JP2003290067A - 皮膚清浄用不織布 - Google Patents

皮膚清浄用不織布

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JP2003290067A
JP2003290067A JP2002096386A JP2002096386A JP2003290067A JP 2003290067 A JP2003290067 A JP 2003290067A JP 2002096386 A JP2002096386 A JP 2002096386A JP 2002096386 A JP2002096386 A JP 2002096386A JP 2003290067 A JP2003290067 A JP 2003290067A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 化粧料を十分に拭い取るために、水系洗浄剤
を十分に保持した状態で手で揉んだり、手で握ったのち
握りを開放したりすると泡が立ちやすく、十分な洗浄効
果が得られる皮膚清浄用の不織布を提供することを課題
とする。 【解決手段】 構成繊維の70重量%以上が疎水性合成
繊維からなり、少なくとも該疎水性合成繊維がプラズマ
放電処理によって改質されており、平均孔径が40〜1
00μmであるか、または25〜400個/インチ
開孔を有する皮膚清浄用不織布とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、口紅、ファンデー
ションなどの化粧料の除去など、化粧落し時に使用す
る、皮膚清浄のための水系洗浄剤の発泡に必要な水分の
保持性能に優れ、ソフトで泡立ち性が良く、化粧落し効
果に優れる、皮膚清浄用の不織布に関する。
【0002】
【従来の技術】口紅、ファンデーションなどの化粧料の
除去には、皮膚清浄のための基剤として水系洗浄剤を含
浸した素材を皮膚に押し当て、その素材に化粧料を染み
込ませて除去する方法や、或いはクレンジングクリーム
を顔などに塗り、化粧成分をクリーム状の基質に溶解さ
せた後、不織布やティシュペーパーなどを皮膚に押し当
て、その不織布やティシュペーパーなどに染み込ませて
除去する方法が行われていた。このような、化粧料を落
としたり、皮膚を洗浄するのに用いられる不織布として
は、実開昭61−47918号公報に、疎水性繊維を主
体とする繊維層と、親水性繊維層を主体とする繊維層と
が積層され、高圧流体により両繊維層が一体化されてな
る化粧用シートが開示されている。また、特開平11−
49641号公報には、(a)(1)セルロース含量が
50重量%以上であり、(2)平均坪量が20〜120
g/mで、(3)構成繊維の平均繊度が3d以下であ
る(4)水流交絡の不織布であって、(5)ドライ時の
反射率が45%以上の不織布に、(b)非イオン性界面
活性剤および水を含有させてなる皮膚洗浄シートが開示
されている。しかし、上述のように、このような不織布
を皮膚に押し当て、その不織布に化粧料を染み込ませて
除去する目的のみに使用するのではなく、泡立てた水系
洗浄剤を併用する皮膚清浄用の不織布として使用する
と、すなわち不織布を手で揉んだり、手で握ったのち握
りを開放したりして水系洗浄剤を泡立ててから使用する
皮膚清浄用の不織布として使用すると、50重量%以上
の親水性繊維を含んだ繊維層を有しているため、湿潤時
の折り曲げの力に対する反発性に劣り、泡立ちにくく、
十分な洗浄効果が得られないという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題点を解決するためになされたものであり、化粧料
を十分に拭い取るために、水系洗浄剤と水系洗浄剤の発
泡に必要な水分とを十分に保持した状態で手で揉んだ
り、手で握ったのち握りを開放したりすると泡が立ちや
すく、十分な洗浄効果が得られる皮膚清浄用の不織布を
提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は、請求項1の発明では、構成繊維の70重量%
以上が疎水性合成繊維からなり、少なくとも該疎水性合
成繊維がプラズマ放電処理によって改質されており、平
均孔径が40〜100μmであることを特徴とする皮膚
清浄用不織布による。
【0005】請求項2の発明では、構成繊維の70重量%以
上が疎水性合成繊維からなり、少なくとも該疎水性合成
繊維がプラズマ放電処理によって改質されており、25
〜400個/インチの開孔を有することを特徴とする
皮膚清浄用不織布による。
【0006】請求項3の発明では、構成繊維が流体流の作用
によって交絡されていることを特徴とする請求項1また
は2に記載の皮膚清浄用不織布による。
【0007】請求項4の発明では、構成繊維の5〜20重量
%が接着性繊維であることを特徴とする請求項1〜3の
何れかに記載の皮膚清浄用不織布による。
【0008】請求項5の発明では、縦方向又は横方向の何れ
かの方向において、湿潤時の曲げ反発性の値が戻り角度
で10度以上であることを特徴とする請求項1〜4の何
れかに記載の皮膚清浄用不織布による。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の皮膚清浄用不織布は、構
成繊維の70重量%以上が疎水性合成繊維からなり、少
なくとも該疎水性合成繊維がプラズマ放電処理によって
改質されており、平均孔径が40〜100μmであるこ
とを特徴とする皮膚清浄用不織布である。また、本発明
の皮膚清浄用不織布は、構成繊維の70重量%以上が疎
水性合成繊維からなり、少なくとも該疎水性合成繊維が
プラズマ放電処理によって改質されており、25〜40
0個/インチの開孔を有することを特徴とする皮膚清
浄用不織布である。
【0010】前記疎水性合成繊維としては、従来より用いら
れている合成繊維など繊維の種類は問わず適宜選択で
き、例えばポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維、ポ
リアミド繊維などの熱可塑性樹脂からなる合成繊維があ
り、合成繊維は1種類の熱可塑性樹脂からなる合成繊維
であっても、異なる2種類以上の樹脂が複合された複合
繊維であっても適宜選択して使用することができる。ま
た、このような疎水性合成繊維として数種類の合成繊維
が配合されていてもかまわない。本発明では、このよう
な疎水性合成繊維を70重量%含むことにより、好まし
くは80重量%以上含むことにより、更に好ましくは9
0重量%以上含むことにより、湿潤時であっても不織布
の折り曲げの力に対する反発性が良好であり、手で揉ん
だり、手で握ったのち握りを開放したりしたときに、泡
立ちし易くなる。疎水性合成繊維が70重量%未満であ
ると、湿潤時において不織布の折り曲げの力に対する反
発性が減少して、手で揉んだり、手で握ったのち握りを
開放したりしたときに、泡立ちしにくくなるという問題
がある。
【0011】本発明の皮膚清浄用不織布の構成繊維には、接
着性繊維が5〜20重量%含まれていることが好まし
く、5〜15重量%含まれていることが更に好ましく、
5〜10重量%含まれていることが最も好ましい。この
ように、接着性繊維を含むことによって、繊維同士が接
着されるので、本発明の皮膚清浄用不織布を手で揉んだ
り、手で握ったのち握りを開放したりしても、繊維が容
易に抜けたりせず形態安定性がある。また、折り曲げの
力に対する反発力が大きくなるので、手で揉んだり、手
で握ったのち握りを開放したりしたときに、不織布がそ
の動きに追従して泡を多量に発生することができる。
【0012】前記接着性繊維とは、該接着性繊維以外の繊維
よりも好ましくは10℃以上低い融点で溶融する繊維で
あり、1種類の熱可塑性樹脂からなる合成繊維や、融点
が好ましくは10℃以上異なる2種類以上の樹脂が複合
された複合繊維などがあり、繊維の表面に該接着性繊維
以外の繊維よりも低い融点で溶融する樹脂を有する複合
繊維が好ましい。また、このような接着性繊維を加熱し
た時、該接着性繊維の少なくとも一部が80℃以上、好
ましくは100℃以上で溶融する繊維が適している。ま
た、該接着性繊維は疎水性合成繊維であってもよく、他
の繊維との接着性を有していれば良い。
【0013】上述の1種類の熱可塑性樹脂からなる合成繊維
としては、例えばポリオレフィン繊維、ポリエステル繊
維、ポリアミド繊維などの熱可塑性樹脂からなる合成繊
維がある。また融点の異なる2種類以上の樹脂が複合さ
れた複合繊維としては、例えば、共重合ポリエステル/
ポリエステル、共重合ポリプロピレン/ポリプロピレ
ン、ポリプロピレン/ポリアミド、ポリエチレン/ポリ
プロピレン、ポリプロピレン/ポリエステル、ポリエチ
レン/ポリエステルなどの樹脂の組み合わせからなる複
合繊維がある。また、本発明に使用する接着性繊維が、
上記の複合繊維であるとともに潜在捲縮性繊維である場
合は、折り曲げの力に対する反発性は保持したままソフ
トな風合いとすることができる。また湿潤時の折り曲げ
の力に対する反発力にも優れ、洗浄効果を顕著に得るこ
とができる。このような潜在捲縮性を併せ持つ複合繊維
としては、例えば温度特性の異なる複数の樹脂成分から
成る芯鞘型もしくはサイドバイサイド型といった複合構
造を有する繊維がある。
【0014】前述の疎水性合成繊維以外の繊維としては、例
えば親水性の繊維がある。このような親水性繊維として
は、例えばレーヨン繊維、コットン繊維、アセテート繊
維などのセルロース系繊維などがある。本発明では、こ
のような親水性繊維が30重量%未満含まれていてもよ
く、繊維間に水系洗浄剤の発泡に必要な水分を十分に保
持する効果がある。しかし、親水性繊維が30重量%を
越えると湿潤時において不織布の折り曲げの力に対する
反発性が減少して、泡立ちしにくくなるという問題があ
る。
【0015】本発明の皮膚清浄用不織布は、平均孔径が40
〜100μmである多孔質構造の不織布(以下多孔質不
織布という場合がある)であるか、または25〜400
個/インチの開孔を有する開孔構造の不織布(以下開
孔不織布という場合がある)である。
【0016】前記多孔質不織布は、前記構成繊維からなる平
均孔径が40〜100μmの不織布であり、好ましくは
平均孔径が50〜90μmの不織布であり、更に好まし
くは平均孔径が60〜85μmの不織布である。平均孔
径が40〜100μmであることにより、この多孔質不
織布を手で揉んだり、手で握ったのち握りを開放したり
すると、空気と水系洗浄剤と水分とがこの平均孔径で表
される構成繊維間の空間を通して抜ける時に泡を多量に
発生することができる。平均孔径が40μm未満である
と、構成繊維間の空間が狭いため、空気抵抗が大きくな
り泡の発生が少なくなってしまい水系洗浄剤を泡立てて
から使用する本発明の皮膚清浄用の不織布として適さな
くなってしまう。また、平均孔径が100μmを超える
と、構成繊維間の空間が広すぎるため水系洗浄剤の発泡
に必要な水分を十分に保持することができなくなり、水
系洗浄剤を泡立ててから使用する本発明の皮膚清浄用の
不織布として適さなくなってしまう。
【0017】前記多孔質不織布は、公知の乾式法、湿式法、
溶融紡糸法などのいずれかの繊維ウエブ形成法により形
成した繊維ウエブを一方向に配向させて積層したり、ク
ロスレイに積層したり、一方向とクロスレイとの組み合
わせたクリスクロスに積層することなどにより得ること
ができる。また、これらの繊維ウエブ形成法により形成
した繊維ウエブを組み合わせて得ることができる。ま
た、これらの製法によって形成される繊維ウエブに、前
記接着性繊維を予め混入させてから、加熱処理すれば構
成繊維が熱接着された不織布とすることができる。ま
た、構成繊維を流体流の作用によって開孔させずに交絡
させたり、ニードルパンチなどによって交絡させた不織
布とすることもできる。交絡させた不織布とすることで
繊維が三次元的に配向するので、折り曲げの力に対する
反発性に優れた不織布となる。また、前記繊維ウエブを
加熱した平滑なロールと加熱した凹凸のあるロールの間
に通して、部分的に熱接着された不織布とすることもで
きる。
【0018】前記多孔質不織布の平均孔径40〜100μm
は、構成繊維の繊維径、不織布の密度、熱接着の条件、
流体流やニードルパンチなどによる交絡条件などを変え
ることにより調整することができる。また、前記多孔質
不織布の構成繊維の繊維径は1〜5デニールが好まし
く、1.2〜3デニールがより好ましい。また、面密度
は40〜100g/mが好ましく、60〜90g/m
がより好ましい。また、厚さはJIS L1085−
1998不織布芯地試験方法6.1.2A法に準じて測
定した値が0.3〜2.0mmが好ましく、0.5〜
2.0mmが更に好ましい。また、通気度はJIS L
1096−1990一般織物試験方法6.27.1通気
性A法に準じてフラジール型通気度試験機で測定した値
が50〜300cm/cm/secが好ましく、1
00〜250cm/cm/secがより好ましい。
なお、本発明でいう平均孔径は不織布の密度、繊維径、
デニールから下記式により求めた計算値を使用してい
る。
【0019】
【数1】 ただし、aは格子間距離、ρは不織布の密度、Lは繊維
1g当たりの繊維長(=9×105cm/平均デニー
ル)、cは格子を構成する1本の辺の長さ(=1c
m)。
【0020】上記の式では、不織布を1cmの規則的な3
次元格子状の立方体と仮定して格子間距離aを求めてい
る。ここで、ρLは不織布1cm当たりに含まれる繊
維の全長であり、これを格子を構成する1本の辺の長さ
(=1cm)で割ると、3次元格子を構成する辺の本数
が出る。辺は縦、横、高さの3方向にあるので3で割る
と1方向の辺の数が得られる。この辺の数は立方体の一
面に表れる格子の交差点の数と一致するので、この数の
平方根は立方体の一辺に存在する交差点の数となる。そ
して、この交差点の数から1を引くと、一辺に存在する
格子間隔の数が得られる。1cmの立方体を仮定して
いるので、一辺の長さ1cmを格子間隔の数で割ること
で、格子間距離aが求まる。
【0021】πr=(a−d) ただし、rは孔の半径、aは格子間距離、dは繊維直径
この式は、不織布に形成される孔の面積πrと、上記
の式で求めた格子間距離aから繊維直径dを引いた長さ
を一辺とする正方形の面積(a−d)とが一致すると
仮定して導いたもので、この式を誘導した次式から平均
孔径φが求まる。なお、異なる繊維径が複数ある場合に
は、繊維直径は繊維の平均密度と、繊維の平均デニール
とから求めた繊維平均直径を用いるものとする。
【0022】
【数2】
【0023】前記開孔不織布は開孔の数が25〜400個/
インチの開孔を有しており、好ましくは35〜300
個/インチの開孔を有しており、更に好ましくは50
〜200個/インチの開孔を有している。開孔とは不
織布の一方の面から他方の面へ貫通している孔であり、
このような開孔を有することにより、この不織布を手で
揉んだり、手で握ったのち握りを開放したりすると、空
気と水系洗浄剤と水分とが開孔を通して抜ける時に泡を
多量に発生することができる。開孔の数が25個/イン
より少ないと開孔による泡立ちの効果は少なくな
り、皮膚清浄効果が得られない。また、開孔の数が40
0個/インチより多いと、開孔の数が多くなる反面開
孔径も小さくなるため、開孔による泡立ちの効果は少な
くなり、この場合も皮膚清浄効果が得られない。なお開
孔不織布の開孔径が小さい場合、開孔不織布に前記多孔
質不織布が含まれる場合がある。
【0024】前記開孔の形成には、公知の開孔の技術を用い
ることができるが、流体流の作用により開孔することが
好ましい。また、流体流の作用により開孔されているの
みならず、繊維同士が交絡されていることが好ましい。
交絡させた不織布とすることで繊維が三次元的に配向す
るので、折り曲げの力に対する反発性に優れた不織布と
なる。このような不織布は公知の乾式法、湿式法、溶融
紡糸法などのいずれかの繊維ウエブ形成法により形成し
た繊維ウエブを一方向に配向させて積層したり、クロス
レイに積層したり、一方向とクロスレイとの組み合わせ
のクリスクロスに積層することなどにより得ることがで
きる。また、これらの繊維ウエブ形成法により形成した
繊維ウエブを組み合わせて得ることができる。次に、こ
のような繊維構造の繊維ウエブを水流絡合法などにより
交絡しながら開孔する。水流絡合法による場合は、まず
前記繊維ウエブを開孔形成用支持体の上に載置する。開
孔形成用支持体は、金属またはプラスチックのネットか
らなるコンベアーベルトや前記ネットを巻いた水透過性
のドラムを用いるか、または金属、プラスチックででき
た孔の開いた水透過性のドラムなどを用いることができ
る。ネットの場合は、平織り、綾織りなど各種の織り構
造のネットを用いることができるが、例えば開孔の数2
5〜400個/インチを得るには5〜20メッシュの
織り組織が適している。5メッシュより少ないメッシュ
の織り組織は、開孔の数が少なくなるため、泡立ちの効
果は少なくなり、目的とする皮膚清浄効果が少なくな
る。また、20メッシュより大きいメッシュの織り組織
を用いた場合は、開孔の数が多くなるが開孔径も小さく
なるため、開孔による泡立ちの効果は少なくなり、この
場合も目的とする皮膚清浄効果が少なくなる。
【0025】次に、開孔形成用支持体上に載置した繊維層の
上部より高速水流を噴射して、繊維層を絡合させるとと
もに開孔した繊維構造物を形成する。高速水流の発生に
は、水圧3〜20MPaの高圧水を、直径0.1〜0.
3mmのノズル孔が0.3〜3mm間隔で配列した1本
または複数本のノズルプレートより噴射させて、高速水
流とする方法が適している。
【0026】なお、上記の水流絡合法による開孔処理におい
て、上記繊維層を上記開孔形成用支持体とは別の開孔の
ある支持体の上に載置して、予め高速水流で予備的な絡
合処理を行ってから、上記の水流絡合による開孔処理を
行ってもよい。この予備的処理に用いる開孔のある支持
体は、上記開孔形成用支持体のメッシュや、開孔面積率
の値にこだわらず、任意の開孔のある支持体を選択して
用いることができる。但し、この予備的な絡合処理で
は、高速水流の噴射前の圧力は、予備処理後に開孔を形
成させる時の圧力よりも低くするのが望ましく、またノ
ズルプレートの使用本数を少なくするのが望ましい。
【0027】前記開孔不織布は、上記のように繊維層に絡合
処理と開孔処理を行った後、構成繊維に含まれる接着性
繊維による繊維接着処理を行って得ることも好ましい。
繊維接着処理は例えば実質的に凹凸のないコンベアー上
に繊維構造物を載置して熱風を吹き付ける方法や、実質
的に凹凸のないコンベアーまたはドラム状の支持体の上
に載置した後に熱風を繊維構造物とその支持体を通過さ
せる方法や、加熱したドラム状の支持体の上に繊維構造
物を載置する方法などがある。
【0028】前記開孔不織布は上述のようにして得られる
が、前記開孔不織布の構成繊維の繊維径は1〜5デニー
ルが好ましく、1.2〜3デニールがより好ましい。ま
た、面密度は40〜100g/mが好ましく、60〜
90g/mがより好ましい。また、厚さは0.3〜
2.0mmが好ましく、0.5〜2.0mmが更に好ま
しい。また、通気度はフラジール型通気度試験機で測定
した値が50〜300cm/cm/secが好まし
く、100〜250cm/cm/secがより好ま
しい。
【0029】本発明の皮膚清浄用不織布は、前述のようにし
て多孔質不織布または開孔不織布に形成されているとと
もに、不織布の構成繊維のうち、少なくとも疎水性合成
繊維がプラズマ放電処理によって改質されている。この
ような不織布は、予めプラズマ放電処理によって改質さ
れた疎水性合成繊維を不織布の構成繊維として用いる方
法や、疎水性合成繊維を不織布の構成繊維として含む前
述の不織布に一旦形成した後で、この不織布をプラズマ
放電処理する方法がある。プラズマ放電処理することに
より、疎水性合成繊維の表面が親水化され、水系洗浄剤
の発泡に必要な水分を十分に保持することができるよう
になる。また、この親水化は疎水性合成繊維の繊維表面
のみで生じるため、疎水性合成繊維が持つ折り曲げの力
に対する反発性は有したままである。したがって、水系
洗浄剤および水系洗浄剤の発泡に必要な水分と共にこの
不織布を手で揉んだり、手で握ったのち握りを開放した
りしたときに、十分な泡立ちを発現することができる。
【0030】本発明の皮膚清浄用不織布は、プラズマ放電処
理によって、疎水性合成繊維の繊維表面が親水化されて
いるが、この親水化の程度を調べる方法として、下記に
示す水滴吸収速度の測定によって、水滴が吸収されるま
での時間で評価する方法がある。
【0031】(水滴吸収速度の測定方法)測定しようとする
試験片を水平に支持して、シリンジより直径2mm程度
の水滴を静かに試験片の上に滴下する。滴下した後、そ
の水滴が完全に試験片に吸収され、試験片表面の水滴に
よる光の反射が無くなるまでの時間を計測して、この時
間を水滴吸収時間とする。この水滴吸収時間は本発明で
は60秒未満が好ましく、60秒以上では親水性が不十
分であり、十分な泡立ちを得ることが困難である。
【0032】本発明におけるプラズマ放電処理とは、プラズ
マ状態を呈している物質中に、不織布ウェッブを曝すこ
とによって行われるものである。プラズマ状態とは、ガ
スに高電圧や電磁波などを与えることによって、ガスが
陰陽の荷電粒子に解離し励起した状態となっていること
を言う。高電圧を与える方法としては、コロナ放電、無
声放電などの大気圧放電、またはグロー放電などを採用
するのが好ましい。また、使用するガスには、プラズマ
中でガス自体が重合しないようなものが用いられ、具体
的には、酸素、水素、窒素、アルゴン、ヘリウム、空気
などが挙げられる。また、高電圧を与える際のガスの圧
力は、常圧〜0.01torrが好ましい。0.01t
orr以下では改質が不十分であり、高圧では安定した
プラズマの発生が困難であり、耐圧構造の設備が必要と
なってしまう。
【0033】これらのプラズマ放電処理法の中で、大量の不
織布を連続的に安定良く処理するためには、設備や処理
工程の簡便さから、大気圧コロナ放電処理や無声放電処
理が特に好ましい。このコロナ放電処理または無声放電
処理は、高電圧発生装置に接続した電極と対抗したアー
ス電極との間に適度の間隔を設け、高周波で数千〜数万
ボルトの電圧を掛けて高圧放電を発生させる。この間隔
に不織布を適度な速度で通過させて、不織布面に放電に
より生成したオゾン、あるいはラジカルを反応させて、
カルボキシル基、ヒドロキシル基、ペルオキシド基など
の親水性基を生成させるものであり、この親水性基が不
織布の構成繊維への親水性の付与や、親水性の向上に寄
与する。この放電処理条件としては、片面当たりの総エ
ネルギーが0.05KW分/m以上であることが好ま
しい。片面当たりの総エネルギーが0.05KW分/m
より小さい場合、親水性の発現が十分でない場合があ
る。
【0034】本発明の皮膚清浄用不織布は、前述のように、
構成繊維の繊維径は1〜5デニールが好ましく、1.2
〜3デニールがより好ましい。繊維径が1デニール未満
であると折り曲げの力に対する反発性が劣ることがあ
り、繊維径が5デニールを超えると手で曲げる時に硬す
ぎるという問題が生じる場合がある。また、面密度は4
0〜100g/mが好ましく、60〜90g/m
より好ましい。面密度が40g/m未満であると折り
曲げの力に対する反発性が劣ることがあり、面密度が1
00g/mを超えると手で曲げる時に硬すぎるという
問題が生じる場合がある。また、厚さは0.3〜2.0
mmが好ましく、0.5〜2.0mmが更に好ましい。
厚さが0.3mm未満であると折り曲げの力に対する反
発性が劣ることがあり、厚さが2.0mmを超えると繊
維構造が粗となりかえって折り曲げの力に対する反発性
が劣る場合がある。このような繊維径や面密度や厚さと
することによって、水系洗浄剤の発泡に必要な水分を十
分に保持させることができる。また水系洗浄剤および水
系洗浄剤の発泡に必要な水分と共に手で揉んだり、手で
握ったのち握りを開放したりしたときに、十分に泡立ち
が生じるという効果がより顕著となる。
【0035】以上の構造を有する本発明の不織布は、折り曲
げの力に対する反発性の指標として、下記に示す曲げ反
発性の値の求め方に従って湿潤時の曲げ反発性の値を求
めると、縦方向又は横方向の何れかの方向において戻り
角度で10度以上である。このように、本発明の不織布
は湿潤時の折り曲げの力に対する反発力が大きいので、
水系洗浄剤と水系洗浄剤の発泡に必要な水分とを十分に
保持した状態で、手で揉んだり、手で握ったのち握りを
開放したりしたときに、不織布がその動きに追従して泡
を多量に発生することができる。
【0036】また、以上の説明のように縦方向又は横方向の
何れかの方向において、湿潤時の曲げ反発性の値が戻り
角度で10度以上である皮膚清浄用不織布は、湿潤時の
折り曲げの力に対する反発力に優れ、水系洗浄剤と水系
洗浄剤の発泡に必要な水分とを十分に保持した状態で、
手で揉んだり、手で握ったのち握りを開放したりしたと
きに、泡立ち効果による十分な洗浄効果を顕著に得るこ
とができる。また、縦方向又は横方向の何れかの方向に
おいて、湿潤時の曲げ反発性の値が戻り角度で30度以
上である皮膚清浄用不織布は、湿潤時の折り曲げの力に
対する反発力により優れ、泡立ち効果による十分な洗浄
効果をより顕著に得ることができる。また、縦方向又は
横方向の何れかの方向において、湿潤時の曲げ反発性の
値が戻り角度で50度以上である皮膚清浄用不織布は、
湿潤時の折り曲げの力に対する反発力に更に優れ、泡立
ち効果による十分な洗浄効果を更に顕著に得ることがで
きる。なお、縦方向又は横方向の何れかの方向において
も湿潤時の曲げ反発性の値が戻り角度で10度未満であ
る場合は、湿潤時の折り曲げの力に対する反発力に劣
り、泡立ち効果による洗浄効果をあまり得ることができ
ない。
【0037】(曲げ反発性の値の求め方)図1に示すよう
に、水平な台の上に、樹脂フィルム2を置き、その上に
試験体から切り出した巾30mm×長さ150mmの試
験片1を置く。次に試験片1の長さ方向に、端から10
0mmまでが覆われるようにして、厚さ0.1mmの樹
脂フィルム3を置く。次に試験片の覆われていない残り
50mmの部分を樹脂フィルム3の上に折り曲げる。次
に試験片全体を覆うようにして樹脂フィルム4を重ね
る。次に直径70mm×長さ65mmで質量2kgの鉄
製のロール5を試験片の上部で矢印aの方向に回転さ
せ、矢印bの方向にロールを移動して試験片に折り目を
つける。このときロールの移動は一回だけ行う。次に図
2に示すように樹脂フィルム4を取り外すと、試験片の
曲げ反発力によって、試験片がフィルム3によって覆わ
れていない部分が元に戻ろうとして、樹脂フィルム3か
ら角度αをもって離れる。このときの戻り角度αを曲げ
反発性の値とする。なお、角度αの測定は樹脂フィルム
4を取り外した後30秒が経過した時点で測定する。ま
た、試験は試験体の表裏両面でそれぞれ3回ずつ行い、
曲げ反発性の値はそれらの平均値とする。また、試験は
試験体の乾燥時と湿潤時で行い、湿潤時の測定は、試験
片の重量の120±10%の水を予め試験片に均一に含
ませてから行う。
【0038】つぎに、実施例および比較例により本発明を具
体的に説明するが、この実施例は本発明が理解できる程
度に特定の条件を例示して説明するものであって、本発
明はこの実施例に限定されるものではない。
【0039】
【実施例】(実施例1)乾式法のウエブ形成装置によ
り、繊度1.3デニール、繊維長38mmのポリエステ
ル繊維100重量%からなる面密度70g/mのクリ
スクロス繊維ウエブを作成した。この繊維ウエブを80
メッシュ平織り金網のコンベアーベルトからなる開孔の
ある支持体上に載置して、繊維ウエブの上部より、水圧
8および10MPaの高圧水を、直径0.13mmのノ
ズル孔が0.6mm間隔で直線状に配列されたノズルプ
レートより、各水圧に応じて各1本ずつ合計2本より噴
射させ、高速水流となし、繊維ウエブにあて、繊維ウエ
ブに第一回目の予備的絡合処理を行った。次に、この予
備処理された繊維ウエブを反転させて、第一回目と同じ
開孔のある支持体上に載置して、第一回目の予備処理と
同じ方法で、但し水圧だけは13MPaとして、第二回
目の予備的絡合処理を行った。次に、この予備処理され
た繊維ウエブを再び反転させて、第二回目の予備的絡合
処理と同じ開孔のある支持体上に載置して、水圧14M
Paの高圧水を、直径0.13mmのノズル孔が0.6
mm間隔で直線状に配列されたノズルプレート2本より
噴射させ、高速水流となし、繊維ウエブにあて、繊維ウ
エブを開孔せずに絡合処理した。次に、この開孔せずに
絡合処理した繊維ウエブをエアースルー型のドライヤー
の中で乾燥処理して繊維シートを得た。次に、この繊維
シートを3mm厚さのシリコンゴムシート二枚の間に挟
み込み、更にこのシリコンゴムシート二枚を二つの電極
間に挟み込み、一方の電極に電圧をかけ、他方の電極は
アースしておき、二つの電極間で、500Wの電力で、
大気圧下のプラズマ放電を5秒間行い、1.39KW分
/mのエネルギーで、繊維シートをプラズマ放電処理
して皮膚清浄用不織布を得た。この皮膚清浄用不織布
は、面密度が70g/m、厚さが0.60mm、平均
孔径が56μm、通気度が113cm/cm/se
c、水滴吸収時間が1sec未満であった。また、湿潤
時の曲げ反発性の値は縦方向が45度、横方向が0度で
あった。また、乾燥時の曲げ反発性の値は縦方向が90
度、横方向が15度であった。このように、平均孔径が
56μmであるので泡立ちの発現しやすい構造となって
おり、また水滴吸収時間が短く十分に親水化されてお
り、また湿潤時の曲げ反発性の値が大きく湿潤時の折り
曲げの力に対する反発力が大きかった。その結果、この
皮膚清浄用不織布に水系洗浄剤と水系洗浄剤の発泡に必
要な水分とを十分に保持した状態で、手で揉んだり、手
で握ったのち握りを開放したりしたときに、不織布がそ
の動きに追従して泡を多量に発生することができ、皮膚
の洗浄効果に優れていた。
【0040】(比較例1)実施例1のクリスクロス繊維ウエ
ブのかわりに、繊度1.3デニール、繊維長38mmの
ポリエステル繊維65重量%と繊度2デニール、繊維長
38mmのレーヨン繊維35重量%とからなる面密度6
0g/mのクリスクロス繊維ウエブを作成したこと、
および繊維シートをプラズマ放電処理しなかったこと以
外は実施例1と同様にして不織布を得た。この不織布
は、面密度が60g/m、厚さが0.50mm、平均
孔径が59μm、通気度が123cm/cm/se
c、水滴吸収時間が33secであった。また、湿潤時
の曲げ反発性の値は縦方向が0度、横方向が0度であっ
た。また、乾燥時の曲げ反発性の値は縦方向が73度、
横方向が10度であった。このように、親水性繊維であ
るレーヨン繊維の重量比率が大きく、湿潤時の折り曲げ
の力に対する反発力がほとんど無かった。その結果、こ
の不織布に水系洗浄剤と水系洗浄剤の発泡に必要な水分
とを十分に保持した状態で、手で揉んだり、手で握った
のち握りを開放したりしても、十分な泡立ちが得られず
皮膚清浄用の不織布として不適であった。
【0041】(比較例2)繊維シートをプラズマ放電処理し
なかったこと以外は実施例1と同様にして不織布を得
た。この不織布は、面密度が70g/m、厚さが0.
60mm、平均孔径が56μm、通気度が113cm
/cm/sec、水滴吸収時間が60sec以上であ
った。また、湿潤時の曲げ反発性の値は縦方向が35
度、横方向が0度であった。また、乾燥時の曲げ反発性
の値は縦方向が85度、横方向が10度であった。この
ように、疎水性合成繊維が親水化されておらず、水系洗
浄剤と水系洗浄剤の発泡に必要な水分とを十分に保持す
ることができなかった。その結果、この不織布に水系洗
浄剤と水系洗浄剤の発泡に必要な水分とを不十分に保持
した状態で、手で揉んだり、手で握ったのち握りを開放
したりすることとなり、十分な泡立ちが得られず皮膚清
浄用の不織布として不適であった。
【0042】(実施例2)乾式法のウエブ形成装置により、
繊度1.3デニール、繊維長38mmのポリエステル繊
維80重量%と、繊度2デニール、繊維長38mmのレ
ーヨン繊維10重量%と、繊度2デニール、繊維長44
mmのポリプロピレン/低融点ポリプロピレンサイドバ
イサイド型の疎水性の接着性繊維である潜在捲縮性複合
繊維10重量%と、からなる面密度60g/mのクリ
スクロス繊維ウエブを作成した。この繊維ウエブを80
メッシュ平織り金網のコンベアーベルトからなる開孔の
ある支持体上に載置して、繊維ウエブの上部より、水圧
8および10MPaの高圧水を、直径0.13mmのノ
ズル孔が0.6mm間隔で直線状に配列されたノズルプ
レートより、各水圧に応じて各1本ずつ合計2本より噴
射させ、高速水流となし、繊維ウエブにあて、繊維ウエ
ブに第一回目の予備的絡合処理を行った。次に、この予
備処理された繊維ウエブを反転させて、第一回目と同じ
開孔のある支持体上に載置して、第一回目の予備処理と
同じ方法で、但し水圧だけは13MPaとして、第二回
目の予備的絡合処理を行った。次に、この予備処理され
た繊維ウエブを再び反転させて15メッシュ平織りタイ
プの、プラスチックのコンベアーベルトからなる開孔形
成用支持体上に載置して、繊維ウエブの上部より、水圧
14MPaの高圧水を、直径0.13mmのノズル孔が
0.6mm間隔で直線状に配列されたノズルプレート2
本より噴射させ、高速水流となし、繊維ウエブにあて、
繊維ウエブを絡合処理すると同時に開孔処理した。次
に、この開孔及び、絡合処理した繊維ウエブを平織り金
網からなるコンベアーベルトの上に載置して、エアース
ルー型のドライヤーの中で、潜在捲縮性複合繊維の接着
成分である低融点ポリプロピレン樹脂が溶融するよう
に、140℃の温度で、潜在捲縮発現処理と熱接着処理
を行い繊維シートを得た。次に、この繊維シートを実施
例1と同様にプラズマ放電処理して皮膚清浄用不織布を
得た。この皮膚清浄用不織布は225個/インチの開
孔があり、面密度が60g/m、厚さが0.70m
m、通気度が207cm/cm/sec、水滴吸収
時間が5secであった。また、湿潤時の曲げ反発性の
値は縦方向が118度、横方向が0度であった。また、
乾燥時の曲げ反発性の値は縦方向が152度、横方向が
140度であった。このように、開孔数が225個/イ
ンチであるので泡立ちの発現しやすい構造となってお
り、また水滴吸収時間が短く十分に親水化されており、
また湿潤時の曲げ反発性の値が大きく湿潤時の折り曲げ
の力に対する反発力が大きかった。その結果、この皮膚
清浄用不織布に水系洗浄剤と水系洗浄剤の発泡に必要な
水分とを十分に保持した状態で、手で揉んだり、手で握
ったのち握りを開放したりしたときに、不織布がその動
きに追従して泡を多量に発生することができ、皮膚の洗
浄効果に優れていた。
【0043】(比較例3)実施例2のクリスクロス繊維ウエ
ブのかわりに、繊度1.3デニール、繊維長38mmの
ポリエステル繊維30重量%と繊度2デニール、繊維長
38mmのレーヨン繊維70重量%とからなる面密度7
0g/mのクリスクロス繊維ウエブを作成したこと、
および開孔及び絡合処理した繊維ウエブにエアースルー
型のドライヤーの中で乾燥処理して繊維シートを得たこ
と、およびプラズマ放電処理しなかったこと以外は実施
例1と同様にして不織布を得た。この不織布は225個
/インチの開孔があり、面密度が70g/m、厚さ
が0.60mm、通気度が154cm/cm/se
c、水滴吸収時間が1sec未満であった。また、湿潤
時の曲げ反発性の値は縦方向が0度、横方向が0度であ
った。また、乾燥時の曲げ反発性の値は縦方向が156
度、横方向が10度であった。このように、親水性繊維
であるレーヨン繊維の重量比率が大きく、湿潤時の折り
曲げの力に対する反発力がほとんど無かった。その結
果、この不織布に水系洗浄剤と水系洗浄剤の発泡に必要
な水分とを十分に保持した状態で、手で揉んだり、手で
握ったのち握りを開放したりしても、十分な泡立ちが得
られず皮膚清浄用の不織布として不適であった。
【0044】(比較例4)繊維シートをプラズマ放電処理し
なかったこと以外は実施例2と同様にして不織布を得
た。この皮膚清浄用不織布は225個/インチの開孔
があり、面密度が60g/m、厚さが0.70mm、
通気度が207cm/cm/sec、水滴吸収時間
が60sec以上であった。また、湿潤時の曲げ反発性
の値は縦方向が116度、横方向が0度であった。ま
た、乾燥時の曲げ反発性の値は縦方向が143度、横方
向が135度であった。このように、疎水性合成繊維が
親水化されておらず、水系洗浄剤と水系洗浄剤の発泡に
必要な水分とを十分に保持することができなかった。そ
の結果、この不織布に水系洗浄剤と水系洗浄剤の発泡に
必要な水分とを不十分に保持した状態で、手で揉んだ
り、手で握ったのち握りを開放したりすることとなり、
十分な泡立ちが得られず皮膚清浄用の不織布として不適
であった。
【0045】実施例1〜2、比較例1〜4の結果を下記の表
1〜2にまとめた。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】本発明の皮膚清浄用不織布は、不織布を
構成する疎水性合成繊維がプラズマ放電処理によって表
面が親水化されているので、水系洗浄剤の発泡に必要な
水分を十分に保持することができる。また、この疎水性
合成繊維による湿潤時の折り曲げの力に対する反発性は
有したままである。また、本発明の皮膚清浄用不織布
は、平均孔径が40〜100μmであるか、または25
〜400個/インチの開孔を有しているので、空気と
水系洗浄剤と水分とが孔を通して抜けるときに多量に泡
立ちを発現する構造となっている。このため、本発明の
皮膚清浄用不織布は、水系洗浄剤および水系洗浄剤の発
泡に必要な水分と共に手で揉んだり、手で握ったのち握
りを開放したりしたときに、十分な泡立ちがあるという
効果を顕著に得ることができる。したがって本発明の皮
膚清浄用不織布は、口紅やファンデーションなどの化粧
料の拭き取りや化粧落し時に使用する、水系洗浄剤の発
泡に必要な水分の保持性能に優れ、泡立ち性が良く、化
粧落し効果に優れる、皮膚清浄用の不織布として好適で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】曲げ反発性の値の求め方(1)
【図2】曲げ反発性の値の求め方(2) 1 試験片 2 樹脂フィルム 3 樹脂フィルム 4 樹脂フィルム 5 鉄製のロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2D034 AC00 4L031 AA13 AA18 AA20 AB34 CB05 DA21 4L047 AA08 AA12 AA14 AA21 AA23 AA27 AA28 AB02 BA04 BA09 CA10 CA13 CB01 CB07 CB10 CC03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構成繊維の70重量%以上が疎水性合成
    繊維からなり、少なくとも該疎水性合成繊維がプラズマ
    放電処理によって改質されており、平均孔径が40〜1
    00μmであることを特徴とする皮膚清浄用不織布。
  2. 【請求項2】 構成繊維の70重量%以上が疎水性合成
    繊維からなり、少なくとも該疎水性合成繊維がプラズマ
    放電処理によって改質されており、25〜400個/イ
    ンチの開孔を有することを特徴とする皮膚清浄用不織
    布。
  3. 【請求項3】 構成繊維が流体流の作用によって交絡さ
    れていることを特徴とする請求項1または2に記載の皮
    膚清浄用不織布。
  4. 【請求項4】 構成繊維の5〜20重量%が接着性繊維
    であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の
    皮膚清浄用不織布。
  5. 【請求項5】 縦方向又は横方向の何れかの方向におい
    て、湿潤時の曲げ反発性の値が戻り角度で10度以上で
    あることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の皮
    膚清浄用不織布。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007176850A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Lion Corp シート状化粧料
JP2010095819A (ja) * 2008-10-17 2010-04-30 Oji Paper Co Ltd 乾式不織布
JP2011127242A (ja) * 2009-12-16 2011-06-30 Kao Corp 不織布の製造方法及び製造装置
JP2018114139A (ja) * 2017-01-19 2018-07-26 日本バイリーン株式会社 化粧用伸縮性不織布
JP7470582B2 (ja) 2020-06-29 2024-04-18 日本製紙クレシア株式会社 ウェットティシュー製品

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