JP7103647B2 - 伸縮装置を備えた道路の補修構造、及び補修方法 - Google Patents
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Description
近年、橋梁の長寿命化を図るため、伸縮装置の非排水化が進められている。非排水化とは、道路上の空間と橋桁間に形成される遊間部とを非連通状態(水密状態)に維持する止水手段を設置することである。伸縮装置を非排水化することにより、伸縮装置の隙間から土砂や雨水等が浸入することを防止でき、土砂や雨水等に起因する支承、橋台、及び橋脚の腐食或いは劣化を防止可能となる。
特許文献2には、横断面視概略U字形状のステンレス製の排水用樋の表面に伸縮性と止水性を有する合成樹脂層を形成して、排水用樋の亀裂部や破損部からの雨水の漏出を防止することが記載されている。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、施工性の向上、作業手順の簡素化、及びコスト低減を図りつつ、橋梁の長寿命化を図ることが可能な補修構造及び補修方法を提供することを目的とする。
図1は、道路の継ぎ目部分の基本的な構造を示した一部断面斜視図である。
図示する道路10(道路橋)は、車両の通行方向(橋軸方向)に所定の間隔Tの遊間11を設けて対向配置される道路本体13、13と、道路本体13、13上に所定厚さにて施工された舗装17、17と、道路本体13、13の間に配置される伸縮装置100を備える。なお、ここでいう道路本体13、13には、車両の通行方向に沿って伸びる主桁によって支持された床版等の床構造体と、上部に設置した支承により主桁の通行方向両端部を支持する橋台とを含む。
遊間11は、道路本体13、13の温度変化に伴う伸縮や、道路本体13、13の通行方向側端部の上下動等、道路本体13、13の変形を許容するために設けられた隙間であり、道路10の横断方向に伸びる。
図示する各道路本体13、13の橋軸方向の遊間11側端部には、道路本体13、13の他の部位よりも低く形成された段差部15、15を備える。
以下、伸縮装置100が橋軸方向と直交する橋軸直角方向に伸びるように設置されているものとして説明する。
伸縮装置100は、道路10の継ぎ目部分に設置され、道路本体13、13等の変形を吸収する装置である。
伸縮装置100は、車両の通行方向に所定の間隔を設けて対向配置される一対の継手部材110、110と、継手部材110、110間に形成される継手遊間101内に充填(嵌合、或いは埋設)されて、道路本体13の下方に位置する主桁や支承等への漏水を阻止する一次止水手段120と、継手部材110、110の下部又は下方に配置されて道路の横断方向(橋軸直角方向)に沿って伸びる樋状のゴムシートからなる二次止水手段130と、継手部材110、110を道路本体13、13に固定する後打ちコンクリート140、140等を備える。後打ちコンクリート140、140は、その上面が舗装17の上面と同等の高さ位置となるように道路本体13、13に形成された段差部15、15に施工される。
なお、道路本体13、13の段差部15、15には、一部が道路本体13、13に埋設・固定されたアンカーが配置されており、各継手部材110、110はアンカーに対して溶接された後、後打ちコンクリート140、140が施工されることにより、道路本体13、13に固定、一体化される。
一次止水手段120には、継手部材110、110の接近又は離間移動に追従する弾性を有した材料が使用される。例えば、一次シール材121には、ゴムやウレタン等が使用され、一次バックアップ材123には発泡ポリエチレンやウレタン等が使用される。
本例に示す二次止水手段130は、長手方向の両端部が閉塞されたゴム性の樋により構成されており、樋の適所に接続されたドレンパイプから漏水を排水して、橋梁の各構造体の漏水による劣化を防止する。なお、二次止水手段130は任意で設置される。
図2は、本発明の一実施形態に係る伸縮装置の補修構造を示した横断面図である。図3(a)、(b)は、伸縮装置の補修構造の排水路部分を拡大して示した横断面図である。
補修構造200は、継手部材110、110間に設けられた継手遊間101内、特に本例ではフェースプレート111、111間に形成された隙間115内に埋設されるバックアップ材210と、両継手部材110、110間に跨がって伸縮装置100の上面に塗布されるポリウレア樹脂により形成される塗膜防水層220と、を備える。塗膜防水層220は、バックアップ材210の表面形状に応じて、継手部材110、110間に継手部材110、110同士の間隔変動に追従する伸縮性と止水性を有する排水路230を形成する。
バックアップ材210は、その上面210aが、継手部材110、110のフェースプレート111、111の上面111c、111cよりも低い位置又は水平位置(同等の高さ位置)となるように隙間115内に埋設される。
ここで、上面210aが上面111c、111cよりも低い位置とは、上面210aの一部(最下部)が上面111c、111cに対して低い位置にある場合と、上面210aの全体が上面111c、111cに対して低い位置にある場合の双方を含む。なお、上面210aの一部(最下部)が上面111c、111cに対して低い位置にある場合には、上面210aを下方に凹陥した湾曲面とすることにより、上面111c、111cに対して階段状の段差を形成しない場合を含む。
上面210aが上面111c、111cと同等の高さ位置にある場合、上面210aは上面111c、111cと共に概ね平坦面を形成する。
或いは、排水路230は、図3(b)に示すように、バックアップ材210の上面210aとフェースプレート111、111の対向面111d、111dとによって形成される溝部内に形成されてもよい。この場合においても、図3(a)と同様にバックアップ材210の上面210aを下方に凹陥した湾曲面としてもよい。バックアップ材210の上面210aを下方に凹陥した湾曲面とすれば、隙間115の拡縮に伴って発生する、上面210aと対向面111d、111dとの切り替わり部分における塗膜防水層220への機械的負荷を軽減することができる。また、塗膜防水層220が収縮時に上方(路面よりも上方)へ飛び出すことを防止できる。
バックアップ材210は、固体バックアップ材211と固体バックアップ材211上に充填されるコーキング材213とにより構成される。
固体バックアップ材211には、所定の横断面形状、例えば矩形状の横断面形状を有した固体のシリコン系材料、発泡ポリエチレン材、又はウレタン材等が使用される。固体バックアップ材211は、弾性変形前において隙間115の間隔よりも幅広であり、幅方向(通行方向)に圧縮された状態にて隙間115に挿入される。
コーキング材213は、初期状態においては隙間115内に充填可能な一定の流動性を有し、時間の経過と共に固体状に変化し、変化後においても弾性変形が可能である。コーキング材213は、隙間115内に充填された後にヘラ等を用いて所定形状の上面210aに整形される。排水路230を形成する場合、コーキング材213の表面は円錐形のコテ等を用いて、例えば下方に凹陥した湾曲形状の上面210aに整形される。排水路230を形成しない場合、コーキング材213の表面はヘラ等で均されて、フェースプレート111、111の上面111c、111cと共に平坦面を形成する上面210aに整形される。
図4は、伸縮装置の補修構造の排水路部分を拡大して示した横断面図である。
バックアップ材210の上面210aを、フェースプレート111、111の上面111c、111cと同等の高さ位置となるように設置する場合は、必要に応じて上面210a及び上面111c、111cと、塗膜防水層220との間に縁切り材215を設置する。縁切り材215は、塗膜防水層220が上面210a及び上面111c、111cに対して接着することを防止して、伸縮装置100の伸縮量に応じた塗膜防水層220の伸び代を確保する。
W2=W0のとき、縁切り材215の幅W=0とする。即ち、縁切り材215を設置しない。
W2>W1のとき、縁切り材215の幅W=W2とする。
W2<W1のとき、縁切り材215の幅W=W1とする。
縁切り材215は、バックアップ材210上において、継手部材110の長手方向に沿って直線的に設置される。縁切り材215をフェースプレート111、111間に跨がらせる場合は、縁切り材215が両上面111c、111cに対して均等幅で重なるように、縁切り材215を継手部材110、110の短手方向の中央部に配置する。なお、縁切り材215を隙間115の蛇行に沿って設置してもよい。
即ち、気温に応じた道路本体13の伸縮に伴って、隙間115の間隔は夏季において最小となり、冬季において最大となる。施工時における隙間115の伸縮量W1及び間隔W2に基づいて縁切り材215の幅Wを決定し、上面210a及び上面111c、111cに対する塗膜防水層220の非接着部位を設けることによって、施工時季に応じて適切な量の塗膜防水層220の伸び代を確保できる。従って、伸縮に伴う塗膜防水層220への機械的負荷を軽減すると共に、ポリウレア樹脂の性能を最大限に発揮できる。
また、フェースプレート111には、その短手方向に対して傾斜した端縁を有する凹部111aと凸部111bとが順次形成されている。そのため、継手部材110上に直接に塗膜防水層220を形成した場合、塗膜防水層220にはフェースプレート111の凹凸形状に応じた斜め方向の応力(短手方向に対して傾斜した応力)が作用する。このように、フェースプレート111に付着した塗膜防水層220に対しては継手部材110の短手方向に沿った単純な伸縮力が働くわけではない。
一方、本実施形態のように、ポリウレア樹脂の付着面の一部に縁切り材215を挿入することにより、縁切り材215の挿入部位については他の部材の影響を受けずにポリウレア樹脂単独で自由に伸縮することができる。従って、伸縮に伴う塗膜防水層220への機械的負荷を軽減すると共に、ポリウレア樹脂の性能を最大限に発揮できる。
塗膜防水層220は、両継手部材110、110のフェースプレート111、111間に跨がって形成される。本例では、塗膜防水層220は、後打ちコンクリート140、140間に跨がって形成される。ポリウレア樹脂は、継手部材110、110の接近又は離間移動に追従して弾性変形する。
以下、塗膜防水層220を形成するポリウレア樹脂について説明する。
図5は、ポリウレア樹脂を対象物に吹き付ける吹付装置の一例を示す模式図である。
ポリウレア樹脂は、ポリイソシアネート化合物(主剤)と活性水素を持つアミン化合物(硬化剤)とをスプレーガンで衝突混合させて化学反応させることにより生成される。吹付装置20は、ポリイソシアネート化合物とアミン化合物を衝突混合させてミスト状にして対象物に吹き付ける装置である。
第一タンク21aと第二タンク21bに収容されたポリイソシアネート化合物とアミン化合物は、それぞれ第一及び第二ポンプ22a、22bにより送液され、高圧定量ポンプ23により所定の圧力に加圧されて所定量が送り出される。両化合物は、ヒータ24により所定の温度に加熱されヒータ付ホース25により所定の温度に保持されたままスプレーガン26に送られる。スプレーガン26は、両化合物を衝突混合させると共に、ミスト状にして射出する。両化合物は化学反応によりポリウレア樹脂を生成し、吹付対象物の表面において固化し、塗膜を形成する。
図2に示すように、本例においては、後打ちコンクリート140、140間に跨がって塗膜防水層220を形成する。特に本例においては、後打ちコンクリート140の通行方向の全体に塗膜防水層220を形成する。そのため、塗膜防水層220の通行方向両端部には、舗装17の上面17aとの間における段差の発生を極力防止するため、通行方向の端部から中央部に向かって膜厚が漸増する傾斜面221を形成する。なお、傾斜面221は、平坦面でも湾曲面でもこれらを組み合わせて形成される面でもよい。傾斜面221は、ポリウレア樹脂を吹き重ねる回数(又は吹付時間)を適宜調整することにより形成できる。傾斜面221を設けることにより、車両の通行による塗膜防水層220の剥離を防止でき、長期に渡って性能を維持することができる。また、後打ちコンクリート140と舗装17との間に階段状の段差が形成されないため、車両の走行時における振動を抑制できる。
塗膜防水層220の通行方向における長さは、ポリウレア樹脂が伸縮装置100に対して十分な接着性を発揮できる長さに設定される。従って、塗膜防水層220は継手部材110の上面のみに施工されてもよいし、後打ちコンクリート140の上面を含んで施工されてもよい。また、塗膜防水層220は、継手部材110の上面の全体に施工されてもよいし、上面のうち継手部材110同士が互いに対向する側の端部にのみ施工されてもよい。同様に、塗膜防水層220は、後打ちコンクリート140の上面の全体に施工されてもよいし、上面のうち継手部材110側の端部にのみ施工されてもよい。
図6は、本発明の一実施形態に係る補修手順を示したフローチャートである。
なお、伸縮装置100の補修に当たっては、事前に施工箇所を確認し、伸縮装置100、継手遊間101、及び、後打ちコンクリート140の状態、並びに伸縮装置の伸縮量(2W1)を確認し、必要に応じて断面修復等を実施しておく。また、施工空間の確保、素地調整時における粉塵の飛散、及びポリウレア樹脂の吹き付け時における飛散を防止するため、飛散防止ネットを設置しておく。
ステップS2においては、ポリウレア樹脂の吹き付け対象となる部位の表面状態を調整する。具体的には、ディスクサンダー等を用いて、フェースプレート111の上面111cに発生した錆を除去し、後打ちコンクリート140、140表面に付着した付着物や劣化部分を除去する。
ステップS3においては、塗膜防水層220の形成部と非形成部との仕切り線を明確化するため、マスキングテープ、養生テープ、及びビニールシート等を用いてポリウレア樹脂の吹き付け対象範囲外をマスキングする。
ステップS4においては、隙間115上に形成する塗膜防水層220の形状に応じて、バックアップ材210の設置位置及び形状を決定する。バックアップ材210の上面をフェースプレート111、111の上面111c、111cよりも低い位置とする場合(ステップS4にて凹形状)はステップS5以下の工程が実施される。バックアップ材210の上面をフェースプレート111、111の上面111c、111cに対して水平位置とする場合(ステップS4にて平面形状)はステップS6以下の工程が実施される。
ステップS8においては、マスキングテープ、養生テープ、及びビニールシート等を用いた縁切り材215を設置する。なお、ステップS6において縁切り材215の幅「W=0」となった場合、本工程は省略される。
ステップS10においては、吹付装置20(図5参照)を用いて、ポリウレア樹脂をムラが出ないように所定の厚みになるまで吹付面に均一に塗布し、塗膜防水層220を形成する。本工程により、継手部材110、110間に伸縮性と止水性を有する排水路230が形成される。
ステップS11においては、ステップS3にて設置したマスキング材を撤去し、所定の時間以上(例えば1時間以上)養生する。
ステップS8においては、目視、指触などにより、塗膜防水層220の硬化状態やピンホールの有無等を確認する。また、膜厚計を用いて塗膜防水層220が所定の膜厚を有しているかを確認する。
図7は、道路を横断方向に沿って切断した状態を示す断面図である。
図示する道路10は、例えば紙面の奥側から手前側に向かって車両が走行する二車線道路であり、道路10の横断方向両端部には防護柵18(高欄)が設置されている。道路10には、横断方向の一端部から他端部に向かって下り勾配が付されており、道路10上に降下した雨水等は横断方向の他端部に向かって流れる。
本発明の実施形態に係る伸縮装置100の補修方法は、図2に示すように車両の通行方向に離間して配置された一対の継手部材110、110間に、所定厚さのポリウレア樹脂による止水性が付与された排水路230を形成する。道路10の横断方向に沿って伸びる排水路230は、雨水等を道路勾配に従って横断方向の他端部に向かって排水する。雨水等は、最終的に図7に示される路肩部19の走行方向の適所に設置された集水枡から道路10外へと排水される。
このように、本実施形態においては、補修により伸縮装置100の止水性能を復活させるだけではなく、伸縮装置100の表面にポリウレア樹脂層を連続的・一体的に形成して防水・止水することによって、伸縮装置100上に排水路を形成することができる。従って、伸縮装置100上に降下した雨水を効果的に排水することができる。
また、伸縮装置100の表面だけではなく、防護柵18、18の上面、道路10に面した防護柵18、18の表面、及び伸縮装置100に跨がって一体的な継ぎ目のない塗膜防水層220を形成することにより、主桁や支承等への漏水を効果的に阻止し、主桁や支承の腐食を防止して、道路の長寿命化を実現できる。
<基本特性>
塗膜防水層220を形成するポリウレア樹脂には、ライノ・ライニングス社のポリウレア樹脂「ライノ・エクストリーム」を使用することができる。ライノ・エクストリームの特性は、以下の通りである。
ライノ・エクストリームについて、平成30年2月13日、東京都立産業技術研究センターにて耐候性試験を実施した。試験結果は以下の通りである。
ライノ・エクストリームについて、平成30年2月19日、東京都立産業技術研究センターにて、耐候性試験後の引張試験、及びせん断試験を実施した。試験には株式会社島津製作所製の「オートグラフAG-100KNXplus」を使用した。試験結果は以下の通りである。
本実施形態によれば、伸縮装置の表面全体にポリウレア樹脂を吹き付けて塗膜防水層を形成するため、作業手順の簡素化を図れる。
本実施形態によれば、耐久性、耐候性に優れたポリウレア樹脂(例:ライノ・エクストリーム)を使用することにより、高寿命な塗膜防水層を形成することができるため、伸縮装置の安全性が長く維持される。
スプレー塗装機器による吹き付け作業により塗膜防水層を形成するので、橋梁上面から安定した施工作業ができる上、伸縮装置が複雑な形状でも施工が容易になり、施工性の向上が図れるとともに、より高品質な防水塗膜の形成が可能となる。
速硬化性のあるスプレー吹き付け型のポリウレア樹脂を使用することにより、必要十分な性能を発揮できる所定量のポリウレア樹脂の吹付が、1回の吹き付け作業で完了する。このため、作業手順を簡素化でき、また養生時間も短時間で済むので工期短縮を図れる。この結果、労務費を大きく削減できるため、経済性が大幅に向上する。
ポリウレア樹脂は、カドミウム等の有害性物質を含まず、かつ、無溶剤で揮発性有機化合物(VOC)を含まないため、周辺環境に与える影響を小さくでき、かつ作業員の安全も確保される。
<第一の実施態様>
本態様は、車両の通行方向に所定間隔の継手遊間101(隙間115)を設けて対向配置される一対の継手部材110、110を備えた伸縮装置100の補修構造であって、上面210aが継手部材110の上面111cよりも低い位置又は同等の高さ位置となるように継手遊間(隙間)内に埋設されるバックアップ材210と、両継手部材間に跨がって伸縮装置の上面に塗布されるポリウレア樹脂により形成される塗膜防水層220と、を備えることを特徴とする。
本態様によれば、施工性の向上、作業手順の簡素化、及びコスト低減を図りつつ、橋梁の長寿命化を図ることが可能となる。
本態様に係る伸縮装置100の補修構造において、塗膜防水層220は、両継手部材110、110間に止水性を有する排水路230を形成することを特徴とする。
本態様によれば、止水性を有する排水路を形成するため、排水路内に降下した雨水を道路に付された勾配に沿って路肩部側に排出することができる。
本態様に係る伸縮装置100の補修構造において、バックアップ材210の上面210aは、下方に凹陥した湾曲面であることを特徴とする。
本態様によれば、塗膜防水層220への機械的負荷を軽減することができる。
本態様に係る伸縮装置100の補修構造において、バックアップ材210の上面210aは、平坦面であることを特徴とする。
本態様によれば、バックアップ材の設置が容易となる。
本態様に係る伸縮装置100の補修構造において、バックアップ材210と塗膜防水層220との間に両者間の接着を防止する縁切り材215が設置されていることを特徴とする。
本態様によれば、塗膜防水層の伸び代を確保でき、塗膜防水層への機械的負荷を軽減できる。
本態様は、車両の通行方向に所定間隔の継手遊間101(隙間115)を設けて対向配置される一対の継手部材110、110を備えた伸縮装置100の補修方法である。
本補修方法は、上面210aが継手部材110の上面111cよりも低い位置となるように継手遊間内にバックアップ材210を埋設する工程(ステップS5)と、両継手部材間に跨がって伸縮装置の上面にポリウレア樹脂を塗布して塗膜防水層220を形成する工程(ステップS10)と、を有することを特徴とする。
本態様によれば、施工性の向上、作業手順の簡素化、及びコスト低減を図りつつ、橋梁の長寿命化を図ることが可能となる。
本態様は、車両の通行方向に所定間隔の継手遊間101(隙間115)を設けて対向配置される一対の継手部材110、110を備えた伸縮装置100の補修方法である。
本補修方法は、上面210aが継手部材110の上面111cと同等の高さ位置となるように継手遊間内にバックアップ材210を埋設する工程(ステップS6)と、バックアップ材の上方に縁切り材215を設置する工程(ステップS8)と、両継手部材間に跨がって伸縮装置の上面にポリウレア樹脂を塗布して塗膜防水層220を形成する工程(ステップS10)と、を有することを特徴とする。
本態様によれば、施工性の向上、作業手順の簡素化、及びコスト低減を図りつつ、橋梁の長寿命化を図ることが可能となる。また、塗膜防水層の伸び代を確保でき、塗膜防水層への機械的負荷を軽減できる。
Claims (7)
- 車両の通行方向に所定間隔の継手遊間を設けて対向配置される一対の継手部材を有する伸縮装置と、前記通行方向と交差する横断方向の両端部から夫々立ち上がる高欄と、を備えた道路の補修構造であって、
上面が前記各継手部材の上面よりも低い位置又は同等の高さ位置となるように前記継手遊間内に埋設されるバックアップ材と、
ポリウレア樹脂の吹き付け面に塗布されたプライマーと、
前記両継手部材間に跨がって前記伸縮装置の上面と前記各高欄の上面とにかけて前記横断方向の全体に連続的に塗布される前記ポリウレア樹脂により形成される塗膜防水層と、を備え、
前記塗膜防水層には前記通行方向の端部から中央部に向かって膜厚が漸増する傾斜面が形成されており、前記塗膜防水層と前記バックアップ材とが接着しないように構成されていることを特徴とする伸縮装置を備えた道路の補修構造。 - 前記塗膜防水層は、前記両継手部材間に止水性を有する排水路を形成することを特徴とする請求項1に記載の伸縮装置を備えた道路の補修構造。
- 前記バックアップ材の上面は、下方に凹陥した湾曲面であることを特徴とする請求項1又は2に記載の伸縮装置を備えた道路の補修構造。
- 前記バックアップ材の上面は、平坦面であることを特徴とする請求項1に記載の伸縮装置を備えた道路の補修構造。
- 前記バックアップ材と前記塗膜防水層との間に両者間の接着を防止する縁切り材が設置されていることを特徴とする請求項4に記載の伸縮装置を備えた道路の補修構造。
- 車両の通行方向に所定間隔の継手遊間を設けて対向配置される一対の継手部材を有する伸縮装置と、前記通行方向と交差する横断方向の両端部から夫々立ち上がる高欄と、を備えた道路の補修方法であって、
上面が前記各継手部材の上面よりも低い位置となるように前記継手遊間内にバックアップ材を埋設する工程と、
ポリウレア樹脂の吹き付け面にプライマーを塗布する工程と、
前記両継手部材間に跨がって前記伸縮装置の上面と前記各高欄の上面とにかけて前記横断方向の全体に連続的に前記ポリウレア樹脂を塗布して塗膜防水層を形成する工程と、を有し、該工程においては、前記塗膜防水層に、前記通行方向の端部から中央部に向かって膜厚が漸増する傾斜面を形成することを特徴とする伸縮装置を備えた道路の補修方法。 - 車両の通行方向に所定間隔の継手遊間を設けて対向配置される一対の継手部材を有する伸縮装置と、前記通行方向と交差する横断方向の両端部から夫々立ち上がる高欄と、を備えた道路の補修方法であって、
上面が前記各継手部材の上面と同等の高さ位置となるように前記継手遊間内にバックアップ材を埋設する工程と、
前記バックアップ材の上方に縁切り材を設置する工程と、
ポリウレア樹脂の吹き付け面にプライマーを塗布する工程と、
前記両継手部材間に跨がって前記伸縮装置の上面と前記各高欄の上面とにかけて前記横断方向の全体に連続的に前記ポリウレア樹脂を塗布して塗膜防水層を形成する工程と、を有し、該工程においては、前記塗膜防水層に、前記通行方向の端部から中央部に向かって膜厚が漸増する傾斜面を形成することを特徴とする伸縮装置を備えた道路の補修方法。
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