JP2018127742A - 繊維製品の製造方法及び繊維製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】風合い、触り心地、速乾性、軽量性等に優れるとともに、パイル糸が細番手であっても、パイル糸の切断、パイル糸の引出等の製織過程の不良が生じにくくすることができる繊維製品の製造方法を提供する。【解決手段】本発明の繊維製品の製造方法では、アルカリ溶液に可溶な易溶性繊維と、アルカリ溶液に不溶で40番手以上の綿糸と、を含む複合撚糸をパイル糸とする生地を形成し、生地から易溶性繊維をアルカリ溶液で溶解除去することにより、綿糸でパイルを形成する。【選択図】図7

Description

本発明は、繊維製品の製造方法及び繊維製品に関し、より詳細には、アルカリ溶液に可溶な易溶性繊維と、アルカリ溶液に不溶で40番手以上の綿糸と、を含む複合撚糸からパイルを備えた繊維製品を製造する方法及び繊維製品に関する。
タオル等の繊維製品はパイルを備えている。このパイルは、20〜30番手程度のパイル糸が使用される。タオル等の繊維製品は、肌に直接触れる用途に使用されることから、風合い、触り心地を向上させるために、或いは速乾性、軽量性を向上させるために、パイル糸をより細くすること、すなわち細番手の糸を使用することが提案されている。例えば特許文献1では、パイル糸として40番手以上の綿糸を使用することが提案されている。
特開2001−347613号公報
特許文献1に記載されているような40番手以上の綿糸は、十分な糸強度を有していないため、製織過程においてパイル糸が切断される、パイル糸が引き出される、といった不良が生じることがあった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、風合い、触り心地、速乾性、軽量性等に優れるとともに、パイル糸が細番手であっても、パイル糸の切断、パイル糸の引出等の製織過程の不良が生じにくくすることができる繊維製品の製造方法と、繊維製品とを提供することを目的とする。
本発明に係る繊維製品の製造方法は、
パイルを備えた繊維製品の製造方法であって、
アルカリ溶液に可溶な易溶性繊維と、アルカリ溶液に不溶で40番手以上の綿糸と、を含む複合撚糸をパイル糸とする生地を形成し、
前記生地から前記易溶性繊維をアルカリ溶液で溶解除去することにより、前記綿糸で前記パイルを形成する。
本発明に係る繊維製品の製造方法では、
前記パイル糸が、複数の前記複合撚糸からなることが好ましい。
本発明に係る繊維製品の製造方法では、
前記綿糸が80番手以上であり、
前記生地を製織する際に、前記パイル糸に糊付けを行わないことが好ましい。
本発明に係る繊維製品は、
パイルを備えた繊維製品であって、
前記パイルは、アルカリ溶液に可溶な易溶性繊維と、アルカリ溶液に不溶で40番手以上の綿糸と、を含む複合撚糸をパイル糸とする生地から、前記易溶性繊維をアルカリ溶液で溶解除去することによって残存した前記綿糸で形成される。
本発明に係る繊維製品では、
残脂率が0.3%以下であることが好ましい。
本発明によれば、風合い、触り心地、速乾性、軽量性等に優れるとともに、パイル糸が細番手であっても、パイル糸の切断、パイル糸の引出等の製織過程の不良が生じにくくすることができる。
図1A及び図1Bは、易溶性繊維と綿糸とを撚り合わせて複合撚糸を作製する工程を示す模式図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る繊維製品の製造方法において形成する生地の模式図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る繊維製品の製造方法において形成する生地の模式図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る繊維製品の製造方法において形成する生地の模式図である。 図5は、本発明の一実施形態に係る繊維製品の製造方法において形成する生地の模式図である。 図6Aは、複合撚糸の断面のアルカリ処理工程前の拡大写真である。図6Bは、図6Aに示す複合撚糸のX−X線の断面の拡大写真である。図6Cは、図6Aに示す複合撚糸の断面のアルカリ処理工程後の拡大写真である。図6Dは、図6Cに示す複合繊維のY−Y線の断面の拡大写真である。 図7は、本発明の一実施形態に係る繊維製品の要部の模式図である。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
本実施形態に係る繊維製品100は、パイル101を備える。このパイル101は、アルカリ溶液に可溶な易溶性繊維と、アルカリ溶液に不溶で40番手以上の綿糸と、を含む複合撚糸をパイル糸とする生地から、この易溶性繊維をアルカリ溶液で溶解除去することによって残存した綿糸で形成される。
以下、複合撚糸と、複合撚糸に含まれる易溶性繊維及び綿糸とについて説明する。
(易溶性繊維)
易溶性繊維は、水には不溶で、アルカリ溶液に可溶な糸である。詳細には、易溶性繊維は、NaOHの濃度が3〜15g/L、温度が90℃以上のアルカリ溶液に20分間以上浸漬されると、浸漬前の易溶性繊維の85質量%以上が溶解するものであることが好ましく、95質量%以上が溶解するものであることがより好ましい。これらの条件を満たす繊維として、例えば、共重合ポリエステル糸及びポリ乳酸糸が挙げられる。
共重合ポリエステル糸は、例えば、テレフタル酸とエチレングリコールとを直接反応させ、エステル化率が80〜95%のオリゴマーとなった時点で、金属スルホネート基含有イソフタル酸のメチルエステルを、オリゴマー中の酸成分に対して2〜3モル%量を添加した後、ポリアルキレングリコールをポリマーに対して10〜13重量%で、両者の積が26〜30の範囲になるように量を添加し、減圧下で重合反応させることにより製造される糸が例示される。このような共重合ポリエステル糸として具体的には、KBセーレン(株)製の商品名「ベルピュア(登録商標)」が例示される。
ポリ乳酸糸は、例えば、ユニチカ(株)製の商品名「テラマック(登録商標)」、クラレ(株)製の商品名「プラスターチ(登録商標)」、東レ(株)製の商品名「エコディア(登録商標)」等が挙げられる。
易溶性繊維をアルカリ溶液で溶解する際、アルカリ溶液の濃度が高すぎると、繊維製品にアルカリ斑が発生してしまうおそれがある。このため易溶性繊維は、低濃度のアルカリ溶液で溶解可能であることが好ましい。このため易溶性繊維は、低濃度のアルカリ溶液で溶解可能な共重合ポリエステル糸であることが特に好ましい。
易溶性繊維は、紡績糸であってもよく、フィラメント糸(長繊維)であってもよい。易溶性繊維がフィラメント糸である場合、易溶性繊維は、モノフィラメント糸であってもよく、マルチフィラメント糸であってもよい。易溶性繊維がマルチフィラメント糸である場合、複数種のフィラメント糸を組み合わせた混合フィラメント糸であってもよく、同一のフィラメント糸で構成されたマルチフィラメント糸であってもよい。易溶性繊維がマルチフィラメント糸である場合、マルチフィラメント糸の本数は、12〜24本の範囲内であることが好ましい。易溶性繊維の太さは、33〜84dtexの範囲内であることが好ましい。この場合、繊維製品の風合を向上できる。特に易溶性繊維を太くすることにより、複合撚糸の強度を向させることができ、製織性を向上させることができる。特に細番手の綿糸を使用する場合には、太い易溶性繊維を使用することが好ましい。例えば100番手以上の綿糸を使用する場合には、84dtexの易溶繊維を使用することが好ましい。
(綿糸)
綿糸は、アルカリ溶液に不溶な40番手以上の綿糸である。綿糸が40番手以上の細番手糸であることにより、繊維製品の風合、触り心地、速乾性、軽量性を向上させることができる。綿糸の番手が大きいほど、触り心地、速乾性、軽量性を向上させられるが、糸強度の観点から、綿糸の番手は80番手以下であることが好ましい。
綿糸は、単糸であってもよく、複数の単糸を引き揃えた糸であってもよく、複数の糸を撚った合撚糸であってもよい。綿糸が単糸または複数の単糸を引き揃えた糸である場合、綿糸の撚数とは、綿糸を製造するにあたって紡績でかけられた撚数を意味する。また綿糸が複数の糸を撚った合撚糸である場合、綿糸の撚数とは、綿糸を製造するにあたって複数の糸を撚りあわせた撚数を意味する。撚数をT(単位:回/2.54cm)、綿番手をS(単位:番手)とすると、K=T/√Sで表される撚係数Kは、2.8〜5であることが好ましい。撚係数Kが2.8程度であることにより、繊維製品の風合をソフトにすることができる。脱毛率を向上させるためには、撚係数Kは3以上であることが好ましい。
(複合撚糸)
図1A及び図1Bに、易溶性繊維と綿糸とを撚り合わせて複合撚糸を形成する工程を示す。複合撚糸20は、図1Aに示す易溶性繊維21と綿糸22とを、図1Bに示すように撚り合わせた糸である。40番手以上の細番手の綿糸のみを用いて繊維製品を製造すると、通常、十分な原糸強力が得られず製織が困難となるが、本実施形態では、細番手の綿糸と易溶性繊維とを撚り合わせた複合撚糸から繊維製品を製造するため、十分な原糸強力を確保することができ、製織を容易にすることができる。特に80番手以上の細番手の綿糸と易溶性繊維を撚り合わせて複合撚糸を形成した場合であっても、十分な原糸強力を確保することができるため、後述の糊付け工程において、パイル糸に用いる複合撚糸に対する糊付け量を少なくすることができ、或いはパイル糸に用いる複合撚糸に対する糊付けを不要とすることができる。これにより、繊維製品の製造を簡略化することができる。易溶性繊維としてアルカリ易溶性の繊維を用いた複合撚糸であれば、糸強力を向上させることができるが、易溶性繊維として水溶性繊維を用いた複合撚糸は、糸強力を向上させることができない。
複合撚糸に対する易溶性繊維の割合は、5〜59質量%の範囲内であることが好ましく、10〜31%の範囲内であることがより好ましい。この場合、複合撚糸の撚りによって、易溶性繊維の撚りを戻すことができる。また、反対撚りした上で追い撚りする等の方法により、繊維製品の風合を十分に確保することができる。
複合撚糸は、易溶性繊維と綿糸とを撚り合わせることで製造される。易溶性繊維と綿糸とは、例えば、撚糸機で撚り合わせることができる。撚糸機として、例えば、ダブルツイスター、リングツイスター、アップツイスター等の汎用の撚糸機を使用できる。
本実施形態では、複合撚糸(上撚)の撚り方向は、綿糸(下撚)の撚り方向と同じ方向であることが好ましい。複合撚糸の撚り方向とは、易溶性繊維と綿糸との撚り合わせにおける撚り方向を意味する。すなわち、上撚の撚り方向と下撚の撚り方向とが同じであることが好ましい。この場合、複合撚糸から製造される繊維製品の耐久性を向上させることができる。
本実施形態では、易溶性繊維と綿糸とを、易溶性繊維の撚数の1.0〜2.2倍の範囲内の撚数で撚ることが好ましい。この場合、複合撚糸から繊維製品を製造しやすくなると共に、この繊維製品の耐久性を向上させることができる。
(繊維製品の製造方法)
以下、本実施形態の繊維製品の製造方法について説明する。
まず、スチームセット工程が行われる。この工程では、複合撚糸を蒸気に晒し、複合撚糸の撚り止めを行う。これにより、複合撚糸の形態を安定に維持することができる。スチームセット工程は、例えば、92℃で、30分間行う。特に本実施形態では、複合撚糸に水に不溶で、アルカリ溶液に可溶な易溶性繊維を使用しているため、スチームセット工程後であっても複合撚糸の糸強力を維持することができるが、複合撚糸に含まれる易溶性繊維として水溶性繊維を使用すると、糸強力が大きく低下してしまう。
次に、パイルに朧染めを行う場合には、複合撚糸に下漬剤を付着させる(下漬工程)。下漬剤は、全ての複合撚糸に付着させてもよく、一部の複合撚糸に付着させてもよい。この工程では、下漬剤を含有する染液に複合撚糸が浸漬されたり(浸染)、複合撚糸に刷毛で塗ったり(引染)する。下漬剤を含有する染液は、下漬剤、ロート油、苛性ソーダ(NaOH)及び水(60〜70℃の熱湯)などを含有して調製されている。染液中の各成分の濃度は特に限定はないが、例えば、下漬剤(ナフトールAS類)10〜15g/L、ロート油15〜20mL/L、苛性ソーダ15〜23mL/Lなどが挙げられる。複合撚糸への下漬剤の付着量は特に限定されないが、例えば、1〜10%owf、好ましくは4〜5%owfである。また複合撚糸への苛性ソーダの付着量は特に限定されないが、例えば、1〜10%owf、好ましくは4〜5%owfである。尚、付着量の単位「owf」は、下漬剤(又は苛性ソーダ)が付着される複合撚糸の単位質量に対する下漬剤の付着質量(又は苛性ソーダ)の割合を示す。例えば、下漬剤の付着量が5%owfの場合、複合撚糸100gに対して下漬剤が5g付着することになる。尚、パイル以外に朧染を行う場合、例えば経糸又は緯糸に朧染を行う場合には、経糸又は緯糸を形成するための糸に、下漬剤を付着させてもよい。
次に、必要に応じて糊付工程が行われる。この工程では、パイル糸に用いる複合撚糸と、経糸及び緯糸に用いる糸を、糊剤を含む溶液に浸漬して付着させる。これによって、糸強力を向上させられ、後述の整経工程及び織工程を容易にすることができる。糊剤としては、加工デンプン、カルボキシメチルセルロース(CMC)、アルギン酸ソーダ、合成糊、エマルション糊などが例示されるが、これらに限定されない。糊剤の濃度は、50〜100g/Lの範囲内であることが好ましい。本実施形態では、複合撚糸が易溶性繊維と綿糸とを含むため、綿糸単独と比べて滑性が高く、十分な糸強力を有する。このため、パイル糸に用いる複合撚糸には、経糸及び緯糸に用いる糸よりも糊剤の付着量を少なくすることができ、糊剤を付着させなくてもよい。特に本実施形態では、80番手以上の細番手の綿糸を使用する場合であっても、この綿糸と易溶性繊維とを撚り合わせて複合撚糸を形成することによって十分な原糸強力を確保することができるため、パイル糸に糊付を行わないことも好ましい。
次に整経工程が行われる。この工程では、整経機を使用して、パイル糸に用いる複合撚糸と、経糸及び緯糸に用いる糸の必要な本数、長さ、張力を揃える。本実施形態では、パイル糸は複合撚糸から構成されているが、経糸及び緯糸に用いる糸は特に限定されない。例えば、経糸及び緯糸に綿糸を用いてもよく、複合撚糸を用いてもよい。
次に、織工程が行われる。この工程では、パイル糸に用いる複合撚糸と、経糸及び緯糸に用いる糸とを織って生地を形成する。形成された生地は、ロール状に巻き取られる。
図2に本実施形態の生地1の模式図を示す。生地1は、経糸11、緯糸12、及びパイル糸13を含む。
尚、図2に示す生地1はパイル糸13が単一の複合撚糸で構成されているが、これに限定されない。例えば図3に示す生地1のように、パイル糸13が複数の複合撚糸で構成されていてもよく、二本の複合撚糸で構成されていてもよい(二本毛使い)。パイル糸13が、複数の複合撚糸で構成されることにより、繊維製品の風合い及び触り心地を更に向上させられると共に、繊維製品の吸水量をより向上させることができる。尚、パイル糸13の糸の本数は、二本に限定されず、例えば二本以上であってもよい。パイル糸13を構成する糸の本数の上限値は、繊維製品の製織性、風合、触り心地の観点から、4本以下が好ましく、3本以下がより好ましい。複合撚糸に含まれる綿糸の太さと、パイル糸13を構成する糸の本数とを変化させることにより、繊維製品に種々の効果を付与することができる。例えば複合撚糸に含まれる綿糸として細番手のものを使用すると共に、パイル糸13を構成する糸の本数を多くすることにより、きめ細かで、ボリューム感の高い繊維製品を製造することができる。また例えば複合撚糸に含まれる綿糸として100番手以上のものを使用するとともに、パイル糸13を構成する糸の本数を3本以上にすることによって、生地1からパイル糸13が引き出されにくくなるため、パイル保持性を向上させることができる。
また図4に示す生地1のように、パイル糸13が、表面側に位置する表面パイル糸131と、裏面側に位置する裏面パイル糸132とを含んでいてもよい。この場合、繊維製品1の両面の風合い及び触り心地を向上させられる。
また図5に示す生地1のように、パイル糸13が、表面パイル糸131と裏面パイル色131とを含むと共に、表面パイル糸131及び裏面パイル糸132がそれぞれ複数の複合撚糸で構成されていてもよく、二本の複合撚糸で構成されていてもよい(二本毛使い)。この場合、繊維製品の両面の風合い及び触り心地を更に向上させられる。
本実施形態では、複合撚糸が易溶性繊維を含むことにより、複合撚糸が十分な糸強力を備えると共に滑性が向上されているため、整経工程及び織工程を容易に行うことができ、複合撚糸に対する糊剤の付着量を低減、或いは糊剤を不要とすることができる。これにより、生地をロール状に巻き取った際に糊剤でパイル糸同士がくっ付いたり、絡まって切断されたり、引き出されたりすること(ファスナー現象)を抑制できる。
次に必要に応じて朧染工程が行われる。この工程では色糊が生地に印捺される。生地への印捺はロール捺染機やスクリーン捺染機などで行われる。朧染工程で使用する色糊にはナフトール染料が含まれる。ナフトール染料(上漬剤又は顕色剤)は、下漬剤と反応して複合撚糸上で水に不溶性の色素を形成して染色する。ナフトール染料としては、ベース類とソルト類のいずれでも使用可能であるが、安定性等を考慮してソルト類が用いられる。ソルト類はベース類をジアゾ化した化合物である。ナフトール染料としては、C.I.A.D.C.20(商品名(色相分類)は、ブルーBBソルト)、C.I.A.D.C.13(商品名(色相分類)は、スカーレットRソルト)、C.I.A.D.C.44(商品名(色相分類)は、イエローGCソルト)、C.I.A.D.C.1(商品名(色相分類)は、ボルドーGPソルト)、C.I.A.D.C.2(商品名(色相分類)は、オレンジGCソルト)、C.I.A.D.C.9(商品名(色相分類)は、レッド3GLソルト)、C.I.A.D.C.38(商品名(色相分類)は、ブラックKソルト)、C.I.A.D.C.3(商品名(色相分類)は、スカーレットGGソルト)、C.I.A.D.C.118(商品名(色相分類)は、グリーンBBソルト)、C.I.A.D.C.48(商品名(色相分類)は、ブルーB)、C.I.A.D.C.35(商品名(色相分類)は、バリアンミンブルーB)、C.I.A.D.C.41(商品名(色相分類)は、バイオレットB)、ダークブルーLR(商品名(色相分類))、ブラウンRR(商品名(色相分類))、レッドB(商品名(色相分類))などが挙げられるが、これらに限定されない。尚、上記「C.I.A.D.C.」とは、カラーインデックスアゾイックジアゾコンポーネント(ColourIndexAzoic Diazo Component)の略称である。色糊中のナフトール染料の濃度は、ナフトール染料の種類、色の濃淡、生地に付着している下漬剤の種類や量などに応じて適宜設定可能であるが、例えば、1〜30g/Lであることが好ましく、1〜25g/Lであることがより好ましく、1〜10g/Lであることが更に好ましい。色糊には、更に水、糊剤、pH調整剤、及び劣化防止剤を含有してもよい。
次に、糊抜工程が行われる。この工程では、糊抜剤で、生地に含まれる糊を分解して低分子化することにより、糊を除去する。糊抜剤としては、例えば、糊抜酵素、酸化糊抜剤等が挙げられる。糊抜酵素として、例えば、洛東化成工業(株)製の商品名「ラクトーゼSTコンク」(耐熱酵素)等を使用することができる。特に糊抜酵素が耐熱酵素である場合には、80℃以上の温度で使用することができる。このため、糊抜剤が耐熱酵素を含むことが好ましい。糊抜酵素を使用する場合、処理浴中の糊抜酵素の濃度は0.8〜1.2g/Lの範囲内であることが好ましい。糊抜工程における処理浴には、界面活性剤が含まれていてもよく、例えば日華化学(株)製の商品名「サンモールBHコンク」が含まれていてもよい。処理浴中の界面活性剤の濃度は、0.3〜0.7g/Lの範囲内であることが好ましい。糊抜き時の処理浴の温度は、80〜100℃の範囲内であることが好ましい。糊抜き時の処理時間は30〜60分間であることが好ましい。
次に、精練工程が行われる。この工程では、精錬剤によって、生地に付着した天然不純物(夾雑物)を加水分解又は鹸化して水溶化することにより天然不純物を除去する。これにより、生地の吸水性を向上させることができる。綿糸に含まれる天然不純物としては、例えば、ペクチン、油脂、ワックス、タンパク質等が挙げられる。精錬剤として、例えば、苛性ソーダ等を使用することができる。精錬剤と共に、精錬助剤(界面活性剤)を併用してもよい。精錬助剤(界面活性剤)として、例えば、日華化学(株)製のサンモールBHコンク等を使用することができる。精錬工程における処理浴は、易溶性繊維が溶解しない程度にアルカリ性であることが好ましい。例えば、処理浴に苛性ソーダが1.5〜2.5g/Lの範囲内の濃度で含まれることが好ましい。また処理浴には0.5〜1.5g/Lの範囲内の濃度で精錬助剤が含まれることが好ましい。精錬時の処理浴の温度は60〜90℃の範囲内であることが好ましい。この場合、アルカリ高温下における染色された綿糸からの染料の流出を抑制することができる。精錬工程の処理時間は80〜100分の範囲内であることが好ましい。また精錬剤として、ペクチナーゼ、ヘミセルラーゼ、キシラナーゼ、エキソ型セルラーゼ等の酵素を使用してもよい。
次に、縁縫い工程が行われる。この工程では、上記熱処理工程で得られた生地の縁縫いがオーバーミシン等で行われる。
次に、塩素晒工程が行われる。この工程では、例えば、次亜塩素酸ソーダ12g/Lの処理浴が用いられる。塩素晒時の処理浴の温度は、常温であることが好ましい。塩素晒時の処理時間は、100〜200分の範囲内であることが好ましい。
次に、化粧晒工程が行われる。この工程では、漂白剤によって、原材料に含まれる色素を除去する。漂白剤として、過酸化水素、亜塩素酸ソーダ、次亜塩素酸ソーダ、漂白酵素等が挙げられる。漂白剤として過酸化水素を使用する場合、過酸化水素と共に、安定剤、pH調整剤、蛍光染料(例えば、昭和化学工業(株)製のハッコール(商品名))等を併用してもよい。漂白剤として過酸化水素を使用する場合、処理浴には過酸化水素が6.0〜10.0g/Lの濃度で含まれ得る。尚、処理浴には、過酸化水素が含まれ、安定剤、pH調整剤、蛍光染料等が含まれていなくてもよい。化粧晒時の処理浴の温度は80〜100℃の範囲内であることが好ましい。化粧晒時の処理時間は80〜100分の範囲内であることが好ましい。
尚、塩素晒工程・化粧晒工程の代わりに、オスボンコールド晒工程を適用してもよい。この場合の処理浴には、例えば、大同化成工業(株)製のDSCフィクサーHリキッドが1.5g/L、DSCオスボンUコンク25が1.5g/L、DSCオスボンカタリストMH25が4g/L、苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)が13.5g/L、過酸化水素が2g/Lである処理浴が挙げられる。この大同化成工業(株)製の「DSCオスボンUコンク25」は主成分が乳酸である。処理浴の温度は10〜30℃の範囲内であることが好ましい。すなわち、晒工程は、高温晒ではなく常温晒(コールド晒)であることが好ましい。晒工程における晒時間は、例えば、5〜60時間の範囲内であることが好ましいが、最後の30分間は昇温させることが好ましく、昇温時の処理浴の温度は60℃であることが好ましい。オスボンコールド晒の場合、処理浴の温度を低温にすることができるため、染色された綿糸らの染料の流出を抑制することができる。
次に、アルカリ処理工程が行われる。この工程では、生地をアルカリ溶液に浸漬して、生地から易溶性繊維を溶解除去する。これにより、40番手以上の綿糸で形成されたパイルを形成することができる。
図6A及び図6Bにアルカリ処理工程前の複合撚糸の拡大図を示し、図6C及び図6Dにアルカリ処理工程後の複合撚糸の拡大図を示す。図6A〜図6Dにおいて、(1)は易溶性繊維を示し、(2)は綿糸を示す。図6A及び図6Bに示すように、アルカリ処理工程前では易溶性繊維(1)と綿糸(2)が存在している。一方、図6C及び図6Dに示すように、アルカリ処理工程後では、綿糸(2)のみが残存し、易溶性繊維(1)は存在していない。これは、複合撚糸をアルカリ溶液に浸漬したことにより、易溶性繊維が溶解除去されたためである。アルカリ処理工程で使用する処理浴には、アルカリ性剤が含まれる。このアルカリ性剤として、例えば、苛性ソーダ、苛性カリウム、炭酸カリウム、ソーダ灰等が挙げられる。アルカリ処理の容易さ、コスト等の観点からアルカリ性剤は苛性ソーダであることが好ましい。処理浴中のアルカリ性剤の濃度は、3〜15g/Lの範囲内であることが好ましく、8〜12g/Lの範囲内であることがより好ましい。この場合、先染された綿糸の褪色を抑止しながら、易溶性繊維を効率良く溶解させることができる。また処理浴の温度は、90〜100℃の範囲内であることが好ましい。この場合、綿糸を膨潤させることができ、繊維製品の吸水性、強度、光沢感を向上させることができる。またアルカリ処理によって綿糸の収縮が生じるため、経糸及び緯糸を綿糸から形成した場合には、経糸及び緯糸によってパイルの根元が締め付けられる。これにより、パイル抜けが抑制され、パイル保持性を向上させられる。またアルカリ処理工程において易溶性繊維が溶解除去されることで、初期の撚数とアルカリ処理工程後の撚数との間に変化が生じる。例えば綿糸をZ撚り、複合撚糸をZ撚りとした場合には、アルカリ処理工程後の撚数は、綿糸の撚数と複合撚糸の撚数とを加算した値となる。このため、綿糸及び複合撚糸の撚数によっては、アルカリ処理工程後に強撚糸となり、楊柳(シボ立ちした)等の生地を形成することができる。
尚、アルカリ処理工程の前後においては撚り数の変化が確認されるもののその変化は一定ではない。また易溶性繊維の溶解除去によって、特定の大きさを有する細孔の形成等は確認されない。このため、易溶性繊維が溶解除去された状態を、細孔等の物の構造、撚数等の特性によって直接特定することはできず、仮に特定することができたとしても莫大な数の試験が必要となる。このため、易溶性繊維が溶解除去された状態を、物の構造、特性で特定することは実際的であるとは言えない。
次に、ウィンス洗浄工程が行われる。この工程では、例えば、連続ウインスが用いられ、洗い温度約70℃で時間20〜30分間の条件で行われる。
次に、洗浄工程が行われる。この工程では、例えば、水洗と湯洗とを複数回行う。例えば、常温で10分間の水洗を二回行った後、90℃で20分間の湯洗を二回行い、更に常温で10分間の水洗を二回行う。
次に、柔軟工程が行われる。この工程では、例えば、連続ウインスが用いられ、また必要に応じて柔軟剤が1g/Lの処理浴が用いられ、洗い温度約70℃で時間20〜30分間の条件で行われる。この柔軟剤として、例えば、一方社油脂工業(株)製の商品名「ロイヤルソフト」を使用することができる。
次に、脱水工程が行われる。この工程では、遠心脱水機などが用いられる。
次に、乾燥工程が行われる。この工程では、タンブラー乾燥機などが用いられ、例えば、温度80〜100℃で時間約25分間の条件で行われる。
この後、ヘムミシン工程や検査工程を経て繊維製品100が製造される。図7に繊維製品100の要部の斜視図を示す。この繊維製品100は、40番手以上の綿糸からなるパイル101を備えている。このように人の肌に直接触れやすいパイル101が、40番手以上という細番手の綿糸から構成されることによって、繊維製品の風合い、触り心地、速乾性、軽量性を向上させることができる。
本実施形態では、繊維製品100の残滓率は0.3%以下であることが好ましく、0.25%以下であることがより好ましい。この場合、吸水剤を使用しなくとも繊維製品100の吸水性を十分に確保することができる。具体的にはJIS L 1907(沈降法)による吸水性試験において1秒以下を確保することができる。
また上記の製造方法では、スチームセット工程、下漬工程、糊付工程、整経工程、織工程、朧染工程、糊抜工程、精錬工程、縁縫い工程、塩素晒工程、化粧晒工程、アルカリ処理工程、ウィンス洗浄工程、洗浄工程、柔軟工程、脱水工程、乾燥工程、ヘムミシン工程、検査工程の順でおこなわれるが、これに限られない。
例えば、スチームセット工程の後に複合撚糸の染色を行い、複合撚糸に予め色を付けてもよい(先染工程)。この工程では、複合撚糸の全部または一部を染色する。具体的には、水中に分散したスレン染料を還元することによりロイコ染料を作製し、このロイコ染料を複合撚糸に吸着させて酸化されることにより、水不溶性染料に戻し、更に複合撚糸を加温状態の石鹸等によりソーピングを行う。スレン染料は、水に不溶性の染料であり、繊維に対する親和性は低いが、アルカリ性還元浴で還元して得られる水溶性ロイコ化合物が繊維に対して親和性を有するため、ロイコ化合物の形で繊維に吸着させた後、酸化より繊維上で元の水溶性染料に戻して染色を行うことができる。スレン染料はセルロース繊維に対して良好な着色性を有するため、複合撚糸に含まれる綿糸を良好に染色できる。スレン染料としては、例えば、ダイスター社製の商品名Indanthren Yellow 5GF Col、Indanthren Yellow F3GC Col、Indanthren Yellow T-F3GC Col.Liq、Indanthren Gold. Yellow RK Col、Indanthren Orange 3G Col、Indanthren Br. Orange GR Col、Indanthren Br. Orange RRTS Gran、Indanthren Scarlet GG Col、Indanthren Br. Red LGG Col、Indanthren Red FGL Col、Indanthren Red FBB Col、Indanthren Red T-FBB Col.Liq、Indanthren Br. Pink R Col、Indanthren Red Violet RRN Col.01、Indanthren Bordeaux ARR Col、Indanthren Violet B Col、Indanthren Br.Violet 3B Col、Indanthren Br. Blue RCL Col、Indanthren Blue RS Col、Indanthren Blue BC Col、Indanthren Blue CLF Col、Indanthren Br. Green FFB Col.BB、Indanthren Olive Green B Col、Indanthren Olive MW Col、Indanthren Olive TCol、Indanthren Brown BR Col、Indanthren Brown LBG Col、Indanthren Dark Blue DB Col、Indanthren Navy Blue G Col、Indanthren Navy Blue SR-N Col、Indanthren Navy Blue T-RR Col.Liq、Indanthren Grey 5607 Col、Indanthren Grey NC Col、Indanthren Di Black RB Col、Indanthren Black BB Col、Mikethren Yellow GCN S/F U/C、Mikethren Yellow 3GL S/F 02、Mikethren Gold.Orange G S/F、Mikethren Violet FFBN S/F 01、Mikethren Blue BC S/F 01、Mikethren Blue BCS/F H/C 01、Mikethren Br. Green FFB S/F、Mikethren Olive T S/F 01、Mikethren Olive TS/F H/C 01、Mikethren Brown GS S/F E/C 01、Mikethren Brown G S/F 01、Mikethren Brown BRS/F 01、Mikethren Grey CL. BR S/F #400 01、Mikethren Grey HRB S/F 01、Mikethren Grey MS/F 01、Mikethren Grey HRB S/F U/C 01、Mikethren Di Black RB S/F E/C 01などが挙げられる。
例えば、ウィンス洗浄工程の後に生地の全体または一部を染色してもよい(染色工程)。生地の全体が染色される場合には、例えば、染料が入った処理浴に生地を浸す。この場合の処理浴には、例えば、反応性染料、10〜100g/Lの芒硝、5〜60g/Lのソーダ灰が含まれ得る。反応性染料の濃度は、反応性染料の種類、色の濃淡に併せて適宜設定される。この場合の処理浴の温度は、60〜70℃の範囲内であることが好ましい。また、昇温及び薬剤の投入に30分間、染色を固着するのに30分間かけることが好ましい。処理浴に反応性染料が含まれる場合、例えば、ダイスター(株)製のProcion Black PX―N Liq.40%(Reactive Black8)、Procion Blue PX―5R Liq.33%(Reactive Blue13)、Procion Brilliant Blue PX―3R Liq.40%(Reactive Blue49)、Procion Brilliant Brown PX―2KR Liq.25%、Procion Navy PX―2R Liq.33%(Reactive Blue10)、Procion Navy PX―G Liq.33%(Reactive Black39)、Procion Orange PX―RN Liq.40%、Procion Red PX―4B Liq.33%(Reactive Red3:1)、Procion Red PX―6B Liq.33%(Reactive Red218)、Procion Yellow PX―6GN Liq.(Reactive Yellow95)、Procion Yellow PX―R Liq.33%、Kayacion Black P―GS Liq.40%、Kayacion Black P―NBR Liq.40%、Kayacion Blue P―3R Liq.40%(Reactive Blue49)、Kayacion Blue P―GR Liq.40%(Reactive Blue5)、Kayacion Blue P―NFB Liq.50%、Kayacion Brown P―BDN Liq.33 %(Reactive Brown8)、Kayacion Brown P―N4R Liq.33%、Kayacion Navy P―N2R Liq.30%、Kayacion Orange P―G Liq.20%(Reactive Orange5)、Kayacion Red P―4BN Liq.25%(Reactive Red3:1)、Kayacion Red P―BN Liq.33%(Reactive Red24)、Kayacion Scarlet P―NA Liq.33%、Kayacion Turquoise P―3GF Liq.33%、Kayacion Violet P―3R Liq.33%(Reactive Violet1)、Kayacion YelloW P―5G Liq.33%(Reactive Yellow2)、Kayacion YelloW P―N3R Liq.33%(Reactive Orange99)、ハンツマン(株)製のNovacron Black P―GR Liq.40%、Novacron Black P―SG Liq.40%、Novacron Black P―SGN Liq.40%、Novacron Blue P―3R Liq.40%(Reactive Blue49)、Novacron Brown P―6R Liq.(Reactive Brown11)、Novacron Golden YelloW P―2RN Liq.33%(Reactive Orange12)、Novacron Navy P―2R Liq.(Reactive Blue10)、Novacron Orange P―2R Liq.40%(Reactive Orange13)、Novacron Orange P―4R Liq.40%(Reactive Orange35)、Novacron Red P―4B Liq.33%(Reactive Red3:1)、Novacron Red P―6B Liq.33%(Reactive Red218)、Novacron Red P―BN Liq.33%(Reactive Red24)、Novacron Turquoise P―GR Liq.50%(Reactive Blue72)、Novacron YelloW P―6GS Liq.33%(Reactive Yellow95)、住化テックス(株)製のSumifix Supra Brill. Yellow 3GF 150% gran.、Sumifix Supra Yellow 3RF 150% gran.(Reactive Yellow145)、Sumifix Supra Yellow E―XF 150% gran.Sumifix Supra Brill. Red BSF 150% gran.、Sumifix Supra Brill. Red 3BF 150% gran.(Reactive Red195)、Sumifix Supra Red E―XF gran.、Sumifix Supra Red 4BNF 150% gran.、Sumifix Supra Rubine E―XF gran.、Sumifix Supra Blue BRF 150% gran.(Reactive Blue221)、Sumifix Supra Blue E―XF gran.、Sumifix Supra Navy Blue BF gran.(Reactive Blue222)、Sumifix Supra Navy Blue 3GF 150% gran.、Sumifix Supra Navy Blue GNF gran.、市販のレマゾール染料であるRemazol Red Run、Remazol Yellow Run、Remazol Blue Run等の反応性染料を使用することができる。
例えば、糊抜工程が終了した後に上記のアルカリ処理工程を行ってもよい。すなわち、糊抜工程が終了した後に、アルカリ溶液で易溶性繊維を溶解させてもよい。この場合、生地に付着した糊を除去した状態で易溶性繊維が溶解されるため、生地に対する物理的又は化学的な影響を抑制することができ、綿糸の形状、性質を安定化させることができるため、繊維製品のバルキー性の低下を抑制することができる。
例えば、精錬工程の後に上記のアルカリ処理工程を行ってもよい。すなわち、精錬工程の後に、易溶性繊維をアルカリ溶液で溶解させてもよい。この場合、生地に付着した糊、及び天然不純物を除去した状態で易溶性繊維が溶解されるため、生地に対する物理的又は化学的な影響を抑制することができ、綿糸の形状、性質を安定化させることができるため、繊維製品のバルキー性の低下を抑制することができる。
例えば、下漬工程及び朧染工程を行わなくてもよい。すなわち、朧染を施さなくてもよい。この場合の繊維製品は、朧染めが施された部分を含まなくてよい。
例えば、染色工程を行わなくてもよい。すなわち、染色を施さなくてもよい。この場合の繊維製品は、染色が施された部分を含まなくてよい。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
まず、易溶性繊維と綿糸とを撚り合わせることにより複合撚糸を作製した。易溶性繊維としては、KBセーレン(株)製の商品名ベルピュア(登録商標)を使用した。この易溶性繊維はマルチフィラメント糸であり、フィラメントの本数は12本であった。この綿糸は、撚係数Kが4.2である40番手の綿糸であった。易溶性繊維と綿糸との撚数は26.5回/吋であった。綿糸はZ撚りであり、複合撚糸はS撚りであった。
次に、上記と同様のスチームセット工程が行われた。スチームセットの条件は、92℃で、30分間であった。この際の複合撚糸の糸強度を測定した。その結果を下記の表1に示す。
次に、上記と同様の整経工程及び織り工程が行い、図4に示すような生地を作製した。織工程では、複合撚糸と綿糸とを織ることによって、パイル糸が複合撚糸であり、経糸及び緯糸が綿糸である生地を形成した。パイル糸を構成する複合撚糸の本数は1本とした。
次に、上記と同様の精錬工程を行った。この工程における処理浴には、アルカリ性剤として苛性ソーダが2.0g/Lの濃度で含まれ、精錬助剤(界面活性剤)として日華化学(株)製のサンモールBHコンクが1.0g/Lの濃度で含まれていた。処理浴の温度は90℃であり、処理時間は90分であった。
次に、上記と同様の縁縫い工程が順に行われた。
次に、上記と同様の塩素晒工程を行った。この工程における処理浴には、次亜塩素酸は12.0g/Lの濃度で含まれていた。処理浴の温度は常温であり、処理時間は150分であった。
次に、上記と同様の化粧晒工程を行った。この工程における処理浴には、漂白剤として過酸化水素が8.0g/Lの濃度で含まれ、安定剤が0.4g/Lの濃度で含まれ、苛性ソーダが0.2g/Lの濃度で含まれていた。処理浴の温度は90℃であり、処理時間は90分であった。
次に、上記と同様のアルカリ処理工程を行った。この工程では、アルカリ溶液によって生地から易溶性繊維が溶解除去された。この工程にける処理浴には、苛性ソーダが10.0g/Lの濃度で含まれ、処理浴の温度が95℃であり、処理時間は30分であった。
次に、上記と同様のウィンス洗浄工程、洗浄工程、柔軟工程、脱水工程、乾燥工程、ヘムミシン工程、検査工程の順で行った。これにより、繊維製品(タオル)が製造された。
(実施例2)
二本の複合撚糸でパイル糸を構成し(二本使い)、図5に示すような生地を形成したこと以外は、実施例1と同様にして繊維製品(タオル)を製造した。
(実施例3)
パイル糸を構成する複合撚糸に含まれる綿糸として、80番手のものを使用したこと以外は、実施例1と同様にして繊維製品(タオル)を製造した。また複合撚糸に関しては、スチームセット工程後に糸強度を測定したので、その結果を下記の表1に示す。
(実施例4)
二本の複合撚糸でパイル糸を構成して、図5に示すような生地を形成すると共に、パイル糸を構成する複合撚糸に含まれる綿糸として、80番手のものを使用したこと以外は、実施例1と同様にして繊維製品(タオル)を製造した。
(比較例1)
パイル糸を構成する複合撚糸に含まれる綿糸として、20番手のものを使用したこと以外は、実施例1と同様にして繊維製品(タオル)を製造した。
(比較例2)
パイル糸を20番手の綿糸で構成したこと以外は、実施例1と同様にして繊維製品(タオル)を製造した。
(比較例3)
パイル糸を40番手の綿糸で構成したこと以外は、実施例1と同様にして繊維製品(タオル)を製造した。また整経工程前には、パイル糸に使用した綿糸の糸強度を測定したので、その結果を下記の表1に示す。
(比較例4)
パイル糸を80番手の綿糸で構成したこと以外は、実施例1と同様にして繊維製品(タオル)を製造した。また成形工程前には、パイル糸に使用した綿糸の糸強度を測定したので、その結果を下記の表1に示す。
(評価)
上記の実施例1〜4及び比較例1〜4の繊維製品について、不良発生率、軽量性、速乾性、吸水性、風合い、パイル保持性、脱毛率について、以下の方法及び基準で評価した。その結果を下記の表1に示す。
(不良発生率)
実施例1〜4及び比較例1〜4の繊維製品をそれぞれ100枚作製し、その中に含まれる異常が確認された繊維製品の枚数を確認し、その割合を算出した。異常としては、パイル切れ及びパイル抜けを確認した。
(軽量性)
実施例1〜4及び比較例1〜4の繊維製品について、その重量を測定した。
(速乾性)
実施例1〜4及び比較例1〜4の繊維製品から10×10cmの試験片を作製し、この試験片に対して0.6mlの水を滴下した。この試験片を垂直に吊るし、5分毎に重量を測定し、残留水分率が10%に至るまでの時間を測定した。
(吸水性)
実施例1〜4及び比較例1〜4の繊維製品について、JIS L 1907に基づく吸水性(沈降法)と、JIS L 1081に基づく残脂率と、単位面積あたりの給水量とを測定した。
(風合い)
カトーテック(株)製の自動化表面試験機KES FB−4−AUTO−Aを用いて、実施例1〜4及び比較例1〜4の繊維製品の表面摩擦係数(MIU)、摩擦係数変動(MMD)を測定し、柔らかさ(MIU/MMD)を求めた。
(パイル保持性)
実施例1〜4及び比較例1〜4の繊維製品について、タオル検法に基づく、パイル保持性を評価した。
(脱毛率)
実施例1〜4及び比較例1〜4の繊維製品について、JIS L 0217に基づく脱毛率(103法)を評価した。

Claims (5)

  1. パイルを備えた繊維製品の製造方法であって、
    アルカリ溶液に可溶な易溶性繊維と、アルカリ溶液に不溶で40番手以上の綿糸と、を含む複合撚糸をパイル糸とする生地を形成し、
    前記生地から前記易溶性繊維をアルカリ溶液で溶解除去することにより、前記綿糸で前記パイルを形成する、
    繊維製品の製造方法。
  2. 前記パイル糸が、複数の前記複合撚糸からなる、
    請求項1に記載の繊維製品の製造方法。
  3. 前記綿糸が80番手以上であり、
    前記生地を製織する際に、前記パイル糸に糊付けを行わない、
    請求項1又は2に記載の繊維製品の製造方法。
  4. パイルを備えた繊維製品であって、
    前記パイルは、アルカリ溶液に可溶な易溶性繊維と、アルカリ溶液に不溶で40番手以上の綿糸と、を含む複合撚糸をパイル糸とする生地から、前記易溶性繊維をアルカリ溶液で溶解除去することによって残存した前記綿糸で形成される、
    繊維製品。
  5. 残脂率が0.3%以下である、
    請求項4に記載の繊維製品。
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