生じ難いコイル組立体およびブレーキ制御装置が得られる。
本実施形態のコイル組立体が備わるブレーキ制御装置を示した側断面図である。 本実施形態のコイル組立体を示した図であり、(a)はヨークが配置される側から見た斜視図、(b)はプレスフィット端子部分を示した拡大斜視図である。 本実施形態のコイル組立体を示した図であり、(a)は平面図、(b)は後面図、(c)は右側面図、(d)は縦断面図、(e)は底面図である。 本実施形態のコイル組立体の構成要素であるボビンを示した図であり、(a)は平面図、(b)は後面図、(c)は右側面図、(d)は縦断面図、(e)は底面図である。 本実施形態のコイル組立体の構成要素であるヨークを示した図であり、(a)は平面図、(b)は後面図、(c)は右側面図、(d)は縦断面図、(e)は底面図である。 本実施形態のコイル組立体の構成要素であるプレスフィット端子を示した図であり、(a)は前面図、(b)は左側面図、(c)は後面図、(d)は要部拡大後面図である。 本実施形態のコイル組立体の構成要素であるプレスフィット端子の打ち抜きに係るレイアウト図である。 本実施形態のコイル組立体の組み付け手順を示した図であり、(a)はボビンの斜視図、(b)はコイルを巻回したボビンにヨークを組み付ける際の様子を示す斜視図である。 制御基板に対してプレスフィット端子を圧接挿着する際の様子を示した説明図である。
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。以下の説明において、コイル組立体の前後左右上下を言うときは、図2(a)に示す方向を基準とするが、ブレーキ制御装置に対するコイル組立体の組み付け方向を限定する趣旨ではない。
本実施形態では、本発明のコイル組立体をブレーキ制御装置に適用した場合を例として説明する。
まず、ブレーキ制御装置について説明する。
[ブレーキ制御装置の構成]
ブレーキ制御装置Uは、図1に示すように、圧力センサや電磁弁V1,V2、モータM、往復動ポンプPなどが組み付けられる基体100を備えている。また、ブレーキ制御装置Uは、車体の挙動を検出して、電磁弁V1,V2の開閉やモータMの作動を制御する電気部品としての制御基板201を備えた電子制御ユニット200を備えている。
基体100内には、図示しないブレーキ液路(油路)が形成されている。ブレーキ制御装置Uは、車体の挙動に基づいて、制御基板201が電磁弁V1,V2やモータMを作動させることで、ブレーキ液路内のブレーキ液圧を変動させるように構成されている。
(基体の構成)
基体100は、略直方体に形成された金属部品であり、その内部にはブレーキ液路(油路)が形成されている。
基体100の各面のうち、一面側となる表側の面101には、電磁弁V1,V2や圧力センサ(図示せず)が装着される有底の取付穴110等が複数形成されている。なお、用いられる電磁弁V1,V2や圧力センサの数は、例えば、対象となる車両が四輪車である場合や二輪車である場合や、ブレーキ制御装置が有する機能の差で異なる。本実施形態の電磁弁V1,V2には、コイル組立体1がそれぞれ装着されている。電磁弁V1は、例えば、常開型電磁弁である。電磁弁V2は、例えば、常閉型電磁弁である。各コイル組立体1は、後記するように、プレスフィット端子10を用いて制御基板201に電気的に接続されている。
基体100の上面103には、車輪ブレーキ(図示せず)に至る配管が接続される出口ポート111等が形成されている。
また、基体100の下面には、リザーバを構成するリザーバ構成部品(図示せず)が組み付けられるリザーバ穴等が形成されている。
また、基体100の側面104には、往復動ポンプPが装着されるポンプ孔112等が形成されている。
なお、基体100に設けられた穴は、直接に、あるいは基体100の内部に形成された図示せぬブレーキ液路を介して互いに連通している。
(モータの構成)
モータMは、往復動ポンプPの動力源となる電動部品である。モータMは、基体100の他面側となる裏側の面102に一体的に固着されている。モータMは、往復動ポンプPを駆動する。
モータMには、図示せぬロータに電力を供給するためのモータバスバーM1が接続されている。このモータバスバーM1は、基体100の端子孔(図示せず)に挿通され、制御基板201に電気的に接続されている。
(電子制御ユニットの構成)
電子制御ユニット200は、図1に示すように、制御基板201と、制御基板201および基体100から突出した電磁弁V1,V2や圧力センサなどを収容するハウジング202と、このハウジング202の開口部を塞ぐカバー203と、を備えている。
制御基板201は、電気回路がプリントされた略長方形の基板本体に、半導体チップなどの電子部品を取り付けたものである。この制御基板201は、圧力センサや図示せぬ角速度センサ、加速度センサなどの各種センサから得られた情報や、予め記憶させておいたプログラムに基づいて、コイル組立体1(図2参照)やモータMへの通電を制御して、電磁弁V1,V2の開閉作動やモータMの駆動を制御する。
ハウジング202は、図1に示すように、基体100の表側の面101から突出する電磁弁V1,V2や圧力センサなどを覆った状態で、基体100の表側の面101に一体的に固着される樹脂製の箱体である。
ハウジング202は、基体100側とは反対側の面および基体100側の面が開口している。ハウジング202の内部空間には、電磁弁V1,V2、コイル組立体1や圧力センサ等が収容される。
カバー203は、ハウジング202の基体100側とは反対側の開口部を密閉する樹脂製の蓋体である。カバー203は、溶着や接着、ねじ締結などの手段によりハウジング202の端面に固着される。
[コイル組立体の構成]
コイル組立体1は、図2(a)、図3各図に示すように、ボビン2と、ボビン2に巻線51が巻回されてなるコイル50と、ボビン2に取り付けられたヨーク3と、巻線51(コイル50)に電気的に接続された接続用端子としてのプレスフィット端子10と、を備えている。コイル組立体1は、図1に示すように、電磁弁V1,V2を取り囲んだ状態で、ハウジング202内に収容される電気部品である。コイル組立体1は、制御基板201からプレスフィット端子10を介してコイル50に通電されることで、電磁弁V1,V2の周囲に磁場をそれぞれ発生させる電磁コイルである。
(ボビンの構成)
ボビン2は、図4各図に示すように、円筒部21の上下両端部に、鍔部22,23が形成された樹脂部品(絶縁部品)である。円筒部21には、図4(d)に示すように、ボビン側挿通孔としての円形の挿通孔21aが中心部を貫通している。挿通孔21aは、図4(a)(d)に示すように、上側の鍔部22に形成された後記する上側ヨーク収容部22cおよび鍔部22の孔部22aに連通している。また、挿通孔21aは、図4(d)(e)に示すように、下側の鍔部23に形成された下側ヨーク収容部23aに連通している。挿通孔21aは、内径D1を備えている。鍔部22,23は、図4(a)(e)に示すように、前部がコイル50の巻形状に対応して平面視で半円形状に形成され、後部がヨークの形状に対応して平面視で略矩形状に形成されている。なお、鍔部22の孔部22aの内径は、挿通孔21aの内径D1よりも大きくなっている。
上側の鍔部22は、図4(b)〜(d)に示すように、下側の鍔部23よりも上下方向に分厚く形成されている。上側の鍔部22の内側には、図4(d)に示すように、ヨーク3の後記する上部31を収容可能な上側ヨーク収容部22cが形成されている。上側ヨーク収容部22cは、上側の鍔部22の後面および前面に開口している。ヨーク3の上部31は、上側の鍔部22の後面側から上側ヨーク収容部22cに収容される(図8(b)参照)。
上側ヨーク収容部22cは、ボビン2の軸方向に直交する方向(水平方向)において、収容されたヨーク3の上部31との間に、所定のクリアランスを備えている。これにより、上側ヨーク収容部22c内においてヨーク3の上部31は、前記クリアランスを備える分だけ水平方向に移動可能となっている。
なお、鍔部22は、ヨーク3の上部31の略全体を覆っているので、絶縁性に優れている。
上側の鍔部22の後端縁部には、図4(a)(b)に示すように、二つの突起部22e,22eが左右方向に所定間隔を置いて形成されている。この突起部22eは、上側の鍔部22の後端縁部から後方に突出した板状の部位であり、平面視で矩形に形成されている。
また、上側の鍔部22の左右後部には、二つのプレスフィット端子10,10の基部11,11を支持する端子支持部22b,22bが形成されている。この端子支持部22b,22bには、プレスフィット端子10,10の一部がインサート成形によって埋設されている(図2(a)参照)。つまり、端子支持部22b,22b(上側の鍔部22)がプレスフィット端子10,10の絶縁体として機能している。
端子支持部22b,22bの下方には、図3(d)に示すように、上側ヨーク収容部22cに収容されたヨーク3の上部31が配置されている。つまり、二つのプレスフィット端子10,10は、端子支持部22b,22bを介してヨーク3の上部31に支持されている。一方、端子支持部22b,22bは、ヨーク3の上部31における、プレスフィット端子10,10を支持している部分を覆っている。これによって、プレスフィット端子10,10とヨーク3との絶縁が図られている。
下側の鍔部23の内側には、図4(b)(d)(e)に示すように、ヨーク3の下部32(図3(d)参照)を収容可能な下側ヨーク収容部23aが形成されている。下側ヨーク収容部23aは、下側の鍔部23の後面および下面に開口している。つまり、ヨーク3の下部32は、コイル組立体1の下面に露出している(図3(e)参照)。ヨーク3の下部32は、下側の鍔部23の後面側から下側ヨーク収容部23aに収容される(図8(b)参照)。
下側ヨーク収容部23aの内面の左右対向部位には、図4(e)に示すように、内側に向けて突出する湾曲状の凸部23b,23bが形成されている(図4(d)参照)。下側ヨーク収容部23aは、前記した上側ヨーク収容部22cと同様に、収容されたヨーク3の下部32との間に、ボビン2の軸方向に直交する方向(水平方向)に所定のクリアランスを備えている。これにより、下側ヨーク収容部23a内においてヨーク3の下部32は、前記クリアランス分だけ水平方向に移動可能となっている。
下側の鍔部23の後部側の左右側面には、四角柱状の突起部25,25が形成されている。突起部25,25は、基体100に接着剤にて固定する際の接着面として機能し、また、コイル組立体1をブレーキ制御装置Uに組み付ける際の位置決め部として機能する。具体的に、突起部25,25は、例えば、基体100の表側の面101(電磁弁V1,V2が装着される面)に設けられた図示しない位置決め部材(リブや突起等)に係止可能である。この係止によって、コイル組立体1は、電磁弁V1,V2に装着された状態で、ボビン2の軸周り方向に回動不能に位置決めされる。また、突起部25,25は、例えば、ハウジング202の内側に設けられた図示しない壁部に対して係止可能である。この壁部は、コイル組立体1の周囲に配置され、突起部25,25が圧入等により係止される溝部を備えている。
以上のようなボビン2は、射出成形等によって作成される。ボビン2が射出成形される際に同時に、鍔部22にプレスフィット端子10,10が一体的に接合される状態にインサート成形される。
(ヨークの構成)
ヨーク3は、磁性を有する金属材料で形成されている。ヨーク3は、図5各図に示すように、端部としての上部31と、端部としての下部32と、これら上部31と下部32とを繋ぐ側部33と、から構成されている。ヨーク3は、縦断面略凹状に形成されている(図5(d)参照)。
上部31は、ボビン2の上側の鍔部22の上側ヨーク収容部22cに収容される部位である(図3(d)参照)。上部31は、ボビン2の上側の鍔部22と外形状が同様であり、図5(a)に示すように、前部が半円形状に形成され、孔部が略矩形状に形成されている。上部31は、上側ヨーク収容部22cに前記したクリアランスを備えて収容されるようになっており、上側ヨーク収容部22cに対して水平方向に移動可能である。
なお、上部31は、図5(a)に示すように、下部32よりも外形状が一回り小さい大きさに形成されている。
上部31は、上側ヨーク収容部22cに収容されることで、上側の鍔部22を介してプレスフィット端子10の下方に配置される。つまり、上部31は、端子部12の軸方向の反対側の延長上でプレスフィット端子10(端子部12、基部11)を支持している。
下部32は、ボビン2の下側の鍔部23の下側ヨーク収容部23aに収容される部位である(図3(d)参照)。下部32は、上部31の外形状と同様に、前部が半円形状に形成され、後部が略矩形状に形成されている(図5(e)参照)。
下部32には、図5(e)に示すように、下側ヨーク収容部23aの凸部23b,23bに対向する部位に、凹部32b,32bが形成されている(図3(e)参照)。下側ヨーク収容部23aに下部32を収容した状態で、下部32の凹部32b,32bに下側ヨーク収容部23aの凸部23b,23bが所定未満の圧力で嵌合する(隙間を有して嵌合する)ようになっている。下部32は、下側ヨーク収容部23aにクリアランスを備えて収容されるようになっており、前記のように凹部32b,32bに凸部23b,23bが所定未満の圧力で嵌合した状態で、下側ヨーク収容部23aに対して水平方向に移動可能である。つまり、前記した水平方向の移動を許容するように凹部32bに凸部23bが嵌合している。
ヨーク3には、ヨーク側挿着孔として、上部31に円形の挿通孔31aが形成され、下部32に円形の装着孔32aが形成されている。これらの挿通孔31a,32aは、図3(d)、図5(d)に示すように、略同一の内径D2を備えている。内径D2は、電磁弁V1(V2)に外嵌可能な大きさに設定されている。ここで、前記したボビン2の挿通孔21aの内径D1とヨーク3の挿通孔31a,32aの内径D2との関係は、ボビン2側の内径D1が大きく、ヨーク3側の内径D2が小さくなるように、内径D1>内径D2に設定されている。
(プレスフィット端子の構成)
二つのプレスフィット端子10,10は、図2(b)に示すように、端子支持部22b,22b(ボビン2)に一部がインサート成形された金属部品である。二つのプレスフィット端子10,10は、図2(a)に示すように、左右方向に所定間隔を離して配設されている。
プレスフィット端子10は、図6各図に示すように、板状の基部11と、基部11の一端上部から上方へ突出する端子部12と、基部11の他端下部から下方へ突出する接続部13と、を備えている。
基部11の大部分は、図2(b)に示すように、端子支持部22bに埋設されている。基部11の上部は、端子支持部22bから露出している。基部11には、図6(a)に示すように、成形時に樹脂の入り込みを許容する挿通孔11aが形成されている。基部11は、図2(b)に示すように、端子支持部22bに設けられた補強リブ22dで補強支持されている。
端子部12は、図2(b)に示すように、基部11の一端上部から上方へ(ボビン2の軸方向外側へ)垂直に突出している。つまり、端子部12は、上側の鍔部22の上方に向けて延出している。端子部12は、先端部が環状に膨らんでおり、制御基板201(図1参照)の挿着孔205(図1参照)に圧接挿着している。
接続部13は、コイル50の巻線51を接続する部位である。接続部13において、巻線51が接触する部分となる接触部14の板厚は、接続部13の他の部分の板厚に比べて薄肉に形成されている。つまり、圧接挿着により板厚の制限を受けやすいプレスフィット端子10において、巻線51が接続される接続部13を薄肉にして、巻線51の被覆が接触によって削られるように構成している。
接触部14には、図6(d)に示すように、断面が略V字形状の溝15が形成されている。溝15の上縁部はアール状に拡がっている。溝15の内面の対向する部位には、溝15内(内側)に向けて突出する一対の段部16,16が形成されている。段部16,16の部分で溝15は、幅狭に形成されている。溝15の段部16,16の部分の溝15bの幅L1(左右方向の幅)は、巻線51の線径D3(皮膜が備わる状態の線径)よりも小さく形成されている。溝15は、最深部15cに向けてさらに幅狭に形成されている。
接続部13の下部側方には、図6(a)(c)に示すように、溝15との間で巻線51を巻き回すための突起部17が形成されている。また、接続部13の下端部には、端子支持部22b(図2(b)参照)に向けて鈎状に突出する鈎状部13bが形成されている。鈎状部13bは、端子支持部22b(図2(b)参照)に埋設されている(不図示)。
プレスフィット端子10は、例えば、プレス加工(プレス打ち抜き加工)によって得られる。プレス打ち抜き加工では、導電性を有し、かつ所定の厚みを有する平板帯状の金属板等を用いて、図7に示すような、プレスフィット端子10が備わるプレス打ち抜き品を得ている。プレス打ち抜き品は、キャリアとなる枠状の連結部19に、連結接続部19aを介してプレスフィット端子10が各々連成されるものである。各プレスフィット端子10は、前記した端子構造に基づいて成形されている。
薄肉の接触部14は、プレス打ち抜き加工後に、さらにプレス加工されることで薄肉に形成される。その後、溝15を撃ち抜いて形成する。なお、プレス打ち抜き加工時に同時にプレス加工を行うことで、接触部14を形成してもよいし、先に接触部14をプレス加工により形成しておいてから打ち抜き加工を行ってもよい。
(コイルの構成)
コイル50は、図2(a)に示すように、ボビン2の円筒部21に巻線51が巻着されてなる。両端部の巻線51,51は、プレスフィット端子10,10の接続部13,13に巻着されており、コイル50と各プレスフィット端子10,10とが電気的に接続されている。
[コイル組立体の組み付け]
まず、図8(a)に示すように、ボビン2の円筒部21に巻線51を巻き付けて、図8(b)に示すように、ボビン2にコイル50を形成する。
その後、コイル50の端部の巻線51,51をプレスフィット端子10,10の接続部13,13に巻き付けて、巻線51,51を接続部13,13に接続する。この場合、図6(d)に示すように、接触部14に形成された溝15に巻線51を挿入すると、溝15の内面に巻線51が接触して巻線51の被覆が削られる。つまり、溝15に巻線51を巻き付ける過程で、薄肉に形成された接触部14で巻線51の被覆が自動的に削り取られ、巻線51が接続部13に電気的に接続される。
この際、溝15内にて巻線51が段部16に接触すると、巻線51の被覆の削り取りが促進され、巻線51の電気的接続が確実に行われる。また、溝15の段部16,16の部分の溝15bの幅L1(左右方向の幅)は、巻線51の線径D3(被覆が備わる状態の線径)よりも小さく形成されているので、巻き付け時に最深部15cまで巻線51が挿入されることで、巻線51の被覆がより好適に削り取られる。
その後、図8(b)に示すように、ボビン2にヨーク3を装着する。この場合、ボビン2の上側ヨーク収容部22cにヨーク3の上部31を挿入するとともに、下側ヨーク収容部23aにヨーク3の下部32を挿入する。下側ヨーク収容部23aにヨーク3の下部32を収容すると、下部32の凹部32b,32bに下側ヨーク収容部23aの凸部23b,23b(図4(e)参照)が所定未満の圧力で嵌合する状態となる。この嵌合により、ボビン2にヨーク3が保持され、ボビン2からヨーク3が脱落することが防止される。
なお、ヨーク3が装着方向に必要以上に挿し込まれた際には、ボビン2の上側の鍔部22に設けられた突起部22e,22eにヨーク3の側部33が当接する。これにより、ヨーク3がコイル50に接触することが防止される。
以上のようにして、コイル組立体1が組み上がる。
[ブレーキ制御装置へのコイル組立体の取り付け]
本実施形態のブレーキ制御装置Uでは、図1に示すように、ハウジング202内に配設されたコイル組立体1のプレスフィット端子10の端子部12を、制御基板201の挿着孔205に圧接挿着している。このように、プレスフィット端子10を制御基板201にプレスフィットさせることで、コイル組立体1を制御基板201に電気的に接続することができる。
ブレーキ制御装置Uにコイル組立体1を取り付ける際には、まず、基体100に取り付けられた電磁弁V1,V2に対して、コイル組立体1を装着する。この場合、基体100の表側の面101にリブ等の図示しない位置決め部材が設けられている場合には、位置決め部材にコイル組立体1のボビン2の突起部25,25を係止する。これにより、コイル組立体1がボビン2の軸周り方向に回動不能に位置決めされる。これにより、基体100において、プレスフィット端子10が所定の位置に配置される。
その後、ハウジング202を基体100に取り付ける。そして、制御基板201をハウジング202に近づけ、制御基板201の各挿着孔205にプレスフィット端子10をあてがい、制御基板201を基体100側に向けて押圧する。
この場合、図9に示すように、端子部12の軸方向の反対側の延長上でヨーク3(上部31)がプレスフィット端子10を支持している。詳しくは、ヨーク3の上部31は、その平面が、端子部12の軸方向反対側で、該軸方向と直交する面となるように配置されている。このため、端子部12を制御基板201の挿着孔205に圧接挿着する際の軸方向の荷重を、ヨーク3(上部31)の平面で垂直方向に受けることができる。
ヨーク3は、下部32が基体100の表側の面101に当接している。これにより、端子部12を制御基板201の挿着孔205に圧接挿着する際の軸方向の荷重を、基体100(製品)で受けることができる。
一方、ボビン2の挿通孔21aの内径D1は、ヨーク3の挿通孔31a,32aの内径D2よりも大きい。これにより、制御基板201の各挿着孔205にプレスフィット端子10をあてがう際に、電磁弁V1,V2に取り付けられたヨーク3と相対的に、ボビン2をその軸方向に直交する方向にスライド移動させることができる。したがって、制御基板201の挿着孔205に対するプレスフィット端子10の位置合わせが容易である。
位置合わせができたら、制御基板201を基体100側に向けて押圧することで、端子部12が制御基板201の挿着孔205に圧接挿着される。これにより、プレスフィット端子10を介してコイル組立体1が制御基板201に電気的に接続される。
以上説明した本実施形態のコイル組立体1は、制御基板201に対してコイル組立体1を組み付ける際に、軸方向に直交する方向にボビン2とヨーク3とを相対的にスライドさせることで、制御基板201の挿着孔205に対してプレスフィット端子10を位置合わせすることができる。つまり、各構成部品の寸法公差や組み付け公差に起因して、制御基板201の挿着孔205に対してプレスフィット端子10が位置ずれを生じていても、スライドにより位置ずれを吸収することができる。したがって、プレスフィット端子10の電気的接続を確実に行うことができる。
ボビン2の下側ヨーク収容部23aに凸部23b,23bが設けられ、この凸部23b,23bがヨーク3の下部32の凹部32b,32bに所定未満の圧力で嵌合している。この嵌合により、ボビン2からヨーク3が脱落するのを好適に防止しつつ、前記したスライドによって制御基板201の挿着孔205に対するプレスフィット端子10の位置ずれを好適に吸収することができる。
上側の鍔部22には、ヨーク3の上部31を収容する上側ヨーク収容部22cが形成されている。これにより、ヨーク3の上部31の露出を防止してヨーク3とプレスフィット端子10との絶縁を好適に図ることができる。
ボビン2側の挿通孔21aの内径D1は、ヨーク3側の挿通孔31a,32aの内径D2よりも大きくなっている。これにより、制御基板201への組み付け時に、ヨーク3側に対してボビン2側をスライドさせることができ、制御基板201の挿着孔205に対するプレスフィット端子10の位置合わせが容易である。
ボビン2に位置決め用の突起部25,25が設けられているので、制御基板201へのプレスフィット端子10の組み付け時に、基体100やハウジング202に、予めコイル組立体1を位置決めしておくことができる。したがって、制御基板201の挿着孔205に対するプレスフィット端子10の位置合わせが容易であるとともに、挿着孔205に対するプレスフィット端子10の圧接挿着をスムーズに行うことができる。
また、本実施形態のブレーキ制御装置では、各構成部品の寸法公差や組み付け公差に起因して、ハウジング202の制御基板201の挿着孔205に対してプレスフィット端子10が位置ずれを生じていても、この位置ずれを吸収することができる。したがって、プレスフィット端子10の電気的接続を確実に行うことができる。
また、ブレーキ制御装置Uにおいて、ボビン2の鍔部23の突起部25をハウジング202の図示しない壁部に当接することで、コイル組立体1の位置決めを図ることができる。したがって、プレスフィット端子10の電気的接続を確実に行うことができる。
以上、本発明について、実施形態に基づいて説明したが、本発明は、前記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。また、前記実施形態の構成の一部について、追加、削除、置換をすることができる。
例えば、前記実施形態では、ボビン2の下側ヨーク収容部23aに凸部23b,23bを設け、ヨーク3の下部32に凹部32b,32bを設けたが、これとは逆に、ボビン2側に凹部を設け、ヨーク3側に凸部を設けてもよい。
また、接続用端子としてプレスフィット端子10を例に挙げて説明したが、プレスフィット端子10以外の端子で制御基板201側に電気的に接続するように構成してもよい。この場合にも、制御基板201の挿着孔205に対して端子が位置ずれを生じていても、前記スライドにより位置ずれを吸収することができる。
また、上側ヨーク収容部22cは、ヨーク3の上部31の大部分を収容する構成としたがこれに限られることはなく、ヨーク3の上部31の少なくとも一部を収容するものであってもよい。
また、ボビン2側の挿通孔21aの内径D1を、ヨーク3側の挿通孔31a,32aの内径D2よりも大きくしたが、これに限られることはなく、これとは逆に、ヨーク3側の挿通孔31a,32aの内径D2を、ボビン2側の挿通孔21aの内径D1よりも大きくしてもよい。この場合にも、ボビン2とヨーク3とを相対的にスライドさせることができ、前記した位置ずれを好適に吸収することができる。
1 コイル組立体
2 ボビン
3 ヨーク
10 プレスフィット端子(接続用端子)
12 端子部
13 接続部
14 接触部
15 溝
16 段部
21a 挿通孔
31a,32a 挿通孔
22 上側の鍔部(絶縁体、樹脂部)
23 下側の鍔部
31 上部(端部)
32 下部(端部)
33 側部
50 コイル
51 巻線
100 基体
201 制御基板
205 挿着孔
202 ハウジング
L1 溝(深部)の幅
D1 ボビン側の挿通孔の内径
D2 ヨーク側の挿通孔の内径
D3 巻線の線径
V1,V2 電磁弁(被装着体)
U ブレーキ制御装置

Claims (6)

  1. ボビンと、
    前記ボビンに巻線が巻回されてなるコイルと、
    前記ボビンに取り付けられるヨークと、
    前記ボビンに設けられ、前記巻線の端部が電気的に接続される接続用端子と、
    を備えたコイル組立体であって、
    前記ヨークは、前記ボビンの軸方向の両端部に配置される端部と、前記端部同士を繋ぐ側部と、を備え、
    前記ボビンおよび前記各端部には、被装着体が挿通される挿通孔が形成されており、
    前記各挿通孔に対して前記被装着体を挿通した状態で、前記ボビンの軸方向に直交する方向に、前記ボビンと前記ヨークとが相対的にスライド可能であることを特徴とするコイル組立体。
  2. 前記ボビンおよび前記ヨークの一方に設けられた凸部と、他方に設けられた凹部と、を備え、
    前記ボビンと前記ヨークとが相対的にスライド可能となるように、前記凸部と前記凹部とが所定未満の圧力で嵌合されていることを特徴とする請求項1に記載のコイル組立体。
  3. 前記ボビンは、筒状部と、前記筒状部の両端部に設けられた鍔部と、を備えており、
    前記鍔部には、前記ヨークの前記端部が挿入される収容部が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコイル組立体。
  4. 前記ボビン側の前記挿通孔の内径は、前記ヨーク側の前記挿通孔の内径よりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のコイル組立体。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のコイル組立体を備えたブレーキ制御装置であって、
    内部に液路が形成された基体と、
    前記基体の一面に取り付けられた前記被装着体と、
    前記基体の一面に固着され、前記被装着体および前記コイル組立体を覆うハウジングと、
    前記ハウジングに収容され、前記被装着体の作動を制御する制御基板と、を備え、
    前記被装着体は電磁弁であり、
    前記ヨークは前記電磁弁を介して前記基体側に固定され、
    前記ボビンは前記接続用端子および前記制御基板を介して前記ハウジング側に固定されていることを特徴とするブレーキ制御装置。
  6. 前記ボビンには、前記ハウジングに位置決めするための突起部が設けられていることを特徴とする請求項5に記載のブレーキ制御装置。
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