JP2009007790A - Mma樹脂モルタルを敷設した橋梁複合鋼床版 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複合鋼床版12と、躯体の上面に設置される主桁13と、この主桁13を横方向から支持固定する横桁14と、前記複合鋼床版12の左・右端に備えた鉄筋コンクリート製の高欄15、15とで構成される。
前記複合鋼床版12はデッキプレート12Aと、このデッキプレート12Aの下側に固定した縦リブ等で形成した補剛材12Bとを構成している。該デッキプレート12Aの上側にMMA樹脂モルタル17を敷設し、さらに該MMA樹脂モルタル17の上面にアスファルト18で舗装している。
【選択図】図1
Description
鋼製床版6は、鋼板製のデッキプレート6aと、このデッキプレート6aの下面に橋軸方向へ延びるように配設され且つ橋軸と直交する幅方向に所定間隔おきに配設されてデッキプレート6aに溶接されデッキプレート6aと閉断面を形成する逆台形状の複数の補剛材6bとで構成されている。鋼製床版6の上面にはゴムラテックスモルタル層7、アスファルト層8、コンクリート層9を形成する。車道部Aにおいては、デッキプレート6aの上面にゴムラテックスモルタル層7が形成されてデッキプレート6aに一体的に固着され、このゴムラテックスモルタル層7の上面に通常の透水性のアスファルト層8が打設されてゴムラテックスモルタル層7と一体的に固着されている。歩道部Bにおいては、デッキプレート6aの上面にゴムラテックスモルタル層7が形成されてデッキプレート6aと一体的に固着され、このゴムラテックスモルタル層7の上に均しコンクリート層9が打設されてゴムラテックスモルタル層7と一体的に固着され、この均しコンクリート層9の上面にはアスファルト層8が打設されて均しコンクリート層9と一体的に固着されている。
上述した特開2006−09353公開特許公報に開示した従来の技術に於ける構成によれば、高架高速道路の橋桁1に於いて、車道部Aでは、鋼製床版6のデッキプレート6aの上面にゴムラテックスモルタル層7が形成され、該デッキプレート6aに一体的に固着されさらにこのゴムラテックスモルタル層7の上面に通常の透水性のアスファルト層8が打設され該ゴムラテックスモルタル層7と一体的に固着されている。そして、この場合、アスファルト層8やコンクリート舗装のたわみ分布(図示せず)を試算したところ、アスファルト層8がデッキプレート6aと補剛材6bを含む鋼製床版6の全体剛性への関与が比較的小さい夏季に於いてはたわみが最大値で約1.4mm程度であり、冬季がその約49%程度となりたわみが大きい事が判明した。
そして、この際、リブ、すなわち補剛材6bに加わる最大引張応力は約214N/mm2で、その圧縮応力は約216kN/mm2であった。応力分布(図示せず)によれば補剛材6b間の中央で引張りと圧縮が逆転し該デッキプレート6aは板作用として輪荷重に抵抗する。しかしながら、前記したデッキプレート6aや補剛材(リブ)6bに引張り力と圧縮力が繰り返し作用するので、該デッキプレート6aや補剛材6bの溶接部に例えば幅が0.1(mm)以下、長さが数mmのひび割れ現象が発生し、金属疲労を招来し、構造物としての橋梁複合鋼床版に於ける耐久性や車両の走行上の安全性に欠けるという問題点があった。
すなわち、請求項1記載の発明によれば、躯体上面に設置されてあって橋軸方向に延在する主桁と、該主桁に直交する方向に設置した横桁とを備え、該主桁及び横桁の上面に設置された複合鋼床版と、該複合鋼床版の左・右端に備えた高欄とでなる橋梁に於いて前記複合鋼床版は橋幅方向に設置したデッキプレートを備え、該デッキプレートの下側に縦リブで形成した補剛材を有すると共に該デッキプレートの上側にMMA樹脂モルタルを敷設し、さらに該MMA樹脂モルタルの上面にアスファルトで舗装したことを特徴とするMMA樹脂モルタルを敷設した橋梁複合鋼床版を提供する。
このような構成としたので、従来に於けるコンクリート舗装の場合は、ズレ止めの設置が必要不可欠であるがこの発明ではMMA樹脂モルタルを使用することにより、付着せん断強度が高く、ズレ止めの設置は不要となり、工事の工程を短くすることが可能である。特に、既存の複合鋼床版の補修・補強工事として片側即日開放などの施工条件に合致する橋梁複合鋼床版を提供できるという効果がある。
また、MMA樹脂モルタルは、硬化剤の添加により外気温−15℃〜+35℃の範囲での硬化時間は30〜90(分)と比較的短く補修・補強工事において工程短縮に大いに貢献する橋梁を提供できる効果がある。
また、デッキプレートの下縁に於ける応力度や付着せん断応力度を比較した結果、MMA樹脂モルタルをデッキプレートの上面に敷設したとき、従来のアスファルト舗装より改善され、曲げ剛性は著しく向上し、その弾性係数がコンクリートより低いため通過車両による耐撃や振動が緩和されるという効果がある。
このような構成としたので上述した請求項1記載の発明の効果に加えてデッキプレートの上面にメタクリル樹脂プライマーを施すので橋梁複合鋼床版の防水性が向上するという効果がある。
このような構成としたので上述した請求項1又は2記載の発明の効果に加えて複合鋼床版の形状等により該複合鋼床版の上部に大きな引張応力が発生するときにも該連続繊維補強材(CFグリッド)をMMA樹脂モルタルの中に敷設することで容易にこれを吸収することができるという効果がある。
尚、上記したように複合鋼床版12(デッキプレート12A)の上側に直接にMMA樹脂モルタル17を敷設することもあるが、図2に示すように該複合鋼床版12又はデッキプレート12Aの上面にメタクリル樹脂プライマー17aを介装してMMA樹脂モルタル17を敷設する構成としてもよい。この場合、橋梁複合鋼床版12の防水性を向上させる機能を備えることとなる。
先ず、デッキプレート12A上の錆びや塵埃を除去したあと、メタクリル樹脂プライマー17aは200〜300gを塗布する。次に、MMA樹脂モルタル17と細骨材を重量比で実験値にすると6.5:93.5であり、これをモルタル状にした材料をデッキプレート12Aに敷設する。さらに、該MMA樹脂モルタル17の硬化後、上面にアスファルト18を敷設する。これで施工が完了する。
a.アスファルト舗装(厚み80mm)夏:140(N/mm2) 冬:40(N/mm2)
b.コンクリート舗装(厚み80mm):17(N/mm2)
c.厚み20mmのMMA樹脂モルタル17に加えて厚み60mmのアスファルト18の舗装
とすれば、発生応力は62(N/mm2)であることが判明した。
以上により発生応力値は上記aの場合に比べ上記bの場合最大約8(%)まで低下し、上記cの場合は約29(%)に低下していることが判明した。
前述した図1に示す場合との相違点は前記MMA樹脂モルタル17の中に連続繊維補強材(CFグリッド)20を介装又は埋設したことを特徴としている。
尚、図6に示す実施例に於いて外の構成部材は図1に示すものと略同一であり同一番号、符号を付してその説明を省略する。
12A 複合鋼床版のデッキプレート
12B 複合鋼床版の補剛材
13 主桁
14 横桁
15 高欄
16 ブラケット
17 MMA樹脂モルタル
17a メタクリル樹脂プライマー
18 アスファルト
19 コンクリート
20 連続繊維補強材(CFグリッド)
A 車道部
B 歩道部
C 橋梁
Claims (3)
- 躯体上面に設置されてあって橋軸方向に延在する主桁と、該主桁に直交する方向に設置した横桁とを備え、該主桁及び横桁の上面に設置された複合鋼床版と、該複合鋼床版の左・右端に備えた高欄とでなる橋梁に於いて前記複合鋼床版は橋幅方向に設置したデッキプレートを備え、該デッキプレートの下側に縦リブで形成した補剛材を有すると共に該デッキプレートの上側にMMA樹脂モルタルを敷設し、さらに該MMA樹脂モルタルの上面にアスファルトで舗装したことを特徴とするMMA樹脂モルタルを敷設した橋梁複合鋼床版。
- 躯体上面に設置されてあって橋軸方向に延在する主桁と、該主桁に直交する方向に設置した横桁とを備え、該主桁及び横桁の上面に設置された複合鋼床版と、該複合鋼床版の左・右端に備えた高欄とでなる橋梁に於いて前記複合鋼床版は橋幅方向に設置したデッキプレートを備え、該デッキプレートの下側に縦リブで形成した補剛材を有すると共に該デッキプレートの上側にメタクリル樹脂プライマーを介してMMA樹脂モルタルを敷設し、さらに該MMA樹脂モルタルの上面にアスファルトで舗装したことを特徴とするMMA樹脂モルタルを敷設した橋梁複合鋼床版。
- 前記デッキプレートの上側に敷設するMMA樹脂モルタルの中に連続繊維補強材(CFグリッド)を介装したことを特徴とする請求項1又は2記載のMMA樹脂モルタルを敷設した橋梁複合鋼床版。
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