JP2018127742A - 繊維製品の製造方法及び繊維製品 - Google Patents
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Description
パイルを備えた繊維製品の製造方法であって、
アルカリ溶液に可溶な易溶性繊維と、アルカリ溶液に不溶で40番手以上の綿糸と、を含む複合撚糸をパイル糸とする生地を形成し、
前記生地から前記易溶性繊維をアルカリ溶液で溶解除去することにより、前記綿糸で前記パイルを形成する。
前記パイル糸が、複数の前記複合撚糸からなることが好ましい。
前記綿糸が80番手以上であり、
前記生地を製織する際に、前記パイル糸に糊付けを行わないことが好ましい。
パイルを備えた繊維製品であって、
前記パイルは、アルカリ溶液に可溶な易溶性繊維と、アルカリ溶液に不溶で40番手以上の綿糸と、を含む複合撚糸をパイル糸とする生地から、前記易溶性繊維をアルカリ溶液で溶解除去することによって残存した前記綿糸で形成される。
残脂率が0.3%以下であることが好ましい。
易溶性繊維は、水には不溶で、アルカリ溶液に可溶な糸である。詳細には、易溶性繊維は、NaOHの濃度が3〜15g/L、温度が90℃以上のアルカリ溶液に20分間以上浸漬されると、浸漬前の易溶性繊維の85質量%以上が溶解するものであることが好ましく、95質量%以上が溶解するものであることがより好ましい。これらの条件を満たす繊維として、例えば、共重合ポリエステル糸及びポリ乳酸糸が挙げられる。
綿糸は、アルカリ溶液に不溶な40番手以上の綿糸である。綿糸が40番手以上の細番手糸であることにより、繊維製品の風合、触り心地、速乾性、軽量性を向上させることができる。綿糸の番手が大きいほど、触り心地、速乾性、軽量性を向上させられるが、糸強度の観点から、綿糸の番手は80番手以下であることが好ましい。
図1A及び図1Bに、易溶性繊維と綿糸とを撚り合わせて複合撚糸を形成する工程を示す。複合撚糸20は、図1Aに示す易溶性繊維21と綿糸22とを、図1Bに示すように撚り合わせた糸である。40番手以上の細番手の綿糸のみを用いて繊維製品を製造すると、通常、十分な原糸強力が得られず製織が困難となるが、本実施形態では、細番手の綿糸と易溶性繊維とを撚り合わせた複合撚糸から繊維製品を製造するため、十分な原糸強力を確保することができ、製織を容易にすることができる。特に80番手以上の細番手の綿糸と易溶性繊維を撚り合わせて複合撚糸を形成した場合であっても、十分な原糸強力を確保することができるため、後述の糊付け工程において、パイル糸に用いる複合撚糸に対する糊付け量を少なくすることができ、或いはパイル糸に用いる複合撚糸に対する糊付けを不要とすることができる。これにより、繊維製品の製造を簡略化することができる。易溶性繊維としてアルカリ易溶性の繊維を用いた複合撚糸であれば、糸強力を向上させることができるが、易溶性繊維として水溶性繊維を用いた複合撚糸は、糸強力を向上させることができない。
以下、本実施形態の繊維製品の製造方法について説明する。
まず、易溶性繊維と綿糸とを撚り合わせることにより複合撚糸を作製した。易溶性繊維としては、KBセーレン(株)製の商品名ベルピュア(登録商標)を使用した。この易溶性繊維はマルチフィラメント糸であり、フィラメントの本数は12本であった。この綿糸は、撚係数Kが4.2である40番手の綿糸であった。易溶性繊維と綿糸との撚数は26.5回/吋であった。綿糸はZ撚りであり、複合撚糸はS撚りであった。
二本の複合撚糸でパイル糸を構成し(二本使い)、図5に示すような生地を形成したこと以外は、実施例1と同様にして繊維製品(タオル)を製造した。
パイル糸を構成する複合撚糸に含まれる綿糸として、80番手のものを使用したこと以外は、実施例1と同様にして繊維製品(タオル)を製造した。また複合撚糸に関しては、スチームセット工程後に糸強度を測定したので、その結果を下記の表1に示す。
二本の複合撚糸でパイル糸を構成して、図5に示すような生地を形成すると共に、パイル糸を構成する複合撚糸に含まれる綿糸として、80番手のものを使用したこと以外は、実施例1と同様にして繊維製品(タオル)を製造した。
パイル糸を構成する複合撚糸に含まれる綿糸として、20番手のものを使用したこと以外は、実施例1と同様にして繊維製品(タオル)を製造した。
パイル糸を20番手の綿糸で構成したこと以外は、実施例1と同様にして繊維製品(タオル)を製造した。
パイル糸を40番手の綿糸で構成したこと以外は、実施例1と同様にして繊維製品(タオル)を製造した。また整経工程前には、パイル糸に使用した綿糸の糸強度を測定したので、その結果を下記の表1に示す。
パイル糸を80番手の綿糸で構成したこと以外は、実施例1と同様にして繊維製品(タオル)を製造した。また成形工程前には、パイル糸に使用した綿糸の糸強度を測定したので、その結果を下記の表1に示す。
上記の実施例1〜4及び比較例1〜4の繊維製品について、不良発生率、軽量性、速乾性、吸水性、風合い、パイル保持性、脱毛率について、以下の方法及び基準で評価した。その結果を下記の表1に示す。
実施例1〜4及び比較例1〜4の繊維製品をそれぞれ100枚作製し、その中に含まれる異常が確認された繊維製品の枚数を確認し、その割合を算出した。異常としては、パイル切れ及びパイル抜けを確認した。
実施例1〜4及び比較例1〜4の繊維製品について、その重量を測定した。
実施例1〜4及び比較例1〜4の繊維製品から10×10cmの試験片を作製し、この試験片に対して0.6mlの水を滴下した。この試験片を垂直に吊るし、5分毎に重量を測定し、残留水分率が10%に至るまでの時間を測定した。
実施例1〜4及び比較例1〜4の繊維製品について、JIS L 1907に基づく吸水性(沈降法)と、JIS L 1081に基づく残脂率と、単位面積あたりの給水量とを測定した。
カトーテック(株)製の自動化表面試験機KES FB−4−AUTO−Aを用いて、実施例1〜4及び比較例1〜4の繊維製品の表面摩擦係数(MIU)、摩擦係数変動(MMD)を測定し、柔らかさ(MIU/MMD)を求めた。
実施例1〜4及び比較例1〜4の繊維製品について、タオル検法に基づく、パイル保持性を評価した。
実施例1〜4及び比較例1〜4の繊維製品について、JIS L 0217に基づく脱毛率(103法)を評価した。
Claims (5)
- パイルを備えた繊維製品の製造方法であって、
アルカリ溶液に可溶な易溶性繊維と、アルカリ溶液に不溶で40番手以上の綿糸と、を含む複合撚糸をパイル糸とする生地を形成し、
前記生地から前記易溶性繊維をアルカリ溶液で溶解除去することにより、前記綿糸で前記パイルを形成する、
繊維製品の製造方法。 - 前記パイル糸が、複数の前記複合撚糸からなる、
請求項1に記載の繊維製品の製造方法。 - 前記綿糸が80番手以上であり、
前記生地を製織する際に、前記パイル糸に糊付けを行わない、
請求項1又は2に記載の繊維製品の製造方法。 - パイルを備えた繊維製品であって、
前記パイルは、アルカリ溶液に可溶な易溶性繊維と、アルカリ溶液に不溶で40番手以上の綿糸と、を含む複合撚糸をパイル糸とする生地から、前記易溶性繊維をアルカリ溶液で溶解除去することによって残存した前記綿糸で形成される、
繊維製品。 - 残脂率が0.3%以下である、
請求項4に記載の繊維製品。
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