JP2018114139A - 化粧用伸縮性不織布 - Google Patents

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Abstract

【課題】不織布の伸びと親水性との双方を満足し、しかも、皮膚刺激のおそれがある油剤などの添加剤を用いることなく、十分量の化粧料を含むことが可能な化粧用伸縮性不織布の提供。【解決手段】顕在捲縮性繊維を主体とする化粧用伸縮性不織布において、この化粧用伸縮性不織布には大気圧プラズマ加工が施されてなると共に、湿潤時のタテ、ヨコともに10%伸長時引張強さが5N/50mm以下であって、かつ『医療ガーゼ・医療脱脂綿基準』に定められた沈降速度が60秒以下である化粧用伸縮性不織布。【選択図】なし

Description

本発明は、化粧料等を含浸させてフェイスマスクとして使用される、化粧用伸縮性不織布に関する。
化粧料は、保湿、清拭、制汗、紫外線防止による美白などの機能を持つものが種々に知られている。化粧料は、従前、使用者が肌に直接塗布する手法で用いられてきたが、近年、これらを所定の織物、編物または不織布に含浸し、顔面を始めとする皮膚に貼付する、いわゆる、フェイスマスクが新たなスキンケア手法として利用されている。
上述したフェイスマスクに関わる技術として、例えば特開2010−116374号公報(以下、特許文献1)には、従前技術としてコットンまたはレーヨン(以下、本明細書では親水性繊維と称する)を含む不織布を挙げ、その構成繊維が比較的直線的な形状を有することから、化粧料含浸後、皮膚に貼付した際にチクチクとした触感を与える点に着眼し、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、或いはポリアミド樹脂からなる立体捲縮繊維を、好ましくは25%以上含む不織布と、当該不織布に含浸された化粧料を含む化粧料含浸皮膚被覆シートおよびその製造方法が提案されている。この文献技術の不織布は、横方向の50[%]伸長時応力が0.08〜1.60[N/3cm]であって、その繊維密度(19.6[cN]荷重時)が0.08[g/cm]以上、あるいは、縦方向と横方向との破断強度、並びに50%伸長回復率などと記載されている。また、その製造技術として、不織布はニードルパンチ処理によって繊維同士を交絡一体化し、この後の繊維ウエブを加熱して立体捲縮を発現させ、さらにプレス加工を施し、化粧料を含浸せしめるとの開示がある。尚、この不織布の交絡性を維持する観点から、ビスコースレーヨン繊維、セルロース繊維およびコットンをステープル繊維の形態で使用し得るとの開示もある。
本出願に係る発明者は、特許文献1の技術を検討する過程で、上記立体捲縮繊維を含む不織布が親水性繊維に較べて親水性に乏しいため、化粧料の十分な含浸性を得ることが難しい点に着目した。親水性繊維と潜在捲縮繊維とで構成したウエブに立体捲縮を発現せしめた不織布の場合、熱処理工程で親水性繊維が捲縮発現を阻害する傾向にある。化粧料を含浸したフェイスマスクの使用時には、この捲縮で使用者の顔面の動きに追随させる構成となっている。この顔面の動きへの追随性向上のために、親水性繊維を混合した原料を含む構成繊維を一定方向に引き揃えたパラレルウエブを利用することが可能である。
例えば、パラレルウエブで調製した基布の生産方向に直交するヨコ方向をフェイスマスクの上下方向(頭からあごに向かう方向を上下方向と称する場合がある)として打ち抜き、顔に貼付し使用する場合、例えば会話など、口もとを動かすと、繊維配向が概ねヨコ方向で有るため、基布は当該動きに追従することが可能となる。一方、基布のタテ方向をフェイスマスクの左右方向(左耳から鼻を経て右耳に向かう方向を左右方向と称する場合がある)として打ち抜いて使用する場合には、鼻の周辺で基布の密着性が劣り、肌から離れてしまうため、フェイスマスク用基材として必要な機能を果たさない。さらに、フェイスマスク用のシートは肌と直接触れることから、第三成分が入ることにより皮膚の炎症、肌荒れなどの可能性があるため、不純物が少ない安全性の高い素材とする必要がある。
そこで、ポリエステルまたはポリオレフィンといった疎水性の樹脂からなる繊維表面の親水化を図るため、特許文献1の立体捲縮繊維(以下、本明細書では、顕在捲縮性繊維と称する)を主体とした原料を水流絡合法で絡合し、繊維表面に付着した油剤成分などの第三成分を除去した不織布に、特開平10−53657号公報(以下、特許文献2)のプラズマ加工技術を施し、従来から医療分野で親水性の評価に用いられている『医療ガーゼ・医療脱脂綿基準』(薬食機発 第0630001号の別紙;平成17年6月30日発出:以下、非特許文献1)の「6.(1)カ」に規定される沈降速度、並びに『日本薬局方第15改正』の「7.02 プラスチック製医薬品容器試験方法」(平成23年3月24日告示:以下、非特許文献2)で水溶性不純物の尺度である泡立ち試験に準じて検証した。
特開2010−116374号公報([特許請求の範囲]、[0001]、[0005]〜[0010]、[0025]、[0026]、[0032]、[0033]など) 特開平10−536573号公報([特許請求の範囲]、[0026]〜[0028]、[図1]、[図2]、[図5]など) 『医療ガーゼ・医療脱脂綿基準』(6.要求事項(1)の「カ」) 『日本薬局方 第15改正』(7.02 プラスチック製医薬品容器試験方法の1.2 溶出物試験の(i))
上述した不織布の追随性と、この不織布が持つ親水性との双方のバランスに関わる従来の課題解消を実現するため、本出願に係る発明者は、顕在捲縮性繊維を含む数種の不織布を調製し、比較検討した。その結果については後段で詳述するが、繊維同士の滑りを向上させ、しかも繊維表面に親水性を付与する技術として帯電防止剤を被着する手法、或いは通常使われている繊維油剤を追加する手法も知られている。しかしながら、係る不織布が皮膚に直接接触する用途では、容器・包装物に適用される泡立ち試験で陽性傾向にある化学的な処理剤に感受性の高い使用者への配慮が必要となる。このため、これら添加剤は必ずしも有効な手段ではなく、依然として、上述した課題は未解決のままであるという問題点があった。従って、本発明の目的は、不織布の伸びと親水性との双方を満足し、しかも、皮膚刺激のおそれがある油剤などの添加剤を用いることなく、化粧料を含浸して用いるための化粧用伸縮性不織布を提供することにある。
この目的の達成を図るため、本発明に係る化粧用伸縮性不織布の構成によれば、顕在捲縮性繊維を主体とする化粧用伸縮性不織布において、この化粧用伸縮性不織布には大気圧プラズマ加工が施されてなると共に、湿潤時のタテ、ヨコともに10%伸長時引張強さが5[N/50mm]以下であって、かつ『医療ガーゼ・医療脱脂綿基準』に定められた沈降速度が60秒以下であることを特徴としている。尚、ここに言う「主体」とは、ポリオレフィン樹脂並びにポリエステル樹脂、または、これら樹脂を混合した顕在捲縮性繊維が実質的に主とし、90%以上のものを表す。この湿潤時の10%伸長時引張強さはタテ方向、ヨコ方向ともに5[N/50mm]以下が好ましく、3[N/5mm]以下がより好ましく、2[N/50mm]以下がさらに好ましい。また、口もとの動きに基材を追随させるため、湿潤時の10%伸長時伸長回復率も同様に、タテ方向、ヨコ方向ともに45[%]以上であることが好ましい。
また、この発明の実施に当たり、上述した化粧用伸縮性不織布が『日本薬局方』に規定された泡立ち試験で陰性であるのが好ましい。この「陰性」とは、所定の手順の後に、10分間静置した後に、泡立ちが目視観察されない状態を言う。
本発明の構成を適用することにより、皮膚刺激がある添加物を用いることなく、フェイスマスクの使用に適した不織布の伸びと親水性との双方を満足し、併せて化粧料を含浸して用いるための化粧用伸縮性不織布を提供することができる。
以下、本発明の実施に好適な態様について説明する。まず、前述したとおり、本発明で用いられる顕在捲縮性繊維として、ポリエステル樹脂及びポリプロピレン樹脂のように疎水性を有するが、捲縮応力を大きく採ることが可能な複合繊維を主に用いる。複合繊維の断面形状としては、融点の異なる2種類若しくはそれ以上の複数の樹脂を、サイドバイサイド型または芯鞘型に配置構成したものを用いるのが好適である。尚、本発明に言う顕在捲縮繊維は、これに限定されるものではなく、例えば、単繊維の状態で高い捲縮度をもった繊維がカード機でのウエブ形成時に引き伸ばされた状態でシート化され、しかる後、熱処理装置によって再び捲縮度を回復する、所謂、ヒートセット処理が施されたものであっても良い。さらに、このようにして得られた顕在捲縮性繊維を主体とするウエブに対して、ニードルパンチ法、水流絡合法などの周知の絡合技術を適用するのが好ましいが、繊維油剤を除去することが可能な水流絡合法を適用するのが最も良い。
本発明に係る不織布の目付は特に限定するものではないが、30[g/m]以上、150[g/m]以下とするのが好ましく、より好適には40[g/m]以上110[g/m]以下とするのが良い。この好適範囲よりも低目付とする場合、設計に応じた十分な化粧料を保液することが難しくなる傾向にあり、また、この範囲を超えて高目付とすることによって、使用時の貼着に違和感を感じたり、或いは、自重によって所望の位置に貼着することが難しくなる場合がある。尚、本明細書に言う目付として、JIS L-1096に規定する方法により得られた値を用いている。
プラズマ加工技術としては、これら何れの樹脂に対しても親水化の向上が可能であれば、例えば、非処理物の搬送速度、周波数や電圧といった発生させる低周波交流電圧の印加条件など、特定の加工条件に限定されるものではない。しかしながら、前述した特許文献2にも開示されるとおり、大気圧下の空気雰囲気での処理加工の実施形態に加え、放電に伴うスパーク発生を抑制する目的で被処理物を損傷することなく安定した繊維表面の改質を行うために、アルゴンを始めとする希ガスを雰囲気に導入しても良い。
以下、本発明の具体的な好適例を参照して説明する。この実施例では数種の伸縮性不織布(包括的に基布と称する場合がある)を調製し、試験評価した結果により説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではなく、例示する数値的条件、繊維組成、及びその他の条件は、この発明の目的の範囲内で任意好適に設計の変更を行い得る。
(実施例)
まず、融点250[℃]のポリエステルと、融点230[℃]の低融点ポリエステルとがサイドバイサイド型に組み合わされた市販の潜在捲縮性繊維(繊度2.2[dtex]、繊維長51[mm])のみをカード機により開繊し、繊維が生産方向(以下、タテ方向)に配向したパラレルウエブを形成した。このパラレルウエブを40[m/分]の速度で搬送しながら、支持体と同じ周速で回転するロール上で、一方の面側から1.5[MPa]、及び8.0[MPa]、並びに他面側から7.0[MPa]の水流絡合を順次施し、続いて周知の加熱装置により110[℃]で乾燥した。この水流絡合繊維ウエブを180[℃]の熱風ドライヤーで熱処理して、潜在捲縮性繊維の捲縮を発現させ、顕在捲縮性繊維を主体とする伸縮性不織布を得た。次に、この伸縮性不織布に対して、前述した特許文献2のプラズマ技術を適用し、電極間の印加電力5[kW]、搬送速度5[m/分]の条件で大気圧下のプラズマ加工を施し、目付73.5[g/m]、厚さ0.55[mm]の実施例としての基布を得た。尚、本明細書における厚さは、前述したJISに則って、5[g/cm]の圧縮荷重下で測定した値を用いている。
(比較例1)
プラズマ加工を施さなかったことを除いては、実施例と同一の繊維組成、目付並びに厚さを有する伸縮性不織布を比較例1とした。
(比較例2)
実施例及び比較例1の基布をビーム染色機のビーム管に巻きつけて装填し、吸水SR加工(帯電防止剤)用の添加剤『ナイスポール PR−9000』(日華化学(株)製,商品名)を用いた定法により、105[℃]で30分間加工した。この加工の後、ビーム染色機内で100[℃]で乾燥し、親水化された目付74.6[g/m]、厚さ0.55[mm]の伸縮性不織布を調製した。
(比較例3)
比較例3として、融点250[℃]のポリエステルと、融点230[℃]の低融点ポリエステルとがサイドバイサイド型に組み合わされた親水性油剤を付与した潜在捲縮性繊維に(繊度2.2[dtex]、繊維長51[mm])のみをカード機により開繊して、クロスレイヤー装置によってクロスレイウエブを形成し、ニードルパンチ機で一方の面側から針密度20[本/cm]、他面側から針密度150[本/cm]の絡合を施した。次いで、このクロスレイウエブを熱風循環型ドライヤー中で160[℃]の温度条件で自由収縮により捲縮発現することによって、目付89.0[g/m]、厚さ0.78[mm]の伸縮性不織布を調製した。
(比較例4)
比較例4として、実施例と同じ融点250[℃]のポリエステルと、融点230[℃]の低融点ポリエステルとからなるサイドバイサイド型の潜在捲縮性繊維(繊度2.2[dtex]、繊維長51[mm]50[重量%]、並びに市販のビスコースレーヨン繊維(繊度1.7[dtex]、繊維長40[mm])50[重量%]を混綿してカード機により開繊し、パラレルウエブを形成した。前述した支持体によって40[m/分]で搬送しこのパラレルウエブを40[m/分]の速度で搬送しながら、支持体と同じ周速で回転するロール上で、一方の面側から1.5[MPa]、及び5.0[MPa]、並びに他面側から7.0[MPa]の水流絡合を順次施し、前述と同様に110[℃]で乾燥し、実施例と同様に180[℃]の熱風ドライヤーで熱処理して、潜在捲縮性繊維の捲縮を発現させ、顕在捲縮性繊維とビスコースレーヨン繊維からなる、目付62.5[g/m]、厚さ0.54[mm]の伸縮性不織布を得た。
(湿潤時の10%伸長時引張強さの評価方法)
上述の各不織布に対して、フェイスマスクとして使用した際の追従性を確認するため、JIS L-1096の規定に準じて、湿潤状態での10%伸長時の引張強さを評価した。まず、幅50[mm]×長さ300[mm]に各不織布を裁断採取した。この裁断サンプルを室温の純水中に浸し、当該サンプルの一端を引き揚げて他端が水面から上部に出た後、10秒間保持した。次いで、サンプルを試料片とし、直ちにチャック間距離を200[mm]に設定した市販の引張試験機に装着した。初期のチャック間距離が200[mm]の位置を始点とし、始点から20mmの位置まで引張速度500[mm/分]でチャックを動作させて引っ張った際の応力を測定する。新たな同一素材からなる試料片で同様な測定を3回実施し、結果は平均値として求めた。尚、この測定は、実施例並びに比較例ごとに、前述した「タテ方向」と、不織布生産時の幅方向にあたる「ヨコ方向」とで、各々、実施した。
(湿潤時の10%伸長時伸長回復率の評価方法)
上述の各不織布に対して、追従性を確認する他の手法として、JIS L-1096の規定に準じて、伸長回復率の測定も実施した。幅50[mm]×長さ500[mm]に各不織布を裁断採取し、上述と同様に室温で純水中に浸して湿潤化手順を実施した。次いで、直ちにチャック間距離を400[mm]に設定した市販の引張試験機に装着し、初期のチャック間距離が400[mm]の位置を始点とし、始点から40mmの位置まで引張速度200[mm/分]で引っ張った。この操作後、直ちに始点位置までチャックを戻しながら、試料片のたるみが解消された時点(引張応力がゼロになるとき)の試料片の長さD[mm]を記録した。この測定記録から、次式によって算出される数値を湿潤時の10%伸長時伸長回復率として求め、新たな同一素材からなる試料片で同様な測定を3回実施し、結果は平均値として求めた。

湿潤時の10%伸長時伸長回復率(%)=([D−400]/400)×100

尚、この測定は、実施例並びに比較例ごとに、前述した「タテ方向」と、「ヨコ方向」とで、各々、実施した。
(沈降速度の測定)
沈降速度の測定評価は、前述した非特許文献1に開示される規定に準じて実施した。まず、線径0.4[mm]の銅線によって線間距離が20[mm]に編み込まれた、直径50[mm]×高さ80[mm]の円筒状のカゴ(重さ約3[g])を準備した。このカゴの内部に、各伸縮性不織布5gを裁断して巻き、カゴの内面に巻きの外側が接触するよう、均等に入れる。水槽に深さ200[mm]の室温である水を入れ、水面から10[mm]の位置で、上述したカゴの高さ方向が水平となるように保持した後、水面に静かに落下させる。この落下後、カゴの上端部が完全に水面から沈むまでの時間を計測して評価した。評価結果は、この操作を各々の不織布で3回行い、計測時間を平均して求めた。尚、この評価項目は、相対的な親水化の指標として採用したものであり、複数の評価対象の間で、沈降時間が短いほど、より親水化されていると判断した。
(メタノール抽出物量の測定)
各々の伸縮性不織布に付着した繊維油剤の量を見積もるため、標品となる不織布を5[g]採取し、メタノール150[mL]に懸濁してソックスレー抽出器で温度150[℃]に加熱した。この抽出操作を15分間に1回、合計2回繰り返して油剤をメタノールに移行させた。この後、グラスフィルター(細孔記号G2)で濾別して濾液を蒸発乾固させ、残留物の恒量を取って記録した。この残留物の重量を標品重量の5[g]で除し、百分率として求めた。この評価項目も、上述した沈降速度と同様に相対的な判断材料として評価実施した。
(泡立ち試験)
各伸縮性不織布に含まれる不純物を目視確認するため、前述した非特許文献2に記載された手順で泡立ち試験を実施した。まず、標品となる不織布を約1[cm]にまで裁断して細片とした後、その10.0[g]を量り採る。次いで、純水500[mL]に全ての細片を加え、ソックスレー抽出器で30分間にわたって穏やかに煮沸し、室温にまで放冷後、上述したグラスフィルターで濾液を濾別する。これを試料溶液として共栓試験管に入れ、3分間激しく振り混ぜた後に静置し、10分後の泡の有無により評価した。
以上に述べた各項目の評価結果を表1に示す。尚、同表中、泡立ち試験の結果として、10分間静置した後に泡が観察されない陰性の場合を「○」、発生した泡が残存した陽性の場合を「×」で示している。


Figure 2018114139
この表1に示すように、まず、比較例1の基布は沈降速度が600秒以上となり、実施例が26秒と短時間で沈降した結果との比較により、比較例1の基布が化粧料との親和性に劣る可能性が観察された。この評価結果から、比較例1の基布は沈降速度を除く評価基準は何れも満たすものの、フェイスマスク使用時に肌との密着不良を来す可能性が確認された。また、比較例2の基材は親水化を目的とした後加工を施したものであるが、メタノール抽出物量は実施例と同等であるものの、泡立ち試験で陽性を示し、使用時に皮膚刺激をもたらす可能性が認められた。比較例3の基布は、繊維油剤が残存しやすいニードルパンチ技術によって絡合されており、水流絡合技術を施した実施例に較べて約2倍のメタノール抽出物量となり、泡立ち試験では陽性が観察され、皮膚刺激を来す可能性が否定できない評価結果となった。同様に比較例4の基布は、親水性繊維であるビスコースレーヨンを含んでおり、実施例と較べて沈降速度は比較的速かった。しかしながら、比較例4に係る基布は、タテ方向の10%伸長時強さが大きく、前述した追従性に乏しいとの結果が得られた。
これら評価結果から、全ての評価基準に適合する基布は、本発明を適用した実施例のみであり、フェイスマスクとしての追随性に優れており、しかも、肌に対する刺激性の少ない基布を実現し得ることが確認できた。

Claims (2)

  1. 顕在捲縮性繊維を主体とする化粧用伸縮性不織布において、該化粧用伸縮性不織布には大気圧プラズマ加工が施されてなり、該化粧用伸縮性不織布は湿潤時の10%伸長時引張強さ強さが5N/50mm以下であって、かつ『医療ガーゼ・医療脱脂綿基準』に定められた沈降速度が60秒以下であることを特徴とする化粧用伸縮性不織布。
  2. 前記化粧用伸縮性不織布は、『日本薬局方』に規定された泡立ち試験で陰性であることを特徴とする請求項1に記載の化粧用伸縮性不織布。
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