JP6917156B2 - コイル組立体およびブレーキ制御装置 - Google Patents
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このようなブレーキ制御装置では、制御基板がコイル組立体への通電を制御して電磁弁を開閉させることで、ブレーキ液路内のブレーキ液圧を変動させて、車輪ブレーキの制動力を制御している。
コイルに接続される接続端子としては、例えば、特許文献1に示されるように、プレスフィット端子を備えたものが知られている。プレスフィット端子を制御基板の挿着孔に圧接挿着することで、コイル組立体と制御基板とが電気的に接続されている。そして、ボビンの中心孔に電磁弁が挿通されるように、コイル組立体を電磁弁の周囲に取り付け、制御基板からコイルに通電することで、電磁弁を開閉させることができる。
本実施形態では、本発明のコイル組立体をブレーキ制御装置に適用した場合を例として説明する。
[ブレーキ制御装置の構成]
ブレーキ制御装置Uは、図1に示すように、圧力センサや電磁弁V1,V2、モータM、往復動ポンプPなどが組み付けられる基体100を備えている。また、ブレーキ制御装置Uは、車体の挙動を検出して、電磁弁V1,V2の開閉やモータMの作動を制御する電気部品としての制御基板201を備えた電子制御ユニット200を備えている。
基体100内には、図示しないブレーキ液路(油路)が形成されている。ブレーキ制御装置Uは、車体の挙動に基づいて、制御基板201が電磁弁V1,V2やモータMを作動させることで、ブレーキ液路内のブレーキ液圧を変動させるように構成されている。
基体100は、略直方体に形成された金属部品であり、その内部にはブレーキ液路(油路)が形成されている。
基体100の各面のうち、一面側となる表側の面101には、電磁弁V1,V2や圧力センサ(図示せず)が装着される有底の取付穴110等が複数形成されている。なお、用いられる電磁弁V1,V2や圧力センサの数は、例えば、対象となる車両が四輪車である場合や二輪車である場合や、ブレーキ制御装置が有する機能の差で異なる。本実施形態の電磁弁V1,V2には、コイル組立体1がそれぞれ装着されている。電磁弁V1は、例えば、常開型電磁弁である。電磁弁V2は、例えば、常閉型電磁弁である。各コイル組立体1は、後記するように、プレスフィット端子10を用いて制御基板201に電気的に接続されている。
また、基体100の下面には、リザーバを構成するリザーバ構成部品(図示せず)が組み付けられるリザーバ穴等が形成されている。
また、基体100の側面104には、往復動ポンプPが装着されるポンプ孔112等が形成されている。
なお、基体100に設けられた穴は、直接に、あるいは基体100の内部に形成された図示せぬブレーキ液路を介して互いに連通している。
モータMは、往復動ポンプPの動力源となる電動部品である。モータMは、基体100の他面側となる裏側の面102に一体的に固着されている。モータMは、往復動ポンプPを駆動する。
モータMには、図示せぬロータに電力を供給するためのモータバスバーM1が接続されている。このモータバスバーM1は、基体100の端子孔(図示せず)に挿通され、制御基板201に電気的に接続されている。
電子制御ユニット200は、図1に示すように、制御基板201と、制御基板201および基体100から突出した電磁弁V1,V2や圧力センサなどを収容するハウジング202と、このハウジング202の開口部を塞ぐカバー203と、を備えている。
ハウジング202は、基体100側とは反対側の面および基体100側の面が開口している。ハウジング202の内部空間には、電磁弁V1,V2、コイル組立体1や圧力センサ等が収容される。
コイル組立体1は、図2(a)、図3各図に示すように、ボビン2と、ボビン2に巻線51が巻回されてなるコイル50と、ボビン2に取り付けられたヨーク3と、巻線51(コイル50)に電気的に接続された接続用端子としてのプレスフィット端子10と、を備えている。コイル組立体1は、図1に示すように、電磁弁V1,V2を取り囲んだ状態で、ハウジング202内に収容される電気部品である。コイル組立体1は、制御基板201からプレスフィット端子10を介してコイル50に通電されることで、電磁弁V1,V2の周囲に磁場をそれぞれ発生させる電磁コイルである。
ボビン2は、図4各図に示すように、円筒部21の上下両端部に、鍔部22,23が形成された樹脂部品(絶縁部品)である。円筒部21には、図4(d)に示すように、ボビン側挿通孔としての円形の挿通孔21aが中心部を貫通している。挿通孔21aは、図4(a)(d)に示すように、上側の鍔部22に形成された後記する上側ヨーク収容部22cおよび鍔部22の孔部22aに連通している。また、挿通孔21aは、図4(d)(e)に示すように、下側の鍔部23に形成された下側ヨーク収容部23aに連通している。挿通孔21aは、内径D1を備えている。鍔部22,23は、図4(a)(e)に示すように、前部がコイル50の巻形状に対応して平面視で半円形状に形成され、後部がヨークの形状に対応して平面視で略矩形状に形成されている。なお、鍔部22の孔部22aの内径は、挿通孔21aの内径D1よりも大きくなっている。
なお、鍔部22は、ヨーク3の上部31の略全体を覆っているので、絶縁性に優れている。
端子支持部22b,22bの下方には、図3(d)に示すように、上側ヨーク収容部22cに収容されたヨーク3の上部31が配置されている。つまり、二つのプレスフィット端子10,10は、端子支持部22b,22bを介してヨーク3の上部31に支持されている。一方、端子支持部22b,22bは、ヨーク3の上部31における、プレスフィット端子10,10を支持している部分を覆っている。これによって、プレスフィット端子10,10とヨーク3との絶縁が図られている。
ヨーク3は、磁性を有する金属材料で形成されている。ヨーク3は、図5各図に示すように、端部としての上部31と、端部としての下部32と、これら上部31と下部32とを繋ぐ側部33と、から構成されている。ヨーク3は、縦断面略凹状に形成されている(図5(d)参照)。
上部31は、ボビン2の上側の鍔部22の上側ヨーク収容部22cに収容される部位である(図3(d)参照)。上部31は、ボビン2の上側の鍔部22と外形状が同様であり、図5(a)に示すように、前部が半円形状に形成され、孔部が略矩形状に形成されている。上部31は、上側ヨーク収容部22cに前記したクリアランスを備えて収容されるようになっており、上側ヨーク収容部22cに対して水平方向に移動可能である。
なお、上部31は、図5(a)に示すように、下部32よりも外形状が一回り小さい大きさに形成されている。
下部32には、図5(e)に示すように、下側ヨーク収容部23aの凸部23b,23bに対向する部位に、凹部32b,32bが形成されている(図3(e)参照)。下側ヨーク収容部23aに下部32を収容した状態で、下部32の凹部32b,32bに下側ヨーク収容部23aの凸部23b,23bが緩く嵌合する(隙間を有して嵌合する)ようになっている。下部32は、下側ヨーク収容部23aにクリアランスを備えて収容されるようになっており、前記のように凹部32b,32bに凸部23b,23bが緩く嵌合した状態で、下側ヨーク収容部23aに対して水平方向に移動可能である。つまり、前記した水平方向の移動を許容するように凹部32bに凸部23bが嵌合している。
二つのプレスフィット端子10,10は、図2(b)に示すように、端子支持部22b,22b(ボビン2)に一部がインサート成形された金属部品である。二つのプレスフィット端子10,10は、図2(a)に示すように、左右方向に所定間隔を離して配設されている。
基部11の大部分は、図2(b)に示すように、端子支持部22bに埋設されている。基部11の上部は、端子支持部22bから露出している。基部11には、図6(a)に示すように、成形時に樹脂の入り込みを許容する挿通孔11aが形成されている。基部11は、図2(b)に示すように、端子支持部22bに設けられた補強リブ22dで補強支持されている。
接触部14には、図6(d)に示すように、断面が略V字形状の溝15が形成されている。溝15の上縁部はアール状に拡がっている。溝15の内面の対向する部位には、溝15内(内側)に向けて突出する一対の段部16,16が形成されている。段部16,16の部分で溝15は、幅狭に形成されている。溝15の段部16,16の部分の溝15bの幅L1(左右方向の幅)は、巻線51の線径D3(皮膜が備わる状態の線径)よりも小さく形成されている。溝15は、最深部15cに向けてさらに幅狭に形成されている。
コイル50は、図2(a)に示すように、ボビン2の円筒部21に巻線51が巻着されてなる。両端部の巻線51,51は、プレスフィット端子10,10の接続部13,13に巻着されており、コイル50と各プレスフィット端子10,10とが電気的に接続されている。
まず、図8(a)に示すように、ボビン2の円筒部21に巻線51を巻き付けて、図8(b)に示すように、ボビン2にコイル50を形成する。
なお、ヨーク3が装着方向に必要以上に挿し込まれた際には、ボビン2の上側の鍔部22に設けられた突起部22e,22eにヨーク3の側部33が当接する。これにより、ヨーク3がコイル50に接触することが防止される。
以上のようにして、コイル組立体1が組み上がる。
本実施形態のブレーキ制御装置Uでは、図1に示すように、ハウジング202内に配設されたコイル組立体1のプレスフィット端子10の端子部12を、制御基板201の挿着孔205に圧接挿着している。このように、プレスフィット端子10を制御基板201にプレスフィットさせることで、コイル組立体1を制御基板201に電気的に接続することができる。
ヨーク3は、下部32が基体100の表側の面101に当接している。これにより、端子部12を制御基板201の挿着孔205に圧接挿着する際の軸方向の荷重を、基体100(製品)で受けることができる。
2 ボビン
3 ヨーク
10 プレスフィット端子(接続用端子)
12 端子部
13 接続部
14 接触部
15 溝
16 段部
21a 挿通孔
31a,32a 挿通孔
22 上側の鍔部(絶縁体、樹脂部)
23 下側の鍔部
31 上部(端部)
32 下部(端部)
33 側部
50 コイル
51 巻線
100 基体
201 制御基板
205 挿着孔
202 ハウジング
L1 溝(深部)の幅
D1 ボビン側の挿通孔の内径
D2 ヨーク側の挿通孔の内径
D3 巻線の線径
V1,V2 電磁弁(被装着体)
U ブレーキ制御装置
Claims (3)
- ボビンと、
前記ボビンに巻線が巻回されてなるコイルと、
前記ボビンに取り付けられるヨークと、
前記巻線に電気的に接続される接続用端子と、
を備えたコイル組立体であって、
前記接続用端子は、前記ボビンの軸方向外側に向かって垂直に突出する端子部を備えたプレスフィット端子であり、
前記プレスフィット端子は、前記巻線が接続される接続部を備えており、
前記接続部において、前記巻線が接触する接触部の板厚は、他の部分の板厚に比べて薄肉であり、
前記接触部は、プレス加工によって形成されているとともに、前記ボビンの軸方向内側に向かって窪む、断面が略V字形状の溝を備えており、
前記溝は、深部側の幅が前記巻線の線径よりも小さく形成され、前記巻線が巻き付けられる際に前記巻線に接触して前記巻線の被覆を削り取り可能であり、
前記接続部には前記溝との間で前記巻線を巻き回すための突起部が形成されており、
前記突起部は、前記接続部において、前記溝よりも前記ボビンの軸方向内側に配置されていることを特徴とするコイル組立体。 - 前記溝の内面には、内側に向けて突出する段部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のコイル組立体。
- 請求項1または請求項2に記載のコイル組立体を備えたブレーキ制御装置であって、
内部に液路が形成された基体と、
前記基体の一面に取り付けられ前記コイル組立体が装着される電磁弁と、
前記基体の一面に固着され、前記電磁弁および前記コイル組立体を覆うハウジングと、
前記ハウジングに収容され、前記電磁弁の作動を制御する制御基板と、を備え、
前記制御基板に設けられた挿着孔に前記端子部が圧接挿着していることを特徴とするブレーキ制御装置。
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