JP2018125323A - 保護部材形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】保護部材形成時に紫外線硬化樹脂の温度が上昇しても、所定厚みの保護部材を形成できるようにする。【解決手段】フィルム保持面を有するガラスステージ20と、フィルム上に紫外線硬化樹脂を供給する手段30と、ウエーハ保持面を有する保持手段50と、保持手段50をステージ20に向かって降下させ樹脂を押し広げる拡張手段51と、樹脂に紫外線を照射させ硬化させる手段22と、押し力測定部53と、ウエーハ保持面温度測定部52と、フィルム保持面温度測定部23と、フィルム保持面温度測定部23が測定した温度とウエーハ保持面温度測定部52が測定した温度とでフィルムに供給された樹脂の予測温度を算出する手段7と、予測温度を用いて、樹脂の温度と押し力との相関関係データ80を参照して定める押し力と押し力測定部53が測定する押し力とが一致するように拡張手段51を制御する手段8とを備え、所定厚みの保護部材を形成する装置1である。【選択図】図1

Description

本発明は、ウエーハの一方の面の全面に保護部材を形成する保護部材形成装置に関する。
半導体ウエーハなどの製造工程において、円柱状のインゴットをワイヤーソーによってスライスして円形板状のウエーハを形成するときに、ウエーハの切断面に反りやうねりが形成されることがある。そして、この反りやうねりを除去するために、回転する研削砥石をウエーハの切断面に当接させ切断面の研削を行う。この研削を行うにあたって、例えば、ウエーハの研削が施される面とは反対の面(ウエーハの一方の面)に保護部材を形成する。
ウエーハの一方の面に保護部材を形成するためには、例えば、保護部材形成装置のガラスステージ上に載置されたフィルムの上に、紫外線により硬化する液状樹脂を所定量供給する。そして、ガラスステージの上方で保持手段に保持されたウエーハを、その一方の面側からフィルムに対して押し付ける。そして、ウエーハの中心から外周側に向けて液状樹脂を拡張させ一方の面の全域に液状樹脂をいきわたらせた後、この液状樹脂に紫外線を照射することにより液状樹脂を硬化させる方法がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−146872号公報
例えば、複数枚のウエーハにそれぞれ精密な研削加工を施すためにも、複数枚のウエーハに連続的に保護部材を形成する場合には、各ウエーハの一方の面上に各保護部材は均等な厚みで形成される必要がある。各ウエーハに均等な厚みで保護部材が形成されていないと、ウエーハの被研削面を研削後に保護部材を形成した一方の面側を研削する段階においてに、ウエーハごとの厚みに差が発生している場合があり、この場合、研削時間に影響が出てしまうおそれがある。また、反りやうねりが研削により十分に除去されていないウエーハが作製される可能性がある。
しかし、連続して均等な厚みで保護部材を各ウエーハに形成するのには困難が伴う。それは以下の理由によるためである。
ガラスステージの下側から紫外線を照射して1枚目のウエーハに供給した液状の樹脂を硬化させると、樹脂の硬化熱がウエーハに伝わり保持手段のウエーハ保持面を加熱するため、ウエーハ保持面の温度が上昇する。また、1枚目のウエーハに供給した樹脂を硬化させると、ガラスステージのフィルム保持面には、例えば厚み約50μmの薄いフィルムを通して樹脂の硬化熱が伝わるので、フィルム保持面の温度は急激に上昇する。
保持手段のウエーハ保持面は、例えば、セラミック板で形成されており、吸引力が伝わる吸引口と吸引口に接続した吸引溝とが形成されている。そして、複数枚のウエーハに樹脂硬化を伴う保護部材形成を連続的に行うと、樹脂の硬化熱がウエーハを介してセラミック板からなるウエーハ保持面に伝わり、ウエーハ保持面は徐々に加熱される。
さらに、フィルム保持面を有するガラスステージ及びウエーハ保持面を有する保持手段は、加工室内の雰囲気温度が上昇することでも、徐々にその温度が上昇する。
このように、ウエーハに保護部材を形成する場合には、樹脂を硬化させる硬化熱で雰囲気温度が上昇するし、保持手段の温度及びガラスステージの温度も上昇する。そして、温度が上昇したガラスステージのフィルム上に液状樹脂を供給すると、液状樹脂は加温されて粘性が低下し広がりやすくなる。そのため、ウエーハに保護部材形成を連続的に行う際に拡張手段で一定圧力で樹脂を押圧していると、樹脂が広がりすぎることで所望の厚みより薄い保護部材をウエーハの一方の面に形成してしまう場合がある。
よって、保護部材形成装置によってウエーハの一方の面に紫外線硬化樹脂からなる保護部材を形成する場合には、保護部材形成時において紫外線硬化樹脂の温度が上昇しても、所定の均等な厚みの保護部材を形成できるようにするという課題がある。
上記課題を解決するための本発明は、ウエーハの一方の面の全面に押し広げた紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して硬化させて保護部材を形成する保護部材形成装置であって、フィルムを保持するフィルム保持面を有するガラスステージと、該ガラスステージが保持したフィルムの上に所定量の紫外線硬化樹脂を供給する樹脂供給手段と、該ガラスステージのフィルム保持面に対面してウエーハの他方の面を吸引保持するウエーハ保持面を有する保持手段と、該保持手段を該ガラスステージに向かって降下させ該保持手段が保持したウエーハでフィルムの上に供給した紫外線硬化樹脂を押し広げる拡張手段と、該拡張手段によりウエーハの一方の面の全面に押し広げられた紫外線硬化樹脂に紫外線を照射させ硬化させる硬化手段と、該拡張手段が該フィルム上の紫外線硬化樹脂を押し広げる押し力を測定する押し力測定部と、ウエーハを保持する該ウエーハ保持面の温度を測定するウエーハ保持面温度測定部と、該フィルムを保持する該フィルム保持面の温度を測定するフィルム保持面温度測定部と、該フィルム保持面温度測定部が測定した温度と該ウエーハ保持面温度測定部が測定した温度との温度範囲内で該フィルムに供給された紫外線硬化樹脂の予測温度を算出する算出手段と、該算出手段が算出した予測温度を用いて、所定の厚みで保護部材を形成するための樹脂の温度と押し力との相関関係データを参照して定める押し力と該押し力測定部が測定する押し力とが一致するように該拡張手段を制御する制御手段とを備え、所定の厚みの該保護部材を形成する保護部材形成装置である。
本発明に係る保護部材形成装置は、拡張手段がフィルム上の紫外線硬化樹脂を押し広げる押し力を測定する押し力測定部と、ウエーハを保持するウエーハ保持面の温度を測定するウエーハ保持面温度測定部と、フィルムを保持するフィルム保持面の温度を測定するフィルム保持面温度測定部と、フィルム保持面温度測定部が測定した温度とウエーハ保持面温度測定部が測定した温度との温度範囲内でフィルムに供給された紫外線硬化樹脂の予測温度を算出する算出手段と、算出手段が算出した予測温度を用いて、所定の厚みで保護部材を形成するための樹脂の温度と押し力との相関関係データを参照して定める押し力と押し力測定部が測定する押し力とが一致するように拡張手段を制御する制御手段とを備えている。そのため、例えば、連続的に複数枚のウエーハに保護部材を形成する場合に、フィルム上に供給された紫外線硬化樹脂がガラスステージのフィルム保持面及び保持手段のウエーハ保持面から熱を吸収してしまいその温度が上昇しても、算出手段で紫外線硬化樹脂の予測温度を算出し、算出手段が算出した紫外線硬化樹脂の予測温度に応じた好適な押し力で紫外線硬化樹脂をウエーハの一方の面の全面に押し広げて、所定の均等な厚みを有する保護部材を形成することができる。
保護部材形成装置の一例を示す斜視図である。 保護部材形成装置の構成を示す断面図である。 フィルム保持面温度依存度とウエーハ保持面温度依存度との相関関係の一例を示すデータ表である。 温度差とフィルム保持面温度依存度との関係を示すグラフである。 制御手段に備える相関関係データを示すグラフである。 複数枚のウエーハに連続的に保護部材を形成する際の、測定されるフィルム保持面の温度変化を示すグラフ、測定されるウエーハ保持面の温度変化を示すグラフ、及びフィルムに供給された紫外線硬化樹脂の算出される予測温度の変化を示すグラフである。
図1に示す保護部材形成装置1は、ウエーハWの一方の面全面に液状の紫外線硬化樹脂を押し広げてから紫外線を照射して硬化させ保護部材を形成する装置の一例であり、加工室を形成する筐体100と、筐体100内に配設された装置ベース101と、装置ベース101上に立設するコラム102と、装置ベース101に隣接して配設された支持ベース103と、筐体100の後端側(+Y方向側)に連結され上下方向に2段の収容スペース104a,104bを有するカセット収容本体104とを備える。上段となる収容スペース104aには、保護部材が形成される前のウエーハWが複数収容されたカセット104cが配設され、下段の収容スペース104bには、保護部材が形成されたウエーハWが複数収容されるカセット104dが配設されている。
コラム102の+Y方向側の側面には、第1支持台105aと、第1支持台105aより下方に位置する第2支持台105bとが連結されている。第1支持台105aには、保護部材が形成される前のウエーハWの中心位置及び向きを撮像画像を用いたパターンマッチング等により検出するウエーハ検出部106が配設されている。第2支持台105bには、ウエーハWに形成された保護部材のはみ出し部分をウエーハWの外形に沿って切断するフィルムカッター107が配設されている。
カセット収容本体104とウエーハ検出部106及びフィルムカッター107との間には、カセット104c、104dに対してウエーハWの搬出入を行う第1ウエーハ搬送手段108aが配設されており、第1ウエーハ搬送手段108aは、X軸方向移動手段108bによりX軸方向に往復移動可能となっている。第1ウエーハ搬送手段108aは、保護部材が形成される前のウエーハWをカセット104cから搬出して第1支持台105aに搬入するとともに、保護部材形成済みのウエーハWを第2支持台105bから搬出してカセット104dに搬入することができる。
第1支持台105a上でウエーハ検出部106により中心位置等が検出されたウエーハWは、図1に示す第2ウエーハ搬送手段109aにより保持されて搬送される。第2ウエーハ搬送手段109aは、ウエーハWを保持する旋回移動可能な保持ハンドを備えており、Y軸方向移動手段109bによりY軸方向に往復移動可能となっている。そして、第2ウエーハ搬送手段109aは、第1支持台105aからウエーハWを搬出して保持手段50に受け渡すことができる。
装置ベース101上には、複数本の回転ローラ等からなるフィルム供給手段11と、紫外線硬化樹脂が滴下されるフィルムFを保持する円形のフィルム保持面200を有するガラスステージ20とが配設されている。フィルム供給手段11は、フィルムFがロール状に巻かれて形成されたフィルムロールFRから、所望の長さのフィルムFを+Y方向に向かって送り出すことができる。
ガラスステージ20のフィルム保持面200の外周にはリング状の凸部201が形成されており、この凸部201の内側の領域に液状の紫外線硬化樹脂を溜めて、凸部201の外側に液状樹脂が飛散するのを防止する構成となっている。フィルム保持面200は、例えば、石英ガラスによって形成されている。また、フィルム保持面200には、真空発生装置等からなる吸引源に接続された複数の図示しない吸引孔が形成され、フィルム保持面200に載置されたフィルムFを下方から吸引保持することができる。
支持ベース103には、フィルム載置手段21が配設されている。フィルム載置手段21は、X軸方向に延在しY軸方向に可動であるアーム部210と、アーム部210の側面に取り付けられたクランプ部211とを備える。そして、クランプ部211は、フィルムロールFRのフィルムFの一端をクランプしてY軸方向にフィルムFを引っ張り出し、ガラスステージ20のフィルム保持面200にフィルムFを載置することができる。
ガラスステージ20の近傍には、ガラスステージ20が保持するフィルムFの上に所定量の紫外線硬化樹脂を供給することができる樹脂供給手段30が配設されている。樹脂供給手段30は、樹脂供給ノズル300と、樹脂供給ノズル300に液状樹脂を送出するディスペンサ301と、樹脂供給ノズル300とディスペンサ301とを接続する接続管302とを備える。樹脂供給ノズル300は、ガラスステージ20のフィルム保持面200に向く供給口300aを有している。樹脂供給ノズル300は、Z軸方向の軸心周りに旋回可能となっており、ガラスステージ20の上方から退避位置まで供給口300aを移動することができる。ディスペンサ301は、図示しない樹脂供給源に接続されている。
コラム102の−Y方向側の側面には、保持手段50をガラスステージ20に向かって降下させ保持手段50が保持したウエーハWでフィルムFの上に供給した紫外線硬化樹脂を押し広げる拡張手段51が配設されている。
拡張手段51は、垂直方向の軸心を有するボールネジ510と、ボールネジ510と平行に配設された一対のガイドレール511と、ボールネジ510に連結されボールネジ510を回動させるモータ512と、内部のナットがボールネジ510に螺合すると共に側部がガイドレール511に摺接する昇降ホルダ513とから構成され、モータ512がボールネジ510を回転させることに伴い昇降ホルダ513がガイドレール511にガイドされて昇降する構成となっている。昇降ホルダ513は保持手段50を支持しており、昇降ホルダ513の昇降によって保持手段50も昇降する。なお、モータ512には、演算処理を実施するCPU及びメモリ等の記憶素子を備える制御手段8が接続されている。モータ512は、例えば、制御手段8から供給されるパルス信号によりボールネジ510を回動させるパルスモータである。
図1、2に示す保持手段50は、昇降ホルダ513によって保持されるホイール支持部502と、ホイール支持部502の下端側に固定された円板状のホイール500と、ポーラス部材等からなりホイール500によって支持されウエーハWを吸引保持する保持部501(図1には不図示)とを備えている。円形板状の保持部501は、例えば、ホイール500の下面側に嵌め込まれており、図示しない吸引源に連通し、吸引源が吸引することで生み出された吸引力が保持部501の露出面でありガラスステージ20のフィルム保持面200に対面するウエーハ保持面501aに伝達されることで、保持手段50はウエーハ保持面501aでウエーハWを吸引保持することができる。なお、ウエーハ保持面501aとホイール500の下面とは面一になっている。
例えば、ホイール500の内部には、ウエーハ保持面温度測定部52が配設されている。保持部501に接触して配設されているウエーハ保持面温度測定部52は、例えば保持部501からの熱伝導による接触式の温度センサ等で構成されている。そして、ウエーハ保持面温度測定部52は、保持部501で吸引保持するウエーハWで液状の紫外線硬化樹脂を押し広げる際のウエーハ保持面501aの表面温度を測定することができる。
例えば、ホイール500の内部には、拡張手段51がフィルムF上の紫外線硬化樹脂を押し広げる際の押し力を測定する押し力測定部53が配設されている。押し力測定部53は、例えば、圧電方式の荷重測定に用いられる図示しない圧電素子を備えており、この圧電素子は、ホイール500の内部の3箇所に周方向に均等な距離を設けて保持部501からわずかに離して配設されている。押し力測定部53は、拡張手段51で液状樹脂を鉛直方向に押してウエーハWの一方の面の全面に押し広げた際の圧力変化を3つの圧電素子がそれぞれ受ける構成となっている。そして、押し力測定部53は、圧電素子が変形する際の圧力変化に応じた電圧の発生を検出し、これら3つの圧電素子から検出した電圧値の合計値を液状の樹脂を押し広げる押し力として測定する。
また、フィルムF上に供給される樹脂の中心は、ウエーハWの中心と一致していて、さらにガラスステージ20のフィルム保持面200とウエーハWの一方の面とは平行で、押し力測定部53が測定する3つの圧電素子の電圧値は、ほぼ均等な値を示している。つまり、樹脂が径方向に均等に拡張するようにガラスステージ20及び押し力測定部53は構成されている。
装置ベース101の内部には、拡張手段51によりウエーハWの一方の面の全面に押し広げられた紫外線硬化樹脂に下方から紫外線を照射させ硬化させる硬化手段22が配設されている。硬化手段22の上方には、ガラスステージ20が位置しており、硬化手段22は、例えば、上方に向かって所定波長の紫外線を照射することが可能なUVランプを備えている。
例えば、フィルム載置手段21のアーム部210には、フィルムFを保持するフィルム保持面200の温度を測定するフィルム保持面温度測定部23が配設されている。放射温度計等の温度センサから構成されるフィルム保持面温度測定部23は、フィルム載置手段21がフィルムFを保持面200に載置する際にフィルム保持面200上を通過しつつ非接触で温度測定ができるようにアーム部210に配置されており、測定したフィルム保持面200の温度についての情報を後述する図2に示す算出手段7に送信することができる。なお、フィルム保持面温度測定部23の配設箇所は本実施形態における例に限定されるものではなく、例えば、ガラスステージ20の内部に熱電対等を配設するものとしてもよい。
保護部材形成装置1は、フィルム保持面200上のフィルムFに供給された紫外線硬化樹脂の予測温度を算出する算出手段7を備えており、算出手段7は、フィルム保持面温度測定部23及びウエーハ保持面温度測定部52に電気配線を介して接続されている。算出手段7は、ガラスステージ20のフィルム保持面温度依存度(%)と保持手段50のウエーハ保持面温度依存度(%)との相関関係の一例を示す図2、3に示すデータ表70を備えており、フィルム保持面温度測定部23が測定したフィルム保持面200の温度とウエーハ保持面温度測定部52が測定したウエーハ保持面501aの温度との温度範囲内でフィルムFに供給された紫外線硬化樹脂の予測温度を算出することができる。
データ表70に示すガラスステージ20のフィルム保持面温度依存度は、実験用の複数のウエーハWを用いて、あらかじめ保護部材形成装置1を稼働させて保護部材をウエーハWに形成する実験を行った際に得ることができたパラメータである。具体的には、ガラスステージ20のフィルム保持面温度依存度は、図1に示すフィルム保持面温度測定部23により測定されたフィルムFを保持するフィルム保持面200の温度からウエーハ保持面温度測定部52により測定されたウエーハWを保持するウエーハ保持面501aの温度を引いた差=温度差Tdを基に得られたパラメータであり、図4のグラフG1に示されるように温度差Td(横軸)に比例して変位するパラメータ(縦軸)である。例えば、上記温度差Tdが−2℃となる場合は、図4に示すグラフG1及び図3に示すデータ表70で確認できるように、ガラスステージ20のフィルム保持面温度依存度は10%となる。また、上記温度差Tdが2℃となる場合は、ガラスステージ20のフィルム保持面温度依存度は30%となる。
保持手段50のウエーハ保持面温度依存度(%)は、ガラスステージ20のフィルム保持面温度依存度(%)を得ることで相対的に求めることができたパラメータであり、図3のデータ表70に示すように、例えば、ガラスステージ20のフィルム保持面温度依存度が10%である場合には、保持手段50のウエーハ保持面温度依存度は90%となり、ガラスステージ20のフィルム保持面温度依存度が30%である場合には、保持手段50のウエーハ保持面温度依存度は70%となる。すなわち、ガラスステージ20のフィルム保持面温度依存度と保持手段50のウエーハ保持面温度依存度との合計(系全体の温度依存度)は、常に100%となる。
図1に示すように、保護部材形成装置1は、拡張手段51を制御する制御手段8を備えており、制御手段8は、例えば、拡張手段51のモータ512、押し力測定部53、及び算出手段7に電気的に接続されている。制御手段8のメモリには、所定の厚みでウエーハWに保護部材を形成するためのフィルムF上の紫外線硬化樹脂の温度と拡張手段51による押し力との相関関係を示す相関関係データ80が記憶されている。そして、制御手段8は、算出手段7が算出するフィルムF上の紫外線硬化樹脂の予測温度を用いて、相関関係データ80を参照して所定の厚みでウエーハWに保護部材を形成するための押し力を決定し、決定した押し力と押し力測定部53が測定する押し力とが一致するように拡張手段51を制御する。拡張手段51の制御は、例えば、図示しないパルス信号発振器からモータ512に送出するパルス信号数を制御することで行われる。
相関関係データ80は、実験用の複数のウエーハWを用いて、あらかじめ保護部材形成装置1を稼働させて保護部材を形成し、保護部材の厚みを測定することにより、フィルムF上の紫外線硬化樹脂の予測温度に応じた好適な所定の押し力をデータ取得したものである。なお、相関関係データは、樹脂供給手段30からフィルムF上に供給される紫外線硬化樹脂の種類ごとにそれぞれ得られる固有のデータである。そのため、例えば、複数枚のウエーハWにそれぞれ種類の異なる紫外線硬化樹脂で保護部材を形成する場合には、制御手段8は、相関関係データ80以外にも、紫外線硬化樹脂の種類ごとの異なる相関関係データを予め複数記憶しているものとしてもよい。
相関関係データ80の内容は、例えば図5のグラフG2に示されている。グラフG2の横軸はフィルムF上の紫外線硬化樹脂の予測温度(℃)を示し、グラフG2の縦軸は拡張手段51による液状の紫外線硬化樹脂を押し広げる好適な押し力(N)を示している。この相関関係データ80の内容を示すグラフG2を参照すると、フィルムF上の紫外線硬化樹脂の予測される温度が上昇するにつれて、拡張手段51による押し力を減少させればよいことが確認できる。例えば、フィルムF上の紫外線硬化樹脂の予測温度が約22.8℃となっている場合は、相関関係データ80を参照することで、約3400Nが拡張手段51による好適な押し力であると確認することができる。
次に、図1、2に示す保護部材形成装置1の動作例について以下に説明する。本実施形態におけるウエーハWは、円形板状の被加工物の一例であって、例えば、インゴットからワイヤーソーによって切り出されたシリコンウエーハである。まず、図1に示す第1ウエーハ搬送手段108aにより、カセット104cから保護部材が形成される前の一枚目のウエーハWが取り出されて、第1支持台105a上に搬送される。ウエーハ検出部106がウエーハWの中心位置及び向きを検出したら、第2ウエーハ搬送手段109aが第1支持台105aからウエーハWを搬出して−Y方向側へ移動して、保持手段50にウエーハWを受け渡す。保持手段50は、図2に示すように、保持部501のウエーハ保持面501aでウエーハWの他方の面Wbを吸引保持する。なお、一枚目のウエーハWに保護部材を形成する際のウエーハ保持面501aは、例えば、その温度が20℃に設定されている。
ウエーハWの保持手段50への搬送と並行して、図1、2に示すフィルム載置手段21のクランプ部211がフィルムFをクランプして+Y方向側に移動して、所定長さのフィルムFをフィルムロールFRから引き出し、ガラスステージ20のフィルム保持面200に載置する。なお、一枚目のウエーハWに保護部材を形成する際のフィルム保持面200は、例えば、その温度が20℃に設定されている。そして、図示しない吸引源が作動し、吸引源により生み出された吸引力がフィルム保持面200に伝達されることで、フィルムFがフィルム保持面200上に吸引保持される。
例えば、フィルム載置手段21がフィルム保持面200にフィルムFを載置するのと並行して、フィルム保持面温度測定部23がフィルム保持面200の温度を測定する。一枚目のウエーハWに樹脂を硬化させ保護部材を形成する前の段階においては、樹脂の硬化熱等が発生していないため、フィルム保持面温度測定部23が測定するフィルム保持面200の温度は、図6のグラフG3が示すように最初に設定された温度20℃となる。なお、図6に実線で示すグラフG3は、保護部材を複数枚のウエーハWに形成する場合のフィルム保持面200の温度変化を示すグラフである。フィルム保持面温度測定部23は、測定したフィルム保持面200の温度(20℃)についての情報を算出手段7に送信する。
樹脂供給手段30の樹脂供給ノズル300が旋回移動し、供給口300aがフィルム保持面200上のフィルムFの中央領域上方に位置付けられる。続いて、図1に示すディスペンサ301が、樹脂供給ノズル300に基準温度(例えば、20℃)に温度管理されている液状の紫外線硬化樹脂Jを送り出して、図2に示すように、供給口300aからガラスステージ20に吸引保持されているフィルムFに向けて紫外線硬化樹脂Jを滴下する。そして、所定量の紫外線硬化樹脂JがフィルムF上に堆積したら、樹脂供給手段30によるフィルムFへの紫外線硬化樹脂Jの供給が停止され、樹脂供給ノズル300が旋回移動してフィルム保持面200上から退避する。
次いで、保持手段50のウエーハ保持面501aでウエーハWの他方の面Wbを吸引保持した状態で、制御手段8が、拡張手段51のモータ512に対してパルス信号を供給し始めることで、モータ512の駆動によりボールネジ510が回動し、保持手段50が下降していく。保持手段50に吸引保持されたウエーハWの一方の面Waが紫外線硬化樹脂Jに接触し、さらに保持手段50が下降すると、ウエーハWの一方の面Waによって下方に押圧された紫外線硬化樹脂Jは、ウエーハWの径方向に拡張される。このとき、押し力測定部53で紫外線硬化樹脂Jを押し広げる押し力を測定するとともに、ウエーハ保持面温度測定部52でウエーハ保持面501aの温度を測定する。一枚目のウエーハWに樹脂を硬化させ保護部材を形成する前の段階においては、樹脂の硬化熱等が発生していないため、ウエーハ保持面温度測定部52が測定するウエーハ保持面501aの温度は、図6のグラフG4が示すように最初に設定された温度20℃となる。なお、図6に実線で示すグラフG4は、保護部材を複数枚のウエーハWに形成する場合のウエーハ保持面501aの温度変化を示すグラフである。ウエーハ保持面温度測定部52は、測定したウエーハ保持面501aの温度(20℃)についての情報を算出手段7に送信する。
算出手段7は、フィルム保持面温度測定部23が測定したフィルム保持面200の温度(20℃)とウエーハ保持面温度測定部52が測定したウエーハ保持面501aの温度(20℃)との温度範囲内でフィルムFに供給された紫外線硬化樹脂Jの予測温度を算出する。具体的には、算出手段7は、まずプログラムに従って、フィルム保持面200の温度20℃からウエーハ保持面501aの温度20℃を引いた差=温度差Td1=0℃を算出する。次いで、算出手段7は算出した温度差Td1=0℃を基に、図3に示すデータ表70を参照して、フィルム保持面200の温度依存度を20%と決定し、ウエーハ保持面501aの温度依存度を80%と決定する。
次いで、算出手段7は、下記の式1を実行して、フィルム保持面200の影響温度を算出する。
(フィルム保持面温度測定部23が測定した温度−紫外線硬化樹脂Jの基準温度)×(フィルム保持面温度依存度)=フィルム保持面200の影響温度・・・・(式1)
式1に実測値を代入すると、
(20℃−20℃)×20%=0℃となり、
フィルム保持面200の影響温度を0℃と算出することができる。
また、算出手段7は、下記の式2を実行して、ウエーハ保持面501aの影響温度を算出する。
(ウエーハ保持面温度測定部52が測定した温度−紫外線硬化樹脂Jの基準温度)×(ウエーハ保持面温度依存度)=ウエーハ保持面501aの影響温度・・・・(式2)
式2に実測値を代入すると、
(20℃−20℃)×80%=0℃となり、
ウエーハ保持面501aの影響温度を0℃と算出することができる。
さらに、算出手段7は、下記の式3を実行することで、フィルムFに供給された紫外線硬化樹脂Jの予測温度を算出する。
(フィルム保持面200の影響温度)+(ウエーハ保持面501aの影響温度)+(紫外線硬化樹脂Jの基準温度)=紫外線硬化樹脂Jの予測温度・・(式3)
したがって、式3に実測値を代入すると、0℃+0℃+20℃=紫外線硬化樹脂Jの予測温度20℃となるため、算出手段7は、紫外線硬化樹脂Jの予測温度を20℃と算出する。なお、上記式1、式2、及び式3は、過去の保護部材形成における実験から経験的に導出できた経験式である。そして、算出手段7は、算出した紫外線硬化樹脂Jの予測温度(20℃)についての情報を制御手段8に送信する。
制御手段8は、図5に示す相関関係データ80を参照し、紫外線硬化樹脂Jの予測温度(20℃)に対応する押し力が3500Nであると決定する。そして相関関係データ80を参照して定める押し力(3500N)と押し力測定部53が測定する押し力とが一致するように拡張手段51を制御する。すなわち、例えば、押し力測定部53が測定する押し力が3400Nである場合には、図示しないパルス信号発振器からモータ512に送出するパルス信号数を増加させることで、モータ512の回転数を上げて拡張手段51によるフィルムF上の紫外線硬化樹脂Jを押し広げる押し力を増加させて3500Nにする。
このようにして、フィルムF上の紫外線硬化樹脂Jの予測温度、すなわち紫外線硬化樹脂Jの粘性に応じて、拡張手段51を制御しながらウエーハWの一方の面Waで紫外線硬化樹脂Jを所定の押し力(3500N)で押し広げることにより、ウエーハWの一方の面Waの全面に紫外線硬化樹脂Jを所定の厚みをもたせて拡張させることができる。その後、硬化手段22が、所定の厚みに拡張された紫外線硬化樹脂Jに向けて紫外線を照射する。その結果、紫外線硬化樹脂Jは、硬化するとともに所定の厚みの保護部材としてウエーハWの一方の面Waに形成される。
保護部材が形成されたウエーハWは、第2ウエーハ搬送手段109aによって、フィルムFと共に第2支持台105bに搬送され、フィルムカッター107でウエーハWの外形に沿って余分なフィルムFが切断され、第1ウエーハ搬送手段108aによりカセット104dに収容される。
連続的に複数枚のウエーハWに保護部材を形成すべく、第1ウエーハ搬送手段108aにより、カセット104cから保護部材が形成される2枚目のウエーハWが取り出されてその位置等が検出され、さらに、保持手段50のウエーハ保持面501aでウエーハWの他方の面Wbが吸引保持される。また、2枚目のウエーハWの保持手段50による吸引保持と並行して、図1に示すフィルム載置手段21が新しいフィルムFをガラスステージ20のフィルム保持面200に載置し、フィルムFがフィルム保持面200上に吸引保持される。
一枚目のウエーハWに保護部材を形成する際のフィルム保持面200は最初20℃に設定されているが、硬化手段22が紫外線硬化樹脂Jに向けて紫外線を照射することで、ガラスステージ20が紫外線硬化樹脂Jの硬化熱により温められる。ガラスステージ20は比較的早期に基準温度(20℃)に戻りやすいが、本実施形態のように複数のウエーハWに対する保護部材の形成を連続して行うと、ガラスステージ20の温度は徐々に上昇する。よって、二枚目のウエーハWに保護部材を形成する際に、フィルム載置手段21がフィルム保持面200にフィルムFを載置するのと並行してフィルム保持面温度測定部23がフィルム保持面200の温度を測定すると、フィルム保持面200の温度は、図6のグラフG3が示すように例えば約22℃となる。図2に示すように、温度が22℃に上がったガラスステージ20に保持されるフィルムF上に紫外線硬化樹脂Jを供給すると、紫外線硬化樹脂Jの温度も上昇して拡張されやすくなる。
保持手段50が保持するウエーハWを温度が上昇した紫外線硬化樹脂Jに押し付けると、ウエーハWを介してウエーハ保持面501aに熱が伝わる。特に、ウエーハWがシリコンによって構成される場合は、シリコンの熱伝導率が高いため、ウエーハ保持面501aに熱が伝わりやすい。このように、複数枚のウエーハWに対する保護部材の形成を繰り返していくうちに、保持手段50の保持部501に熱が蓄熱されていき、ウエーハ保持面501aの温度が上昇する。そして、紫外線硬化樹脂Jの押圧時は、その熱がウエーハWを介して紫外線硬化樹脂Jに伝わるため、紫外線硬化樹脂Jがさらに広がりやすくなる。
そのため、保護部材形成装置1の稼動中(複数枚のウエーハWに対する保護部材の形成の継続中)は、常に押し力測定部53で紫外線硬化樹脂Jを押し広げる押し力を測定するとともに、ウエーハ保持面温度測定部52でウエーハ保持面501aの表面温度を測定する。ウエーハ保持面501aの温度は、例えば、図6のグラフG4に示すように約21℃となる。また、上記のように、フィルム保持面温度測定部23がフィルム保持面200の温度を測定する。また、紫外線硬化樹脂Jのフィルム保持面200が保持したフィルムFへの供給が行われた後、保持手段50が下降することで、保持手段50が保持するウエーハWの一方の面Waによって下方に押圧された紫外線硬化樹脂Jは、ウエーハWの径方向に拡張されていく。
算出手段7は、測定されたフィルム保持面200の温度22℃からウエーハ保持面501aの温度21℃を引いた差=温度差Td2=1℃を算出する。次いで、算出手段7は算出した温度差Td1=1℃を基に、図3に示すデータ表70を参照して、フィルム保持面200の温度依存度を25%と決定し、ウエーハ保持面501aの温度依存度を75%と決定する。
次いで、算出手段7は、先に示した式1を実行して、(22℃−20℃)×25%=0.5℃、すなわち、フィルム保持面200の影響温度を0.5℃と算出する。
また、算出手段7は、先に示した式2を実行して、(21℃−20℃)×75%=0.75℃、すなわち、ウエーハ保持面501aの影響温度を0.75℃と算出する。
さらに、算出手段7は、前出の式3を実行して、0.5℃+0.75℃+20℃=21.25℃、すなわち、紫外線硬化樹脂Jの予測温度を21.25℃と算出する。そして、算出手段7は、算出した紫外線硬化樹脂Jの予測温度(21.25℃)についての情報を制御手段8に送信する。なお、図6に二点鎖線で示すグラフG5は、保護部材を複数枚のウエーハWに形成する場合のフィルムF上の紫外線硬化樹脂Jの予測される温度を示すグラフである。
制御手段8は、図5に示す相関関係データ80を参照し、紫外線硬化樹脂Jの予測温度(21.25℃)に対応する押し力が約3460Nであると決定する。そして相関関係データ80を参照して定める押し力(3460N)と押し力測定部53が測定する押し力とが一致するように拡張手段51を制御する。すなわち、例えば、押し力測定部53が測定する押し力が3500Nとなっている場合には、図示しないパルス信号発振器からモータ512に送出するパルス信号数を減少させることで、モータ512の回転数を下げて拡張手段51によるフィルムF上の紫外線硬化樹脂Jを押し広げる押し力を減少させて3460Nにする。
このようにして、拡張手段51を制御しながらウエーハWの一方の面Waで紫外線硬化樹脂Jを所定の押し力(3460N)で押し広げ、ウエーハWの一方の面Waの全面に紫外線硬化樹脂Jを所定の厚みをもたせて拡張する。その後、硬化手段22が、所定の厚みに拡張された紫外線硬化樹脂Jに向けて紫外線を照射することで、所定の均等な厚みの保護部材を2枚目のウエーハWの一方の面Waに形成することができる。そして、保護部材が形成されたウエーハWは、余分なフィルムF部分がカットされた後、カセット104dに収容される。
連続的に3枚目のウエーハWに保護部材を形成すべく、保持手段50のウエーハ保持面501aで3枚目のウエーハWの他方の面Wbが吸引保持される。また、新しいフィルムFがフィルム保持面200上に吸引保持される。
フィルム載置手段21がフィルム保持面200にフィルムFを載置するのと並行して、フィルム保持面温度測定部23がフィルム保持面200の温度を測定すると、さらに蓄熱したフィルム保持面200の温度は、図6のグラフG3が示すように約24℃となる。
図2に示すように、フィルムF上に紫外線硬化樹脂Jが所定量供給される。次いで、保持手段50が下降することでウエーハWの一方の面Waによって下方に押圧された紫外線硬化樹脂Jは、三枚目のウエーハWの径方向に拡張されていく。また、押し力測定部53で紫外線硬化樹脂Jを押し広げる押し力を測定するとともに、ウエーハ保持面温度測定部52でウエーハ保持面501aの表面温度を測定する。ウエーハ保持面温度測定部52が測定するウエーハ保持面501aの温度は、例えば、図6のグラフG4が示すように約22℃となる。
算出手段7は、測定されたフィルム保持面200の温度24℃からウエーハ保持面501aの温度22℃を引いた差=温度差Td3=2℃を算出する。次いで、算出手段7は算出した温度差Td3=2℃を基に、図3に示すデータ表70を参照して、フィルム保持面200の温度依存度を30%と決定し、ウエーハ保持面501aの温度依存度を70%と決定する。
次いで、算出手段7は、前出の式1を実行して、(24℃−20℃)×30%=1.2℃、すなわち、フィルム保持面200の影響温度を1.2℃と算出する。
また、算出手段7は、前出の式2を実行して、(22℃−20℃)×70%=1.4℃、すなわち、ウエーハ保持面501aの影響温度を1.4℃と算出する。
さらに、算出手段7は、前出の式3を実行して、1.2℃+1.4℃+20℃=22.6℃、すなわち、紫外線硬化樹脂Jの予測温度を22.6℃と算出する。
制御手段8は、図5に示す相関関係データ80を参照し、算出された紫外線硬化樹脂Jの予測温度(22.6℃)に対応する押力が約3420Nであると決定する。そして相関関係データ80を参照して定める押し力(3420N)と押し力測定部53が測定する押し力とが一致するように拡張手段51を制御する。
このようにして、拡張手段51を制御しながらウエーハWの一方の面Waで紫外線硬化樹脂Jを所定の押し力(3420N)で押し広げ、ウエーハWの一方の面Waの全面に紫外線硬化樹脂Jを所定の厚みをもたせて拡張し、その後、硬化手段22が、所定の厚みに拡張された紫外線硬化樹脂Jに向けて紫外線を照射することで、所定の厚みの保護部材を三枚目のウエーハWの一方の面Waに形成することができる。そして、保護部材が形成された三枚目のウエーハWは、カセット104dに収容される。
以下上記と同様にして、連続的に4枚目〜6枚目のウエーハWに保護部材を形成していく。さらに、連続的に保護部材が形成される最後のウエーハW、すなわち、本実施形態においては7枚目のウエーハWの他方の面Wbが、保持手段50のウエーハ保持面501aで吸引保持される。また、新たなフィルムFがフィルム保持面200上に載置され吸引保持される。
フィルム載置手段21がフィルム保持面200にフィルムFを載置するのと並行して、フィルム保持面温度測定部23がフィルム保持面200の温度を測定すると、フィルム保持面200の温度は、図6のグラフG3が示すように約24℃となる。
図2に示すように、フィルムF上に紫外線硬化樹脂Jが所定量供給される。次いで、保持手段50が下降することでウエーハWの一方の面Waによって下方に押圧された紫外線硬化樹脂Jは、7枚目のウエーハWの径方向に拡張される。押し力測定部53で紫外線硬化樹脂Jを押し広げる押し力を測定するとともに、ウエーハ保持面温度測定部52でウエーハ保持面501aの表面温度を測定する。ウエーハ保持面温度測定部52が測定するウエーハ保持面501aの温度は、例えば、図6のグラフG4が示すように26℃となる。
算出手段7は、測定されたフィルム保持面200の温度24℃からウエーハ保持面501aの温度26℃を引いた差=温度差Td7=−2℃を算出する。次いで、算出手段7は算出した温度差Td7=−2℃を基に、図3に示すデータ表70を参照して、フィルム保持面200の温度依存度を10%と決定し、ウエーハ保持面501aの温度依存度を90%と決定する。
次いで、算出手段7は、前出の式1を実行して、(24℃−20℃)×10%=0.4℃、すなわち、フィルム保持面200の影響温度を0.4℃と算出する。
また、算出手段7は、前出の式2を実行して、(26℃−20℃)×90%=5.4℃、すなわち、ウエーハ保持面501aの影響温度を5.4℃と算出する。
さらに、算出手段7は、前出の式3を実行して、0.4℃+5.4℃+20℃=25.8℃、すなわち、紫外線硬化樹脂Jの予測温度を25.8℃と算出する。
制御手段8は、図5に示す相関関係データ80を参照し、算出された紫外線硬化樹脂Jの予測温度(25.8℃)に対応する押力が約3300Nであると決定する。そして相関関係データ80を参照して定める押し力(3300N)と押し力測定部53が測定する押し力とが一致するように拡張手段51を制御する。
このようにして、拡張手段51を制御しながらウエーハWの一方の面Waで紫外線硬化樹脂Jを所定の押し力(3300N)で押し広げ、ウエーハWの一方の面Waの全面に紫外線硬化樹脂Jを所定の厚みをもたせて拡張し、その後、硬化手段22が、所定の厚みに拡張された紫外線硬化樹脂Jに向けて紫外線を照射することで、所定の厚みの保護部材を7枚目のウエーハWの一方の面Waに形成することができる。そして、保護部材が形成されたウエーハWは、カセット104dに収容される。
上記のように本発明に係る保護部材形成装置1は、拡張手段51がフィルムF上の紫外線硬化樹脂Jを押し広げる押し力を測定する押し力測定部53と、ウエーハWを保持するウエーハ保持面501aの温度を測定するウエーハ保持面温度測定部52と、フィルムFを保持するフィルム保持面200の温度を測定するフィルム保持面温度測定部23と、フィルム保持面温度測定部23が測定した温度とウエーハ保持面温度測定部52が測定した温度との温度範囲内でフィルムFに供給された紫外線硬化樹脂Jの予測温度を算出する算出手段7と、算出手段7が算出した予測温度を用いて、所定の厚みで保護部材を形成するための樹脂の温度と押し力との相関関係データ80を参照して定める押し力と押し力測定部53が測定する押し力とが一致するように拡張手段51を制御する制御手段8とを備えている。そのため、例えば、連続的に複数枚(本実施形態においては計7枚)のウエーハWに保護部材を形成する場合に、フィルムF上に供給された紫外線硬化樹脂Jがガラスステージ20のフィルム保持面200及び保持手段50のウエーハ保持面501aから熱を吸収してしまいその温度が上昇しても、算出手段7で紫外線硬化樹脂Jの予測温度を算出し、算出手段7が算出した紫外線硬化樹脂Jの予測温度に応じた好適な押し力で紫外線硬化樹脂JをウエーハWの一方の面Waの全面に押し広げて、所定の均等な厚みを有する保護部材を形成することができる。
なお、本発明に係る保護部材形成装置1は上記実施形態に限定されるものではなく、添付図面に図示されている保護部材形成装置1の各構成についても、これに限定されず、本発明の効果を発揮できる範囲内で適宜変更可能である。
上記実施形態での液状の紫外線硬化樹脂Jは、温度管理されていなくても良い。
例えば、紫外線硬化樹脂Jの供給源となるタンクもしくは樹脂供給ノズル300で紫外線硬化樹脂Jの温度を測定して、その測定した温度を基準温度としてもよい。
また、基準温度は、フィルム保持面温度測定部23からみた紫外線硬化樹脂Jの温度、ウエーハ保持面温度測定部52からみた紫外線硬化樹脂Jの温度を表している。
1:保護部材形成装置 100:筐体 101:装置ベース 102:コラム
103:支持ベース
104:カセット収容本体 104a、104b:収容スペース
104c、104d:カセット 105a:第1支持台 105b:第2支持台
106:ウエーハ検出部 107:フィルムカッター
108a:第1ウエーハ搬送手段 108b:X軸方向移動手段
109a:第2ウエーハ搬送手段 109b:Y軸方向移動手段
11:フィルム供給手段 F:フィルム FR:フィルムロール
20:ガラスステージ 200:フィルム保持面 201:凸部
21:フィルム載置手段 210:アーム部 211:クランプ部
22:硬化手段 23:フィルム保持面温度測定部
30:樹脂供給手段 300:樹脂供給ノズル 300a:供給口 301:ディスペンサ 302:接続管
50:保持手段 500:ホイール 501:保持部 501a:ウエーハ保持面 502:ホイール支持部
51:拡張手段 510:ボールネジ 511:ガイドレール 512:モータ 513:昇降ホルダ
52:ウエーハ保持面温度測定部
53:押し力測定部
7:算出手段 70:データ表
8:制御手段 80:相関関係データ

Claims (1)

  1. ウエーハの一方の面の全面に押し広げた紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して硬化させて保護部材を形成する保護部材形成装置であって、
    フィルムを保持するフィルム保持面を有するガラスステージと、
    該ガラスステージが保持したフィルムの上に所定量の紫外線硬化樹脂を供給する樹脂供給手段と、
    該ガラスステージのフィルム保持面に対面してウエーハの他方の面を吸引保持するウエーハ保持面を有する保持手段と、
    該保持手段を該ガラスステージに向かって降下させ該保持手段が保持したウエーハでフィルムの上に供給した紫外線硬化樹脂を押し広げる拡張手段と、
    該拡張手段によりウエーハの一方の面の全面に押し広げられた紫外線硬化樹脂に紫外線を照射させ硬化させる硬化手段と、
    該拡張手段が該フィルム上の紫外線硬化樹脂を押し広げる押し力を測定する押し力測定部と、
    ウエーハを保持する該ウエーハ保持面の温度を測定するウエーハ保持面温度測定部と、
    該フィルムを保持する該フィルム保持面の温度を測定するフィルム保持面温度測定部と、
    該フィルム保持面温度測定部が測定した温度と該ウエーハ保持面温度測定部が測定した温度との温度範囲内で該フィルムに供給された紫外線硬化樹脂の予測温度を算出する算出手段と、
    該算出手段が算出した予測温度を用いて、所定の厚みで保護部材を形成するための樹脂の温度と押し力との相関関係データを参照して定める押し力と該押し力測定部が測定する押し力とが一致するように該拡張手段を制御する制御手段とを備え、所定の厚みの該保護部材を形成する保護部材形成装置。
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