JP2018108898A - ガラス板 - Google Patents

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雄介 荒井
Yusuke Arai
雄介 荒井
博之 土屋
Hiroyuki Tsuchiya
博之 土屋
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Abstract

【課題】入射光と出射光の色ずれが有意に抑制されたガラス板。【解決手段】第1および第2の主表面を有し、溶融スズ上で成形されたガラス板において、第1の主表面は、前記溶融スズと接触した側であり、スズ含有層を有し、第1の主表面に垂直な方向で割断することにより、当該ガラス板の中心部分から、縦50mm×横50mmの寸法で採取され、相互に対向する第1および第2の割断面が、算術平均粗さRa≦0.03μmとなるようにされたサンプルAにおいて、前記第1の割断面から法線方向の50mm長での、波長400〜700nmの範囲における内部透過率の平均値が92%以上であり、前記スズ含有層の吸光度Apの波長400〜700nmの範囲における最大値と最小値の差が0.0007以下であり、前記吸光度Apの波長400nm〜700nmの範囲における最大値は、0.0010以下である。【選択図】図2

Description

本発明は、ガラス板に関する。
従来より、LEDなどの低消費電力光源を使用したエッジライト方式の表示装置が知られている。エッジライト方式の表示装置では、相互に対向する2つの主表面を有する導光板と、該導光板の一つの端面に対向して配置された光源とが使用される。ここで、導光板の「端面」とは、導光板の2つの主表面を相互に接続する4つの側面を意味する。また、4つの側面のうち、光源と面する端面を、特に、「入射端面」と称する。
エッジライト方式では、光源からの光は、導光板の入射端面に入射される。その後、導光板に入射した光は、一つの主表面(「出射主表面」という)から出射される。従って、エッジライト方式では、導光板における光の入射方向と出射方向が相互に垂直な関係にあると言う特徴がある。
一般に、このようなエッジライト方式の表示装置の導光板として、アクリル板が用いられている。しかしながら、アクリル板は、耐擦傷性、剛性、耐熱性、および耐水性の観点から問題がある。そのため、そのような問題が生じ難いガラス板を、導光板を使用することが要望されている。
前述のように、エッジライト方式の表示装置の導光板として、ガラス板を使用することが要望されている。
しかしながら、一般に、フロート法で製造されたガラス板は、一方の主表面に、薄い着色層を有する。これは、溶融ガラスからガラス板を成形する際に、溶融スズと接触する表面では、溶融スズ中の不純物(例えば鉄)と、溶融ガラス中の成分(例えば硫黄)とが反応して、着色成分が生じるためである。
そして、このような着色層を有するガラス板を導光板に適用した場合、光の相当の量が伝播中に吸収されてしまう可能性が高くなる。また、光の伝播中にある特定の波長の部分が選択的に吸収されると、入射光の色とは異なる色の光が出射され、いわゆる色ずれの生じる可能性が高くなる。
特に、最近の表示装置の分野では、液晶テレビなどに見られるように、比較的大きな寸法のものが主流になってきている。従って、表示装置さらには導光板の大型化にともない、光の伝播距離が長くなるため、このような問題は、今後より顕著になるものと予想される。
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、本発明では、入射光と出射光の色ずれが有意に抑制されたガラス板を提供することを目的とする。
本発明では、第1および第2の主表面を有し、溶融スズ上で成形されたガラス板であって、
前記第1の主表面は、前記溶融スズと接触した側であり、スズ含有層を有し、
前記第1の主表面に垂直な方向で割断することにより、当該ガラス板の中心部分から、縦50mm×横50mmの寸法で採取され、相互に対向する第1および第2の割断面が、算術平均粗さRa≦0.03μmとなるようにされたサンプルAにおいて、前記第1の割断面から法線方向の50mm長での、波長400nm〜700nmの範囲における内部透過率の平均値が92%以上であり、
前記スズ含有層の吸光度Apの波長400〜700nmの範囲における最大値と最小値の差が0.0007以下であり、
前記吸光度Apの波長400nm〜700nmの範囲における最大値は、0.0010以下である、ガラス板が提供される。
本発明では、入射光と出射光の色ずれが有意に抑制されたガラス板を提供することができる。
一般的なエッジライト方式の表示装置の構成を概略的に示した図である。 本発明の一実施形態によるガラス板の模式的な斜視図である。 吸光度測定用の第1の研磨サンプルの調製方法を説明するための図である。 吸光度測定用の第2の研磨サンプルの調製方法を説明するための図である。 本発明の一実施形態によるガラス板の製造方法の一例の概略的なフローを示した図である。 ガラス板1およびガラス板2において得られた50mm長での内部透過率Tinの一例を示したグラフである。 ガラス板3において得られた50mm長での内部透過率Tinの一例を示したグラフである。 ガラス板1のぞれぞれの主表面において得られた反射率RおよびRの測定結果の一例を示したグラフである。 ガラス板2のぞれぞれの主表面において得られた反射率RおよびRの測定結果の一例を示したグラフである。 ガラス板3のぞれぞれの主表面において得られた反射率RおよびRの測定結果の一例を示したグラフである。 ガラス板1から採取した第1および第2の研磨サンプルにおける、内部透過率T1iおよびT2iの波長依存性を示したグラフである。 ガラス板1から採取した第1および第2の研磨サンプルにおける、第1参照反射率Rおよび第2参照反射率Rの波長依存性を示したグラフである。 ガラス板1におけるスズ含有層の吸光度Apの波長依存性を示したグラフである。 ガラス板2から採取した第1および第2の研磨サンプルにおける、内部透過率T1iおよびT2iの波長依存性を示したグラフである。 ガラス板2から採取した第1および第2の研磨サンプルにおける、第1参照反射率Rおよび第2参照反射率Rの波長依存性を示したグラフである。 ガラス板2におけるスズ含有層の吸光度Apの波長依存性を示したグラフである。 ガラス板3から採取した第1および第2の研磨サンプルにおける、内部透過率T1iおよびT2iの波長依存性を示したグラフである。 ガラス板3から採取した第1および第2の研磨サンプルにおける、第1参照反射率Rおよび第2参照反射率Rの波長依存性を示したグラフである。 ガラス板3におけるスズ含有層の吸光度Apの波長依存性を示したグラフである。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
図1には、一般的なエッジライト方式の表示装置の概略的な分解斜視図を示す。
図1に示すように、通常、エッジライト方式の表示装置10は、光源群20と、導光板30と、表示素子40とを有する。
光源群20は、一列に配置された1つ以上の光源21を有する。各光源21は、発光ダイオード(LED)またはレーザダイオードのような、指向性光源であっても良い。
導光板30は、第1および第2の主表面32Aおよび32Bと、該主表面同士を接続する4つの端面34A〜34Dを有する。導光板30の第1の主表面32Aは、該主表面上に散乱粒子を含有する複数のドット、散乱粒子を含有しない複数のドット、複数の凸レンズ、凹凸形状等の何らかの散乱構造(図示されていない)が付与されてよく、「散乱主表面」とも称される。導光板30の第2の主表面32Bは、出射側となり、「出射主表面」とも称される。導光板30の第1の主表面32Aは、表示装置10の背面側となり、第2の主表面32Bは、表示装置10の前面側となる。導光板30の端面34Aは、光源群20と対面しており、表示装置10の入射表面となる。従って、導光板30の端面34Aは、「入射端面」とも称される。
表示素子40は、例えば、液晶、または黒色もしくは白色の粒子を内包するマイクロカプセルなどで構成され、画像を形成することができる。表示素子40は、導光板30の第2の主表面32Bと対面するように配置される。
このような構成の表示装置10は、以下のように作動する。まず、光源群20を構成する各光源21から、導光板30の入射端面34Aに向かって光が照射され、該光が導光板30に入射する。入射した光(入射光)は、導光板30の各内面で反射されながら導光板30の内部を伝播し、導光板30の第1の主表面32A上に形成された何らかの散乱構造によって伝播方向を変えた結果、導光板30の第2の主表面32Bから出射される。導光板30から出射された光は、その後表示素子40に照射される。その結果、表示素子40で形成された画像が外部に表示され、表示装置10の視認者が表示素子40で形成された画像を認識することができる。
図2には、本発明の一実施形態によるガラス板の概略的な斜視図を示す。
図2に示すように、本発明の一実施形態によるガラス板(以下、「第1のガラス板」と称する)100は、第1の主表面120および第2の主表面122と、第1〜第4の端面132〜138とを有する。
第1の主表面120は、第1のガラス板100が成形された際に、溶融スズと接触した側であり、そのため、薄いスズ含有層(図示されていない)を有する。
ここで、前述のように、表示装置10の導光板30として、アクリル板に代えて、ガラス板を適用することが要望されている。
しかしながら、一般に、フロート法で製造されたガラス板は、一方の主表面に、薄い着色層を有する。このような着色層を有するガラス板を表示装置10の導光板30に適用した場合、光の相当の量が伝播中に吸収されてしまう可能性が高くなる。また、光の伝播中にある特定の波長の部分が選択的に吸収されると、入射光の色とは異なる色の光が出射され、いわゆる色ずれの生じる可能性が高くなる。特に、表示装置10さらには導光板30の大型化にともない、光の伝播距離が長くなるため、このような問題は、今後より顕著になるおそれがある。
これに対して、第1のガラス板100では、第1の主表面120に垂直な方向で割断することにより、第1のガラス板100の中心部分から、縦50mm×横50mmの寸法で採取され、相互に対向する第1および第2の割断面が、算術平均粗さRa≦0.03μmとなるようにされたサンプルAにおいて、前記第1の割断面から法線方向の50mm長での、波長400nm〜700nmの範囲における内部透過率Tinの平均値Tave(以下、「平均内部透過率Tave」という)が92%以上であるという特徴を有する。
また、第1のガラス板100では、スズ含有層の吸光度Apの波長400nm〜700nmの範囲における最大値と最小値の差が0.0007以下であり、前記吸光度Apの波長400nm〜700nmの範囲における最大値は、0.0010以下であるという特徴を有する。
このような第1のガラス板100は、前記第1の割断面に垂直な、比較的長い光路長にわたって、十分に高い透明性を有する。
また、第1のガラス板100は、スズ含有層を有する第1の主表面120において、着色が十分に抑制されている。このため、第1のガラス板100では、第1の主表面120にスズ含有層を有するにも関わらず、光の吸収、および吸収の波長依存性を有意に抑制することができる。
このような特徴により、第1のガラス板100を、例えば表示装置10の導光板30に使用した場合、入射端面から、光路長にわたって、光をあまり減衰させることなく、伝播させることが可能になる。また、入射端面(例えば、第1の端面132)から入射される入射光と、第2の主表面122から出射される出射光の間で、色ずれが生じるという問題を、有意に抑制することが可能になる。
第1の主表面120の反射率は、スズが侵入することにより、高くなっている。そのため、第1のガラス板100を表示装置10の導光板30に使用する場合、第1の主表面120を表示装置10の背面側として(すなわち、散乱主要面として)使用することにより、光を対向する第2の主表面122からより多く取り出すことができ、好ましい。
また、第2の主表面122の反射率は、成形雰囲気の影響でアルカリ成分が減少することにより、低くなっている。そのため、第1のガラス板100を表示装置10の導光板30に使用する場合、第2の主表面122を表示装置10の前面側として(すなわち、出射主要面として)使用することにより、光の反射成分を減らし、第2の主表面122からより多く取り出すことができ、好ましい。
(ガラス板の内部透過率Tinおよび平均内部透過率Tave
ここで、本願におけるガラス板の内部透過率Tinおよび平均内部透過率Taveの評価方法について説明する。
まず、対象となるガラス板の略中央部分から、ガラス板の第1の主表面に垂直な方向で割断することにより、縦50mm×横50mmの寸法のサンプルを採取する。
次に、このサンプルの相互に対向する第1および第2の割断面の算術平均粗さRaが、0.03μm以下となっていることを確認する。もし、算術平均粗さRaが0.03μmより大きい場合、第1および第2の割断面をコロイダルシリカまたは酸化セリウムの遊離砥粒で研磨する。
次に、このサンプルAにおいて、第1の割断面に対して、該第1の割断面の法線方向で、50mm長での、波長400nm〜700nmの範囲における透過率Tを測定する。透過率Tの測定においては、50mm長での測定が可能な分光測定装置(たとえば、UH4150:日立ハイテクノロジーズ社製)を使用し、スリット等によって、入射光のビーム幅を板厚よりも狭くして測定する。
次に、Vブロック法によって、サンプルAの、g線(435.8nm)、F線(486.1nm)、e線(546.1nm)、d線(587.6nm)、C線(656.3nm)の各波長における屈折率を、精密屈折計により室温で測定する。それらの値にフィットするようにSellmeierの分散式(以下の(1)式)の各係数B、B、B、C、C、Cを最小二乗法によって決定することにより、サンプルAの屈折率nを得る:

=[1+{Bλ/(λ−C)}+{Bλ/(λ−C)}+{Bλ/(λ−C)}]0.5 (1)式

なお、(1)式において、λは波長である。

サンプルAの該第1および該第2の割断面における反射率Rを、以下の理論式((2)式)によって求める:

=(1−n/(1+n (2)式

次に、(3)式を用いて、サンプルAの50mm長での透過率Tから、反射の影響を除外することにより、サンプルAにおける、該第1の割断面から法線方向の50mm長での内部透過率Tinを得る:

in=[−(1−R+{(1−R+4T 0.5
/(2T ) (3)式

各波長で得られた内部透過率Tinを測定波長域にわたって平均化することにより、ガラス板の平均内部透過率Taveが算定される。
第1のガラス板100において、平均内部透過率Taveは、92%以上である。この場合に、第1のガラス板100を導光板として用いたとき、より多くの光を導光板から取り出すことができる。平均内部透過率Taveは、95%以上であることが好ましく、96%以上であることがより好ましく、97%以上であることがさらに好ましく、98%以上であることが特に好ましい。
(スズ含有層の吸光度Ap)
ここで、図3および図4を参照して、本願におけるスズ含有層の吸光度Apの測定方法について説明する。図3は、吸光度測定用の第1の研磨サンプルの調製方法を説明するための図である。また、図4は、吸光度測定用の第2の研磨サンプルの調製方法を説明するための図である。
まず、被評価対象のガラス板の略中央部分から、第1および第2の2つのサンプルが採取される。
図3には、第1のサンプル110−1の断面を模式的に示す。また、図4には、第2のサンプル110−2の断面を模式的に示す。
図3に示すように、第1のサンプル110−1は、第1の主表面120Aと、第2の主表面122Aとを有する。第1の主表面120Aおよび第2の主表面122Aは、それぞれ、もとのガラス板の第1の主表面および第2の主表面に相当する。なお、第1の主表面120Aは、ガラス板の成形の際のスズ接触面であり、スズ含有層150を有する。
この第1のサンプル110−1において、第1の主表面120Aの側を100μm程度研磨し、第2の主表面122Aの側を100μm程度研磨する。これにより、第1の主表面120Aの側に、新たに第1の研磨表面123Aが形成され、第2の主表面122Aの側に、新たに第2の研磨表面124Aが形成される。
第1の研磨表面123Aおよび第2の研磨表面124Aは、いずれも算術平均粗さRaが0.04μm以下の鏡面状態とされる。得られたサンプル110−1を、第1の研磨サンプル110Aと称する。なお、第1の主表面120Aが研磨されたため、第1の研磨表面123Aには、スズ含有層150は存在しない。
一方、図4に示すように、第2のサンプル110−2は、第3の主表面120Bと、第4の主表面122Bとを有する。第3の主表面120Bおよび第4の主表面122Bは、それぞれ、もとのガラス板の第1の主表面および第2の主表面に相当する。なお、第3の主表面120Bは、ガラス板の成形の際のスズ接触面であり、スズ含有層150を有する。
この第2のサンプル110−2において、第4の主表面122Bの側のみ、200μm程度研磨する。ここで、サンプル110−2は、該サンプル110−2の板厚がサンプル110−1の板厚と一致するように研磨する。これにより、第4の主表面122Bの側に、新たに第4の研磨表面127Bが形成される。第4の研磨表面127Bは、算術平均粗さRaが0.04μm以下の鏡面状態とされる。得られたサンプル110−2を、第2の研磨サンプル110Bと称する。次に、このようにして得られた第1の研磨サンプル110Aを用いて、第2の研磨表面124Aの側から、波長400nm〜700nmの範囲で、第1の透過率Tを測定する。
次に、第1の研磨表面123Aを粒度#80の砥粒で粗面化し、さらに黒体塗料を均一に塗布した上で、第2の研磨表面124Aの側から、波長400nm〜700nmの範囲で、第2の研磨表面124Aの反射率(第1参照反射率という)Rを測定する。反射率の測定においては、絶対反射率測定が可能な分光測定装置を用いる。なお、第1の研磨表面123Aの反射率は、Rで代表して良い。
次に、第2の研磨サンプル110Bを用いて、第4の研磨表面127Bの側から、波長400nm〜700nmの範囲で、第2の透過率Tを測定する。
次に、第4の研磨表面127Bを粒度#80の砥粒で粗面化し、さらに黒体塗料を均一に塗布した上で、第3の主表面120Bの側から、波長400nm〜700nmの範囲で、第3の主表面120Bの反射率(第2参照反射率という)Rを測定する。反射率の測定においては、絶対反射率測定が可能な分光測定装置を用いる。なお、第4の研磨表面127Bの反射率は、Rで代表して良い。次に、以下の(4)式により、第1の研磨サンプル110Aの内部透過率T1iを算出する:

1i=[−(1−R+{(1−R+4T 0.5
/(2T ) (4)式

同様に、以下の(5)式により、第2の研磨サンプル110Bの内部透過率T2iを算出する:

2i
=[−(1−R)(1−R)+{(1−R(1−R+4T 0.5]/(2T) (5)式

次に、以下の(6)式により、第1の研磨サンプル110Aの吸光度Aを算定する:

=−log101i (6)式

また、以下の(7)式により、第2の研磨サンプル110Bの吸光度Aを算定する:

=−log102i (7)式

最後に(8)式により、スズ含有層150の吸光度Apが導出される。

Ap=A−A (8)式

第1のガラス板100において、スズ含有層の吸光度Apの波長400nm〜700nmの範囲における最大値と最小値の差は0.0007以下である。これにより、第1のガラス板100を導光板として用いた場合に、特定の波長における吸収が小さく、入射光と出射光の色ずれを有意に抑制することができる。前記吸光度Apの波長400nm〜700nmの範囲における最大値と最小値の差は、0.0006以下が好ましく、0.0005以下がより好ましく、0.0003以下が特に好ましい。
また、第1のガラス板100において、前記吸光度Apの波長400nm〜700nmの範囲における最大値は0.0010以下である。これにより、第1のガラス板100を導光板として用いた場合に、吸収が小さく、より多くの光を取り出すことができるとともに、入射光と出射光の色ずれを有意に抑制することができる。前記吸光度Apの波長400nm〜700nmの範囲における最大値は、0.0008以下が好ましく、0.0006以下がより好ましく、0.0003以下が特に好ましい。
(ガラス板100の反射率)
ここで、再度図2を参照すると、第1のガラス板100の第1の主表面120における波長400nm〜700nmの範囲での反射率R(%)の平均値をRa.ave(以下、「第1平均反射率Ra.ave」という)(%)とし、第2の主表面122における波長400nm〜700nmの範囲での反射率R(%)の平均値をRb.ave(以下、「第2平均反射率Rb.ave」という)(%)としたとき、第1平均反射率Ra.ave(%)は第2平均反射率Rb.ave(%)よりも大きく、かつ、第1平均反射率Ra.ave(%)と、第2平均反射率Rb.ave(%)の差ΔRは、0.25%よりも大きいことが好ましい。
差ΔRが0.25%よりも大きい場合、第1のガラス板100を、例えば図1に示したような導光板30に適用した際に、第1の主表面120を表示装置10の背面側として(すなわち、散乱主要面として)使用することが好ましく、第1の主表面120に衝突した光が内部に反射され、第2の主表面122の側から出射される光の量を高めることができる。従って、光の取り出し効率が高くなる。
特に、差ΔRは、0.27%よりも大きいことがより好ましく、0.30%よりも大きいことが特に好ましい。
ここで、第1の主表面120における反射率R(%)を測定する際は、被測定面と対向する第2の主表面122からの反射を防ぐため、第2の主表面122を粒度#80の砥粒で粗面化し、さらに黒体塗料を均一に塗布しておく必要がある。この状態で、絶対反射率測定が可能な分光測定装置を用いて、第1の主表面120における反射率R(%)を測定する。
同様に、第2の主表面122における反射率R(%)を測定する際は、被測定面と対向する第1の主表面120からの反射を防ぐため、第1の主表面120を粒度#80の砥粒で粗面化し、さらに黒体塗料を均一に塗布しておく必要がある。この状態で、絶対反射率測定が可能な分光測定装置を用いて、第2の主表面122における反射率R(%)を測定する。
従って、実際のガラス板100の反射率の測定においては、被測定対象から調製された2つの測定サンプルが使用される。
(本発明の一実施形態によるガラス板のその他の特徴について)
次に、本発明の一実施形態によるガラス板のその他の特徴について説明する。なお、ここでは、第1のガラス板100を例に、各種特徴について説明する。また、ここでは、明確化のため、各部材を表す際に、図2〜図4に示した参照符号を使用する。
(ガラス板100の形状)
第1のガラス板100の寸法は、前述の特徴を有する限り、特に限られない。ガラス板100は、例えば、少なくとも一辺の長さが20cm以上の大きな寸法を有しても良い。
ガラス板100の厚さは導光板の輝度には影響しないが、厚さが0.2mm未満の場合は、剛性が不十分となり好ましくなく、5mmより大きい場合は、ガラスが重くなってしまうため好ましくない。また、ガラス板100の形状は、特に限られず、ガラス板100は、例えば、矩形状または円盤状等の形状であっても良い。
なお、矩形状のガラス板100では、端面が4つ存在するのに対して、円盤状のガラス板100の場合、端面は一つとなることに留意する必要がある。
(スズ含有層150について)
第1のガラス板100の第1の主表面120は、スズ含有層150を有する。このスズ含有層150は、第1のガラス板100の成形の際に、溶融スズと接触することにより形成されたものである。スズ含有層150の厚さは、二次イオン質量分析法によって、スズ成分が侵入している層の深さを測定することにより決定される。スズ含有層150の厚さは、通常10μm以下であり、5μm〜9μm程度であることが多い。
このスズ含有層150の領域を含む、第1の主表面120の表面から10μmの深さ領域において、Feに換算した酸化鉄の濃度の最大値は、0.2質量%以下であることが好ましい。この場合、スズ含有層150において着色の原因である鉄が少ないために、着色を小さく抑えることができる。なお、第1の主表面120の表面から10μmの深さ領域において、Feに換算した酸化鉄の濃度は、表面に近いほど高い値になることが多い。Feに換算した酸化鉄の濃度分布は、二次イオン質量分析法によって測定される。
また、第1の主表面120の表面から10μmの深さ領域において、SnOに換算した酸化スズの濃度の最大値は、1.0質量%より大きいことが好ましい。この場合、主表面120の反射率を高めることができ、第1平均反射率Ra.ave(%)を第2平均反射率Rb.ave(%)よりも大きくし、かつ、第1平均反射率Ra.ave(%)と、第2平均反射率Rb.ave(%)の差ΔRを、0.25%よりも大きくすることが容易である。よって、第1のガラス板100を導光板として用いた時に、光の取り出し効率が高くなる。第1の主表面120の表面から10μmの深さ領域において、SnOに換算した酸化スズの濃度の最大値は、1.1質量%以上であることが好ましく、1.2質量%以上であることがより好ましく、1.5質量%以上であることが特に好ましい。
(ガラス板100の組成)
第1のガラス板100の組成(スズ含有層150の部分を除く)は、前述の特徴を有する限り、特に限られないが、下記する3種類(ガラス組成A、ガラス組成B、ガラス組成Cを有するガラス)が代表的な例として挙げられる。
ガラス組成Aを有するガラス板としては、酸化物基準の質量百分率表示で、SiOを60〜80%、Alを0.5〜7%、MgOを0〜10%、CaOを0〜20%、SrOを0〜15%、BaOを0〜15%、NaOを3〜20%、KOを0〜10%、Feを5〜100質量ppm、SO3を0〜0.5%含むものであることが好ましい。また、Feに換算した全鉄の含有量に対するFeに換算した2価の鉄イオンの含有量で表される鉄のレドックスは、30%以下であることが好ましい。この場合のガラスのヘリウムのd線(波長587.6nm)における室温での屈折率は、1.45〜1.60である。具体例としては、例えば表6の組成1〜5が挙げられる。
また、ガラス組成Bを有するガラス板としては、酸化物基準の質量百分率表示で、SiOを45〜80%、Alを7%超30%以下、Bを0〜15%、MgOを0〜15%、CaOを0〜6%、SrOを0〜5%、BaOを0〜5%、NaOを7〜20%、KOを0〜10%、ZrOを0〜10%、Feを5〜100質量ppm含むものであることが好ましい。また、Feに換算した全鉄の含有量に対するFeに換算した2価の鉄イオンの含有量で表される鉄のレドックスは、30%以下であることが好ましい。この場合のガラスのヘリウムのd線(波長587.6nm)における室温での屈折率は、例えば1.45〜1.60である。この場合のガラス組成は、イオン交換が容易であり、化学強化しやすい。具体例としては、例えば表6の組成6〜12が挙げられる。
また、ガラス組成Cを有するガラス板としては、酸化物基準の質量百分率表示で、SiOを45〜70%、Alを10〜30%、Bを0〜15%、MgO、CaO、SrOおよびBaOを合計で5〜30%、LiO、NaOおよびKOを合計で0%以上、3%未満、Feを5〜100質量ppm含むものであることが好ましい。また、Feに換算した全鉄の含有量に対するFeに換算した2価の鉄イオンの含有量で表される鉄のレドックスは、30%以下であることが好ましい。この場合のガラスのヘリウムのd線(波長587.6nm)における室温での屈折率は、例えば1.45〜1.60である。具体例としては、例えば表6の組成13〜15が挙げられる。
上記した成分を有する本発明のガラス板のガラスの組成の各成分の組成範囲について、以下に説明する。
SiOは、ガラスの主成分である。
SiOの含有量は、ガラスの耐候性、失透特性を保つため、酸化物基準の質量百分率表示で、ガラス組成Aにおいては、好ましくは60%以上、より好ましくは63%以上であり、ガラス組成Bにおいては、好ましくは45%以上、より好ましくは50%以上であり、ガラス組成Cにおいては、好ましくは45%以上、より好ましくは50%以上である。
一方、SiOの含有量は、溶解を容易にし、泡品質を良好なものとするために、またガラス中の鉄の含有量を低く抑え、光学特性を良好なものとするため、ガラス組成Aにおいては、好ましくは80%以下、より好ましくは75%以下であり、ガラス組成Bにおいては、好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下であり、ガラス組成Cにおいては、好ましくは70%以下、より好ましくは65%以下である。
Alは、スズの侵入量を減らし、スズ含有層における着色を小さく抑えることができる必須成分である。本発明のガラスにおいて、着色をできる限り小さくすることが好ましく、Alの含有量は、ガラス組成Aにおいては、好ましくは0.5%以上、より好ましくは2%以上、特に好ましくは3%以上であり、ガラス組成Bにおいては、好ましくは7%超、より好ましくは8%以上、特に好ましくは10%以上であり、ガラス組成Cにおいては、好ましくは10%以上、より好ましくは11%以上、特に好ましくは13%以上である。
但し、Alの含有量が過剰であると、溶解時の粘度が上がり、泡抜けが悪くなる。Alの含有量は、ガラス組成Aにおいては、好ましくは7%以下、より好ましくは6%以下であり、ガラス組成Bにおいては、好ましくは30%以下、より好ましくは23%以下であり、ガラス組成Cにおいては、好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下である。
は、ガラス原料の溶融を促進し、機械的特性や耐候性を向上させる成分であるが、揮発による脈理(ream)の生成、炉壁の侵食等の不都合が生じないために、Bの含有量は、ガラスAにおいては、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下であり、ガラス組成BおよびCにおいては、好ましくは15%以下、より好ましくは、12%以下である。
LiO、NaO、及び、KOといったアルカリ金属酸化物は、ガラス原料の溶融を促進し、熱膨張、粘性等を調整するのに有用な成分である。
そのため、NaOの含有量は、ガラス組成Aにおいては、好ましくは3%以上、より好ましくは、8%以上である。NaOの含有量は、ガラス組成Bにおいては、好ましくは7%以上、より好ましくは、10%以上である。但し、溶解時の清澄性を保持し、製造されるガラスの泡品質を保つために、NaOの含有量は、ガラス組成A及びBにおいては、20%以下とするのが好ましく、15%以下とするのがさらに好ましく、ガラス組成Cにおいては、3%以下とするのが好ましく、1%以下とするのがより好ましい。
また、KOの含有量は、ガラス組成A及びBにおいては、好ましくは10%以下、より好ましくは7%以下であり、ガラス組成Cにおいては、好ましくは2%以下、より好ましくは、1%以下である。
また、LiOは、任意成分であるが、ガラス化を容易にし、原料に由来する不純物として含まれる鉄含有量を低く抑え、バッチコストを低く抑えるために、ガラス組成A、B及びCにおいて、LiOを2%以下含有させることができる。
また、これらアルカリ金属酸化物の合計含有量(LiO+NaO+KO)は、溶解時の清澄性を保持し、製造されるガラスの泡品質を保つために、ガラス組成A及びBにおいては、好ましくは5%〜20%、より好ましくは8%〜15%であり、ガラス組成Cにおいては、好ましくは0%〜2%、より好ましくは、0%〜1%である。
MgO、CaO、SrO、及びBaOといったアルカリ土類金属酸化物は、ガラス原料の溶融を促進し、熱膨張、粘性等を調整するのに有用な成分である。
MgOは、ガラス溶解時の粘性を下げ、溶解を促進する作用がある。また、比重を低減させ、ガラス板に疵をつきにくくする作用があるために、ガラス組成A、B及びCにおいて、含有させることができる。また、ガラスの熱膨張係数を低く、失透特性を良好なものとするために、MgOの含有量は、ガラス組成Aにおいては、好ましくは10%以下であり、より好ましくは8%以下であり、ガラス組成Bにおいては、好ましくは15%以下、より好ましくは12%以下であり、ガラス組成Cにおいては、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である。
CaOは、ガラス原料の溶融を促進し、また粘性、熱膨張等を調整する成分であるので、ガラス組成A、B及びCにおいて含有させることができる。上記の作用を得るためには、ガラス組成Aにおいては、CaOの含有量は、好ましくは3%以上、より好ましくは5%以上である。また、失透を良好にするためには、ガラス組成Aにおいては、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下であり、ガラス組成Bにおいては、好ましくは6%以下であり、より好ましくは4%以下である。
SrOは、熱膨張係数の増大及びガラスの高温粘度を下げる効果がある。かかる効果を得るために、ガラス組成A、B及びCにおいて、SrOを含有させることができる。但し、ガラスの熱膨張係数を低く抑えるため、SrOの含有量は、ガラス組成A及びCにおいては、15%以下とするのが好ましく、10%以下とするのがより好ましく、ガラス組成Bにおいては、5%以下とするのが好ましく、3%以下とするのがより好ましい。
BaOは、SrO同様に熱膨張係数の増大及びガラスの高温粘度を下げる効果がある。上記の効果を得るためにBaOを含有させることができる。但し、ガラスの熱膨張係数を低く抑えるため、ガラス組成A及びCにおいては、15%以下とするのが好ましく、10%以下とするのがより好ましく、ガラス組成Bにおいては、5%以下とするのが好ましく、3%以下とするのがより好ましい。
また、これらアルカリ土類金属酸化物の合計含有量(MgO+CaO+SrO+BaO)は、熱膨張係数を低く抑え、失透特性を良好なものとし、強度を維持するために、ガラス組成Aにおいては、好ましくは10%〜30%、より好ましくは13%〜27%であり、ガラス組成Bにおいては、好ましくは1%〜15%、より好ましくは3%〜10%であり、ガラス組成Cにおいては、好ましくは5%〜30%、より好ましくは10%〜20%である。
本発明のガラス板のガラスのガラス組成においては、ガラスの耐熱性及び表面硬度の向上のために、任意成分としてZrOを、ガラス組成A、B及びCにおいて、10%以下、好ましくは5%以下含有させてもよい。但し、10%超であると、ガラスが失透しやすくなるので、好ましくない。
本発明のガラス板のガラスのガラス組成においては、ガラスの熔解性向上のため、Feを、ガラス組成A、B及びCにおいて、5〜100質量ppm含有させてもよい。なお、ここでFe量は、Feに換算した全酸化鉄量を指す。全酸化鉄量は好ましくは5〜50質量ppmであり、より好ましくは5〜30質量ppmである。上記した全酸化鉄量が5質量ppm未満の場合には、ガラスの赤外線の吸収が極端に悪くなり、熔解性を向上させることが難しく、また、原料の精製に多大なコストがかかるため、好ましくない。また、全酸化鉄量が100質量ppm超の場合には、スズ含有層におけるガラスの着色が大きくなるとともに、波長400nm〜700nmの範囲における内部透過率の平均値を低下させるので好ましくない。
2価の鉄イオンの含有量を減らすことは、波長400nm〜700nmの範囲における内部透過率の平均値を向上させるために重要である。Feに換算した全鉄の含有量に対するFeに換算した2価の鉄イオンの含有量で表される鉄のレドックスは、30%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましく、15%以下であることがさらに好ましく、10%以下であることが特に好ましい。
また、本発明のガラス板のガラスは、清澄剤としてSOを含有してもよいが、SOはスズ含有層において、鉄と結合して、着色源となる可能性がある。そのため、SO含有量は、質量百分率表示で0.50%以下が好ましい。0.40%以下がより好ましく、0.30%以下がさらに好ましく、0.25%以下であることがさらに好ましい。
また、本発明のガラス板のガラスは、酸化剤及び清澄剤としてSb、SnO及びAsのうちの一つ以上を含有してもよい。この場合、Sb、SnOまたはAsの含有量は、質量百分率表示で0〜0.5%が好ましい。0.2%以下がより好ましく、0.1%以下がさらに好ましく、実質的に含有しないことがさらに好ましい。
Sb、SnO及びAsは、ガラスの酸化剤として作用するため、ガラスのFe2+の量を調節する目的により上記範囲内で添加してもよい。ただし、Asは、環境面から積極的に含有させるものではない。
また、本発明のガラス板のガラスは、NiOを含有してもよい。NiOを含有する場合、NiOは、着色成分としても機能するので、NiOの含有量は、上記したガラス組成の合量に対し、10質量ppm以下とするのが好ましい。特に、NiOは、波長400〜700nmにおけるガラス板の内部透過率を低下させないという観点から、1.0質量ppm以下とするのが好ましく、0.5質量ppm以下とすることがより好ましい。
本発明のガラス板のガラスは、Crを含有してもよい。Crを含有する場合、Crは、着色成分としても機能するので、Crの含有量は、上記したガラス組成の合量に対し、10質量ppm以下とするのが好ましい。特に、Crは、波長400nm〜700nmの範囲における内部透過率の平均値を低下させないという観点から、1.0質量ppm以下とするのが好ましく、0.5質量ppm以下とすることがより好ましい。
本発明のガラス板のガラスは、MnOを含有してもよい。MnOを含有する場合、MnOは、可視光を吸収する成分としても機能するので、MnOの含有量は、上記したガラス組成の合量に対し、50質量ppm以下とするのが好ましい。特に、MnOは、波長400nm〜700nmの範囲における内部透過率の平均値を低下させないという観点から、10質量ppm以下とするのが好ましい。
本発明のガラス板のガラスは、TiOを含んでいてもよい。TiOを含有する場合、TiOは、可視光を吸収する成分としても機能するので、TiOの含有量は、上記したガラス組成の合量に対し、1000質量ppm以下とするのが好ましい。TiOは、波長400nm〜700nmの範囲における内部透過率の平均値を低下させないという観点から、含有量を500質量ppm以下とすることがより好ましく、100質量ppm以下とすることが特に好ましい。
本発明のガラス板のガラスは、CeOを含んでいてもよい。CeOには鉄のレドックスを下げる効果があり、波長400〜700nmにおけるガラスの吸収を小さくすることができる。しかし、CeOを多量に含有する場合、CeOは、可視光を吸収する成分としても機能し、また鉄のレドックスを3%未満に下げすぎてしまう可能性があり、好ましくない。したがって、CeOの含有量は、上記したガラス組成の合量に対し、1000質量ppm以下とするのが好ましい。また、CeOの含有量は、500質量ppm以下とするのがより好ましく、400質量ppm以下とするのがさらに好ましく、300質量ppm以下とするのが特に好ましく、250質量ppm以下とするのが最も好ましい。
本発明のガラス板のガラスは、CoO、V及びCuOからなる群より選ばれる少なくとも1種の成分を含んでいてもよい。これらの成分を含有する場合、可視光を吸収する成分としても機能するので、前記成分の含有量は、上記したガラス組成の合量に対し、10質量ppm以下とするのが好ましい。特に、これら成分は、波長400nm〜700nmの範囲における内部透過率の平均値を低下させないように、実質的に含有しないことが好ましい。
Figure 2018108898
(本発明の一実施形態によるガラス板の製造方法について)
次に、前述のような特徴を有する本発明の一実施形態によるガラス板の製造方法(以下、「第1の製造方法」と称する)の一例について、簡単に説明する。
図5には、第1の製造方法の概略的なフローを示す。
図5に示すように、第1の製造方法は、
(1)ガラス原料を溶解して溶融ガラスを製造する工程(工程S110)と、
(2)溶融ガラスをフロートバス上で搬送させて、ガラスリボンを形成する工程(工程S120)と、
(3)ガラスリボンを冷却する工程(工程S130)と
を有する。
以下、各工程について、説明する。
(工程S110)
まず、所定の原料成分を混合することにより、ガラス原料が調合される。また、このガラス原料が加熱され、溶融ガラスが製造される。
溶融ガラスは、不純物としての鉄成分(特にFe2+)ができる限り含まれないように調製される。このため、ガラス原料には、高純度のものが使用される。また、混合処理および溶解処理は、清浄度の高い雰囲気で実施される。
(工程S120)
次に、前述の工程で得られた溶融ガラスがフロートバスに流入される。フロートバスには、予め溶融スズが収容されている。このため、溶融ガラスは、溶融スズ上に浮遊して、ガラスリボンが形成される。
ガラスリボンは、溶融スズ上を移動する間に均一な厚さとなる。
下記の工夫のいずれか一つ以上を組みあわせることで、ガラスのスズ含有層における着色を効果的に抑制することができる。
溶融スズ内に存在する金属不純物(特に鉄)がガラスの溶融スズ面における着色要因となりうるため、溶融スズ錫を水管で冷却することにより、水管の周辺に鉄あるいはスズと鉄の合金あるいはその他の金属不純物を析出させ、溶融スズから鉄等の金属不純物が除去されてよい。
あるいは、溶融スズ中に電極を差し、還元させることにより、鉄あるいはスズと鉄の合金あるいはその他の金属不純物を析出させ、溶融スズから鉄等の金属不純物が除去されてよい。
あるいは、局所的に誘導磁場を発生させ、鉄等の金属不純物を多く含むスズを磁場を印加した周辺に集めてもよい。
あるいは、所望のガラスを製造する前に、各種金属不純物の添加量が溶融スズ中の金属不純物量と比べて同等かより低濃度となるよう調整した別のガラスをフロートバスに流入させ、該低不純物ガラスに溶融スズ中の金属不純物を吸収させることにより、溶融スズから金属不純物を除去してもよい。
また、溶融スズの一部あるいは全部を、金属不純物の含有量が低いスズに入れ替えてもよい。ただし、金属不純物の含有量が低いスズを多量に用意するには多大なコストがかかる。
また、バス雰囲気の還元度を制御する目的で、水素や窒素等の還元ガス濃度分布を調節して良い。
また、ガラスリボンが溶融スズ上を短時間で通過するように、リボンの移動速度を毎時200m以上に上げてもよい。これにより、ガラス中へのスズの侵入量が小さく抑えられ、着色を抑制できる。
なお、溶融スズ中の鉄等の不純物量は極力少なくすることが好ましい。スズ中の鉄の含有量について、具体的には、200質量ppm以下とすることが好ましく、150質量ppm以下とすることが好ましく、100質量ppm以下とすることがさらに好ましく、50質量ppm以下とすることが特に好ましい。
(工程S130)
その後、ガラスリボンは、所定の温度まで徐冷される。また、ガラスリボンを割断することにより、ガラス板が得られる。以上の工程により、本発明の一実施形態によるガラス板を製造することができる。
以上、本発明の一実施形態によるガラスの製造方法の一例について説明した。ただし、本発明の一実施形態によるガラス板の製造方法は、以上の記載に限定されるものではない。
また、上記記載では、本発明の一実施形態によるガラス板が表示装置の導光板として適用される場合を例に、本発明の一実施形態によるガラス板の特徴を説明した。
しかしながら、本発明によるガラス板は、表示装置の導光板以外の各種用途にも、適用することができる。特に、本発明によるガラス板は、コンタミネーション物質の含有量が少なく、透過率が高いという特徴を有するため、各種照明用面発光装置および太陽電池用カバーガラス等に適用することができる。また、高い意匠性が要求される建築用外装材、内装材、および家具等にも適用することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。なお、以下の説明において、例1〜例2は、実施例であり、例3は、比較例である。
(例1)
前述の図5に示したような方法で、厚さが2.3mmのガラス板(「ガラス板1」と称する)を製造した。
(例2)
例1と同様の方法で、厚さが2.5mmのガラス板を製造した。ただし、この例2では、原料ガラスの組成を例1の場合とは変化させてガラス板を製造した。その他の製造条件は、例1の場合と同様である。得られたガラス板をガラス板2と称する。
(例3)
例1と同様の方法で、厚さが2.0mmガラス板を製造した。ただし、この例3では、ガラスの組成を例1の場合とは変化させてガラス板を製造した。その他の製造条件は、例1の場合と同様である。得られたガラス板をガラス板3と称する。
なお、以下の説明では、各ガラス板において、ガラスの成形の際に、スズ浴と接していた側の表面を、第1の主表面と称し、該第1の主表面と反対の側の表面を、第2の主表面と称する。
以下の表2には、ガラス板1〜ガラス板3の組成および鉄レドックスをまとめて示した。なお、これらの組成は、製造後のガラス板を分析することにより、得られたものである。
Figure 2018108898
(評価)
前述のガラス板1〜ガラス板3を用いて、以下の評価を行った。
(内部透過率Tinおよび平均内部透過率Taveの評価)
前述の(ガラス板の内部透過率Tinおよび平均内部透過率Tave)の項で示したような方法で、ガラス板1〜ガラス板3において、透過率T、およびg線(435.8nm)、F線(486.1nm)、e線(546.1nm)、d線(587.6nm)、C線(656.3nm)の各波長における屈折率を測定し、内部透過率Tinを算出した。また、得られた結果から、平均内部透過率Taveを算定した。透過率の測定には、分光測定装置(UH4150:日立ハイテクノロジーズ社製)を使用し、屈折率の測定には、精密屈折計(KPR−2000:島津製作所社製)を使用した。
図6には、ガラス板1およびガラス板2において得られた50mm長での内部透過率Tinの一例を示す。また、図7には、ガラス板3において得られた50mm長での内部透過率Tinの一例を示す。
また、以下の表3には、各ガラス板1〜3において算定された、50mm長での、波長400nm〜700nmの範囲における平均内部透過率Taveをまとめて示す。
Figure 2018108898
この結果から、ガラス板1およびガラス板2では、50mm長での平均内部透過率Taveが92%以上であり、良好な透過性が得られることがわかった。なお、ガラス板3では、鉄レドックスが高いため、平均内部透過率Taveが92%に満たない。
(反射率の評価)
次に、ガラス板1〜ガラス板3において、第1の主表面および第2の主表面に対して、それぞれ、反射率RおよびRを測定した。また、得られた結果から、第1平均反射率Ra.aveおよび第2平均反射率Rb.aveを算定した。
図8には、ガラス板1のぞれぞれの主表面において得られた反射率RおよびRの測定結果の一例を示す。図9には、ガラス板2のぞれぞれの主表面において得られた反射率RおよびRの測定結果の一例を示す。また、図10には、ガラス板3のぞれぞれの主表面において得られた反射率RおよびRの測定結果の一例を示す。
また、以下の表4には、各ガラス板1〜ガラス板3において算定された第1平均反射率Ra.ave、第2平均反射率Rb.ave、および両者の差ΔRをまとめて示す。
Figure 2018108898
この結果から、ガラス板1およびガラス板2では、第1平均反射率Ra.ave(%)は第2平均反射率Rb.ave(%)よりも大きく、かつ、第1平均反射率Ra.ave(%)と、第2平均反射率Rb.ave(%)の差ΔRは、0.25%よりも大きくなっており、図1に示した表示装置10の導光板30のような用途に適することが確認された。
(スズ含有層の吸光度評価)
前述の(スズ含有層の吸光度Apの評価方法について)の項に示した方法により、ガラス板1〜ガラス板3におけるスズ含有層の吸光度Apを評価した。
より具体的には、まず、各ガラス板の略中央部分から、第1および第2の2つのサンプル(縦30mm×横30mm)を採取した。
次に、第1のサンプルにおいて、第1の主表面(ガラス板の第1の主表面に相当する)の側を100μm程度研磨し、第2の主表面122Aの側を100μm程度研磨した。これにより、第1の主表面のスズ含有層が除去された。また、第1の主表面の側に、新たに第1の研磨表面が形成され、第2の主表面の側に、新たに第2の研磨表面が形成された。第1の研磨表面および第2の研磨表面は、いずれも算術平均粗さRaが0.04μm以下の鏡面状態となるまで研磨した。
この第1のサンプルを、第1の研磨サンプルと称する。
次に、第2のサンプルにおいて、第4の主表面(ガラス板の第2の主表面に相当する)の側を200μm程度研磨し、第1のサンプルと板厚を揃えた。第4の主表面は、いずれも算術平均粗さRaが0.04μm以下の鏡面状態となるまで研磨した。これにより、第4の主表面の側に、新たに第4の研磨表面が形成された。
この第2のサンプルを、第2の研磨サンプルと称する。
ガラス板1における第1のサンプルおよび第2のサンプルの厚みはいずれも、2.071mmであった。ガラス板2における第1のサンプルおよび第2のサンプルの厚みはいずれも、2.304mmであった。ガラス板3における第1のサンプルおよび第2のサンプルの厚みはいずれも、1.773mmであった。
次に、第1の研磨サンプルを用いて、第2の研磨表面の側から、波長400nm〜700nmの範囲で、第1の透過率Tを測定した。同様に、第2の研磨サンプルを用いて、第4の研磨表面の側から、波長400nm〜700nmの範囲で、第2の透過率Tを測定した。
次に、第1の研磨サンプルを用いて、第1の研磨表面を粒度#80の砥粒で粗面化し、さらに黒体塗料を均一に塗布した上で、第2の研磨表面の側から、波長400nm〜700nmの範囲で、第2の研磨表面の反射率(第1参照反射率R)を測定した。同様に、第2の研磨サンプルを用いて、第4の研磨表面を粒度#80の砥粒で粗面化し、さらに黒体塗料を均一に塗布した上で、第3の主表面の側から、波長400nm〜700nmの範囲で、第3の主表面の反射率(第2参照反射率R)を測定した。
反射率の測定には、絶対反射率測定用アクセサリーを備える分光測定装置(LAMBDA 950:パーキンエルマー社製)を使用した。また、透過率の測定には、分光測定装置(U−4100:日立ハイテクノロジーズ社製)を使用した。
得られた透過率TおよびTは、前述の(4)式および(5)式により、内部透過率T1iおよびT2iに変換した。
さらに、これらのパラメータを用いて、前述の(6)式〜(8)式により、スズ含有層の吸光度Apを算定した。
図11には、ガラス板1における内部透過率T1iおよびT2iの波長依存性を示す。図12には、ガラス板1における第1参照反射率Rおよび第2参照反射率Rの波長依存性を示す。また、図13には、ガラス板1におけるスズ含有層の吸光度Apの波長依存性を示す。
同様に、図14には、ガラス板2における内部透過率T1iおよびT2iの波長依存性を示す。図15には、ガラス板2における第1参照反射率Rおよび第2参照反射率Rの波長依存性を示す。また、図16には、ガラス板2におけるスズ含有層の吸光度Apの波長依存性を示す。
同様に、図17には、ガラス板3における内部透過率T1iおよびT2iの波長依存性を示す。図18には、ガラス板3における第1参照反射率Rおよび第2参照反射率Rの波長依存性を示す。また、図19には、ガラス板3におけるスズ含有層の吸光度Apの波長依存性を示す。
さらに、表5には、各ガラス板において得られた、波長400nm〜700nmの範囲におけるスズ含有層の吸光度Apの最大値、最小値、最大値−最小値の値、および吸光度Apの平均値をまとめて示す。
Figure 2018108898
これらの結果から、ガラス板1およびガラス板2では、スズ含有層の吸光度Apの波長400nm〜700nmの範囲における最大値と最小値の差は、それぞれ、0.00048および0.00024であり、十分に小さいことがわかった。一方、ガラス板3の場合、スズ含有層の吸光度Apの最大値と最小値の差は、0.00085であり、大きいことがわかった。
また、ガラス板1およびガラス板2では、波長400nm〜700nmの範囲におけるスズ含有層の吸光度Apの最大値は、それぞれ、0.00055および0.00028であった。一方、ガラス板3では、波長400nm〜700nmの範囲におけるスズ含有層の吸光度Apの最大値は、0.00120であった。
このことから、ガラス板1およびガラス板2では、第1の主表面に存在するスズ含有層によって、特定波長の入射光が吸収される度合いは少ないことが確認された。このため、ガラス板1およびガラス板2では、入射光と出射光の間で、色ずれが生じるという問題を有意に抑制することができる。
さらに、表6には、各ガラス板の、第1の主表面の表面から10μmの深さ領域における、Feに換算した酸化鉄の濃度の最大値、および、SnOに換算した酸化スズの濃度の最大値を示す。これらは、二次イオン質量分析法によって測定した。
Figure 2018108898
これらの結果から、ガラス板1およびガラス板2では、Feに換算した酸化鉄の濃度の最大値が0.2質量%以下であり、かつ、酸化スズの濃度の最大値が1.0質量%より多いことがわかった。そのため、ガラス板1およびガラス板2は、図1に示した表示装置10の導光板30のような用途に適することが確認された。
10 表示装置
20 光源群
21 光源
30 導光板
32A 第1の主表面
32B 第2の主表面
34A〜34D 端面
40 表示素子
100 第1のガラス板
110−1 第1のサンプル
110−2 第2のサンプル
110A 第1の研磨サンプル
110B 第2の研磨サンプル
120 第1の主表面
120A 第1の主表面
120B 第3の主表面
122 第2の主表面
122A 第2の主表面
122B 第4の主表面
123A 第1の研磨表面
124A 第2の研磨表面
127B 第4の研磨表面
132 第1の端面
134 第2の端面
136 第3の端面
138 第4の端面
150 スズ含有層

Claims (8)

  1. 第1および第2の主表面を有し、溶融スズ上で成形されたガラス板であって、
    前記第1の主表面は、前記溶融スズと接触した側であり、スズ含有層を有し、
    前記第1の主表面に垂直な方向で割断することにより、当該ガラス板の中心部分から、縦50mm×横50mmの寸法で採取され、相互に対向する第1および第2の割断面が、算術平均粗さRa≦0.03μmとなるようにされたサンプルAにおいて、前記第1の割断面から法線方向の50mm長での、波長400nm〜700nmの範囲における内部透過率の平均値が92%以上であり、
    前記スズ含有層の吸光度Apの波長400〜700nmの範囲における最大値と最小値の差が0.0007以下であり、
    前記吸光度Apの波長400nm〜700nmの範囲における最大値は、0.0010以下である、ガラス板。
  2. 前記第1の主表面において、波長400nm〜700nmの範囲で測定された平均反射率Ra.ave(%)は、前記第2の主表面において、波長400nm〜700nmの範囲で測定された平均反射率Rb.ave(%)よりも大きく、両者の差は、0.25%よりも大きい、請求項1に記載のガラス板。
  3. Feに換算した全鉄の含有量が100質量ppm以下であり、
    前記全鉄の含有量に対するFeに換算した2価の鉄イオンの含有量で表される鉄のレドックスは、20%以下であり、
    SO含有量が0.50質量%以下である、請求項1または2に記載のガラス板。
  4. Al含有量が0.5質量%以上である、請求項1乃至3のいずれか一つに記載のガラス板。
  5. 前記第1の主表面において、表面から10μmの深さまでにおける、Fe換算の酸化鉄の濃度の最大値は、0.2質量%以下である、請求項1乃至4のいずれか一つに記載のガラス板。
  6. 前記第1の主表面において、表面から10μmの深さまでにおける、SnO換算の酸化スズの濃度の最大値は、1.0質量%より大きい、請求項1乃至5のいずれか一つに記載のガラス板。
  7. 当該ガラス板は、表示装置の導光板である、請求項1乃至6のいずれか一つに記載のガラス板。
  8. 当該ガラス板の前記第2の主表面は、光出射側である、請求項7に記載のガラス板。
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