JP2018111288A - 加飾フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりも安価で損傷時の外観の劣化を抑制することができる樹脂基材用の加飾フィルムを提供する。【解決手段】加飾フィルムDFは、接着層1と、この接着層1を介して樹脂基材BMに接着されるベース層2と、このベース層2に積層された加飾層3と、この加飾層3に積層された最外層のクリア層4とを備える。ベース層2は、鉛筆硬度で3B以上かつ4H以下の硬度を有し、その硬度に反比例する250μm以下かつ50μm以上の厚さT2に設定されている。【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂基材を加飾するための加飾フィルムに関する。
従来から真空成形または真空圧空成形によりフィルムを貼り合わせて加飾した加飾成形部品に関する発明が知られている(下記特許文献1を参照)。特許文献1に記載された加飾成形部品は、部品本体を構成する厚み1.0mm以上かつ2.5mm以下のABS成形基材と、前記成形基材を覆う鉛筆硬度HBと同等以上に硬いフィルムと、前記成形基材と前記フィルムとの間に接着層とを有する。前記フィルムの裾部は、前記成形基材の意匠面に露出する。前記フィルムの貯蔵弾性率は、摂氏130℃で5MPa以上かつ30MPa以下である(同文献、請求項1等を参照)。
特開2013−59968号公報
前記特許文献1の加飾成形部品は、特に、フィルムの最外層の材質が肉厚75μmのアクリルであり、中間層の材質が肉厚200μmのABSであることが記載されている(同文献、請求項2等を参照)。アクリルなどの透明なクリア層は、他の材質と比較して高価である。そのため、フィルムの最外層の硬度を高くしたり厚さを厚くしたりして、フィルムの耐傷性、耐候性を向上させようとすると、コストが上昇する。また、フィルムの最外層が衝撃を受けて損傷したときに外観が大きく損なわれるという課題がある。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、従来よりも安価で損傷時の外観の劣化を抑制することができる樹脂基材用の加飾フィルムを提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明の加飾フィルムは、樹脂基材を加飾するための加飾フィルムであって、接着層と、該接着層を介して前記樹脂基材に接着されるベース層と、該ベース層に積層された加飾層と、該加飾層に積層された最外層のクリア層とを備え、前記ベース層は、鉛筆硬度で3B以上かつ4H以下の硬度を有し、該硬度に反比例する250μm以下かつ50μm以上の厚さに設定されていることを特徴とする。ここで、鉛筆硬度は、JIS K 5600に規定される塗料一般試験方法における引っかき硬度(鉛筆法)によって測定されるベース層の硬度である。
本発明の加飾フィルムは、ベース層が鉛筆硬度で3B以上かつ4H以下の硬度を有し、その硬度に反比例する250μm以下かつ50μm以上の厚さに設定されていることで、耐衝撃性が向上し、ベース層、加飾層およびクリア層の損傷を抑制することができる。したがって、本発明によれば、クリア層を厚くしたり硬くしたりする必要がなく、従来よりも安価で損傷時の外観の劣化を抑制することが可能な樹脂基材用の加飾フィルムを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る加飾フィルムの模式的な断面図。 図1に示す加飾フィルムのベース層の厚さと鉛筆硬度の関係を示すグラフ。 図1に示す接着層の接着力と酸変性塩素化PPの配合割合を示すグラフ。 本発明の実施例に係る加飾フィルムの表面の損傷個所の拡大写真。 図4に示す加飾フィルムの損傷個所の断面形状を示す図。 比較例に係る加飾フィルムの表面の損傷個所の拡大写真。 図6に示す加飾フィルムの損傷個所の断面形状を示す図。 ベース層の鉛筆硬度と加飾フィルムの傷の大きさとの関係を示すグラフ。 ベース層の厚さと加飾フィルムの傷の大きさとの関係を示すグラフ。
以下、図面を参照して本発明に係る加飾フィルムの一実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る加飾フィルムDFの模式的な断面図である。
本実施形態の加飾フィルムDFは、たとえば、樹脂基材BMの加飾に用いられる多層構造の表皮フィルムである。加飾フィルムDFによって加飾される樹脂基材BMの一例としては、自動車の内装品や外装品などの樹脂製の部品が挙げられる。加飾フィルムDFは、たとえば3次元表面被覆工法(Three dimension Overlay Method:TOM工法)など、大気圧力を利用する熱成形である真空成形によって樹脂基材BMに接着され、樹脂基材BMを被覆して加飾する。
加飾フィルムDFは、接着層1と、この接着層1を介して樹脂基材BMに接着されるベース層2と、このベース層2に積層された加飾層3と、この加飾層3に積層された最外層のクリア層4とを備える。詳細については後述するが、本実施形態の加飾フィルムDFは、ベース層2が鉛筆硬度で3B以上かつ4H以下の範囲内の硬度を有し、その硬度に反比例する250μm以下かつ50μm以上の範囲内の厚さT2に設定されていることを特徴としている。
ベース層2としては、たとえば、アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン共重合樹脂(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリル樹脂などの樹脂フィルムを用いることができる。
図2は、図1に示す加飾フィルムDFのベース層2の厚さと鉛筆硬度の関係を示すグラフである。
ベース層2の厚さT2は、250μm以下かつ50μm以上の範囲内で、ベース層2の硬度に反比例するように決定される。たとえば、ベース層2の硬度が鉛筆硬度でおおむね3B以上、2H以下の範囲では、ベース層2の硬度と厚さT2は、一次直線的な反比例の関係となるように設定することができる。
すなわち、ベース層2の硬度が3B以上かつ4H以下の範囲内で最低の鉛筆硬度である3Bの場合、ベース層2の厚さT2は250μm以下かつ50μm以上の範囲内で最大の250μmに設定される。また、ベース層2の硬度が、上記の範囲内で最高の鉛筆硬度である4Hの場合、ベース層2の厚さT2は、上記範囲内で最小の50μmに設定される。なお、ベース層2の硬度が鉛筆硬度で2H以上の範囲では、ベース層2の厚さT2は、上記の範囲内で最小の50μmにすることができる。
加飾層3は、加飾フィルムDFに意匠を施すための層であり、様々な色彩、模様、図形、文字等を表現するための層である。加飾層3の材料としては、たとえば、アクリルウレタンを用いることができる。アクリルウレタンは、アクリルポリオールを用いたポリウレタン樹脂塗料であり、イソシアネート硬化剤との2液硬化により塗膜を形成する。加飾層3は、たとえば、着色されたアクリルウレタンの2液硬化塗料をベース層2の表面にスクリーン印刷することによって形成することができる。加飾層3の厚さT3は、たとえば、おおむね5μm程度である。
クリア層4は、加飾フィルムDFに耐傷性、耐候性を付与するための透明な層である。クリア層4の材料としては、たとえば、透明なアクリルウレタンを用いることができる。クリア層4は、たとえば、透明なアクリルウレタンの2液硬化塗料を加飾層3の表面にスクリーン印刷することによって形成することができる。クリア層4の厚さT4は、たとえば、おおむね10μm程度である。
接着層1は、加飾フィルムDFが貼り付けられる樹脂基材BMと、加飾フィルムDFのベース層2とを接着するための層である。接着層1の材料としては、たとえば、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂に酸変性塩素化ポリプロピレン(酸変性塩素化PP)を20wt%以上かつ30wt%以下の割合で配合したものを用いることができる。接着層1は、たとえば、ベース層2の加飾層3が形成される表面と反対の裏面に、上記材料をスクリーン印刷することによって形成することができる。接着層1の厚さT1は、たとえば、おおむね25μm程度である。
接着層1の材料である酸変性塩素化PPは、非極性樹脂でありながら、極性樹脂に混合することができる。そのため、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂に酸変性塩素化PPを配合すると、極性樹脂と非極性樹脂の両者に対する接着が可能になる。したがって、接着層1は、ベース層2の素材であるABS樹脂、PVC樹脂等の樹脂材料に対する接着性を確保しつつ、PP樹脂に対する接着が可能になる。
図3は、図1に示す接着層1の接着力と酸変性塩素化PPの配合割合との関係を示すグラフである。
接着層1の接着力は、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂に対する酸変性塩素化PPの配合割合が20wt%に達するまでは、おおむね直線的に増加する。しかし、接着層1の接着力は、酸変性塩素化PPの配合割合が20wt%を超えると増加率が減少し、酸変性塩素化PPの配合割合が30wt%を超えると減少に転じる。
このように塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂に対する酸変性塩素化PPの配合割合を多くすると、PP樹脂に対する接着力は向上するが、PVC樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂等に対する接着力が低下する。そのため、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂に対する酸変性塩素化PPの配合割合は、20wt%以上かつ30wt%以下であることが好ましい。これにより、接着層1は、たとえば7N/cm以上の接着力を発揮することができる。
したがって、接着層1として上記の材料を用いることで、ABS樹脂やPVC樹脂等を素材とするベース層2に対する接着性を良好に維持しつつ、PP樹脂等と素材とする樹脂基材BMに対する高い接着力を発揮することができる。これにより、樹脂成形品等の樹脂基材BMに、プライマーなどによる表面改質を行うことなく、接着層1を介して加飾フィルムDFを強固に接着することができる。
以下、本実施形態の加飾フィルムDFの作用について説明する。
本実施形態の加飾フィルムDFは、たとえば、自動車の内装品や外装品など、樹脂製の部品である樹脂基材BMの表面に真空成形によって接着され、樹脂基材BMを被覆して加飾する。樹脂基材BMが、たとえば自動車のサイドミラーなどの外装品である場合には、自動車の走行中に飛び石などが当たって加飾フィルムDFに衝撃が加わることがある。
たとえば、前記特許文献1に記載された従来の加飾成形部品は、フィルムの透明な最外層によって、紫外線、薬品などの外的要因から外観の損傷を防ぐ構成になっている。このフィルムの最外層は、肉厚75μmのアクリルである。アクリルなどの透明な材料は、他の材料と比較して高価である。そのため、フィルムの最外層の硬度を上昇させ、厚さを増加させて、耐傷性、耐候性を向上させようとすると、コストが上昇するだけでなく、フィルムの伸縮性が低下して成形性が悪化する。
これに対し、本実施形態の加飾フィルムDFは、前述のように、接着層1と、この接着層1を介して樹脂基材BMに接着されるベース層2と、このベース層2に積層された加飾層3と、この加飾層3に積層された最外層のクリア層4とを備えている。ベース層2は、鉛筆硬度で3B以上かつ4H以下の硬度を有し、その硬度に反比例する250μm以下かつ50μm以上の厚さに設定されている。
これにより、ベース層2の耐衝撃性が向上し、飛び石などによる衝撃に対するクリア層4、加飾層3、およびベース層2の損傷を抑制することが可能になる。また、加飾フィルムDFの耐傷性を向上させるのにクリア層4を硬くしたり厚くしたりする必要がない。そのため、従来よりもコストを低減することができ、加飾フィルムDFの良好な成形性を維持することができる。したがって、本実施形態の加飾フィルムDFによれば、従来よりも安価で損傷時の外観の劣化を抑制することができる。
また、前記従来の加飾成形部品は、接着層の主成分として塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂やアクリル樹脂を使用するが、これらの樹脂はPP樹脂に対する接着性が低い。そのため、加飾する樹脂部品がPP樹脂である場合には、樹脂部品にプライマーを塗布したりプラズマ処理をしたりするなどの表面改質を行う必要があり、コストを増加させる要因になる。
これに対し、本実施形態の加飾フィルムDFは、前述のように、接着層1の材料としては、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂に酸変性塩素化PPを20wt%以上かつ30wt%以下の割合で配合したものを用いている。これにより、ベース層2の素材であるABS樹脂、PVC樹脂等の樹脂材料に対する接着性を確保しつつ、安価なPP樹脂からなる樹脂基材BMに対する接着が可能になる。したがって、本実施形態の加飾フィルムDFによれば、プライマーの塗布等の表面処理を行うことなく、PP樹脂からなる樹脂基材BMに強固に接着することができる。
以上、図面を用いて本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
[実施例]
以下、本発明に係る加飾フィルムの実施例について説明する。
ベース層として、厚さが200μm、鉛筆硬度がBであるPVCフィルムを用意した。ベース層の表面に、着色された2液硬化のアクリルウレタン塗料をスクリーン印刷によって印刷し、厚さが5μmの加飾層を形成した。次に、加飾層の表面に、透明な2液硬化のアクリルウレタン塗料をスクリーン印刷によって印刷し、厚さが10μmのクリア層を形成した。
次に、ベース層の加飾層が形成された表面と反対の裏面に、接着層の材料をスクリーン印刷によって印刷し、厚さが25μmの接着層を形成し、実施例の加飾フィルムを得た。接着層の材料は、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂に酸変性塩素化PPを30wt%の割合で配合したものを用いた。
次に、真空成形によってPP樹脂製の樹脂基材に加飾フィルムを接合し、加飾フィルムによって樹脂基材を被覆した加飾部品を得た。得られた加飾部品に対して、加飾フィルムと樹脂基材との接着力を測定した。その結果、接着力は、8.1N/cmであった。また、得られた加飾部品に対して、各種耐候性試験を行ったところ、加飾フィルムの剥がれは見られなかった。また、得られた加飾部品に対して小石を衝突させる飛び石評価試験を行い、表面の状態を測定した。
図4は、実施例の加飾フィルムの表面の損傷個所の拡大写真である。図5は、図4に示す加飾フィルムの損傷個所の断面形状を示す図である。
図4に示すように、実施例の加飾フィルムでは、損傷個所の径をφ1mm程度に抑制することができた。また、図5に示すように、実施例の加飾フィルムでは、損傷個所の高低差を、おおむね15μm程度に抑制することができた。すなわち、損傷個所は、厚さが10μmのクリア層と厚さが5μmの加飾層の範囲に留まっている。したがって、加飾フィルムの損傷は、ほぼベース層には至っていないことがわかる。
次に、ベース層として、厚さが200μmで鉛筆硬度がFのPVCフィルムと、厚さが125μmで鉛筆硬度が2HのPVCフィルムと、厚さが100μmで鉛筆硬度がHのPVCフィルムを用意した。そして、前述の実施例の加飾フィルムと同様に、これらを用いて別の実施例の加飾フィルムを製作した。さらに、これら別の実施例の加飾フィルムを用いて加飾部品を製作し、前述の実施例加飾部品と同様に、飛び石評価試験を行った。これら別の実施例および前述の実施例の加飾フィルムのベース層の厚さと鉛筆硬度の関係を、図2のグラフに丸印で示す。
図2に丸印で示すベース層の厚さと硬度の関係を有する別の実施例の加飾フィルムにおいても、前述の加飾フィルムと同様に、損傷個所の径をφ1mm程度に抑制することができた。すなわち、図2に示すように、横軸をベース層の鉛筆硬度、縦軸をベース層の厚さとするグラフにおいて、厚さが250μmで硬度が3Bの点と、厚さが0μmで硬度が3Hの点とを結ぶ直線の右側の領域では、加飾フィルムの損傷を抑制することができた。
[比較例]
次に、前述の実施例の加飾フィルムの比較対象として、比較例の加飾フィルムについて説明する。
ベース層として、図2にX印で示す厚さと鉛筆硬度の組み合わせを有するPVCフィルムを用意し、前述の実施例と同様に、比較例の加飾フィルムを製作し、その比較例の加飾フィルムを用いて、加飾部品を製作した。そして、前述の実施例と同様に、飛び石評価試験を行った。
図6は、比較例の加飾フィルムの表面の損傷個所の拡大写真である。なお、図6に示す加飾フィルムにおいて、ベース層は、厚さが50μmで鉛筆硬度がBである。図7は、図6に示す加飾フィルムの損傷個所の断面形状を示す図である。
図6に示すように、比較例の加飾フィルムでは、損傷個所の径がφ2mmよりも拡大した。また、図7に示すように、比較例の加飾フィルムでは、損傷個所の高低差が、おおむね67μm程度に増加した。すなわち、損傷個所は、厚さが10μmのクリア層と厚さが5μmの加飾層の範囲に留まらず、ベース層の厚さ全体に及んでいることがわかる。
図2にX印で示すベース層の厚さと硬度の関係を有する別の比較例の加飾フィルムにおいても、前述の比較例の加飾フィルムと同様に、損傷個所の径がφ2mmよりも大きくなった。すなわち、図2に示すように、横軸をベース層の鉛筆硬度、縦軸をベース層の厚さとするグラフにおいて、厚さが250μmで硬度が3Bの点と、厚さが0μmで硬度が3Hの点とを結ぶ直線の左側の領域では、加飾フィルムの損傷をφ2mm以下に抑制することができなかった。
図8は、厚さが200μmのPVCフィルムをベース層として用いたときのベース層の鉛筆硬度と加飾フィルムの傷の大きさとの関係を示すグラフである。図9は、鉛筆硬度がBのPVCフィルムをベース層として用いたときのベース層の厚さと加飾フィルムの傷の大きさとの関係を示すグラフである。
以上の実施例と比較例の結果から、以下のような知見を得た。図8に示すように、ベース層の厚さが一定であれば、ベース層の硬度が高いほど、加飾フィルムの傷を小さくすることができる。ベース層の厚さが200μmの場合、図8に示すように、ベース層の硬度が鉛筆硬度で3Bよりも高ければ、傷の大きさをφ2mm以下にすることができる。
また、図9に示すようにベース層の硬度が一定であれば、ベース層の厚さが厚いほど、加飾フィルムの傷を小さくすることができる。ベース層の硬度が鉛筆硬度でBの場合、図9に示すように、ベース層の厚さが100μmよりも厚ければ、傷の大きさをφ2mm以下にすることができる。
したがって、ベース層の材質に関わらず、ベース層の硬度と厚さの適切な関係、すなわち、ベース層が鉛筆硬度で3B以上かつ4H以下の硬度を有し、その硬度に反比例するように、ベース層が250μm以下かつ50μm以上の厚さに設定されている関係を満たすことで、加飾フィルムの耐傷性を向上させることが可能になる。これにより、材料コスト、成形性、フィルム製造要件などにより、加飾フィルムの最適な材質の選択が可能になる。
1 接着層
2 ベース層
3 加飾層
4 クリア層
BM 樹脂基材
DF 加飾フィルム
T2 ベース層の厚さ

Claims (1)

  1. 樹脂基材を加飾するための加飾フィルムであって、
    接着層と、該接着層を介して前記樹脂基材に接着されるベース層と、該ベース層に積層された加飾層と、該加飾層に積層された最外層のクリア層とを備え、
    前記ベース層は、鉛筆硬度で3B以上かつ4H以下の硬度を有し、該硬度に反比例する250μm以下かつ50μm以上の厚さに設定されていることを特徴とする加飾フィルム。
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