JP2018119268A - 橋桁の遊間に設けられる止水構造 - Google Patents

橋桁の遊間に設けられる止水構造 Download PDF

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Abstract

【課題】 経年劣化せず、施工が容易で、確実に雨水の落下を防止する、橋梁、高架道路の橋桁の遊間に設けられる止水構造を提供する。【解決手段】止水構造(1)を、隣り合う橋桁(3)の床版(4)の遊間(5)に設ける1枚の防水シート(6)と、これを固定する複数個の固定部材(7)とから構成する。防水シート(6)は道幅分、あるいはそれ以上の長さに、遊間(5)より幅広に形成する。固定部材(7)は不銹鋼薄板から所定長さに形成する。止水構造(1)の施工は、防水シート(6)を遊間(5)に設け、その上から、弾性付勢に抗して湾曲させた固定部材(7)を遊間(5)内に挿入する。固定部材(7)が弾性付勢により拡がるようにし、防水シート(6)を床版(4)の端面に押し付ける。複数個の固定部材(7)を道幅方向に並べて設け防水シート(6)を道幅全体に渡って遊間(5)に固定する。【選択図】 図1

Description

本発明は、橋梁や高架道路において、橋桁同士の接続部に設けられる止水構造に関するものである。
橋梁や高架道路は複数の橋脚の上に設けられている。つまり隣り合う所定の2本の橋脚間に橋桁が架けられ、次の隣り合う2本の橋脚間にも橋桁が設けられ、このようにして道路の進行方向に複数の橋桁が接続されている。そして、これらの橋桁の上にアスファルト合材からなる舗装道路が敷設されている。ところで、隣り合う橋桁同士の間には、これらの接続部において所定の隙間、すなわち遊間が形成されている。温度変化の熱膨張による橋桁の伸縮を逃がしたり、地震や震動による影響を緩和するためである。橋桁同士の接続部には橋桁同士が滑らかに接続されるように所定の継手構造が設けられているが、この継手構造と共に、道路上に降った雨水が下方に落下しないように所定の止水構造が設けられている。止水構造には、例えば発泡ウレタン等の弾性素材からなる止水材が採用され、遊間に挿入されている。このような止水材は押圧されて遊間に挿入されているので、橋桁を構成している床版に密着して雨水の落下を防止できる。止水構造には他の構造もあり、色々な特許文献によって提案されている。
特開2016−56544号公報 実公昭46−35554号公報
特許文献1には、所定の樋からなる止水構造が記載されている。この樋は、例えばポリエチレン樹脂製の弾性素材からなり、薄板で断面形状が略V字形に賦形されている。V字形の両方の上端部には、それぞれ外側に吸水膨張性不織布が設けられている。樋を弾性に抗して上端部同士を内側に向かって狭め、この状態を維持するように所定の治具によって挟持しておく。治具によって幅が狭められた樋を橋桁同士の遊間に挿入する。そして遊間に樋を残すようにして治具を抜くと、樋は弾力によって遊間内で拡がる。そうすると両端近傍の外側に設けられている吸水膨張性不織布が橋桁を構成している床版の端面に密着し、床版との間で液密が得られる。これによって橋梁や高架道路の橋桁間から流れる雨水は確実に樋に集水されることになり、樋から外部に排水される。なお、道路の幅方向の長さに比して樋の長さは一般的に短い。従って、橋桁間には複数本の樋が所定の重ね代で接続され、雨水が落下する隙間が形成されないようになっており、道路の幅方向に確実に雨水が流れるようにしている。
特許文献2には、複合材料からなる止水用目地材が記載されている。この止水用目地材は鋼板製の長方形薄板状のバネ体からなる芯材と、この芯材の表面を被覆しているゴムの表面材とからなる。この止水用目地材はバネ体の付勢に抗して湾曲させ、遊間に挿入するとバネ体の付勢によりU字状に押し広げられて止水用目地材の長方形の両長辺近傍が一方と他方の床版の端面に密着する。すなわち床版間において樋が形成される。これによって橋桁間に流れ込んだ雨水は樋で集水され、樋によってガイドされて流れるようになっている。なお、止水用目地材の両長辺には、その長手方向に渡って、ゴムからなる所定高さの突起が形成されている。この突起が橋桁の床版に密着して液密が得られるようになっている。
橋桁間の雨水の落下は、従来の発泡ウレタン等の弾性素材からなる止水材によっても防止できるし、特許文献1に記載の止水構造、あるいは特許文献2に記載の止水用目地材によっても防止できる。しかしながら解決すべき問題も見受けられる。例えば、従来の止水材については、経年劣化の問題がある。すなわち発泡ウレタンは経年変化により弾力が小さくなる。または経年劣化により亀裂が入ることもある。そうすると止水材と床版の端面との間に隙間ができたり、亀裂から雨水の漏れが発生し、止水効果が低下してしまう。特許文献1に記載の止水構造においては、治具により容易に施工ができる点が優れているし、弾力によって樋の両方の上端部が一方と他方の床版の端面に密着するので、この部分においては雨水の漏れが確実に防止され優れてはいる。しかしながら、樋同士の継ぎ目において雨水の漏れの虞がある。特許文献1に記載の樋は、橋桁間に複数本の樋が所定の重ね代で接続され、これによって樋同士の継ぎ目に隙間が形成されないようにはなっている。比較的少量の雨水であれば、雨水は複数本の樋を順に流れて落下することはない。しかしながら、比較的大量の雨水が流れ込むと、雨水の一部は樋同士の継ぎ目の重ね代において逆流し、ここから落下してしまう。つまり複数本の樋は、一見隙間が生じないように接続されてはいるが、完全に連続してはいないので雨水の落下を確実に防止することができない。仮に、樋を道路の幅と同じ長さに製造するようにして1本の樋を道路に設けるようにすれば、少なくとも道路の幅の長さ分だけは雨水の漏れの心配はない。しかしながらこのようにしても問題がある。まず道路幅の広狭に応じて樋を製造しなければならず製造コストが大きくなるし、長い樋は運搬が容易でない。さらに、1本の樋だけでは道路の側方からの雨水の落下を防止できないという問題もある。橋梁、高架道路には道路の側部には道路面から所定高さだけ立ち上がった高欄あるいは地覆が形成されているが、高さが異なる高欄あるいは地覆においては、樋と異なる別の止水構造を設ける必要があり、樋をこの止水構造と連結するのは容易ではない。従ってこの部分から雨水が漏れてしまう。特許文献1に記載の樋には他の問題もある。すなわちこの樋は、その上端部に吸水膨張性不織布が設けられ、これが弾性付勢より床版の端面に押し付けられ、その摩擦力によって樋の落下が防止されている。しかしながら床版の端面は滑らかであるし、道路上を車両が走行すると床版は震動するので、摩擦力だけで樋を維持することは困難である。つまり確実に落下が防止できるという保証はない。特許文献2に記載の止水用目地材も、特許文献1に記載の樋と同様の問題を有している。すなわち、止水用目地材も所定の長さで製造する必要があるので、道路の幅方向に複数設ける必要があり、所定の重ね代を設けて接続しても大量の雨水が流入すると雨水の落下を防止できない。また、弾性付勢により止水用目地材がU字状に床版に押し付けられているが、落下を確実に防止できないという問題がある。
本発明は、上記したような問題点を解決した、橋桁の遊間に設けられる止水構造を提供することを目的とし、具体的には、道路幅の異なる色々な橋梁、高架道路に適用でき、経年劣化の問題もなく、施工が容易であり、比較的大量の雨水が流れても確実に雨水の落下を防止でき、高欄あるいは地覆からの雨水の落下も防止できる、橋梁、高架道路の橋桁の遊間に設けられる止水構造を提供することを目的としている。また、止水構造自体が遊間から落下しないことが保証される止水構造を提供することも目的としている。
本発明は上記目的を達成するために、止水構造を、隣り合う橋桁の床版の隙間である遊間に設ける可撓性を備えた1枚の防水シートと、該防水シートを固定する複数個の固定部材とから構成する。防水シートは、橋梁、高架道路の道幅分と等しいかそれより長く、そして遊間より所定幅だけ幅広に形成する。固定部材は不銹鋼薄板から所定長さに形成する。止水構造の施工は、防水シートを遊間に設け、その上から、所定の力で弾性付勢に抗して湾曲した固定部材を遊間内に挿入する。力を解放し固定部材を遊間内で弾性付勢により拡げ、防水シートを床版の端面に押し付ける。複数個の固定部材を道路の道幅方向に並べて設けて防水シートを道幅全体に渡って遊間に固定する。
かくして、請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、互いに接続されている複数の橋桁からなる橋梁または高架道路の、隣り合う橋桁のそれぞれの床版の間の隙間である遊間に設けられ、該遊間に流れこむ雨水を集水して排水し、雨水の落下を防止するようになっている止水構造であって、前記止水構造は、遊間に設けられる可撓性を備えた1枚の防水シートと、該防水シートを固定する複数個の固定部材とからなり、前記防水シートは、道幅分と等しいかそれより長く、かつ遊間より所定幅だけ幅広に形成され、前記固定部材は不銹鋼薄板から所定長さに形成されており、前記止水構造は、遊間に設けられた前記防水シートの上から、所定の力で弾性付勢に抗して湾曲された前記固定部材が遊間内に挿入され、前記力が解放されて遊間内で弾性付勢により拡がった前記固定部材によって前記防水シートが床版の端面に押し付けられ、複数個の前記固定部材が道幅方向に並べて設けられることによって前記防水シートが道幅全体に渡って遊間に固定されていることを特徴とする、橋梁または高架道路の橋桁の遊間に設けられる止水構造として構成される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の止水構造において、前記固定部材は複数本の爪が設けられており、前記固定部材が遊間において前記防水シートを床版の端面に押し付けるとき、前記爪が前記防水シートを貫通して前記床版の端面に食い込むようになっていることを特徴とする、橋梁または高架道路の橋桁の遊間に設けられる止水構造として構成される。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の止水構造は、複数本の爪が設けられた金属製の滑り止めクリップを備え、該滑り止めクリップは前記防水シートと前記固定部材とをこれらの端面において挟持してこれらを一体化するようになっており、前記止水構造が遊間に設けられるとき前記爪が前記床版の端面に食い込むようになっていることを特徴とする、橋梁または高架道路の橋桁の遊間に設けられる止水構造として構成される。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の止水構造は、その表面に複数本の爪が形成された所定幅の滑り止め板を備え、該滑り止め板はその裏面が前記防水シートの端部近傍に貼られ、前記止水構造が遊間に設けられるとき前記爪が前記床版の端面に食い込むようになっていることを特徴とする、橋梁または高架道路の橋桁の遊間に設けられる止水構造として構成される。
請求項5に記載の発明は、請求項1または2に記載の止水構造において、前記防水シートは、一方の面において両長辺に沿って所定幅で粘着剤が塗布されており、床版に接着されるようになっていることを特徴とする、高架道路の橋桁の遊間に設けられる止水構造として構成される。
以上のように、本発明は、互いに接続されている複数の橋桁からなる橋梁または高架道路の、隣り合う橋桁のそれぞれの床版の間の隙間である遊間に設けられ、該遊間に流れこむ雨水を集水して排水し、雨水の落下を防止するようになっている止水構造を対象としている。そして本発明の止水構造は、遊間に設けられる可撓性を備えた1枚の防水シートと、該防水シートを固定する複数個の固定部材とから構成される。防水シートは道幅分と等しいかそれより長く、かつ遊間より所定幅だけ幅広に形成され、固定部材は不銹鋼薄板から所定長さに形成される。そして止水構造は、遊間に設けられた防水シートの上から、所定の力で弾性付勢に抗して湾曲された固定部材が遊間内に挿入され、力が解放されて遊間内で弾性付勢により拡がった固定部材によって防水シートが床版の端面に押し付けられ、複数個の固定部材が道幅方向に並べて設けられることによって防水シートが道幅全体に渡って遊間に固定されている。つまり本発明の止水構造は、1枚の防水シートが高架道路の道幅全体において連続して設けられることになる。そして防水シートは、可撓性を備えているので、高欄あるいは地覆についても覆うことができる。そうすると実質的に雨水の落下の原因となる継ぎ目がないので、大量の雨水が流入しても雨水の落下を確実に防止できる。このような防水シートはロール状に巻いた状態で搬送できるし、道幅に合わせて切断すればよいので取り扱いも容易である。このような1枚の防水シートは、所定長さの複数個の固定部材によって遊間に固定されるようになっている。固定部材は所定長さなので規格された寸法で大量生産してコストを下げられるし搬送も容易である。そして、固定部材は不銹鋼薄板からなるので劣化の問題もなく、長期間経過しても弾性を失わない。このような固定部材は、弾性付勢に抗して湾曲させ、防水シートの上から遊間に挿入するだけで防水シートを固定できるので、止水構造の施工が容易になるという効果も得られる。他の発明によると、固定部材は複数本の爪が設けられており、固定部材が遊間において防水シートを床版の端面に押し付けるとき、爪が防水シートを貫通して床版の端面に食い込むようになっている。また他の発明によると、止水構造は、複数本の爪が設けられた金属製の滑り止めクリップを備え、該滑り止めクリップは防水シートと固定部材とをこれらの端面において挟持してこれらを一体化するようになっており、止水構造が遊間に設けられるとき爪が前記床版の端面に食い込むようになっている。さらに他の発明によると止水構造は、その表面に複数本の爪が形成された所定幅の滑り止め板を備え、該滑り止め板はその裏面が防水シートの端部近傍に貼られ、止水構造が遊間に設けられるとき爪が前記床版の端面に食い込むようになっている。つまりこれらの発明によると、爪が床版の端面に食い込むので、車両が走行したり地震等によって橋梁、高架道路が震動しても止水構造がずれる虞はなく、確実に防水シートを遊間に固定し続けることができる。他の発明によると、防水シートは、一方の面において両長辺に沿って所定幅で粘着剤が塗布されており、床版に接着されるようになっている。防水シートを床版に接着することができるので、止水構造の施工がさらに容易になる効果が得られる。
橋梁または高架道路の隣り合う橋桁と、それぞれの橋桁の床版の遊間に設けられる本発明の実施の形態に係る止水構造を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る止水構造を構成する防水シートと固定部材の側面図である。 本発明の実施の形態に係る止水構造を施工する方法を模式的に示す図で、その(ア)、(イ)は、それぞれの工程における止水構造を示す側面図である。 本発明の他の実施の形態に係る止水構造を示す図で、その(ア)〜(オ)は、それぞれ異なる実施の形態に係る止水構造を示す側面図である。 本発明の他の実施の形態に係る止水構造を示す図で、その(ア)は止水構造を構成する滑り止めクリップの斜視図、その(イ)は施工された状態の止水構造の一部を示す側面図である。 本発明の他の実施の形態に係る止水構造を示す図で、その(ア)は止水構造を構成する滑り止め板の斜視図、その(イ)は施工された状態の止水構造の一部を示す側面図である。 本発明の他の実施の形態に係る止水構造を示す図で、その(ア)は防水シートと固定部材の側面図、その(イ)は施工された状態の止水構造の側面図である。 本発明の他の実施の形態に係る止水構造を示す図で、その(ア)、(イ)は、それぞれ異なる実施の形態に係る止水構造を示す側面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る止水構造1は、図1に示されているように、橋梁または高架道路の隣り合う橋桁3、3の隙間に、つまり橋桁3、3を構成しているそれぞれの床版4、4の遊間5に設けられている。止水構造1は遊間5毎に設けられ、橋梁または高架道路の道幅に渡って設けられている1枚の防水シート6と、所定長さからなりこの防水シート6を固定している複数個の固定部材7、7、…とから構成されている。これらの防水シート6と固定部材7、7、…について詳しく説明する。
本実施の形態において防水シート6は、比較的柔らかい防水性素材からなる。例えばポリウレタンの単一材料のシートから構成することもできるし、樹脂繊維からなる織布にポリウレタンや塩化ビニル樹脂がコーティングされた複合シートから構成することもできる。またアスファルトシートから構成することもできる。防水シート6の材料となるシートは、その幅が遊間5の幅よりも若干幅広のシートであり、ロール状に巻かれている。このようなシートを適宜切断して防水シート6を得るようになっている。具体的には、防水シート6はその長さを橋梁または高架道路の道幅と同じかそれより若干長めになっている。このように防水シート6は短辺に比して長辺がかなり長い長方形状のシートになっている。この実施の形態においては、図2に示されているように、防水シート6の一方の面において両長辺の近傍に所定幅で粘着剤10、10が設けられている。より具体的には粘着テープ10、10が貼られている。これらによって防水シート6の両長辺が床版4に接着するようになっている。
本実施の形態において固定部材7は、不銹鋼の薄板からなり湾曲させると所定の反力が生じる弾性体になっている。固定部材7は長方形状になっており、その短辺は防水シート6の幅より狭いが、遊間5より十分に幅広になっている。固定部材7の長辺は製造や運搬に適した長さに選定され、例えば2m等のようになっている。このように長辺は止水構造1を設置する遊間の長さ、つまり道幅に比してかなり短いが、このような固定部材7、7、…を道幅方向に並べることによって、道幅全体で防水シート6を遊間に固定するようになっている。図1、図2に示されているように、固定部材7の両長辺の近傍には、一方の面から突出する複数本の針状の爪12、12、…が設けられている。爪12、12、…は防水シート6のシート厚さより長くなっており止水構造1を施工するときにこれらの爪12、12、…が防水シート6を貫通して、先端がわずかに防水シート7から突き出るようになっている。爪12、12…は釘のようなピンから構成してもよいし、固定部材7の不銹鋼の薄板に小さいV字状の切り込みを入れて、切り込み部分を折り曲げて薄板に対して立ち上がるようにして爪12、12、…を形成してもよい。
本実施の形態に係る止水構造1は次のようにして施工する。最初に、道幅より若干長めに選定された防水シート6を、図3の(ア)に示されているように、中央をたるませた状態で遊間5に設ける。図には示されていないが、道路の両端には道路面より所定高さだけ立ち上がった高欄あるいは地覆が形成されている。防水シート6を遊間5に設けるとき、防水シート6の両端が高欄あるいは地覆を覆うようにする。このようにすると道路の部分と高欄あるいは地覆の部分との隙間が実質的に無くなり、雨水の落下を確実に防止できる。高欄あるいは地覆でない道路部分については、図3の(ア)に示されているように、粘着テープ10、10が設けられている両長辺近傍を床版4、4に貼り付ける。次に所定の力を作用させて固定部材7を弾性付勢に抗して略U字状に湾曲させる。このとき爪12、12、…が外方を向くようにする。U字状に湾曲した状態の固定部材7を防水シート6の上から押し込むように挿入する。つまり遊間5に挿入する。そして力を解放すると、図3の(イ)に示されているように、弾性付勢によって固定部材7が遊間5内で拡がる。これによって固定部材7によって防水シート6が所定長さだけ固定される。つまり固定部材7の長さ分だけ固定される。両長辺近傍の爪12、12、…は防水シート6を貫通して、それらの先端が床版4、4の端面に食い込む。これによって橋梁、高架道路に震動が発生しても固定部材7のずれが防止される。道路の道幅に渡って、複数個の固定部材7、7、…を設けるようにすると防水シート6が道幅全体に渡って遊間5に固定される。止水構造1の施工を完了する。
本実施の形態に係る止水構造1は色々な変形が可能で有り、図4には色々な変形例が示されている。例えば、図4の(ア)に示されているように、固定部材7の内側に、発泡ウレタン等のスポンジ状のクッション材14を入れてもよい。あるいは図4の(イ)に示されているように、コイルスプリング15を固定部材7の内側に設けて、それによって固定部材7による床版4、4の端面に対する押し付け力を強化してもよい。耐久性を高めると共に止水作用を強化する変形も可能である。具体的には、図4の(ウ)に示されているように、補助防水シート17を固定部材7、7、…の内側に設けるようにする。固定部材7、7、…は不銹鋼の薄板からなり銹びにくいが、補助防水シート17により防水されることにより、さらに耐久性が向上する。また補助防水シート17により止水効果も高まる。ところで防水シート6は、その両長辺部分が床版4、4の上面の水平面に設けられている必要はない。図4の(エ)には、防水シート6の両長辺部分が、床版4、4の垂直な端面に位置するように施工されている例が示されている。このようにすると防水シート6の幅は比較的狭くても止水構造1が施工できる。さらには、防水シート6や固定部材7、7、…の湾曲方向にも制約はない。つまり図4の(オ)に示されているように、上に凸になるように防水シート6、固定部材7を湾曲させて止水構造1を遊間5に設けても良い。
図5には他の実施の形態に係る止水構造1Aが示されている。この実施の形態に係る止水構造1Aは、図5の(ア)に示されているような、滑り止めクリップ21を備えている。滑り止めクリップ21は、不銹鋼薄板等の金属板から形成され、側方から見て略コの字型に形成されている。滑り止めクリップ21の一方の面には多数の爪22、22、…が設けられている。これらの爪22、22、…は、金属板の表面に小さいV字状の切り込みが入れられ、切り込み部分が立ち上がるようにして形成されている。この実施の形態においては、固定部材7’には爪12、12、…は設けられていない。このような固定部材7’と防水シート6とをそれらの端部において、図5の(イ)に示されているように、滑り止めクリップ21によって挟持し、一体化する。あるいは必要に応じてかしめて固定する。複数個の滑り止めクリップ21、21、…を、同様にして固定部材7’と防水シート6の端部に設ける。このような止水構造1Aを遊間5に設けると、滑り止めクリップ21の爪22、22、…が床版4の端面に食い込み、止水構造1Aのずれが防止される。
図6には他の実施の形態に係る止水構造1Bが示されている。この実施の形態に係る止水構造1Bは、図6の(ア)に示されているような、滑り止め板24を使用する。滑り止め板24は、表面に多数の爪25、25、…が形成されている。このような滑り板24を、図6の(イ)に示されているように、両面テープ26等によって防水シート6の端部に貼り付ける。止水構造1Bを遊間5に設けるとき、このような防水シート6を、爪が設けられていない固定部材7’によって押さえつける。そうすると、爪25、25、…が床版4の端面に食い込んで、止水構造1Bのずれが防止される。
図1〜3によって説明した本実施の形態に係る止水構造1は、爪12、12、…によって固定部材7がしっかりと遊間5に固定されてずれないようになっているが、防水シート6に所定の部材を設けて固定部材7がさらにずれにくくなるようにすることもできる。図7にはこのような実施の形態に係る止水構造1Cが示されている。この実施の形態においては、図7の(ア)に示されているように、防水シート6’には粘着テープ10、10と反対側の面において、両長辺近傍に突起19、19が設けられている。また、この実施の形態においては防水効果を高めるために、粘着テープ10、10の近傍に細い円柱状のシール部材20、20も設けられている。このような防水シート6’を床版4、4の遊間5に入れ、固定部材7を挿入すると、図7の(イ)に示されているように、防水シート6’の突起19、19がちょうど固定部材7の両長辺の端部を押える状態になり、固定部材7のずれを防止できるようになっている。なお、この実施の形態においてはシール部材20、20が床版4、4の端面に密着するので防水効果が高い。
以上の実施の形態においては、不銹鋼の薄板からなる固定部材7、7’は略U字状に湾曲させて遊間5に挿入するように説明した。しかしながら遊間5が幅広の場合には、U字状に湾曲させただけでは十分な弾性付勢が得られない場合もある。そこで、遊間5が広い場合には、幅広の固定部材7’’を用意し、これを図8の(ア)、(イ)に示されているように色々な形状に予め湾曲させておく。そして弾性に抗して狭めて遊間5に挿入する。そうすると、遊間5が広い場合であっても必要な弾性付勢が得られ、防水シート6を十分な強度で固定できる。このような実施の形態に係る止水構造1D、1Eは、幅広の遊間5にも対応することができる。
他の変形例として、止水構造に爪を設けないようにすることも可能である。つまり、爪12、12、…を備えていない固定部材7’を使用し、滑り止めクリップ21や滑り止め板24を使用しないで止水構造を設ける方法である。このような止水構造においては爪はないが、固定部材7’の弾性付勢によってある程度の強度で遊間5に固定される。
1 止水構造 3 橋桁
4 床版 5 遊間
6 防水シート 7 固定部材
10 粘着テープ 12 爪
21 滑り止めクリップ 22 爪
24 滑り止め板 25 爪

Claims (5)

  1. 互いに接続されている複数の橋桁からなる橋梁または高架道路の、隣り合う橋桁のそれぞれの床版の間の隙間である遊間に設けられ、該遊間に流れこむ雨水を集水して排水し、雨水の落下を防止するようになっている止水構造であって、
    前記止水構造は、遊間に設けられる可撓性を備えた1枚の防水シートと、該防水シートを固定する複数個の固定部材とからなり、
    前記防水シートは、道幅分と等しいかそれより長く、かつ遊間より所定幅だけ幅広に形成され、
    前記固定部材は不銹鋼薄板から所定長さに形成されており、
    前記止水構造は、遊間に設けられた前記防水シートの上から、所定の力で弾性付勢に抗して湾曲された前記固定部材が遊間内に挿入され、前記力が解放されて遊間内で弾性付勢により拡がった前記固定部材によって前記防水シートが床版の端面に押し付けられ、複数個の前記固定部材が道幅方向に並べて設けられることによって前記防水シートが道幅全体に渡って遊間に固定されていることを特徴とする、橋梁または高架道路の橋桁の遊間に設けられる止水構造。
  2. 請求項1に記載の止水構造において、前記固定部材は複数本の爪が設けられており、前記固定部材が遊間において前記防水シートを床版の端面に押し付けるとき、前記爪が前記防水シートを貫通して前記床版の端面に食い込むようになっていることを特徴とする、橋梁または高架道路の橋桁の遊間に設けられる止水構造。
  3. 請求項1に記載の止水構造は、複数本の爪が設けられた金属製の滑り止めクリップを備え、該滑り止めクリップは前記防水シートと前記固定部材とをこれらの端面において挟持してこれらを一体化するようになっており、前記止水構造が遊間に設けられるとき前記爪が前記床版の端面に食い込むようになっていることを特徴とする、橋梁または高架道路の橋桁の遊間に設けられる止水構造。
  4. 請求項1に記載の止水構造は、その表面に複数本の爪が形成された所定幅の滑り止め板を備え、該滑り止め板はその裏面が前記防水シートの端部近傍に貼られ、前記止水構造が遊間に設けられるとき前記爪が前記床版の端面に食い込むようになっていることを特徴とする、橋梁または高架道路の橋桁の遊間に設けられる止水構造。
  5. 請求項1または2に記載の止水構造において、前記防水シートは、一方の面において両長辺に沿って所定幅で粘着剤が塗布されており、床版に接着されるようになっていることを特徴とする、高架道路の橋桁の遊間に設けられる止水構造。
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