JP4787197B2 - 橋梁用導水構造及びその施工方法 - Google Patents

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本発明は、橋梁の上部構造である橋体同士、或いは橋体と橋台とのジョイント部間隙において漏水を処理する橋梁用導水構造及びその施工方法に関する。
橋梁は、上部構造である主桁、床版、床組等(以下、これらを「橋体」とも称す。)が、下部構造である橋台、橋脚、基礎によって支えられる。従来より、橋体同士間のジョイント部や、橋体と橋台パラペット(胸壁)とのジョイント部には、温度差や乾燥等に起因する橋桁間変位を吸収する伸縮装置が設けられ、車両等の安全かつ円滑な通行が確保されるようになっている。通常、橋梁構造物における目地、間隙等のジョイント部処理は、非排水型の伸縮装置を設置することによって防水も併せて行われる。
例えば特許文献1に示す非排水型の伸縮装置は、橋脚に支持された一対の橋桁のジョイント部において、多孔質弾性体層とゴムプレートからなる伸縮材の上側に、アスファルト層が加熱転圧等によって形成されて、その一部が多孔質弾性体層の空隙を通って内部に浸透することにより多孔質弾性体層と一体化し両者間を接着する。これにより、橋桁の変動により大きな遊間変位が生じたとき、遊間変位に応じて伸縮材が均一に伸縮し、局部的に大きな力が加わることが避けられ、アスファルト層におけるしわ、ひび、亀裂等の損傷の発生が防止される。また、伸縮材の下層がゴムプレートになっているため、アスファルト層側からの雨水等の漏れを防止し、橋桁への水の浸透による耐久性の低下が防止された。
特開2004−84463号公報
ところで、川や道路を横断する車の走行する橋梁のジョイント部の底盤に取り付けられた既存の伸縮装置における止水パッキンは、振動等で破損、脱落等々をおこし、結果、降雨等の雨水を当初設計していた樋に排水処理できず、橋梁下に漏らす現象が見られる。大きな歩道橋(人道)でも同様の現象が見られる。
この漏水を処理せずに放置すると、支間に設けられた橋台、橋脚、橋体等の鋼製部材とコンクリート部材とにしたたり付き、鋼製部材ではサビを発生させ、コンクリート部材ではコンクリート劣化をもたらし、構造的欠陥を招く可能性がある。そのため、橋梁鋼製部材には数年おきに特殊塗装を施し、サビ止め処理をすることが必要となり、費用が膨大となった。
さらに近年、したたる水は、融雪材として使用される塩化カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウムを含むことが多く、大概がアルカリ性であるため、一般に使われている既存の止水樋(加硫ゴム系)を劣化させ易い新たな問題を招請している。橋梁には、H鋼材橋、PC橋、RC橋等があるが、降雨の酸性水と融雪材のアルカリ水により、コンクリート表面も老化する可能性があるため、したたる水が無いように、別途、橋下外に逃す必要がある。しかし、既存の止水パッキン(伸縮装置)の付け替えは、交通規制をかけ道路を閉鎖して、伸縮装置を幅員方向に撤去し新たに設置を行う施工を短時間に実施しなければならず、きちんとした施工が行い難い虞があり、また、コストも非常に嵩んだ。
これに対し、橋下の伸縮装置下に、硬質プラスティック製の樋を設置することも可能であるが、素材が硬く、橋下の狭い空間にて設置することは困難であった。橋梁に当初付設される止水パッキンは、車の振動や日々のコンクリートの温度収縮により伸縮するが、取付が悪かったり、設計以上に伸縮が大きいことにより、破損や脱落が起こり、パッキンとしての役割をしなくなることが多い。加硫ゴムシートなどを用いて、Ω型の後付け止水樋を築造し、スタッドアンカーを付け穴を開けたΩ型の後付け止水樋を取り付ける方法もあるが、目地幅が均一でないことが多々あるため、穴位置がズレたり、狭い場所であるためにアンカーを打ちづらいなど設置が難しい問題があった。さらに、後付けで止水樋を設置したとしても、コンクリート、橋梁鋼製部材の表面を伝って垂れてくる水は、確実に導水し難く、漏らすことが多かった。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、漏水が、止水樋より下方へ流れ、橋体、橋脚のコンクリートや、橋体の鋼製部材表面にしたたり付くことがなく、コンクリート部材の劣化、鋼製部材のサビが防止される橋梁用導水構造及びその施工方法を提供し、もって、橋梁における構造的欠陥発生の阻止を図ることを目的とする。また、その第2の目的は、狭い橋下の間隙においても簡単且つ確実に取り付けできる橋梁用導水構造及びその施工方法を提供し、もって、交通規制をかけずに、橋下工事のみで後付け止水樋を安価に設置可能とすることを目的とする。
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載の橋梁用導水構造は、橋梁ジョイント部Jの間隙30で橋梁幅員方向に渡って張架され前記間隙30の方向に離間した一対の平行なワイヤ37と、
帯状弾性シート材41の長手方向を前記間隙30に挿通するとともに該帯状弾性シート材41の長手直交方向の断面形状がU字状となるように曲げ且つ上部両端を前記一対のワイヤ37にて釣支した止水樋33と、
該止水樋33の上部両側面を、前記間隙30を挟む対向面31a,31bのそれぞれに密着固定する接着手段39と、
を具備したことを特徴とする。
この橋梁用導水構造では、止水樋33の上部両側面が接着手段39によって対向面31a,31bに密着され、対向面31a,31bを伝って垂れてくる漏水が止水樋33に受けられる。これにより、この漏水が、止水樋33より下方へ流れ、橋体、橋脚のコンクリートや、橋体の鋼製部材表面にしたたり付かなくなり、コンクリート部材におけるコンクリート劣化、鋼製部材におけるサビが発生しなくなる。
請求項2記載の橋梁用導水構造は、前記止水樋33が、長手方向の一端より他端が低い片流れ勾配に釣支されたことを特徴とする。
この橋梁用導水構造では、間隙30の幅員方向両側の外部のみで、ワイヤ37両端の固定位置が調整可能となり、所望の流れ方向が任意の勾配で設定可能となる。
請求項3記載の橋梁用導水構造は、前記止水樋33が、長手方向の略中央部より両端が低い両流れ勾配に釣支されたことを特徴とする。
この橋梁用導水構造では、間隙30内でのワイヤ固定が可能な場合、止水樋33の略中央部が両端より高く固定されることで、止水樋33の全長を二分割した短い流路が形成可能となる。
請求項4記載の橋梁用導水構造は、前記止水樋33の流れ勾配下流側端に、前記橋梁ジョイント部Jの前記対向面31a,31bを伝って前記止水樋33に流入した水を該止水樋33から外部へ排水する導水管47が配設されたことを特徴とする。
この橋梁用導水構造では、止水樋33に流入し、流れ勾配に沿って流下した水が、下流側端に設置された導水管47へ導かれ、所望の排水路へ適切に導かれる。
請求項5記載の橋梁用導水構造は、前記帯状弾性シート材41の内壁対向面同士を接着することで前記止水樋33の長手方向端部が閉塞されたことを特徴とする。
この橋梁用導水構造では、帯状弾性シート材41の内壁対向面同士が接着されることで、U字型に曲げられた止水樋33の長手方向端部での開口が閉塞され、止水樋33の見栄えが良好となる。また、止水樋33の長手方向端部での強度も高まる。
請求項6記載の橋梁用導水構造の施工方法は、橋梁ジョイント部Jの幅員方向の一端に、一対のワイヤ37の一端を固定し、
長手直交方向の断面形状がU字状となるように曲げた帯状弾性シート材41からなる止水樋33の上部両端に前記一対のワイヤ37を通し、
該一対のワイヤ37の他端を橋梁ジョイント部Jの間隙30に橋梁幅員方向に挿通しながら前記止水樋33を前記間隙30に挿通し、
挿通した該一対のワイヤ37の他端を固定することで前記止水樋33を橋梁ジョイント部Jの間隙30で釣支し、
前記止水樋33の上部両側面に設けた接着手段39の剥離シートを除去して前記間隙30の対向面31a,31bに前記上部両側面を密着固定することを特徴とする。
この橋梁用導水構造の施工方法では、狭い橋下の間隙30においてもワイヤ37を手送りで間隙30に挿通して行くことが可能となり、交通規制をかけずに、橋下の工事のみで後付け止水樋33が設置可能となる。
請求項7記載の橋梁用導水構造の施工方法は、前記止水樋33のU字状となった内側空間に径方向に伸縮自在な弾性チューブ51を前記幅員に渡って挿通し、
該弾性チューブ51の一端を閉塞又は縮径するとともに、他端より圧縮空気を送気して拡径させた前記弾性チューブ51にて前記止水樋33の上部両側面に設けた前記接着手段39を内側空間側から前記対向面31a,31bに押圧することを特徴とする。
この橋梁用導水構造の施工方法では、剥離シートを除去した後の接着手段39が、拡径された弾性チューブ51にて対向面31a,31bに押圧され、対向面31a,31bへの確実な接着固定が可能となる。
本発明に係る請求項1記載の橋梁用導水構造によれば、橋梁ジョイント部の橋梁幅員方向に渡って一対の平行なワイヤを張架し、このワイヤに、帯状弾性シート材をU字状となるように曲げた止水樋の上部両端を釣支し、この止水樋の上部両側面を、間隙を挟む対向面のそれぞれに接着手段にて密着固定したので、止水樋の上部両側面が接着手段によって対向面に密着され、対向面を伝って垂れてくる漏水が止水樋に受けられる。したがって、この漏水が、止水樋より下方へ流れ、橋体、橋脚のコンクリートや、橋体の鋼製部材表面にしたたり付かなくなり、コンクリート部材におけるコンクリート劣化、鋼製部材におけるサビが防止される。この結果、構造的欠陥の発生を阻止することができる。また、止水樋に帯状弾性シート材が用いられることで、フレキシブル性に優れ、その上部両端にワイヤを通す穴加工等を施しておくことで、狭い橋下の間隙においても、止水樋をU字型に曲げて簡単且つ確実に取り付けできる。
請求項2記載の橋梁用導水構造によれば、止水樋を、長手方向の一端より他端が低い片流れ勾配に釣支したので、間隙内でワイヤを固定することなく、間隙の幅員方向両側の外部のみで、ワイヤ両端の固定位置を調整して、所望の流れ方向を任意の勾配で設定できる。
請求項3記載の橋梁用導水構造によれば、止水樋を、長手方向の略中央部より両端が低い両流れ勾配に釣支したので、間隙内でのワイヤ固定が可能な場合、止水樋の略中央部を高くして、止水樋の全長を分割した短い流路を形成することができる。これにより、直線状の流れ勾配が確実に形成でき、溜まり水を発生し難くできる。
請求項4記載の橋梁用導水構造によれば、止水樋の流れ勾配下流側端に、橋梁ジョイント部の対向面を伝って止水樋に流入した水を止水樋から外部へ排水する導水管を配設したので、止水樋に流入した水を、所望の排水路へ適切に導くことができる。これにより、排水による周囲の汚損等を防止できる。
請求項5記載の橋梁用導水構造によれば、帯状弾性シート材の内壁対向面同士を接着することで止水樋の長手方向端部を閉塞したので、止水樋の見栄えを良くすることができる。また、止水樋のU字形状を変形し難くできる。
請求項6記載の橋梁用導水構造の施工方法によれば、橋梁ジョイント部の幅員方向の一端に、一対のワイヤの一端を固定し、断面形状がU字状となるように曲げた帯状弾性シート材からなる止水樋の上部両端にこのワイヤを通し、ワイヤの他端を間隙の橋梁幅員方向に挿通しながら止水樋を挿通し、挿通した一対のワイヤの他端を固定することで止水樋を間隙で釣支し、剥離シートを除去して間隙の対向面に止水樋の上部両側面を密着固定したので、狭い橋下の間隙においてもワイヤを手送りで間隙に挿通して行くことで、止水樋をU字型に曲げて簡単且つ確実に取り付けできる。この結果、橋上での作業が発生せず、交通規制をかけずに、橋下の工事のみで後付け止水樋を設置することができる。また、時間と手間がかからないので、取付が容易で、短時間に施工を完了でき、施工コストを安価にできる。
請求項7記載の橋梁用導水構造の施工方法によれば、止水樋のU字状となった内側空間に径方向に伸縮自在な弾性チューブを挿通し、この弾性チューブの一端を閉塞又は縮径するとともに、他端より圧縮空気を送気して拡径させた弾性チューブにて止水樋の上部両側面に設けた接着手段を対向面に押圧するので、剥離シートを除去した後の接着手段を確実に対向面に接着固定することができ、高い漏水防止構造を得ることができる。
以下、本発明に係る橋梁用導水構造及びその施工方法の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る橋梁用導水構造の縦断面図、図2は図1に示した橋梁用導水構造の設けられる橋梁の要部縦断面図、図3は図1に示した橋梁用導水構造を幅員方向と直交する方向から視た側面図、図4は流れ勾配を両流れとした変形例の側面図である。
橋梁17は、上部構造である主桁19、床版21、床組23等(これらを「橋体」と称す。)が、下部構造である橋台11、橋脚(図示せず)、基礎(図示せず)によって支えられる。本発明に係る橋梁用導水構造は、橋体同士間のジョイント部や、橋体と橋台パラペット(胸壁)とのジョイント部に設けられる。本実施の形態では、橋梁用導水構造が、橋体と、橋台パラペット(胸壁)とのジョイント部における特に図2のA部に設けた場合を例に説明する。
図2に示すように、橋台11の上部には段部13が形成され、段部13は支承部材15を介して橋体の主桁19を載置している。主桁19に支えられる床組23と、橋台11とのジョイント部には伸縮装置25が設けられ、伸縮装置25はジョイント部の上面開口を、交互に噛合させた櫛歯状のプレート板25a,25bによって覆っている。プレート板25a,25bによって覆われた隙間29の下部には既設の止水樋27が設けられる。すなわち、本実施の形態による橋梁用導水構造は、既設の止水樋27からの漏水及びこの既設の止水樋27が脱落してしまった場合の漏水を受け止める作用を有する。
図1に示すように、橋梁ジョイント部Jの間隙30には一対の平行なワイヤ37,37が挿通され、ワイヤ37,37は両端に、後述のターンバックルに接続される図3に示す接続用環部37a,37aを有する。ワイヤ37,37は、橋梁幅員方向に渡って張架され、間隙30の方向(図1の左右方向)に離間される。
この間隙30には帯状弾性シート材41の長手方向が挿通される。帯状弾性シート材41は、長手直交方向の断面形状がU字状となるように曲げられ、且つ上部両端が一対のワイヤ37,37にて釣支されている。すなわち、帯状弾性シート材41は、内方がU字状の流路となった止水樋33を形成している。止水樋33の上部両端のそれぞれには長手方向の所定間隔で複数のワイヤ挿通部35が付設され、ワイヤ挿通部35は止水樋33の内面側に固定されている。止水樋33は、ワイヤ挿通部35が内側に配設されることで、後述する対向面へ接着される面の平坦性を確保している。
上記した帯状弾性シート材41としては、従来のゴム材に比べ、止水性、耐油性、施工性、メンテナンス性において優れたメタロセン触媒ポリエチレンシート(例えばシーアイ化成株式会社製「メタロバリアー(商品名)」)を好適に用いることができる。
止水樋33は、上部両側面が間隙30の対向面31a,31bに接着される。すなわち、止水樋33の上部両側面には接着手段39が設けられ、接着手段39は間隙30を挟む対向面31a,31bのそれぞれに止水樋33の上部両側面を密着固定する。この接着手段39としては、粘着ブチルテープを好適に用いることができる。粘着ブチルテープは、止水樋33の上部両側面で長手方向に連続して貼着され、例えば表面には剥離シートが貼られる。この剥離シートは、止水樋33が所定位置に釣支された後剥離される。
止水樋33は、例えば図3に示すように、長手方向の一端(図中右端)より他端(図中左端)が低い片流れ勾配に釣支される。この構成によれば、間隙30内でワイヤ37,37を固定する必要がなく、間隙30の幅員方向両側の外部のみで、ワイヤ両端の環部37a,37aの固定位置(上下の高さ位置)が調整可能となり、所望の流れ方向が任意の勾配で設定可能となる。
また、止水樋33は、図4に示すように、長手方向の略中央部より両端(左右端)が低い両流れ勾配に釣支されてもよい。この構成によれば、間隙30内でのワイヤ固定が可能な場合、止水樋33の略中央部が両端より高く固定されることで、止水樋33の全長を二分割した短い流路が形成可能となる。これにより、直線状の流れ勾配が確実に形成でき、溜まり水を発生し難くできる。
図5は導水管が配設された止水樋端部の拡大斜視図、図6は図5の平面図である。
止水樋33の流れ勾配下流側端には導水管47が配設され、導水管47はジョイント部Jにおいて、対向面31a,31bを伝って止水樋33に流入した水を、この止水樋33から外部へ排水する。図例では、止水樋33の下流端を非閉塞状態に開口させ、この開口の直下に上部を開口させた導水管47を配置したが、導水管47の接続構造はこれに限定されるものではない。この構成によれば、止水樋33に流入し、流れ勾配に沿って流下した水が、下流側端に設置された導水管47へ導かれ、所望の排水路へ適切に導かれる。これにより、排水による周囲の汚損等を防止できる。なお、図中、43はワイヤ37,37の環部37a,37aに接続されるターンバックル、45はターンバックル43を支持するアンカーを示す。
図7は端部が閉塞された止水樋の拡大斜視図、図8は図7の平面図である。
また、止水樋33は、帯状弾性シート材41の内壁対向面同士を接着することで長手方向端部を閉塞部41aとしてもよい。この場合、導水管49は、閉塞部41aの近傍底部に接続される。この構成によれば、帯状弾性シート材41の内壁対向面同士が接着されることで、U字型に曲げられた止水樋33の長手方向端部での開口が閉塞され、止水樋33の見栄えが良好となる。また、止水樋33の長手方向端部での強度も高まり、止水樋33のU字形状を変形し難くできる。
上記の橋梁用導水構造では、止水樋33の上部両側面が接着手段39によって対向面31a,31bに密着され、対向面31a,31bを伝って垂れてくる漏水が止水樋33に受けられる。これにより、この漏水が、止水樋33より下方へ流れ、橋体、橋台11、橋脚のコンクリートや、橋体の鋼製部材(主桁19)表面にしたたり付かなくなり、コンクリート部材におけるコンクリート劣化、鋼製部材におけるサビが発生しなくなる。
次に、上記した橋梁用導水構造の施工方法について説明する。
図9は弾性チューブにて接着手段を押圧状態の縦断面図である。
橋梁用導水構造は、例えば既設の止水樋27が設けられた橋梁ジョイント部Jに後施工によって構築される。まず、橋梁ジョイント部Jの幅員方向の一端に、一対のワイヤ37,37の一端をターンバックル43を介してアンカー45に固定する。次いで、長手直交方向の断面形状がU字状となるように曲げた帯状弾性シート材41からなる止水樋33の上部両端(ワイヤ挿通部35)に一対のワイヤ37,37を通す。
次いで、一対のワイヤ37,37の他端を橋梁ジョイント部Jの間隙30に橋梁幅員方向に挿通しながら、止水樋33を間隙30に挿通する。挿通した一対のワイヤ37,37の他端をターンバックル43を介してアンカー45にて固定する。これにより、止水樋33が橋梁ジョイント部Jの間隙30で釣支される。最後に、止水樋33の上部両側面に設けた接着手段39の図示しない剥離シートを除去して、間隙30の対向面31a,31bに上部両側面を密着固定する。このように、狭い橋下の間隙においてもワイヤ37,37を手送りで間隙30に挿通して行くことが可能となり、橋上での交通規制等を行うことなく、橋下の工事のみで後付け止水樋33が設置可能となる。
また、止水樋33のU字状となった内側空間に径方向に伸縮自在な弾性チューブ51を幅員に渡って挿通し、弾性チューブ51の一端を閉塞又は縮径するとともに、他端より圧縮空気を送気して拡径させた弾性チューブ51にて止水樋33の上部両側面に設けた接着手段39を内側空間側から対向面31a,31bに押圧してもよい。このような接着手段39の押圧工程を追加することで、剥離シートを除去した後の接着手段39が、拡径された弾性チューブ51にて対向面31a,31bに押圧され、対向面31a,31bへの確実な接着固定が可能となる。これにより、一層高い漏水防止構造を得ることができる。
上記の橋梁用導水構造によれば、橋梁ジョイント部Jの橋梁幅員方向に渡って一対の平行なワイヤ37,37を張架し、このワイヤ37,37に、帯状弾性シート材41をU字状となるように曲げた止水樋33の上部両端を釣支し、この止水樋33の上部両側面を、間隙30を挟む対向面31a,31bのそれぞれに接着手段39にて密着固定したので、止水樋33の上部両側面が接着手段39によって対向面31a,31bに密着され、対向面31a,31bを伝って垂れてくる漏水が止水樋33に受けられる。
したがって、この漏水が、止水樋33より下方へ流れ、橋体、橋脚のコンクリートや、橋体の鋼製部材表面にしたたり付かなくなり、コンクリート部材におけるコンクリート劣化、鋼製部材におけるサビが防止される。この結果、構造的欠陥の発生を阻止することができる。また、止水樋33に帯状弾性シート材41が用いられることで、フレキシブル性に優れ、その上部両端にワイヤ37,37を通す穴加工等を施しておく(環部37a,37aを付設しておく)ことで、狭い橋下の間隙においても、止水樋33をU字型に曲げて簡単且つ確実に取り付けできる。
これに加え、後付けの止水樋33は、軟質で耐薬品性に優れるポリエチレン製なので、耐久性に優れる。特に、融雪材等から生じる強アルカリ水に対応する材料であるから、降雪地の橋梁に採用した場合であっても劣化し難く、耐久性を高めることができる。また、ワイヤ37,37を、ターンバックル43を介してアンカー45にて固定するので、何か不具合のあった際に、ワイヤ37,37の張りを緩めて、止水樋33の現状確認が簡単にでき、付け替えも容易にすることができる。
また、橋梁用導水構造の施工方法によれば、橋梁ジョイント部Jの幅員方向の一端に、一対のワイヤ37,37の一端を固定し、断面形状がU字状となるように曲げた止水樋33にこのワイヤ37,37を通し、その他端を間隙30に挿通しながら止水樋33を挿通し、他方の間隙30から引き出したワイヤ37,37を固定することで、止水樋33を間隙30で釣支できる。そして、剥離シートを除去して間隙30の対向面31a,31bに止水樋33の上部両側面を密着固定しするので、狭い橋下の間隙においてもワイヤ37,37を手送りで間隙30に挿通して、止水樋33を簡単且つ確実に取り付けできる。
この結果、交通規制をかけずに、橋下の工事のみで後付け止水樋33を設置することができる。また、時間と手間がかからないので、取付が容易で、短時間に施工を完了でき、施工コストを安価にできる。なお、剥離シートは、予め幅員方向一端に締結しておいた紐を幅員方向他端から引っ張ることで、止水樋33を所定位置に釣支した後に剥離することが可能となる。
本発明に係る橋梁用導水構造の縦断面図である。 図1に示した橋梁用導水構造の設けられる橋梁の要部縦断面図である。 図1に示した橋梁用導水構造を幅員方向と直交する方向から視た側面図である。 流れ勾配を両流れとした変形例の側面図である。 導水管が配設された止水樋端部の拡大斜視図である。 図5の平面図である。 端部が閉塞された止水樋の拡大斜視図である。 図7の平面図である。 弾性チューブにて接着手段を押圧状態の縦断面図である。
符号の説明
17…橋梁
30…間隙
31a,31b…対向面
33…止水樋
37…ワイヤ
39…接着手段
41…帯状弾性シート材
47…導水管
51…弾性チューブ
J…ジョイント部

Claims (7)

  1. 橋梁ジョイント部の間隙で橋梁幅員方向に渡って張架され前記間隙の方向に離間した一対の平行なワイヤと、
    帯状弾性シート材の長手方向を前記間隙に挿通するとともに該帯状弾性シート材の長手直交方向の断面形状がU字状となるように曲げ且つ上部両端を前記一対のワイヤにて釣支した止水樋と、
    該止水樋の上部両側面を、前記間隙を挟む対向面のそれぞれに密着固定する接着手段と、
    を具備したことを特徴とする橋梁用導水構造。
  2. 前記止水樋が、長手方向の一端より他端が低い片流れ勾配に釣支されたことを特徴とする請求項1記載の橋梁用導水構造。
  3. 前記止水樋が、長手方向の略中央部より両端が低い両流れ勾配に釣支されたことを特徴とする請求項1記載の橋梁用導水構造。
  4. 前記止水樋の流れ勾配下流側端に、前記橋梁ジョイント部の前記対向面を伝って前記止水樋に流入した水を該止水樋から外部へ排水する導水管が配設されたことを特徴とする請求項2又は3記載の橋梁用導水構造。
  5. 前記帯状弾性シート材の内壁対向面同士を接着することで前記止水樋の長手方向端部が閉塞されたことを特徴とする請求項4記載の橋梁用導水構造。
  6. 橋梁ジョイント部の幅員方向の一端に、一対のワイヤの一端を固定し、
    長手直交方向の断面形状がU字状となるように曲げた帯状弾性シート材からなる止水樋の上部両端に前記一対のワイヤを通し、
    該一対のワイヤの他端を橋梁ジョイント部の間隙に橋梁幅員方向に挿通しながら前記止水樋を前記間隙に挿通し、
    挿通した該一対のワイヤの他端を固定することで前記止水樋を橋梁ジョイント部の間隙で釣支し、
    前記止水樋の上部両側面に設けた接着手段の剥離シートを除去して前記間隙の対向面に前記上部両側面を密着固定することを特徴とする橋梁用導水構造の施工方法。
  7. 前記止水樋のU字状となった内側空間に径方向に伸縮自在な弾性チューブを前記幅員に渡って挿通し、
    該弾性チューブの一端を閉塞又は縮径するとともに、他端より圧縮空気を送気して拡径させた前記弾性チューブにて前記止水樋の上部両側面に設けた前記接着手段を内側空間側から前記対向面に押圧することを特徴とする請求項6記載の橋梁用導水構造の施工方法。
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