JP6675533B1 - 橋梁伸縮部の防水施工方法及び防水施工構造 - Google Patents
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Abstract
Description
また、橋桁の伸縮に起因する橋梁伸縮部(遊間)の変化の繰り返しや経年劣化により、目地部材にクラックなどの損傷が生じたりして、水漏れが発生することがある。目地部材の脱落や損傷などにより目地部材の防水機能が失われると、路面に降り注いだ雨水などが橋梁伸縮部(遊間)を通り抜け、橋桁の端面に沿って流下するようになる。流下した雨水等はコンクリート製の橋桁の端面からコンクリート内部に浸透してコンクリートを劣化させるほか、コンクリート内部の鉄筋や鉄製の構造部材を腐食させ、橋桁の強度を低下させる原因となる。また、特に、寒冷地において、冬季に路面に散布される塩化カルシウムや塩化カリウム等の凍結防止剤が、橋梁伸縮部(遊間)に入って露出しているコンクリート端面や鉄製の構造部材を劣化又は腐食させるという問題がある。
例えば特許文献1に記載の止水構造では、隣り合う橋桁(3)の床版(4)の遊間(5)に設ける1枚の防水シート(6)と、これを固定する複数個の固定部材(7)とから止水構造を構成するようにしている。
前記被覆部材に形成された凹部は、異物や負荷、衝撃により前記被覆部材が変形しても、前記被覆部材が前記目地部材に接触しないような空間を形成して、前記異物や負荷、衝撃による影響を前記目地部材に伝えないようにする。
そこで第二の課題を解決するために請求項2に記載の防水施工方法は、帯状に形成された液密性の防水シートを準備するとともに、この防水シートを収容する凹部を備えた前記被覆部材とを準備し、所定長さの前記防水シートを、前記橋梁伸縮部を覆うようにと前記橋桁に貼着した後に、前記被覆部材を前記防水シートの上から被せた方法としてある。
前記凹部の深さは、複数枚の防水シートを重ね合わせたときの肉厚よりと同
程度とするとよいが、異物や負荷、衝撃の影響により前記被覆部材が変形して
も前記被覆部材が前記防水シートに接触しないようにするために、前記肉厚よ
りも大きくするのが好ましい。
前記防水シートは、前記橋梁伸縮部の伸縮に追随して伸縮するように少し撓ませて貼付してもよいが、請求項4に記載するように、少なくとも横断方向に伸縮性を有するものであってもよい。
また、請求項6に記載するように、前記防水シートは、前記路面を形成する橋面から地覆部を越えるまで延長して貼着してもよい。なお、前記地覆部に高欄が設けられている場合は、前記高欄を越えるまで延長して貼着してもよい。
このようにすることで、水が浸透しやすい橋桁と橋桁との境界又は前記橋桁と橋台のパラペットとの境界のうちの大部分を前記防水シートで覆うことができ、前記橋梁伸縮部への水の浸透抑制効果をさらに高めることができる。
前記防水シートは、請求項9に記載するように、前記防水シートが、帯状の基材層と、この基材層の少なくとも一方の面に形成された粘着性の貼着層とを有する構成とすることができる。
また、前記防水シートは、請求項10に記載するように、少なくとも横断方向に伸縮性を有するものであってもよい。請求項11に記載するように、前記防水シートは、未加硫エストラマー又は加硫エストラマーからなる前記基材層と、オルガノポリシロキサンを主成分とする前記貼着層とを備えるものであることが好ましい。
上記防水シートは、請求項12に記載するように、前記路面を形成する橋面から地覆部を越えるまで、また、前記地覆部に高欄が設けられている場合は前記高欄を越えるまで延長して貼着してもよい。
また、遊間などの橋梁伸縮部に防水シートを被覆することで、目地部材が劣化等して防水機能が低下しても、前記橋梁伸縮部への水の浸入を抑制することができる。また、貼着層を有する防水シートを用いれば、防水シートを橋桁の端部や橋台のパラペットに貼りつけ、その上から被覆部材を被せるだけで防水施工が完了することができるので、熟練を要せず極めて簡単かつ短時間で防水施工を行うことができ、コストも低廉にすることができる。
図1は本発明の防水施工方法及び防水施工構造の第一の実施形態を示す概略図で、橋桁の橋梁伸縮部を示したものである。
コンクリート製の一対の橋桁2は、橋脚1によってその両端が支持され、その表面にはアスファルト舗装された路面4が形成されている。一対の橋桁2の間には、気温の変化等による橋桁2の伸縮を吸収するための橋梁伸縮部である遊間3が形成され、エラスタイトなどの緩衝用ゴム製の目地部材5が両橋桁2の対向面に固定して配設されている。
被覆部材12の左右のフランジ12bのうちの一方は、一対の橋桁2のうちの一方に、ボルト12cや溶接などによって固定される。
なお、左右のフランジ12bの両方をボルト12cなどで橋桁2に取り付けてもよいが、左右のフランジ12bの両方を一対の橋桁2に固定すると、橋桁2の伸縮によって被覆部材12が変形してしまうため、いずれか一方のフランジ12bにおいてボルト12cを通す孔を長孔として、橋桁2が伸縮してもこの伸縮を前記長孔で吸収できるようにするとよい。
また、アスファルト合材などで形成された路面4と目地部材5とが被覆部材12によって非接触状態に保たれていること、特に凹部12dによって目地部材5と被覆部材12との間に空間が形成されていることから、樹脂で形成された目地部材5の経年劣化の進行を抑制することができる。
なお、第一の実施形態と同一部位、同一部材には同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。
この実施形態では、一対の橋桁2の上面に、遊間3を覆うようにゴム弾性体製で液密の防水シート13が貼り付けられる。
このようにすることで、隣接する橋桁2の間の遊間3の大部分を防水シート13で覆うことができ、遊間3への雨水などの浸透をより効果的に抑制することができる。
防水シート13を貼付した後は、被覆部材12を防水シート13の上に被せ、ボルト12cなどで被覆部材12を橋桁2の少なくとも一方に固定する。以上の作業が終了したら、被覆部材12の上にアスファルト合材を載せて均し、路面4を形成する。
本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記の説明により限定されるものではない。
例えば、防水シート13は、橋面部分2bからその両端の地覆部2aを越えて橋桁2の両側面にまで延ばすものとして説明したが、防水施工が必要な部分だけに防水シート13を貼り付けるようにしてもよい。
また、上記の説明では橋桁2と橋桁2との間の橋梁伸縮部(遊間3)を例に挙げて説明したが、本発明は橋桁2と橋台のパラペットとの間の橋梁伸縮部(遊間3)の防水施工にも適用が可能である
また本発明は、既設の橋梁の防水補修に限らず、新設の橋梁の防水施工にも好適に適用が可能である。
2 橋桁
2a 地覆部
2b 橋面
2c 高欄
3 遊間(橋梁伸縮部)
4 路面
5 目地部材
12 被覆部材
12a 本体
12b フランジ
12c ボルト
12d 凹部
13 防水シート
Claims (12)
- 橋梁を構成する橋桁と橋桁との境界又は前記橋梁の両端で前記橋桁の一端を支える橋台のパラペットと前記橋桁との境界に設けられ、気温の変化などに伴う前記橋桁の伸縮を吸収するための橋梁伸縮部に水が浸入しないようにする防水施工方法であって、
帯状の本体とこの本体を両側から支持するブロック状のフランジとを有し、少なくとも路面舗装時の舗装熱に耐える耐熱性と、路面を走行する車輌などによって容易に変形しない耐圧性とを備えるとともに、前記本体の下方に路面からの衝撃を前記橋梁伸縮部に設けられた目地部材に伝えないようにするための空間を形成する凹部を備えた被覆部材を準備し、
前記橋梁伸縮部を覆うように前記被覆部材を被せ、前記被覆部材の前記フランジを前記隣り合う橋桁の少なくとも一方に固定したこと、
を特徴とする橋梁伸縮部の防水施工方法。 - 帯状に形成された液密性の防水シートを準備するとともに、この防水シートを収容する凹部を備えた前記被覆部材とを準備し、
所定長さの前記防水シートを、前記橋梁伸縮部を覆うように前記橋桁に貼着した後に、前記被覆部材を前記防水シートの上から被せたこと、
を特徴とする請求項1に記載の橋梁伸縮部の防水施工方法。 - 前記防水シートが、帯状の基材層と、この基材層の少なくとも一方の面に形成された粘着性の貼着層とを有するものであることを特徴とする請求項2に記載の橋梁伸縮部の防水施工方法。
- 前記防水シートが、少なくとも横断方向に伸縮性を有するものであることを特徴とする請求項2又は3に記載の橋梁伸縮部の防水施工方法。
- 前記防水シートが、未加硫エストラマー又は加硫エストラマーからなる前記基材層と、オルガノポリシロキサンを主成分とする前記貼着層とを備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の橋梁伸縮部の防水施工方法。
- 前記防水シートを、前記路面を形成する橋面から地覆部を越えるまで延長して貼着したことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の橋梁伸縮部の防水施工方法。
- 橋梁を構成する橋桁と橋桁との境界又は前記橋梁の両端で前記橋桁の一端を支える橋台のパラペットと前記橋桁との境界に設けられ、気温の変化などに伴う前記橋桁の伸縮を吸収するための橋梁伸縮部に水が浸入しないようにする防水施工構造であって、
少なくとも路面舗装時の舗装熱に耐える耐熱性と路面を走行する車輌などによって容易に変形しない耐圧性とを備えるとともに、路面からの衝撃を前記橋梁伸縮部に設けられた目地部材に伝えないようにするための空間を形成する凹部を備えた被覆部材を有し、
前記被覆部材は、帯状の本体とこの本体を両側から支持するブロック状のフランジとを有するとともに、前記本体の下方に前記凹部が形成され、
前記橋梁伸縮部を覆うように前記被覆部材を被せ、前記被覆部材の前記フランジを前記隣り合う橋桁の少なくとも一方に固定したこと、
を特徴とする橋梁伸縮部の防水施工構造。 - 帯状に形成された液密性の防水シートを有し、前記被覆部材は前記防水シートを収容する凹部を備え、所定長さの前記防水シートを、前記橋梁伸縮部を覆うようにと前記橋桁に貼着した後に、前記被覆部材を前記防水シートの上から被せたこと、
を特徴とする請求項7に記載の橋梁伸縮部の防水施工構造。 - 前記防水シートが、帯状の基材層と、この基材層の少なくとも一方の面に形成された粘着性の貼着層とを有するものであることを特徴とする請求項8に記載の橋梁伸縮部の防水施工構造。
- 前記防水シートが、少なくとも横断方向に伸縮性を有するものであることを特徴とする請求項8又は9に記載の橋梁伸縮部の防水施工構造。
- 前記防水シートが、未加硫エストラマー又は加硫エストラマーからなる前記基材層と、オルガノポリシロキサンを主成分とする前記貼着層とを備えることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の橋梁伸縮部の防水施工構造。
- 前記防水シートを、前記路面を形成する橋面から地覆部を越えるまで延長して貼着したことを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の橋梁伸縮部の防水施工方法。
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