JP2018120185A - 転写ロール、画像形成装置、転写装置及び転写ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】導電性樹脂層の長手方向両端部のヤング率が中央部より高い転写ロールの提供。【解決手段】支持部材112、導電性弾性層113、イミド系樹脂、導電剤、NMP、並びに、一般式(1)(2)から選ばれる少なくとも1種の尿素化合物を含有する導電性樹脂層114を備え、導電性樹脂層の長手方向中央部と各端部とで全固形分に占める化学物質の質量割合を比較した場合に、尿素化合物の質量割合は両端部が中央部より高く、NMPの質量割合は中央部が両端部より高い、転写ロール。一般式(1)において、R1及びR2は炭素数1以上3以下の飽和炭化水素基、nは2以上5以下の整数。一般式(2)において、R1及びR2は炭素数1以上3以下の飽和炭化水素基、R3及びR4は水素原子又は炭素数1以上3以下の飽和炭化水素基。【選択図】図1

Description

本発明は、転写ロール、画像形成装置、転写装置及び転写ユニットに関する。
電子写真方式の画像形成装置が備える転写ロールとして、例えば下記が知られている。
特許文献1には、表面に表面微小硬度がポリイミド樹脂に相当する値以上であるガード樹脂層を設け、ガード樹脂層の下地層としてガード樹脂層での電荷蓄積を抑える調整抵抗層を設けた転写部材が開示されている。
特開2009−175427号公報
本発明は、導電性樹脂層の長手方向において、中央部の全固形分に占める化学物質の質量割合と各端部の全固形分に占める化学物質の質量割合とを比較した場合に、尿素化合物の質量割合に差がなく且つN−メチル−2−ピロリドンの質量割合に差がない転写ロールに比べて、導電性樹脂層の長手方向において両端部のヤング率が中央部のヤング率より高い転写ロールを提供することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段には、下記の態様が含まれる。
請求項1に係る発明は、
支持部材と、
前記支持部材上に配置された導電性弾性層と、
前記導電性弾性層上に配置された、イミド系樹脂、導電剤、N−メチル−2−ピロリドン、並びに、下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の尿素化合物を含有する導電性樹脂層と、
を備え、
前記導電性樹脂層の長手方向において、中央部の全固形分に占める化学物質の質量割合と各端部の全固形分に占める化学物質の質量割合とを比較した場合に、前記尿素化合物の質量割合は両端部が中央部より高く、N−メチル−2−ピロリドンの質量割合は中央部が両端部より高い、転写ロール。

一般式(1)において、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1以上3以下の飽和炭化水素基を表し、nは2以上5以下の整数を表す。
一般式(2)において、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1以上3以下の飽和炭化水素基を表し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1以上3以下の飽和炭化水素基を表す。
請求項2に係る発明は、
前記尿素化合物が、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンである、請求項1に記載の転写ロール。
請求項3に係る発明は、
前記イミド系樹脂が、ポリイミド、ポリアミドイミド及びポリエーテルイミドから選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は請求項2に記載の転写ロール。
請求項4に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー像として現像する現像手段と、
記録媒体の表面に直に接する転写ロールとして、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の転写ロールを有し、前記像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体の表面に直接転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
請求項5に係る発明は、
記録媒体の表面に直に接する転写ロールとして、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の転写ロールを有し、像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体の表面に直接転写する転写装置。
請求項6に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー像として現像する現像手段と、
中間転写体と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー像を前記中間転写体の表面に転写する一次転写手段と、
記録媒体の表面に直に接する転写ロールとして、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の転写ロールを有し、前記中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に転写する二次転写手段と、
を備える画像形成装置。
請求項7に係る発明は、
中間転写体と、
像保持体の表面に形成されたトナー像を前記中間転写体の表面に転写する一次転写手段と、
記録媒体の表面に直に接する転写ロールとして、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の転写ロールを有し、前記中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に転写する二次転写手段と、
を備える転写ユニット。
請求項1、2又は3に記載の発明によれば、導電性樹脂層の長手方向において、中央部の全固形分に占める化学物質の質量割合と各端部の全固形分に占める化学物質の質量割合とを比較した場合に、尿素化合物の質量割合に差がなく且つN−メチル−2−ピロリドンの質量割合に差がない転写ロールに比べて、導電性樹脂層の長手方向において両端部のヤング率が中央部のヤング率より高い転写ロールが提供される。
請求項4又は5に記載の発明によれば、導電性樹脂層の長手方向において、中央部の全固形分に占める化学物質の質量割合と各端部の全固形分に占める化学物質の質量割合とを比較した場合に、尿素化合物の質量割合に差がなく且つN−メチル−2−ピロリドンの質量割合に差がない転写ロールに比べて、導電性樹脂層の長手方向において両端部のヤング率が中央部のヤング率より高い転写ロールを備えた、直接転写方式の画像形成装置又は転写装置が提供される。
請求項6又は7に記載の発明によれば、導電性樹脂層の長手方向において、中央部の全固形分に占める化学物質の質量割合と各端部の全固形分に占める化学物質の質量割合とを比較した場合に、尿素化合物の質量割合に差がなく且つN−メチル−2−ピロリドンの質量割合に差がない転写ロールに比べて、導電性樹脂層の長手方向において両端部のヤング率が中央部のヤング率より高い転写ロールを備えた、中間転写方式の画像形成装置又は転写ユニットが提供される。
本実施形態に係る転写ロールの一例を示す概略斜視図である。 本実施形態に係る転写ロールの一例を示す概略断面図であり、図1のA−A断面図である。 本実施形態に係る転写ロールが有する導電性樹脂層の一例を示す概略断面図である。 本実施形態に係る転写ロールが有する導電性樹脂層の一例を示す概略断面図である。 本実施形態に係る転写ロールが有する導電性樹脂層の一例を示す概略断面図である。 第1実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 第2実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
以下に、発明の実施形態を説明する。これらの説明及び実施例は実施形態を例示するものであり、発明の範囲を制限するものではない。
本明細書において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
本明細書において、転写ロールが備える各層の「長手方向」とは、転写ロールの「軸方向」と平行な方向である。本明細書において、転写ロールの「軸方向」とは、転写ロールの回転軸の方向を意味する。
<転写ロール>
本実施形態に係る転写ロールは、支持部材と、支持部材上に配置された導電性弾性層と、導電性弾性層上に配置された導電性樹脂層と、を備え、導電性樹脂層が、イミド系樹脂と、導電剤と、N−メチル−2−ピロリドンと、下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の尿素化合物と、を含有する。
一般式(1)において、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1以上3以下の飽和炭化水素基を表し、nは2以上5以下の整数を表す。
一般式(2)において、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1以上3以下の飽和炭化水素基を表し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1以上3以下の飽和炭化水素基を表す。
本実施形態に係る転写ロールは、導電性樹脂層の長手方向において、中央部の全固形分に占める化学物質の質量割合と各端部の全固形分に占める化学物質の質量割合とを比較した場合に、前記尿素化合物の質量割合は両端部が中央部より高く、N−メチル−2−ピロリドンの質量割合は中央部が両端部より高い。
本実施形態に係る転写ロールにおいて、導電性樹脂層の長手方向における「中央部」と「端部」とは、頻度高く使用される記録媒体の画像形成領域の長さを基準にして区別されることが好ましい。即ち、頻度高く使用される記録媒体の、搬送方向に対して直交する方向の辺を基準にして、下記の割合で「中央部」と「端部」とを区別することが好ましい。
例えば、A4サイズ(210mm×297mm)の記録媒体を縦送りにする画像形成を例にして説明すると、A4サイズの短辺方向の画像形成領域として、短辺の中央を中心にして短辺全長の95%乃至98%を覆う領域を、導電性樹脂層の長手方向における「中央部」とし、導電性樹脂層の長手方向において「中央部」を除いた残りの領域を「端部」とする。
本実施形態に係る転写ロールにおいて、導電性樹脂層に含まれるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)と、一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の尿素化合物(「特定尿素化合物」という。)とは、導電性樹脂層の形成に用いた液体組成物の溶媒であり、形成された導電性樹脂層に残留した化学物質である。液体組成物の溶媒である上記化学物質は、導電性樹脂層を形成するための加熱の際にその大部分が揮発するが、形成された導電性樹脂層に検出可能な量が残留する。
従来、イミド系樹脂を含有する導電性樹脂層を備えた転写ロールにおいては、イミド系樹脂の溶解性がよいNMPを溶媒とする液体組成物を用いて導電性樹脂層が形成されている。本発明者は、特定尿素化合物を溶媒とする液体組成物を用いて形成した導電性樹脂層が、NMPを溶媒とする液体組成物を用いて形成した導電性樹脂層よりも、ヤング率が高いことを見出した。特定尿素化合物は、NMPよりも溶媒和しやすく、イミド系樹脂の生成反応を促進してより高分子量化する結果、導電性樹脂層のヤング率が高まると推測される。
そこで、本実施形態に係る転写ロールは、導電性樹脂層の長手方向において、中央部の全固形分に占める化学物質の質量割合と各端部の全固形分に占める化学物質の質量割合とを比較した場合に、特定尿素化合物の質量割合は両端部が中央部より高く、NMPの質量割合は中央部が両端部より高くなるようにする。これは、導電性樹脂層の両端部を形成する液体組成物と、中央部を形成する液体組成物とを、別の液体組成物にすることを意味し、前者の溶媒と後者の溶媒とを比較した場合に、溶媒に占める特定尿素化合物の割合については前者の方が後者よりも多く、溶媒に占めるNMPの割合については後者の方が前者よりも多いことを意味する。前者を用いて導電性樹脂層の両端部を形成し、後者を用いて中央部を形成すれば、導電性樹脂層の長手方向において、両端部のヤング率が中央部のヤング率より高くなる。
導電性樹脂層に含まれる上記化学物質の含有量(残留量)は、導電性樹脂層の一部を測定用試料として採取し、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)等で測定する。
本実施形態に係る転写ロールを、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る転写ロールの一例を示す概略斜視図である。図2は、図1のA−A断面図であり、図1に図示する転写ロールを、軸方向に直交する方向且つ径方向に切断した断面図である。
図1及び図2に示すように、転写ロール111は、中空又は非中空の円柱状の支持部材112と、支持部材112の外周面に配置された導電性弾性層113と、導電性弾性層113の外周面に配置された導電性樹脂層114と、を有するロール部材である。本実施形態に係る転写ロールは、本構成に限られず、例えば、支持部材112と導電性弾性層113との間に中間層を有していてもよく、導電性樹脂層114の外周面に離型層を有していてもよい。
導電性樹脂層113の長手方向において、中央部の全固形分に占める化学物質の質量割合と各端部の全固形分に占める化学物質の質量割合とを比較した場合に、特定尿素化合物の質量割合については両端部が中央部より高く、NMPの質量割合については中央部が両端部より高い。この要件に該当する形態例として、例えば、図3A乃至図3Cに示す形態例が挙げられる。
図3A乃至図3Cは、本実施形態に係る転写ロールが有する導電性樹脂層の形態例を示す概略断面図である。図3A乃至図3Cは、転写ロールを軸方向且つ径方向に切断した断面を示す。
図3Aに示す導電性樹脂層は、中央部及び両端部がそれぞれ一層で構成されている。中央部は、NMPを含有し特定尿素化合物を含有しない導電性樹脂層である。両端部は、特定尿素化合物を含有しNMPを含有しない導電性樹脂層である。
各端部において、全固形分に占める特定尿素化合物の質量割合は、例えば0.2質量%以上0.9質量%以下である。特定尿素化合物の質量割合が0.2質量%以上であると、ヤング率を高める効果が得られやすい。一方、特定尿素化合物の質量割合が0.9質量%以下であると、導電性樹脂層の耐久性や導電性に影響を及ぼしにくい。
図3Bに示す導電性樹脂層は、中央部が一層で構成され、両端部が二層(下層と上層)で構成されている。両端部の下層と中央部とは長手方向に連続した層である。両端部の下層及び中央部は、NMPを含有し特定尿素化合物を含有しない導電性樹脂層である。両端部の上層は、特定尿素化合物を含有しNMPを含有しない導電性樹脂層である。
本形態において、両端部は上記の二層からなるところ、各端部全体としては、特定尿素化合物の質量割合については両端部が中央部より高く、NMPの質量割合については中央部が両端部より高い。両端部の上層において、該層の全固形分に占める特定尿素化合物の質量割合は、例えば図3Aについて挙げた前記範囲である。
図3Cに示す導電性樹脂層は、中央部が一層で構成され、両端部が二層(下層と上層)で構成されている。両端部の上層と中央部とは長手方向に連続した層である。両端部の上層及び中央部は、NMPを含有し特定尿素化合物を含有しない導電性樹脂層である。両端部の下層は、特定尿素化合物を含有しNMPを含有しない導電性樹脂層である。
本形態において、両端部は上記の二層からなるところ、各端部全体としては、特定尿素化合物の質量割合については両端部が中央部より高く、NMPの質量割合については中央部が両端部より高い。両端部の下層において、該層の全固形分に占める特定尿素化合物の質量割合は、例えば例えば図3Aについて挙げた前記範囲である。
両端部表面の摩耗を抑制する観点からは、図3Cに示す形態よりも、図3A又は図3Bに示す形態が好ましい。製造の容易さの観点からは、図3Aに示す形態が好ましい。図3A乃至図3Cに示す形態の製造方法については後述する。
本実施形態における導電性樹脂層は、図3A乃至図3Cに示す形態に限られない。例えば、両端部が特定尿素化合物のみならずNMPを含有している形態;中央部がNMPのみならず特定尿素化合物を含有している形態;等でもよく、中央部の全固形分に占める化学物質の質量割合と各端部の全固形分に占める化学物質の質量割合とを比較した場合に、特定尿素化合物の質量割合については両端部が中央部より高く、NMPの質量割合については中央部が両端部より高ければよい。
図3A乃至図3Cには、「中央部」と「端部」との境界において、NMP及び特定尿素化合物の物質濃度が明瞭に分かれている場合を図示したが、「中央部」と「端部」との境界において、NMP及び特定尿素化合物の物質濃度が明瞭に分かれていない場合もあり得る。例えば、段落[0025]に記載した基準で「中央部」と「端部」とを設定し、後述する製造方法によって導電性樹脂層を製造した場合、「中央部」と「端部」との境界において、NMPと特定尿素化合物とが混じり合って存在したり、長手方向に濃度勾配を形成して存在したりすることがあり得る。この様な場合でも、段落[0025]に記載した基準で「中央部」と「端部」とを区別し、中央部の全固形分に占める化学物質の質量割合と各端部の全固形分に占める化学物質の質量割合とを比較した場合に、特定尿素化合物の質量割合については両端部が中央部より高く、NMPの質量割合については中央部が両端部より高ければよい。「中央部」と「端部」との境界において、NMP及び特定尿素化合物が長手方向に濃度勾配を形成して存在する場合、画像形成領域における転写性能の均一性を高める観点から、「中央部」の少なくとも90%を占める中央寄りの領域は、長手方向にNMP及び特定尿素化合物の濃度勾配を有しないことが好ましい。
本実施形態に係る転写ロールは、対向して配置される対向部材の表面のトナー像を記録媒体の表面に転写させるロールとして、電子写真方式の画像形成装置に適用される。本実施形態に係る転写ロールは、具体的には、像保持体の表面に形成されたトナー像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の画像形成装置における、記録媒体に直に接する転写ロール;像保持体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の画像形成装置における、記録媒体に直に接する二次転写ロール;として適用される。
本実施形態に係る転写ロールによれば、転写装置を通過して画像が転写された記録媒体にしわが発生することが抑制される。この理由としては、導電性樹脂層の長手方向において両端部のヤング率が中央部のヤング率よりも高い故に、両端部のニップ圧が中央部のニップ圧よりも強くなり、その結果、記録媒体は両外側に引っ張られながら転写装置を通過するので、記録媒体にしわが発生しにくいと推測される。
本実施形態に係る転写ロールにおいて、導電性樹脂層の両端部のヤング率は、3300Mpa以上3700Mpa以下が好ましく、3400Mpa以上3600Mpa以下がより好ましい。本実施形態に係る転写ロールにおいて、導電性樹脂層の中央部のヤング率は、2800Mpa以上3200Mpa以下が好ましく、2900Mpa以上3100Mpa以下がより好ましい。本実施形態に係る転写ロールにおいて、両端部のヤング率と中央部のヤング率との差は、200Mpa以上800Mpa以下が好ましく、400Mpa以上700Mpa以下がより好ましい。
以下、本実施形態に係る転写ロールを構成する各層の詳細を説明する。
[支持部材]
支持部材は、転写ロールを転写装置乃至は画像形成装置に搭載する際の支持部材として機能し、画像形成を行う際の電極として機能する。支持部材は、中空部材であってもよいし、中実部材であってもよい。
支持部材は、導電性部材であり、例えば、鉄(快削鋼等)、銅、真鍮、ステンレス、アルミニウム、ニッケル等の金属部材;外側の面にメッキ処理を施した、樹脂部材又はセラミックス部材;導電剤を含有する、樹脂部材又はセラミックス部材;が挙げられる。
[導電性弾性層]
導電性弾性層は、ゴム材料(弾性材料)を含有し、ほかに、導電剤及びその他の添加剤を含有してもよい。導電性弾性層は、発泡層でもよく非発泡層でもよく、発泡層と非発泡層とが積層されていてもよい。
ゴム材料(弾性材料)としては、例えば、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、ブチルゴム、ポリウレタン、シリコーンゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合ゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、天然ゴム等、及びこれらを混合したゴムが挙げられる。
導電剤は、ゴム材料の導電性が低い場合やゴム材料が導電性を有しない場合に用いる。導電剤としては、電子導電剤とイオン導電剤とが挙げられる。
電子導電剤としては、例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン、グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の金属又は合金;酸化錫、酸化インジウム、酸化チタン、酸化錫−酸化アンチモン固溶体、酸化錫−酸化インジウム固溶体等の導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理した物質;などの粉末が挙げられる。電子導電剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電子導電剤の含有量は、ゴム材料100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下が好ましく、15質量部以上25質量部以下がより好ましい。
イオン導電剤としては、例えば、四級アンモニウム塩(例えば、ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、オクタドデシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム又は変性脂肪酸・ジメチルエチルアンモニウニウムの過塩素酸塩、塩素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、エトサルフェート塩、臭化ベンジル塩又は塩化ベンジル塩)、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸エステル塩、高級アルコール燐酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加燐酸エステル塩、ベタイン、高級アルコールエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル等が挙げられる。イオン導電剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
イオン導電剤の含有量は、ゴム材料100質量部に対して、0.1質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.5質量部以上3.0質量部以下がより好ましい。
その他の添加剤としては、例えば、発泡剤、発泡助剤、軟化剤、可塑剤、硬化剤、加硫剤、加硫促進剤、酸化防止剤、界面活性剤、カップリング剤、充填剤(シリカ、炭酸カルシウム等)などの、弾性層に添加され得る公知の材料が挙げられる。
導電性弾性層の厚さは、例えば3.5mm以上20mm以下であり、好ましくは4mm以上15mm以下である。
[導電性樹脂層]
導電性樹脂層は、イミド系樹脂と、導電剤と、N−メチル−2−ピロリドンと、一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の尿素化合物と、を含有し、さらにその他の添加剤を含有してもよい。
イミド系樹脂とは、イミド結合を有する構成単位を含む樹脂である。イミド系樹脂の種類は特に限定されるものではない。イミド系樹脂としては、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドが挙げられる。
ポリイミドとしては、例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの重合体であるポリアミド酸(ポリアミック酸)のイミド化物が挙げられる。
テトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
ジアミンとしては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジメチル4,4’−ビフェニルジアミン、ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、2,4−ビス(β−アミノ第三ブチル)トルエン、ビス(p−β−アミノ−第三ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−δ−アミノフェニル)ベンゼン、ビス−p−(1,1−ジメチル−5−アミノ−ペンチル)ベンゼン、1−イソプロピル−2,4−m−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ジ(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ジアミノプロピルテトラメチレン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、1,2−ビス−3−アミノプロボキシエタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,17−ジアミノエイコサデカン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,10−ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、12−ジアミノオクタデカン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、ピペラジン等が挙げられる。
ポリアミドイミドとしては、酸無水物基を有する3価のカルボン酸(トリカルボン酸)と、イソシアネート又はジアミンとの重合体が挙げられる。
トリカルボン酸としては、トリメリット酸無水物及びその誘導体が好ましい。トリカルボン酸の他に、テトラカルボン酸二無水物、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸などを併用してもよい。
イソシアネートとしては、3,3'−ジメチルビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、2,2'−ジメチルビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、ビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、ビフェニル−3,3'−ジイソシアネート、ビフェニル−3,4'−ジイソシアネート、3,3'−ジエチルビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、2,2'−ジエチルビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、3,3'−ジメトキシビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、2,2'−ジメトキシビフェニル−4,4'−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ナフタレン−2,6−ジイソシアネート等が挙げられる。ジアミンとしては、上記のイソシアネートと同様の構造を有し、イソシアナト基の代わりにアミノ基を有する化合物が挙げられる。
ポリエーテルイミドとしては、芳香族ビス(エーテルジカルボン)酸とジアミンとの重合体が挙げられる。芳香族ビス(エーテルジカルボン)酸としては、2,2−ビス[4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン等が挙げられる。ジアミンとしては、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、メタフェニレンジアミン等が挙げられる。
導電剤としては、電子導電剤とイオン導電剤とが挙げられる。電子導電剤の具体例としては、導電性弾性層について前述した電子導電剤が挙げられる。イオン導電剤の具体例としては、導電性弾性層について前述したイオン導電剤が挙げられる。
導電性樹脂層には、一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の尿素化合物が含有されている。
一般式(1)において、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1以上3以下の飽和炭化水素基を表し、nは2以上5以下の整数を表す。炭素数1以上3以下の飽和炭化水素基は、鎖式でも環式でもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基のいずれでもよい。nは2又は3が好ましい。
一般式(1)で表される化合物としては、例えば、2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジプロピル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルプロピレン尿素などが挙げられる。
一般式(2)において、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1以上3以下の飽和炭化水素基を表し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1以上3以下の飽和炭化水素基を表す。炭素数1以上3以下の飽和炭化水素基は、鎖式でも環式でもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基のいずれでもよい。
一般式(2)で表される化合物としては、例えば、1,3−ジメチル尿素、1,3−ジエチル尿素、1,3−ジプロピル尿素、1,3−ジイソプロピル尿素、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、テトラプロピル尿素、テトライソプロピル尿素などが挙げられる。
導電性樹脂層に含まれることがある添加剤としては、例えば、充填剤、イミド化反応促進のための触媒、製膜品質向上のためのレベリング剤、離型性を向上させるための離型性材料(例えば、PTFE、PFA、FEP等のフッ素樹脂粒子)等が挙げられる。
導電性樹脂層には、イミド系樹脂以外の樹脂が含まれていてもよい。ただし、イミド系樹脂が、導電性樹脂層に含まれる樹脂全体の80質量%以上を占めることが好ましく、90質量%以上を占めることがより好ましく、樹脂は実質的にイミド系樹脂のみであることが更に好ましい。イミド系樹脂以外の樹脂としては、例えば、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニルサルホン、ポリサルフォン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート等が挙げられる。
導電性樹脂層の厚さは、例えば33μm以上47μm以下であり、好ましくは37μm以上43μm以下である。
[転写ロールの製造方法]
本実施形態に係る転写ロールは、支持部材の外周面に導電性弾性層が設けられたロール部材を用意し、その導電性弾性層の外周面に導電性樹脂層を配置することで得られる。導電性弾性層の外周面に導電性樹脂層を配置する方法は、特に限定されないが、例えば、イミド系樹脂と、導電剤と、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)と、一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の尿素化合物(以下「特定尿素化合物」という。)と、を含有する管状部材(チューブ)を用意し、この管状部材にロール部材を挿入することで、導電性弾性層の外周面に導電性樹脂層を配置する。管状部材の製造方法は、特に限定されないが、例えば下記の製造方法が挙げられる。
イミド系樹脂又はその前駆体と導電剤とがNMPに溶解した第一塗布液を準備する工程(第一塗布液準備工程)と、
イミド系樹脂又はその前駆体と導電剤とが特定尿素化合物に溶解した第二塗布液を準備する工程(第二塗布液準備工程)と、
第一塗布液を芯体の少なくとも中央部に塗布して、芯体上に第一塗膜を形成する工程(第一塗布工程)と、
第二塗布液を芯体の少なくとも両端部に塗布して、芯体上に第二塗膜を形成する工程(第二塗布工程)と、
第一塗膜を乾燥させる工程(第一乾燥工程)と、
第二塗膜を乾燥させる工程(第二乾燥工程)と、
乾燥させた第一塗膜を加熱して、NMPを含有するイミド系樹脂層とする工程(第一加熱工程)と、
乾燥させた第二塗膜を加熱して、特定尿素化合物を含有するイミド系樹脂層とする工程(第二加熱工程)と、
を有する。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても、その工程の所期の目的が達成されれば本用語に含まれる。例えば、第一乾燥工程と第二乾燥工程とを同時に行ってもよいし、第一加熱工程と第二加熱工程とを同時に行ってもよい。各工程を実施する順番は、限定されるものではなく、第一塗布工程及び第二塗布工程を行い、次いで第一乾燥工程及び第二乾燥工程を同時に行い、次いで第一加熱工程及び第二加熱工程を同時に行ってもよいし、第一塗布工程、第一乾燥工程及び第一加熱工程を行い、次いで第二塗布工程、第二乾燥工程及び第二加熱工程を行ってもよい。
以下、各工程の詳細を説明する。
[第一塗布液準備工程、第二塗布液準備工程]
第一塗布液準備工程及び第二塗布液準備工程はそれぞれ、イミド系樹脂又はその前駆体と導電剤とがNMP又は特定尿素化合物に溶解した塗布液を準備する工程である。イミド系樹脂、導電剤及び尿素化合物は、前述のとおりである。管状部材に含まれる樹脂がイミド樹脂である場合は、ポリイミド前駆体(ポリアミック酸)を用いる。
第一塗布液の溶媒と第二塗布液の溶媒とを比較した場合に、溶媒に占めるNMPの割合は第一塗布液の方が第二塗布液よりも多く、溶媒に占める特定尿素化合物の割合は第二塗布液の方が第一塗布液よりも多い。実施形態の一例として、第一塗布液の溶媒としてNMPのみを用い、第二塗布液の溶媒として特定尿素化合物のみを用いる例が挙げられる。
第一塗布液に含まれるイミド系樹脂又はその前駆体と、第二塗布液に含まれるイミド系樹脂又はその前駆体とは、同種のイミド系樹脂又はその前駆体であることが望ましい。これによって、第一塗布液によって形成されるイミド系樹脂層と、第二塗布液によって形成されるイミド系樹脂層との界面が分離することが抑制されるし、導電性樹脂層全体の導電性の均一性が高まる。
[第一塗布工程、第二塗布工程]
第一塗布工程及び第二塗布工程はそれぞれ、塗布液を芯体に塗布して芯体上に塗膜を形成する工程である。第一塗布工程は、第一塗布液を芯体の少なくとも中央部に塗布して、芯体の少なくとも中央部に第一塗膜を形成する工程である。第二塗布工程は、第二塗布液を芯体の少なくとも両端部に塗布して、芯体の少なくとも両端部に第二塗膜を形成する工程である。
芯体の材質としては、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属;フッ素樹脂、シリコーン樹脂等の離型性を有する材料で表面を被覆した金属;クロムやニッケルでメッキを施した金属;が挙げられる。芯体の大きさは、製造する管状部材の大きさに応じて選択すればよい。
芯体に塗布液を塗布する方法としては、例えば、らせん塗布法(フローコート法)、スピンコート法、ブレード塗布法、ロール塗布法等が挙げられる。
[第一乾燥工程、第二乾燥工程]
第一乾燥工程及び第二乾燥工程はそれぞれ、芯体上に形成された塗膜を乾燥させる工程である。乾燥工程は、塗布液の組成に応じて雰囲気温度及び時間を設定して行われる。
乾燥工程は、塗膜に含まれる溶剤を気化して除去するために、加熱を行う工程とすることが望ましい。例えば、100℃以上200℃以下程度で20分以上60分以下の範囲で加熱する。温度は、段階的に上昇させてもよいし、一定速度で上昇させてもよい。乾燥時間は、雰囲気温度が高いほど短くてよい。
塗膜中の溶剤量が少なくなると、塗膜に割れが生じることがあるので、乾燥工程では、ある程度(例えば、当初の5質量%以上40質量%以下程度)の溶剤は残留させておくことが望ましい。
乾燥は、乾燥前の塗膜を構成する塗布液が芯体の一方向に垂れて厚さにムラが生じることを抑制するため、芯体の軸方向を水平方向にした状態で、芯体をゆっくりと(例えば5rpm以上60rpm以下の回転速度で)回転させながら行うことが望ましい。
[第一加熱工程、第二加熱工程]
第一加熱工程及び第二加熱工程はそれぞれ、乾燥させた塗膜を加熱してイミド系樹脂層とする工程である。
加熱の温度及び時間は、塗布液に含まれるイミド系樹脂又はその前駆体の種類に応じて設定される。
ポリアミドイミド又はポリエーテルイミドの場合、例えば、該樹脂のガラス転移温度(Tg)よりも高い温度(好ましくはTgよりも10℃以上50℃以下高い温度)で加熱することがよい。加熱時間としては、例えば、30分以上150分以下が挙げられる。温度は、段階的に上昇させてもよいし、一定速度で上昇させてもよい。
ポリイミド前駆体の場合、例えば、200℃以上450℃以下、望ましくは250℃以上400℃以下に加熱することにより、ポリイミド前駆体をイミド化させる。加熱時間としては、例えば、30分以上180分以下が挙げられる。温度は、段階的に上昇させてもよいし、一定速度で上昇させてもよい。
乾燥させた塗膜を加熱することにより、芯体上にイミド系樹脂層が形成され、つまり管状部材が形成される。冷却後、管状部材は芯体から外され、必要に応じて、端部を切断されたり、目的の寸法に裁断されたりする。この管状部材にロール部材を挿入することで、導電性弾性層の外周面に導電性樹脂層が配置され、転写ロールが得られる。
以下、図3A乃至図3Cに示す形態の製造方法例を説明する。
−図3Aに示す形態−
第一塗布工程において、第一塗布液を芯体の中央部に塗布して、芯体の中央部に第一塗膜を形成する。次いで、第二塗布工程において、第二塗布液を芯体の両端部に塗布して、芯体の両端部に第二塗膜を形成する。次いで、第一乾燥工程及び第二乾燥工程を同時に行い、次いで、第一加熱工程及び第二加熱工程を同時に行う。
−図3Bに示す形態−
第一塗布工程において、第一塗布液を芯体の中央部と両端部とに塗布し、その際、両端部における塗布量を中央部における塗布量よりも少なくして、芯体の中央部と両端部とに段差のある第一塗膜を形成する。次いで、第一乾燥工程及び第一加熱工程を順次行う。
次いで、第二塗布工程において、芯体の中央部と両端部との段差を埋めるように第二塗布液を芯体の両端部に塗布し、芯体の両端部に第二塗膜を形成する。次いで、第二乾燥工程及び第二加熱工程を順次行う。
−図3Cに示す形態−
第二塗布工程において、第二塗布液を芯体の両端部に比較的少なく塗布して、芯体の両端部に第二塗膜を形成する。次いで、第二乾燥工程及び第二加熱工程を順次行う。
次いで、第一塗布工程において、芯体の中央部と両端部との段差をなくすように第一塗布液を芯体の両端部及び中央部に塗布して、芯体の両端部及び中央部に第一塗膜を形成する。次いで、第一乾燥工程及び第一加熱工程を順次行う。
<画像形成装置>
以下、本実施形態に係る画像形成装置を、図面を参照しながら説明する。
図4は、本実施形態に係る画像形成装置の一例である、直接転写方式の画像形成装置を示す概略構成図である。
図4に示す画像形成装置200は、感光体207(像保持体の一例)と、感光体207の表面を帯電させる帯電ロール208(帯電手段の一例)と、帯電した感光体207の表面に静電荷像を形成する露光装置206(静電荷像形成手段の一例)と、トナーを含む現像剤により、感光体207の表面に形成された静電荷像をトナー像として現像する現像装置211(現像手段の一例)と、感光体207の表面に形成されたトナー像を記録媒体の表面に直接転写する転写ロール212(転写手段の一例)と、を備える。転写ロール212として、本実施形態に係る転写ロールが適用される。
図4に示す画像形成装置200は、さらに、トナー像を記録媒体に定着させる定着装置215(定着手段の一例)と、感光体207の表面に残留したトナーを除去するクリーニング装置213と、感光体207の表面を除電する除電装置214と、を備える。
帯電ロール208は、接触帯電方式でもよく非接触帯電方式でもよい。帯電ロール208には電源209から電圧が印加される。
露光装置206としては、半導体レーザ、LED(light emitting diode)等の光源を備える光学装置が挙げられる。
現像装置211は、トナーを感光体207に供給する装置である。現像装置211は、例えば、ロール状の現像剤保持体を感光体207に接触又は近接させて、感光体207上の静電荷像にトナーを付着させてトナー像を形成する。
転写ロール212は、記録媒体の表面に直に接する転写ロールであり、感光体207に対向した位置に配置されている。記録紙500(記録媒体の一例)が供給機構を介して転写ロール212と感光体207とが接触した隙間に供給される。転写バイアスが転写ロール212に印加されると、感光体207から記録紙500に向う静電気力がトナー像に作用し、感光体207上のトナー像が記録紙500上に転写される。
定着装置215としては、例えば、加熱ロールと、該加熱ロールに押圧する加圧ロールとを備える加熱定着装置が挙げられる。
クリーニング装置213としては、クリーニング部材としてブレード、ブラシ、ロール等を備える装置が挙げられる。
除電装置214は、例えば、転写後の感光体207の表面に光を照射して、感光体207の残留電位を除電する装置である。
画像形成装置は、感光体207、帯電ロール208、露光装置206、現像装置211、及び転写ロール212を1つの画像形成ユニットとし、この画像形成ユニットが4つ並んで搭載されたタンデム方式の画像形成装置であってもよい。
図5は、本実施形態に係る画像形成装置の一例である、中間転写方式の画像形成装置を示す概略構成図である。図5に示す画像形成装置は、4つの画像形成ユニットを並列配置したタンデム方式の画像形成装置である。
図5に示す画像形成装置において、像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段は、中間転写体と一次転写手段と二次転写手段とを備える転写ユニットとして構成される。
図5に示す画像形成装置は、感光体1(像保持体の一例)と、感光体1の表面を帯電させる帯電ロール2(帯電手段の一例)と、帯電した感光体1の表面に静電荷像を形成する露光装置3(静電荷像形成手段の一例)と、トナーを含む現像剤により、感光体1の表面に形成された静電荷像をトナー像として現像する現像装置4(現像手段の一例)と、中間転写ベルト20(中間転写体の一例)と、感光体1の表面に形成されたトナー像を中間転写ベルト20の表面に転写する一次転写ロール5(一次転写手段の一例)と、二次転写ロール26を有し、中間転写ベルト20の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に転写する二次転写手段と、を備える。
図5に示す画像形成装置は、さらに、トナー像を記録媒体に定着させる定着装置28(定着手段の一例)と、感光体1の表面に残留したトナーを除去する感光体クリーニング装置6と、中間転写ベルト20の表面に残留したトナーを除去する中間転写ベルトクリーニング装置30と、を備える。
図5に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づく、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kを備えている。これらの画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に離間して並設されている。画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kはそれぞれ、画像形成装置に対して着脱されるプロセスカートリッジであってもよい。
各画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kの上方には、各画像形成ユニットを通して中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20の内面に接する、駆動ロール22及び支持ロール24に巻きつけて設けられ、第1の画像形成ユニット10Yから第4の画像形成ユニット10Kに向う方向に走行するようになっている。支持ロール24は、図示しないバネ等により駆動ロール22から離れる方向に力が加えられており、両者に巻きつけられた中間転写ベルト20に張力が与えられている。中間転写ベルト20の像保持面側には、駆動ロール22と対向して中間転写ベルトクリーニング装置30が備えられている。
各画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナーの供給がなされる。
第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成及び動作を有しているので、以下において、画像形成ユニットについて説明する場合は、第1の画像形成ユニット10Yについて代表して説明する。
第1の画像形成ユニット10Yは、感光体1Yと、感光体1Yの表面を帯電させる帯電ロール2Yと、トナーを含む現像剤により、感光体1Yの表面に形成された静電荷像をトナー像として現像する現像装置4Yと、感光体1Yの表面に形成されたトナー像を中間転写ベルト20の表面に転写する一次転写ロール5Yと、一次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置6Yと、を備える。
帯電ロール2Yは、感光体1Yの表面を帯電させる。帯電ロール2Yは、接触帯電方式でもよく非接触帯電方式でもよい。
帯電した感光体1Yの表面には、露光装置3からレーザ光線3Yが照射される。これにより、イエローの画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロートナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤が収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電している。感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y上に形成された静電荷像がトナー像として現像される。
一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に配置されている。一次転写ロール5Yには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)が接続されている。一次転写ロール5Yは、静電気力により、感光体1Y上のトナー像を中間転写ベルト20上に転写する。
中間転写ベルト20上には、第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kから順に各色のトナー像が多重転写される。第1乃至第4の画像形成ユニットを通して4色のトナー像が多重転写された中間転写ベルト20は、支持ロール24と二次転写ロール26とから構成された二次転写手段へと至る。
二次転写ロール26は、記録媒体の表面に直に接する転写ロールであり、中間転写ベルト20の外側において支持ロール24に対向した位置に配置されている。記録紙P(記録媒体の一例)が供給機構を介して二次転写ロール26と中間転写ベルト20とが接触した隙間に供給される。二次転写バイアスが二次転写ロール26に印加されると、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー像に作用し、中間転写ベルト20上のトナー像が記録紙P上に転写される。
トナー像が転写された記録紙Pは、一対のロールからなる定着装置28の圧接部(ニップ部)へと送り込まれ、トナー像が記録紙P上へ定着される。
本実施形態に係る画像形成装置において使用するトナー及び現像剤は特に限定されず、公知の電子写真用トナー及び現像剤をいずれも使用することができる。本実施形態に係る画像形成装置において使用する記録媒体は特に限定されず、例えば、電子写真方式の複写機やプリンターに使用される紙;OHPシート;等が挙げられる。
以下、実施例により発明の実施形態を詳細に説明するが、発明の実施形態は、これら実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
(1)カーボンブラック分散ポリイミド前駆体NMP塗布液の調製
N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなるポリアミック酸が溶解した溶液であって、イミド化後の固形分が18質量%となるポリイミド前駆体NMP溶液を準備した。
ポリイミド前駆体NMP溶液に、ポリアミック酸の固形分100質量部に対してカーボンブラック粒子(Special Black 4、オリオンエンジニアドカーボンズ社)を26質量部添加し攪拌して、カーボンブラック分散ポリイミド前駆体NMP塗布液を得た。
(2)カーボンブラック分散ポリイミド前駆体DMI塗布液の調製
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)に、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなるポリアミック酸が溶解した溶液であって、イミド化後の固形分が18質量%となるポリイミド前駆体DMI溶液を準備した。
ポリイミド前駆体DMI溶液に、ポリアミック酸の固形分100質量部に対してカーボンブラック粒子(Special Black 4、オリオンエンジニアドカーボンズ社)を26質量部添加し攪拌して、カーボンブラック分散ポリイミド前駆体DMI塗布液を得た。
(3)導電性樹脂層となるポリイミドチューブの作製
外径20mm、長さ300mmのアルミニウム製円筒体を準備した。円筒体の長手方向を水平方向にした状態で300rpmで回転させながら、円筒体の外周面の中央部(両端部それぞれ50mmを除く中央部)に、カーボンブラック分散ポリイミド前駆体NMP塗布液をディスペンサーから2.4g/15秒の速度で滴下して塗布した。次いで、円筒体の外周面の両端部(両端部それぞれ50mmの領域)に、カーボンブラック分散ポリイミド前駆体DMI塗布液をディスペンサーから2.4g/15秒の速度で滴下して塗布した。次いで、円筒体の長手方向を水平方向にした状態のまま、10rpmで回転させながら140℃で30分間加熱して塗膜を乾燥させた。次いで、最高到達温度320℃で110分間加熱焼成してポリイミド皮膜を形成した。次いで、円筒体からポリイミド皮膜を剥離して、厚さ40μmのポリイミドチューブを得た。
(4)弾性層の形成
エピクロルヒドリンゴム(ダイソー社製エピクロマーCG−102)60質量部とアクリロニトリル−ブタジエンゴム(日本ゼオン社製ニポールDN−219)30質量部とを混合し、硫黄(鶴見化学工業社製200メッシュ)1質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業社製ノクセラーM)1.5質量部と、発泡剤としてベンゼンスルホニルヒドラジド6質量部とを添加して、オープンロールで混練りして混合物を得た。次いで、この混合物を直径12mm、長さ280mmのSUS製シャフト(支持部材)に巻き付けた。シャフトを160℃に昇温し、巻き付けた混合物を加硫発泡させ、シャフト上に発泡弾性層を形成した。この発泡弾性層の外周面を研磨して、弾性層付きロールを得た。弾性層は、外径20.2mm、長さ230mmとした。
(5)ポリイミドチューブの被覆
ポリイミドチューブに導電性弾性層付きロールを、ポリイミドチューブの中央に導電性弾性層の中央が位置するように挿入し、導電性弾性層の両端部の上にポリイミドチューブのDMI含有領域が配置されるようにした。次いで、余分なチューブを切断して転写ロールを得た。
<実施例2>
実施例1の(3)を下記に変更した以外は、実施例1と同様にして転写ロールを作製した。
(3)導電性樹脂層となるポリイミドチューブの作製
外径20mm、長さ300mmのアルミニウム製円筒体を準備した。円筒体の長手方向を水平方向にした状態で300rpmで回転させながら、円筒体の外周面の全体に、カーボンブラック分散ポリイミド前駆体NMP塗布液をディスペンサーから滴下して塗布した。その際、両端部(両端部それぞれ50mmの領域)には、1.2g/15秒の速度で滴下して塗布し、中央部(両端部それぞれ50mmを除く中央部)には、2.4g/15秒の速度で滴下して塗布した。次いで、円筒体の長手方向を水平方向にした状態のまま、10rpmで回転させながら140℃で30分間加熱して塗膜を乾燥させた。次いで、最高到達温度320℃で110分間加熱焼成して、中央部と両端部とに段差のあるポリイミド皮膜を形成した。次いで、円筒体の外周面の両端部(両端部それぞれ50mmの領域)に、カーボンブラック分散ポリイミド前駆体DMI塗布液をディスペンサーから1.2g/15秒の速度で滴下して塗布した。次いで、円筒体の長手方向を水平方向にした状態のまま、10rpmで回転させながら140℃で30分間加熱して塗膜を乾燥させた。次いで、最高到達温度320℃で110分間加熱焼成して、両端部に2層目のポリイミド皮膜を形成した。次いで、円筒体からポリイミド皮膜を剥離して、厚さ40μmのポリイミドチューブを得た。
<実施例3〜5>
実施例1の(2)において、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)をほかの尿素化合物に変更してポリイミド前駆体塗布液を調製し、このポリイミド前駆体塗布液を実施例1の(3)において使用した以外は、実施例1と同様にして転写ロールを作製した。実施例3〜5において使用した尿素化合物は下記のとおりである。
実施例3:テトラメチル尿素
実施例4:テトラエチル尿素
実施例5:N,N−ジメチルプロピレン尿素
<比較例1>
実施例1の(3)において、円筒体の外周面の全体にカーボンブラック分散ポリイミド前駆体NMP塗布液を塗布した以外は、実施例1と同様にして転写ロールを作製した。
<比較例2>
実施例1の(3)において、円筒体の外周面の全体にカーボンブラック分散ポリイミド前駆体DMI塗布液を塗布した以外は、実施例1と同様にして転写ロールを作製した。
<比較例3>
実施例1の(3)において、円筒体の外周面の中央部にカーボンブラック分散ポリイミド前駆体DMI塗布液を塗布し、円筒体の外周面の両端部にカーボンブラック分散ポリイミド前駆体NMP塗布液を塗布した以外は、実施例1と同様にして転写ロールを作製した。
<性能評価>
[紙しわ]
画像形成装置として中間転写方式の富士ゼロックス社製DocuPrint C1616を用意し、この画像形成装置に二次転写ロールとして各実施例又は各比較例の転写ロールを配置した。温度28℃/相対湿度85%の環境下で、A4サイズの普通紙(C2紙、富士ゼロックス社製)にテストチャートを100枚出力した。100枚を目視で観察し、1枚もしわがなかった場合を「なし」と分類し、1枚でもしわが有った場合を「あり」と分類した。結果を表1に示す。
[導電性樹脂層の溶媒残留量]
転写ロールの導電性樹脂層から、中央部を一部(中央の3mm四方、厚さ方向全体)及び端部の一部(末端の3mm四方、厚さ方向全体)を切り出し、ガスクロマトグラフ質量分析計(商品名:GCMS-QP2020、島津製作所社製)で、中央部及び端部に含まれるNMP及び尿素化合物の含有量(残留量)を測定した。
[導電性樹脂層のヤング率]
転写ロールの導電性樹脂層から中央部及び一端部をそれぞれ幅3mm、長さ50mm、厚さ方向全体に切り出したシートを測定用試料とした。測定用試料の厚さを膜厚計で測定した。測定用試料を、精密荷重測定器(アイコーエンジニアリング社製MODEL−1605N)に測定長30mmになるよう設置し、温度22℃下で20mm/分の速度で引っ張りながらSS曲線を測定しヤング率(Mpa)を求めた。結果を表1に示す。
111 転写ロール、112 支持部材、113 導電性弾性層、114 導電性樹脂層
200 画像形成装置、206 露光装置、207 感光体、208 帯電ロール、209 電源、211 現像装置、212 転写ロール、213 クリーニング装置、214 除電装置、215 定着装置、500 記録紙
1Y、1M、1C、1K 感光体
2Y、2M、2C、2K 帯電ロール
3 露光装置
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
4Y、4M、4C、4K 現像装置
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール
6Y、6M、6C、6K 感光体クリーニング装置
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 二次転写ロール
28 定着装置
30 中間転写ベルトクリーニング装置
P 記録紙

Claims (7)

  1. 支持部材と、
    前記支持部材上に配置された導電性弾性層と、
    前記導電性弾性層上に配置された、イミド系樹脂、導電剤、N−メチル−2−ピロリドン、並びに、下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の尿素化合物を含有する導電性樹脂層と、
    を備え、
    前記導電性樹脂層の長手方向において、中央部の全固形分に占める化学物質の質量割合と各端部の全固形分に占める化学物質の質量割合とを比較した場合に、前記尿素化合物の質量割合は両端部が中央部より高く、N−メチル−2−ピロリドンの質量割合は中央部が両端部より高い、転写ロール。

    一般式(1)において、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1以上3以下の飽和炭化水素基を表し、nは2以上5以下の整数を表す。
    一般式(2)において、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1以上3以下の飽和炭化水素基を表し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1以上3以下の飽和炭化水素基を表す。
  2. 前記尿素化合物が、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンである、請求項1に記載の転写ロール。
  3. 前記イミド系樹脂が、ポリイミド、ポリアミドイミド及びポリエーテルイミドから選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は請求項2に記載の転写ロール。
  4. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
    トナーを含む現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー像として現像する現像手段と、
    記録媒体の表面に直に接する転写ロールとして、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の転写ロールを有し、前記像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体の表面に直接転写する転写手段と、
    を備える画像形成装置。
  5. 記録媒体の表面に直に接する転写ロールとして、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の転写ロールを有し、像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体の表面に直接転写する転写装置。
  6. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
    トナーを含む現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー像として現像する現像手段と、
    中間転写体と、
    前記像保持体の表面に形成されたトナー像を前記中間転写体の表面に転写する一次転写手段と、
    記録媒体の表面に直に接する転写ロールとして、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の転写ロールを有し、前記中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に転写する二次転写手段と、
    を備える画像形成装置。
  7. 中間転写体と、
    像保持体の表面に形成されたトナー像を前記中間転写体の表面に転写する一次転写手段と、
    記録媒体の表面に直に接する転写ロールとして、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の転写ロールを有し、前記中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に転写する二次転写手段と、
    を備える転写ユニット。
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