JP2022044041A - 結晶化ガラスおよび化学強化ガラス - Google Patents

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Abstract

【課題】透明性と化学強化特性とに優れ、かつUV耐性に優れた結晶化ガラスを提供すること。【解決手段】本発明は、酸化物基準のmol%表示で、SiO2を65~75%、Al2O3を3~6%、Li2Oを15~25%、ZrO2を0.5~5%、HfO2を0.01~0.5%含有し、βスポジュメン結晶、ペタライト結晶及びユークリプタイト結晶からなる群から選ばれる1以上の結晶を含有する結晶化ガラスに関する。【選択図】図1

Description

本発明は、結晶化ガラスおよび化学強化ガラスに関する。
携帯端末のカバーガラス等には、化学強化ガラスが用いられている。化学強化ガラスは、例えばアルカリ金属イオンを含む溶融塩にガラスを接触させて、ガラス中のアルカリ金属イオンと、溶融塩中のアルカリ金属イオンとの間でイオン交換を生じさせ、ガラス表面に圧縮応力層を形成したものである。
結晶化ガラスは、ガラス中に結晶を析出させたものであり、結晶を含まない非晶質ガラスと比較して硬く、傷つきにくい。また化学強化可能な結晶化ガラスは、非晶質ガラスと比較して、破砕を防止しながら高強度にできる。しかし、従来の結晶化ガラスは、非晶質ガラスに比して透明性が不十分であることが多い。
一方、透明なガラスであっても、紫外線等の影響により遷移金属イオンや希土類イオンなど多価カチオンの価数状態が変わってガラスの色が変化する、いわゆるソラリゼーションによって透明性が低下する場合がある。
特許文献1には、結晶化ガラスをイオン交換処理して化学強化する例が記載されている。特許文献2には、ガラス製造時にSnOを用いて清澄し、酸化ガスでバブリングすることでガラスのソラリゼーションを防止する方法が記載されている。特許文献3には、ガラスに少量のFeとTiOまたはZrOとを含有させることでソラリゼーションを抑制する方法が記載されている。
国際公開第2019/167850号 日本国特表2015-508385号公報 国際公開第2017/026450号
化学強化ガラスは、ディスプレイ等に用いる際、様々な前処理がされる。そのひとつとして、低圧水銀ランプを用いた短波長側のUV照射により、ガラス表面の有機物の除去や表面改質を行う場合がある。本発明者らの検討によれば、このようなUVの照射により、ガラスの特定の波長領域における透過率が低下することがある。
本発明は、透明性と化学強化特性とに優れ、かつUV耐性に優れた結晶化ガラスの提供を目的とする。また、本発明は、透明性とUV耐性に優れた化学強化ガラスの提供を目的とする。
本発明は、酸化物基準のmol%表示で、
SiOを65~75%、
Alを3~6%、
LiOを15~25%、
HfOを0.01~0.5%含有し、
結晶を含有する結晶化ガラスに関する。
本発明の結晶化ガラスは、酸化物基準のmol%表示で、
SiOを65~73%、
Alを3~6%、
LiOを17~23%、
HfOを0.015~0.3%含有することが好ましい。
本発明の結晶化ガラスにおいて、前記結晶がβスポジュメン結晶、ペタライト結晶及びユークリプタイト結晶からなる群から選ばれる1以上の結晶を含有することが好ましい。
本発明の結晶化ガラスにおいて、厚さ0.7mm換算の光透過率が、波長380nmから780nmの範囲において85%以上であることが好ましい。
本発明の結晶化ガラスにおいて、ヤング率が85GPa以上であることが好ましい。
本発明は、酸化物基準のmol%表示で、
SiOを65~75%、
Alを3~6%、
LiOを15~25%、
HfOを0.01~0.5%含有し、
結晶を含有する化学強化ガラスに関する。
本発明の化学強化ガラスは、酸化物基準のmol%表示で、
SiOを65~73%、
Alを3~6%、
LiOを17~23%、
HfOを0.015~0.3%含有することが好ましい。
本発明の化学強化ガラスにおいて、前記結晶がβスポジュメン結晶、ペタライト結晶及びユークリプタイト結晶からなる群から選ばれる1以上の結晶を含有することが好ましい。
本発明の化学強化ガラスにおいて、厚さ0.7mm換算の光透過率が、波長380nmから780nmの範囲において85%以上であることが好ましい。
本発明の化学強化ガラスにおいて、表面圧縮応力値が100MPa以上であり、圧縮応力層深さが100μm以上であり、かつ中央引張応力値が130MPa以下であることが好ましい。
本発明は、透明性と化学強化特性とに優れ、かつUV耐性に優れた結晶化ガラスを提供する。また、本発明は、透明性とUV耐性に優れた化学強化ガラスを提供する。
図1は、結晶化ガラスA及び結晶化ガラスBのUV誘導吸収スペクトルを示す図である。 図2は、非晶質ガラスA及び非晶質ガラスBのUV誘導吸収スペクトルを示す図である。 図3は、結晶化ガラスA及び結晶化ガラスBのUV照射前の透過率を示す図である。 図4は、非晶質ガラスA及び非晶質ガラスBのUV照射前の透過率を示す図である。 図5は、結晶化ガラスA及び結晶化ガラスBのUV照射後の透過率を示す図である。 図6は、非晶質ガラスA及び非晶質ガラスBのUV照射後の透過率を示す図である。 図7は、結晶化ガラスCのUV誘導吸収スペクトルを示す図である。 図8は、結晶化ガラスCのUV照射前の透過率を示す図である。 図9は、結晶化ガラスCのUV照射後の透過率を示す図である。
本明細書において数値範囲を示す「~」とは、特段の定めがない限り、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本明細書において「非晶質ガラス」とは、後述の粉末X線回折法によって、結晶を示す回折ピークが認められないガラスをいう。「結晶化ガラス」は、「非晶質ガラス」を加熱処理して、結晶を析出させたものであり、結晶を含有する。本明細書においては、「非晶質ガラス」と「結晶化ガラス」とを合わせて「ガラス」ということがある。また、加熱処理によって結晶化ガラスとなる非晶質ガラスを、「結晶化ガラスの母ガラス」ということがある。
本明細書において、粉末X線回折法による測定は、次の方法で行われる。すなわち、CuKα線を用いて2θが10°~80°の範囲を測定し、結晶を示す回折ピークが現れた場合には、Hanawalt法によって析出結晶を同定する。また、この方法で同定される結晶のうち積分強度の最も高いピークを含むピーク群から同定される結晶を主結晶とする。
以下において、「化学強化ガラス」は、化学強化処理を施した後のガラスを指し、「化学強化用ガラス」は、化学強化処理を施す前のガラスを指す。
本明細書においては、化学強化ガラス表面からの深さを変数として圧縮応力値を表したパターンを「応力プロファイル」とよぶことがある。本明細書において、「表面圧縮応力値(CS)」は、化学強化ガラスの最表面における圧縮応力値をいう。また「圧縮応力層深さ(DOC)」は、圧縮応力値がゼロとなる深さをいう。負の圧縮応力値は、引張応力を意味する。また、「中央引張応力値(CT)」は、ガラスの板厚tの1/2の深さにおける引張応力値をいう。
応力プロファイルは、一般的には、光導波表面応力計(例えば、有限会社折原製作所製FSM-6000)を用いて測定されることが多い。しかし、光導波表面応力計は、測定原理上、表面から内部に向かって屈折率が低くなる場合でなければ、圧縮応力値を測定できない。したがって、リチウムアルミノシリケートガラスをナトリウム塩で化学強化した場合には、圧縮応力値を測定できない。そこで、本明細書では、散乱光光弾性応力計(例えば、有限会社折原製作所製SLP-2000)を用いて応力プロファイルを測定する。散乱光光弾性応力計によれば、ガラス内部の屈折率分布と関わりなく、圧縮応力値を測定できる。しかし、散乱光光弾性応力計は表面散乱光の影響を受けやすいので、ガラス表面付近の圧縮応力値を正確に測定することが困難である。表面からの深さが10μmまでの表層部分については、それより深い部分の測定値をもとに、相補誤差関数を用いて外挿する方法で圧縮応力値を見積ることができる。
本明細書において、ガラス組成は、特に断らない限り酸化物基準のモル%表示で表し、モル%を単に「%」と表記する。
<UV耐性>
本明細書において「UV耐性」が優れるとは、低圧水銀ランプを用いた主波長185nmおよび254nmの短波長UV照射前後における透過率変化が小さいことをいう。
UV照射前の透過率をT0とし、UV照射後の透過率をT1として、以下の式で表される透過率の低下をUV誘導吸収Δαとよぶ。UV誘導吸収が大きいガラスは、UV照射によって透過率が低下しやすいガラスである。UV誘導吸収は、ガラスの構造欠陥などによって生じる。
Δα=-ln(T1/T0)
波長185nmと波長254nmを含む低圧水銀ランプを照度19mW/cmで10分照射した時の波長380nmにおけるUV誘導吸収は、透過率の低下を抑えるために0.015以下が好ましく、0.012以下がより好ましく、0.010以下がさらに好ましい。またUV誘導吸収の下限は特に限定されないが、UV誘導吸収は典型的には0以上である。
<結晶化ガラス>
本実施形態に係る結晶化ガラス(以下、「本結晶化ガラス」ともいう。)は、HfOを0.01~0.5%含有することを特徴とする。本実施形態の化学組成を有する結晶化ガラスは、HfOを含有することでUV耐性が良好となる。
HfOの含有量は、UV耐性をよくするために0.015%以上が好ましく、0.02%以上がさらに好ましい。
また、ガラスの成形過程における失透抑制の観点から、HfOの含有量は0.4%以下が好ましく、0.3%以下がより好ましい。
図1において太線は、HfOを0.2%含有する結晶化ガラスのUV誘導吸収スペクトルを示している。細線はHfOを含有しないことを除いて、ほぼ同じ化学組成を有する結晶化ガラスのUV誘導吸収スペクトルである。
図1からHfOを含有する結晶化ガラスは、UV誘導吸収が小さく透過率の低下が抑えられ、UV耐性に優れることがわかる。
図2は、図1における各結晶化ガラスの母ガラスである非晶質ガラスのUV誘導吸収スペクトルである。HfOを含有する非晶質ガラスのUV誘導吸収スペクトルを太線で示し、HfOを含有しない非晶質ガラスのUV誘導吸収スペクトルを細線で示す。図1と図2を比較すると、HfOを含有する非晶質ガラスは、UV誘導吸収を抑えることができていない。
本発明者らによれば、本実施形態の化学組成を有する結晶化ガラスにおいてはHfOが選択的にガラス層もしくは結晶層に組み込まれるために局所的にHfOの濃度の高い領域が形成されると考えられる。かかる理由から、本結晶化ガラスにおいては、UV照射時に非晶質ガラスとは異なる作用が生じ、UV耐性に優れるものと考えられる。
本結晶化ガラスは、SiOを65~75%、Alを3~6%、LiOを15~25%含有するリチウムアルミノシリケートガラスであることが好ましい。本結晶化ガラスは、かかる組成を有することで後述するLAS結晶を含有する結晶化ガラスとなりやすい。
本結晶化ガラスはSiOを65~73%、Alを3~6%、LiOを17~23%含有することがより好ましい。
本結晶化ガラスは、SiO、Al、LiOを含有する結晶(以下において「LAS結晶」ということがある)を含有することが好ましい。LAS結晶を含有する結晶化ガラスは、化学強化特性が優れている。また、本結晶化ガラスがLAS結晶を含有することで、上述した局所的にHfOの濃度の高い領域が形成されやすいと考えられ、UV耐性を向上しやすいため好ましい。
本結晶化ガラスに含まれるLAS結晶としては、βスポジュメン結晶、ペタライト結晶及びユークリプタイト結晶からなる群から選ばれる1以上の結晶が好ましい。
また、本結晶化ガラスは2種以上の結晶を含有することが好ましい。結晶化ガラスが複数種の結晶を含有することで、含有されるそれぞれの結晶の大きさが小さくなりやすいからである。結晶化ガラスに含まれる結晶が小さいことで透明性が向上しやすい。本結晶化ガラスは例えばLAS結晶を2種以上含有してもよいし、LAS結晶とLAS結晶以外の結晶とを組合わせた2種以上の結晶を含有してもよい。
LAS結晶以外の結晶としては、例えば、リチウムメタシリケート、リチウムダイシリケート及びリチウムフォスフェートなどが挙げられる。
次に本結晶化ガラスの化学組成について説明する。HfOについては先に説明したので省略する。
本結晶化ガラスにおいてSiOはガラスネットワークを構成する成分であり、LAS結晶の構成成分であり、必須である。
SiOの含有量は、LAS結晶を形成しやすいために65%以上であり、66%以上が好ましく、67%以上がより好ましい。また、ガラスの溶融性を高くするためにSiOの含有量は75%以下であり、73%以下が好ましい。
AlはLAS結晶の構成成分であるだけでなく化学強化の際のイオン交換性を向上させ、強化後の表面圧縮応力を大きくする成分である。
Alの含有量は、化学強化しやすいために3%以上であり、4%以上が好ましい。また、Alの含有量は、ガラスの溶融性を高くするために、6%以下であり、5%以下が好ましい。
LiOは、イオン交換によってガラスの表面付近に圧縮応力を形成させる成分であり、LAS結晶の構成成分でもある。LiOの含有量は、圧縮応力を高めるために、15%以上であり、17%以上が好ましく、20%以上がより好ましい。また、ガラスの化学的耐久性のために25%以下であり、23%以下が好ましい。
NaOはイオン交換により圧縮応力を形成させる成分であり、少量含有することでガラスの安定性を増す場合がある。本結晶化ガラスは必要に応じてNaOを含有してもよい。本結晶化ガラスがNaOを含有する場合の含有量は0.1%以上が好ましく、0.5%以上がより好ましく、1.0%以上がさらに好ましい。また、NaOの含有量は、化学的耐久性を維持するために、好ましくは10%以下であり、8%以下がより好ましく、6%以下がさらに好ましい。
Oは任意成分であり、本結晶化ガラスは必要に応じてKOを含有してもよい。本結晶化ガラスがKOを含有する場合の含有量は、化学的耐久性を維持するために3%以下が好ましく、2%以下がより好ましく、1%以下がさらに好ましい。
MgO、CaO、SrO、BaOは、いずれもガラスの溶融性を高める成分であるが、イオン交換性能を低下させる傾向がある。本結晶化ガラスは必要に応じてこれらの成分を含有してもよい。本結晶化ガラスがこれらの成分を含有する場合、これらの合計の含有量MgO+CaO+SrO+BaOは5%以下が好ましく、3%以下がより好ましく、1%以下がさらに好ましい。
は、結晶化を促進する成分である。本結晶化ガラスは必要に応じてPを含有してもよく、0.2%以上含有することが好ましい。結晶化しやすくするためには、Pの含有量はより好ましくは0.4%以上、さらに好ましくは0.6%以上である。P含有量が多すぎると、溶融時に分相しやすくなり、また耐酸性が著しく低下するため4%以下が好ましく、2%以下がより好ましい。
ZrOは、イオン交換による表面圧縮応力を増大させる成分であり、本結晶化ガラスは必要に応じてZrOを含有してもよい。ZrOの含有量は、好ましくは0.5%以上であり、より好ましくは1%以上である。また溶融時の失透を抑制するために5%以下が好ましく、3%以下がより好ましい。
本結晶化ガラスは必要に応じてBを含有してもよい。Bの含有量はチッピング耐性の向上、また溶融性を向上させるために0.1%以上が好ましく、0.2%以上がより好ましい。Bの含有量が多すぎると溶融時に脈理が発生したり、分相しやすくなったりして化学強化用ガラスの品質が低下しやすいため、Bの含有量は5%以下が好ましく、3%以下がより好ましく、1%以下がさらに好ましい。
TiOは、UV耐性を高める場合があるが、着色の原因となりやすい。本結晶化ガラスは必要に応じてTiOを含有してもよいが、TiOの含有量は0.5%以下が好ましい。TiOの含有量はより好ましくは0.3%以下であり、さらに好ましくは0.2%以下である。
Feは、着色の原因となりやすい。本結晶化ガラスはFeを含有してもよいが、Feの含有量は0.1%以下が好ましく、0.05%以下がさらに好ましい。
また、ガラス溶融の際の清澄剤等として、SO、塩化物、フッ化物などを適宜含有してもよい。Asは実質的に含有しないことが好ましい。Sbを含有する場合は、0.3%以下が好ましく、0.1%以下がより好ましく、実質的に含有しないことが最も好ましい。なお、「実質的に含有しない」とは、不可避的な不純物として混入する場合を除き含有しないことを意味する。
本結晶化ガラスの形状は、典型的には板状であり、平板状でも曲面状でもよい。
本結晶化ガラスが板状の場合の厚さ(t)は、3mm以下が好ましく、より好ましくは、以下段階的に、2mm以下、1.6mm以下、1.1mm以下、0.9mm以下、0.8mm以下、0.7mm以下である。また、当該厚さ(t)は、化学強化処理による十分な強度を得る観点から、好ましくは0.3mm以上であり、より好ましくは0.4mm以上であり、さらに好ましくは0.5mm以上である。また、本結晶化ガラスは、部分によって厚さの異なる構成を含んでもよい。
本結晶化ガラスの厚さ0.7mm換算の光透過率は、波長380nmから780nmの範囲において85%以上であることが好ましい。これにより、携帯ディスプレイのカバーガラスに用いた場合に、ディスプレイの画面が見えやすい。厚さ0.7mm換算の光透過率は88%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましい。厚さ0.7mm換算の光透過率は、高い程好ましいが、通常は92%以下である。厚さ0.7mm換算において90%の光透過率であると、一般的な非晶質ガラスと同等の光透過率である。
なお、結晶化ガラスの実際の厚さが0.7mmではない場合は、測定値を基に、ランベルト・ベールの法則(Lambert-Beer law)から厚さ0.7mm換算の光透過率を計算できる。また、板厚tが0.7mmよりも大きい場合は、研磨やエッチングなどで板厚を0.7mmに調整して測定してもよい。
また、厚さ0.7mm換算のヘーズ値は、0.5%以下が好ましく、0.4%以下がより好ましく、0.3%以下がさらに好ましく、0.2%以下がよりさらに好ましく、0.15%以下が特に好ましい。ヘーズ値は小さい程好ましいが、通常は0.01%以上である。一般的なの非晶質ガラスのヘーズ値は0.02%程度である。
なお、結晶化ガラスの実際の厚さが0.7mmではない場合は、元の厚さで測定したヘーズ値と、加工して厚さを変えてから測定したヘーズ値とから厚さ0.7mm換算のヘーズ値を計算できる。また、板厚tが0.7mmよりも大きい場合は、研磨やエッチングなどで板厚を0.7mmに調整して測定してもよい。
本結晶化ガラスのヤング率は、化学強化処理する際に反りを抑制する観点から、好ましくは80GPa以上であり、より好ましくは85GPa以上であり、さらに好ましくは90GPa以上であり、特に好ましくは95GPa以上である。本結晶化ガラスは研磨して用いることがある。研磨しやすさのために、ヤング率は130GPa以下が好ましく、120GPa以下がより好ましく、110GPa以下がさらに好ましい。
本結晶化ガラスはビッカース硬度が高く、傷つきにくい。本結晶化ガラスのビッカース硬度は、好ましくは680GPa以上であり、より好ましくは720GPa以上であり、さらに好ましくは750GPa以上である。
本結晶化ガラスは、破壊靱性値が高く、化学強化によって大きな圧縮応力を形成しても激しい破壊が生じにくい。破壊靱性値は、例えば、DCDC法(Acta metall. mater. Vol.43: p. 3453-3458, 1995)を用いて測定できる。本結晶化ガラスの破壊靱性値は、好ましくは0.85MPa・m1/2以上であり、より好ましくは0.90MPa・m1/2以上であり、さらに好ましくは1.0MPa・m1/2以上である。破壊靱性値が上記下限値以上であると、耐衝撃性の高いガラスが得られる。本結晶化ガラスの破壊靱性値の上限は特に制限されないが、典型的には2.0MPa・m1/2以下である。
<化学強化ガラス>
本実施形態に係る化学強化ガラス(以下、「本化学強化ガラス」ともいう。)は、本結晶化ガラスをイオン交換処理して得られる。
本化学強化ガラスの組成は、表面付近のアルカリ金属イオンがイオン交換されていることを除いて、本結晶化ガラスと同じである。
本化学強化ガラスに含まれる結晶は、基本的には本結晶化ガラスと同じである。ただし、化学強化ガラス表面付近の結晶は、イオン交換の影響を受けるので、組成や結晶構造が異なる場合がある。また、表面付近の結晶化率が低下している場合がある。
本化学強化ガラスの形状は、典型的には板状であり、平板状でも曲面状でもよい。
本化学強化ガラスが板状の場合の厚さ(t)は、3mm以下が好ましく、より好ましくは、以下段階的に、2mm以下、1.6mm以下、1.1mm以下、0.9mm以下、0.8mm以下、0.7mm以下である。また、当該厚さ(t)は、化学強化処理による十分な強度を得る観点から、好ましくは0.3mm以上であり、より好ましくは0.4mm以上であり、さらに好ましくは0.5mm以上である。また、本化学強化ガラスは部分によって厚さの異なる構成を含んでもよい。
本化学強化ガラスの光透過率やヘーズは、本結晶化ガラスと同様である。UV耐性についても同様である。
本化学強化ガラスのヤング率は、基本的には本結晶化ガラスと同様である。本化学強化ガラスのビッカース硬度は、化学強化によって、化学強化前に比べ30GPa~100GPa増大する場合がある。
本化学強化ガラスは、表面圧縮応力値(CS)が100MPa以上であると曲げによる破壊を防止できるので好ましい。CSは、より好ましくは、150MPa以上であり、さらに好ましくは200MPa以上である。
本化学強化ガラスは、圧縮応力層深さ(DOC)が100μm以上であると落下による破壊を防止できるので好ましい。DOCは、より好ましくは110μm以上であり、さらに好ましくは120μm以上である。
本化学強化ガラスは、中央引張応力値(CT)が130MPa以下であると、割れた時に粉々になって飛び散るのを防げるので好ましい。CTは、より好ましくは120MPa以下であり、さらに好ましくは110MPa以下である。
<結晶化ガラス及び化学強化ガラスの製造方法>
本結晶化ガラスは、非晶質ガラスを加熱処理して結晶化する方法で製造できる。本化学強化ガラスは、本結晶化ガラスに対し後述の化学強化処理を行う方法で製造できる。
(非晶質ガラスの製造)
本発明にかかる非晶質ガラスは、たとえば以下の方法で製造できる。なお、以下に記す製造方法は、板状のガラスを製造する場合の例である。
好ましい組成のガラスが得られるようにガラス原料を調合し、ガラス溶融窯で加熱溶融する。その後、バブリング、撹拌、清澄剤の添加等により溶融ガラスを均質化し、公知の成形法により所定の厚さのガラス板に成形し、徐冷する。または、溶融ガラスをブロック状に成形して、徐冷した後に切断する方法で板状に成形してもよい。
(結晶化処理)
上記の手順で得られた非晶質ガラスを加熱処理することで結晶化ガラスが得られる。
加熱処理は、室温から第一の処理温度まで昇温して一定時間保持した後、第一の処理温度より高温である第二の処理温度に一定時間保持する二段階の加熱処理によってもよい。二段階の加熱処理後に、さらに第三の処理温度に一定時間保持する三段階の加熱処理をおこなってもよい。または、特定の処理温度に保持した後、室温まで冷却する一段階の加熱処理によってもよい。
二段階の加熱処理による場合、第一の処理温度は、そのガラス組成において結晶核生成速度が大きくなる温度域が好ましく、第二の処理温度は、そのガラス組成において結晶成長速度が大きくなる温度域が好ましい。三段階の加熱処理による場合、第一の処理温度と第二の処理温度を結晶核生成速度が大きくなる温度とし、第三の処理温度を結晶成長速度が大きくなる温度とするのが好ましい。または、第一の処理温度を結晶核生成速度が大きくなる温度とし、第二の処理温度と第三の処理温度を結晶成長速度が大きくなる温度としてもよい。
また、第一の処理温度での保持時間は、充分な数の結晶核が生成するように長く保持することが好ましい。多数の結晶核が生成することで、各結晶の大きさが小さくなり、透明性の高い結晶化ガラスが得られる。
二段階の処理による場合は、例えば500℃~700℃の第一の処理温度で1時間~6時間保持した後、例えば600℃~800℃の第二の処理温度で1時間~6時間保持することが挙げられる。
三段階の処理による場合は、例えば500℃~600℃の第一の処理温度で1時間~6時間保持した後、例えば550℃~650℃の第二の処理温度で1時間~6時間保持した後、例えば600℃~800℃の第三の処理温度で1時間~6時間保持することが挙げられる。一段階の処理による場合は、例えば500℃~800℃で1時間~6時間保持することが挙げられる。
以上のような手順で得られた結晶化ガラスを必要に応じて研削及び研磨処理して、結晶化ガラス板を形成する。結晶化ガラス板を所定の形状及びサイズに切断したり、面取り加工を行ったりする場合、化学強化処理を施す前に、切断や面取り加工を行えば、その後の化学強化処理によって端面にも圧縮応力層が形成されるため、好ましい。
(化学強化処理)
化学強化処理は、大きなイオン半径の金属イオン(典型的には、NaイオンまたはKイオン)を含む金属塩(例えば、硝酸カリウム)の融液に浸漬する等の方法で、ガラスを金属塩に接触させることにより、ガラス中の小さなイオン半径の金属イオン(典型的には、NaイオンまたはLiイオン)が大きなイオン半径の金属イオン(典型的には、Liイオンに対してはNaイオンまたはKイオンであり、Naイオンに対してはKイオン)と置換させる処理である。
化学強化処理の速度を速くするためには、ガラス中のLiイオンをNaイオンと交換する「Li-Na交換」を利用することが好ましい。またイオン交換により大きな圧縮応力を形成するためには、ガラス中のNaイオンをKイオンと交換する「Na-K交換」を利用することが好ましい。
化学強化処理を行うための溶融塩としては、例えば、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、塩化物などが挙げられる。このうち硝酸塩としては、例えば、硝酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸セシウム、硝酸銀などが挙げられる。硫酸塩としては、例えば、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸セシウム、硫酸銀などが挙げられる。炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどが挙げられる。塩化物としては、例えば、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化セシウム、塩化銀などが挙げられる。これらの溶融塩は単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
化学強化処理の処理条件は、ガラス組成や溶融塩の種類などを考慮して、時間及び温度等を選択できる。例えば、本結晶化ガラスを好ましくは500℃以下にて好ましくは20時間以下、化学強化処理できる。
本結晶化ガラスを化学強化して得られる化学強化ガラスは、携帯電話、スマートフォン等のモバイル機器等の電子機器に用いられるカバーガラスとしても有用である。さらに、携帯を目的としない、テレビ、パーソナルコンピュータ、タッチパネル等の電子機器のカバーガラス、エレベータ壁面、家屋やビル等の建築物の壁面(全面ディスプレイ)にも有用である。また、窓ガラス等の建築用資材、テーブルトップ、自動車や飛行機等の内装等やそれらのカバーガラスとして、また曲面形状を有する筺体等にも有用である。
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれによって限定されない。結晶化ガラスBは実施例であり、結晶化ガラスA及び結晶化ガラスCは比較例である。
<非晶質ガラスおよび結晶化ガラスの作製>
(非晶質ガラスの作製)
表1に酸化物基準のモル%表示で示したガラス組成となるようにガラス原料を調合し、400gのガラスが得られるように秤量した。ついで、混合したガラス原料を白金るつぼに入れ、1600℃の電気炉に投入して3時間程度溶融し、脱泡し、均質化した。
得られたガラスを型に流し込み、ガラスAとガラスBは475℃で1時間保持した後、0.5℃/分の速度で室温まで冷却し、ガラスブロックを得た(非晶質ガラスA、非晶質ガラスB)。ガラスCは540℃で1時間保持した以外は、ガラスAやガラスBと同様にしてガラスブロックを得た(非晶質ガラスC)。
(結晶化処理)
得られた非晶質ガラスAと非晶質ガラスBのブロックをそれぞれ50mm×50mm×1.5mmに加工してから、540℃で4時間保持した後、600℃で4時間保持し、その後さらに710℃で4時間保持した後、室温まで冷却し、結晶化ガラスA及び結晶化ガラスBを得た。また、非晶質ガラスCのブロックを50mm×50mm×1.5mmに加工してから、550℃で2時間保持した後、750℃で2時間保持し、室温まで冷却し、結晶化ガラスCを得た。各非晶質ガラスの結晶化処理において、それぞれの温度への昇温速度は5℃/分、降温速度は-5℃/分とした。
Figure 2022044041000002
<評価>
(透過率およびUV耐性)
透過率は株式会社日立ハイテク製の分光光度計(商品名U-4100)により測定した。
UV照射前の結晶化ガラスA及び結晶化ガラスBについて透過率を測定した結果を図3に示す。図3において、結晶化ガラスAのスペクトルは細線で、結晶化ガラスBのスペクトルは太線で示している。また、図4は非晶質ガラスA(細線)及び非晶質ガラスB(太線)のUV照射前の透過スペクトルを示している。図8は結晶化ガラスCのUV照射前の透過スペクトルを示している。
次に非晶質ガラスA~Cと結晶化ガラスA~Cのそれぞれに対しUV照射を行った。
UV照射は、照射の対象とするガラスの板を台の上に水平に静置し、低圧水銀ランプ(セン特殊光源株式会社製の卓上型表面処理装置(型番:SSP16-110、主波長は185nmおよび254nm)の光をガラスの板の上方の5cm離れた位置から10分照射する方法で行った。照射後の各ガラスについて、透過率を測定した。なお、このときのガラスの設置場所における照度は19mW/cmであった(株式会社オーク製作所製の照度計UV-M08-25による測定)。
UV照射後の結晶化ガラスA及び結晶化ガラスBの透過スペクトルを図5に示す。図5において、細線は結晶化ガラスA、太線は結晶化ガラスBの結果を示している。また、図6は非晶質ガラスA(細線)及び非晶質ガラスB(太線)のUV照射後の透過スペクトルである。図9は結晶化ガラスCのUV照射後の透過スペクトルである。
各波長におけるUV照射前の透過率をT0とし、UV照射後の透過率をT1として、以下の式で表されるUV誘導吸収Δαを算出した。
Δα=-ln(T1/T0)
結果を図1、図2及び図7に示す。図1は、結晶化ガラスA(細線)及び結晶化ガラスB(太線)のUV誘導吸収Δαを示す図である。図2は、非晶質ガラスA(細線)及び非晶質ガラスB(太線)のUV誘導吸収Δαを示す図である。図7は、結晶化ガラスCのUV誘導吸収Δαを示す図である。
波長380nmにおけるUV誘導吸収Δαは、結晶化ガラスAが0.017であり、結晶化ガラスBが0.008であり、非晶質ガラスAが0.022であり、非晶質ガラスBが0.021であり、結晶化ガラスCが0.029であった。
(ヘーズ、ヤング率、ビッカース硬度、破壊靱性値)
実施例である結晶化ガラスBについて、厚さtが0.7mmの結晶化ガラス板を作製し、主面を鏡面研磨した。得られた結晶化ガラス板を用いて以下の物性値を評価した。
ヘーズメーター(スガ試験機株式会社製;HZ-V3)を用いて、ハロゲンランプC光源でのヘーズ値を測定した。ヘーズ値は0.11%であった。
超音波法でヤング率を測定した。ヤング率は105GPaであった。
またビッカース硬度を測定した。ビッカース硬度は800GPaであった。
破壊靱性値はDCDC法で測定した。破壊靱性値は1.17MPa・m1/2であった。
(析出結晶)
結晶化ガラスA、BおよびCについて、一部をメノウ乳鉢ですりつぶし、以下の条件で粉末X線回折測定を行い、析出結晶を同定した。
測定装置:株式会社リガク製 Smart Lab
使用X線:CuKα線
測定範囲:2θ=10°~80°
スピード:1°/分
ステップ:0.01°
検出された結晶は、結晶化ガラスAと結晶化ガラスBではペタライトとリチウムダイシリケートであった。結晶化ガラスCでは検出された結晶はリン酸リチウムであった。
(化学強化特性)
結晶化ガラスBからなる結晶化ガラスB-1及び結晶化ガラスB-2の2つのサンプルについて、それぞれ以下の条件で化学強化処理及び化学強化特性の評価を行った。
厚み0.7mmの結晶化ガラスB-1を硝酸ナトリウム100wt%の溶融塩で470℃で6時間化学強化処理し、化学強化ガラスB-1を得た。化学強化ガラスB-1について、有限会社折原製作所製の散乱光光弾性応力計(model:SLP-2000)で応力プロファイルを測定した。表面圧縮応力値(CS)は207MPa、圧縮応力層深さ(DOC)は127μm、中央引張応力値(CT)は61MPaであった。
厚み0.7mmの結晶化ガラスB-2を硝酸ナトリウム40wt%で硝酸カリウムが60wt%の溶融塩を用いて470℃で15時間化学強化処理し、化学強化ガラスB-2を得た。その後、化学強化ガラスB-1と同様にして化学強化ガラスB-2の応力プロファイルを測定した。表面圧縮応力値(CS)は232MPa、圧縮応力層深さ(DOC)は114μm、中央引張応力値(CT)は57MPaであった。
本発明の実施例である結晶化ガラスBは透明性に優れ、ヘーズも小さく、ヤング率と破壊靱性値が大きいなど機械的物性が優れており、UV耐性も優れていた。
一方で、HfOを含有しない結晶化ガラスAは、UV耐性が劣る結果となった。また、LAS結晶が析出せず、リン酸リチウム結晶が析出した結晶化ガラスCはUV耐性が劣る結果となった。
本発明を詳細にまた特定の実施形態を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。本出願は、2020年9月4日出願の日本特許出願(特願2020-149138)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

Claims (16)

  1. 酸化物基準のmol%表示で、
    SiOを65~75%、
    Alを3~6%、
    LiOを15~25%、
    ZrOを0.5~5%、
    HfOを0.01~0.5%含有し、
    βスポジュメン結晶、ペタライト結晶及びユークリプタイト結晶からなる群から選ばれる1以上の結晶を含有する結晶化ガラス。
  2. 酸化物基準のmol%表示で、
    SiOを65~73%、
    Alを3~6%、
    LiOを17~23%、
    ZrOを0.5~5%、
    HfOを0.015~0.3%含有する請求項1に記載の結晶化ガラス。
  3. 厚さ0.7mm換算の光透過率が、波長380nmから780nmの範囲において85%以上である請求項1または2に記載の結晶化ガラス。
  4. ヤング率が85GPa以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の結晶化ガラス。
  5. 酸化物基準のmol%表示で、
    SiOを65~75%、
    Alを3~6%、
    LiOを15~25%、
    ZrOを0.5~5%、
    HfOを0.01~0.5%含有し、
    βスポジュメン結晶、ペタライト結晶及びユークリプタイト結晶からなる群から選ばれる1以上の結晶を含有する化学強化ガラス。
  6. 酸化物基準のmol%表示で、
    SiOを65~73%、
    Alを3~6%、
    LiOを17~23%、
    ZrOを0.5~5%、
    HfOを0.015~0.3%含有する請求項5に記載の化学強化ガラス。
  7. 厚さ0.7mm換算の光透過率が、波長380nmから780nmの範囲において85%以上である請求項5または6に記載の化学強化ガラス。
  8. 表面圧縮応力値が100MPa以上であり、圧縮応力層深さが100μm以上であり、かつ中央引張応力値が130MPa以下である請求項5~7のいずれか1項に記載の化学強化ガラス。
  9. βスポジュメン結晶、ペタライト結晶およびユークリプタイト結晶からなる群から選ばれる1以上の結晶を含有し、酸化物基準のmol%表示で、HfOを0.01~0.5%含有する結晶化ガラス。
  10. 酸化物基準のmol%表示で、
    SiOを65~73%、
    Alを3~6%、
    LiOを17~23%、
    ZrOを0.5~5%、含有する請求項9に記載の結晶化ガラス。
  11. 厚さ0.7mm換算の光透過率が、波長380nmから780nmの範囲において85%以上である請求項9または10に記載の結晶化ガラス。
  12. ヤング率が85GPa以上である、請求項9~11のいずれか1項に記載の結晶化ガラス。
  13. βスポジュメン結晶、ペタライト結晶およびユークリプタイト結晶からなる群から選ばれる1以上の結晶を含有し、酸化物基準のmol%表示で、HfOを0.01~0.5%含有する化学強化ガラス。
  14. 酸化物基準のmol%表示で、
    SiOを65~73%、
    Alを3~6%、
    LiOを17~23%、
    ZrOを0.5~5%、含有する請求項13に記載の化学強化ガラス。
  15. 厚さ0.7mm換算の光透過率が、波長380nmから780nmの範囲において85%以上である請求項13または14に記載の化学強化ガラス。
  16. 表面圧縮応力値が100MPa以上であり、圧縮応力層深さが100μm以上であり、
    かつ中央引張応力値が130MPa以下である請求項13~15のいずれか1項に記載の化学強化ガラス。
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