JP2018107058A - マグネシウム空気電池 - Google Patents

マグネシウム空気電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2018107058A
JP2018107058A JP2016254713A JP2016254713A JP2018107058A JP 2018107058 A JP2018107058 A JP 2018107058A JP 2016254713 A JP2016254713 A JP 2016254713A JP 2016254713 A JP2016254713 A JP 2016254713A JP 2018107058 A JP2018107058 A JP 2018107058A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnesium
air battery
negative electrode
positive electrode
gas permeable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016254713A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6818545B2 (ja
Inventor
植田 義明
Yoshiaki Ueda
義明 植田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2016254713A priority Critical patent/JP6818545B2/ja
Publication of JP2018107058A publication Critical patent/JP2018107058A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6818545B2 publication Critical patent/JP6818545B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Hybrid Cells (AREA)

Abstract

【課題】位置変動時の電解液の漏出を抑えつつ、気体の吸入および排出を適切に行うことのできるマグネシウム空気電池を提供する。【解決手段】マグネシウム空気電池1は、金属を含む正極14aと、マグネシウムまたはマグネシウム合金を含む負極14bと、正極14aと負極14bとの間に配置されたセパレータ15と、正極14a、負極14b、およびセパレータ15を収容するケース11とを備えている。ケース11には、電極端子13が配置されている。ケース11に取り付けられた電極端子13内には、ケース11内に電解液を注入するための開口部と、開口部を開閉可能にする逆止弁17とが設けられている。ケース11の表面には、ケース11内の電解液を通過させることなく、ケース11の内側と外側との間で気体を通過させる気体透過膜12が、部分的に設けられている。【選択図】図2

Description

本発明は、マグネシウム空気電池に関する。
近年、地震や風水害などによる停電発生時に、水または食塩水などの電解液を注入することで容易に発電可能な携帯用のマグネシウム空気電池が提案されている。マグネシウム空気電池は、負極(陰極)側にマグネシウムまたはマグネシウム合金を用い、正極(陽極)側に空気中の酸素を用いている。
例えば、特許文献1には、空気口を有する電池の外装ケースと、その外装ケースに収納され、表面に3次元に凹凸を有する3次元集電体に形成された陽極を構成するMnO空気電極と、その電極に対向され金属Mg或はMg合金の陰極と、その陽極と陰極との間に介装され、多孔質空気誘導路を包含したセパレータと、外装ケースと陰極との間に介装され、空気誘導路を包含した空気導入多孔質シートと、水溶性紙に内蔵された電解質を有する電解質袋と、から構成される携帯用マグネシウム・空気電池が開示されている。
特許文献1に開示されている携帯用マグネシウム・空気電池は、上下逆に配置したときに電池から電解液が漏出するのを抑えるために、電解液の注入口13の上部に、着脱自在の注入口シール板14および水逆流防止弁16を設けている。
特開2012−256547号公報
しかしながら、特許文献1などに開示されている従来のマグネシウム空気電池の構造では、空気や水素ガスなどの気体の吸入および排出を行うための通気口が、例えば、電池セル(外装ケース)の上部(すなわち、電極端子が配置されている側)などに局所的に配置されている。そのため、電池セルへの気体の吸入および電池セルからの気体の排出が不十分となる可能性がある。
そこで、本発明では、位置変動時の電解液の漏出を抑えつつ、気体の吸入および排出を適切に行うことのできるマグネシウム空気電池を提供することを目的とする。
本発明の一局面にかかるマグネシウム空気電池は、金属を含む正極と、マグネシウムまたはマグネシウム合金を含む負極と、前記正極と前記負極との間に配置されたセパレータと、前記正極、前記負極、および前記セパレータを収容する収容部とを備えている。前記収容部には、前記正極と接続されている正極側端子と、前記負極と接続されている負極側端子とが配置されている。また、前記収容部には、前記収容部内に電解液を注入するための開口部と、前記開口部を開閉可能にするバルブとが設けられているとともに、前記収容部の表面には、前記収容部内の電解液を通過させることなく、前記収容部の内側と前記収容部の外側との間で気体を通過させる気体透過膜が、少なくとも部分的に設けられている。
本発明の一局面にかかるマグネシウム空気電池において、前記開口部および前記バルブは、前記正極側端子および前記負極側端子の少なくとも何れか一方に配置されていることが好ましい。
本発明の一局面にかかるマグネシウム空気電池において、前記気体透過膜は、フッ素樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタアクリレート、およびポリスチレンからなる群から選択される少なくとも一つを含んで形成されていることが好ましい。また、前記フッ素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)であることがより好ましい。
本発明の一局面にかかるマグネシウム空気電池において、前記収容部には、複数の孔が形成されており、前記気体透過膜は、前記孔を覆うように配置されていることが好ましい。あるいは、本発明の一局面にかかるマグネシウム空気電池において、前記収容部は、前記気体透過膜の袋状体で形成されていてもよい。またあるいは、本発明の一局面にかかるマグネシウム空気電池において、前記収容部は、筐体で形成されており、前記筐体の少なくとも一つの面に、前記気体透過膜が配置されていてもよい。
本発明の一局面にかかるマグネシウム空気電池において、前記バルブは、逆止弁であることが好ましい。
以上のように、本発明の一局面のマグネシウム空気電池は、収容部に形成された開口部にバルブが設けられている。これにより、バルブを閉状態とすることで、収容部を密閉状態(収容部から液体が漏出しない状態)とすることができる。また、収容部の表面には、気体透過膜が少なくとも部分的に配置されている。気体透過膜は、収容部内の電解液を通過させることなく、収容部の内側と外側との間で気体を通過させることができる。
このような構成により、収容部内を密閉状態(液体は漏出することなく、気体は通過可能な状態)として維持することができる。そのため、マグネシウム空気電池をどのような位置関係で配置した場合にも、電解液の漏出を抑えることができる。そのため、本発明の一局面のマグネシウム空気電池は、天災発生時、停電発生時などの非常時に携行できる電源として、好適に利用することができる。
(a)は、本発明の第1の実施形態にかかるマグネシウム空気電池の上面図である。(b)および(c)は、本発明の第1の実施形態にかかるマグネシウム空気電池の側面図である。 図1(a)に示すマグネシウム空気電池のX−X線における構成を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態にかかるマグネシウム空気電池の上面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
〔第1の実施形態〕
図1(a)から(c)には、本発明の第1の実施形態にかかるマグネシウム空気電池1の外観構成を示す。図1(a)は、マグネシウム空気電池1の上面図である。また、図1(b)は、図1(a)の矢印A側からマグネシウム空気電池1を見た場合の側面図である。また、図1(c)は、図1(a)の矢印B側からマグネシウム空気電池1を見た場合の側面図である。
なお、本明細書中では、説明の便宜上、図1(a)に示す側をマグネシウム空気電池1の上面と呼び、図1(b)および(c)に示す側をマグネシウム空気電池1の側面と呼ぶ。しかし、これは、マグネシウム空気電池1の配置位置を限定するものではない。マグネシウム空気電池1の配置位置は、その用途に応じて適宜変更可能である。
図2には、マグネシウム空気電池1の内部の構成を示す。図2は、図1(a)に示すマグネシウム空気電池1のX−X線における断面図である。
図1に示すように、マグネシウム空気電池1の外形は、主として、ケース(収容部)11と、電極端子13とで構成されている。なお、電極端子13は、正極側の電極端子13aと、負極側の電極端子13bとで構成されている。本明細書中では、正極側および負極側の各電極端子を総称して説明する場合には、電極端子13と称する。一方、正極側および負極側の各電極端子を区別して説明する場合には、正極側電極端子13a、あるいは負極側電極端子13bと称する。
ケース11は、略直方体の形状を有している。ケース11は、絶縁性の樹脂で形成されている。本実施形態では、ケース11は、ある程度の剛性を有するアクリル樹脂などのプラスチック材料で形成されている。ケース11内には、後述する電池の構成部材が収容されている。後述するように、ケース11には、複数個の孔11aが形成されている(図2参照)。
電極端子13は、電力の供給対象となる電気製品(例えば、LEDランプ、携帯電話、スマートフォンなど)に、直接または間接的に接続される。正極側電極端子13aは、ケース11内に収容されている正極14aと電気的に接続されている。負極側電極端子13bは、ケース11内に収容されている負極14bと電気的に接続されている。
図2に示すように、ケース11内には、主な構成部材として、正極14a、負極14b、セパレータ15、および気体透過膜12などが備えられている。
正極14aは、金属を含んでいる。より具体的には、正極14aは、銅、銀、ニッケル、クロム、鉄、およびチタンのうちの少なくとも1種以上を含んでいる。正極14aは、銅またはステンレスを含んでいることが好ましい。ステンレスは、クロムとその他の金属(例えば、ニッケルなど)との合金である。
正極14aは、例えば、銅線またはステンレス線を薄い網状に成形した網状体で構成される。あるいは、正極14aは、上述の何れかの金属を含有する薄板の形態であってもよい。正極14aは、正極側電極端子13aと電気的に接続されている。
なお、銅を含有する正極14aとセパレータ15との間には、活性炭層16が配置されている。活性炭は、空気中の酸素を吸着させる作用がある。活性炭層16に吸着された酸素は、後述する負極14bから放出された電子を受け取る。すなわち、活性炭層16内の活性炭は、導電材料としての機能を果たす。
本実施形態にかかるマグネシウム空気電池1においては、導電材料として、活性炭以外のものを用いることも可能である。他の導電材料としては、例えば、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブなどの炭素材料、銅やアルミニウムなどの金属材料、ポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料などが挙げられる。
また、正極14aには、酸素の還元酸化反応を効率よく行うための触媒成分が含まれていてもよい。触媒成分としては、白金、コバルト、ニッケル、パラジウム、およびマンガンなどの金属、これらの金属の合金、およびこれらの金属の酸化物などが挙げられる。
負極14bは、マグネシウムまたはマグネシウム合金を含む。図示はしていないが、より具体的には、負極14bは、マグネシウムまたはマグネシウム合金で形成される負極活物質層と、導体層とで構成される。負極活物質層は、セパレータ15と隣接して配置されている。負極活物質層にマグネシウム合金を用いる場合、マグネシウムと、アルミニウム、亜鉛、およびマンガンなどの他の金属とを含む合金を用いることができる。
導体層は、酸化還元電位がマグネシウムよりも貴な金属を含んでいる。このような金属としては、例えば、金、白金、銀、水銀、銅、鉛、スズ、ニッケル、および鉄などが挙げられる。なお、本発明にかかるマグネシウム空気電池において、導体層は必ずしも設けられていなくてもよい。
負極14b(具体的には、負極活物質層または導体層)は、負極側電極端子13bと電気的に接続されている。
セパレータ15は、例えば、絶縁性の多孔質シートで形成される。セパレータ15が多孔質シートで形成されていることで、セパレータ15の層の内部に電解液を保持することができる。セパレータ15の材料としては、紙製のシート、不織布、パルプと不織布の混成素材などが挙げられる。
気体透過膜12は、ケース11内に注入された電解液を通過させることなく、ケース11内側と外側との間で、気体を交換させることのできる材料で形成されている。すなわち、気体透過膜12は、気体を透過させるが、液体を透過させない材料で形成されている。
このような材料としては、例えば、フッ素樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタアクリレート、およびポリスチレンからなる群から選択される材料が挙げられる。気体透過膜12は、これらの材料のうちの1種類のみで形成されていてもよいし、2種類以上の材料を組み合わせて形成されていてもよい。また、気体透過膜12は、これらの材料の中でも特に、フッ素樹脂で形成されることが好ましい。フッ素樹脂として具体的には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が挙げられる。ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、耐熱性および耐薬品性が高いため、好ましい。
気体透過膜12には、気体が通過する多数の孔(気孔)が設けられている。気体透過膜12における平均気孔径は、0.1μm以上20μm以下とすることができる。気体透過膜12における平均気孔径は、0.1μm以上2μm以下とすることが好ましい。平均気孔径をこのような数値範囲内にすることで、液体は通過させることなく、気体をより効率的に通過させることができる。
気体透過膜12は、ケース11に形成された複数個の孔11aを覆うように設けられている。すなわち、ケース11の孔11aは、気体透過膜12で塞がれている。図2に示すように、本実施形態では、ケース11の孔11aを、ケース11の内側から覆うように、ケース11の内周面に気体透過膜12を貼り付けている。これにより、マグネシウム空気電池1(具体的には、ケース11)の外周面に、気体透過膜12が部分的に露出している。なお、ケース11の表面に、PTFEからなる気体透過膜12を貼り付ける際には、超音波溶着を用いることが好ましい。これにより、ケース11から気体透過膜12が剥がれることを抑制することができる。
気体透過膜12が、上述のような材料で形成されていることにより、ケース11内に注入された電解液をケース11外に漏出させることなく、電流の発生に必要となる空気(酸素)の十分量をケース11内に取り込むことができる。また、電池内での化学反応時に発生した水素を、効率よくケース11の外へ排出させることができる。
また、図2に示すように、電極端子13は、その一部がケース11内に入り込むとともに、その残りの部分がケース11の側面から突出するように、配置されている。電極端子13は、導電性を有する円筒形部材(開口部)18と、円筒形部材18の内部に配置された逆止弁(バルブ)17とで構成されている。逆止弁17は、ケース11の外側からは開放状態とすることができる一方、ケース11の内側から開放状態とすることができない(すなわち、密閉状態が維持される)という構成を有している。
上記の構成により、電極端子13における円筒形部材18は、ケース11内に電解液を注入することのできる開口部として機能する。また、円筒形部材18内に配置された逆止弁17は、開口部を開閉可能とするバルブの役割を果たす。
そのため、マグネシウム空気電池1を使用する際には、電極端子13を介して、ケース11内に電解液を注入することができる。また、電解液の注入作業が終了した後には、ケース11内を密閉状態とし、ケース11内からの液漏れを抑えることができる。
なお、本実施形態にかかるマグネシウム空気電池1に用いられる電解液としては、水、食塩水(塩化ナトリウム水溶液)、酢酸ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、塩酸、アンモニア水(例えば、10%アンモニア水)、エタノール水溶液、クエン酸水溶液などが挙げられる。水または食塩水は、災害時などに、海や河川などから比較的容易に入手できるため、電解液として好ましい。
続いて、マグネシウム空気電池1の使用方法について説明する。マグネシウム空気電池は、負極側にマグネシウムまたはマグネシウム合金を用い、正極側に空気中の酸素を用い、電解液として水または食塩水などを用いることで、化学反応を発生させて電子の流れを発生させるという原理に基づくものである。
マグネシウム空気電池における反応式は、以下の通りである。
正極側:O+2HO+4e→4OH (E0=0.4V)
負極側:2Mg+3OH→2Mg2++4e(E0=−2.36V)
なお、本実施形態にかかるマグネシウム空気電池1は、使用前の状態では、ケース11内に電解液は注入されていない。使用時に、電極端子13の逆止弁17から電解液が注入される。ケース11内に電解液(例えば、食塩水)が注入されると、ケース11内の正極14aおよび負極14bでは、上記の化学反応がそれぞれ起こる。
すなわち、マグネシウム空気電池1の負極14b側では、電極中に含まれるマグネシウムが電解液中の水酸化物イオン(OH)と反応して、電子を発生させる。また、マグネシウム空気電池1の正極14a側では、正極14aとセパレータ15との間に配置された活性炭層16が空気中の酸素を吸着させる。そして、空気中に含まれる酸素が、負極14bから放出された電子を受け取る正極活物質となる。
これにより、電流を発生させることができる。そして、各電極端子13aおよび13bに接続された電気製品(例えば、LEDランプなど)へ電流を供給することができる。
なお、上述の化学反応に必要とされる空気中の酸素は、ケース11の表面に設けられた気体透過膜12を介して、外部から取り込むことができる。なお、上述の化学反応の結果として発生する水素ガス(H)については、ケース11の表面に設けられた気体透過膜12を介して、外部へ排出することができる。
以上のようにして、本実施形態のマグネシウム空気電池1を使用することができる。マグネシウム空気電池1は、上述したように、比較的に容易に入手することのできる水または食塩水を電解液として使用することができる。そのため、天災発生時、停電発生時などの非常時の電源として好適に使用することができる。
例えば、本実施形態のマグネシウム空気電池1は、携帯型照明装置、携帯型ラジオ、時計などの電源として利用することができる。また、マグネシウム空気電池1は、リチウムイオン電池などの二次電池を充電するための一次電池として利用することもできる。
なお、本実施形態では、正極と負極とをそれぞれ1個ずつ備えた単層のモジュールで構成されたマグネシウム空気電池の構造を例に挙げて説明した。しかし、本発明にかかるマグネシウム空気電池の構造はこれに限定はされない。すなわち、本発明にかかるマグネシウム空気電池は、正極と負極とを複数層有している多層構造のモジュールで構成することもできる。多層構造のモジュールとすることで、所望とする起電力をより長時間継続させることができる。
本実施形態にかかるマグネシウム空気電池1によれば、電極端子13に設けられた開口部から電解液を注入することができる。また、電極端子13に設けられた開口部には、逆止弁17が設けられているため、ケース11の外側から電解液を注入することは可能であるが、一旦ケース11内に入った電解液が開口部から漏れ出すことを防止することができる。なお、開口部は、正極側電極端子13aおよび負極側電極端子13bの両方に形成されていてもよいし、何れか一方のみに形成されていてもよい。正極側電極端子13aおよび負極側電極端子13bの何れか一方のみに開口部が形成されている場合には、他方の電極端子は、円柱状、角柱状などの金属体(導電体)で形成することができる。
さらに、マグネシウム空気電池1には、ケース11の表面全体に複数の気体透過膜12が設けられている。この気体透過膜12を通して、ケース11内に効率的に空気を取り込むことができる。また、この気体透過膜12を通して、ケース11の外へ水素ガスを効率的に排出することができる。
また、ケース11に設けられた孔11aは、気体透過膜12で覆われることによって液体が漏れ出すことが抑えられ、電極端子13の開口部は、逆止弁17が配置されることによって液体が漏れ出すことが抑えられる。すなわち、ケース11内に電解液を封止した状態で維持することができる。そのため、マグネシウム空気電池1をどのような位置で配置したとしても、電解液の漏出を抑えることができる。このように、マグネシウム空気電池1は、携行する際に非常に便利な構成となっている。
なお、上述の第1の実施形態では、略直方体の形状を有しているケース(筐体)11の各面に孔11aが形成され、各孔11aを覆うように気体透過膜12が配置されている構成について説明したが、本発明はこのような構成に限定はされない。収容部および気体透過膜の他の構成例として、収容部が、筐体で形成されており、当該筐体の少なくとも一つの面に、気体透過膜が部分的あるいは面全体に配置されている構成を挙げることができる。筐体の形状は、例えば、直方体状、立方体状、および円筒形状などである。
収容部を構成する筐体は、第1の実施形態のケース11と同様の材料で形成することができる。また、気体透過膜は、第1の実施形態の気体透過膜12と同様の材料で形成することができる。なお、筐体内に配置される電池構造中で、水素ガスがより多く発生する場所に近い筐体面に、気体透過膜が配置されていることが好ましい。
なお、上述の実施形態では、電解液を注入するための開口部、および開口部を開閉するバルブが、電極端子13(正極側電極端子13aおよび負極側電極端子13b)内に配置されている構成例について説明した。しかし、本発明はこの構成に限定はされない。本発明にかかるマグネシウム空気電池においては、収容部の任意の位置に、開口部およびバルブが設けられていればよい。
なお、本実施形態にかかるマグネシウム空気電池1を市場に流通させる場合には、電解液を含まない形態で流通させてもよいし、電解液を注入していないマグネシウム空気電池1とそれとは別に包装された電解液とを組み合わせた形態で流通させてもよい。
〔第2の実施形態〕
続いて、本発明の第2の実施形態について、図3を参照しながら説明する。図3には、本発明の第2の実施形態にかかるマグネシウム空気電池100の外観構成を示す。図3は、マグネシウム空気電池100の上面図である。
なお、本明細書中では、説明の便宜上、図3に示す側をマグネシウム空気電池100の上面と呼ぶ。しかし、これは、マグネシウム空気電池100の配置位置を限定するものではない。マグネシウム空気電池100の配置位置は、その用途に応じて適宜変更可能である。
図3に示すように、マグネシウム空気電池100の外形は、主として、収容部112と、電極端子113とで構成されている。なお、電極端子113は、正極側の電極端子113aと、負極側の電極端子113bとで構成されている。本明細書中では、正極側および負極側の各電極端子を総称して説明する場合には、電極端子113と称する。一方、正極側および負極側の各電極端子を区別して説明する場合には、正極側電極端子113a、あるいは負極側電極端子113bと称する。
収容部112は、気体透過膜の袋状体で形成されている。気体透過膜は、収容部112内に注入された電解液を通過させることなく、収容部112の内側と外側との間で、気体を交換させることのできる材料で形成されている。すなわち、気体透過膜は、気体は透過させるが、液体は透過させない材料で形成されている。より具体的な気体透過膜の種類については、第1の実施形態で説明したものを同様に挙げることができる。
例えば、収容部112は、フッ素樹脂製のバッグで形成することができる。用いられるフッ素樹脂材料としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、変性PTFE、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、パーフルオロエチレンプロピレンコポリマー(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)、パーフルオロアルケニルビニルエーテルポリマー、ポリフッ化ビニル(PVF)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロペン−ビニリデンフルオライドコポリマーなどが挙げられる。
このように、本発明にかかるマグネシウム空気電池においては、正極、負極、およびセパレータなどを収容する収容部の全体が、気体透過膜で形成されていてもよい。この構成により、収容部の表面全体から空気を取り込むことができるとともに、水素を排出することができる。
また、図示はしいてないが、収容部112の内部には、主な構成部材として、正極14a、負極14b、セパレータ15、および気体透過膜12などが備えられている。これらの構成部材については、第1の実施形態のマグネシウム空気電池1と同様の構成が適用できるため、詳しい説明を省略する。
電極端子113は、電力の供給対象となる電気製品(例えば、LEDランプ、携帯電話、スマートフォンなど)に、直接または間接的に接続される。正極側電極端子113aは、収容部112内に収容されている正極14a(図示せず)と電気的に接続されている。負極側電極端子113bは、収容部112内に収容されている負極14b(図示せず)と電気的に接続されている。
また、図3に示すように、電極端子113は、その一部が収容部112内に入り込むとともに、その残りの部分が収容部112の側面から突出するように、配置されている。電極端子113は、導電性材料で形成されたチューブ状の部材である。つまり、電極端子113の内部は、収容部112内に電解液を注入するための開口部の機能を果たす。
そして、電極端子113において、収容部112との連結部には、バルブ117が配置されている。マグネシウム空気電池100を使用する際には、バルブ117を開状態とすることで、電極端子113内の開口部から電解液を注入することができる。また、電解液の注入が終わった後には、バルブ117を閉状態とすることで、収容部112内を密閉状態とすることができる。これにより、収容部112内からの液漏れを抑えることができる。
なお、マグネシウム空気電池100に用いられる電解液としては、第1の実施形態と同様のものを使用することができる。
以上のように、本発明にかかるマグネシウム空気電池においては、開口部に設けられるバルブは、逆止弁でなくてもよい。すなわち、本発明にかかるマグネシウム空気電池においては、逆止弁の代わりに、第2の実施形態で説明したような手動のバルブで、電極端子に設けられた開口部を開閉してもよい。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 :マグネシウム空気電池
11 :ケース(収容部)
11a :孔
12 :気体透過膜
13 :電極端子
14a :正極
14b :負極
15 :セパレータ
16 :活性炭層
17 :逆止弁(バルブ)
18 :円筒形部材(開口部)
100 :マグネシウム空気電池
112 :収容部
113 :電極端子
117 :バルブ

Claims (8)

  1. 金属を含む正極と、
    マグネシウムまたはマグネシウム合金を含む負極と、
    前記正極と前記負極との間に配置されたセパレータと、
    前記正極、前記負極、および前記セパレータを収容する収容部と
    を備えているマグネシウム空気電池であって、
    前記収容部には、
    前記正極と接続されている正極側端子と、
    前記負極と接続されている負極側端子と
    が配置されているとともに、
    前記収容部には、前記収容部内に電解液を注入するための開口部と、前記開口部を開閉可能にするバルブとが設けられており、
    前記収容部の表面には、前記収容部内の電解液を通過させることなく、前記収容部の内側と前記収容部の外側との間で気体を通過させる気体透過膜が、少なくとも部分的に設けられている、マグネシウム空気電池。
  2. 前記開口部および前記バルブは、前記正極側端子および前記負極側端子の少なくとも何れか一方に配置されている、請求項1に記載のマグネシウム空気電池。
  3. 前記気体透過膜は、フッ素樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタアクリレート、およびポリスチレンからなる群から選択される少なくとも一つを含んで形成されている、請求項1または2に記載のマグネシウム空気電池。
  4. 前記フッ素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である、請求項3に記載のマグネシウム空気電池。
  5. 前記収容部には、複数の孔が形成されており、
    前記気体透過膜は、前記孔を覆うように配置されている、請求項1から4の何れか1項に記載のマグネシウム空気電池。
  6. 前記収容部は、前記気体透過膜の袋状体で形成されている、請求項1から4の何れか1項に記載のマグネシウム空気電池。
  7. 前記収容部は、筐体で形成されており、
    前記筐体の少なくとも一つの面に、前記気体透過膜が配置されている、請求項1から4の何れか1項に記載のマグネシウム空気電池。
  8. 前記バルブは、逆止弁である、請求項1から7の何れか1項に記載のマグネシウム空気電池。
JP2016254713A 2016-12-28 2016-12-28 マグネシウム空気電池 Active JP6818545B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016254713A JP6818545B2 (ja) 2016-12-28 2016-12-28 マグネシウム空気電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016254713A JP6818545B2 (ja) 2016-12-28 2016-12-28 マグネシウム空気電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018107058A true JP2018107058A (ja) 2018-07-05
JP6818545B2 JP6818545B2 (ja) 2021-01-20

Family

ID=62788197

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016254713A Active JP6818545B2 (ja) 2016-12-28 2016-12-28 マグネシウム空気電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6818545B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113238102A (zh) * 2021-03-26 2021-08-10 郑州佛光发电设备有限公司 一种空气电极性能测试方法及装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013187113A (ja) * 2012-03-09 2013-09-19 Nissan Motor Co Ltd 空気電池
JP2014120339A (ja) * 2012-12-17 2014-06-30 Showa Denko Packaging Co Ltd 空気二次電池用外装材、空気二次電池用外装材の製造方法及び空気二次電池
JP2015103430A (ja) * 2013-11-26 2015-06-04 シャープ株式会社 金属空気電池
JP2016103430A (ja) * 2014-11-28 2016-06-02 古河電池株式会社 カートリッジ式空気電池システム

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013187113A (ja) * 2012-03-09 2013-09-19 Nissan Motor Co Ltd 空気電池
JP2014120339A (ja) * 2012-12-17 2014-06-30 Showa Denko Packaging Co Ltd 空気二次電池用外装材、空気二次電池用外装材の製造方法及び空気二次電池
JP2015103430A (ja) * 2013-11-26 2015-06-04 シャープ株式会社 金属空気電池
JP2016103430A (ja) * 2014-11-28 2016-06-02 古河電池株式会社 カートリッジ式空気電池システム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113238102A (zh) * 2021-03-26 2021-08-10 郑州佛光发电设备有限公司 一种空气电极性能测试方法及装置
CN113238102B (zh) * 2021-03-26 2024-01-23 郑州佛光发电设备股份有限公司 一种空气电极性能测试方法及装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6818545B2 (ja) 2021-01-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6326272B2 (ja) 電槽及び金属空気電池
EP0859875B1 (en) Storage-stable, fluid dispensing device using a hydrogen gas generator
TW503598B (en) Catalytic air cathode for air-metal batteries
US20150111115A1 (en) Metal-air battery
WO1997013007A9 (en) Storage-stable, fluid dispensing device using a hydrogen gas generator
US10297889B2 (en) Pouched metal-air battery cells
CN110998963B (zh) 金属空气电池以及金属空气电池的制造方法
KR101778059B1 (ko) 공기 아연 전지
JP6836603B2 (ja) 金属空気電池
JP6952884B2 (ja) 空気極、金属空気電池及び金属空気電池の製造方法
JP6345559B2 (ja) 空気極及び金属空気電池
JP6818545B2 (ja) マグネシウム空気電池
JP7017360B2 (ja) 空気電池、および、デバイス
JP6366958B2 (ja) マグネシウム一次電池
WO2008005273A2 (en) Fuel cell system and method of activating the fuel cell
JP6499351B2 (ja) 空気極及び金属空気電池
JP2019505076A (ja) 空気−亜鉛二次電池
JP2016066465A (ja) 金属電極カートリッジ、及び、化学電池
JP6905443B2 (ja) デバイス
JP2019067618A (ja) 空気電池の封入体、デバイスの封入体
WO2023002769A1 (ja) アルカリ電池
US20220013864A1 (en) Metal-air battery
JP2017152086A (ja) 空気金属電池
JP2021086660A (ja) 空気極、金属空気電池、および空気極の製造方法
JP2017174795A (ja) 扁平形電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190814

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200415

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200602

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200731

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201215

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201228

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6818545

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250