JP2021086660A - 空気極、金属空気電池、および空気極の製造方法 - Google Patents

空気極、金属空気電池、および空気極の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】撥水膜と触媒層との剥離と電解液の漏出を防止できる空気極を備える金属空気電池の提供。【解決手段】空気極1は、集電体12と、触媒層13と、撥水膜11とが、この順に設けられている。触媒層13は、集電体12または撥水膜11のいずれか一方に接する第1面131と、集電体12または撥水膜11のいずれか他方に接する第2面132と、第1面131と第2面132とに連通する複数の貫通孔133とを備えている。貫通孔133は、第1面131の開口径および第2面132の開口径よりも小さい内径のくびれ部134を内部に有している。【選択図】図1

Description

本発明は、空気極、前記空気極を備える金属空気電池、および前記空気極の製造方法に関する。
金属空気電池は、電池の正極作用物質として空気中の酸素を使用する。この種の金属空気電池では、空気極の一方の面が電解液に接するのに対し、他方の面は空気に接する構造がとられている。通常、空気極には、空気を取り込むための空気孔が設けられ、空気極の内部は多孔質な構造を有している。電解液としては、例えば、水の表面張力を低下させて浸透性を高めるアルカリ性水溶液が用いられる。
従来、空気極の構造および電解液の性質等によっては、電解液が空気極内部に浸透し、さらに空気極外部へと漏出するという課題があった。電解液が漏出すると、電池性能が低下し、長期信頼性および長寿命化を確保することができず、電解液と接触するなどの安全性の面にも課題があった。
このような課題に対して、空気極61の触媒層62および集電体63に加えて、触媒層62の外側に撥水膜65を設けることも考えられる。しかし、撥水膜65によって短期的には電解液64の漏出を抑制することが可能となるが、図10に示すように、当該対策を講じていても、触媒層62に浸透した電解液64が、撥水膜65と触媒層62との間に溜まり、撥水膜65と触媒層62との界面に隙間を生じることがある。このような隙間を生じると、触媒層62と撥水膜65との間に溜まった電解液64によって、触媒層62への空気の供給量が減少し、触媒層62の電極反応が阻害されるという問題点があった。
例えば特許文献1には、一方の面から他方の面へ針を突き刺すことにより複数の貫通孔が形成された触媒層を有する空気極について開示されている。この空気極では、前記貫通孔によってガス透過性を高めることが意図されている。
特開2002−110182号公報
前記特許文献1に開示される空気極では、ガス透過性が考慮されているものの、前記貫通孔からの電解液の漏出の可能性については検討されていない。そのため、電解液が触媒層の表面を覆ってしまうことで、反応に必要な空気が触媒層に届きにくくなり、電池寿命の劣化を招くことに加え、安全性の面でも課題は依然として残っている。
本発明は、前記のような課題にかんがみてなされたものであり、その目的とするところは、撥水膜と触媒層との剥離を防止するとともに電解液の漏出を防止して電池性能を高め、信頼性および安全性に優れた空気極、前記空気極を備える金属空気電池、および前記空気極の製造方法を提供することにある。
前記の目的を達成するための本発明の解決手段は、集電体と、撥水膜と、前記集電体と前記撥水膜との間に配置された触媒層とを備える空気極を前提とし、前記触媒層は、前記集電体または前記撥水膜のいずれか一方に接する第1面と、前記集電体または前記撥水膜のいずれか他方に接する第2面と、前記第1面と前記第2面とに連通する複数の貫通孔とを備え、前記貫通孔は、前記第1面の開口径および前記第2面の開口径よりも小さい内径のくびれ部を内部に有することを特徴としている。
また、前記構成の空気極において、前記貫通孔は、貫通方向の断面形状が、前記第1面から前記触媒層内部にかけて、および前記第2面から前記触媒層内部にかけて漸次縮径した内径を有するくびれ形状とされていることが好ましい。
前記空気極を備える金属空気電池も本発明の技術的思想の範疇である。つまり、金属空気電池として、前記構成を有する空気極と、金属極と、電解質とを備えたことを特徴としている。
さらに、前記空気極の製造方法も本発明の技術的思想の範疇にあり、集電体と、撥水膜と、前記集電体と前記撥水膜との間に配置された触媒層とを有し、前記触媒層は第1面と第2面とに貫通する複数の貫通孔を備える空気極の製造方法であって、前記貫通孔形成前の触媒層の厚み方向に貫通する複数の第1貫通孔を穿設する孔形成工程と、前記第1貫通孔を有する触媒層を加圧するプレス工程とを含み、前記プレス工程では、前記第1貫通孔を貫通方向に加圧し、前記触媒層として前記第1面の開口径および前記第2面の開口径よりも小さい内径のくびれ部を有する貫通孔を形成することを特徴としている。
本発明により、電解液の漏出を防止し得て電池性能が高められ、信頼性および安全性に優れた空気極、前記空気極を備える金属空気電池を提供することが可能となる。また、本発明の空気極の製造方法により、貫通孔を備えた触媒層を有する空気極を容易に形成することが可能となる。
本発明の実施形態に係る空気極を示す部分断面図である。 前記空気極における触媒層を模式的に示す部分断面図である。 本発明の実施形態に係る金属空気電池の一例を示す斜視図である。 前記金属空気電池の構成を示す分解説明図である。 前記空気極における触媒層の例を示す説明図である。 前記金属空気電池における空気極を示す説明図である。 前記空気極の製造方法の一工程を示す説明図である。 図7の次工程を示す説明図である。 図8の次工程を示す説明図である。 従来の空気極を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態に係る空気極、金属空気電池、および空気極の製造方法について、図面を参照しつつ説明する。
(空気極)
図1は本実施形態に係る空気極1を模式的に示す部分断面図であり、図2は空気極1における触媒層13を示す部分断面図である。
空気極1は、酸素ガスを電極活物質とし、電極反応(酸素還元反応)の触媒を含む電極である。図1に示すように、空気極1は、撥水膜11と、集電体12と、これらの集電体12と撥水膜11との間に配置された触媒層13とを備えている。
撥水膜11は、空気を通過させる孔を有し、この孔の内壁は撥水性を有する。このため、水はこの孔にほとんど浸入することはできないが、空気はこの孔を通過することができる。撥水膜11は、空気を通過させるが水を通過させない多孔質層とすることもでき、例えばフッ素樹脂多孔質膜を含む構成とされてもよい。
集電体12は、電極反応が進行する触媒粒子の表面に電子を供給する導電経路となる導電体である。例えば、集電体12は、金属メッシュまたは多孔金属板とすることができ、材質には、金属ニッケル、銀、金、白金またはステンレス鋼を用いることができる。また、集電体12は、ニッケルメッキ処理された金属メッシュまたは多孔金属板であってもよい。
また、集電体12を耐アルカリ性とすることができ、アルカリ性の電解液により集電体12が腐食するのを抑制することができる。集電体12が多孔金属板である場合、多孔金属板としては、エキスパンドメタル、パンチングメタル、多孔金属箔などが好ましい。
触媒層13は、触媒粒子と、導電剤と、結着剤とを含む多孔質層である。触媒層13に含まれる触媒粒子の表面において空気極1の電極反応が進行する。触媒粒子は、酸素還元反応に対する触媒活性を有する。触媒粒子の材料は、例えば、金属酸化物、銀などとされる。触媒粒子は、触媒粒子の表面に付着した導電剤により覆われていてもよい。導電剤は、触媒粒子の表面を覆う被覆多孔質層を形成するものであってもよい。導電剤からなる被覆多孔質層で触媒粒子の表面を被覆することにより、電極反応が進行する触媒粒子表面に速やかに電子を供給することができる。
導電剤は、集電体12と触媒粒子の表面とを電気的に接続し、電極反応に必要な電子を触媒粒子の表面に供給する。導電剤は、例えば、炭素粒子である。具体的には、導電剤は、アセチレンブラック、カーボンブラック、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、活性炭、グラファイトなど炭素粒子が好ましく、これらの炭素粒子のうちの1種類または複数種類を混合した炭素粒子とすることができる。
結着剤は、触媒層13の形状を保つために添加される。結着剤は、例えば耐アルカリ性に優れたフッ素系樹脂である。また、結着剤には、繊維状に発達しながら粒子を結着し、撥水性にも優れ、熱に対して安定なポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いることができる。
空気極1は、例えば金属空気電池に組み込んで用いることができる。このとき、空気極1は、撥水膜11が空気側となるように配置される。これにより、金属極側から触媒層13に電解液を浸み込ませることができ、空気を撥水膜11から触媒層13に供給することができる。その結果、触媒層13に電極反応が進行する三相界面を形成することができる。
従来の空気極では、前記のとおり、撥水膜と触媒層とが剥離して、撥水膜と触媒層との界面に隙間を生じ、電解液が隙間に溜まることで、撥水膜側から触媒層への空気の供給量が減少し、金属空気電池の出力が低下するという問題点があった。
これに対して、本実施形態に係る空気極1を構成する触媒層13は、図1に示すように、第1面131および第2面132に開口する複数の貫通孔133を有している。各貫通孔133は、内部にくびれ部134を有している。貫通孔133は、後述するように、最終的には電解液53の通り道となり得て、電解液53を集電体12側へ戻すように作用する(図6参照)。これにより、触媒層13と撥水膜11との間に電解液53を溜めないようにすることが可能となる。
より具体的には、図2(a)に示すように、貫通孔133は、触媒層13の第1面131と第2面132とにそれぞれ開口し、触媒層13の層厚方向Xに貫通して設けられている。貫通孔133は、層厚方向Xの断面形状が、第1面131から触媒層13の内部にかけて、および第2面132から触媒層13の内部にかけて、漸次縮径した内径を有するくびれ形状とされている。触媒層13の第1面131に開口する貫通孔133の開口径(孔径)r1、および第2面132に開口する貫通孔133の開口径r2は、くびれ部134における孔径であるくびれ内径Rよりも大きい径となるように形成されている。
くびれ内径Rは、貫通孔133の内径の最も小さい部分の内径であり、第1面131の開口径r1よりも小さく、また、第2面132の開口径r2よりも小さい。例示の形態では、第1面131の開口径r1および第2面132の開口径r2は、くびれ内径Rの1.1倍以上であって4倍以下の大きさであることが好ましい。
貫通孔133があれば撥水膜11側に電解液53が到達したとしても、電解液53は再度貫通孔133を通って集電体12側に戻ることができる。しかし、開口径r1およびr2がくびれ内径Rの1.1倍以下であると、集電体12へ戻る水圧よりも触媒層13へ電解液53が貫通孔133を通過する際の水圧の方が強いため、触媒層13と撥水膜11との間に電解液53が溜まる現象を食い止めることはできない。貫通孔133にくびれ部134を有することで、電解液53が触媒層13へ押し寄せる水圧および水量を軽減させ、触媒層13に到達した電解液53が集電体12へ水が戻りやすくなり、触媒層13と撥水膜11との間に電解液が溜まることを抑制することができる。逆に、開口径r1およびr2がくびれ内径Rの4倍以上であると、貫通孔133の幅が狭くなるため撥水膜11側に到達した電解液53が集電体12側へ戻りにくくなり、触媒層13と撥水膜11との間に電解液53が溜まりやすくなってしまう。
例えば、図2(a)に示す触媒層13では、貫通孔133における第1面131の開口径r1および第2面132の開口径r2は、くびれ部134におけるくびれ内径Rの2倍の大きさを有する。図2(b)に示す触媒層13では、第1面131の開口径r1および第2面132の開口径r2は、くびれ内径Rの3倍の大きさを有するように貫通孔133が形成されている。また、図2(c)に示す触媒層13では、第1面131の開口径r1および第2面132の開口径r2は、くびれ内径Rの1.3倍の大きさを有するように貫通孔133が形成されている。
また、図2(a)に示すように、貫通孔133を第1面131および第2面132に直交する面で切ったときの断面(層厚方向Xに沿う断面)は、触媒層13の層厚方向Xの略中央部において最もくびれた形状となっている。くびれ部134は、緩やかに膨出した曲面状の内壁により構成されている。
なお、くびれ部134は、触媒層13の層厚方向Xの略中央部に形成されるに限らず、図2(a)に示すくびれ部134よりも層厚方向Xの第1面131寄りに形成されても、第2面132寄りに形成されてもよい。また、第1面131の開口径r1と、第2面132の開口径r2とは、同じ径であるに限られず、それぞれがくびれ内径Rに対して1.1倍〜4倍の大きさを有する開口であれば、異なる径であってもよい。具体的な大きさとしては、例えば貫通孔133は、くびれ部134におけるくびれ内径Rが100μm以上であって400μm以下であることが好ましい。くびれ内径Rが100μm以下であると撥水膜11側に到達した電解液53が集電体12側へ戻りにくくなり、触媒層13と撥水膜11との間に電解液53が溜まりやすくなってしまう。逆に、くびれ内径Rが400μm以上であると、触媒層13の反応面積が減少し、電圧特性を低下させる原因となる。
触媒層13は、第1面131または第2面132における単位面積当たりの貫通孔133の数が2〜40個/cmとされることが好ましい。このような数により形成される貫通孔133は、触媒層13に均等に分散配置されていても、また、疎密を有するように分散配置されていてもよい。特に、貫通孔133の貫通方向(触媒層13の層厚方向X)に直交する上下方向Yには、触媒層13の上方よりも下方に、より密に設けられることが好ましい。
また、貫通孔133を有する触媒層13と、集電体12とが圧着されてなる複合体の透気度は、1.0sec/100cc以上100sec/100cc以下とされることが好ましい。また、この圧着複合体に対して備えられる撥水膜11の透気度は、10sec/100cc以上10000sec/100cc以下とされることが好ましい。なお、透気度は、JIS P8117(ガーレー法)に基づいて測定される。
(金属空気電池)
前記構成を有する空気極1は、例えば金属空気電池2に適用することができる。図3は金属空気電池2の一例を示す斜視図であり、図4は金属空気電池2の構成部材を分解して示す説明図である。
金属空気電池2は、電池ケース5内に、電極活物質となる金属を含む金属負極(金属極)3と、充電時に正極として用いられる充電用正極4と、放電時に正極として用いられる放電用正極10とを備えている。前記空気極1は、この金属空気電池2の放電用正極10として用いることができる。
例示の形態では、金属空気電池2は、電池ケース5内の電解液中に金属負極3、放電用正極10、および充電用正極4が浸漬された状態で互いに平行に配置された3極方式の二次電池とされている。なお、以下の説明では、図3における図中上方を金属空気電池2における上方として説明している。
図4に示すように、金属空気電池2には、放電用正極10、金属負極3を内包した負極ケース31、および充電用正極4が、電池ケース5内に順に配置されている。金属空気電池2は、これらの各電極間に、図示しない電解液の液層を有する構造とされている。
充電用正極4は、充電時の正極となる多孔性の電極である。充電用正極4では、電解液としてアルカリ性水溶液を使用する場合、水酸化物イオン(OH)から酸素と水と電子とが生成される反応が起こる(充電反応)。つまり、充電用正極4においては、酸素(気相)、水(液相)、電子伝導体(固相)が共存する三相界面で充電反応が進行する。
充電用正極4は、充電反応の進行により生成する酸素ガスなどのガスが拡散できるように設けられている。例えば、充電用正極4は、少なくともその一部が外気と連通するように設けられる。例示の形態では、電池ケース5に複数のガス排出口52が設けられており、これらのガス排出口52を介して、充電反応により生成される酸素ガスなどのガスが充電用正極4から排出される。
充電用正極4は、多孔性でかつ電子伝導性を有する材料であることが望ましい。電解液としてアルカリ性水溶液を使用する場合、耐腐食性、充電反応に対する酸素発生触媒能の観点から、ニッケル、あるいは、ステンレス鋼などの金属素材の表面に対してニッケルメッキを施した材料を使用することが望ましい。充電用正極4として、メッシュ、エキスパンドメタル、パンチングメタル、金属粒子や金属繊維の焼結体、発泡金属などを使用することで充電用正極4を多孔性とすることもできる。
充電用正極4には、放電用正極10(空気極1)が有する撥水膜11と同様の構成の撥水膜41が備えられる。撥水膜41は、金属負極3と反対側(すなわち電池ケース5側)に配置されている。撥水膜41により、充電用正極4を介した電解液の漏洩が抑制されるとともに、充電反応により生成される酸素ガスなどのガスを電解液と分離して電池ケース5の外部へ排出することができる。また、充電用正極4は、充電用正極端子と電気的に接続することができ、充電反応に必要となる電荷を図示しない外部回路から供給することを可能にする。
放電用正極10は、金属空気電池2の放電時に正極となる。放電用正極10には、空気極1が適用されており、貫通孔133を有する触媒層13を備えている。電解液としてアルカリ性水溶液が用いられる場合、触媒層13では、電解液から供給される水と、空気から供給される酸素ガスと電子とが反応して、水酸化物イオン(OH)を生成する放電反応が起こる。これにより、放電用正極10では、酸素(気相)、水(液相)、電子伝導体(固相)が共存する三相界面で放電反応が進行する。
電池ケース5には複数の空気取込口51が設けられている。これらの空気取込口51を介して空気に含まれる酸素ガスが、放電用正極10中に拡散される。放電用正極10は、撥水膜11を電池ケース5側に配置されている。放電用正極10は、放電用正極端子(空気極端子)と電気的に接続することができ、触媒層13で生じた電荷を図示しない外部回路へと取り出すことを可能にする。
金属負極3は、金属元素を含む活物質(負極活物質)からなる電極であり、放電時には活物質の酸化反応が起こり、充電時には還元反応が起こる。金属元素としては、亜鉛、リチウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄などが用いられる。
例示の形態では、金属負極3は、負極ケース31に内包された状態で、電池ケース5に備えられている。また、負極ケース31内には電子的に絶縁性の材料で形成されたセパレータ33が納められ、負極ケース31の開口部32を閉塞するように備えられている。セパレータ33は、金属負極3と充電用正極4との間および充電用正極4と放電用正極10との間に介装されており、充電時に金属負極3で還元析出した金属デンドライトによって短絡することを抑制する。負極ケース31の上部は、電解液が注入された後、熱融着して封止される。
金属負極3の金属元素が亜鉛である場合、放電時には、金属亜鉛の酸化反応が起こる。すなわち、亜鉛が酸化した結果、電解液中にジンケートイオンとして溶解する場合と、直接酸化亜鉛や水酸化亜鉛が生成する場合とがある。充電時には、金属亜鉛への還元反応が起こる。すなわち、電解液中に溶解しているジンケートイオンの還元により亜鉛が生成する場合と、酸化亜鉛や水酸化亜鉛が直接亜鉛へと還元する場合とがある。
電解液は、電池ケース5内の金属負極3、放電用正極10および充電用正極4を浸漬する。電解液は、例えばイオン導電性を有する液体であり、溶媒に電解質が溶解している。電解液の種類は、金属電極に含まれる電極活物質の種類によって異なるが、水溶媒を用いた電解液(電解質水溶液)であることが好ましい。
金属空気電池2として、亜鉛空気電池、アルミニウム空気電池、鉄空気電池が適用される場合、電解液には、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などのアルカリ性水溶液を用いることができ、マグネシウム空気電池の場合には、電解液に塩化ナトリウム水溶液を用いることができ、リチウム空気電池の場合には、有機性の電解液を用いることができる。なお、電解液は、電解質以外の有機添加物や無機添加物が添加されていてもよく、高分子添加物によりゲル化されたゲル電解質またはポリマー電解質等であってもよい。
図4に示すように、放電用正極10は、電池ケース5側から、撥水膜11、触媒層13、集電体12の順に積層されている。前記のとおり、触媒層13には、くびれ部134を有する複数の貫通孔133が存在する。そのため、仮に金属空気電池2の内部から、撥水膜11と触媒層13との間に浸入する電解液があったとしても、貫通孔133を通して再び集電体12側へ戻り、金属空気電池2の内部にとどまるものとなる。これにより、電解液が撥水膜11と触媒層13との間に溜まることが防がれるとともに、触媒層13の外側に漏出することが防がれ、漏出した電解液に使用者が接触する可能性も低下し、安全性も高められる。
放電用正極10(空気極1)の触媒層13における複数の貫通孔133は、多様な配置形態とすることができる。例えば、図5(a)に示すように、触媒層13に貫通孔133が均等に分散配置されてもよく、図5(b)に示すように、図5(a)の触媒層13よりも、貫通孔133がより密に設けられていてもよい。前記のとおり、触媒層13における単位面積当たりの貫通孔133の数は、2〜40個/cmとされることが好ましい。
また、図5(c)に示すように、触媒層13における貫通孔133の貫通方向(触媒層13の層厚方向X)に直交する上下方向Yにおいて、貫通孔133が上方よりも下方に、より密に配置された構成であってもよい。金属空気電池2の電池ケース5内では、重力の影響を受けて電解液が下方に溜まりやすく、撥水膜11が剥離しやすい傾向にある。これに対して、放電用正極10では、貫通孔133が触媒層13の上方よりも下方に、より密に配置されていることで、電解液の漏出をより一層抑制することが可能となる。
図6は、金属空気電池2における空気極1の貫通孔133の作用を示す説明図である。触媒層13には、くびれ部134を有する貫通孔133が複数設けられていることで、次のような効果が得られる。
触媒層13で起こる酸素還元反応では、水酸化物イオンが生成される。一般には、水酸化物イオンは、触媒層の層内部を電解液層(触媒層と接するバルクの電解液が存在する領域)側へと拡散する。ところが、触媒層から電解液層までの距離が比較的長いので、触媒層中の電解液のpH(水素イオン濃度指数)が上昇することとなる。この場合に、pHの上昇を緩和するために、電解液が触媒層へ浸透する浸透圧を生じ、触媒層への電解液の浸透が促進される結果、触媒層と撥水膜との界面に電解液が溜まりやすくなる問題が起こっていた。
これに対して、本実施形態に係る空気極1(放電用正極10)では、触媒層13の貫通孔133にくびれ部134を有している。図6に示すように、貫通孔133は、触媒層13の第2面132寄りの内壁が、撥水膜11に向かって徐々に広がる形状を有することで、この領域で撥水膜11と触媒層13との間に隙間14が形成される。より詳しくは、第2面132に接する撥水膜11の内面と、貫通孔133の内壁とで囲まれた徐々に狭まる空間(隙間14)が、触媒層13と撥水膜11との密着した界面までの間に形成されている。触媒層13を通過した電解液53は、触媒層13と撥水膜11との密着した界面に蓄積する前に、撥水膜11と触媒層13との隙間14に誘導され、さらに貫通孔133の内部へ誘導されていく。これにより、撥水膜11と触媒層13との界面に電解液53が溜まることなく、第1面131側(集電体12側)へ排出される。また、貫通孔133が撥水膜11側に広がった形状であると、外気の空気を取り込みやすくなった結果、反応面積の増加により電圧特性を向上させることができる。
一方、貫通孔133は、触媒層13の第1面131寄りの内壁が、電解液53側(集電体12側)に向かって徐々に広がる形状を有することで、電解液53と触媒層13との接触界面の面積を増やすことができる。そのため、酸素還元反応で生じた水酸化物イオンは速やかに電解液53へと拡散し、触媒層13中の電解液53のpHの上昇を緩和することができる。その結果、撥水膜11と触媒層13との界面に電解液53が溜まるのを防ぐことが可能となる。さらなる形状のメリットは、初期の電解液の浸透性が向上することで、電池反応が進行しやすくなり、初期の電圧特性を向上させることが可能となる。また、電解液から空気極に至るパスでのジンケートイオン移動度が減少することにより、電池寿命を高めることが可能となる。貫通孔133にくびれ部134を有することで、第1面131側から第2面132側へ液体の流路を狭め、撥水膜11の方向へ流通するのを抑制することも可能となる。
このように、貫通孔133は、撥水膜11側および集電体12側にそれぞれ広がるくびれ形状とされていることで、くびれ部134から撥水膜11側での効果と、くびれ部134から集電体12側での効果とをあわせ持ち、撥水膜11と触媒層13との間に電解液53が溜まることを効果的に防ぐ作用をなす。また、くびれ部134によって貫通孔133に空気を滞留させやすくすることができ、触媒層13の反応効率を高めることができる。
したがって、空気極1では、撥水膜11と触媒層13との剥離を防止することができ、撥水膜11と触媒層13との界面に隙間を生じることがなく、撥水膜11を通して空気を触媒層13まで到達させることができる。触媒層13では円滑に電極反応が進行し、長期にわたって電解液53の漏出を抑制することができる。その結果、空気極1を備える金属空気電池2においては、出力低下が抑制されて、電池寿命を高めることが可能となる。
なお、本実施形態では空気極1を金属空気電池2における放電用正極10として用いた例を示したが、本発明はこれに限られず、例えば空気極1が燃料電池に用いられてもよい。また、空気極1において、貫通孔133は、第1面131の開口径r1および第2面132の開口径r2よりも小さい内径(くびれ内径R)のくびれ部134を有する形状であり、第1面131と第2面132とのいずれか一方が集電体12に接して、いずれか他方が撥水膜11に接する構成であればよい。そのため、触媒層13は第1面131と第2面132とを区別なく用いることができるリバーシブルな構成とされ、空気極1の製造過程でハンドリングしやすく、生産性を向上させることができる。
(空気極の製造方法)
前記構成を有する空気極1の製造方法について説明する。図7〜図9は空気極1の製造方法を模式的に示す部分断面図であり、図7は製造方法の一工程を示し、図8は図7の次工程を示し、図9は図8の次工程を示している。
この空気極1の製造方法では、触媒粒子と、導電剤と、結着剤とを含む触媒用ペーストを混練し、シート状に成形加工して、触媒層用の混合物を形成する。次いで、触媒用の混合物15を集電体12の上に重ねて置き、圧延機に通すことで集電体12と混合物15とを一体化し、予め集電体−触媒層用混合物の複合体16を形成する。集電体12を金属メッシュまたは多孔金属板により構成すると、複合体16を形成する際の熱損傷を抑制することができる。
その後、図7に示すように、複合体16の混合物15側から、混合物15の厚み方向に貫通する複数の第1貫通孔151を形成する(孔形成工程)。第1貫通孔151は略円筒状の内面を有して、未だくびれ部134を有しない状態の孔である。
孔形成工程では、集電体12を下方に向けて設置した複合体16に対して、上方から混合物15の内部に到達する複数本の針状体を設置し、圧接し、その後、混合物15から前記針状体を抜き取ることで第1貫通孔151を形成する。複合体16における混合物15の厚みtは、最終的な触媒層13の厚みT(図1参照)よりも厚く形成されている。設置する針状体の本数および相互の間隔は、触媒層13に設ける貫通孔133として必要とされる透気度等に応じて任意に設定することができる。
次いで、図8に示すように、複合体16の上に撥水膜11を重ね合わせ、撥水膜11と集電体12との間に混合物15を挟み込む。そして、これを反転し、撥水膜11の上に複合体16が設置された状態にする。
次いで、図9に示すように、反転した撥水膜11および複合体16に対して圧力を付与し、撥水膜11を複合体16に圧着し、一体化する(プレス工程)。これにより、撥水膜11、触媒層13、および集電体12を接合一体化した空気極1が得られる。このプレス工程では、複合体16における混合物15は加圧されて厚みTまで収縮するとともに、第1貫通孔151の内部が膨出してくびれ部134を有する貫通孔133となる。
これにより、図1に示したように、くびれ部134を有する貫通孔133を複数備えた触媒層13を含む構成の空気極1を形成することができる。空気極1は、撥水膜11、触媒層13、集電体12を順に積層した構成であって、触媒層13に層厚方向Xに貫通する複数の貫通孔133を有して形成される。
なお、空気極1の製造方法として、複合体16を形成した後、孔形成工程で第1貫通孔151を形成し、次いでプレス工程を行う方法を示したが、これに限定されず、予め第1貫通孔151を層厚方向Xに加圧し、貫通孔133を複数備えた触媒層13を形成しておき、その後、集電体12および撥水膜11で挟み込むことでくびれ部134を形成させ、一体化する方法としてもよい。
このように製造された空気極1においては、貫通孔133によって撥水膜11と触媒層13との剥離が防止され、撥水膜11と触媒層13との界面に隙間を生じることがなく、撥水膜11を通して空気を触媒層13まで到達させることが可能となる。触媒層13では円滑な電極反応が可能となり、長期にわたって電解液53の漏出を抑制することができる。その結果、空気極1を備える金属空気電池2の出力低下が抑制されて、電池寿命を高めることが可能となる。
なお、前記した空気極1、金属空気電池2、および空気極1の製造方法は、前記実施形態に示す構成であるに限られず、他の様々な形態により実施することが可能である。本発明の技術的範囲は、前記実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲に基づくものとされる。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
(実施例)
本発明に係る空気極1およびその空気極1を備える金属空気電池2について、実施例を参照しながらより詳細に説明する。
実施例1〜4では、空気極を構成する触媒層において、貫通孔の構成をそれぞれ異ならせて作製した。触媒層としては、貫通孔を形成する前の混合物の状態で、透気度が1200sec/100ccとなるように作製した。この混合物と集電体とを加圧プレス機を用いて65kNの圧力で2分間保持して圧着し、大きさ5.3cm×5.3cmの複合体を得た。
得られた複合体に対して、孔形成工程として、多数の針状体を有する剣山を2kNで複合体に圧接し、5秒間保持して、第1貫通孔を形成した。また、プレス工程として、複合体に撥水膜を添設し、65kNの圧力で2分間保持して圧着し、触媒層にくびれ部を有する貫通孔を形成した。混合物の厚みは0.49mmであったのに対し、触媒層の厚みは0.29mmとなった。
・実施例1
実施例1では、前記複合体に対して、孔形成工程およびプレス工程を行い、第1面(または第2面)全体に対して1/4の領域に、第1面および第2面の開口径が500μmである60個の貫通孔を形成し、実施例1の空気極を得た。この空気極の貫通孔の単位面積当たりの数は2.1個/cmであり、この場合、複合体の透気度は92.5sec/100ccであり、好ましい範囲1.0〜100sec/100cc内のものであった。
・実施例2
実施例2では、前記複合体に対して、孔形成工程およびプレス工程を行い、第1面(または第2面)の全体に均等に分散させ、かつ第1面および第2面の開口径が500μmである240個の貫通孔を形成し、実施例2の空気極を得た。この空気極の貫通孔の単位面積当たりの数は8.5個/cmであり、この場合、複合体の透気度は20.1sec/100ccであり、好ましい範囲1.0〜100sec/100cc内のものであった。
・実施例3
実施例3では、前記複合体に対して、孔形成工程およびプレス工程を行い、第1面(または第2面)の全体に均等に分散させ、かつ第1面および第2面の開口径が500μmである480個の貫通孔を形成し、実施例3の空気極を得た。貫通孔の数は実施例2の2倍の数とした。この空気極の貫通孔の単位面積当たりの数は17.1個/cmであり、この場合、複合体の透気度は1.5sec/100ccであり、好ましい範囲1.0〜100sec/100cc内のものであった。
・実施例4
実施例4では、前記複合体に対して、孔形成工程およびプレス工程を行い、第1面(または第2面)の全体に均等に分散させ、かつ第1面および第2面の開口径が500μmである960個の貫通孔を形成し、実施例4の空気極を得た。貫通孔の数は実施例2の4倍の数とした。この空気極の貫通孔の単位面積当たりの数は34.2個/cmであり、この場合、複合体の透気度は1.0sec/100ccであり、好ましい範囲1.0〜100sec/100cc内のものであった。
・比較例1
比較例1として、前記複合体に対して貫通孔を形成することなく空気極とした。比較例1の複合体の透気度は1200sec/100ccであった。
・比較例2
比較例2では、前記複合体に対して、孔形成工程およびプレス工程を行い、第1面(または第2面)の全体に均等に分散させ、かつ第1面および第2面の開口径が500μmである1200個の貫通孔を形成し、空気極を得た。貫通孔の数は実施例2の5倍の数とした。この空気極の貫通孔の単位面積当たりの数は42.7個/cmであり、この場合、複合体の透気度は0.8sec/100ccであった。
Figure 2021086660
・電池寿命の測定1
実施例1〜実施例4の各空気極、および比較例1〜2の各空気極を、正極に組み込み、亜鉛板を負極に組み込み、電解液として7MのKOH水溶液を電池ケース内に充填して、それぞれ金属空気電池を構成した。測定条件として、30mA/cmの定電流で電圧測定を行い、得られた電圧が0.8Vを下回るまでの通電時間を計測した。この通電時間を電池寿命とした。
表1に示すように、比較例1では、触媒層13に貫通孔133がないため、触媒層13と撥水膜11との間に電解液53が溜まり、撥水膜の剥離が生じていた。経時変化とともに撥水膜の剥離が全面に進行し、電圧特性の低下が顕著に表れた。実施例1では、触媒層13全体に対して1/4の領域に60個の貫通孔133があることで、貫通孔がない比較例1と比較して電池寿命が延びていた。しかし、触媒層13における貫通孔133が形成されていない3/4の領域では、触媒層13と撥水膜11の間に電解液53が溜まり、撥水膜と触媒層との剥離が生じていた。実施例2〜4の結果より、触媒層の貫通孔数が増えるごとに電池寿命を長くすることができ、電池特性を向上することができた。これは貫通孔133の数が多いほど撥水膜11側へ到達した電解液53が集電体12側へと戻りやすくなり、触媒層13と撥水膜11との間に電解液53が溜まりにくくなった結果、電池寿命が短命の原因となる撥水膜剥離の進行を抑制できたからだと推測される。なお、比較例2の空気極を有する金属空気電池では、貫通孔の数が多いことで空隙率が高まり、触媒層の十分な電極反応が得られないことから、電池寿命は0hとなった。
・実施例5〜7
次に示す実施例5〜7では、空気極を構成する撥水膜の構成をそれぞれ異ならせて作製した。また、孔形成工程およびプレス工程を行い、触媒層には、くびれ部を有する貫通孔を形成した。プレス工程で触媒層に圧着する撥水膜自体の透気度は、実施例5では11sec/100cc、実施例6では15sec/100cc、実施例7では2861sec/100ccであった。これらの撥水膜の透気度は、10〜10000sec/100ccの好ましい範囲内であった。
撥水膜の透気度が10sec/100cc以下であると、電池寿命の測定中に撥水膜12から電解液が外へ滲み出し始め、経時変化とともに金属空気電池中の電解液53が減少し電池特性の低下を招く。また、安全面から強アルカリが外へ滲み出ることも好ましくない。
・比較例3
比較例3として、透気度が10310sec/100ccの撥水膜を用いた他は、実施例5〜7と同様の構成により空気極を作製した。
Figure 2021086660
・電池寿命の測定2
実施例5〜実施例7の各空気極、および比較例3の空気極を正極に組み込み、亜鉛板を負極に組み込み、電解液として7MのKOH水溶液を電池ケース内に充填して、それぞれ金属空気電池を構成した。測定条件として、30mA/cmの定電流で電圧測定を行い、得られた電圧が0.8Vを下回るまでの通電時間を計測した。この通電時間を電池寿命とした。また、各空気極において、触媒層に、くびれ部を有する貫通孔を形成する前段階での電圧測定も行い、貫通孔の有無による電池寿命の差異についても確認した。
表2に示すように、撥水膜の透気度を10〜10000sec/100ccの好ましい範囲内とした実施例5〜7で、貫通孔がない場合よりもある場合の方が電池寿命に良好な結果が得られた。すなわち、実施例5〜7の空気極を有する金属空気電池のいずれも、電池寿命を長くすることができ、電池性能を向上することができた。なお、比較例3の空気極を有する金属空気電池では、撥水膜の透気度が前記の範囲外であり、電圧特性が得られず、電池寿命は0hであった。
本発明は、電力供給装置の一つとして用いられる金属空気電池およびその金属空気電池を構成する空気極に好適に利用可能である。
1 空気極
10 放電用正極
11 撥水膜
12 集電体
13 触媒層
131 第1面
132 第2面
133 貫通孔
134 くびれ部
14 隙間
15 混合物
151 第1貫通孔
16 複合体
2 金属空気電池
3 金属負極(金属極)
31 負極ケース
32 開口部
33 セパレータ
4 充電用正極
41 撥水膜
5 電池ケース
51 空気取込口
52 ガス排出口
53 電解液(電解質)

Claims (11)

  1. 集電体と、撥水膜と、前記集電体と前記撥水膜との間に配置された触媒層とを備える空気極であって、
    前記触媒層は、前記集電体または前記撥水膜のいずれか一方に接する第1面と、前記集電体または前記撥水膜のいずれか他方に接する第2面と、前記第1面と前記第2面とに連通する複数の貫通孔とを備え、
    前記貫通孔は、前記第1面の開口径および前記第2面の開口径よりも小さい内径のくびれ部を内部に有することを特徴とする空気極。
  2. 請求項1に記載の空気極において、
    前記貫通孔は、貫通方向の断面形状が、前記第1面から前記触媒層内部にかけて、および前記第2面から前記触媒層内部にかけて漸次縮径した内径を有するくびれ形状とされたことを特徴とする空気極。
  3. 請求項1または2に記載の空気極において、
    前記貫通孔は、前記第1面の開口径および前記第2面の開口径が、前記くびれ部の内径の1.1倍以上であって4倍以下の大きさであることを特徴とする空気極。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つの請求項に記載の空気極において、
    前記貫通孔は、前記くびれ部の内径が100μm以上、400μm以下であることを特徴とする空気極。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つの請求項に記載の空気極において、
    前記触媒層は、前記第1面または前記第2面における単位面積当たりの前記貫通孔の数が2〜40個/cmであることを特徴とする空気極。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つの請求項に記載の空気極において、
    前記貫通孔はその貫通方向に直交する上下方向には、前記触媒層の上方よりも下方に、より密に設けられていることを特徴とする空気極。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つの請求項に記載の空気極において、
    前記集電体と前記触媒層との複合体の透気度は1.0sec/100cc以上、100sec/100cc以下であることを特徴とする空気極。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つの請求項に記載の空気極において、
    前記撥水膜の透気度は、10sec/100cc以上、10000sec/100cc以下であることを特徴とする空気極。
  9. 請求項1〜8のいずれか1つの請求項に記載の空気極において、
    前記触媒層は複数種類の炭素粒子を含むことを特徴とする空気極。
  10. 請求項1〜5のいずれか1つの請求項に記載の空気極と、金属極と、電解質とを備えたことを特徴とする金属空気電池。
  11. 集電体と、撥水膜と、前記集電体と前記撥水膜との間に配置された触媒層とを有し、前記触媒層は第1面と第2面とに貫通する複数の貫通孔を備える空気極の製造方法であって、
    前記貫通孔形成前の触媒層に厚み方向に貫通する複数の第1貫通孔を穿設する孔形成工程と、前記第1貫通孔を備えた触媒層を加圧するプレス工程とを含み、
    前記プレス工程では、前記第1貫通孔の貫通方向に加圧し、前記触媒層に、前記第1面の開口径および前記第2面の開口径よりも小さい内径のくびれ部を有する貫通孔を形成することを特徴とする空気極の製造方法。
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