JP2018119995A - 光学デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】配光を行うことが可能な光学デバイスを提供する。【解決手段】光学デバイス1は、光透過性を有する第1電極13と、光透過性を有する第2電極14と、電界により屈折率が変化し、透明状態と入射光を配光する状態とが変化可能な屈折率調整層15と、屈折率調整層15の表面を凹凸にする凹凸層16とを備える。第2電極14は、第1電極13と電気的に対となる。屈折率調整層15は、第1電極13と第2電極14との間に配置され、液晶を含む。光学デバイス1は、屈折率調整層15の厚みを形成する構造体17を備える。構造体17は、第2電極14に接着している。【選択図】図1

Description

本発明は、光学デバイスに関する。より詳細には、本発明は、電気により光学的な状態が変化可能な光学デバイスに関する。
電気を供給することにより、光学的な状態を変化させる光学デバイスが提案されている。たとえば、特許文献1には、一対の透明電極の間に銀を含有するエレクトロクロミック材料を含む電解質層を挟持し、透明電極の一方にナノオーダ―の凹凸を設けた調光素子が開示されている。特許文献1の調光素子は、電圧の印加により鏡面状態を形成することができる。
国際公開WO2012/118188号
上記特許文献1の調光素子は、鏡面状態を形成することが可能ではあるものの、所望の方向に光の進行方向を変化させるものではない。
本開示の目的は、配光を行うことが可能な光学デバイスを提供することである。
光学デバイスが開示される。光学デバイスは、光透過性を有する第1電極と、光透過性を有する第2電極と、電界により屈折率が変化し、透明状態と入射光を配光する状態とが変化可能な屈折率調整層と、前記屈折率調整層の表面を凹凸にする凹凸層とを備える。前記第2電極は、前記第1電極と電気的に対となる。前記屈折率調整層は、前記第1電極と前記第2電極との間に配置され、液晶を含む。光学デバイスは、前記屈折率調整層の厚みを形成し、前記第2電極に接着している構造体を備える。
本開示の光学デバイスは、屈折率調整層の屈折率の変化により、透明状態と配光状態とを作り出すことができる。特に、屈折率調整層の厚みを形成する構造体が第2電極に接着していることにより、屈折率調整層の厚みのムラが低減される。そのため、光学デバイスは、光学特性に優れる。
光学デバイスの一例を示す模式的な断面図である。 光学デバイスの一例を示す模式的な断面図である。 光学デバイスの一例の要部を示す模式的な断面図である。 光学デバイスの一例を示す模式的な断面図である。 光学デバイスの一例を示す模式的な断面図である。 光学デバイスの一例の要部を示す模式的な断面図である。 光学デバイスによる光透過の一例を示す説明図である。図7は、図7A及び図7Bからなる。図7Aは、配光状態を示す。図7Bは、非配光状態を示す。
図1は、光学デバイスの一例(光学デバイス1)を示している。図1は、光学デバイス1の層構造を模式的に示しており、実際の光学デバイス1の各部の寸法等は、これに限定されない。光学デバイス1は、パネル状に形成され得る。
光学デバイス1は、光透過性を有する第1電極13と、光透過性を有する第2電極14と、電界により屈折率が変化し、透明状態と入射光を配光する状態とが変化可能な屈折率調整層15と、屈折率調整層15の表面を凹凸にする凹凸層16とを備える。第2電極14は、第1電極13と電気的に対となる。屈折率調整層15は、第1電極13と第2電極14との間に配置される。屈折率調整層15は、液晶を含む。光学デバイス1は、屈折率調整層15の厚みを形成する構造体17を備える。構造体17は、第2電極14に接着している。
光学デバイス1は、屈折率調整層15の屈折率の変化により、透明状態と配光状態とを作り出すことができる。ここで、屈折率調整層15の厚みを形成する構造体17が第2電極14に接着していることにより、屈折率調整層15の厚みが確実に確保され、層の厚みのムラが低減する。そのため、光学デバイス1の全体にわたってより均一に光を配光することができる。そして、均一な配光が可能になると、透明状態と配光状態との光の変化が大きくなる。このように、光学デバイス1は、透明状態と配光状態とを変化させることができるため、光学特性に優れる。
図1は、光学デバイス1の第1実施形態である。本実施形態では、構造体17は、屈折率調整層15に含まれるスペーサ20である。スペーサ20は、接着物質を表面に有している。接着物質は、スペーサ20の外層部分の接着膜22を構成している。スペーサ20は、コア粒子21と、コア粒子21の周囲に配置される接着膜22とを備えている。コア粒子21は、スペーサ20の本体となる。接着膜22によって、スペーサ20は第2電極14に引っ付いている。スペーサ20は、接着膜22によって、凹凸層16に引っ付いていることが好ましい。その場合、スペーサ20は、凹凸層16を介して、第1電極13と第2電極14とを接着することができるため、屈折率調整層15の厚みを確実に確保することができる。本実施形態では、スペーサ20の接着により、屈折率調整層15の厚みが確実に確保される。また、接着性を有することによりスペーサ20が屈折率調整層15内で移動することがないため、屈折率の調整をスペーサ20が阻害することがなくなる。
光学デバイス1は、第1基板11と第2基板12とをさらに備えている。第1基板11と第2基板12とは、第1電極13、凹凸層16、屈折率調整層15及び第2電極14の積層構造を間に配置してこの積層構造を支持する。また、第1基板11と第2基板12とは、この積層構造を保護する。また、第1基板11と第2基板12とは、一方が積層構造を形成するための形成基板として機能し、他方が積層構造を被覆するための被覆基板として機能し得る。
図1の光学デバイス1では、一対の基板の間に、第1電極13、凹凸層16、屈折率調整層15及び第2電極14がこの順で配置されている。これらの層は、厚み方向に並んでいる。第1電極13、凹凸層16、屈折率調整層15及び第2電極14を合わせた積層構造は、光学調整体と定義される。光学調整体は、光学デバイス1に組み込まれる。
ここで、「厚み方向」とは、特に断りのない限り、光学デバイス1の厚みの方向を意味する。図1では、厚み方向がD1で示されている。厚み方向とは、第1基板11の表面に垂直な方向であってよい。厚み方向は積層を行う方向が含まれる。厚み方向は、第1電極13から第2電極14に向かう方向と、第2電極14から第1電極13に向かう方向とが含まれる。図1において、光学デバイス1の各層は横方向及び紙面に垂直な方向に広がっていると考えることができる。また、「平面視」とは基板の表面に垂直な方向(厚み方向D1)に沿って見た場合のことを意味する。
光学デバイス1は、光を透過させることができる。光学デバイス1は、窓となり得る。光学デバイス1は、建物の外壁に取り付けた場合には、外光を屋内に通過させることが可能である。第1基板11は屋外側に配置され得る。第2基板12は屋内側に配置され得る。もちろん、第2基板12が屋外側に配置され、第1基板11が屋内側に配置されてもよい。また、光学デバイス1は、外壁以外に取り付けられてもよい。たとえば、光学デバイス1は、内壁、パーティションに取り付けられ得る。光学デバイス1は車載用窓として取りつけられてもよい。第1基板11は、光が入り込む側の基板と定義される。
一対の電極(第1電極13及び第2電極14)は、屈折率調整層15に電界を与えることができるように構成されている。一対の電極のうちの一方が陽極として機能し、他方が陰極として機能する。屈折率調整層15は、一対の電極によって電圧が印加されることにより、屈折率が変化する。一対の電極は、光学デバイス1を駆動させるための電極として機能する。各電極は層となっている。
第1電極13及び第2電極14は、透明な導電層によって構成され得る。透明導電層の材料としては、透明金属酸化物、導電性粒子含有樹脂、金属薄膜などを用いることができる。光透過性を有する電極の材料の好ましいものとして、ITO、IZOなどの透明金属酸化物が例示される。透明金属酸化物によって構成される電極は、光学デバイス1の電極に用いることが好適である。また、電極は、銀ナノワイヤを含有する層や銀薄膜などの金属含有透明層であってもよい。また、電極は、透明金属酸化物の層と金属層とが積層されたものであってもよい。また、電極は、透明導電層に補助配線が設けられたものであってもよい。電極は遮熱効果を有していてもよい。それにより、断熱性が高まり得る。
第1電極13及び第2電極14の少なくとも一方は、金属を含んでいてもよい。金属は、電極を低抵抗化させることができる。金属によって、電気が光学デバイス1の面内に均一に流れやすくなり、光学特性の面内分布が向上し得る。ただし、金属の多量の含有は電極の光透過性の低下を招き得るため、電極の光透過性を阻害しない態様で、金属は含有される。たとえば、金属は、金属ナノワイヤ、金属製の補助配線、金属薄膜として、電極に含まれ得る。金属ナノワイヤは、透明導電層中に分散され得る。この場合、電極は、金属ナノワイヤを含む透明導電層で形成される。金属製の補助配線は、透明導電層に接触させて、透明導電層上に設けられ得る。この場合、電極は、透明導電層と補助配線とを含む。金属薄膜は、透明導電層の表面に設けられ得る。この場合、電極は、透明導電層と金属薄膜とを含む。第1電極13及び第2電極14の少なくとも一方は平面視において分割されていてもよい。それにより、部分制御が可能となる。第1電極13及び第2電極14の両方が平面視において分割される場合には、それらは同じ形状で分割されることが好ましい。
第1電極13及び第2電極14は、電源との電気接続が可能なように構成されていてよい。光学デバイス1は、電源に接続するために、電極パッドや、電極パッドを電気的に集約した電気接続部などを有し得る。電気接続部はプラグなどにより構成され得る。これらの電極は、配線を介して電源に接続され得る。電源は、外部電源であってもよいし、内部電源であってもよい。
図1の光学デバイス1においては、各電極は、平面視において凹凸層16からはみ出した部分を有しており、この部分で電源との接続を行うことが可能である。そのため、光学デバイス1への給電が容易である。
第1基板11は、第1電極13の外側に配置されている。第2基板12は、第2電極14の外側に配置されている。図1の例では、第1基板11は、第1電極13と接触している。第2基板12は、第2電極14と接触している。第1基板11及び第2基板12は、光透過性を有する。
第1基板11と第2基板12とは、端部において接着されていてよい。接着は接着剤によって行われ得る。接着剤は固化することが好ましい。接着剤は、壁部を形成し得る。壁部は、第1基板11と第2基板12との間の隙間の厚みを規定し得る。壁部は、屈折率調整層15の端部を保護し得る。
第1基板11及び第2基板12は、同じ基板材料で構成されてもよいし、異なる基板材料で構成されてもよいが、同じ基板材料で構成されることが好ましい。基板材料としては、ガラス基板、樹脂基板が例示される。ガラス基板の材料としては、ソーダガラス、無アルカリガラス、高屈折率ガラスが例示される。樹脂基板の材料としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)が例示される。ガラス基板は透明性が高いという利点がある。ガラス基板は防湿性が高いという利点がある。一方、樹脂基板は破壊時の飛散が少ないという利点がある。フレキシブル性を有する基板の使用は好ましい態様の一つである。フレキシブル性を有する基板は曲げることが可能である。フレキシブル性を有すると、取り扱い性が高まる。フレキシブル基板は、樹脂基板又は薄膜ガラスにより容易に形成され得る。第1基板11及び第2基板12は、同じ厚みであってもよいし、異なる厚みであってもよい。材料点数削減の点からは、これらは、同じ厚みであることが好ましい。フレキシブル性を有する基板は、曲げて使用することがあるため、屈折率調整層15内を一様に保持することが難しい。そのため、接着性を有するスペーサ20を使用することにより、屈折率調整層15をより一様に保持しやすくなる。
第1基板11と第1電極13とは可視光領域において屈折率の差が小さいことが好ましい。それにより、これらの界面において光を有効に透過させることができる。たとえば、第1基板11と第1電極13との屈折率差は0.2以下であることが好ましく、0.1以下であることがより好ましい。
第2基板12と第2電極14とは可視光領域において屈折率の差が小さいことが好ましい。それにより、これらの界面において光を有効に透過させることができる。たとえば、第2基板12と第2電極14との屈折率差は0.2以下であることが好ましく、0.1以下であることがより好ましい。
第1基板11と第2基板12とは、屈折率は同程度であってよく、たとえば、第1基板11と第2基板12との屈折率差は0.1以下であってよい。第1電極13と第2電極14とは、屈折率が同程度であり得る。たとえば、第1電極13と第2電極14との屈折率差は0.1以下であってよい。第1基板11及び第2基板12の屈折率は、たとえば、1.3〜2.0の範囲内であってよいが、これに限定されるものではない。第1電極13及び第2電極14の屈折率は、たとえば、1.3〜2.0の範囲内であってよいが、これに限定されるものではない。
図1の例では、凹凸層16は、第1電極13と屈折率調整層15との間に配置されている。凹凸層16は、第1電極13に接する。凹凸層16は、屈折率調整層15に接する。凹凸層16は、凹凸面を有する層である。凹凸層16は膜となっている。膜とは、本開示では、一体的になって面状に広がったものを指す。ただし、膜は適宜の箇所で分断されていてもよい。凹凸層16は、面状に連続している。凹凸層16は、膜と呼べる少なくとも所定の領域(たとえば1cm×1cmの範囲)で分断がない。凹凸層16は、厚み方向において隣り合う層を分離するように形成されていてよい。図1では、凹凸層16は第1電極13と屈折率調整層15とを分離している。第1電極13と屈折率調整層15とは接触していなくてよい。凹凸層16は、隣接する層(第1電極13及び/又は屈折率調整層15)を被覆していてよい。
図1の例では、凹凸層16は、第1電極13側の面が平坦な面となっており、屈折率調整層15側の面が凹凸面となっている。凹凸層16は、複数の凸部、及び、複数の凹部のいずれか一方を少なくとも有し、それらの凸部及び/又は凹部により凹凸面が形成されている。凹凸面は、平坦な面から複数の凸部が突出した構造を有していてもよいし、平坦な面から複数の凹部が凹んだ構造を有していてもよいし、あるいは、複数の凸部及び複数の凹部が敷き詰められて、平坦な面がなくなった構造を有していてもよい。
図1に示される凹凸層16において、凸部は、屈折率調整層15側に突出する。複数の凸部は、規則的に配置されてもよいし、不規則に配置されてもよい。複数の凸部は周期的に配置されてもよい。複数の凸部は等間隔に配置されてもよい。複数の凸部の配置は、ランダムであってもよい。凹部は、第1電極13側に凹んでいる。複数の凹部は、規則的に配置されてもよいし、不規則に配置されてもよい。複数の凹部は周期的に配置されてもよい。複数の凹部は等間隔に配置されてもよい。複数の凹部の配置は、ランダムであってもよい。光学デバイス1を窓として設置する場合、窓の上部と下部でそれぞれ適切な配光ができるよう、上部と下部で異なる凹凸構造が配置されていてもよい。
凹凸層16は、特定の方向への配光が強くなるように凹凸が形成されることが好ましい。たとえば、光学デバイス1に入る光が全体に広がるのではなく、特定の斜め方向に光が強く進行するようにする。すると、光学デバイス1を通った光の強さを位置によって変化させることができる。このような設定は、光学デバイス1を窓に利用するときに有利である。配光の制御は、凸部及び/又は凹部の形状や配置によって可能になる。たとえば、複数の凸部及び凹部が、面内において、形状が異なっていたり、存在率の割合が異なっていたりしてもよい。
凹凸層16の配光は、以下の方法で評価することが可能である。入射光として波長400nm〜800nmの波長の光を、光学デバイス1に対して第1電極13から第2電極14に向かう方向に入射させる。透過した光の方向を第2電極14側から評価する。光学デバイス1を透過した光が入射光の角度とは異なる特定の方向へ強く透過していれば、配光状態とみなされる。光の方向は光学デバイス1に対して垂直な方向であってよい。また、太陽光は垂直方向からだけではなく、斜め方向から入射することもあるので、同様の方法で斜め方向から入射した場合に、透過光が入射光の角度とは異なる特定の方向へ強く透過していれば、配光状態とみなされる。
凹凸層16の突出寸法(凹み寸法に等しい)は、突出高さと定義される。突出高さは、たとえば、100nm〜100μmの範囲内であるが、これに限定されるものではない。突出高さは、凹部の底部から凸部の先端までの厚み方向での長さである。凸部と、その凸部に隣接する他の凸部との間の距離は、たとえば、100nm〜100μmの範囲内であるが、これに限定されるものではない。また、凹部と、その凹部に隣接する他の凹部との間の距離は、たとえば、100nm〜100μmの範囲内であるが、これに限定されるものではない。凸部と、その凸部に隣接する他の凸部との間の距離は、凹凸のピッチと定義される。凹部を基準とする凹凸のピッチも同様に定義される。マイクロサイズのオーダーの凹凸が設けられると、光の制御が良好になりやすい。凹凸層16の凹凸は、たとえば、インプリント法によって形成され得る。突出高さよりも凹凸ピッチが小さい方が光の制御が良好になりやすい。ただし、突出高さよりも凹凸ピッチが小さいと、フォトリソグラフィー等の他の凹凸作製工程では作製時間がかかるため、作製が難しい。一方、インプリント法で凹凸を作製する場合には、突出高さよりも凹凸ピッチが小さい凹凸を容易に作製することが可能である。複数の凹凸ピッチの平均は、凹凸の平均周期といえる。
凹凸層16は、光透過性を有する。凹凸層16と第1電極13とは屈折率の差が小さいことが好ましい。それにより、これらの界面において光を有効に透過させることができる。たとえば、凹凸層16と第1電極13との屈折率差は0.2以下であることが好ましく、0.1以下であることがより好ましい。凹凸層16の屈折率は、たとえば、1.3〜2.0の範囲内であってよいが、これに限定されるものではない。
図1の例では、凹凸層16は、導電性を有することが好ましい。それにより、第1電極13と第2電極14との間の電気の流れを良好にすることができる。凹凸層16は、第1電極13に用いられる材料によって形成されてもよい。第1電極13と凹凸層16とは、材料が同じで一体化していてもよい。ただし、第1電極13と凹凸層16とは別体となった方が、凹凸面の形成が容易である。凹凸層16は、凹凸を形成しやすい材料で形成されることが好ましい。凹凸層16は、たとえば、樹脂を含む材料で形成され得る。凹凸層16の樹脂材料として、導電性高分子、導電体含有樹脂が例示される。導電性高分子としては、PEDOTが例示される。導電体としては、Agナノワイヤなどの金属ナノワイヤが例示される。金属ナノワイヤはセルロース、アクリルなどの樹脂と混合されていてもよい。金属ナノワイヤと樹脂の混合材料を使用した場合には、凹凸層16の屈折率を樹脂により調整可能なため、第1基板11及び第2基板12や屈折率調整層15と屈折率を近づけることが容易となる。そのため、透明性が向上する。なお、電圧の印加が可能であれば、凹凸層16は絶縁材料で形成されていてもよい。その場合、凹凸層16は、樹脂や無機層で形成され得る。凹凸層16が絶縁層であっても、第1電極13と第2電極14との間の電圧差を大きくすることで、第1電極13と第2電極14との間に電圧を印加することは可能である。凹凸層16が絶縁層である場合、薄い方がより電力効率が向上する。好ましくは、絶縁材料で形成される凹凸層16の最も薄い部分は10μm以下である。
屈折率調整層15は、凹凸面を有する。屈折率調整層15の凹凸面は、凹凸層16の凹凸面により形成される。屈折率調整層15は凹凸層16に接している。屈折率調整層15は、凹凸層16に向かう表面が凹凸である。屈折率調整層15の凹凸面は、凹凸層16の凹凸が型となって形成され得る。屈折率調整層15は、複数の凸部、及び、複数の凹部の少なくとも一方を備える。屈折率調整層15の凸部は、凹凸層16の凹部に対応する。屈折率調整層15の凹部は、凹凸層16の凸部に対応する。屈折率調整層15と凹凸層16との界面は、凹凸界面となっている。
凹凸界面は、配光が行われやすい構造を有していてもよい。たとえば、凹凸界面は、マイクロレンズ構造、フレネルレンズ構造、突起構造、台形構造などで構成され得る。フレネルレンズ構造では、レンズ形状が複数に分割された形状を有し得る。そのため、レンズのように、特定の方向への光を強くすることが容易である。凹凸界面は、のこぎり状の断面形状となるものであってよい。上記の台形構造は、断面台形形状の複数の凸部を有する構造である。台形構造では、断面台形形状の複数の凸部が、それぞれ平行に長く延伸していてよい。凹凸界面の構造は1/4球レンズ構造であってもよい。またこれらの構造の組み合わせであってもよい。
屈折率調整層15は、液晶を含む。液晶は、電力により屈折率が変化する材料となり得る。液晶としては、たとえば、ネマチック液晶、コレステリック液晶、強誘電性液晶が挙げられる。液晶では、電界の変化によって分子配向が変わり得る。そのため、屈折率の変化が可能になる。
屈折率調整層15は、高分子を含むことが好ましい。屈折率調整層15が高分子を含むことにより、もし光学デバイス1が壊れることがあっても、屈折率調整層15の材料や、基板の材料が飛散することが抑制される。そのため、安全性が高まる。高分子は、屈折率調整層15の屈折率変化を安定化させる。そのため、配光性が安定化する。
屈折率調整層15は、高分子により形成されたポリマー構造を有していてもよい。ポリマー構造は、高分子鎖の架橋構造で形成されてもよい。ポリマー構造は、高分子の絡み合いで形成されてもよい。ポリマー構造は、網目状の構造を有し得る。ポリマー構造の間に液晶が配置されることで、屈折率の調整が可能になる。高分子は、屈折率調整層15に光散乱性を付与し得る。ただし、配光性をよくするためには、高分子は、できるだけ凹凸層16と接しないことが好ましい。
高分子を含む屈折率調整層15の材料としては、高分子分散型液晶を用いることが好ましい。高分子分散型液晶では、液晶が高分子によって保持されているため、安定な屈折率調整層15を形成することができる。高分子分散型液晶は、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)と呼ばれる。また、高分子を含む屈折率調整層15の材料として、ポリマーネットワーク型液晶を用いることも好ましい。ポリマーネットワーク型液晶は、PNLC(Polymer Network Liquid Crystal)と呼ばれる。
高分子分散型液晶及びポリマーネットワーク型液晶は、樹脂部と液晶部とから構成されるものであってよい。樹脂部は高分子により形成される。樹脂部は光透過性を有することが好ましい。それにより、屈折率調整層15を光が透過しやすくなる。樹脂部は、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂などにより形成され得る。液晶部は、電界によって液晶構造が変化する部分である。液晶部は、ネマチック液晶などが用いられる。高分子分散型液晶及びポリマーネットワーク型液晶は、樹脂部の中に液晶部が点状に存在する構造であることが好ましい一態様である。高分子分散型液晶及びポリマーネットワーク型液晶においては、樹脂部が海、液晶部が島を構成する海島構造となっていてよい。高分子分散型液晶及びポリマーネットワーク型液晶は、樹脂部の中において液晶部が網目状に不規則につながる形状であることが好ましい一態様である。もちろん、高分子分散型液晶及びポリマーネットワーク型液晶は、液晶部の中に樹脂部が点状に存在したり、液晶部の中で樹脂部が網目状に不規則につながったりした構造であってもよい。
屈折率調整層15が高分子を含む場合、屈折率調整層15の保持性が高まる。屈折率調整層15は、内部で材料が流動しにくくなる。屈折率調整層15は、屈折率が調整された状態が高く維持され得る。
屈折率調整層15は、可視光領域での屈折率が、凹凸層16の屈折率に近い屈折率と、凹凸層16の屈折率との屈折率差が大きい屈折率とに調整可能であることが好ましい。それにより、配光状態と透明状態との差を大きくすることができる。屈折率調整層15は、凹凸層16に屈折率が近い状態と、凹凸層16との屈折率差が大きい状態との2つの状態の変化が可能である。屈折率調整層15の屈折率が凹凸層16に近い状態では、屈折率調整層15と凹凸層16との屈折率差は、0.2以下であることが好ましく、0.1以下であることがより好ましい。屈折率調整層15と凹凸層16との屈折率差が大きい状態では、屈折率調整層15と凹凸層16との屈折率差は、0.1を超えることが好ましく、0.2以上であることがより好ましい。なお、本開示では、特に断りのない限り、屈折率は厚み方向D1での屈折率を意味する。
屈折率調整層15の一の態様では、電圧が印加されることにより、屈折率が凹凸層16に近づき、電圧が印加されないと、凹凸層16との屈折率差が大きくなる。屈折率調整層15と凹凸層16との屈折率差が小さいと非配光状態(透明状態)となり、屈折率調整層15と凹凸層16との屈折率差が大きいと配光状態となり得る。屈折率調整層15の他の態様では、電圧が印加されることにより、凹凸層16との屈折率差が大きくなり配光状態となり、電圧が印加されないと、屈折率が凹凸層16に近づき、非配光状態(透明状態)となる。
屈折率調整層15の材料として屈折率異方性を有する液晶材料が好ましい。屈折率異方性を有する液晶材料を屈折率調整層15に使用する場合には、電界を印加し液晶分子を垂直配向させた場合に、外光の偏光による異方性が生じにくくなる。そのため、透明状態のときの透明性が向上する。透明性を向上させるためには、垂直配向したときの液晶の屈折率と凹凸層16の屈折率を近づけることが好ましい。
屈折率調整層15の材料として負の誘電率異方性を有する液晶材料が好ましい。それにより電圧を印加した時に配光状態となり、電圧を印加しない時に非配光状態(透明状態)となる。配光状態が短時間で良い場合には、負の誘電率異方性を有する液晶材料を使用する方が、電力効率が向上する。
屈折率調整層15は、凹凸層16との屈折率差が大きくなる状態では、凹凸層16よりも屈折率が小さくなることが好ましい一態様である。それにより、光の進行方向を変化させやすくすることができる。屈折率調整層15は、凹凸層16との屈折率差が大きくなる状態では、凹凸層16よりも屈折率が大きくなることが好ましい一態様である。それにより、光の進行方向を変化させやすくすることができる。屈折率調整層15の屈折率の変化の態様は、目的とする配光に合わせて設定され得る。
屈折率調整層15は、交流電源により電力が供給されてもよいし、直流電源により電力が供給されてもよい。屈折率調整層15は、交流電源により電力が供給されることが好ましい。電界により屈折率が変化する材料では、電圧印加の開始から時間がたつと、電圧印加時の状態が維持できなくなるものが多く存在する。交流電源では、電圧を双方向に交互に印加することができ、電圧の方向を変えることで実質的に継続して電圧を印加することが可能である。交流の波形は矩形波であることが好ましい。それにより、印加する電圧量が一定になりやすくなるため、屈折率が変化した状態を安定化させることがより可能になる。交流はパルスであってよい。交流電源の波形は正弦波であってもよい。正弦波であれば、変調することなく電源から供給される電力をそのまま使用することができる。
屈折率調整層15は、電圧を印加したときの状態が維持されるものであることが好ましい一態様である。それにより、屈折率を変化させたいときに電圧を印加し、そうでないときには電圧を印加させなくてもよいので、電力効率が高まる。屈折率が維持される性質はヒステリシスと呼ばれる。この性質は記憶性(メモリ性)といってもよい。所定電圧以上の電圧を付加することにより、ヒステリシスは発揮され得る。屈折率の維持される時間は、長いほどよいが、たとえば、10分以上が好ましく、30分以上がより好ましく、1時間以上がさらに好ましく、12時間以上がよりさらに好ましく、24時間以上がよりもっと好ましい。
本実施形態では、屈折率調整層15に含まれるスペーサ20が屈折率調整層15の厚みを形成している。スペーサ20は、粒子である。スペーサ20の数は少なくとも1つであるが、複数であることがより好ましい。図1では、屈折率調整層15は、複数のスペーサ20を含んでいる。図1では、模式的に3つのスペーサ20が描画されているが、実際は、多数のスペーサ20が配置されてよい。複数のスペーサ20は、屈折率調整層15の厚みをより確実に形成できる。凹凸層16の凹凸のピッチよりも大きいスペーサ20が用いられてもよい。凹凸層16の凹凸高さよりも大きいスペーサ20が用いられてもよい。スペーサ20は、屈折率調整層15内で分散されて配置され得る。
スペーサ20に含まれるコア粒子21は、スペーサ20の本体となっており、コア粒子21が凹凸層16と第2電極14との間のスペースを確保する。コア粒子21は、硬く、変形しにくい。そのため、コア粒子21によって、前記スペースが容易に確保される。スペーサ20の表面の接着膜22は、接着物質を含んでいる。接着物質は、接着性を発現する。コア粒子21は、接着膜22に含まれる接着物質によって、凹凸層16と第2電極14とに引っ付き、これらの間で固定される。
コア粒子21は、適宜の材料によって形成され得る。コア粒子21は、たとえば、無機粒子、有機粒子が挙げられる。無機粒子は、たとえば、シリカ粒子が挙げられる。粒子は、球状であることが好ましい。球状は、完全な球だけでなく、球形と認識できる形状も含む。コア粒子21は、接着膜22に被覆されている。
接着膜22は、適宜の接着材料によって形成され得る。接着材料は、樹脂であってよい。たとえば、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などにより、接着膜22は形成される。この場合、光又は熱により、接着膜22の接着性が発現される。接着膜22は、光学デバイス1を製造するときに、少なくともスペーサ20と第2電極14とを接着させるような機能を有すればよく、完成した光学デバイス1においては、接着膜22は接着性がなくなっていてもよい。
第2電極14と、構造体17であるスペーサ20との接着は、光又は熱により発現されることが好ましい。その場合、光又は熱によって、強い接着性を簡単に得ることができる。このとき、スペーサ20の接着膜22は、光又は熱が付与される前には、接着性を有しておらず、他の物質に引っ付かない。そのため、光学デバイス1の製造時に、不適切な部分にスペーサ20が接着してしまうことを抑制し、確実に屈折率調整層15の内部で接着性を発現することができる。
スペーサ20を構成する複数の粒子の粒径は、揃っていることが好ましい。複数の粒子の粒径が揃うことで、屈折率調整層15の厚みが安定化される。たとえば、複数の粒子の粒子径は、平均粒径の±10%の範囲内に95%以上の粒子の粒子径が入っていれば、粒径が揃うとみなされ得る。
図1では、スペーサ20は、凹凸層16と第2電極14とに接している。光学デバイス1の形成では、凹凸層16と第2電極14とが近づく方向にこれらが相対的に動かされて、屈折率調整層15が設けられる。そのときに、スペーサ20は、スペーサ20の大きさよりも凹凸層16と第2電極14とが近づかないようにすることができる。
接着性を有するスペーサ20は、液体成分を含む光学デバイス1において、特に有用である。液晶は、液体成分を含み得る。もし、第1電極13と第2電極14との間の距離が固定されておらず、屈折率調整層15の厚みが変化可能になってしまうと、光学デバイス1が鉛直に配置されたときに、液体成分が自重で下方に落ちてしまう可能性がある。さらに、第1基板11及び第2基板12の一方又は両方が可撓性を有する場合には、基板間の距離の変動が容易になるため、屈折率調整層15の厚みが変化しやすくなり、液体成分が下方に落ちやすい。しかしながら、上記の光学デバイス1では、スペーサ20が屈折率調整層15内で屈折率調整層15の両面の層(凹凸層16及び第2電極14)に接着されて固定されているため、屈折率調整層15の厚みが変化しにくく、液体成分が下方に落ちにくくなる。そのため、光学デバイス1の光学特性が向上する。
光学デバイス1は、たとえば、第1電極13及び凹凸層16が設けられた第1基板11と、第2電極14が設けられた第2基板12とを対向配置し、これらの間に、流動性を有する屈折率調整層15の材料の注入することで形成され得る。第1基板11と第2基板12とは、外縁に設けられた接着材料で接着されてよい。このとき、屈折率調整層15の材料は、接着性をまだ発現していない接着物質を表面に有するスペーサ20を含んでおり、屈折率調整層15内でスペーサ20が分散されて配置される。そして、屈折率調整層15の注入後に、光又は熱を付与することで、スペーサ20にある接着物質の接着性を発現させる。光及び熱の両方が接着物質に付与されてもよい。ここで、接着物質は、接着の際に一度溶融してもよく、その場合、第2電極14及び凹凸層16とスペーサ20との接着性がさらに向上し得る。接着性の発現により、スペーサ20は、凹凸層16と第2電極14とに引っ付き、屈折率調整層15内で固定される。
図2は、第1実施形態の光学デバイス1の変形例である。この光学デバイス1では、凹凸層16は、軟質性を有している。そして、スペーサ20は、凹凸層16に食い込んでいる。この場合、スペーサ20により凹凸層16の凸部が押しつぶされて、凹凸層16とスペーサ20との接触面積(すなわち接着面積)が大きくなる。そのため、凹凸層16とスペーサ20との接着性が向上し、屈折率調整層15の厚みがより確実に確保される。
図2では、凹凸層16の凸部が押しつぶされて、凹んで変形し、凹凸層16のスペーサ20と接触する部分は、スペーサ20に沿った形状になっている。凹凸層16は、つぶれ部16xを有する。このため、接着性が向上する。
図3は、第1実施形態の光学デバイス1の変形例である。この光学デバイス1も、凹凸層16が軟質性を有し、スペーサ20が凹凸層16に食い込んだ例を示している。この例では、凹凸層16は、断面台形状の複数の凸部16aを備えている。凸部16aの台形は、台形の下底よりも高さが高い尖がった形状をしている。複数の凸部16aの間の間隔は、台形の下底よりも小さい。凸部16aは、紙面と垂直な方向に伸びる線状となっていてもよい。このとき、複数の凸部16aは、平面視したときにストライプ状の模様を構成していてもよい。あるいは、凸部16aは、四角錐台や六角錐台などの多角錐台や、円錐台であってもよい。
図3では、凹凸層16の凸部16aは押しつぶされて、左右に倒れて変形している。凹凸層16は、つぶれ部16xを有する。凹凸層16のスペーサ20と接触する部分は、凸部16aの側面を含む部分となっている。このため、凹凸層16とスペーサ20との接触面積が大きくなり、接着性が向上する。なお、接着物質が一度溶融する場合には、凹凸層16の表面形状に合った形状で、接着物質が固まるため、接着性がさらに向上する。
図4は、光学デバイス1のさらなる変形例を示している。図1と同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
図4の光学デバイス1は、凹凸層16と第1電極13との配置が、図1のものとは異なっている。図4の例では、第1基板11から第2基板12にむかって、凹凸層16、第1電極13、屈折率調整層15、第2電極14の順に、これらの層が配置されている。それ以外は、図1の形態と同じであってよい。
図4の例では、凹凸層16と屈折率調整層15との間に、第1電極13が配置されている。凹凸層16は、第1基板11と第1電極13との間に配置されている。第1電極13は、凹凸面を有する。第1電極13は、凹凸層16に追随した形状であり、屈折率調整層15に向かう面が凹凸面となっている。図4の光学デバイス1においても、凹凸層16は、膜状であり、屈折率調整層15の表面を凹凸にしている。ただし、第1電極13を介して屈折率調整層15に凹凸を付与している。
凹凸層16の形状は、図1で説明したものと同様にすることができ、上記の説明が適用され得る。たとえば、凹凸層16は、複数の凸部、及び、複数の凹部のいずれか一方を少なくとも有し得る。この場合、凸部は第1電極13側に突出し、凹部は第1基板11側に凹むことになる。屈折率調整層15と第1電極13との界面は、凹凸界面となっている。凹凸界面は、上記で説明した構造と同様の構造を有し得る。図4に示される凹凸層16は、図1の例で説明した凹凸層16から、適宜、層の配置に合わせて層の名称を置換することで、好ましい態様が説明される。
図4の例では、凹凸層16は、導電性を有してもよいし、有さなくてもよい。第1電極13と屈折率調整層15とが接するため、凹凸層16に導電性がなくても、電力の供給が可能である。凹凸層16が導電性を有する場合、第1電極13の導電性を補助することができる。凹凸層16は、凹凸を形成しやすい材料で形成されることが好ましい。凹凸層16は、たとえば、樹脂を含む材料で形成され得る。
第1電極13と凹凸層16との間には、凹凸界面が配置される。第1電極13は両面が凹凸である。第1電極13の屈折率調整層15に向かう面は凹凸面となっている。第1電極13は、凹凸層16の表面に積層形成され得る。第1電極13が、凹凸層16の上に形成されることにより、第1電極13の凹凸面が形成される。
屈折率調整層15は、凹凸面を有する。屈折率調整層15の凹凸面は、第1電極13の凹凸面により形成されている。屈折率調整層15と第1電極13とは接する。屈折率調整層15の具体的な態様は、図1で説明したものと同じであってよい。
図4の例では、スペーサ20は第1電極13と第2電極14とに引っ付いている。スペーサ20は、第1電極13に接している。スペーサ20は、第1電極13と第2電極14とを接着することができる。本実施形態でも、スペーサ20の接着により、屈折率調整層15の厚みが確実に確保される。
図4の例においても、スペーサ20は凹凸層16に食い込んでいてもよい。この場合、スペーサ20は、第1電極13を介して凹凸層16に食い込む。第1電極13及び凹凸層16の凹凸は押しつぶされ得る。第1電極13及び凹凸層16は、凹凸が変形していてよい。また、凹凸層16に変形がないかほとんどなく、第1電極13にスペーサ20が食い込んでいてもよい。この場合、第1電極13は凹んでいてよい。それにより、スペーサ20と第1電極13との接触面積が大きくなり、スペーサ20がより強く第1電極13に引っ付く。
図1のように凹凸層16が屈折率調整層15に接する構造は、直接凹凸形成構造と定義される。図4のように凹凸層16と屈折率調整層15との間に第1電極13が存在する構造は、間接凹凸形成構造と定義される。このように、屈折率調整層15に接して凹凸界面が形成されることで、配光の制御が可能となる。直接凹凸形成構造は、凹凸面の形成が、間接凹凸形成構造よりも容易になりやすいという利点がある。ただし、直接凹凸形成構造では、凹凸層16は、第1電極13と第2電極14との間で電気が流れるように構成されることが求められる。一方、間接凹凸形成構造は、直接凹凸形成構造よりも、第1電極13と第2電極14との間の電気の流れを確保しやすいという利点がある。また、間接凹凸形成構造は、第1電極13を第1基板11から離すため、これらの層の屈折率差の影響を受けにくい。ただし、間接凹凸形成構造では、第1電極13を凹凸層16に追随した形状で形成することが求められる。
図5は、光学デバイス1の第2実施形態を示している。図1と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略する。
第2実施形態では、構造体17は、凹凸層16に設けられた複数の柱部30である。複数の柱部30は、屈折率調整層15を貫通し、その先端が第2電極14に接着している。
本実施形態でも、光学デバイス1は、屈折率調整層15の屈折率の変化により、透明状態と配光状態とを作り出すことができる。ここで、屈折率調整層15の厚みを形成する構造体17(柱部30)が、第2電極14に接着していることにより、屈折率調整層15の厚みが確実に確保され、層の厚みのムラが低減する。そのため、光学デバイス1の全体にわたってより均一に光を配向することができる。そして、均一な配光が可能になると、透明状態と配光状態との光の変化が大きくなる。このように、光学デバイス1は、透明状態と配光状態とを変化させることができるため、光学特性に優れる。
本実施形態では、凹凸層16の一部である柱部30が屈折率調整層15の厚みを形成している。凹凸層16は、複数の柱部30を備えている。複数の柱部30は、屈折率調整層15を貫通して第2電極14に接している。柱部30の先端は、第2電極14に引っ付いている。柱部30の先端は、接着材料によって第2電極14と接着されている。接着材料は、柱部30と第2電極14との間で接着部31を形成している。接着材料は、接着物質を含んでいてもよい。このように、柱部30によって、簡単に屈折率調整層15の厚みが形成され、柱部30が第2電極14に接着していることによって柱部30が固定されるため、屈折率調整層15の厚みが確実に確保され得る。
複数の柱部30は、凹凸層16の形成の際に、一部が突出するように成形されることで、形成され得る。柱部30は、光学デバイス1の厚み方向に沿って直線状に伸びていてもよい。図5では、複数の柱部30は、凹凸層16の突出した部分がさらに延長して突出した部分で形成されている。複数の柱部30は、円柱状、角柱状などであってよい。
図5では、複数の柱部30を有する凹凸層16は、第2電極14に接している。光学デバイス1の形成では、凹凸層16と第2電極14とが近づく方向にこれらが相対的に動かされて、屈折率調整層15が設けられる。そのときに、複数の柱部30は、複数の柱部30の長さよりも凹凸層16と第2電極14とが近づかないようにすることができる。複数の柱部30は、第2電極14を受け止め得る。複数の柱部30の周囲は屈折率調整層15が配置され得る。複数の柱部30は、屈折率調整層15の内部に配置される。複数の柱部30は、スペーサとして機能する。複数の柱部30の先端は、厚み方向で揃っていることが好ましい。柱部30の数が複数となることで、複数の柱部30の強度が高まり、屈折率調整層15の厚みが形成されやすくなる。複数の柱部30がある場合、屈折率調整層15内に上述のようなスペーサとなる粒子が含まれなくても、屈折率調整層15の厚みが形成されやすくなる。そのため、光学デバイス1の作製が容易となり得る。
接着部31は、適宜の接着材料によって形成される。接着材料は、樹脂であってよい。たとえば、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などにより、接着部31は形成される。この場合、光又は熱により、接着部31の接着性が発現される。接着部31は、光学デバイス1を製造するときに、少なくとも柱部30の先端と第2電極14とを接着させるような機能を有すればよく、完成した光学デバイス1においては、接着部31は接着性がなくなっていてもよい。接着材料は、接着の際に、一度溶融してもよい。
第2電極14と、構造体17である柱部30との接着は、光又は熱により発現されることが好ましい。その場合、光又は熱によって、強い接着性を簡単に得ることができる。このとき、柱部30の先端に設けられた接着材料は、光又は熱が付与される前には、接着性を有しておらず、他の物質に引っ付かない。そのため、光学デバイス1の製造時に、不適切な部分に接着してしまうことを抑制し、確実に柱部30と第2電極14との界面で接着性を発現することができる。
柱部30が第2電極14に接着している凹凸層16は、液体成分を含む光学デバイス1において、特に有用である。液晶は、液体成分を含み得る。もし、第1電極13と第2電極14との間の距離が固定されておらず、屈折率調整層15の厚みが変化可能になってしまうと、光学デバイス1が鉛直に配置されたときに、液体成分が自重で下方に落ちてしまう可能性がある。さらに、第1基板11及び第2基板12の一方又は両方が可撓性を有する場合には、基板間の距離の変動が容易になるため、屈折率調整層15の厚みが変化しやすくなり、液体成分が下方に落ちやすい。しかしながら、上記の光学デバイス1では、柱部30が第2電極14に接着されて固定されているため、屈折率調整層15の厚みが変化しにくく、液体成分が下方に落ちにくくなる。そのため、光学デバイス1の光学特性が向上する。
光学デバイス1は、たとえば、第1電極13及び凹凸層16が設けられた第1基板11と、第2電極14が設けられた第2基板12とを対向配置し、これらの間に、流動性を有する屈折率調整層15の材料の注入することで形成され得る。このとき、凹凸層16の複数の柱部30を第2電極14に接触させておき、光又は熱を付与することで、柱部30と第2電極14とを接着することができる。柱部30は先端に接着材料を有しているため、柱部30の先端で接着性が発現される。接着性の発現は、屈折率調整層15の材料の注入前であってもよいし、屈折率調整層15の材料の注入後であってもよい。
図6は、第2実施形態の光学デバイス1の変形例である。この光学デバイス1では、凹凸層16は、断面台形状の複数の凸部16aを備えている。凸部16aの台形は、台形の下底よりも高さが高い尖がった形状をしている。柱部30は、凸部16aそのもので形成されている。柱部30は、テーパ状になっていてもよい。また、凸部16aは、四角錐台や六角錐台などの多角錐台や、円錐台であってもよい。本変形例においても、凹凸層16が柱部30を備え、柱部30の先端が第2電極14に接着していることによって、屈折率調整層15の厚みを確実に確保することができる。
図7により、光学デバイス1の作用について説明する。図7は、図7A及び図7Bからなる。図7Aは配光状態を示し、図7Bは非配光状態(透明状態)を示している。図7では、光学デバイス1は、窓のように鉛直に配置されている。光学デバイス1では、少なくとも図7Aに示される配光状態と、図7Bに示される非配光状態とが切り替わる。
図7では、光学デバイス1が簡略化されて描画されている。光学デバイス1は、凹凸界面10を備えている。凹凸界面10は、上記の屈折率調整層15と、この屈折率調整層15に隣接する層との間の界面である。たとえば、凹凸界面10は、屈折率調整層15と凹凸層16との間に配置される。
図7Bは、光学デバイス1が透明状態となったときの光の進行を示している。光は矢印で示されている。光は、光学デバイス1の表面に垂直な方向(厚み方向と同じ方向)から傾斜した方向で進行し得る。特に、光学デバイス1が窓である場合、斜めから光が当たる可能性が高い。透明状態の光学デバイス1を通過する光は、そのまま直進する。たとえば、光学デバイス1に屋外からの光(外光)が当たる場合、外光は屋内にそのままの方向で侵入する。
光学デバイス1の透明状態は、屈折率調整層と、この屈折率調整層に凹凸界面10において接する層との屈折率のマッチングによって発生する。屈折率調整層に凹凸界面10において接する層は、凹凸界面隣接層と定義される。凹凸界面隣接層は、図1及び図5の例では、凹凸層16である。凹凸界面隣接層と屈折率調整層との屈折率差が小さくなると、屈折率差による光の進行方向の変化が小さくなっていく。凹凸界面隣接層と屈折率調整層との屈折率差がなくなるか、無視できる程度になると、屈折率差による光の進行の変化はほとんど起こらなくなり、また、凹凸界面10での光の進行方向の変化もほとんど起こらなくなる。このため、光は進行方向を維持して凹凸界面10を通過する。
光学デバイス1は、電圧の印加により、透明状態となることが好ましい一態様である。電圧の印加により、屈折率調整層内の物質の配向が整えられて、凹凸界面隣接層と屈折率調整層との屈折率差が少なくなることで、透明性が発揮され得る。光学デバイス1は、電圧がかからないときに、配光状態となることが好ましい一態様である。また、電圧を変化させたときの光学的状態が維持されてもよい。光学的状態が維持される性質はヒステリシスと呼ばれる。この性質は記憶性(メモリ性)といってもよい。
図7Aは、光学デバイス1が配光状態となったときの光の進行を示している。光は矢印で示されている。配光状態では、光学デバイス1に入った光は、光学デバイス1内において進行方向が変化する。光の進行方向の変化は、凹凸界面10で生じ得る。光学デバイス1により、光の進行方向は変化されて目的とする方向になり得る。そのため、光学デバイス1での配光が可能となる。図7Aにおいては、地表に傾斜しながら上から下に進んでいた光が、光学デバイス1を通過して、地表に傾斜しながら下から上になっている様子が描画されている。このように光が折れ曲がると、光が遠方まで届きやすくなるため、光学特性がさらに優れた光学デバイス1を得ることができる。
光学デバイス1の配光状態は、屈折率調整層と凹凸界面隣接層との屈折率のミスマッチングによって発生する。凹凸界面隣接層と屈折率調整層との屈折率差が大きくなると、屈折率差により光の進行方向の変化が生じやすくなり、さらに凹凸界面10での光の進行方向の変化も追加されて、光が曲げられる方向に進行方向が変化し得る。そして、凹凸界面隣接層と屈折率調整層との屈折率差が制御されることで、目的とする方向に光を進行させることができる。図7Aでは、光の進行方向は、一方向に曲げられる様子が模式的に描画されているが、光は、分散して進行してもよい。配光は、光の成分のうち、目的とする方向への光量が増加するものであってよい。特定の方向への光量が増加すると、光学特性が向上する。
ところで、光学デバイス1では、屈折率調整層において光が散乱されてもよい。このときの散乱性は、配光性を維持しながら光が散乱され得る。散乱性が付与されると、光の眩しさを低減することができる。
図7で示すように、光学デバイス1は、建物の壁などに取り付けることができる。建物の外部は屋外であり、建物の内部は屋内である。光学デバイス1は窓として機能することができる。
ここで、光学デバイスを鉛直に配置した場合、一対の電極が固定されていないと、液晶を含む屈折率調整層は、液晶成分が自重で下方に下がる可能性がある。具体的には、たとえば光学デバイスの厚み方向が地表面と平行になるように光学デバイスが配置されたときに、液晶が下に落ちやすくなり、光学デバイス内で上方の液晶量と下方の液晶量とが異なるおそれがある。一対の電極が接着されていないと、屈折率調整層の厚みが増加することが可能だからである。しかしながら、上記のように、光学デバイス1では、構造体17によって、屈折率調整層15の厚みが形成され、第1電極13と第2電極14とが固定されているため、液晶が保持されて、下方に下がりにくくなる(図1等参照)。そのため、上述した構造体17(スペーサ20又は柱部30)は、液晶を保持する機能を発揮し、光学デバイス1の特性を向上することができる。
図7Bに示すように、光学デバイス1が透明性を有する状態では、外光が光学デバイス1を通して屋内に入射する。外光は、通常、太陽の光である。光学デバイス1は、いわばガラス窓と同じような光学的状態である。このとき、屋内は、光が入ることにより明るくなるが、屋内の奥行が広い場合などには、屋内全体が明るくはなりにくい。そのため、ガラス窓を有する建物では、昼においても、照明器具が点灯されて、屋内が明るくされることがよく行われている。
図7Aでは、光学デバイス1は配光性を有する状態となっている。この場合、光学デバイス1が光の進行方向を変化させ、配光することにより、屋内の奥に届きやすい方向の光を発生あるいは増加させることができる。図7Aでは、光は天井に向かう方向に変化されている。斜め下方に進む光が、光学デバイス1を通過して、斜め上方に進む光になっている。ただし、光の配光は完全ではなく部分的に生じ得るものなので、天井に向かう方向に曲げられた光と、直進する光とが存在してよい。このとき、光の主成分は配光されて曲げられた光であることが好ましい。そして、図7Aのように光が配光されると、屋内の内部の方に光が届くため、屋内が奥(光学デバイス1から遠い所)まで明るくなる。そのため、照明器具をオフにしたり、照明器具での電気量を低下させたりすることができ、省エネルギー化を図ることができる。なお、光学デバイス1が光散乱性を有すると、光が散乱されるため、光の眩しさを低減することができる。
光学デバイス1は、さらなる変形例を含み得る。光学デバイスは、さらに一対のガラスパネルを備え、一対のガラスパネルの間に上述の光学調整体が組み込まれた構造を有していてもよい。この場合、光学デバイスは、ガラスパネルユニット(いわゆる複層ガラス)として構成される。光学調整体は一対のガラスパネルの間に設けられた密閉空間に配置される。密閉空間は一対のガラスパネルの外縁がシールされて接着されることで形成され得る。密閉空間は、真空であってもよいし、不活性ガスなどの気体が充填されていてもよい。このように、ガラスパネルユニットで光学デバイスを構成すると、断熱性を高めることができる。そのため、建材(窓を含む)として有効な光学デバイスを得ることができる。また、ガラスパネルユニットは、光学調整体を保護することができ、機械強度を向上させることができる。そのため、破壊が起こりにくい光学デバイスを得ることができる。なお、光学デバイス1が一対のガラスパネルに組み込まれる場合、ガラスパネルの一部で光学調整体の基板が構成されてもよい。
1 光学デバイス
11 第1基板
12 第2基板
13 第1電極
14 第2電極
15 屈折率調整層
16 凹凸層
17 構造体
20 スペーサ
30 柱部

Claims (5)

  1. 光透過性を有する第1電極と、
    前記第1電極と電気的に対となり、光透過性を有する第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極との間に配置され、液晶を含み、電界により屈折率が変化し、透明状態と入射光を配光する状態とが変化可能な屈折率調整層と、
    前記屈折率調整層の表面を凹凸にする凹凸層と、
    前記屈折率調整層の厚みを形成し、前記第2電極に接着している構造体と、を備える、
    光学デバイス。
  2. 前記構造体は、前記屈折率調整層に含まれ、接着物質を表面に有するスペーサである、
    請求項1に記載の光学デバイス。
  3. 前記凹凸層は、軟質性を有し、
    前記スペーサは、前記凹凸層に食い込んでいる、
    請求項2に記載の光学デバイス。
  4. 前記構造体は、前記凹凸層に設けられた複数の柱部であり、
    前記複数の柱部は、前記屈折率調整層を貫通し、その先端が前記第2電極に接着している、
    請求項1に記載の光学デバイス。
  5. 前記第2電極と前記構造体との接着は、光又は熱により発現される、
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光学デバイス。
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