JP2020064089A - 光学デバイス、光学システム、及び、光学デバイスの製造方法 - Google Patents
光学デバイス、光学システム、及び、光学デバイスの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2020064089A JP2020064089A JP2017033604A JP2017033604A JP2020064089A JP 2020064089 A JP2020064089 A JP 2020064089A JP 2017033604 A JP2017033604 A JP 2017033604A JP 2017033604 A JP2017033604 A JP 2017033604A JP 2020064089 A JP2020064089 A JP 2020064089A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- light
- layer
- electrode layer
- optical device
- region
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B5/00—Optical elements other than lenses
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B5/00—Optical elements other than lenses
- G02B5/08—Mirrors
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02F—OPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
- G02F1/00—Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
- G02F1/01—Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour
- G02F1/13—Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02F—OPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
- G02F1/00—Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
- G02F1/01—Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour
- G02F1/13—Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
- G02F1/133—Constructional arrangements; Operation of liquid crystal cells; Circuit arrangements
- G02F1/1333—Constructional arrangements; Manufacturing methods
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Optics & Photonics (AREA)
- Nonlinear Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Mathematical Physics (AREA)
- Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
- Liquid Crystal (AREA)
Abstract
【課題】光の配光分布を広げることができ、かつ、入射光の時間変化に対する配光分布の変化を調整することができる光学デバイスを提供する。【解決手段】光学デバイス1は、透光性を有する第1基材10と、第1基材10に対向して配置された、透光性を有する第2基材20と、第1基材10と第2基材20との間に互いに対向して配置された、透光性を有する第1電極層40及び第2電極層50と、第1電極層40と第2電極層50との間に配置され、入射した光を配光する配光層30とを備え、配光層30は、光を反射可能な側面35を各々が有する複数の凸部33を有する凹凸構造層31と、複数の凸部33間を充填するように配置され、第1電極層40及び第2電極層50間に印加される電圧に応じて屈折率が変化する屈折率可変層32とを含み、配光層30は、平面視において配光方向が異なる複数の領域に区分されて、領域毎に側面35の向きが異なっている。【選択図】図4
Description
本発明は、光学デバイス、光学システム、及び、光学デバイスの製造方法に関する。
屋外から入射する太陽光などの外光の透過状態を変化させることができる光学デバイスが知られている。
例えば、特許文献1には、一対の透明基板と、一対の透明基板の各々に形成された一対の透明電極と、一対の透明電極に挟まれたプリズム層及び液晶層とを有する液晶光学素子が開示されている。当該液晶光学素子は、一対の透明電極に印加される電圧によって液晶層の屈折率を変化させて、プリズムの斜面と液晶層との界面を通過する光の屈折角を変化させる。
しかしながら、上記従来の液晶光学素子では、プリズム層によって曲げられる光の進行方向は、光の入射方向に対して概ね同一方向である。このため、正面から光が入射した場合と、斜め方向から光が入射した場合とでは、全く異なる方向に光が配光される。したがって、例えば、太陽の日周運動又は年周運動によって入射光(太陽光)の方向が変化した場合、配光分布も変化する。すなわち、入射光の時間変化に対して、配光分布も変化する。なお、配光分布は、入射光を配光したときの出射光(配光)の出射方向(配光方向)の分布を意味する。
そこで、本発明は、光の配光分布を広げることができ、かつ、入射光の時間変化に対する配光分布の変化を調整することができる光学デバイス、当該光学デバイスを備える光学システム、及び、当該光学デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る光学デバイスは、透光性を有する第1基材と、前記第1基材に対向して配置された、透光性を有する第2基材と、前記第1基材と前記第2基材との間に互いに対向して配置された、透光性を有する第1電極層及び第2電極層と、前記第1電極層と前記第2電極層との間に配置され、入射した光を配光する配光層とを備え、前記配光層は、前記光を反射可能な反射面を各々が有する複数の凸部を有する凹凸構造層と、前記複数の凸部間を充填するように配置され、前記第1電極層及び前記第2電極層間に印加される電圧に応じて屈折率が変化する屈折率可変層とを含み、前記配光層は、平面視において配光方向が異なる複数の領域に区分され、領域毎に前記反射面の向きが異なっている。
また、本発明の一態様に係る光学システムは、前記光学デバイスと、前記複数の電極片に選択的に電位を与えることで、前記配光層の光学状態を前記領域毎に制御する制御部を備える。
また、本発明の一態様に係る光学デバイスの製造方法は、透光性を有する第1基材上に、透光性を有する第1電極層を形成する工程と、複数の凸部を有する凹凸構造層を複数形成する工程と、前記第1電極層上に、接着層を介して複数の前記凹凸構造層を貼り付ける工程と、透光性を有する第2基材上に、透光性を有する第2電極層を形成する工程と、印加される電界に応じて屈折率が変化する屈折率可変材料を、前記複数の凸部の間に充填する工程と、前記第1電極層と前記第2電極層とが複数の前記凹凸構造層を間に挟んで対向するように、前記第1基材と前記第2基材とを貼り合わせる工程とを含み、前記貼り付ける工程では、複数の前記凹凸構造層の1つを、他の1つとは前記凸部の並び方向を異ならせて貼り付ける。
本発明によれば、光の配光分布を広げることができ、かつ、入射光の時間変化に対する配光分布の変化を調整することができる光学デバイスなどを提供することができる。
以下では、本発明の実施の形態に係る光学デバイス、光学システム及び光学デバイスの製造方法について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
また、本明細書及び図面において、x軸、y軸及びz軸は、三次元直交座標系の三軸を示している。各実施の形態では、z軸方向を鉛直方向とし、z軸に垂直な方向(xy平面に平行な方向)を水平方向としている。なお、z軸の正方向を鉛直上方としている。また、本明細書において、「厚み方向」とは、光学デバイスの厚み方向を意味し、第1基材及び第2基材の主面に垂直な方向のことであり、「平面視」とは、第1基材又は第2基材の主面に対して垂直な方向から見たときのことをいう。
(実施の形態)
[構成]
まず、本実施の形態に係る光学デバイス1の構成について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、本実施の形態に係る光学デバイス1の断面図である。図2は、本実施の形態に係る光学デバイス1の拡大断面図であり、図1の一点鎖線で囲まれる領域IIの拡大断面図である。
[構成]
まず、本実施の形態に係る光学デバイス1の構成について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、本実施の形態に係る光学デバイス1の断面図である。図2は、本実施の形態に係る光学デバイス1の拡大断面図であり、図1の一点鎖線で囲まれる領域IIの拡大断面図である。
光学デバイス1は、光学デバイス1に入射する光を制御する光制御デバイスである。具体的には、光学デバイス1は、光学デバイス1に入射する光の進行方向を変更して(つまり、配光して)出射させることができる配光素子である。
図1及び図2に示すように、光学デバイス1は、入射する光を透過するように構成されており、第1基材10と、第2基材20と、配光層30と、第1電極層40と、第2電極層50と、接着層60とを備える。本実施の形態では、配光層30は、平面視において複数の領域に区分されており、領域毎に異なる配光方向に光を出射する。
光学デバイス1は、対をなす第1基材10及び第2基材20の間に、第1電極層40、接着層60、配光層30及び第2電極層50がこの順で厚み方向に沿って配置された構成である。なお、第1基材10と第2基材20との間の距離を保つために、粒子状の複数のスペーサが面内に分散されていてもよく、柱状の構造が形成されていてもよい。
以下、光学デバイス1の各構成部材について、図1及び図2を参照して詳細に説明する。
[第1基材及び第2基材]
第1基材10及び第2基材20は、透光性を有する透光性基材である。第1基材10及び第2基材20としては、例えばガラス基板又は樹脂基板を用いることができる。
第1基材10及び第2基材20は、透光性を有する透光性基材である。第1基材10及び第2基材20としては、例えばガラス基板又は樹脂基板を用いることができる。
ガラス基板の材料としては、ソーダガラス、無アルカリガラス又は高屈折率ガラスなどが挙げられる。樹脂基板の材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、アクリル(PMMA)又はエポキシなどの樹脂材料が挙げられる。ガラス基板は、光透過率が高く、かつ、水分の透過性が低いという利点がある。一方、樹脂基板は、破壊時の飛散が少ないという利点がある。
第1基材10と第2基材20とは、同じ材料で構成されていてもよく、あるいは、異なる材料で構成されていてもよい。また、第1基材10及び第2基材20は、リジッド基板に限るものではなく、可撓性を有するフレキシブル基板でもよい。本実施の形態において、第1基材10及び第2基材20は、PET樹脂からなる透明樹脂基板である。
第2基材20は、第1基材10に対向する対向基材であり、第1基材10に対向する位置に配置される。第1基材10と第2基材20とは、例えば、10μm〜30μmなどの所定距離を空けて略平行に配置されている。第1基材10と第2基材20とは、互いの端部外周に額縁状に形成された接着剤などのシール樹脂によって接着されている。
なお、第1基材10及び第2基材20の平面視形状は、例えば、正方形又は長方形などの矩形状であるが、これに限るものではなく、円形又は四角形以外の多角形であってもよく、任意の形状が採用され得る。
[配光層]
図1及び図2に示すように、配光層30は、第1電極層40と第2電極層50との間に配置される。配光層30は、透光性を有しており、入射した光を透過させる。また、配光層30は、入射した光を配光する。つまり、配光層30は、配光層30を光が通過する際に、その光の進行方向を変更する。
図1及び図2に示すように、配光層30は、第1電極層40と第2電極層50との間に配置される。配光層30は、透光性を有しており、入射した光を透過させる。また、配光層30は、入射した光を配光する。つまり、配光層30は、配光層30を光が通過する際に、その光の進行方向を変更する。
配光層30は、複数の凸部33を有する凹凸構造層31と、屈折率可変層32とを有する。配光層30は、凹凸構造層31と屈折率可変層32との屈折率の差によって光を配光することができる。
本実施の形態では、図3Aに示すように、配光層30は、平面視において、配光方向が異なる複数の領域に区分されている。各領域において、凸部33が有する反射面である側面35の向きが異なっている。
図3Aは、本実施の形態に係る光学デバイス1の配光層30の一例を模式的に示す平面図である。各図において、各領域に付されたストライプ模様は、各領域の凸部33が延びる方向を示している。
例えば、図3Aに示すように、配光層30は、第1領域30aと、第2領域30bと、第3領域30cとを含む3つの領域に区分されている。第1領域30a、第2領域30b及び第3領域30cはそれぞれ、x軸方向に延びる帯状の領域である。第1領域30a、第2領域30b及び第3領域30cの平面視形状及び大きさは、例えば互いに同じである。第1領域30aと第2領域30bとは、z軸方向に沿って交互に繰り返し並んでいる。第1領域30aと第2領域30bとの間に、第3領域30cが配置されている。
なお、配光層30の各領域の平面視形状は、図3Aに示した例に限らない。例えば、図3Bには、第1領域30a、第2領域30b及び第3領域30cの各々がz軸方向に延びる例を示している。あるいは、第1領域30a、第2領域30b及び第3領域30cの平面視形状は正方形であり、行列状に配置されていてもよい。各領域が配光層30の面内で分散されていることで、光学デバイス1の面内均一性を高めることができる。
また、本実施の形態では、第3領域30cの個数が、第1領域30aの個数と第2領域30bの個数との合計に等しいが、これに限らない。第1領域30a、第2領域30b及び第3領域30cの各々の個数が互いに等しくてもよい。
また、配光層30を平面視した場合に、各領域の大きさ(面積)及び形状が互いに同じであるが、これに限らない。第1領域30a、第2領域30b及び第3領域30cの各々の大きさ及び形状は、互いに異なっていてもよい。
各領域の光学特性(配光方向)については、図7A及び図7Bを用いて後で説明する。
[凹凸構造層]
凹凸構造層31は、屈折率可変層32の表面(界面)を凹凸にするために設けられた微細形状層である。凹凸構造層31は、図2に示すように、入射する光を反射可能な反射面である側面35を有する複数の凸部33と、複数の凹部34とを有する。具体的には、凹凸構造層31は、マイクロオーダサイズの複数の凸部33によって構成された凹凸構造体である。複数の凸部33の間が、複数の凹部34である。すなわち、隣り合う2つの凸部33の間が、1つの凹部34である。
凹凸構造層31は、屈折率可変層32の表面(界面)を凹凸にするために設けられた微細形状層である。凹凸構造層31は、図2に示すように、入射する光を反射可能な反射面である側面35を有する複数の凸部33と、複数の凹部34とを有する。具体的には、凹凸構造層31は、マイクロオーダサイズの複数の凸部33によって構成された凹凸構造体である。複数の凸部33の間が、複数の凹部34である。すなわち、隣り合う2つの凸部33の間が、1つの凹部34である。
本実施の形態では、配光層30の領域毎に、凸部33の並び方向が異なる複数の凹凸構造層が設けられている。具体的には、図3A及び図3Bに示すように、第1領域30aには、第1方向に並んだ複数の第1凸部33aを有する第1凹凸構造層31aが設けられている。第2領域30bには、第2方向に並んだ複数の第2凸部33bを有する第2凹凸構造層31bが設けられている。第3領域30cには、第3方向に並んだ複数の第3凸部33cを有する第3凹凸構造層31cが設けられている。すなわち、本実施の形態では、凹凸構造層31は、第1凹凸構造層31a、第2凹凸構造層31b及び第3凹凸構造層31cから構成されている。
まず、領域毎の凹凸構造層の平面視形状について説明する。
第1凹凸構造層31aの複数の第1凸部33aの並び方向(第1方向)は、x軸及びz軸に対して斜めの方向である。複数の第1凸部33aは、ストライプ状に形成されている。ストライプの延びる方向(第1方向に直交する方向)に沿って、第1凸部33aの側面(反射面)35が延在している。
側面35の延在方向は、xz面内において、x軸を基準とする角度(傾斜角θa)で表される。として例えば−30°傾斜した方向である。ここでは、傾斜角θaは、x軸の正側に向かうにつれてz軸の正側に傾斜する場合を正の数(+)とし、x軸の負側に向かうにつれてz軸の負側に傾斜する場合を負の数(−)としている。なお、後述する第2凸部33bの側面35の傾斜角θb及び第3凸部33cの側面35の傾斜角θcについても同様である。
第1凸部33aの側面35の傾斜角θaは、例えば−30°であるが、これに限らない。傾斜角θaは、例えば、0°より大きく−45°以下の範囲である。
第2凹凸構造層31bの複数の第2凸部33bの並び方向(第2方向)は、x軸及びz軸に対して斜めの方向である。複数の第2凸部33bは、ストライプ状に形成されている。ストライプの延びる方向(第2方向に直交する方向)に沿って、第2凸部33bの側面(反射面)35が延在している。
第2凸部33bの側面35の傾斜角θbは、例えば+30°であるが、これに限らない。傾斜角θbは、例えば、0°より大きく+45°以下の範囲である。
第3凹凸構造層31cの複数の第3凸部33cである並び方向(第3方向)は、第1方向及び第2方向とは異なる方向であり、z軸方向に平行である。複数の第3凸部33cは、ストライプ状に形成されている。ストライプの延びる方向(第3方向に直交する方向)に沿って、第3凸部33cの側面(反射面)35が延在している。すなわち、第3凸部33cの側面35の傾斜角θcは、0°である。なお、傾斜角θcは0°でなくてもよく、−45°以上+45°以下の範囲で傾斜していてもよい。
本実施の形態では、一例として、第1領域30a及び第2領域30bは、対になっている。第1領域30a及び第2領域30bは、第3領域30cの延びる方向(図3Aではx軸方向、図3Bではz軸方向)に平行な線を基準として線対称の関係を有する。具体的には、複数の第1凸部33aの平面視形状は、複数の第2凸部33bの平面視形状の線対称な形状である。このときの対称軸は、第3凸部33cの並び方向に平行な線(すなわち、z軸方向)である。
このように、各領域において、凸部33の並び方向が異なっているが、各々の並び方向に沿って切断したときの凸部33の断面構成は、各領域で略同じになる。例えば、図2は、第3領域30cのyz断面を示している。以下では、各領域を代表して第3領域30cの断面構造を例に挙げて説明する。
図2に示すように、複数の凸部33の各々は、根元から先端にかけて先細る形状を有する。本実施の形態において、複数の凸部33の各々の断面形状は、第1基材10から第2基材20に向かう方向(厚み方向、y軸正方向)に沿って先細りのテーパ形状である。具体的には、凸部33の断面形状(yz断面)は、三角形であるが、これに限らない。凸部33の断面形状は、台形でもよく、その他の多角形、又は、カーブを含む多角形などでもよい。
具体的には、図2に示すように、複数の凸部33の各々は、凸部33の並び方向に直交する延在する一対の側面35及び36を有する。一対の側面35及び36は、z軸方向に交差する面である。一対の側面35及び36の各々は、厚み方向(y軸方向)に対して所定の傾斜角で傾斜する傾斜面であり、一対の側面35及び36の間隔(凸部33の幅(z軸方向の長さ))は、第1基材10から第2基材20に向かって漸次小さくなっている。
側面35は、例えば、凸部33を構成する複数の側面のうち、鉛直上方側の側面(上側面)である。側面35は、入射光を反射(全反射)させる反射面(全反射面)である。側面36は、例えば、凸部33を構成する複数の側面のうち、鉛直下方側の側面(下側面)である。側面36は、入射光を屈折させる屈折面である。
本実施の形態において、複数の凸部33は、x軸方向に延びたストライプ状に形成されている。つまり、複数の凸部33の各々は、x軸方向に沿って直線状に延びる長尺状の凸部である。具体的には、複数の凸部33の各々は、断面形状が三角形でx軸方向に延在する長尺状の略三角柱形状であり、z軸方向に沿って略等間隔に配列されている。複数の凸部33の各々は、同じ形状を有するが、互いに異なる形状を有してもよい。
複数の凸部33の各々の高さ(y軸方向の長さ)は、例えば2μm〜100μmであるが、これに限らない。複数の凸部33の幅(z軸方向の長さ)は、例えば、1μm〜20μmであり、好ましくは10μm以下であるが、これに限らない。また、隣り合う凸部33の間の距離、すなわち、凹部34の幅(z軸方向)は、例えば0〜100μmである。つまり、隣り合う2つの凸部33は、接触することなく所定の間隔をあけて配置されていてもよく、接触して配置されていてもよい。なお、隣り合う凸部33の間隔は、0〜100μmに限らない。
凸部33の材料としては、例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂又はシリコーン樹脂などの光透過性を有する樹脂材料を用いることができる。凸部33は、例えば、紫外線硬化樹脂材料から形成され、モールド成形又はナノインプリントなどによって形成することができる。
凹凸構造層31は、例えば、屈折率が1.5のアクリル樹脂を用いて断面が三角形の凹凸構造を、モールド型押しにより形成することができる。凸部33の高さは、例えば10μmであり、複数の凸部33は、間隔が2μmで等間隔にz軸方向に並んで配置されている。凸部33の根元の厚さは、例えば5μmである。隣り合う凸部33の根元間の距離は、例えば0〜5μmの値をとりうる。
[屈折率可変層]
屈折率可変層32は、凹凸構造層31の複数の凸部33の間(すなわち、凹部34)を充填するように配置されている。屈折率可変層32は、第1電極層40と第2電極層50との間に形成される隙間を充填するように配置されている。例えば、図2に示すように、凸部33と第2電極層50とが離れているので、屈折率可変層32は、凸部33と第2電極層50との間の隙間を埋めるように配置される。なお、凸部33と第2電極層50とは接触していてもよく、この場合、屈折率可変層32は、凹部34毎に分離して設けられていてもよい。
屈折率可変層32は、凹凸構造層31の複数の凸部33の間(すなわち、凹部34)を充填するように配置されている。屈折率可変層32は、第1電極層40と第2電極層50との間に形成される隙間を充填するように配置されている。例えば、図2に示すように、凸部33と第2電極層50とが離れているので、屈折率可変層32は、凸部33と第2電極層50との間の隙間を埋めるように配置される。なお、凸部33と第2電極層50とは接触していてもよく、この場合、屈折率可変層32は、凹部34毎に分離して設けられていてもよい。
屈折率可変層32は、第1電極層40及び第2電極層50間に印加される電圧に応じて屈折率が変化する。具体的には、屈折率可変層32は、電界が与えられることによって可視光領域での屈折率が調整可能な屈折率調整層として機能する。例えば、屈折率可変層32は、電界応答性を有する液晶分子37を有する液晶によって構成されているので、配光層30に電界が与えられることで液晶分子37の配向状態が変化して屈折率可変層32の屈折率が変化する。
屈折率可変層32の複屈折材料は、例えば、複屈折性を有する液晶分子37を含む液晶である。このような液晶としては、例えば、液晶分子37が棒状分子からなるネマティック液晶、スメクティック液晶又はコレステリック液晶などを用いることができる。例えば、凸部33の屈折率が1.5である場合、屈折率可変層32の材料としては、常光屈折率(no)が1.5で、異常光屈折率(ne)が1.7のポジ型の液晶を用いることができる。
屈折率可変層32は、例えば、第1電極層40及び凹凸構造層31が形成された第1基材10と、第2電極層50が形成された第2基材20との各々の端部外周をシール樹脂で封止した状態で、液晶材料を真空注入法で注入することで形成される。あるいは、屈折率可変層32は、第1基材10の第1電極層40及び凹凸構造層31上に液晶材料を滴下した後に第2基材20を貼り合わせることで形成されてもよい。
なお、図2では、電圧が無印加の状態(後述する図6Aも同様)を示しており、液晶分子37は、長軸がx軸に略平行になるように配向されている。第1電極層40及び第2電極層50間に電圧が印加された場合には、液晶分子37は、長軸がy軸に略平行になるように配向される(後述する図6Bを参照)。
また、屈折率可変層32には、交流電力によって電界が与えられてもよく、直流電力によって電界が与えられてもよい。交流電力の場合には、電圧波形は、正弦波でもよく、矩形波でもよい。
[第1電極層及び第2電極層]
図1及び図2に示すように、第1電極層40及び第2電極層50は、電気的に対となっており、配光層30に電界を与えることができるように構成されている。第1電極層40と第2電極層50とは、電気的だけではなく配置的にも対になっており、第1基材10と第2基材20との間に、互いに対向するように配置されている。具体的には、第1電極層40及び第2電極層50は、配光層30を挟むように配置されている。
図1及び図2に示すように、第1電極層40及び第2電極層50は、電気的に対となっており、配光層30に電界を与えることができるように構成されている。第1電極層40と第2電極層50とは、電気的だけではなく配置的にも対になっており、第1基材10と第2基材20との間に、互いに対向するように配置されている。具体的には、第1電極層40及び第2電極層50は、配光層30を挟むように配置されている。
第1電極層40及び第2電極層50は、透光性を有し、入射した光を透過する。第1電極層40及び第2電極層50は、例えば透明導電層である。透明導電層の材料としては、ITO(Indium Tin Oxide)若しくはIZO(Indium Zinc Oxide)などの透明金属酸化物、銀ナノワイヤ若しくは導電性粒子などの導電体を含有する樹脂からなる導電体含有樹脂、又は、銀薄膜などの金属薄膜などを用いることができる。なお、第1電極層40及び第2電極層50は、これらの単層構造でよく、これらの積層構造(例えば透明金属酸化物と金属薄膜との積層構造)でもよい。本実施の形態では、第1電極層40及び第2電極層50はそれぞれ、厚さ100nmのITOである。
第1電極層40は、第1基材10と凹凸構造層31との間に配置されている。具体的には、第1電極層40は、第1基材10の配光層30側の面に形成されている。
一方、第2電極層50は、屈折率可変層32と第2基材20との間に配置されている。具体的には、第2電極層50は、第2基材20の配光層30側の面に形成されている。
なお、第1電極層40及び第2電極層50は、例えば、外部電源との電気接続が可能となるように構成されている。例えば、外部電源に接続するための電極パッドなどが、第1電極層40及び第2電極層50の各々から引き出されて第1基材10及び第2基材20に形成されていてもよい。
本実施の形態では、第1電極層40及び第2電極層50の少なくとも一方は、複数の電極片から構成されている。具体的には、第1電極層40及び第2電極層50の両方が、複数の電極片から構成されている。複数の電極片は、配光層30を区分する複数の領域の各々に対応している。
図4は、本実施の形態に係る光学デバイス1の配光層30の各領域と第1電極層40及び第2電極層50の各々の電極片との配置を示す分解斜視図である。なお、図4では、光学デバイス1の一部のみ、具体的には、第1領域30aと、第2領域30bと、2つの第3領域30cとを示している。また、図4には、配光層30の凹凸構造層31と第1電極層40と第2電極層50とを示しており、第1基材10、接着層60、屈折率可変層32、第2基材20などの他の部材は図示していない。
第1電極層40は、図4に示すように、第1電極片40aと、第2電極片40bと、第3電極片40cとを備える。第2電極層50は、第1電極片50aと、第2電極片50bと、第3電極片50cとを備える。
第1電極片40a及び第1電極片50aは、第1領域30aに対応して設けられており、電気的及び配置的に対になっている。具体的には、第1電極片40a及び第1電極片50aの平面視形状は、第1領域30aの平面視形状と略同じである。第1電極片40aと第1電極片50aとに電圧が印加された場合、第1領域30aに位置する液晶分子37の配向が制御されて、第1領域30aの配光が制御される。
第2電極片40b及び第2電極片50bは、第2領域30bに対応して設けられており、電気的及び配置的に対になっている。具体的には、第2電極片40b及び第2電極片50bの平面視形状は、第2領域30bの平面視形状と略同じである。第2電極片40bと第2電極片50bとに電圧が印加された場合、第2領域30bに位置する液晶分子37の配向が制御されて、第2領域30bの配光が制御される。
第3電極片40c及び第3電極片50cは、第3領域30cに対応して設けられており、電気的及び配置的に対になっている。具体的には、第3電極片40c及び第3電極片50cの平面視形状は、第3領域30cの平面視形状と略同じである。第3電極片40cと第3電極片50cとに電圧が印加された場合、第3領域30cに位置する液晶分子37の配向が制御されて、第3領域30cの配光が制御される。
第1電極層40及び第2電極層50はそれぞれ、例えば、蒸着、スパッタリングなどにより形成される。第1電極層40及び第2電極層50は、例えば、ITOなどの導電膜を成膜した後、エッチングなどによりパターニングすることで、複数の電極片に分割されてもよく、あるいは、導電材料のパターニング塗布によって形成されてもよい。
[接着層]
接着層60は、凹凸構造層31と第1電極層40とを接着する接着層である。接着層60は、例えば、凹凸構造層31を構成する複数の第1凹凸構造層31a、複数の第2凹凸構造層31b及び複数の第3凹凸構造層31cの各々に対して一対一で設けられている。なお、接着層60は、第1電極層40上に1枚のシート状に形成されていてもよい。接着層60は、透光性及び接着性(粘着性)を有する樹脂材料を用いて形成されている。
接着層60は、凹凸構造層31と第1電極層40とを接着する接着層である。接着層60は、例えば、凹凸構造層31を構成する複数の第1凹凸構造層31a、複数の第2凹凸構造層31b及び複数の第3凹凸構造層31cの各々に対して一対一で設けられている。なお、接着層60は、第1電極層40上に1枚のシート状に形成されていてもよい。接着層60は、透光性及び接着性(粘着性)を有する樹脂材料を用いて形成されている。
[光学デバイスの光学状態]
続いて、本実施の形態に係る光学デバイス1の使用例を示しながら、光学デバイス1の光学状態(動作モード)について説明する。具体的には、光学デバイス1を備える光学システムについて、図5A及び図5Bを用いて説明する。
続いて、本実施の形態に係る光学デバイス1の使用例を示しながら、光学デバイス1の光学状態(動作モード)について説明する。具体的には、光学デバイス1を備える光学システムについて、図5A及び図5Bを用いて説明する。
図5A及び図5Bはそれぞれ、本実施の形態に係る光学デバイス1を備える光学システム70を建物90に適用した例を示す図である。具体的には、図5A及び図5Bは、光学デバイス1を窓91に設置した場合において、光学デバイス1が各動作モードで動作したときの作用を説明するための図である。
上述したように、本実施の形態に係る光学デバイス1は、凹凸構造層31、第1電極層40及び第2電極層50の各々が、複数の領域に区分されている。このため、光学デバイス1は、領域毎に異なる動作モードで動作可能である。以下では、まず、第3領域30cに着目して光学デバイス1の光学状態について説明する。第1領域30a、第2領域30b及び第3領域30cの各々の配光方向の差異については、後で説明する。
図5A及び図5Bに示すように、光学システム70は、光学デバイス1と、制御部71とを備える。なお、各図において、光学デバイス1から延びるドットの網掛けが付された領域は、光学デバイス1を通過した光(具体的にはS偏光成分)が通過する領域を示している。
光学デバイス1は、入射した光を透過させることができる。例えば、光学デバイス1は、建物90の窓91に設置することで、配光機能付き窓として実現することができる。光学デバイス1は、例えば、粘着層を介して既存の窓91に貼り合わされる。この場合、光学デバイス1は、第1基材10及び第2基材20の主面が鉛直方向(z軸方向)に平行になる姿勢で窓91に設置される。
なお、図5A及び図5Bでは、光学デバイス1の詳細な構造は図示されていないが、光学デバイス1は、第1基材10が屋外側で第2基材20が屋内側になり、かつ、第3領域30cの第3凸部33cの側面35が天井92側で側面36が床93側になるように配置されている。
また、制御部71が床93上に設置されているが、これは模式的に図示したものであり、制御部71の設置場所には特に限定されない。例えば、制御部71は、光学デバイス1と一体に構成され、窓91の窓枠などに固定されていてもよい。あるいは、制御部71は、建物90の天井92、床93又は壁などに埋め込まれていてもよい。
制御部71は、光学デバイス1を駆動する制御部である。具体的には、制御部71は、第1電極層40と第2電極層50との間に所定の電圧を印加することで、配光層30に電界を印加する。本実施の形態では、制御部71は、第1電極層40を構成する複数の電極片と、第2電極層50を構成する複数の電極片とに選択的に電位を与えることで、配光層30の光学状態を領域毎に制御する。例えば、制御部71は、第1電極片40aと第1電極片50aとの間、第2電極片40bと第2電極片50bとの間、及び、第3電極片40cと第3電極片50cとの間の各々に選択的に電圧を印加する。
本実施の形態では、制御部71は、配光層30の領域毎に、第1電極層40及び第2電極層50間への電圧の印加状態に応じた2つの動作モードを有する。具体的には、2つの動作モードは、電圧を印加しない無印加モードと、電極層間に電圧を印加する電圧印加モードとである。制御部71は、ユーザ操作又は予め定められたスケジュール情報などに基づいて、2つの動作モードを切り替えて実行する。また、電圧印加モードでは、印加する電圧水準を複数設定し、適宜切り替えを行ってもよい。
光学デバイス1では、配光層30に印加される電界に応じて、屈折率可変層32に含まれる液晶分子37の配向が変化する。なお、液晶分子37は、複屈折性を有する棒状の液晶分子であるので、入射する光の偏光状態に応じて、当該光が受ける屈折率が異なる。ここでは、例えば、凸部33の屈折率が1.5であり、液晶分子37としては、常光屈折率(no)が1.5で、異常光屈折率(ne)が1.7のポジ型の液晶分子である場合を例に挙げて説明する。
光学デバイス1に入射する太陽光などの光は、P偏光(P偏光成分)とS偏光(S偏光成分)とを含んでいる。P偏光は、無印加モード及び電圧印加モードのいずれのモードにおいても、その振動方向が液晶分子37の短軸に対して略平行になる。このため、P偏光についての液晶分子37の屈折率は、動作モードに依存せず、常光屈折率(no)であって、具体的には1.5である。このため、P偏光についての屈折率は、動作モードに依存せず、配光層30内で略一定になるので、P偏光は、配光層30をそのまま直進する。
一方で、S偏光についての液晶分子37の屈折率は、動作モードに応じて変化する。
具体的には、光学デバイス1は、無印加モードで駆動された場合に、入射する光L(S偏光)の進行方向を変更させる配光状態になる。光学デバイス1は、電圧印加モードで駆動された場合に、入射する光L(S偏光)をそのまま(進行方向を変更することなく)通過させる透光(透明)状態になる。
以下では、各動作モードの詳細について、図5A及び図5Bを適宜参照しながら、図6A及び図6Bを用いて説明する。図6A及び図6Bはそれぞれ、本実施の形態に係る光学デバイス1の各動作モードを説明するための拡大断面図である。
ここでは、光学デバイス1に対して正面から入射し、第3領域30cを通過する光について説明する。なお、正面から入射する光とは、xy断面で見たときの入射角が0°になる光である。
ここで、図6A及び図6Bでは、光学デバイス1に入射する光L(例えば太陽光)の経路を太線の矢印で示している。なお、実際には、光Lは、第1基材10に入射する際、及び、第2基材20から出射する際に屈折するが、これらの屈折による経路の変化は図示していない。
<無印加モード(配光状態)>
図6Aは、無印加モードで駆動された場合の光学デバイス1の状態と、光学デバイス1を通過する光Lの経路とを模式的に示している。
図6Aは、無印加モードで駆動された場合の光学デバイス1の状態と、光学デバイス1を通過する光Lの経路とを模式的に示している。
制御部71は、光学デバイス1を無印加モードで動作させる場合、第1電極層40と第2電極層50との間に電圧を印加しない。具体的には、第1電極層40と第2電極層50とが略等しい電位(例えば接地電位)になることで、配光層30には電界が印加されない。このため、屈折率可変層32の屈折率を面内で略均一にすることができる。
この場合、光L(S偏光)が受ける屈折率は、凸部33が1.5であるのに対して、屈折率可変層32が1.7になる。このため、図6Aに示すように、光学デバイス1に対して斜めに入射する光Lは、凸部33の側面36で屈折して進行方向が変化した後、凸部33の側面35で反射(全反射)される。側面35で反射された光は、斜め上方に向けて出射される。すなわち、光学デバイス1は、斜め下方に入射した光Lを、斜め上方に向けて出射する。したがって、図5Aに示すように、斜め下方に入射する太陽光などの光Lは、光学デバイス1によって進行方向が曲げられて、建物90の天井92を照射する。
また、屈折率可変層32の屈折率が1.5より大きく1.7未満の状態にしてもよい。このとき、凸部33の側面36における光Lの屈折方向が屈折率可変層32の屈折率が1.5の場合とは異なるので、必要に応じて天井92の他の方向を照射することができる。
例えば、電圧印加モードにおいて光学デバイス1を透明状態にする場合よりも、印加する電圧を小さくすることで、配光状態(無印加モード)の場合よりも、光学デバイス1による配光の角度を小さくすることができる。この場合、例えば、建物90の屋内のより奥側にまで光を進行させることができる。このように、光学デバイス1では、印加する電圧の大きさによって配光方向を変化させることができる。
<電圧印加モード(透光状態)>
図6Bは、電圧印加モードで駆動された場合の光学デバイス1の状態と、光学デバイス1を通過する光Lの経路とを模式的に示している。
図6Bは、電圧印加モードで駆動された場合の光学デバイス1の状態と、光学デバイス1を通過する光Lの経路とを模式的に示している。
制御部71は、光学デバイス1を電圧印加モードで動作させる場合、第1電極層40と第2電極層50との間に所定の電圧を印加する。これにより、配光層30に印加される電界が面内で略均一になり、屈折率可変層32の屈折率を面内で略均一にすることができる。
この場合、光L(S偏光)が受ける屈折率は、凸部33及び屈折率可変層32ともに1.5となる。このため、図6Bに示すように、光学デバイス1に対して斜めに入射する光Lは、そのまま光学デバイス1を通過する。つまり、光学デバイス1は、斜め下方に入射した光Lを、そのまま斜め下方に出射する。したがって、図5Bに示すように、斜め下方に入射する太陽光などの光Lは、光学デバイス1をそのまま通過して、建物90の床93の窓91に近い部分を照射する。
ここでは、第3領域30cについて説明したが、第1領域30a及び第2領域30bについても同様である。すなわち、第1領域30a及び第2領域30bの各々の凸部33の並び方向に平行な断面において、図6A及び図6Bで示したように、各モードに応じて光が進行する。
[領域毎の配光特性]
続いて、第1領域30a、第2領域30b及び第3領域30cの各々の左右方向への(xy平面における)配光方向の違いについて説明する。ここでは、各領域には電界が印加されておらず、各領域は、図6Aで示したように、配光状態になっている。
続いて、第1領域30a、第2領域30b及び第3領域30cの各々の左右方向への(xy平面における)配光方向の違いについて説明する。ここでは、各領域には電界が印加されておらず、各領域は、図6Aで示したように、配光状態になっている。
図7A及び図7Bは、本実施の形態に係る光学デバイス1の凹凸構造層31の各領域の光学特性を模式的に示す図である。具体的には、図7A及び図7Bは、光学デバイス1の各領域をz軸方向から見た場合に、光学デバイス1の入射する光Lの左右方向(x軸方向)への配光を示している。
図7Aは、光学デバイス1に対して正面から、すなわち、光学デバイス1の厚み方向(y軸方向)に沿って入射する光Lの経路を示している。
第3領域30cでは、第3凸部33cの延びる方向がx軸に略平行である。具体的には、反射面として機能する第3凸部33cの側面35がx軸に略平行になるので、光Lは、左右方向には光を曲げずに進行する。具体的には、図6Aで示したように、斜め下方に入射した光Lは、左右方向へは進路を変えることなく、斜め上方に向けて出射される。
一方で、第1領域30aでは、第1凸部33aの延びる方向がx軸に対して傾斜している。具体的には、反射面として機能する第1凸部33aの側面35がxy平面に対して傾斜しているので、光Lは、傾斜した方向(図中、左方向)に曲げられる。
また、第2領域30bでは、第1領域30aと線対称な形状を有するので、第2領域30bに入射する光Lは、第1領域30aとは反対方向(図中、右方向)に曲げられる。
以上のように、光学デバイス1に対して正面から入射される光は、各領域を通過する際に左右方向に広げられて進行する。このため、光学デバイス1は、天井92のより広い範囲、及び、窓91に対して左右方向に位置する壁に向けて光を配光することができる。
一方で、図7Bは、光学デバイス1に対して斜め方向(左側)から入射する光Lの経路を示している。この場合、第3領域30cでは、図7Aの場合と同様に、光Lはそのまま進行する。
第1領域30a及び第2領域30bではそれぞれ、第3領域30cの出射方向を基準として左右に光が曲げられる。このため、第1領域30aに入射した光Lは、図7Aに示す場合よりもy軸方向(光学デバイス1の厚み方向)に近い方向に出射される。第2領域30bに入射した光Lは、図7Aに示す場合よりも、より右側に出射される。
[領域毎の動作モードの切り替え]
ここで、本実施の形態に係る光学デバイス1の領域毎の動作モードの切り替えについて説明する。
ここで、本実施の形態に係る光学デバイス1の領域毎の動作モードの切り替えについて説明する。
図7A及び図7Bに示したように、光学デバイス1に対して入射する光の左右方向の角度によっては、光が必要以上に大きく曲げられてしまう場合がある(例えば、図7Bの第2領域30b)。このため、本実施の形態では、一例として、制御部71は、光学デバイス1に対して入射する光の角度に応じて、領域毎に動作モードを切り替える。
本実施の形態では、制御部71は、配光方向が異なる領域毎に、電圧の印加のオンオフ及び印加電圧の電圧水準を切り替える。具体的には、制御部71は、複数の電極片に選択的に電位を与えることで、配光層30の光学状態を領域毎に制御する。
図8は、本実施の形態に係る光学デバイス1の時間帯毎の凹凸構造層の各領域の動作モードを示す図である。
本実施の形態では、制御部71は、時間帯毎に各領域の動作モードを切り替える。なお、図8に示す動作モードの組み合わせは、光学デバイス1が建物90の南側の面に設置された場合を一例として示している。具体的には、日中の所定時刻(太陽の南中時刻)において、光学デバイス1には、正面から光が入射する場合を示している。
例えば、制御部71は、午前モード、日中モード、及び、夕方モードを切り替えて実行する。午前モードは、第1領域30aを配光状態にし、第2領域30bを透光状態にする第1動作モードの一例である。夕方モードは、第1領域30aを透光状態にし、第2領域30bを配光状態にする第2動作モードの一例である。制御部71は、各動作モードを時間帯に応じて切り替える。なお、制御部71は、光の入射方向を検出するセンサを備え、検出した入射方向に基づいて各動作モードを切り替えてもよい。あるいは、制御部71は、ユーザからの指示に基づいて各動作モードを切り替えてもよい。
具体的には、午前中には、制御部71は、午前モードとして、第1領域30a及び第3領域30cを無印加モードで動作させ、第2領域30bを電圧印加モードで動作させる。つまり、第1領域30a及び第3領域30cを配光状態とし、第2領域30bを透光状態とする。これにより、光学デバイス1の左側(東側)から斜めに入射する光を効果的に天井92に向けて配光することができる。詳細については、図9A及び図9Bを用いて後で説明する。
例えば、日中には、制御部71は、日中モードとして、全ての領域を無印加モードで動作させる。つまり、全ての領域を配光状態とする。あるいは、日中モードでは、第1領域30a及び第2領域30bを電圧印加モードで動作させ、第1領域30a及び第2領域30bを透光状態としてもよい。いずれで動作させるか、及び、印加電圧制御による配光方向は、例えば、ユーザの嗜好又は入射する光の量などに応じて設定されてもよい。これにより、光学デバイス1の正面(南側)から入射する光を効果的に天井92に向けて配光することができる。
また、例えば、夕方には、制御部71は、夕方モードとして、第2領域30b及び第3領域30cを無印加モードで動作させ、第1領域30aを印加モードで動作させる。つまり、第2領域30b及び第3領域30cを配光状態とし、第1領域30aを透光状態とする。これにより、光学デバイス1の右側(西側)から斜めに入射する光を効果的に天井92に向けて配光することができる。
なお、本実施の形態では、第1領域30aと第2領域30bとが線対称であるため、夕方モードは、午前モードの対称な配光状態を実現する。
ここで、光が光学デバイス1に対して斜め方向から入射する午前中などの時間帯を例に挙げて、午前モードと日中モードとの違いについて図9A及び図9Bを用いて説明する。なお、図9A及び図9Bにおいて、ドットの網掛けが付された領域は太陽95からの光Lによって照射される範囲を示している。
図9A及び図9Bはそれぞれ、光学デバイス1に対して斜めから光が入射した場合の日中モード及び午前モードにおける配光分布を示す図である。なお、ここでの日中モードでは、第1領域30a及び第2領域30bの両方が透光状態である場合を示している。
図9A及び図9Bに示すように、日中モード及び午前モードのいずれの場合も、太陽95からの光LのP偏光LPは、光学デバイス1を通過する際に、光学デバイス1による屈折及び反射などの光学作用を受けないので、そのまま通過して床93を照射する。
一方で、図9Aに示すように、日中モードでは、太陽95からの光LのS偏光は、光学デバイス1を通過する際に、領域毎で異なる光学作用を受ける。具体的には、第3領域30cを通過するS偏光LS3は、第3凸部33cの側面35によって反射されて、天井92に向けて出射される。第1領域30a及び第2領域30bの各々を通過するS偏光LS1及びLS2は、第1領域30a及び第2領域30bが透光状態であるため、そのまま床93を照射する。
また、図9Bに示すように、午前モードでは、太陽95からの光LのS偏光のうち、第3領域30cを通過するS偏光LS3は、第3凸部33cの側面35によって反射されて天井92に向けて出射される。第1領域30aを通過するS偏光LS1も同様に、第1凸部33aの側面35によって反射されて天井92に向けて出射される。第2領域30bを通過するS偏光LS2は、第2領域30bが透光状態であるため、そのまま床93を照射する。
このとき、第1凸部33aの側面35は、第3凸部33cの側面35とは傾斜が異なっているため、図7Bで示したように、S偏光LS1は、S偏光LS3の斜め方向に出射される。このため、図9Bに示すように、S偏光LS1によって、天井92のより広い範囲が照射される。
このように、光学デバイス1は、左右方向の斜めから入射する光を効率良く天井92に向けて配光することができる。したがって、例えば、制御部71は、時間帯に合わせて領域毎の動作モードを選択的に制御することで、入射光に合わせた配光を実現することができる。
[製造方法]
続いて、本実施の形態に係る光学デバイス1の製造方法について、図10A〜図10Fを用いて説明する。図10A〜図10Fはそれぞれ、本実施の形態に係る光学デバイス1の製造方法における各工程を示す斜視図である。具体的には、図10A〜図10Fはそれぞれ、第1電極層40の形成工程、凹凸構造層31の形成工程、凹凸構造層31の領域毎の貼り付け工程、第2電極層50の形成工程、液晶材料38の注入工程、及び、基材の貼り合わせ工程を示している。
続いて、本実施の形態に係る光学デバイス1の製造方法について、図10A〜図10Fを用いて説明する。図10A〜図10Fはそれぞれ、本実施の形態に係る光学デバイス1の製造方法における各工程を示す斜視図である。具体的には、図10A〜図10Fはそれぞれ、第1電極層40の形成工程、凹凸構造層31の形成工程、凹凸構造層31の領域毎の貼り付け工程、第2電極層50の形成工程、液晶材料38の注入工程、及び、基材の貼り合わせ工程を示している。
まず、図10Aに示すように、透光性を有する第1基材10上に、透光性を有する第1電極層40を形成する。例えば、PETフィルムなどの第1基材10を準備し、スパッタリングなどによってITOなどの透明導電膜を形成する。形成した透明導電膜をドライエッチングなどによりパターニングすることで第1電極層40を形成する。
次に、図10Bに示すように、複数の凸部33を有する凹凸構造層を複数形成する。具体的には、凸部33の並び方向(又は、延在方向)が異なる第1凹凸構造層31a、第2凹凸構造層31b及び第3凹凸構造層31cを複数形成する。各々の凹凸構造層は、例えば、モールド成形などによって形成される。このとき、1枚の大きな凹凸構造層を形成した後、領域毎に切断することで、複数の凹凸構造層を形成してもよい。切断する方向及び切断位置を異ならせることで、1枚の凹凸構造層から、凸部33の延びる方向、及び、大きさが異なる複数の凹凸構造層を形成することができる。
次に、第1電極層40上に、接着層60を介して複数の凹凸構造層を貼り付ける。例えば、図10Cに示すように、第3凹凸構造層31cの下面に接着層60を貼り付けた状態で、第1電極層40の第3電極片40c上に載置する。これにより、第3凹凸構造層31cが第3電極片40c上に固定される。本実施の形態では、複数の凹凸構造層の1つを、他の1つとは凸部33の並び方向を異ならせて貼り付ける。複数の領域毎に、凹凸構造層31を貼り付ける。これにより、凹凸構造層31の配置及び形状などを容易に変更することが可能になる。
次に、図10Dに示すように、透光性を有する第2基材20上に、透光性を有する第2電極層50を形成する。具体的な方法は、第1電極層40の形成方法と同じである。なお、第2電極層50の形成工程は、次の基材の貼り合わせ工程より前に行われていればよく、例えば、第1電極層40の形成と同時に行ってもよい。
次に、図10Eに示すように、印加される電界に応じて屈折率が変化する液晶材料38を、複数の凸部33の間に充填する。例えば、液晶分子37を含む液晶材料38を滴下することにより、凸部33間に均一に液晶材料38を充填する。
最後に、図10Fに示すように、第1電極層40と第2電極層50とが複数の凹凸構造層31を間に挟んで対向するように、第1基材10と第2基材20とを貼り合わせる。具体的には、第1基材10及び第2基材20の少なくとも一方に、外周に沿って環状の封止部材を形成し、他方を貼り合わせる。封止部材としては、例えば、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂などを用いる。第1基材10と第2基材20とを貼り合わせた後、封止部材を硬化させる。
なお、液晶材料38の注入は、基材の貼り合わせ後に行ってもよい。例えば、環状に設けられた封止部材の一部に注入口を設けておき、真空注入法によって液晶材料38を基材間に注入してもよい。
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係る光学デバイス1は、透光性を有する第1基材10と、第1基材10に対向して配置された、透光性を有する第2基材20と、第1基材10と第2基材20との間に互いに対向して配置された、透光性を有する第1電極層40及び第2電極層50と、第1電極層40と第2電極層50との間に配置され、入射した光を配光する配光層30とを備える。配光層30は、光を反射可能な反射面を各々が有する複数の凸部33を有する凹凸構造層31と、複数の凸部33間を充填するように配置され、第1電極層40及び第2電極層50間に印加される電圧に応じて屈折率が変化する屈折率可変層32とを含む。配光層30は、平面視において配光方向が異なる複数の領域に区分され、領域毎に反射面の向きが異なっている。
以上のように、本実施の形態に係る光学デバイス1は、透光性を有する第1基材10と、第1基材10に対向して配置された、透光性を有する第2基材20と、第1基材10と第2基材20との間に互いに対向して配置された、透光性を有する第1電極層40及び第2電極層50と、第1電極層40と第2電極層50との間に配置され、入射した光を配光する配光層30とを備える。配光層30は、光を反射可能な反射面を各々が有する複数の凸部33を有する凹凸構造層31と、複数の凸部33間を充填するように配置され、第1電極層40及び第2電極層50間に印加される電圧に応じて屈折率が変化する屈折率可変層32とを含む。配光層30は、平面視において配光方向が異なる複数の領域に区分され、領域毎に反射面の向きが異なっている。
これにより、配光方向が異なる複数の領域に配光層30が区分されているので、一方向だけでなく複数の方向に光を配光させることができる。具体的には、光反射面として機能する側面35の向きが領域毎に異なっているので、側面35の角度に応じた方向に光を配光させることができる。例えば、光学デバイス1は、上下方向だけでなく左右方向に光を配光することができる。このように、光学デバイス1によれば、光の配光分布を広げることができる。
また、光学デバイス1が窓91に設置されて太陽光などを採り入れる場合、光学デバイス1に対する入射光(太陽光)は、日周運動又は年周運動によって、入射方向が変化する。このとき、例えば、光の入射方向に応じて配光方向を制御することで、入射光の時間変化に対する配光分布の変化を調整することができる。例えば、正面から光が入射した場合と同様の配光分布を、斜めから光が入射した場合にも実現することができる。このように、光の入射方向が異なる場合でも、互いに同様(類似)の配光分布を実現することができる。
また、例えば、複数の領域には、第1方向に並んで配置された複数の第1凸部33aであって、各々の反射面が第1方向に直交する方向に延在する複数の第1凸部33aを有する第1領域30aと、第1方向とは異なる第2方向に並んで配置された複数の第2凸部33bであって、各々の反射面が第2方向に直交する方向に延在する複数の第2凸部33bを有する第2領域30bとが含まれる。複数の第1凸部33aの平面視形状は、複数の第2凸部33bの平面視形状の線対称な形状である。
これにより、第1領域30aと第2領域30bとで配光方向を対称にすることができる。このため、例えば、光学デバイス1に対して左側から入射した光だけでなく、右側から入射した光も所望の方向に配光させることができる。
また、例えば、複数の領域には、さらに、第1方向及び第2方向とは異なる第3方向に並んで配置された複数の第3凸部33cであって、各々の反射面が第3方向に直交する方向に延在する複数の第3凸部33cを有する第3領域30cが含まれる。複数の第1凸部33aの平面視形状は、複数の第2凸部33bの平面視形状の、第3方向に平行な線を対称軸とする線対称な形状である。
これにより、配光方向が異なる3つの領域が設けられているので、配光分布をより広くすることができる。
また、例えば、第1電極層40及び第2電極層50の少なくとも一方は、複数の電極片から構成されている。複数の電極片は、複数の領域の各々に対応している。
これにより、領域毎に光学状態を変化させることができる。したがって、例えば、光学デバイス1に対して入射する光の角度に応じて配光状態を変化させることができるので、所望の配光状態を容易に実現することができる。
また、例えば、光学デバイス1は、さらに、凹凸構造層31と第1電極層40とを接着する接着層60を備える。
これにより、凹凸構造層31と第1電極層40との固着強度が高められて、信頼性の高い光学デバイス1を実現することができる。
また、本実施の形態に係る光学システム70は、光学デバイス1と、複数の電極片に選択的に電位を与えることで、配光層30の光学状態を領域毎に制御する制御部71を備える。
これにより、領域毎に光学状態を変化させることができる。例えば、光学デバイス1に対して左右の一方向から光が入射する午前中などの時間帯と、光学デバイス1に対して左右の他方向から光が入射する夕方などの時間帯とで光学デバイス1の配光状態を変化させることができる。
また、例えば、制御部71は、第1領域30aを配光状態にし、第2領域30bを透光状態にする第1動作モード(午前モード)と、第1領域30aを透光状態にし、第2領域30bを配光状態にする第2動作モード(夕方モード)とを切り替えて実行する。
これにより、光の入射方向などに応じて動作モードを切り替えることで、光学デバイス1の光学状態を適切な状態に変化させることができる。
また、例えば、本実施の形態に係る光学デバイス1の製造方法は、透光性を有する第1基材10上に、透光性を有する第1電極層40を形成する工程と、複数の凸部33を有する凹凸構造層31を複数形成する工程と、第1電極層40上に、接着層60を介して複数の凹凸構造層31を貼り付ける工程と、透光性を有する第2基材20上に、透光性を有する第2電極層50を形成する工程と、印加される電界に応じて屈折率が変化する液晶材料38を、複数の凸部33の間に充填する工程と、第1電極層40と第2電極層50とが複数の凹凸構造層31を間に挟んで対向するように、第1基材10と第2基材20とを貼り合わせる工程とを含んでいる。貼り付ける工程では、複数の凹凸構造層31の1つを、他の1つとは凸部33の並び方向を異ならせて貼り付ける。
これにより、複数の凹凸構造層を別体で形成した後、接着層60を介して第1電極層40に貼り付けることで光学デバイス1を製造することができる。このため、各領域の配置、大きさ及び形状の異なる複数の光学デバイス1を容易に実現することができる。
(その他)
以上、本発明に係る光学デバイス、光学システム、及び、光学デバイスの製造方法について、上記の実施の形態及びその変形例に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
以上、本発明に係る光学デバイス、光学システム、及び、光学デバイスの製造方法について、上記の実施の形態及びその変形例に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記の実施の形態では、制御部71は、領域毎に動作モードを切り替えたが、これに限らない。例えば、第1電極層40及び第2電極層50の両方が複数の電極片に分割されている例について示したが、これに限らない。第1電極層40及び第2電極層50の一方のみが複数の電極片から構成されていてもよい。あるいは、第1電極層40及び第2電極層50の両方が分割されていなくてもよい。この場合、領域毎の配光状態及び透光状態の切り替えができなくなるが、配光状態における光の配光方向を広げることができる。
また、例えば、上記の実施の形態では、凹凸構造層31を領域毎に個別に作製した後、接着層60を介して第1電極層40上に貼り付けたが、これに限らない。凹凸構造層31は、一体に形成されていてもよい。具体的には、凸部33の並び方向が異なる複数の形状を備えたモールドを用いて、一括して凹凸構造層31を形成してもよい。
また、例えば、凹凸構造層31は、第1電極層40上に直接形成されていてもよく、光学デバイス1は、接着層60を備えなくてもよい。例えば、凹凸構造層31は、一般的にプライマーと称される樹脂材料からなる薄膜を第1電極層40上に形成した後、凹凸構造層31をインプリントで形成してもよい。
また、例えば、上記の実施の形態では、第1領域30aと第2領域30bとにおいて、線対称な関係を有する例について説明したが、これは、光学デバイス1が真南に面する窓91に設置された場合に特に有用である。したがって、例えば、南南西などの真南以外に面する窓に光学デバイス1が設置された場合には、第1領域30aと第2領域30bとは、線対称な関係を有しなくてもよい。第1領域30aにおける側面(反射面)35の傾斜角と、第2領域30bにおける側面35の傾斜角とは、互いに異なっていてもよい。また、第3領域30cにおける側面35も地面に平行な方向に延在していなくてもよく、傾斜していてもよい。
また、例えば、領域毎に、第1基材10及び第2基材20も分離していてもよい。つまり、領域毎に個別に駆動可能な複数の光学デバイスを面内に並べてもよい。
また、例えば、上記の実施の形態では、屈折率可変層32を構成する液晶材料としてポジ型の液晶材料を用いたが、ネガ型の液晶材料を用いてもよい。
また、例えば、上記の実施の形態では、第3凸部33cの長手方向がx軸方向となるように光学デバイスを窓に配置したが、これに限らない。例えば、第3凸部33cの長手方向がz軸方向となるように光学デバイスを窓に配置してもよい。
また、例えば、上記の実施の形態では、凹凸構造層31を構成する複数の凸部33の各々は、長尺状であったが、これに限らない。例えば、複数の凸部33は、マトリクス状などに点在するように配置されていてもよい。つまり、複数の凸部33を、ドット状に点在するように配置してもよい。
また、例えば、上記の実施の形態では、複数の凸部33の各々は、同じ形状としたが、これに限るものではなく、例えば、面内において異なる形状であってもよい。例えば、光学デバイス1におけるz軸方向の上半分と下半分とで複数の凸部33の側面35又は36の傾斜角を異ならせてもよい。
また、例えば、上記の実施の形態では、複数の凸部33の高さは、一定としたが、これに限るものではない。例えば、複数の凸部33の高さは、ランダムに異なっていてもよい。このようにすることで、光学デバイスを透過する光が虹色に見えてしまうことを抑制できる。つまり、複数の凸部33の高さをランダムに異ならせることで、凹凸界面での微小な回折光や散乱光が波長で平均化されて出射光の色付きが抑制される。
また、上記の実施の形態では、光学デバイス1に入射する光として太陽光を例示したが、これに限らない。例えば、光学デバイス1に入射する光は、照明装置などの発光装置が発する光であってもよい。
また、上記の実施の形態では、光学デバイス1は、窓91の屋内側の面に貼り付けたが、窓91の屋外側の面に貼り付けてもよい。屋内側に貼り付けることで、光学素子の劣化を抑制することができる。また、光学デバイス1を窓91に貼り付けたが、光学デバイスを建物90の窓そのものとして用いてもよい。また、光学デバイス1は、建物90の窓91に設置する場合に限るものではなく、例えば車の窓などに設置してもよい。
なお、これらの変形例は、他の実施の形態及び変形例にも適用できる。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
1 光学デバイス
10 第1基材
20 第2基材
30 配光層
30a 第1領域
30b 第2領域
30c 第3領域
31 凹凸構造層
32 屈折率可変層
33 凸部
33a 第1凸部
33b 第2凸部
33c 第3凸部
38 液晶材料(屈折率可変材料)
40 第1電極層
40a、50a 第1電極片
40b、50b 第2電極片
40c、50c 第3電極片
50 第2電極層
60 接着層
70 光学システム
71 制御部
10 第1基材
20 第2基材
30 配光層
30a 第1領域
30b 第2領域
30c 第3領域
31 凹凸構造層
32 屈折率可変層
33 凸部
33a 第1凸部
33b 第2凸部
33c 第3凸部
38 液晶材料(屈折率可変材料)
40 第1電極層
40a、50a 第1電極片
40b、50b 第2電極片
40c、50c 第3電極片
50 第2電極層
60 接着層
70 光学システム
71 制御部
Claims (8)
- 透光性を有する第1基材と、
前記第1基材に対向して配置された、透光性を有する第2基材と、
前記第1基材と前記第2基材との間に互いに対向して配置された、透光性を有する第1電極層及び第2電極層と、
前記第1電極層と前記第2電極層との間に配置され、入射した光を配光する配光層とを備え、
前記配光層は、
前記光を反射可能な反射面を各々が有する複数の凸部を有する凹凸構造層と、
前記複数の凸部間を充填するように配置され、前記第1電極層及び前記第2電極層間に印加される電圧に応じて屈折率が変化する屈折率可変層とを含み、
前記配光層は、平面視において配光方向が異なる複数の領域に区分され、領域毎に前記反射面の向きが異なっている
光学デバイス。 - 前記複数の領域には、
第1方向に並んで配置された複数の第1凸部であって、各々の前記反射面が前記第1方向に直交する方向に延在する複数の第1凸部を有する第1領域と、
前記第1方向とは異なる第2方向に並んで配置された複数の第2凸部であって、各々の前記反射面が前記第2方向に直交する方向に延在する複数の第2凸部を有する第2領域とが含まれ、
前記複数の第1凸部の平面視形状は、前記複数の第2凸部の平面視形状の線対称な形状である
請求項1に記載の光学デバイス。 - 前記複数の領域には、さらに、
前記第1方向及び前記第2方向とは異なる第3方向に並んで配置された複数の第3凸部であって、各々の前記反射面が前記第3方向に直交する方向に延在する複数の第3凸部を有する第3領域が含まれる
請求項1又は2に記載の光学デバイス。 - 前記第1電極層及び前記第2電極層の少なくとも一方は、複数の電極片から構成され、
前記複数の電極片は、前記複数の領域の各々に対応している
請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学デバイス。 - さらに、
前記凹凸構造層と前記第1電極層とを接着する接着層を備える
請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学デバイス。 - 請求項4に記載の光学デバイスと、
前記複数の電極片に選択的に電位を与えることで、前記配光層の光学状態を前記領域毎に制御する制御部とを備える
光学システム。 - 前記制御部は、
前記第1領域を配光状態にし、前記第2領域を透光状態にする第1動作モードと、
前記第1領域を透光状態にし、前記第2領域を配光状態にする第2動作モードとを切り替えて実行する
請求項6に記載の光学システム。 - 透光性を有する第1基材上に、透光性を有する第1電極層を形成する工程と、
複数の凸部を有する凹凸構造層を複数形成する工程と、
前記第1電極層上に、接着層を介して複数の前記凹凸構造層を貼り付ける工程と、
透光性を有する第2基材上に、透光性を有する第2電極層を形成する工程と、
印加される電界に応じて屈折率が変化する屈折率可変材料を、前記複数の凸部の間に充填する工程と、
前記第1電極層と前記第2電極層とが複数の前記凹凸構造層を間に挟んで対向するように、前記第1基材と前記第2基材とを貼り合わせる工程とを含み、
前記貼り付ける工程では、複数の前記凹凸構造層の1つを、他の1つとは前記凸部の並び方向を異ならせて貼り付ける
光学デバイスの製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017033604A JP2020064089A (ja) | 2017-02-24 | 2017-02-24 | 光学デバイス、光学システム、及び、光学デバイスの製造方法 |
PCT/JP2017/042319 WO2018154893A1 (ja) | 2017-02-24 | 2017-11-27 | 光学デバイス、光学システム、及び、光学デバイスの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017033604A JP2020064089A (ja) | 2017-02-24 | 2017-02-24 | 光学デバイス、光学システム、及び、光学デバイスの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020064089A true JP2020064089A (ja) | 2020-04-23 |
Family
ID=63253223
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017033604A Pending JP2020064089A (ja) | 2017-02-24 | 2017-02-24 | 光学デバイス、光学システム、及び、光学デバイスの製造方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020064089A (ja) |
WO (1) | WO2018154893A1 (ja) |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4850682A (en) * | 1986-07-14 | 1989-07-25 | Advanced Environmental Research Group | Diffraction grating structures |
WO1996011423A1 (en) * | 1994-10-06 | 1996-04-18 | Philips Electronics N.V. | Display device |
JP5938720B2 (ja) * | 2012-04-26 | 2016-06-22 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 光偏向素子及びこれを用いた画像表示装置 |
JP2018054639A (ja) * | 2015-02-13 | 2018-04-05 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 光学デバイス |
WO2016132732A1 (ja) * | 2015-02-18 | 2016-08-25 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 表示パネル |
JP6473957B2 (ja) * | 2015-04-07 | 2019-02-27 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 光制御デバイス |
-
2017
- 2017-02-24 JP JP2017033604A patent/JP2020064089A/ja active Pending
- 2017-11-27 WO PCT/JP2017/042319 patent/WO2018154893A1/ja active Application Filing
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2018154893A1 (ja) | 2018-08-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPWO2017098687A1 (ja) | 光学デバイス | |
WO2017122245A1 (ja) | 光学デバイス及び配光機能付き窓 | |
JP2020064085A (ja) | 光学デバイス | |
WO2018150662A1 (ja) | 光学デバイス及び光学システム | |
JP2020064089A (ja) | 光学デバイス、光学システム、及び、光学デバイスの製造方法 | |
JP2017161735A (ja) | 光学デバイス | |
JP6402959B2 (ja) | 光学デバイス | |
JP6628167B2 (ja) | 光学デバイス | |
JP2020016860A (ja) | 配光制御デバイス及びその製造方法 | |
JP2020064080A (ja) | 光学デバイス及び光学システム | |
JP2020064083A (ja) | 光学デバイス | |
WO2018042884A1 (ja) | 光学デバイス及び光学デバイスの製造方法 | |
WO2019021576A1 (ja) | 光学デバイス及び光学システム | |
JP2020064081A (ja) | 光学デバイス | |
JP6807553B2 (ja) | 光学デバイス | |
JP2018136432A (ja) | 光学デバイス | |
JP2020016707A (ja) | 配光制御デバイス | |
JP6681588B2 (ja) | 光学デバイス及び光学デバイスの製造方法 | |
JP2019184756A (ja) | 配光制御デバイス | |
JP2019023706A (ja) | 光学デバイス | |
WO2018037632A1 (ja) | 光学デバイス及び光学デバイスの製造方法 | |
JP2019168573A (ja) | 光学デバイス | |
WO2018154855A1 (ja) | 光学デバイス | |
WO2019123967A1 (ja) | 配光制御デバイス | |
WO2019163377A1 (ja) | 配光制御デバイス |