JP6675533B1 - 橋梁伸縮部の防水施工方法及び防水施工構造 - Google Patents

橋梁伸縮部の防水施工方法及び防水施工構造 Download PDF

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Abstract

【課題】 熟練を必要とせず簡単かつ短時間で防水施工を行うことができ、低廉なコストで橋梁の大小に関わらず施工が可能な橋梁伸縮部における防水施工方法を提供する。【解決手段】 橋梁を構成する橋桁2,2の境界又は前記橋梁の両端で橋桁2の一端を支える橋台のパラペットと橋桁2との境界に設けられ、気温の変化などに伴う橋桁2の伸縮を吸収するための橋梁伸縮部3に水が浸入しないようにする防水施工方法であって、路面舗装時の舗装熱に耐える耐熱性と、路面4を走行する車輌などによって変形しない耐圧性とを有する被覆部材12を準備し、橋梁伸縮部3を覆うように被覆部材12を被せ、被覆部材12を前記隣り合う橋桁2,2の少なくとも一方に固定した方法としてある。【選択図】 図1

Description

本発明は、橋梁を構成する橋桁と橋桁との境界又は前記橋梁の両端で前記橋桁の一端を支える橋台のパラペットと前記橋桁との境界に設けられ、気温の変化などに伴う前記橋桁の伸縮を吸収するための橋梁伸縮部に水が浸入しないようする防水施工方法及び防水施工構造に関する。
一般に橋梁においては、当該橋梁を構成する橋桁同士の継手部分あるいは橋桁と橋台のパラペットとの継手部分に、気温の変化や通過車両に伴う荷重変化などに起因する伸縮変形を吸収するための遊間などの橋梁伸縮部が設けられている。そして、この橋梁伸縮部(遊間)には、伸縮に追随して変形する柔軟な素材、例えば合成樹脂やゴムを発泡させたもの、又はアスファルトコンパウンドに繊維質材料等を混合したエラスタイトなどを板状にした目地部材が充填される。
しかし、路面のアスファルト舗装に食い込んだ石などの異物がやがて前記目地部材にまで達して前記目地部材を損傷させたり、路面を車輌が走行するたびに前記目地部材を下方に押して、長期期間を経過するうちに前記目地部材を橋梁伸縮部(遊間)から脱落させたりしてしまうことがあった。
また、橋桁の伸縮に起因する橋梁伸縮部(遊間)の変化の繰り返しや経年劣化により、目地部材にクラックなどの損傷が生じたりして、水漏れが発生することがある。目地部材の脱落や損傷などにより目地部材の防水機能が失われると、路面に降り注いだ雨水などが橋梁伸縮部(遊間)を通り抜け、橋桁の端面に沿って流下するようになる。流下した雨水等はコンクリート製の橋桁の端面からコンクリート内部に浸透してコンクリートを劣化させるほか、コンクリート内部の鉄筋や鉄製の構造部材を腐食させ、橋桁の強度を低下させる原因となる。また、特に、寒冷地において、冬季に路面に散布される塩化カルシウムや塩化カリウム等の凍結防止剤が、橋梁伸縮部(遊間)に入って露出しているコンクリート端面や鉄製の構造部材を劣化又は腐食させるという問題がある。
このような問題に鑑みて、従来より様々な防水施工方法が提案されている。
例えば特許文献1に記載の止水構造では、隣り合う橋桁(3)の床版(4)の遊間(5)に設ける1枚の防水シート(6)と、これを固定する複数個の固定部材(7)とから止水構造を構成するようにしている。
また、特許文献2に記載の防水補修方法では、隣り合う橋桁の端部上面に起立面を対向させてL字型のフェイスプレート(2a)(2b)を配置し、ボルト(13a)(13b)でフェイスプレート(2a)(2b)を橋桁の端部上面に固定するとともに、前記橋桁間の継ぎ目の遊間を覆うように吊り下げ状態で弾性止水シート(17)をフェイスプレート(2a)(2b)と橋桁の端部上面との間に挟持させ、さらにゴム製シール材(9)と不透水性のウレタンフォームやスタイロフォームなどの発泡樹脂、常温加硫型の液状ゴム、水膨潤性ゴムなどからなる弾性止水層(8)をフェイスプレート(2a)(2b)間に充填している。
特開2018−119268号公報(要約及び図面の記載参照) 特開2015−224478号公報(要約及び図面の図4の記載参照)
しかし、特許文献1に記載の止水構造は、橋桁間の遊間が数センチ程度しかない場合、当該遊間に防水シートをU字状に折り曲げて嵌め込むことが困難なうえ、これを固定するためのボルトなどの固定部材を橋桁の端面に打ち込むには専用の打設器具が必要で、かつ、多数本の固定部材を橋桁の端面に打ち込まなければならず、作業が煩雑になるうえ打設した孔から雨水等がコンクリート内部に浸入するおそれがあるという新たな問題を生じる。そのため遊間が小さい小形橋梁には設置が難しいという問題もある。
また、特許文献2に記載の防水補修方法では、L字型で長尺のフェイスプレート(2a)(2b)間の間隔が均一になるように、高精度で橋桁にフェイスプレートを固定しなければならないうえ、長尺のフェイスプレートの間に遊間なくゴム製シール材(9)と弾性止水層(8)とを充填しなければならず、作業が煩雑で時間もかかり、コストも高くなるという問題がある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、第一に、橋梁伸縮部に嵌装した目地部材に作用する負荷を可能な限り低減し、目地部材の損傷や脱落などを抑制して目地部材が本来有する防水機能を長持ちさせること、第二に、目地部材の防水機能が低下又は失われても、前記橋梁伸縮部への水の浸入を抑制することができる防水施工方法及び防水施工構造の提供にある。
上記第一の課題を解決するために請求項1に記載の防水施工方法は、橋梁を構成する橋桁と橋桁との境界又は前記橋梁の両端で前記橋桁の一端を支える橋台のパラペットと前記橋桁との境界に設けられ、気温の変化などに伴う前記橋桁の伸縮を吸収するための橋梁伸縮部に水が浸入しないようにする防水施工構造であって、少なくとも路面舗装時の舗装熱に耐える耐熱性と路面を走行する車輌などによって容易に変形しない耐圧性とを備えるとともに、路面からの衝撃を前記橋梁伸縮部に設けられた目地部材に伝えないようにするための空間を形成する凹部を備えた被覆部材を有し、前記被覆部材は、帯状の本体とこの本体を両側から支持するブロック状のフランジとを有するとともに、前記本体の下方に前記凹部が形成され、前記橋梁伸縮部を覆うように前記被覆部材を被せ、前記被覆部材の前記フランジを前記隣り合う橋桁の少なくとも一方に固定した方法としてある。
前記被覆部材は、路面を舗装する際の舗装熱(アスファルト合材の熱を含む)に耐えることができ、かつ、前記路面を車両が走行しても容易に変形せず、路面に食い込んだ石などの異物によって容易に変形又は損傷しない材料のもので形成する。ステンレスやアルミなどの金属材料で形成してもよいが、金属は長期使用のうちに腐食するため、長期使用しても腐食しない樹脂で形成するのが好ましい。このような樹脂としては例えば、ポリカーボネート(PC)やフェノール樹脂(PF)、メラミン樹脂(MF)、エポキシ樹脂(EP)、不飽和ポリエステル樹脂(UP)、ポリフェニレンスルファイド樹脂(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などを挙げることができる。
なお、本明細書における用語「防水施工」には、既設の橋梁の防水補修や防水補強だけでなく新設の橋梁の防水施工も含まれる。本発明の施工方法によれば、橋梁伸縮部が被覆部材によって被覆されているので、路面に食い込んだ石などの異物による目地部材の損傷や脱落を抑止できるとともに、路面を走行する車両による負荷や衝撃から前記目地部材を保護して、前記橋梁伸縮部に設けられた目地部材の防水機能を長期に亘って維持させることが可能になる。また、路面のアスファルト合材と目地部材とが前記被覆部材によって分離され、非接触状態になることから、前記アスファルト合材に起因する目地部材の劣化も抑制することができる。
前記被覆部材に形成された凹部は、異物や負荷、衝撃により前記被覆部材が変形しても、前記被覆部材が前記目地部材に接触しないような空間を形成して、前記異物や負荷、衝撃による影響を前記目地部材に伝えないようにする。
上記したように請求項1に記載の被覆部材を設置することで、目地部材の損傷や脱落、劣化を抑制して、目地部材の寿命を延ばすことが可能である。しかし、このような被覆部材を設けても、長期使用するうちに被覆部材は経年劣化し、橋梁伸縮部に水が浸入することになる。
そこで第二の課題を解決するために請求項2に記載の防水施工方法は、帯状に形成された液密性の防水シートを準備するとともに、この防水シートを収容する凹部を備えた前記被覆部材とを準備し、所定長さの前記防水シートを、前記橋梁伸縮部を覆うようにと前記橋桁に貼着した後に、前記被覆部材を前記防水シートの上から被せた方法としてある。
前記凹部の深さは、複数枚の防水シートを重ね合わせたときの肉厚よりと同
程度とするとよいが、異物や負荷、衝撃の影響により前記被覆部材が変形して
も前記被覆部材が前記防水シートに接触しないようにするために、前記肉厚よ
りも大きくするのが好ましい。
請求項2に記載の防水施工方法のように、請求項1の被覆部材に加えて、前記橋梁伸縮部を覆うように液密性の防水シートを橋桁の上面に貼着することで、経年劣化等により目地部材の防水機能が低下しても、前記橋梁伸縮部への水の浸入を抑制することができる。
前記防水シートは、請求項3に記載するように、帯状の基材層と、この基材層の少なくとも一方の面に形成された粘着性の貼着層とを有するものであってもよい。このような防水シートであれば、橋桁の端部の上面や橋台のパラペットに貼り付けるだけで、前記橋梁伸縮部を覆うように防水シートを設置することが可能である。
前記防水シートは、前記橋梁伸縮部の伸縮に追随して伸縮するように少し撓ませて貼付してもよいが、請求項4に記載するように、少なくとも横断方向に伸縮性を有するものであってもよい。
前記防水シートとしては、例えば請求項5に記載するように、未加硫エストラマー又は加硫エストラマーからなる前記基材層と、オルガノポリシロキサンを主成分とする前記貼着層とを備えたものを挙げることができる。このような防水シートは、防水シートの貼着作業を容易にして工期を大幅に短縮できるという利点がある。
また、請求項6に記載するように、前記防水シートは、前記路面を形成する橋面から地覆部を越えるまで延長して貼着してもよい。なお、前記地覆部に高欄が設けられている場合は、前記高欄を越えるまで延長して貼着してもよい。
このようにすることで、水が浸透しやすい橋桁と橋桁との境界又は前記橋桁と橋台のパラペットとの境界のうちの大部分を前記防水シートで覆うことができ、前記橋梁伸縮部への水の浸透抑制効果をさらに高めることができる。
課題1を解決するための本発明の橋梁伸縮部の防水施工構造は、請求項7に記載するように、橋梁を構成する橋桁と橋桁との境界又は前記橋梁の両端で前記橋桁の一端を支える橋台のパラペットと前記橋桁との境界に設けられ、気温の変化などに伴う前記橋桁の伸縮を吸収するための橋梁伸縮部に水が浸入しないようにする防水施工構造であって、少なくとも路面舗装時の舗装熱に耐える耐熱性と路面を走行する車輌などによって容易に変形しない耐圧性とを備えるとともに、路面からの衝撃を前記橋梁伸縮部に設けられた目地部材に伝えないようにするための空間を形成する凹部を備えた被覆部材を有し、前記被覆部材は、帯状の本体とこの本体を両側から支持するブロック状のフランジとを有するとともに、前記本体の下方に前記凹部が形成され、前記橋梁伸縮部を覆うように前記被覆部材を被せ、前記被覆部材の前記フランジを前記隣り合う橋桁の少なくとも一方に固定した構成としてある。

また、課題2を解決するための本発明の橋梁伸縮部の防水施工構造は、請求項8に記載するように、帯状に形成された液密性の防水シートを有し、前記被覆部材は前記防水シートを収容する凹部を備え、所定長さの前記防水シートを、前記橋梁伸縮部を覆うように前記橋桁に貼着した後に、前記被覆部材を前記防水シートの上から被せた構造とするとよい。
前記防水シートは、請求項9に記載するように、前記防水シートが、帯状の基材層と、この基材層の少なくとも一方の面に形成された粘着性の貼着層とを有する構成とすることができる。
また、前記防水シートは、請求項10に記載するように、少なくとも横断方向に伸縮性を有するものであってもよい。請求項11に記載するように、前記防水シートは、未加硫エストラマー又は加硫エストラマーからなる前記基材層と、オルガノポリシロキサンを主成分とする前記貼着層とを備えるものであることが好ましい。
上記防水シートは、請求項12に記載するように、前記路面を形成する橋面から地覆部を越えるまで、また、前記地覆部に高欄が設けられている場合は前記高欄を越えるまで延長して貼着してもよい。
本発明は上記のように構成されているので、被覆部材によって橋梁伸縮部に嵌装した目地部材に負荷がほとんど掛からないようにして、目地部材の損傷や脱落を防止し、前記橋梁伸縮部に設けられた目地部材の防水機能を長持ちさせることができる。
また、遊間などの橋梁伸縮部に防水シートを被覆することで、目地部材が劣化等して防水機能が低下しても、前記橋梁伸縮部への水の浸入を抑制することができる。また、貼着層を有する防水シートを用いれば、防水シートを橋桁の端部や橋台のパラペットに貼りつけ、その上から被覆部材を被せるだけで防水施工が完了することができるので、熟練を要せず極めて簡単かつ短時間で防水施工を行うことができ、コストも低廉にすることができる。
本発明の好適な実施形態について、図を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の防水施工方法及び防水施工構造の第一の実施形態を示す概略図で、橋桁の橋梁伸縮部を示したものである。
コンクリート製の一対の橋桁2は、橋脚1によってその両端が支持され、その表面にはアスファルト舗装された路面4が形成されている。一対の橋桁2の間には、気温の変化等による橋桁2の伸縮を吸収するための橋梁伸縮部である遊間3が形成され、エラスタイトなどの緩衝用ゴム製の目地部材5が両橋桁2の対向面に固定して配設されている。
一対の橋桁2の上面には、遊間3を覆うように被覆部材12が取り付けられる。被覆部材12は、アスファルト合材などで形成された路面4の舗装時の熱によって容易に変形しない耐熱性と、路面4にかかる車両走行時の荷重によって容易に変形しない耐圧性を有するものである。このような条件を満たす被覆部材12の材料としては、ステンレスやアルミ合金などの金属を選択することができるが、金属は長期使用のうちに腐食を生じることから、長期使用しても腐食しない樹脂、例えば、ポリカーボネート(PC)やフェノール樹脂(PF)、メラミン樹脂(MF)、エポキシ樹脂(EP)、不飽和ポリエステル樹脂(UP)、エポキシ樹脂(EP)、不飽和ポリエステル樹脂(UP)、ポリフェニレンスルファイド樹脂(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などを挙げることができる。
被覆部材12は、帯状の本体12aと、この本体12aの両端に形成されたフランジ12bとを有している。目地部材5と対面する本体12aの底面には凹部12dが形成されている。この凹部12dの深さは、路面4を走行する車両による負荷や衝撃によって被覆部材12が変形しても、この変形を吸収して目地部材5に負荷や衝撃を伝達しない空間が形成されるものである。
被覆部材12の左右のフランジ12bのうちの一方は、一対の橋桁2のうちの一方に、ボルト12cや溶接などによって固定される。
なお、左右のフランジ12bの両方をボルト12cなどで橋桁2に取り付けてもよいが、左右のフランジ12bの両方を一対の橋桁2に固定すると、橋桁2の伸縮によって被覆部材12が変形してしまうため、いずれか一方のフランジ12bにおいてボルト12cを通す孔を長孔として、橋桁2が伸縮してもこの伸縮を前記長孔で吸収できるようにするとよい。
防水施工工事に際しては、少なくとも隣り合う橋桁2の遊間3を含む部分から路面4を取り除き、被覆部材12を取り付けるための面をきれいに清掃又は洗浄する。必要に応じて錆の除去なども行う。この後、被覆部材12を遊間3の上に被せ、ボルト12cなどで被覆部材12を橋桁2の少なくとも一方に固定する。そして、被覆部材12の上にアスファルト合材を載せて均し、路面4を形成する。
この実施形態では、路面4と目地部材5との間に被覆部材12が介在しているので、路面4に食い込んだ石などの異物による目地部材5の損傷や脱落を抑止でき、遊間3に設けられた目地部材5の防水機能を長期に亘って維持させることが可能になる。
また、アスファルト合材などで形成された路面4と目地部材5とが被覆部材12によって非接触状態に保たれていること、特に凹部12dによって目地部材5と被覆部材12との間に空間が形成されていることから、樹脂で形成された目地部材5の経年劣化の進行を抑制することができる。
図2は本発明の防水施工方法及び防水施工構造の第二の実施形態を示す概略図で、(a)は橋桁の橋梁伸縮部を示したもの、(b)は(a)の被覆部材における各部の寸法の関係を説明するための断面図である。
なお、第一の実施形態と同一部位、同一部材には同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。
この実施形態では、一対の橋桁2の上面に、遊間3を覆うようにゴム弾性体製で液密の防水シート13が貼り付けられる。
防水シート13は、遊間3の最大幅Sの数倍(3倍〜5倍程度)の幅H1を有し、遊間3の長手方向(図1の紙面に直交する方向)と同方向に延びる帯状の基材層と、この基材層の一方の面に形成された粘着性の貼着層とを有する。前記基材層は、橋桁2の伸縮にともなう遊間3の変化に追随して、幅方向(図2の左右方向)に伸縮できるものであるものが好ましい。また前記貼着層は、コンクリートや鉄など、橋桁2を構成する材料に強力に貼着できるものであればよい。このような条件を満たす防水シート13としては、未加硫エストラマー又は加硫エストラマーからなる前記基材層と、オルガノポリシロキサンを主成分とする前記貼着層とを備えたものを挙げることができる。例えば信越化学工業株式会社から市販されている「パッチシール」(商品名)を利用することができる。
この実施形態の被覆部材12の凹部12dは、防水シート13の収容部として形成されている。凹部12dの幅H2は、防水シート13の幅H1と同一又はこれより若干広幅(図示の例では、幅H1の二倍程度)に形成され、かつ、その深さt2は、隣接する2枚の防水シート13を部分的に重ね合わせても当該重ね合わせた部分を収容できるように、防水シート13の肉厚t1の少なくとも二倍とする。路面4を走行する車両による負荷や衝撃によって被覆部材12が変形しても、この負荷や衝撃を防水シート13に伝えないようにするために、深さt2は肉厚t1の二倍を超える大きさとするのが好ましい。
防水施工工事に際しては、少なくとも隣り合う橋桁2の遊間3を含む部分から路面4を取り除き、防水シート13を貼着するための面をきれいに清掃又は洗浄する。また、必要に応じて錆の除去なども行い、十分に乾燥させることが望ましい。この後、一定の長さに切断した帯状の防水シート13を遊間3の長手方向に沿わせ、貼着層を橋桁2の端部上面の遊間3の両側に均等に貼り付ける。大形橋梁のように遊間3の長さが長い場合は、複数回に分けて貼り付け作業を行ってもよい。また、このとき、橋桁2が伸縮する際に防水シート13の横断方向に作用する負荷を可能な限り低減するように、防水シート13を少し撓ませて貼着してもよい。
防水シート13は遊間3の被覆部材12を設置する部分にだけ貼付してもよいが、図3(a)に示すように、防水シート13(図3において太線で示す)は橋面2bからその両端の地覆部2aを越えて橋桁2の両側面にまで延ばすことが好ましい。また、図3(b)に示すように、地覆部2aに高欄2cが一体に設けられている場合は、防水シート13は橋面2bからその両端の地覆部2a及び高欄2cを越えて、橋桁2の両側面にまで延ばすことが好ましい。
このようにすることで、隣接する橋桁2の間の遊間3の大部分を防水シート13で覆うことができ、遊間3への雨水などの浸透をより効果的に抑制することができる。
防水シート13を貼付した後は、被覆部材12を防水シート13の上に被せ、ボルト12cなどで被覆部材12を橋桁2の少なくとも一方に固定する。以上の作業が終了したら、被覆部材12の上にアスファルト合材を載せて均し、路面4を形成する。
上記の第一及び第二の実施形態で説明した防水施工方法及び防水施工構造によれば、極めて簡単かつ短時間で防水施工を行うことが可能になる。
本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記の説明により限定されるものではない。
例えば、防水シート13は、橋面部分2bからその両端の地覆部2aを越えて橋桁2の両側面にまで延ばすものとして説明したが、防水施工が必要な部分だけに防水シート13を貼り付けるようにしてもよい。
また、上記の説明では橋桁2と橋桁2との間の橋梁伸縮部(遊間3)を例に挙げて説明したが、本発明は橋桁2と橋台のパラペットとの間の橋梁伸縮部(遊間3)の防水施工にも適用が可能である
本発明は、橋梁の大きさに関わらず適用が可能であるが、橋梁伸縮部である遊間3を覆うように路面4を形成し、路面4の遊間3に対応する部分に切り込み11を入れた比較的小型の橋梁に好適に適用が可能である。
また本発明は、既設の橋梁の防水補修に限らず、新設の橋梁の防水施工にも好適に適用が可能である。
本発明の防水施工方法及び防水施工構造の第一の実施形態を示す概略図で、橋桁の橋梁伸縮部を示したものである。 本発明の防水施工方法及び防水施工構造の第二の実施形態を示す概略図で、橋桁の橋梁伸縮部を示したものである。 防水シートの貼り付け例を示す図で、(a)は橋面から地覆部を越えて貼り付けた状態を示し、(b)は橋面から地覆部及び高欄を越えて貼り付けた状態を示す図である。
1 橋脚
2 橋桁
2a 地覆部
2b 橋面
2c 高欄
3 遊間(橋梁伸縮部)
4 路面
5 目地部材
12 被覆部材
12a 本体
12b フランジ
12c ボルト
12d 凹部
13 防水シート

Claims (12)

  1. 橋梁を構成する橋桁と橋桁との境界又は前記橋梁の両端で前記橋桁の一端を支える橋台のパラペットと前記橋桁との境界に設けられ、気温の変化などに伴う前記橋桁の伸縮を吸収するための橋梁伸縮部に水が浸入しないようにする防水施工方法であって、
    帯状の本体とこの本体を両側から支持するブロック状のフランジとを有し、少なくとも路面舗装時の舗装熱に耐える耐熱性と、路面を走行する車輌などによって容易に変形しない耐圧性とを備えるとともに、前記本体の下方に路面からの衝撃を前記橋梁伸縮部に設けられた目地部材に伝えないようにするための空間を形成する凹部を備えた被覆部材を準備し、
    前記橋梁伸縮部を覆うように前記被覆部材を被せ、前記被覆部材の前記フランジを前記隣り合う橋桁の少なくとも一方に固定したこと、
    を特徴とする橋梁伸縮部の防水施工方法。
  2. 帯状に形成された液密性の防水シートを準備するとともに、この防水シートを収容する凹部を備えた前記被覆部材とを準備し、
    所定長さの前記防水シートを、前記橋梁伸縮部を覆うように前記橋桁に貼着した後に、前記被覆部材を前記防水シートの上から被せたこと、
    を特徴とする請求項1に記載の橋梁伸縮部の防水施工方法。
  3. 前記防水シートが、帯状の基材層と、この基材層の少なくとも一方の面に形成された粘着性の貼着層とを有するものであることを特徴とする請求項2に記載の橋梁伸縮部の防水施工方法。
  4. 前記防水シートが、少なくとも横断方向に伸縮性を有するものであることを特徴とする請求項2又は3に記載の橋梁伸縮部の防水施工方法。
  5. 前記防水シートが、未加硫エストラマー又は加硫エストラマーからなる前記基材層と、オルガノポリシロキサンを主成分とする前記貼着層とを備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の橋梁伸縮部の防水施工方法。
  6. 前記防水シートを、前記路面を形成する橋面から地覆部を越えるまで延長して貼着したことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の橋梁伸縮部の防水施工方法。
  7. 橋梁を構成する橋桁と橋桁との境界又は前記橋梁の両端で前記橋桁の一端を支える橋台のパラペットと前記橋桁との境界に設けられ、気温の変化などに伴う前記橋桁の伸縮を吸収するための橋梁伸縮部に水が浸入しないようにする防水施工構造であって、
    少なくとも路面舗装時の舗装熱に耐える耐熱性と路面を走行する車輌などによって容易に変形しない耐圧性とを備えるとともに、路面からの衝撃を前記橋梁伸縮部に設けられた目地部材に伝えないようにするための空間を形成する凹部を備えた被覆部材を有し、
    前記被覆部材は、帯状の本体とこの本体を両側から支持するブロック状のフランジとを有するとともに、前記本体の下方に前記凹部が形成され、
    前記橋梁伸縮部を覆うように前記被覆部材を被せ、前記被覆部材の前記フランジを前記隣り合う橋桁の少なくとも一方に固定したこと、
    を特徴とする橋梁伸縮部の防水施工構造。
  8. 帯状に形成された液密性の防水シートを有し、前記被覆部材は前記防水シートを収容する凹部を備え、所定長さの前記防水シートを、前記橋梁伸縮部を覆うようにと前記橋桁に貼着した後に、前記被覆部材を前記防水シートの上から被せたこと、
    を特徴とする請求項7に記載の橋梁伸縮部の防水施工構造。
  9. 前記防水シートが、帯状の基材層と、この基材層の少なくとも一方の面に形成された粘着性の貼着層とを有するものであることを特徴とする請求項8に記載の橋梁伸縮部の防水施工構造。
  10. 前記防水シートが、少なくとも横断方向に伸縮性を有するものであることを特徴とする請求項8又は9に記載の橋梁伸縮部の防水施工構造。
  11. 前記防水シートが、未加硫エストラマー又は加硫エストラマーからなる前記基材層と、オルガノポリシロキサンを主成分とする前記貼着層とを備えることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の橋梁伸縮部の防水施工構造。
  12. 前記防水シートを、前記路面を形成する橋面から地覆部を越えるまで延長して貼着したことを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の橋梁伸縮部の防水施工方法。
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