JP6250369B2 - ウェーハの加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ウェーハの表面にデバイスが形成されたウェーハの加工方法に関する。
近年、半導体デバイスの微細化に伴い、半導体基板の表面に半導体デバイスを形成したデバイスウェーハが実用化されている。デバイスウェーハは、シリコンやガリウム砒素等の半導体基板の表面に、SiOF、BSG等の無機物系膜あるいはパリレン系ポリマー等の有機物系膜からなるLow−k膜(低誘電率絶縁膜)と、回路を形成する機能膜とを積層して形成される。Low−k膜は非常に脆く、切削ブレードを用いたメカニカルダイシングではLow−k膜が剥離し、デバイスを破損させてしまうおそれがあった。
従来、この種のデバイスウェーハを良好に分割するために、レーザーダイシングとメカニカルダイシングとを組み合わせた加工方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。このウェーハの加工方法では、ウェーハの表面側からレーザー光線を照射してLow−k膜と機能膜とを分断したレーザー加工溝を形成し、切削ブレードを用いてレーザー加工溝の底面から露出した基板表面を切削している。このような加工により、Low−k膜の膜剥がれを防止しつつ、デバイスウェーハが個々のデバイスに分割される。
一方で、近年のストリート幅の狭小化に伴い、ストリート(分割予定ライン)に沿って切削ブレードで切削することが困難になっている。このように、ストリート幅が狭小な場合には、ウェーハを透過する波長のレーザー光線をウェーハの裏面側からウェーハ内部に照射して改質層を形成し、改質層を起点として分割する加工方法が提案されている(例えば、特許文献2)。特許文献2に記載の加工方法では、改質層が形成されたウェーハにエキスパンドテープが貼着され、このエキスパンドテープが拡張されることによってウェーハに外力が付与されて各デバイスに分割される。
特開2005−150523号公報 特開2011−243875号公報
ところで、特許文献1及び特許文献2に記載のウェーハの加工方法においては、レーザー加工装置を用いる必要があるため、装置コストが増大するという問題があった。このため、比較的安価な切削装置でこれらのウェーハを加工することも考えられている。しかしながら、Low−k膜等が形成されたウェーハを切削加工する場合には、切削ブレードでウェーハを切り込み過ぎるとLow−k膜が剥離するおそれがある。また、ストリートの幅が狭小なウェーハを切削加工する場合には、ブレーキングによってウェーハを分割するため、切削ブレードでウェーハに僅かな厚みを残した深さまで切り込む必要があるが、ウェーハの切り込み深さを高精度に調整することが困難であった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、Low−k膜等が形成されたウェーハや、ストリートの幅が狭小なウェーハを切削ブレードで精度よく加工することができるウェーハの加工方法を提供することを目的とする。
本発明のウェーハの加工方法は、基板の表面にデバイスが分割予定ラインによって区画されて形成されたウェーハを、分割予定ラインに沿って加工するウェーハの加工方法であって、ウェーハの表面変位を測定手段で測定し、ウェーハの表面変位のマッピングデータを形成する測定工程と、測定工程を実施した後に、切削ブレードをウェーハの表面位置を基準に所定深さ切り込みつつ分割予定ラインに沿ってウェーハを切削して基板に切削溝を形成する切削溝形成工程と、を備え、測定工程においては、切削溝形成工程にてウェーハを切削する際に使用するチャックテーブル上にウェーハを保持し切削溝形成工程における切削水と同温度の定温水を測定手段と定温水供給手段とから供給してウェーハの露呈面全面を定温水で浸しながらウェーハの表面変位が切削溝形成工程時と同じ状態になるようにしてウェーハの表面変位の測定を行い、切削溝形成工程においては、マッピングデータに基づき表面位置を基準に切削ブレードを所定深さに切り込むように、ウェーハに対して垂直方向に切削ブレードを調整しながら切削を行うこと、を特徴とする。
この構成によれば、ウェーハの表面変位に切削ブレードの切り込み深さが追従されるため、ウェーハの厚さバラツキ、チャックテーブルの表面バラツキ等を考慮した切削溝を精度よく形成することができる。このとき、測定工程では、切削溝形成工程における切削水と同温度の定温水に浸された状態でウェーハの表面変位が測定され、切削溝形成工程では、その測定結果(表面変位)に基づいて切削ブレードが制御される。このように、測定工程と切削溝形成工程における温度の違いに起因した表面バラツキの変化が考慮された状態で、ウェーハの表面変位に切削ブレードが追従される。よって、切削ブレードによる切り込みバラツキが極力抑えられ、Low−k膜等が形成されたウェーハや、ストリートの幅が狭小なウェーハのような高い加工精度が要求されるウェーハを高精度に加工できる。
また本発明の上記ウェーハの加工方法において、測定手段は、切削ブレードの切削送り方向の上流側に切削ブレードに隣接して配設されており、分割予定ライン毎に測定工程と切削溝形成工程とを連続的に実施する。
また本発明の上記ウェーハの加工方法において、切削溝形成工程を実施する前に、ウェーハの裏面側に保護テープを貼着する保護テープ貼着工程を実施し、測定工程においては、切削溝形成工程にてウェーハを切削する際に使用するチャックテーブル上に保護テープ側を保持し、ウェーハの表面側を露呈させて測定手段で表面変位を測定し、切削溝形成工程においては、露呈したウェーハの表面から所定深さ切り込み、表面に切削溝を形成する。
また本発明の上記ウェーハの加工方法において、切削溝形成工程を実施する前に、ウェーハの表面側に保護テープを貼着する保護テープ貼着工程を実施し、測定工程においては、切削溝形成工程にてウェーハを切削する際に使用するチャックテーブル上に保護テープ側を保持し、測定手段で露呈したウェーハの裏面側からウェーハを透過してウェーハの表面変位を測定し、切削溝形成工程においては、露呈したウェーハの裏面側から切削ブレードで表面から所定厚さを残した深さで切り込み、裏面に切削溝を形成する。
本発明によれば、切削水と同温度の定温水を供給しながらウェーハの表面変位を測定し、その測定結果を基に切削ブレードの切り込み深さを調整することで、Low−k膜等が形成されたウェーハや、ストリートの幅が狭小なウェーハを精度よく加工することができる。
第1の実施の形態に係る切削装置の斜視図である。 第1の実施の形態に係る測定手段の断面模式図である。 第1の実施の形態に係る保護テープ貼着工程の一例を示す図である。 第1の実施の形態に係る測定工程の一例を示す図である。 第1の実施の形態に係る切削溝形成工程の一例を示す図である。 第1の実施の形態に係る測定工程及び切削溝形成工程の他の一例を示す図である。 第2の実施の形態に係る測定工程の一例を示す図である。 第2の実施の形態に係る切削溝形成工程の一例を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本実施の形態に係るウェーハの加工方法について説明する。図1は、第1の実施の形態に係るウェーハの加工方法に用いられる切削装置の斜視図である。図2は、第1の実施の形態に係る測定手段の断面模式図である。なお、第1の実施の形態に係るウェーハの加工方法で用いられる切削装置は、図1に示す構成に限定されない。ここでは、一対の切削ブレードを備えた切削装置を例示するが、この構成に限定されない。本発明は、被加工物に切削溝を形成可能な切削装置であれば、どのような切削装置にも適用可能である。
図1に示すように、切削装置1は、ウェーハWの表面変位を測定し、切削ブレード43の切り込み深さをウェーハWの表面変位に追従させながら切削加工するように構成されている。ウェーハWは、略円板状の基板81上に、Low−k膜(低誘電率絶縁膜)と回路を形成する機能膜とからなる積層体82(デバイス)を積層して形成される(図2参照)。積層体82は、格子状に配列された分割予定ライン83(図3参照)によって複数の領域に区画されている。
ウェーハWには保護テープTが貼着されており、この保護テープTの外周には環状の支持フレームFが貼着されている。ウェーハWは、保護テープTを介して支持フレームFに支持された状態でカセット(不図示)に収容され、カセットによって切削装置1に搬入される。なお、本実施の形態においては、シリコンウェーハ、ガリウムヒソ等の半導体基板上にLow−k膜と機能膜を積層したウェーハWを例に挙げて説明するが、この構成に限定されるものではない。切削ブレード43の加工対象になるウェーハWであれば、どのようなウェーハWでもよく、例えば、Low−k膜と機能膜以外の膜が形成されてもよい。
基台2の上面中央は、X軸方向に延在するように矩形状に開口されており、この開口を覆うように移動板21及び防水カバー22が設けられている。移動板21上には、Z軸回りに回転可能なチャックテーブル3が設けられている。防水カバー22及び移動板21の下方には、チャックテーブル3をX軸方向に移動させるボールねじ式の移動機構(不図示)が設けられている。チャックテーブル3の上面には、ポーラスセラミック材によりウェーハWの裏面を吸引保持する保持面31が形成されている。チャックテーブル3の周囲には、ウェーハWの周囲の支持フレームFを挟持固定する4つのクランプ部32が設けられている。
基台2の上面には、カセット(不図示)が載置されるエレベータ手段6と加工済みのウェーハWが洗浄される洗浄手段7が設けられている。エレベータ手段6では、昇降機構(不図示)によってカセット内のウェーハWの出し入れ位置が調整される。洗浄手段7では、ウェーハWを保持したスピンナテーブル71が基台2内に降下され、基台2内で洗浄水が噴射されてウェーハWが洗浄された後、乾燥エアが吹き付けられてウェーハWが乾燥される。基台2の上方には、カセット、チャックテーブル3、洗浄手段7の相互間でウェーハWを搬送する1つ又は複数の搬送手段(不図示)が設けられている。
また、基台2の上面には、X軸方向に延在する開口を跨ぐように立設した門型の柱部23が設けられている。門型の柱部23には、チャックテーブル3上のウェーハWに対して切削加工を施す切削機構4が設けられている。切削機構4には、チャックテーブル3に対して一対の切削手段41をY軸方向及びZ軸方向に移動させるボールねじ式の移動機構5が設けられている。
移動機構5は、柱部23の前面に対してY軸方向に平行な一対のガイドレール51と、一対のガイドレール51にスライド可能に設置されたモータ駆動の一対のY軸テーブル52を有している。また、移動機構5は、各Y軸テーブル52の前面に配置されたZ軸方向に平行な一対のガイドレール53と、このガイドレール53にスライド可能に設置されたモータ駆動のZ軸テーブル54とを有している。各Z軸テーブル54の下部には切削手段41が設けられている。
各Y軸テーブル52の背面側には、図示しないナット部が形成され、これらナット部にボールネジ55が螺合されている。また、各Z軸テーブル54の背面側には、図示しないナット部が形成され、これらナット部にボールネジ56が螺合されている。Y軸テーブル52用のボールネジ55、Z軸テーブル54用のボールネジ56の一端部には、それぞれ駆動モータ57、58が連結されている。これら駆動モータ57、58によりボールネジ55、56が回転駆動されることで、一対の切削手段41がガイドレール51、53に沿ってY軸方向及びZ軸方向に移動される。
一対の切削手段41の切削ブレード43は、スピンドルユニット46のスピンドル軸(不図示)の先端に設けられている。一方の切削手段41の切削ブレード43は、他方の切削手段41の切削ブレード(不図示)よりもブレード幅が厚く形成されている。切削機構4では、この厚みの異なる2種類の切削ブレード43を用いて切削水を噴射しながらウェーハWの切削が段階的に行われる。すなわち、幅広の切削ブレード43で分割予定ライン83に沿って浅溝(切削溝)86が形成され(図5参照)、この浅溝86に沿って細幅の切削ブレード43でフルカットされる。
本実施の形態に係る切削装置1では、切削ブレード43の先端形状だけを用いて浅溝86が形成されることで、ウェーハWの表面から積層体82(図2参照)が除去される。このとき、切削ブレード43によってウェーハWを切り込み過ぎると、ウェーハWの表面に膜剥がれが生じる。このため、幅広の切削ブレード43でLow−k膜等を除去する際には、切削ブレード43の下降量を精度よく調整しなければならない。ウェーハWには、ウェーハWの厚みバラツキ、チャックテーブル3の表面バラツキ等によって表面変位が生じるため、本実施の形態では切削加工される前に測定手段45でウェーハW(分割予定ライン83)の表面変位を測定している。
測定手段45は、切削手段41の切削送り方向(X軸方向)に隣接するようにZ軸テーブル54に配設されている。測定手段45の詳細については後述するが、測定手段45の測定結果によってウェーハWの表面変位のマッピングデータが形成される。マッピングデータは、例えば、分割予定ライン83(図2参照)上の座標と表面位置(高さ)とが関連付けられている。マッピングデータに基づいて、ウェーハWに対する切削ブレード43の切り込み深さが分割予定ライン83の表面変位に追従される。この結果、表面変位にバラツキが生じていても、切削ブレード43の切り込みがウェーハWの表面84から適切な深さに調整され、ウェーハWの膜剥がれが効果的に防止される(図5参照)。
ところで、ウェーハWの表面変位のバラツキは、チャックテーブル3の上面等の温度変化によっても変化する。例えば、チャックテーブル3は、切削加工時のように切削水に浸された状態と、切削水に浸されていない状態では表面バラツキが変化する。このため、本実施の形態では、ウェーハWの表面変位が切削加工時と同じ状態になるように、定温水供給手段47によって切削水と同温度の定温水でウェーハWを浸しながらウェーハWの表面変位を測定している。
定温水供給手段47は、切削ブレード43の切削送り方向(X軸方向)上流側において、基台2中央の開口を横切るように管状に形成される。また、定温水供給手段47の下方をチャックテーブル3が通り抜けられるように、管状の定温水供給手段47の両端部が基台2の上方で支持されている。定温水供給手段47内には、定温水の流路が形成されており、低温水供給源(不図示)に接続されている。また、定温水供給手段47の外周面には、多数のノズル471が横一列に並んで形成され、多数のノズル471から定温水がウェーハWの表面84に向かって定温水が噴射される(図4参照)。
ここで、図2を参照して、測定手段45について詳細に説明する。図2に示すように、測定手段45は下面が開口した筒状のケース451を備えている。ケース451の内部は、ケース451の先端側に設けたガラス板452によって上下に仕切られている。ガラス板452よりも上側の空間には、ウェーハWからの反射光によってウェーハWの表面変位を測定する分光干渉計453が設けられている。ガラス板452よりも下側の空間454は、ケース451の開口を介して外部に連通されている。
ケース451の内部には、分光干渉計453の側方に定温水用の配管455が配設されている。配管455の先端はガラス板452に接続され、空間454に向けて開口されている。また、配管455には、定温水供給手段47と同様に定温水供給源から定温水が供給される。上記したように、ウェーハWの表面変位は、ウェーハWを定温水で浸した状態で測定される。このため、分光干渉計453の下方の空間454にも空気が残らないように、配管455を通じて空間454に定温水が供給される。このように、ウェーハWの表面変位は、空間454を定温水で満たした状態で測定される。
なお、本実施の形態では、測定手段45として分光干渉計453を例示して説明したが、この構成に限定されない。測定手段45は、ウェーハWを定温水で浸しながら測定可能であれば、どのように構成されていてもよい。また、本実施の形態では、測定手段45と定温水供給手段47とが同一の定温水供給源から定温水が供給される構成としたが、別々の定温水供給源から定温水が供給されてもよい。また、測定手段45及び定温水供給手段47には、切削水供給源(不図示)から切削水が定温水として供給されてもよい。
以下、図3から図6を参照して、本実施の形態に係るウェーハの加工方法について詳細に説明する。図3は保護テープ貼着工程、図4は測定工程、図5は切削溝形成工程のそれぞれ一例を示す図であり、図6は測定工程及び切削溝形成工程の他の一例を示す図である。なお、図4及び図6については、説明の便宜上、Y軸方向に延びる分割予定ラインを省略して記載している。
図3に示すように、先ず保護テープ貼着工程が実施される。保護テープ貼着工程では、環状の支持フレームFの内側開口部を覆うように保護テープTが貼着され、保護テープTの貼着面88にウェーハWの裏面85が貼着される。ウェーハWは、保護テープTを介して支持フレームFに支持される。なお、保護テープ貼着工程は、オペレータによる手作業で実施されてもよいし、不図示の保護テープ貼着装置によって行われてもよい。保護テープTの貼着後のウェーハWは切削装置1(図1参照)に搬入される。
図4に示すように、保護テープ貼着工程が実施された後には、測定工程が実施される。測定工程では、チャックテーブル3の保持面31上に保護テープTを介してウェーハWの裏面85が保持され、ウェーハWの表面84側が露呈された状態となっている。また、ウェーハW周囲の支持フレームFがクランプ部32によって保持される。チャックテーブル3の一端側の上方には定温水供給手段47が位置付けられ、チャックテーブル3の他端側の上方には測定手段45が位置付けられている。そして、定温水供給手段47のノズル471から斜め下方に定温水が噴射され、ウェーハWの一端から他端に向かって定温水の流れが形成される。
これにより、ウェーハWの表面84(露呈面)に定温水の層が作られ、表面84全体が定温水に浸された状態となる。この状態で測定手段45がウェーハWの分割予定ライン83に沿って相対移動され、測定手段45によって分割予定ライン83の表面変位が測定される。このように、ウェーハWの表面変位の測定時にもウェーハWの表面が切削水と同温度の定温水に浸されるため、ウェーハWの測定時と切削時の温度の違いに起因したチャックテーブル3の上面高さのバラツキ等が極力抑えられる。よって、測定手段45によって切削加工時のウェーハWの表面変位と近い測定結果が得られ、測定結果からウェーハWの表面変位を示すマッピングデータが作成される。
図5に示すように、測定工程が実施された後には、切削溝形成工程が実施される。切削溝形成工程では、ウェーハWの径方向外側において分割予定ライン83に対して切削ブレード43が位置合わせされ、ウェーハWの表面84からの切削ブレード43の深さ位置が調整される。そして、切削水が噴射されながら、高速回転する切削ブレード43に対してチャックテーブル3上のウェーハWが切削送りされる。これにより、切削ブレード43の先端形状だけを用いてウェーハWの表面84側から積層体82が除去され、ウェーハWの基板81に分割予定ライン83に沿った浅溝86が形成される。
このとき、マッピングデータに基づきウェーハWの表面位置を基準に切削ブレード43で所定深さ切り込むように、ウェーハWに対して垂直方向に切削ブレード43の位置が調整される。マッピングデータは、切削加工時の切削水による温度変化を想定した測定結果から作成されている。このため、ウェーハWの表面変位に切削ブレード43の切り込み深さを高精度に追従させることができる。よって、切削ブレード43の切り込みバラツキを極力抑えることができ、ウェーハWに対して切削ブレード43が切り込まれ過ぎることがない。よって、浅溝86の形成時にウェーハWの表面84の膜剥がれを防止することができる。
切削溝形成工程の後には、浅溝86よりも細幅の切削ブレード43を用いて、浅溝86に沿ってウェーハWがフルカットされる。これにより、ウェーハWが個々のデバイスチップに分割される。
なお、本実施の形態においては、全ての分割予定ライン83について測定工程が実施された後に、全ての分割予定ライン83について切削溝形成工程が実施される構成としたが、この構成に限定されない。図6に示すように、分割予定ライン83毎に測定工程と切削溝形成工程とが連続的に実施されてもよい。この場合、切削ブレード43の切削送り方向の上流側に隣接して測定手段45が配設されており、先行する測定手段45でウェーハWの表面変位を測定させつつ、後続の切削ブレード43でウェーハWを切削する。先行する測定手段45の測定直後に、測定結果に基づいて後続の切削ブレード43で切削させて、効率よく加工することが可能になっている。
以上のように、第1の実施の形態に係る切削装置1によれば、ウェーハWの表面変位に切削ブレード43の切り込み深さを追従させるため、ウェーハWの厚さバラツキ、チャックテーブル3の表面バラツキ等の誤差を考慮した切削溝を精度よく形成することができる。このとき、測定工程では、切削溝形成工程における切削水と同温度の定温水に浸された状態でウェーハWの表面変位が測定され、切削溝形成工程では、その測定結果(表面変位)に基づいて切削ブレード43が制御される。このように、測定工程と切削溝形成工程における温度の違いに起因した表面バラツキの変化が考慮された状態で、ウェーハWの表面変位に切削ブレード43が追従される。よって、切削ブレード43による切り込みバラツキが極力抑えられ、Low−k膜等が形成されたウェーハWを高精度に加工できる。
次に、図7及び図8を参照して、第2の実施の形態に係るウェーハの加工方法について説明する。図7は、第2の実施の形態に係る測定工程の一例を示す図である。図8は、第2の実施の形態に係る切削溝形成工程の一例を示す図である。第2の実施の形態においては、ウェーハの裏面側に保護テープが貼着されており、ウェーハの表面側に所定厚さを残すように、ウェーハの裏面側から深く切り込まれる点でのみ第1の実施の形態と相違している。したがって、主に相違点について詳細に説明する。なお、第2の実施の形態では、ストリート幅が狭小のウェーハを例示して説明する。
図7に示すように、測定工程では、保護テープTを介してウェーハWの表面84がチャックテーブル3の保持面31上に保持され、ウェーハWの裏面85が露呈された状態となっている。定温水供給手段47から斜め下方に定温水が噴射され、ウェーハWの裏面(露呈面)85全体が定温水に浸された状態となる。この状態で、測定手段45によってウェーハWの裏面85側からウェーハWを透過してウェーハWの表面変位が測定される。
第2の実施の形態に係る測定手段45は、ウェーハWを透過する超音波やレーザー光によってウェーハWの表面変位を測定する超音波変位計やレーザー変位計等で構成されている。ウェーハWの裏面85が切削水と同温度の定温水に浸された状態でウェーハWの表面変位が測定されるため、ウェーハWの測定時と切削時の温度の違いに起因したチャックテーブル3の上面高さのバラツキ等が極力抑えられる。よって、測定手段45によって切削加工時のウェーハWの表面変位と近い測定結果が得られ、測定結果からウェーハWの表面変位を示すマッピングデータが作成される。
図8に示すように、第2の実施の形態においては、ストリート幅が狭小のウェーハW用の切削ブレード44が使用される。切削溝形成工程では、ウェーハWの径方向外側において分割予定ライン83に対して切削ブレード44が位置合わせされ、ウェーハWの表面84からの切削ブレード44の高さ位置が調整される。そして、切削水が噴射されながら、高速回転する切削ブレード44に対してチャックテーブル3上のウェーハWが切削送りされる。これにより、ウェーハWの表面84から所定厚さを残した深さで切削ブレード44によって切り込まれ、ウェーハWの裏面85に分割予定ライン83に沿った深溝(切削溝)87が形成される。
このとき、マッピングデータに基づきウェーハWの表面位置を基準に切削ブレード44でウェーハWの表面84側に所定の厚さを残すように、ウェーハWに対して垂直方向に切削ブレード44の位置が調整される。マッピングデータは、切削加工時の切削水による温度変化を想定した測定結果から作成されているため、ウェーハWの表面変位に切削ブレード44の切り込み深さを高精度に追従させることができる。よって、切削ブレード44の切り込みバラツキを極力抑えることができ、ウェーハWの表面84側の切り残し量を略一定にすることができる。よって、深溝87の形成時にウェーハWの表面84側に、後段のブレーキング加工に適した厚さを残すことができる。
切削溝形成工程の後には、ウェーハWは不図示のブレーキング装置に搬入され、ウェーハWが分割予定ライン83に沿ってブレーキング加工されることで、個々のデバイスチップに分割される。
以上のように、第2の実施の形態に係るウェーハWの加工方法おいても、切削ブレード44による切り込みバラツキが極力抑えられる。よって、ストリート幅が狭小のウェーハWをブレーキングによって分割する際に、ウェーハWに僅かな厚さを残した深さまで切削ブレード44で高精度に切り込むことができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
例えば、上記した実施の形態においては、マッピングデータは、分割予定ライン83上の座標と表面位置(高さ)とが関連付けられることで形成される構成としたが、この構成に限定されない。マッピングデータは、ウェーハWの表面84の全面における座標と表面位置(高さ)とが関連付けられることで形成されてもよい。
また、上記した実施の形態において、定温水供給手段47は、ウェーハWに向けて一定方向に定温水を噴射する構成としたが、この構成に限定されない。定温水供給手段47は、チャックテーブル3の移動に合わせて、ノズル471の向きが動的に変更するように構成されてもよい。
また、上記した実施の形態において、定温水供給手段47は、外周面に多数のノズル471が横一列に並んで形成される構成されたが、この構成に限定されない。定温水供給手段47は、ウェーハWを定温水で浸すことができればよく、例えば、外周面にスリットが形成される構成としてもよい。
以上説明したように、本発明は、表面変位に合わせてウェーハを精度よく加工することができるという効果を有し、特に、Low−k膜等が形成されたウェーハや、ストリートの幅が狭小なウェーハの加工方法に有用である。
1 切削装置
3 チャックテーブル
41 切削手段
43、44 切削ブレード
45 測定手段
453 分光干渉計
47 定温水供給手段
83 分割予定ライン
84 ウェーハの表面
85 ウェーハの裏面
86 浅溝(切削溝)
87 深溝(切削溝)
T 保護テープ
W ウェーハ

Claims (4)

  1. 基板の表面にデバイスが分割予定ラインによって区画されて形成されたウェーハを、該分割予定ラインに沿って加工するウェーハの加工方法であって、
    ウェーハの表面変位を測定手段で測定し、ウェーハの表面変位のマッピングデータを形成する測定工程と、
    該測定工程を実施した後に、切削ブレードをウェーハの表面位置を基準に所定深さ切り込みつつ該分割予定ラインに沿ってウェーハを切削して該基板に切削溝を形成する切削溝形成工程と、を備え、
    該測定工程においては、該切削溝形成工程にてウェーハを切削する際に使用するチャックテーブル上にウェーハを保持し、該切削溝形成工程における切削水と同温度の定温水を該測定手段と定温水供給手段とから供給してウェーハの露呈面全面を該定温水で浸しながらウェーハの表面変位が該切削溝形成工程時と同じ状態になるようにしてウェーハの表面変位の測定を行い、
    該切削溝形成工程においては、該マッピングデータに基づき表面位置を基準に該切削ブレードを該所定深さに切り込むように、ウェーハに対して垂直方向に切削ブレードを調整しながら切削を行うこと、を特徴とするウェーハの加工方法。
  2. 該測定手段は、該切削ブレードの切削送り方向の上流側に該切削ブレードに隣接して配設されており、
    該分割予定ライン毎に該測定工程と該切削溝形成工程とを連続的に実施すること、を特徴とする請求項1記載のウェーハの加工方法。
  3. 該切削溝形成工程を実施する前に、ウェーハの裏面側に保護テープを貼着する保護テープ貼着工程を実施し、
    該測定工程においては、該切削溝形成工程にてウェーハを切削する際に使用するチャックテーブル上に該保護テープ側を保持し、ウェーハの表面側を露呈させて該測定手段で表面変位を測定し、
    該切削溝形成工程においては、露呈したウェーハの表面から所定深さ切り込み、該表面に切削溝を形成すること、を特徴とする請求項1又は2記載のウェーハの加工方法。
  4. 該切削溝形成工程を実施する前に、ウェーハの表面側に保護テープを貼着する保護テープ貼着工程を実施し、
    該測定工程においては、該切削溝形成工程にてウェーハを切削する際に使用するチャックテーブル上に該保護テープ側を保持し、該測定手段で露呈したウェーハの裏面側からウェーハを透過してウェーハの表面変位を測定し、
    該切削溝形成工程においては、露呈したウェーハの裏面側から切削ブレードで表面から所定厚さを残した深さで切り込み、該裏面に切削溝を形成すること、を特徴とする請求項1又は2記載のウェーハの加工方法。
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