JP2018111988A - コンクリート構造物における目地部の止水構造及びその止水方法 - Google Patents

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Yutaka Miyata
豊 宮田
雅之 白子
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雅之 白子
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Abstract

【課題】確実に構造体同士を緩衝しつつ、かつ目地部から雨水が流れ落ちるのを確実に防止するコンクリート構造物における目地部の止水構造を提供する。
【解決手段】表面を有する複数の構造体を設置して構成されており、複数の構造体の間に目地部4が形成されており、目地部4の幅よりも大きな幅を有するように形成されており、目地部4を塞ぐように目地部4の長手方向に沿って配置される板状部材6と、板状部材6を覆うようにして板状部材6の表面に積層されるテープ状部材7と、基部109,112の表面に板状部材6の長手方向側部に所定の幅を有するように形成されるアンダーコート層10と、テープ状部材7及びアンダーコート層10の表面に積層されており、少なくともアンダーコート層10と一体化されるミドルコート層12と、ミドルコート層12の表面に積層されており、ミドルコート層12と一体化されるトップコート層13とを備えた。
【選択図】図3

Description

本発明は、コンクリート構造物における目地部の止水構造及びその止水方法に関する。
高速道路や一般道路をはじめとする各種のコンクリート構造物は、所定の大きさの構造体を連続的及び/又は並列的に設置して形成するのが一般的である。例えば、橋梁や高架橋というようなコンクリート構造物を作る場合、鉄筋コンクリートで形成された橋脚と橋脚との間に金属製の支承を設け、この支承の上に道路などを形成するための複数の構造体を設置する。コンクリート構造物を作る場合、大型の構造体を一つ設けることは安全面やコスト面の上で行われることは少なく、一般的には所定の大きさの構造体を複数設置しながら一つのコンクリート構造物を作り上げる。
このように、コンクリート構造物は、複数の構造体を設置しながら作り上げていくので、これら構造体同士が干渉し合ったり、ぶつかり合って互いが破損し合うことのないようにするのが一般的である。例えば、コンクリート構造物が道路の高架橋であるような場合には、構造体の表面側には、自動車のような重量のある車両が通過する時や突風が吹くなどのような気象条件が良くない時には構造体が揺れて撓んだり、振動したりすることがある。このような場合には互いに連続的に設置されている構造体同士が互いの端部を接触し合ってしまい、干渉したり、破損させたりすることがある。また、コンクリート構造物が複数の構造体を並列的に設置する構成である場合、例えば高速道路のように上り線用の構造体と下り線用の構造体とが並列的に設置されている場合も、これら並列的に設置された構造体同士が接触し合い、干渉したり破損させたりすることもある。このような問題を解消するために、従来のコンクリート構造物では、互いの構造体の間、即ち継目部分に所定間隔の遊間からなる目地部を設けておき、構造体同士が干渉したり破損しないようにしている。
しかし、このようなコンクリート構造物では、目地部はこれら構造体の動きの干渉を防止するために所定の間隔を有する隙間として形成することが多かった。そのため、雨水などが目地部を通って構造体の下方に流れ落ちるということが発生していた。このとき、構造体は、通常は鉄筋コンクリートを使用して形成しているため、コンクリートの内部に複数本の鉄筋が配置されている。また、コンクリートは水を内部に浸透させることがあるため、目地部を通って落ちる水の一部がコンクリート内部に浸入して、鉄筋を錆びさせて脆くしてしまうおそれがあった。このとき、鉄筋を被覆しているコンクリートは、錆びた鉄筋が膨張することで爆裂し、鉄筋コンクリートが本来有する機能を損なうおそれがあった。さらに、雨水は一般的に酸性であるのに対しコンクリートはアルカリ性であるため、雨水がコンクリートに浸入するとコンクリートが中性化されて脆くなり、コンクリートが所定の強度を維持できなくなるおそれもあった。
従来は、このような問題を解決するために、高分子材料からなる平板状の弾性体をU字形に曲げて目地部に設けることによって水が構造体の下方へ落ちないようにしたり、目地部の間にU字形に設けた平板状弾性体の上に高分子発泡体を充填するようにした目地部の止水部材が知られている(例えば、特許文献1)。
また、近年は、道路の走行方向に沿う方向に隣り合う地覆と地覆との間の目地部を挟む状態に、該目地部を挟む状態に地覆上にプライマー層を形成し、このプライマー層上に目地部を跨いで支持テープを貼り付け、支持テープの上に防水材層を形成し、さらにその上に二液反応硬化型変性アクリルウレタン樹脂系ハルスハイブリット塗料を用いた保護材層を形成した防水構造も知られている(例えば、特許文献2)。
特開昭53−018228号公報 特開2014−080854号公報
しかしながら、上記した特許文献1に記載されている目地部の止水部材では、互いに隣接する構造体と構造体の間に板状の弾性部材をU字形にして形成しているので、目地部を通過する雨水は、目地部の止水部材が設置されている位置に溜まり、目地部の止水部材の外部には排出されないという問題がある。また、特許文献1に記載されている目地部の止水部材では、弾性部材が配置されている箇所で溜まった雨水がコンクリートの内部に浸入し、コンクリート及びこのコンクリートの内部に配置されている鉄筋を脆くしてしまうといった問題があった。
また、特許文献2に記載された防水構造では、上記した特許文献1に記載されている目地部の止水部材が有する問題は解消することができた。しかし、特許文献2に記載されている防水構造では、大量の雨水がコンクリート構造物の上を流れている場合、支持テープの上に雨水が貯まるおそれがある。特に、支持テープは目地部を塞ぐように配置されており、目地部は所定の隙間として形成されているから、目地部が形成されている箇所では、支持テープを下方向から支える部材が存在しない。そのため、上記したように大量の雨水が支持テープ上を流れると、雨水の重みや橋梁自体の動きによって目地部の上に位置する箇所が凹み、その部分に雨水が貯まるおそれがある。この場合、保護材層を施工した直後に雨水が貯まると、その雨水による水分でウレタン反応が阻害され、それによって保護材層が硬くなる等のような、保護材層が本来有するべき物性が得られなくなるおそれもある。
本発明に係るコンクリート構造物における目地部の止水構造は、上記した問題点に鑑みてなされたものであり、確実に構造体同士を緩衝しつつ、かつ目地部から雨水が流れ落ちるのを確実に防止するコンクリート構造物における目地部の止水構造を提供することを目的とする。
また、本発明に係るコンクリート構造物における目地部の止水方法は、より短時間で効率的に目地部の止水構造を形成することのできる方法を提供することを目的とする。
本発明に係るコンクリート構造物における目地部の止水構造は、
(1)表面を有する複数の構造体から構成されており、これら前記複数の構造体相互の間に遊間が形成された目地部を有するコンクリート構造物における目地部の止水構造であって、前記目地部の幅よりも大きな幅を有しており、前記目地部を塞いだ状態で前記複数の構造体の表面上に配置される板状部材と、前記板状部材の幅よりも大きな幅を有するとともに、幅方向端部は前記表面と接着し、前記幅方向端部の間に形成された中央部は前記板状部材と接着した状態で前記板状部材の表面に配置されるテープ状部材と、前記テープ状部材の幅方向端部に該テープ状部材の長手方向に沿って前記表面上に積層されているアンダーコート層と、前記テープ状部材及び前記アンダーコート層の表面に積層されているミドルコート層と、前記ミドルコート層と一体化した状態で、前記ミドルコート層の表面に積層されているトップコート層とを備えたことを特徴とするコンクリート構造物における目地部の止水構造、
(2)複数の構造体の表面が平滑面である上記(1)記載のコンクリート構造物における目地部の止水構造、
(3)テープ状部材が表面に接着される面積は、板状部材が前記表面と対向する面積よりも大きい上記(1)又は(2)記載のコンクリート構造物における目地部の止水構造、
(4)アンダーコート層が表面に積層される面積は、板状部材が前記表面と対向する面積よりも大きい上記(1)から(3)のいずれかに記載のコンクリート構造物における目地部の止水構造を要旨とする。
また、本発明に係るコンクリート構造物の目地部の止水方法は、
(5)表面を有する複数の構造体から構成されており、これら前記複数の構造体相互の間に遊間が形成された目地部を有するコンクリート構造物における目地部の止水方法であって、板状部材の幅方向一端側の端部が前記複数の構造体のいずれか一方の表面と対向し、前記板状部材の幅方向他端側の端部が前記複数の構造体のいずれか他方の表面と対向するようにして、前記目地部を塞ぐように前記板状部材を前記複数の構造体の表面上に設置する第1の工程と、テープ状部材の幅方向一端側の端部が前記複数の構造体のいずれか一方の表面と接着し、前記テープ状部材の幅方向他端側の端部が前記複数の構造体のいずれか他方の表面と接着し、さらに前記テープ状部材の中央部が前記板状部材の表面と接着するようにして、前記板状部材を固定するように前記テープ状部材を設置する第2の工程と、前記テープ状部材の幅方向端部の長手方向に沿うように、前記複数の構造体の表面にアンダーコート層を形成する第3の工程と、前記アンダーコート層及び前記テープ状部材の表面にミドルコート層を積層させる第4の工程と、前記ミドルコート層の表面にトップコート層を積層し、前記ミドルコート層と一体化させる第5の工程とを備えたことを特徴とするコンクリート構造物における目地部の止水方法、
(6)複数の構造体は、表面を平滑化した平滑面である上記(5)記載のコンクリート構造物における目地部の止水方法を要旨とする。
本発明に係るコンクリート構造物における目地部の止水構造によれば、互いに隣接する複数の構造体の間に高さ方向や幅方向の変位が生じた場合であっても、テープ状部材、アンダーコート層、ミドルコート層及びトップコート層がこのような構造体同士の変位に対する緩衝体として機能する。したがって、構造体同士が変位したとしても、これら構造体同士が互いに接触したり、または破損を生じたりすることを防止できる。また、本発明に係るコンクリート構造物における目地部の止水構造によれば、テープ状部材及びアンダーコート層が構造体の表面において強固に接着されており、さらにアンダーコート層にはミドルコート層が強固に接着され、加えてミドルコート層にはトップコート層が強固に接着されているので、止水性能を大きく向上させることができ、構造体の変位による雨水の目地部への浸入を確実に防止することができる。
また、本発明に係るコンクリート構造物における目地部の止水方法によれば、より効率的に止水構造を形成することができるとともに、塗料を用いてアンダーコート層、ミドルコート層及びトップコート層を形成するので、非常に安価に止水構造を形成することができる。
本発明に係る目地部の止水構造を有するコンクリート構造物としての高速道路の高架橋の構成を説明するための説明図である。 高速道路の高架橋の構成を説明するための説明図である。 本発明に係るコンクリート構造物における目地部の止水構造としての第3地覆部における目地部の止水構造の構成を説明するための説明図である。
本発明に係るコンクリート構造物における目地部の止水構造(以下、単に「止水構造」と言う。)の構成について詳細に説明する。なお、本発明におけるコンクリート構造物は、例えば高速道路や一般道路の高架橋、軌道式鉄道の高架橋、跨線橋、用水路の高架橋などが該当するがこれに限定されるものではない。また、本明細書では、本発明に係るコンクリート構造物の一つの例として高速道路の高架橋を用いた例を示しているが、これに限定されるものではない。また、本明細書では、本発明に係るコンクリート構造物における目地部の止水構造の例として、後述する第3地覆部における目地部の止水構造を用いて説明しているが、これに限定されるものではない。例えば、後述する第1高欄部、第2高欄部や第1地覆部、第2地覆部に用いてもよいし、これら以外の他の部分に本発明に係る止水構造を適用してもよい。
次に、本発明に係るコンクリート構造物102の一つの例として挙げた、高速道路の高架橋101の構成を図1及び図2に基づいて説明する。なお、図1及び図2では本発明に係る止水構造1の構成は省略して説明している。図1に示す高架橋101は、本発明の本実施の形態に係るコンクリート構造物102、支承103及び橋桁104を備えている。橋桁104は、地面から上方に向けて立設されている柱状の構造物であり、高速道路が延伸する方向に沿うように所定間隔を開けて複数基が立設されている。この橋桁104は、本実施の形態では地面から一本の柱部が立設し、上部が道路の幅方向に延びるT字形に形成されているが、これ以外の形状であってもよい。
支承103は、橋桁104の上部に設置されている部材である。この支承103は、橋桁104と構造体の間に位置するように配置されており、該支承103の上に位置する構造体の撓みや動きが橋桁104に伝達されないように吸収したりするためのものである。なお、この支承103は従来から公知のものを任意に用いてよく、支承103に用いられる材料も従来から公知のものを任意に選択して適宜用いてよい。
コンクリート構造物102は、第1構造体105及び第2構造体106を備えている。これら第1構造体105及び第2構造体106は互いに隣接するようにして配置されている。例えば、第1構造体105は高速道路における下り線で、第2構造体106は高速道路における上り線として形成されている。これら第1構造体105及び第2構造体106は、遊間としての所定間隔の隙間(本実施の形態では例えば20mm)が空くように配置されている。この遊間を有する箇所が目地部となっている。なお、この目地部4における隙間の量は上記したものに限定されず、任意に設定してよい。
図1及び図2に示すように、第1構造体105は、第1高欄部107、第1地覆部108及び第1基部109を備えており、第2構造体106は第2高欄部110、第2地覆部111及び第2基部112を備えている。第1高欄部107は、第1構造体105の外側、言い換えれば第2構造体106と対向する側との反対側に位置するように配置されており、第1基部109に対して立設するように形成されている。第1地覆部108は、第1高欄部107の下端側に設けられており、自動車が通過する第1路面113に対して所定高さだけ高い位置となるように形成されている。第1基部109は、第1構造体105において第2構造体106に近接して該第2構造体106と対向する側に設けられている。この第1基部109も、第1路面113に対して所定高さだけ高くなり、上方向に突出するように形成されている。
第2高欄部110は、第2構造体106の外側、言い換えれば第1構造体105と対向する側との反対側に位置するように配置されており、第2基部112から立設するように形成されている。第2地覆部111は、第2高欄部110の下端側に設けられており、自動車が通過する第2路面114に対して所定高さだけ高い位置となるように形成されている。第2基部112は、第2構造体106において第1構造体105に近接して該第1構造体105と対向する側に設けられている。この第2基部112も、第2路面114に対して所定高さだけ高くなり、上方向に突出するように形成されている。なお、この第2基部112の突出高さは、第1基部109と同じ突出高さであることが好ましい。
これら第1基部109及び第2基部112が形成されている箇所は、高速道路においては中央分離帯として形成されている。本実施の形態では、この第1基部109及び第2基部112、並びに上記した第1基部109と第2基部112との間に形成されている目地部4を含めて第3地覆部115という。つまり、第3地覆部115は、第1基部109、第2基部112から構成されており、これら第1基部109及び第2基部112の間に目地部が形成されている。
次に、本発明に係るコンクリート構造物102における目地部4の止水構造1について図3に基いて説明する。なお、本明細書では、目地部4の止水構造1の例として第3地覆部115に形成されている目地部4に適用するものを例に挙げて説明するが、これに限定するものではない。例えば、所定間隔をあけて形成される高欄部と高欄部との間に形成される目地部や、第1地覆部108や第2地覆部111等に形成される目地部に対しても本発明に係る止水構造1は適用することができる。
[目地部4の構成]
図3に示すように、止水構造1は、第1基部109と第2基部112との相互の間に形成されている目地部4を塞ぐように形成されている。この目地部4は、互いに隣接する第1構造体105の端部と第2構造体106の端部との継ぎ目となっている。
目地部4は、上記した通り、互いに隣接する第1構造体105及び第2構造体106の端部同士、即ち第1基部109と第2基部112とが接触しない程度の幅を有していればよく、本実施の形態では、20mmから60mm、より好ましくは40mmの幅を有する隙間であることが好ましい。また、目地部4にはハンチ5が形成されている(説明の便宜上、図1では目地部4の上端部に形成されているハンチ5のみを記載する)。このハンチ5は、図1に示すように第1基部109及び第2基部112の中央寄りの所定箇所から上端部に向けて順次幅が広がるテーパ状に、面取りをしたように形成されており、構造体3の端部に生じるせん断力や曲げモーメントを小さくすることができるように形成されている。ハンチ5は、本実施の形態では、上端部における目地部4の間隔が最大で100mmであることが好ましい。
[板状部材6の構成]
次に、本実施の形態に係る止水構造1は、板状部材6が目地部4を塞ぐように配置されている。即ち、図1に示すように、目地部4は互いに隣接する構造体3同士の間に形成されており、この目地部4は図1に示す前後方向、言い換えれば奥行き方向に向けて連続的に形成されている。板状部材6は、この目地部4が延びる長手方向に沿って配置されており、目地部4を塞いでいる。この板状部材6は、目地部4を覆うことができればよく、その材質は例えばコンクリート製のものや金属製のものであってもよいし、又は樹脂製のものであってもよいし、これら以外のものであってもよい。特に、これらの材質のものの中ではコストを低く抑える観点から樹脂製のものであることが好ましく、樹脂製のものの中ではポリプロピレン板(PP板)を用いることが好ましい。また、板状部材6の幅は、目地部4のハンチ5の幅よりも大きく形成されていればよいが、より好ましくはハンチ5の幅よりも片側10mmから30mmずつ幅広に形成されていることが好ましく、さらに好ましくはハンチ5の幅よりも20mmずつ幅広に形成されていることがより好ましい。このように、ハンチ5の幅よりも上記した範囲内で幅広に形成することによって、ハンチ5、即ち目地部4に雨水などを浸入させにくくすることができ、より止水性能を向上させることができる。また、板状部材6は、厚さが3から5mmのものを用いることが好ましい。
[テープ状部材7の構成]
テープ状部材7は、板状部材6の表面側から該板状部材6を覆うように貼られている。このテープ状部材7は基材8と粘着層9とが積層されたテープ部材である。基材8は、クロロプレンゴムを用いており、耐候性、耐水性及び耐寒性に優れているものが用いられている。また、クロロプレンゴムはゴム弾性にも優れており、構造体3同士の撓みや振動に伴って伸縮しやすい材料でもある。粘着層9には例えばブチルゴムが用いられている。
テープ状部材7は、幅が板状部材6よりも幅広に形成されていることが好ましい。即ち、テープ状部材7は、板状部材6を該板状部材6の表面側から固定するとともに止水構造1における止水性能をより向上させるためのものであるから、板状部材6の幅よりも大きい幅を有していて、かつ板状部材6を表面側から全体的に覆うように積層させられるものであることが好ましい。つまり、テープ状部材7は、中央部は板状部材6の表面と積層するように貼り付けられ、幅方向の両端部は構造体3の表面に対して直接貼り付けられた状態で積層されるように構成されている。具体的には、板状部材6の幅に対して幅方向両端がそれぞれ30mmから50mm大きくなるように形成されていることが好ましく、より好ましくは板状部材6の幅に対して幅方向に両端がそれぞれ40mm大きくなるように形成されていることが好ましい。例えば、本実施の形態では、板状部材6の幅寸法が140mmである場合には片側30mmずつ幅寸法が大きくなるように形成され、幅寸法が200mmとなるように形成されることがより好ましい。また、テープ状部材7は、第1表面109a及び第2表面112aのそれぞれに接着される面積と板状部材6の両端部のそれぞれが第1表面109a及び第2表面112aのそれぞれと対向する面積とを比較した場合に、板状部材6の両端部のそれぞれが第1表面109a及び第2表面112aのそれぞれと対向する面積よりも大きいことが好ましい。このような面積を持ってテープ状部材7を接着することにより、第1基部109及び第2基部112とテープ状部材7とをより強固に接着させることができ、それによりテープ状部材7により板状部材6をより強固に所定位置に固定することが可能になる。また、このように接着することで、第1基部109及び/又は第2基部112が相対的に変位した時などに剥離することなく該変位に追随させることが可能になる。
[アンダーコート層10の構成]
アンダーコート層10は、テープ状部材7の幅方向両側に位置するように配置されている。このアンダーコート層10は、ポリマーセメント系下地調整材料により形成されており、構造体3の表面と接着し易くするとともに、後述するミドルコート層12との接着性も向上させることができるように形成されている。このアンダーコート層10は粉体に液体を混合して形成した分散液を樹脂液として用いて、この樹脂液をテープ状部材7の長手方向側方に沿って所定幅を有するようにしながら構造体3の表面上に塗布されることによって形成される。アンダーコート層10は、塗布した後に60分程度経過すると硬化するものが用いられている。
このアンダーコート層10は、構造体3の表面に塗料を直接塗布し、さらにその塗布した塗料を乾燥させて硬化させることで形成される。そのため、構造体3の表面に凹凸があって、アンダーコート層10と構造体3の表面とが十分な接着強度をもって積層されない場合がある。この場合には、アンダーコート層10を形成する塗料を構造体3に対して直接塗布する前に、不陸調整を行い平滑面11を形成することが好ましい。不陸調整とは、構造体3の表面にポリマーセメント系の下地調整剤を用いて行い、構造体3の表面を平滑化させる処理のことを意味している。なお、この場合には、不陸調整により表面を平滑化した後にアンダーコート層10を形成することが好ましい。このように、不陸調整により表面を平滑化した後にアンダーコート層10を形成することによって、構造体3の表面とアンダーコート層10との接着を点接着から面接着にすることができ、構造体3に対してより強固にアンダーコート層10を接着することができる。構造体3の表面を不陸調整する際に用いる下地調整材は、アンダーコート層10を形成するのに用いる塗料と同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。また、アンダーコート層10は、テープ状部材7とは接着されていてもよいし、接着されていなくてもよい。また、アンダーコート層10は、第1表面109a及び第2表面112aのそれぞれに接着される面積と板状部材6の両端部のそれぞれが第1表面109a及び第2表面112aのそれぞれと対向する面積とを比較した場合に、板状部材6の両端部のそれぞれが第1表面109a及び第2表面112aのそれぞれと対向する面積よりも大きいことが好ましい。このような面積を持ってアンダーコート層10を積層することにより、第1基部109及び第2基部112に対してアンダーコート層10をより強固に接着させることができ、第1基部109及び/又は第2基部112が相対的に変位した時などに剥離することなく該変位に追随させることが可能になる。
[ミドルコート層12の構成]
ミドルコート層12は、アンダーコート層10及びテープ状部材7の表面側に積層されるように形成されている。このミドルコート層12は、ポリウレア樹脂系塗料を用いて形成されており、複数種類の素材を混合させることにより形成された塗料を用いる。このミドルコート層12は、テープ状部材7及びアンダーコート層10と強固に接着固定することができるとともに、第1構造体105と第2構造体106との間における緩衝体としての効果、即ち第1構造体105と第2構造体106同士の間において生じる揺れや振動に伴う第1構造体105と第2構造体106同士の位置ズレを吸収することができるように構成されている。このミドルコート層12は、上記したシール状部材とともに、より具体的にはシール状部材の表面側に積層されることによって、止水性能をより大きく向上させることができ、目地部4への雨水の流入をより効果的に防止することができる。また、このミドルコート層12に用いられる塗料は塗布してから硬化するまでの時間を大幅に短縮することができるものであり、止水構造1を形成する際における施工時間を大幅に短縮し、効率的に施工させることができる。
[トップコート層13の構成]
トップコート層13は、ミドルコート層12の表面側に積層されるように形成されている。このトップコート層13は、アクリルウレタン樹脂系の塗料を用いており、ミドルコート層12を形成する際に用いる塗料に比べて、塗料中における溶媒の量が少ない塗料を用いて形成されている。このように溶媒の量が少ない塗料を用いることで、塗布後の乾燥を迅速に行うことができるようになるとともに、乾燥して塗料が硬化する際におけるボリュームの減少を抑えることもできる。
このトップコート層13は、主剤と硬化剤とを所定の配合量で混合させたものを塗料として用いており、耐候性及びゴム弾性のいずれをも有する塗料として構成されている。また、トップコート層に用いられる塗料は溶媒の量が少ないものであるため、所定の膜厚を得るために必要な塗料の量を少なくすることができる。これは、溶媒の多い塗料の場合には、塗布してから硬化するまでの間に揮発する溶媒の量が多いため、硬化後にトップコート層13として残存する塗料の量が低減されているのに対し、本実施の形態のトップコート層13に用いる塗料は溶媒の量が少ないので硬化後に残存する塗料の量が多いことによる。
また、トップコート層13となる塗料をミドルコート層12の表面に塗布することにより、トップコート層13とミドルコート層12とが互いに強固に接着し合うため、ミドルコート層12の変位に対してトップコート層13がその変位に対して反対向きの力を付与するような、抵抗力を作用させる部材としての機能を有するように構成されている。
また、トップコート層13は、耐候性にも優れており、紫外線や雨水等による劣化を効果的に防止することができるように形成されている。したがって、トップコート層13を設けることによって、その下のミドルコート層12やテープ状部材7、アンダーコート層10に対する紫外線の影響など、各層が劣化することを防止することができる。
[本発明に係る止水構造1におけるブリッジ構成]
上記した通り、本発明に係る止水構造1は、目地部4の開口を覆うように配置された板状部材6と、この板状部材6を覆うとともに該板状部材6を固定するテープ状部材7、このテープ状部材7の長手方向に沿うように、該テープ状部材7の側方に設けられたアンダーコート層10、テープ状部材7及びアンダーコート層10の表面に積層されたミドルコート層12及びこのミドルコート層12の表面に積層されたトップコート層13から構成されている。このように各層を構成することで、まず板状部材6の周囲を覆って該板状部材6を固定するテープ状部材7が一つ目のブリッジ構造14をなすように構成されている。
また、この一つ目のブリッジ構造14に加えて、アンダーコート層10、ミドルコート層12及びトップコート層13のそれぞれが接着されて一体化されていることにより、これらアンダーコート層10、ミドルコート層12及びトップコート層13が一つ目のブリッジ構造14の周囲を覆うように形成された二つ目のブリッジ構造15として形成されている。
これら一つ目のブリッジ構造14及び二つ目のブリッジ構造15を形成することで、これら二つのブリッジ構造が接続する構造体同士の間で撓みや揺れが生じた際、一つ目のブリッジ構造14と二つ目のブリッジ構造15との二つのブリッジ構造がこれら構造体の緩衝体として機能させることができるように構成されている。即ち、本実施の形態に係る止水構造1では、一つ目のブリッジ構造14によって板状部材6の位置ズレを防止するとともに雨水が目地部4に浸入することを防止するための止水性能を大きく向上させることができ、二つ目のブリッジ構造15によって一つ目のブリッジ構造14よりも強い吸収力によって構造体同士の変位、即ち構造体の動きをより効果的に防止することができる。また、仮に構造体同士が大きく動いたとしても、二つ目のブリッジ構造15があることによって緩衝体として機能し、その大きな動きを止める方向に力を作用させることができるように構成されている。
また、図3に示すように、本実施の形態に係る止水構造1は、板状部材6の板厚よりもテープ状部材7の厚さが薄くなるように形成されており、テープ状部材7の上に積層されるミドルコート層12及びトップコート層13においても段差部16が形成されている。
[止水構造1の作用効果]
次に、本発明に係る止水構造1の作用効果について説明する。まず、図1に示す止水構造1を有する場合において、第1構造体105と第2構造体106が変位した時の作用効果について説明し、その後に例えば雨が降った場合における作用効果を説明する。
まず、一つ目の作用効果について説明する。この場合、例えば第1構造体1053に撓みが生じた場合には、例えば第1構造体105が第2構造体106に対して上下方向に変位したり、左右方向に変位したりする。この場合、第1構造体105と第2構造体106との高さ位置や距離が変化するものの、その変化はテープ状部材7により形成されている一つ目のブリッジ構造14と、アンダーコート層10、ミドルコート層12及びトップコート層13により形成されている二つ目のブリッジ構造15とによってその高さ位置や距離の変化を吸収することができる。即ち、上記したように第1構造体105と第2構造体106との高さ位置や距離が変化した場合であっても、一つ目のブリッジ構造14及び二つ目のブリッジ構造15が弾性変形するので、その弾性変形によって第1構造体105と第2構造体106との間における高さ位置や距離の変化を吸収することができ、緩衝体としての作用効果を奏する。
次に、二つ目の作用効果について説明する。第1構造体105と第2構造体106との間に変位が生じた場合の止水性能についても、テープ状部材7が第1構造体105と第2構造体106と接着して止水性能を維持し、さらにアンダーコート層10が第1構造体105と第2構造体106と強固に接着して止水性能を維持している。即ち、一つ目のブリッジ構造14と二つ目のブリッジ構造15とによって、雨水の浸入を確実に防止することができる。したがって、本発明に係る止水構造1によれば、第1構造体105と第2構造体106とが変位せずにいる場合のみならず、第1構造体105と第2構造体106とが変位した場合であっても、目地部4への雨水の浸入を確実に防止することができ、かつ紫外線にも強い止水構造1を形成することができるので、長期間に亘って初期の止水性能を維持することのできる止水構造1を形成することもできる。
次に、三つ目の作用効果について説明する。この止水構造1は、上記した通りトップコート層13に段差部16が形成されており凸状に形成されている。そのため、雨水等のような水が止水構造1の表面に流れてきても、段差部16によって外側に流れ落ちやすくすることができ、止水構造1の表面に水が溜まりにくくすることができる。
[コンクリート構造物102における目地部4の止水方法]
次に、本発明に係るコンクリート構造物102における目地部4の止水方法(以下、単に「止水方法」と言う。)について説明する。
まず、本発明に係る止水方法により止水構造1を形成する前に、すでに何らかの止水構造がある場合には、その止水構造を撤去する。この止水構造の撤去は、例えば既に設置されている止水構造に用いられていた所定の板状部材やシーリング材をはじめとする各種の部材等を撤去する。その後、各種の部材等を撤去した箇所のコンクリートの状態を確認し、コンクリートが脆くなっていて弱いところ(ケレン)を補修し、次回の止水構造を形成した後も所定の止水性能を維持できるようにする。
次に、第1構造体105の第1表面109aや第2構造体106の第2表面112aが粗い場合、即ち第1表面109a及び第2表面112aの凹凸が大きい時は不陸調整を行い、これら第1表面109a及び第2表面112aを平滑化処理して平滑面にする。この不陸調整には、ポリマーセメント系下地調整材を用いて行うことが好ましい。ポリマーセメント系下地調整材は、例えばゴムベラ等によって構造体3の表面に対して平滑に塗り付けられる。そして、このポリマーセメント系下地調整材を塗り付けることによって第1表面109a及び第2表面112aに形成されている凹凸のうちの凹部が埋められて平滑面を形成することができる。これにより、後述するアンダーコート層10を積層した時に、構造体3の表面とアンダーコート層10の裏面とを点接触から面接触にして、構造体3に対するアンダーコート層10の接着強度をより向上させることができる。
次に、第1構造体105と第2構造体106との間に形成されている目地部4から所定間隔をあけた位置において、その位置よりも外側に位置する所定の領域に対して養生を行う。この養生は、止水構造1を形成する箇所以外の箇所に後述する塗料などの使用材料が飛び散ったりはみ出たりすることを防止することができる。養生を行う場合には、予め決められた所定の範囲にポリエチレン等からなるシート状の部材を広げて覆うことで行うが、特にこれに限定されるものではなく、従来から知られている任意の方法で行ってよい。
次に、目地部4の開口部を覆うように、構造体3の基部2と構造体3の基部2との間に、目地部4の幅よりも大きな幅を有する板状部材6を目地部4の長手方向に沿って配置して目地部4を塞ぐ(第1の工程)。即ち、第1の工程では、板状部材の幅方向一端側の端部が第1構造体105の第1表面109aと対向し、板状部材の幅方向他端側の端部が第2構造体106の第2表面112aと対向するようにして、目地部4を塞ぐように板状部材を第1構造体105の第1表面109a上及び第2構造体106の第2表面112a上に設置する。このように、板状部材6を用いて目地部4を塞ぐことによって、目地部4に雨水が流入することを防ぐことができ、また車両が通過するなどの各種要因によって構造体3が動くことによって構造体3同士の間隔や高さ位置に変位が生じた場合、この板状部材6を設置しておくことによって、後述するテープ状部材7やアンダーコート層10などを介して構造体3同士が接着される以外の箇所、即ち構造体3同士が自由に動くことのできる箇所を形成することができる。これにより、構造体3同士の間で変位が生じた場合に、構造体3に対してストレスを与えることなく動作させることができる。
なお、この第1の工程で使用される板状部材6は、上記した通り材質は問わないが、設置のしやすさや材料のコストの観点から、PP板を用いることが好ましい。また、この目地部4を塞ぐ際にPP板のような板状部材6を用いることで、雨水が貯まった場合に目地部4の上に位置する箇所が雨水の重みによって凹んだりすることを防止できるとともに、加水分解を起こして劣化することなども防止することができる。そのため、止水構造1の耐久性をも大きく向上させることができ、長期間に亘って設置当初の止水性能を維持することもできる。
次に、板状部材6の表面から、該板状部材6の幅よりも大きな幅を有するテープ状部材7を積層する(第2の工程)。即ち、第2の工程では、テープ状部材の幅方向一端側の端部が第1構造体105の第1表面109aと接着し、テープ状部材の幅方向他端側の端部が第2構造体106の第2表面112aと接着し、さらにテープ状部材の中央部が板状部材の表面と接着するようにして、板状部材を固定するようにテープ状部材を設置する。上記した通り、テープ状部材7は、フィルム基材8と粘着層9が積層された2層構造となっており、粘着層9が積層されている面が構造体3の表面と対向するように、即ち構造体3の表面に対して粘着層9が積層されてテープ状部材7が構造体3に対して接着されるように積層される。
この時、テープ状部材7の幅は板状部材6の幅よりも大きくなるように形成されているので、テープ状部材7で板状部材6を覆うと、この板状部材6を全体的に覆いながら粘着層9によって板状部材6とテープ状部材7とが接着され、該テープ状部材7の幅方向端部が構造体3に対して接着される。そのため、テープ状部材7を構造体3に対して積層することで、目地部4に雨水が浸入しないようにシールをすることができる。即ち、このテープ状部材7を積層することにより、止水構造1のシール性能や止水性能を大きく向上させることができ、確実に目地部4への雨水の浸入及び雨水の漏れを防止することができる。
次に、テープ状部材7の幅方向側部に対して、所定の幅を有するように、構造体3の基部2の表面にアンダーコート層10を形成する(第3の工程)。即ち、第3の工程では、テープ状部材の幅方向端部の長手方向に沿うように、複数の構造体の表面にアンダーコート層を形成する。このアンダーコート層10は、上記したポリマー系下地調整材を用いた塗料を構造体3の表面に塗布することで形成される。ここで、上記した通り、特に構造体3の表面に不陸調整が行われている場合には、アンダーコート層10との接着が点接着から面接着にすることができるので、アンダーコート層10と構造体3との接着強度をより大きくすることができる。また、このように接着させることによって止水性能もより向上させることができる。
次に、テープ状部材7の表面とアンダーコート層10の表面とにミドルコート層12を形成し、少なくともミドルコート層12とアンダーコート層10とを一体化させる(第4の工程)。即ち、第4の工程では、アンダーコート層及びテープ状部材の表面にミドルコート層を積層する。ミドルコート層12はポリウレア樹脂を主成分とする樹脂成分を含み、効果が早く柔軟性と防水性に優れた強靭な塗膜物性を有する塗料を塗布することによって形成される。また、このようにミドルコート層12を形成することで、少なくともミドルコート層12とアンダーコート層10とが接着されて一体化される。これらミドルコート層12とアンダーコート層10とが接着一体化すると、二つの構造体3の間に、アンダーコート層10とミドルコート層12とによって二つ目のブリッジが形成される。この二つ目のブリッジが形成されることによって、二つの構造体3の間で変位が生じた場合に、その変位による動きを緩衝することができるようになる。また、ミドルコート層12に用いられる塗料は、溶媒の少ないものを使用するので、塗布してから短時間(60分)で乾燥するため、非常に作業を効率的に進めることもできる。
次に、ミドルコート層12の表面にトップコート層13を形成して、ミドルコート層12とトップコート層13とを一体化させる(第5の工程)。トップコート層13は、2液常温硬化型ウレタン樹脂系自己修復塗料をミドルコート層12の表面に塗布することによって形成される。このトップコート層13は、裏面が全体的にミドルコート層12と接着して積層される。また、トップコート層13に用いられる塗料は、耐候性とゴム弾性の両方を有するものであるとともに、非常に作業を効率的に進めることができる。さらに、このトップコート層13を設けることにより、二つ目のブリッジ構造15がより強固に形成されることになる。そのため、より構造体3同士が互いに変位した時における緩衝をより効果的に行うことが可能になる。
[止水方法の作用効果]
このように、本発明に係る止水方法では、上記した工程を経ることで目地部4への雨水の浸入を確実に防止することのできる止水構造1を得ることができるので、非常に簡略化した工程で止水構造1を形成することができる。そのため、作業効率を大きく向上させることができるとともに、作業コストも低減することができる。また、本発明に係る止水方法で得られた止水構造1はトップコート層13が耐候性を有するので、長期間に亘って止水効果を得られる止水構造1を得ることもできる。
以上、本発明に係る止水構造及び止水方法について説明したが、上記したのは本発明に係る止水構造及び止水方法に関する一つの例を示したに過ぎず、上記したもので限定されることはない。したがって、本発明は、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において適宜変更してもよい。
1 止水構造
4 目地部
5 ハンチ
6 板状部材
7 テープ状部材
8 基材
9 粘着層
10 アンダーコート層
11 調整面
12 ミドルコート層
13 トップコート層
14 一つ目のブリッジ構造
15 二つ目のブリッジ構造
16 段差部
102 コンクリート構造物
105 第1構造体
106 第2構造体
108 第1地覆部
109 第1基部
109a 第1表面
111 第2地覆部
112 第2基部
112a 第2表面
115 第3地覆部

Claims (6)

  1. 表面を有する複数の構造体から構成されており、これら前記複数の構造体相互の間に遊間が形成された目地部を有するコンクリート構造物における目地部の止水構造であって、
    前記目地部の幅よりも大きな幅を有しており、前記目地部を塞いだ状態で前記複数の構造体の表面上に配置される板状部材と、
    前記板状部材の幅よりも大きな幅を有するとともに、幅方向端部は前記表面と接着し、前記幅方向端部の間に形成された中央部は前記板状部材と接着した状態で前記板状部材の表面に配置されるテープ状部材と、
    前記テープ状部材の幅方向端部に該テープ状部材の長手方向に沿って前記表面上に積層されているアンダーコート層と、
    前記テープ状部材及び前記アンダーコート層の表面に積層されているミドルコート層と、
    前記ミドルコート層と一体化した状態で、前記ミドルコート層の表面に積層されているトップコート層とを備えたことを特徴とするコンクリート構造物における目地部の止水構造。
  2. 複数の構造体の表面が平滑面である請求項1記載のコンクリート構造物における目地部の止水構造。
  3. テープ状部材が表面に接着される面積は、板状部材が前記表面と対向する面積よりも大きい請求項1又は2記載のコンクリート構造物における目地部の止水構造。
  4. アンダーコート層が表面に積層される面積は、板状部材が前記表面と対向する面積よりも大きい請求項1から3のいずれかに記載のコンクリート構造物における目地部の止水構造。
  5. 表面を有する複数の構造体から構成されており、これら前記複数の構造体相互の間に遊間が形成された目地部を有するコンクリート構造物における目地部の止水方法であって、
    板状部材の幅方向一端側の端部が前記複数の構造体のいずれか一方の表面と対向し、前記板状部材の幅方向他端側の端部が前記複数の構造体のいずれか他方の表面と対向するようにして、前記目地部を塞ぐように前記板状部材を前記複数の構造体の表面上に設置する第1の工程と、
    テープ状部材の幅方向一端側の端部が前記複数の構造体のいずれか一方の表面と接着し、前記テープ状部材の幅方向他端側の端部が前記複数の構造体のいずれか他方の表面と接着し、さらに前記テープ状部材の中央部が前記板状部材の表面と接着するようにして、前記板状部材を固定するように前記テープ状部材を設置する第2の工程と、
    前記テープ状部材の幅方向端部の長手方向に沿うように、前記複数の構造体の表面にアンダーコート層を形成する第3の工程と、
    前記アンダーコート層及び前記テープ状部材の表面にミドルコート層を積層させる第4の工程と、
    前記ミドルコート層の表面にトップコート層を積層し、前記ミドルコート層と一体化させる第5の工程とを備えたことを特徴とするコンクリート構造物における目地部の止水方法。
  6. 複数の構造体は、表面を平滑化した平滑面である請求項5記載のコンクリート構造物における目地部の止水方法。
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