JP6345559B2 - 空気極及び金属空気電池 - Google Patents

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Description

本発明は、空気極及び金属空気電池に関する。より詳しくは、電解液の漏出が防止され、長寿命の金属空気電池に用いられる空気極及び該空気極を備える金属空気電池に関する。
金属空気電池は、金属電極(負極)、空気極(正極)、及び、電解液から構成され、高いエネルギー密度を有することから、実用化に向けた開発・研究が進められている。
金属空気電池の空気極の一方の面は電解液に接するのに対し、他方の面は空気に接する構造をとる。空気極は空気中の酸素を活物質として利用するため、通常、空気極内部へ空気を取り込むために空気孔が設けられるとともに、空気極内部は多孔質な構造をしている。また、電解液としては、例えば、水の表面張力を低下させて浸透性が高くなるアルカリ水溶液が用いられる。このような空気極の構造及び電解液の性質等により、電解液が空気極内部(多孔質な空気極触媒層515、網目状の空気極導電層513)を浸透して空気極外部へ漏出する課題がある(例えば、図11参照。)。
電解液が漏出すると、電池性能が著しく低下するとともに、長期信頼性を確保すること(長寿命化)ができず、また電池の使用者等が電解液と接触するなど安全性の面でも課題がある。
これらの課題に関し、触媒、活性炭、及び、フッ素樹脂の混合物からなる特定の空気極触媒層を備える空気電池が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、空気極の外側(空気側)に多孔性ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜を配した特定の空気電池が知られている(例えば、特許文献2参照。)。更に、電槽の側面に配設せる空気極と、金属陰極とを備え、電解液或いは水を注入することにより作動するものであって、電槽内に時間の経過に伴い電解液を吸着、固化する固化剤を組込んでなる注液式空気電池が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
特開平6−338355号公報 特開平8−7935号公報 特開昭54−129327号公報
前述の通り、従来の金属空気電池では、電解液が空気極内部を浸透して空気極外部へ漏出してしまう課題があった。
これに対し、上記特許文献1に記載のように、空気極触媒層等の空気極内部に高い撥水性を有するフッ素樹脂を混合することで、短期的には電解液の漏出を抑制することができるが、その様な対策を講じても、従来の金属空気電池では、空気極触媒層に形成される空隙(酸素拡散経路)を介して電解液が漏洩する場合があり、また、撥水性の高いフッ素樹脂であっても、高濃度電解液(KOH水溶液)等により撥水性が徐々に低下するため、長期的には電解液が漏出してしまい、長期信頼性、安全性を確保できなかった。
また上記特許文献2に記載のように、電解液の漏洩を防止するために、空気極の外側に多孔性ポリテトラフルオロエチレン膜を有する金属空気電池が知られている。しかし、空気極外側(空気側)に多孔性PTFE膜を配置すると、フッ素樹脂の撥水性が徐々に低下し空気極を介して電解液が漏洩する場合があり、また、長期間放電すると放電特性が低下する場合がある。加えて、漏出した電解液が空気極と多孔性PTFE膜の間に溜まり、空気供給を阻害して、電池特性が低下する要因になる。
更に、上記特許文献3に記載の発明は、電解液を固化させるための固化剤を電解液槽に設置することにより、電解液槽中の電解液を固化し、その流動性を低下させて、空気極からの電解液の漏洩を防止している。しかしながら、電解液を固化させると、電解液中のイオン伝導が低下するため、高い出力を得ることができなかった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、金属空気電池における電解液の漏出を防止し、信頼性及び安全性に優れた空気極及び該空気極を備える金属空気電池を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、電解液の漏出を防止できる金属空気電池について種々検討した結果、空気極が電解液と接する面のもう一方の面に吸水性高分子を含む吸水層を設けた空気極の構成を見出した。そして、このような構成の空気極と、電解液を溜める電解液槽と、電解液槽中に設けられかつアノードとなる金属電極とを少なくとも備えた金属空気電池によれば、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
なお、特許文献1に記載の発明が、空気極触媒層に配したフッ素樹脂(PTFE等)で電解液の漏出を抑制するものであり、特許文献2に記載の発明が、空気極の外側(空気側)に配した多孔性PTFE膜で電解液の漏出を抑制するものであり、特許文献3に記載の発明が、電解液槽中に組み込んだ固化剤により電解液の漏出を抑制するものであるのに対し、本発明は、空気極の外側(空気側)の吸水層内に設けた吸水性高分子が電解液を保持するものである点で相違する。
すなわち、本発明の一態様は、金属空気電池の正極に用いられる空気極であって、上記空気極は、触媒層、導電層、及び、吸水層を備え、上記吸水層は、吸水性高分子を含む吸水部を有し、触媒層及び導電層に対して一方の側に設けられている空気極であってもよい。
本発明の別の一態様は、上記空気極、電解液槽、及び、金属電極を備える金属空気電池であって、上記空気極の吸水層は、触媒層及び導電層よりも外側に配置されている金属空気電池であってもよい。
本発明の空気極及び金属空気電池は、上述した構成を有するので、金属空気電池における電解液の漏出を防止し、信頼性及び安全性に優れた金属空気電池を実現することができる。
実施形態1の金属空気電池の全体構成を示す断面模式図である。 実施形態1の空気極の構造を示す断面模式図である。 実施形態1の空気極の全体構成を示す断面模式図である。 実施形態2の空気極の全体構成を示す断面模式図である。 実施形態3の空気極の全体構成を示す断面模式図である。 実施形態3の金属空気電池で用いられる拡散層の構成を示す断面模式図であり、図5中のA1−A2線に沿った断面に対応している。 実施形態4の空気極の全体構成を示す断面模式図である。 実施形態4の金属空気電池で用いられる拡散層の構成を示す断面模式図であり、図7中のB1−B2線に沿った断面に対応している。 実施形態4の金属空気電池で用いられる吸水層の構成を示す断面模式図であり、図7中のC1−C2線に沿った断面に対応している。 実施形態5の空気極の全体構成を示す断面模式図である。 従来の金属空気電池の空気極構造及び空気極が備える触媒層の構成を拡大して示す断面模式図である。
以下に実施形態を掲げ、本発明について図面を参照して更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態のみに限定されるものではない。なお、各実施形態において、同一部分又は同様な機能を有する部分には百の位を変更した以外は同様の符号を異なる図面間で用い、その繰り返しの説明は省略する。
また、各実施形態の構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜組み合わされてもよいし、変更されてもよい。
[実施形態1]
図1は、本発明に係る実施形態1の金属空気電池の全体構成を示す断面模式図である。
実施形態1の金属空気電池ECは、金属空気電池筐体と、金属電極(負極)A、空気極(正極)C、電解液(KOH水溶液)E、及び、セパレータSによって構成される。金属電極(負極)Aは、電解液Eと接する位置に配置されている。電解液Eは、電解液槽(図示せず)内に保持されている。
金属空気電池筐体は、空孔Hが設けられ、これは酸素拡散経路等として機能する。
電解液槽の注液口Iは、注液前は通常は閉じている。電解液Eは、予めセル(電解液槽)内に備えられていてもよく、電池の使用直前等に外付けのタンク等からポンプ等を介して注液してもよい。注ぐ液体は、電解質を含む電解液であってもよく、電解質はセル(電解液槽)内に備えた上で外部から純水等を注入してもよい。なお、実施形態1の亜鉛空気電池においては、電解液として水酸化カリウム水溶液を用いることができる。
セパレータSは、負極(例えば、亜鉛極)活物質及び負極反応生成物が空気極(正極)Cに透過しないようにするための1枚以上の隔膜である。また、セパレータSの配置は、空気極Cと電解液Eの間には限定されない、例えば、金属電極Aと電解液Eの間に設けられていてもよい。また、セパレータSは、必須の構成ではなく、空気極Cが電解液E直接接していてもよい。
金属電極A(負極)は、金属空気電池に適した金属又は金属合金活物質から構成されるものである。
金属空気電池ECの詳細については、後述する。
図2は、実施形態1の空気極の構造を示す断面模式図である。
実施形態1の空気極C(正極)は、電解液槽側から空気側に向かって、空気極触媒層15、空気極導電層13、吸水層11がこの順に配置されて構成されている。なお、空気極導電層13の配置は、特に限定されず、電解液槽側から空気側に向かって、空気極導電相13、空気触媒層15、吸水層11の順であってもよく、また、電解液槽側から空気側に向かって、空気極触媒層15、空気極導電層13、空気極触媒層15、吸水層11の順で配置されていてもよい。
図3は、実施形態1の空気極Cの全体構成を示す断面模式図である。なお、空気極Cを備える金属空気電池を構成した場合は、図3における左側が電解液層側であり、右側が空気側(外側)である。後述する図4、図5、図7、図10においても同様である。
実施形態1の空気極Cは、空気極触媒層15、空気極導電層(集電体)13、及び、吸水層11を備え、空気極触媒層15・空気極導電層(集電体)13の空気側(電解液槽側と反対側)に吸水性高分子を含む吸水層11を設けたことを特徴とする。これにより、金属空気電池における電解液の漏出を防止し、信頼性及び安全性に優れた金属空気電池を実現する本発明の効果を発揮することができる。
空気極Cは、図3に示したものに限定されないが、少なくとも空気極触媒層、空気極導電層、及び、吸水層を含むことが好ましく、セパレータと一体化されていることがより好ましい。
実施形態1で用いられる空気極導電層13は、電池において集電体として使用される金属であれば特に限定されず、例えばニッケルが好ましい。また、空気極導電層の構成は特に限定されないが、空気極導電層が網目状であることが好ましい。
実施形態1で用いられる空気極触媒層15は、電子伝導性物質(例えば、カーボン)21、電極触媒17、及び、フッ素樹脂19から構成される。該空気極触媒層15は、少なくとも電極触媒及びフッ素樹脂のどちらか一方を含むことが好ましく、更に電子伝導性物質を含むことがより好ましい。該フッ素樹脂19は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)などが挙げられる。
空気極触媒層15内には、複数の空隙23がある。このように、空気極触媒層15は多孔質であることが好ましい。本明細書中、空気極触媒層における多孔質は、空隙が互いに連通し、酸素拡散経路として空気(酸素)を通すことができるものであればよい。空気極触媒層における多孔質の孔径は、負極反応生成物の透過を抑制する観点から、最大5μm以下であることが好ましい。
実施形態1の空気極Cを備える金属空気電池では、時間の経過とともに、電解液が徐々に空気極内部を空気側の吸水層に向かって浸透する。その後、実施形態1の空気極Cの空気極導電層13の空気側の一部から電解液が浸出し、吸水層11内部の吸水性高分子に保持される。
吸水層11は、少なくとも吸水性高分子から構成される少なくとも吸水部が設けられた層である。吸水層11には、吸水性高分子の他にもカーボンなどの電子伝導性物質が適宜含まれていることが好ましい。
吸水性高分子は、高吸水性高分子あるいは水溶性高分子が使用でき、耐アルカリ性に優れた材料が好ましく用いられる。
高吸水性高分子としては、例えば、架橋型ポリアクリル酸塩や親水基としてスルホ基を有する2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸が例示される。また、ポリアクリル酸塩の種類は特に限定されないが、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム、ポリアクリル酸カルシウム、ポリアクリル酸マグネシウムを挙げることができる。
また、水溶性高分子としては、例えば、でん粉系のアクリロニトリルグラフト共重合体、アクリル酸グラフト共重合体、アクリルアミドグラフト共重合体や、セルロース系のアクリロニトリルグラフト共重合体、カルボキシメチルセルロース架橋体や、多糖類系のヒアルロン酸や、ポリビニルアルコール系のポリビニルアルコール架橋体、ポリビニルアルコール吸水ゲル凍結・解凍エストラマーや、アクリル酸系のアクリル酸・ナトリウムビニルアルコール共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体や、アクリルアミド系のN−置換アクリルアミド架橋体などを用いることができる。
なお、これら高吸水性高分子あるいは水溶性高分子は、架橋密度を増やすことで吸水量を増加させることができ、適宜調整可能である。架橋密度の調整に、架橋剤や重合開始剤などを用いても構わない。
吸水性高分子の吸水量は、特に限定されるものではないが、100mL/g以上が好ましく、1000mL/g以上であることがさらに好ましい。例えば、吸水性高分子として架橋型ポリアクリル酸カリウム使用する場合には、使用した架橋型ポリアクリル酸カリウムの自重の数百から約千倍までの電解液を吸水することができる。そのため、架橋型ポリアクリル酸カリウム使用することで、吸水層11は薄く形成する、または膜状にすることができるため、ポリアクリル酸カリウムの量は少量でよく低コストに抑えることができる。
また、電解液Eにアルカリ性水溶液を用いる場合に、架橋型ポリアクリル酸カリウムは耐アルカリ性に優れるため材料劣化が小さく、吸水層11の交換が必要になったとしてもその頻度を低減できる。
吸水層11の層厚は特に限定されるものではないが、該層厚が厚くなればなるほど電解液Eの浸出を防ぐことができ、具体的には0.01mm以上が好ましく、0.05mm以上がより好ましく、0.1mm以上が更に好ましく、0.3mm以上が特に好ましい。一方で、電気特性を観点から該層厚は、10mm以下が好ましく、5mm以下がより好ましく、2.0mm以下が更に好ましく、1.0mm以下が特に好ましい。
上記吸水層の層厚は、吸水層全体の厚みを平均して算出されるものを意味する。
(実施形態1の効果)
実施形態1の空気極Cを備える金属空気電池では、吸水層11に具備された吸水性高分子(吸水部)が電解液Eを保持(ゲル化)し、電解液Eが空気極C外部に漏出することを防止できる。
実施形態1の金属空気電池では、電解液Eが外部に漏出しないため、環境への悪影響をなくすことができ、また、電池の使用者等が直接電解液に触れる危険性が低減する。
実施形態1の金属空気電池ではまた、電池内部のイオン伝導が律速しないため、高い出力を得ることができる(電解液槽や空気極内部で電解液を保持〔ゲル化〕するとイオン伝導性が低下するため高出力を得ることができない。)。
以下、実施形態1の空気極Cについて詳述する。実施形態1の空気極の好ましい構成は、後述する実施形態2〜5の空気極の好ましい構成と同様である。
空気極Cは、金属空気電池ECの正極(カソード)として用いられるものであり、大気中の酸素ガスと水と電子から水酸化物イオン(OH)を生成する電極である。金属電極Aと同様に、電解液槽中に、電極主面が重力方向に対して平行となるように設けられている。金属電極Aの電極主面と空気極Cの電極主面とは、互いに対向している。
空気極Cの空気極触媒層15に含まれる電子伝導性物質21は、例えば、導電性の多孔性担体であることが好ましい。また、電極触媒17が電子伝導性物質21に担持されていることが更に好ましい。このような構成によれば、電極触媒17上に、酸素ガスと水と電子を共存させることができ、電極反応を効率よく進行させることができる。電極触媒17は、微粒子状にして多孔性担体に担持させることが好ましい。電極反応に使われる水は、大気中から供給されてもよく、電解液Eから供給されてもよい。
多孔性担体としては、例えば、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック;黒鉛、活性炭等の導電性カーボン粒子;気相法炭素繊維(VGCF)、カーボンナノチューブ、カーボンナノワイヤー等の炭素繊維を用いることができる。
多孔性担体は、その表面に陽イオン基が固定イオンとして存在するように表面処理がなされていてもよい。このことにより、多孔性担体の表面を水酸化物イオンが伝導できるため、電極触媒17上で生成した水酸化物イオンが移動しやすくなる。
また、空気極Cの空気極触媒層15は、上記したようにフッ素樹脂を含むことが好ましい。フッ素樹脂は、空気極触媒層15に撥水性を付与し、電解液Eの浸透を抑制することができる。また、フッ素樹脂は、バインダーとしても機能し、空気極触媒層15内の多孔性担体同士を結着し、空気極Cの強度を向上させることができる。
電極触媒17としては、例えば、白金(Pt)、金(Au)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)パラジウム(Pd)、銀(Ag)、銅(Cu)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、セレン(Ce)、タングステン(W)、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)、マンガン(Mn)、ニオブ(Nb)等の金属;これらの金属原子を含む金属化合物;これらの金属の2種以上を含む合金を用いることができる。上記合金としては、白金、鉄、コバルト、ニッケルのうち少なくとも2種以上を含有する合金が好ましく、例えば、白金−鉄合金、白金−コバルト合金、鉄−コバルト合金、コバルト−ニッケル合金、鉄−ニッケル合金、鉄−コバルト−ニッケル合金を好適に用いることができる。
また、電気触媒17として、W、Ce、Ni、V、Ti、Co、Mo、Fe、Cu、Nb、Mnなどの酸化物や窒化物を、単独もしくは2種類以上組み合わせて用いることもできる。さらに、電極触媒17としては、Pt、Ru、Au、Ag、Pd、Ir等の貴金属と、W、Ce、Ni、V、Ti、Co、Mo、Fe、Cu、Zn、Nb、Mn等の酸化物や窒化物とを、2種類以上組み合わせて空気極触媒18として用いることもできる。
電極触媒17は、上述した金属又は合金をカーボンに担持させたものであってもよく、例えば白金担持カーボンであることが好ましい。
(実施形態1の空気極C等の作製手順)
以下に、実施形態1に係る空気極の作製手順の一例を詳細に記載するが、これに限定されるものではなく、必要に応じて適宜変更することができる。
(1)空気極触媒層15の作製
電極触媒17と、電子伝導性物質21と、フッ素樹脂19とを混合撹拌し、得られた混合物を延圧ローラーに通してシート状の空気極触媒層15を得る。
(2)吸水層11の作製
電子伝導性物質21と、吸水性高分子とを混合撹拌し、得られた混合物を延圧ローラーに通してのシート状の吸水層を得る。
(3)空気極Cの作製
(1)で得られたシート状の空気極触媒層15及び(2)で得られたシート状の吸水層11で挟み込むように、空気極導電層13を圧着して一体化物を成形し空気極Cとする。
以下、実施形態1の金属空気電池ECについて詳述する。実施形態1の金属空気電池の好ましい構成は、後述する実施形態2〜5の金属空気電池の好ましい構成と同様である。
実施形態1の金属空気電池ECにおいて、空気極Cは、空孔Hを介して大気に直に接して設けられてもよいし、空気流路(図示せず)に接して設けてもよい。これにより、空気極Cに酸素ガスを供給することができる。また、空気流路を設ける場合、空気流路に加湿された空気を流すことにより、空気極Cに酸素ガスと共に水も供給できる。
また空気極Cは、電解液槽内の電解液Eに接触するように設けてもよい。このことにより、空気極Cで生成した水酸化物イオンが容易に電解液Eへ移動することができる。また、空気極Cにおける電極反応に必要な水が電解液Eから空気極Cに供給されやすくなる。
電解液槽は、電解液Eが溜められる容器であることから、電解液Eに対する耐食性を有する材料で形成されたものであることが好ましい。電解液槽の内部には、金属電極Aが取り付け可能であり、電解液槽の外壁部には、空気極Cが取り付け可能であるものとすることが好ましい。
電解液Eは、溶媒に電解質が溶解しイオン導電性を有する液体である。電解液Eの種類は、金属電極Aを構成する金属の種類によって選択すればよく、水溶媒を用いた電解液(電解質水溶液)であってもよく、有機溶媒を用いた電解液(有機電解液)であってもよい。
例えば、亜鉛空気電池、アルミニウム空気電池、鉄空気電池の場合、電解液には、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等のアルカリ性水溶液を用いることができる。マグネシウム空気電池の場合、電解液には塩化ナトリウム水溶液等の中性水溶液を用いることができる。また、リチウム金属電池、ナトリウム空気電池、カルシウム空気電池の場合、有機電解液を用いることができる。
金属電極Aは、金属空気電池ECの負極(アノード)として用いられるものである。電池反応の進行とともに金属電極を構成する金属が消費されることから、金属電極Aは交換可能であることが好ましい。すなわち、金属空気電池筐体には、金属電極Aを取り付けることができる支持部が設けられていることが好ましい。支持部の形態は特に限定されず、例えば、金属電極Aを重力方向の上方から差し込むことによって電解液槽内で金属電極Aが収容される部分であってもよいし、電解液槽中に挿入された金属電極Aの上端を保持する留め具であってもよいし、これらの組合せであってもよい。また、支持部材は、集電体として機能するものであることが好ましく、金属電極Aと外部回路とを電気的に接続するものであることが好ましい。
金属電極Aの配置は、電解液槽に保持された電解液Eと金属電極Aがイオン伝導さえすれば特に限定されず、金属電極Aと電解液Eが直接接触していてもよく、金属電極Aと電解液Eの間にセパレータSが配されていてもよい。また、金属電極Aを金属空気電池筐体に取り付けた状態において、金属電極Aが、電解液槽中に、電極主面が重力方向に対して平行となるように、言い換えれば、電極主面が水平方向と交差するように配置されることが、金属電極Aと空気極Cの電極間距離が均等、かつ、短くなり、電極間抵抗を抑えることができるため好ましい。
実施形態1では金属電極Aとして亜鉛極を用いているが、負極として亜鉛極以外の金属電極を用いることができる。亜鉛極以外の金属電極を構成する材料としては、例えば、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、カドミウム(Cd)、パラジウム(Pd)等の金属や、その合金が挙げられる。金属電極を構成する金属は、電池の放電反応により電子を放出し、電解液E中に溶解した後、金属酸化物、金属水酸化物等の金属化合物になって析出する。
本発明の金属空気電池ECは、セパレータSを備えていてもよく、備えていなくてもよいが、セパレータSを備えることが好ましい。また、本発明の金属空気電池ECがセパレータSを備える場合、本発明の空気極CとセパレータSとが一体化されていてもよく、一体化されていなくてもよいが、本発明の空気極CとセパレータSとが一体化されていることが好ましい。
セパレータSとしては、親水性多孔質膜が好ましい。多孔質膜の孔径は最大10μm以下であることが好ましい。該孔径が10μmを超える場合、負極反応生成物の透過を抑制できず、正極上で析出してしまい電池の長期安定性が低下するおそれがある。セパレータSとしては、クラフト紙、ビニロン・合成パルプ紙、セロハン、ポリエチレングラフト膜、ポリオレフィン不織布、ポリアミド不織布などの樹脂材料や、ガラス繊維不織布等の不織布等、セラミックス材料、ゼオライト、活性炭、Niやステンレス等の金属これらを積層したものが好ましいものとして挙げられ、中でも不織布がより好ましく、ポリオレフィン不織布が更に好ましい。
実施形態1の金属空気電池ECは、一次電池であってもよく、二次電池であってもよい。
実施形態1の金属空気電池のその他の構成は、一般的に金属空気電池として用いられる構成を使用できる。
[実施形態2]
図4は、本発明の実施形態2の空気極の全体構成を示す断面模式図である。
実施形態2の空気極Cは、電解液槽側から空気側に向かって、空気極触媒層115、空気極導電層113、拡散層112、吸水層111がこの順に配置されて構成されている。
実施形態2の空気極Cは、空気極触媒層115、空気極導電層113、拡散層112、及び、吸水層111を備え、空気極触媒層115・空気極導電層113と吸水層111との間に拡散層112が配置されたことを特徴とする。
空気極Cは、図4に示したものに限定されないが、少なくとも空気極触媒層、空気極導電層、拡散層、及び、吸水層を含むことが好ましく、セパレータと一体化されていることがより好ましい。
実施形態2で用いられる空気極導電層113は、電池において集電体として使用される金属であれば特に限定されず、例えばニッケルが好ましい。また、空気極導電層の構成は特に限定されないが、空気極導電層が網目状であることが好ましい。
実施形態2で用いられる空気極触媒層115は、電子伝導性物質121、電極触媒117、及び、フッ素樹脂119から構成される。該空気極触媒層115は、少なくとも電極触媒、及び、フッ素樹脂を含むことが好ましく、更に電子伝導性物質を含むことがより好ましい。電極触媒が電子伝導性物質に担持されていることが更に好ましい。該フッ素樹脂は、PTFEがより好ましい。
空気極触媒層115内には、複数の空隙123がある。このように、空気極触媒層115は多孔質であることが好ましい。
上述した実施形態1の空気極を備える金属空気電池においては、空気極の空気極導電層13の空気側表面全体から電解液が浸出するのではなく、空気極の空気極導電層13の空気側表面の中の一度浸み出した部分(浸出経路が開通した部分)から電解液が優先的に浸出し、周囲の吸水性高分子に保持される。したがって、実施形態1では、優先的に電解液が浸出する部分の吸水層(吸水性高分子)しか利用されず、吸水層全部を利用できないおそれがあるという新たな課題があった。
実施形態2では、空気極導電層113から浸出した電解液は拡散層112内部を拡散することにより、吸水層111中のより広範囲の吸水性高分子に保持される。
拡散層112は、親水性多孔質膜で構成されるものが好ましい。
親水性多孔質膜は、親水性かつ空気を通すことができるものであれば良く、セパレータと同様の材料を用いることが好ましく、例えばクラフト紙、ビニロン・合成パルプ紙、セロハン、ポリエチレングラフト膜、ポリオレフィン不織布、ポリアミド不織布、ガラス繊維不織布等の不織布等、これらを積層したものが好ましいものとして挙げられ、中でも不織布がより好ましく、ポリオレフィン不織布が更に好ましい。
なお、多孔質の孔径は、最大5μm以下であることが好ましい。
親水性とは、表面に付着した水が水滴状にならないことであり、親水性多孔質における対水接触角は、40度以下であればよい。
(実施形態2の効果)
実施形態2の空気極を備える金属空気電池では、実施形態1の効果に加えて、拡散層112により浸出した電解液をより広範囲に拡散させることができるため、吸水層111内部の吸水性高分子を無駄なく利用することができる。したがって、浸出した電解液をより多く保持することができ、電池の寿命を更に延ばすことができる。
(実施形態2の空気極等の作製手順)
以下に実施形態2に係る空気極等の作製手順の一例を詳細に記載するが、これに限定されるものではなく、必要に応じて適宜変更することができる。
(1)空気極触媒層115の作製
電極触媒117と、電子伝導性物質121と、フッ素樹脂119とを混合撹拌し、得られた混合物を延圧ローラーに通してシート状の空気極触媒層115を得る。
(2)吸水層111の作製
電子伝導性物質121と、吸水性高分子とを混合撹拌し、得られた混合物を延圧ローラーに通してシート状の吸水層111を得る。
(3)空気極Cの作製
上記(1)で得られたシート状の空気極触媒層115及び上記(2)で得られたシート状の吸水層111で挟み込むように、空気極導電層113及び拡散層112を圧着して一体化物を成形し空気極Cを得る。
実施形態2のその他の構成は、上述した実施形態1の構成と同様である。
[実施形態3]
図5は、本発明の実施形態3の空気極の全体構成を示す断面模式図である。図6は、実施形態3の金属空気電池で用いられる拡散層の構成を示す断面模式図であり、図5中のA1−A2線に沿った断面に対応している。
実施形態3の空気極は、電解液槽側から空気側に向かって、空気極触媒層215、空気極導電層213、拡散層212、吸水層211がこの順に配置されて構成されている。
実施形態3の空気極は、空気極触媒層215、空気極導電層213、拡散層212、及び、吸水層211を備え、空気極触媒層215・空気極導電層213と、吸水層211との間に拡散層212が配置され、拡散層212の一部に疎水部212aを設けたことを特徴とする。なお、拡散層212の疎水部212a以外の部分は親水部212bから構成される。すなわち、実施形態3は、拡散層212が親水部212bとともに疎水部212aを有する以外は、実施形態2と同様の構成である。
空気極Cは、図5に示したものに限定されないが、少なくとも空気極触媒層、空気極導電層、親水部とともに疎水部を有する拡散層、及び、吸水層を含むことが好ましく、セパレータと一体化されていることがより好ましい。
実施形態3で用いられる空気極導電層213は、電池において集電体として使用される金属であれば特に限定されず、例えばニッケルが好ましい。また、空気極導電層の構成は特に限定されないが、空気極導電層が網目状であることが好ましい。
実施形態3で用いられる空気極触媒層215は、電子伝導性物質221、電極触媒217、及び、フッ素樹脂219から構成される。該空気極触媒層は、少なくとも電極触媒、及び、フッ素樹脂を含むことが好ましく、更に電子伝導性物質を含むことがより好ましい。電極触媒は電子伝導性物質に担持されていることが更に好ましい。該フッ素樹脂は、PTFEがより好ましい。
空気極触媒層215内には、複数の空隙223がある。このように、空気極触媒層215は多孔質であることが好ましい。
上述した実施形態2の空気極を備える金属空気電池においては、拡散層によって電解液が広範囲に拡散し、電解液がより多くの吸水性高分子に保持される。したがって、実施形態2では、時間が経過するにつれて拡散層が電解液で満たされるため、拡散層内部の酸素拡散経路が遮断されてしまうおそれがあるという新たな課題があった。
実施形態3の空気極から浸出した電解液は、拡散層212内の疎水部212a以外に拡散することにより、より広範囲の吸水性高分子に保持される。また、時間が経過しても、拡散層212内の疎水部212bにより、拡散層212内の酸素拡散経路が確保される。
実施形態3で用いられる拡散層212内の親水部212bは、セパレータと同様の材料(例えば、親水性多孔質膜)を用いることが好ましい。すなわち、拡散層212内の親水部212bとしては、拡散層112として前述した通りのものを用いることができる。
また拡散層212内の疎水部212aは、疎水性多孔質膜で構成されることが好ましい。疎水性多孔質膜を構成する疎水性材料は、例えばフッ素樹脂が好ましく、PTFEがより好ましい。疎水性多孔質膜は、更にカーボンを含んでいても構わない。疎水性とは、表面に付着した水が水滴状になることであればよい。
多孔質膜は、空気を通すことができるものであればよい。なお、多孔質の孔径は、最大10μm以下であることが好ましい。
疎水部212aの位置は図6に示したものに限定されず、適宜配置することができる。
(実施形態3の効果)
実施形態3の空気極を備える金属空気電池では、実施形態2の効果に加えて、拡散層212内の疎水部212aにより、拡散層212内の酸素拡散経路が確保されるため、より長期間発電(長寿命化)することができる。また、実施形態3の空気極を備える金属空気電池は、酸素拡散経路が確保されているため、高出力が必要な場合も発電することができる。
(実施形態3の空気極等の作製手順)
以下に実施形態3に係る空気極等の作製手順の一例を詳細に記載するが、これに限定されるものではなく、必要に応じて適宜変更することができる。
(1)空気極触媒層215の作製
電極触媒217と、電子伝導性物質221と、フッ素樹脂219とを混合撹拌し、得られた混合物を延圧ローラーに通してシート状の空気極触媒層215を得る。
(2)吸水層211の作製
電子伝導性物質221と、吸水性高分子とを混合撹拌し、得られた混合物を延圧ローラーに通してシート状の吸水層211を得る。
(3)拡散層212の作製
拡散層212(親水部)を図6に示した親水部212bの様に切り抜く。疎水性多孔質膜を図6の疎水部212aよりも若干大きく切り抜き、図6に示した構成となる様に重ねる。
(4)空気極Cの作製
上記(1)で得られたシート状の空気触媒層215及び上記(2)で得られたシート状の吸水層211で挟み込むように、空気極導電層213及び上記(3)で得られた拡散層212を圧着して一体化物を成形し空気極Cを得る。
実施形態3のその他の構成は、上述した実施形態2の構成と同様である。
なお、実施形態3の空気極Cにおいて、拡散層212の一部に設けられた疎水部212aは、図6に示されたような、長方形の形状に限らない。また、1つの疎水部212aにおいて、シート状の拡散層212の空気極触媒層215または空気極導電層213と接触している端面の位置は、シート状の拡散層212の吸水層211と接触している端面の位置よりも低くしておく、つまり図示しない金属空気電池筺体の接地面側に位置しておくことが好ましい。このような構成によれば、空気極Cに酸素の供給が損なわれずに、拡散層212に浸出した電解液Eの自重が空気極触媒層215側に付加されるので、電解液Eの浸出速度を抑制することができる。
[実施形態4]
図7は、実施形態4の空気極の全体構成を示す断面模式図である。図8は、実施形態4の金属空気電池で用いられる拡散層の構成を示す断面模式図であり、図7中のB1−B2線に沿った断面に対応している。図9は、実施形態4の金属空気電池で用いられる吸水層の構成を示す断面模式図であり、図7中のC1−C2線に沿った断面に対応している。
実施形態4の空気極は、電解液槽側から空気側に向かって、空気極触媒層315、空気極導電層313、拡散層312、吸水層311がこの順に配置されて構成されている。
実施形態4の空気極は、空気極触媒層315、空気極導電層313、拡散層312、及び、吸水層311を備え、空気極触媒層315・空気極導電層313と、吸水層311との間に拡散層312が配置され、拡散層312の一部に疎水部312aを設け、吸水層311においても拡散層312の疎水部312aと同じ位置に疎水部311aを設けたことを特徴とする。拡散層312の疎水部312aと同じ位置とは、本発明の空気極Cの各層の主面を平面視したときに、拡散層312の疎水部312aと重畳していることを言う。実施形態4における吸水層の疎水部と拡散層の疎水部は、空気流路を構成する。
なお、拡散層312の疎水部312a以外の部分は親水部312bから構成され、吸水層311の疎水部311a以外の部分は吸水部311cから構成される。すなわち、実施形態4は、吸水層311が、吸水部311cとともに、拡散層312の疎水部312aと同じ位置に疎水部311aを有する以外は、実施形態3と同様の構成である。
空気極Cは、図7に示したものに限定されないが、少なくとも空気極触媒層、空気極導電層、親水部とともに疎水部を有する拡散層、及び、吸水部とともに疎水部を有する吸水層を含むことが好ましく、セパレータと一体化されていることがより好ましい。
実施形態4で用いられる空気極導電層313は、電池において集電体として使用される金属であれば特に限定されず、例えばニッケルが好ましい。また、空気極導電層の構成は特に限定されないが、空気極導電層が網目状であることが好ましい。
実施形態4で用いられる空気極触媒層315は、電子伝導性物質321、電極触媒317、及び、フッ素樹脂319から構成される。該空気極触媒層は、少なくとも電極触媒、及び、フッ素樹脂を含むことが好ましく、更に電子伝導性物質を含むことがより好ましい。電極触媒は電子伝導性物質に担持されていることが更に好ましい。該フッ素樹脂は、PTFEがより好ましい。
空気極触媒層315内には、複数の空隙323がある。このように、空気極触媒層315は多孔質であることが好ましい。
実施形態4で用いられる拡散層312内の疎水部312aは通常は疎水性多孔質膜で構成される。疎水性多孔質膜としては、実施形態3で用いられる拡散層212内の疎水部212aと同様のものを好適に用いることができる。疎水部312aの位置は図8に示したものに限定されず、適宜配置することができる。
実施形態4で用いられる吸水層311内の疎水部311aは、疎水性多孔質膜で構成されることが好ましい。吸水層内の疎水性多孔質膜としては、拡散層内の疎水部と同様のものを用いることができるが、フッ素樹脂とカーボンで構成されることがより好ましい。疎水部311aの位置は疎水部312aと重なる限り図8に示したものに限定されず、適宜配置することができる。
上述した実施形態3の空気極を備える金属空気電池においては、拡散層212によって電解液が広範囲に拡散し、より多くの吸水性高分子に保持され、かつ拡散層212内の疎水部212aにより酸素拡散経路が確保される。したがって、実施形態3では、時間が経過しても拡散層212内の酸素拡散経路は確保されるが、時間が経過するにつれて吸水層211内の酸素拡散経路が吸水した吸水性高分子によって塞がれてしまうおそれがあるという新たな課題があった。
実施形態4の空気極から浸出した電解液は、拡散層312内の疎水部312a以外に拡散することにより、より広範囲の吸水性高分子に保持される。また、時間が経過しても、拡散層312内の疎水部312aにより拡散層312内の酸素拡散経路が確保され、吸水層311内の疎水部311aにより吸水層311内の酸素拡散経路も確保される。
(実施形態4の効果)
実施形態4の空気極を備える金属空気電池では、空気極外部から空気極触媒層までの酸素拡散経路が確保されるため、より長期間発電(長寿命化)することができる。また、実施形態4の空気極を備える金属空気電池は、酸素拡散経路が確保されているため、高出力が必要な場合も発電することができる。
(実施形態4の空気極等の作製手順)
以下に実施形態4に係る空気極等の作製手順の一例を詳細に記載するが、これに限定されるものではなく、必要に応じて適宜変更することができる。
(1)空気極触媒層315の作製
電極触媒317と、電子伝導性物質321と、フッ素樹脂319とを混合撹拌し、得られた混合物を延圧ローラーに通してシート状の空気極触媒層315を得る。
(2)吸水層311の作製
電子伝導性物質321と、吸水性高分子とを混合撹拌し、得られた混合物を延圧ローラーに通して吸水部シートを得る。型で打ち抜くことにより、図9に示した吸水部311cを得た。
電子伝導性物質321と、フッ素樹脂319とを混合撹拌し、得られた混合物を圧延ローラーに通して疎水部シートを得る。型で短冊状に打ち抜き、疎水部シートが吸水部シートの打ち抜き部を覆うように疎水部シートと吸水部シートとを重ねて圧延ローラーに通して吸水層311を得る。
(3)拡散層312の作製
拡散層(親水部)312を図8に示した親水部312bの様に切り抜く。疎水性多孔質膜を図8の疎水部312aよりも若干大きく切り抜き、図8に示した構成となる様に重ねる。
(4)空気極Cの作製
上記(1)で得られたシート状の空気極触媒層315及び上記(2)で得られたシート状の吸水層311で挟み込むように、空気極導電層313及び上記(3)で得られた拡散層312を圧着して一体化物を成形し空気極Cを得る。
しました。
実施形態4のその他の構成は、上述した実施形態3の構成と同様である。
なお、実施形態4の空気極Cにおいて、吸水層311または拡散層312の一部に設けられた疎水部311a、312aは、図6に示されたような、長方形の形状に限らない。また、1つの疎水部311aにおいて、拡散層312と接触している端面の位置は、大気と接触している端面の位置よりも低くしておく、つまり図示しない金属電池筺体の接地面側に位置しておくことが好ましい。また、同様に一つの疎水部312aにおいて、空気極触媒層315または空気極導電層313と接触している端面は、吸水層311と接触している端面の位置よりも低くしておく、つまり図示しない金属電池筺体の接地面側に位置しておくことが好ましい。このような構成によれば、空気極Cに酸素の供給が損なわれずに、吸水層311または拡散層312に浸出した電解液Eの自重が、空気極触媒層315側に付加されるので、電解液Eの浸出速度を抑制することができる。
[実施形態5]
図10は、実施形態5の空気極の全体構成を示す断面模式図である。
実施形態5の空気極は、電解液槽側から空気側に向かって、空気極触媒層415、空気極導電層413、吸水層411、及び、撥水層410がこの順に配置されて構成されている。
実施形態5の空気極は、空気極触媒層415、空気極導電層413、吸水層411、及び、撥水層410を備え、空気極触媒層415・空気極導電層413の空気側(電解液槽側と反対側)に吸水性高分子を含む吸水層411を設け、更に吸水層411の空気側に撥水層410を設けたことを特徴とする。
実施形態5の空気極は、吸水層の外側に撥水層が設けられた以外は、実施形態1の空気極の構成と同様である。
空気極Cは、図10に示したものに限定されないが、少なくとも空気極触媒層、空気極導電層、吸水層、及び、撥水層を含むことが好ましく、セパレータと一体化されていることがより好ましい。
実施形態5で用いられる空気極導電層413は、電池において集電体として使用される金属であれば特に限定されず、例えばニッケルが好ましい。また、空気極導電層の構成は特に限定されないが、空気極導電層が網目状であることが好ましい。
実施形態5で用いられる空気極触媒層415は、電子伝導性物質421、電極触媒417、及び、フッ素樹脂419から構成される。該空気極触媒層は、少なくとも電極触媒、及び、フッ素樹脂を含むことが好ましく、更に電子伝導性物質を含むことがより好ましい。電極触媒は電子伝導性物質に担持されていることが更に好ましい。該フッ素樹脂は、PTFEがより好ましい。
空気極触媒層415内には、複数の空隙423がある。このように、空気極触媒層415は多孔質であることが好ましい。
上述した実施形態1〜4の空気極を備える金属空気電池においては、時間の経過とともに、電解液が吸水層内部の吸水性高分子に保持される。最終的に最外部の吸水性高分子が電解液を保持することになると、電池の使用者等が電解液に接触してしまうおそれが生じるという新たな課題があった。
実施形態5で用いられる撥水層410は、電池の使用者等が電解液に接触するのを防ぐとともに、電池外部の水分が吸水層の吸水性高分子に吸収されることを防ぐ。
実施形態5で用いられる撥水層410は、フッ素樹脂とカーボンとから構成されてもよく、フッ素樹脂の多孔質膜を用いても構成されてもよい。なお、拡散層の疎水部として、PTFEの代わりにフッ素樹脂とカーボンとを混合したものを用いても構わない。
(実施形態5の効果)
実施形態5の空気極を備える金属空気電池では、実施形態1の効果に加えて、電池の使用者等が電解液に接触する可能性をより低減し、電池を安全に取り扱うことができる。また、撥水層を設けることにより、電池外部の水分が吸水層の吸水性高分子に吸収されることを防ぐことができる。電池外部の水分が吸収されることを防ぐため、多湿な環境においても、電池特性を維持することができる。
(実施形態5の空気極等の作製手順)
(1)空気極触媒層415の作製
電極触媒417と、電子伝導性物質421と、フッ素樹脂419とを混合撹拌し、得られた混合物を延圧ローラーに通してシート状の空気極触媒層415を得る。
(2)吸水層411の作製
電子伝導性物質421と、吸水性高分子とを混合撹拌し、得られた混合物を延圧ローラーに通して厚みシート状の吸水層411を得る。
(3)撥水層410の作製
電子伝導性物質421と、フッ素樹脂419とを混合撹拌し、得られた混合物を延圧ローラーに通してシート状の撥水層410を得る。
(4)吸水層411と撥水層410との一体化物の作製
上記(2)で得られたシート状の吸水層411及び上記(3)で得られたシート状の撥水層410を圧着して一体化した。
(5)空気極Cの作製
上記(1)で得られたシート状の空気極触媒層415及び上記(4)で得られた一体化物で挟み込むように、空気極導電層413を圧着して一体化物を成形し空気極Cを得る。(吸水層411と空気極導電層413が接触するように圧着する。)
実施形態5のその他の構成は、上述した実施形態1の構成と同様である。
上述した実施形態の各構成は、適宜組み合わせることができる。例えば、実施形態2〜4の空気極Cにおいて、実施形態5で用いた撥水層410を用いることができる。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明する。ただし、本発明は以下に示す
実施例に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱し
ない範囲において任意に変更して実施しうる。
(実施例1)
(実施形態1の空気極C等の作製手順)
(1)空気極触媒層の作製
電極触媒と、電子伝導性物質と、フッ素樹脂とを混合撹拌し、得られた混合物を延圧ローラーに通して厚み1mmのシートを得て、空気極触媒層とした。
具体的には、白金50wt%担持カーボン(電極触媒、田中貴金属社製、TEC10E50E)0.1g、カーボンブラック(電子伝導性物質キャボット社製、VULCAN XC72−R)1.5g、及び、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(アルドリッチ社製)0.7gを乳鉢で混練し混合物を得た。得られた混合物を圧延ローラーに通して厚み1mmのシートとして形成した。
(2)吸水層の作製
電子伝導性物質と、吸水性高分子とを混合撹拌し、得られた混合物を延圧ローラーに通して厚み0.5mmのシートを得て、吸水層とした。
具体的には、カーボンブラック(電子伝導性物質、キャボット社製、VULCAN XC72−R)1.0g及び架橋型ポリアクリル酸カリウム(吸水性高分子、アルドリッチ社製)0.1gを乳鉢で混練し混合物を得た。得られた混合物を圧延ローラーに通して厚み0.5mmのシートとして形成した。
(3)空気極Cの作製
(1)で得られたシート及び(2)で得られたシートで挟み込むように、空気極導電層(ニッケルメッシュ、線径0.15mm、40メッシュ)を、プレス機にて5kNで5分間圧着して一体化物を成形し、実施例1の空気極Cとした。
(4)空気極CとセパレータSの一体化
(3)で得られた構成物(実施例1の空気極)にセパレータをプレス機にて2kNで5分間圧着してセパレータ(ポリオレフィン不織布)と一体化した空気極を形成した。
(比較例1)
比較例1の金属空気電池は、吸水層を設けなかった以外は実施例1と同様である。
(比較例2)
比較例2の金属空気電池は、吸水層の代わりにカーボンブラック(キャボット社製、VULCAN XC72−R)のみからなる層(撥水層)を設けた以外は実施形態1と同様である。
[評価方法]
(1)電解液の漏出
壁部に実施例及び比較例において製造した空気極を備えた電解液槽に、電解液(7mol/dm、KOH)300mlを注入し、室温(25℃)の環境下で静置した。その後、実施例及び比較例の空気極から電解液が浸出し、電解液槽の外壁が電解液で濡れた否か、目視で観察した。
大気及び電解液に触れている空気極の面積は、50mm×50mmとした。電解液槽の内壁の深さは80mmであり、空気極の部分以外の電解液槽の材質はABS製であった。
(2)長期信頼性
壁部に実施例及び比較例において製造した空気極を備えた電解液槽に、電解液(7mol/dm、KOH)300mlを注入した。
亜鉛電極には、SUS304の支持体(70mm×50mm、厚さ1mm)に、亜鉛粉とバインダーとしてPTFE分散液を混合したものを塗布し、プレスによって形成した。形成した亜鉛電極は、50mm×50mm、厚さ20mmに統一した。
電解液槽中に亜鉛電極を挿入し亜鉛空気電池を、室温(25℃)において、1.5A(電流密度30mA/cm2)の定電流負荷で、1日当たり5時間放電する放電実験を行った。1日使用した亜鉛電極は、繰り返し使用されることなく、新しい亜鉛電極を用いて実験を行った。放電電圧の測定では、Fuel Cell Test System(東陽テクニカ社製、型番890CL)を用いた。
[結果]
表1に実施例1、比較例1及び比較例2それぞれの空気極を用いた評価結果を示す。なお、表1における液浸出は、電解液の浸出の評価を開始してから目視で電解液の浸出が確認されるまでの期間を示し、長期信頼性は、安定した電圧(一定電圧)で放電できた期間を示す。
Figure 0006345559
実施例1の空気極は、実験を開始してから1年を経過しても電解液の液浸出が確認できなかった。一方で、比較例1及び比較例2それぞれの空気電池は、1ヵ月程度で電解液の液浸出が確認され、より長期間にわたって電解液の漏出を防止し、信頼性及び安全性に優れることが明らかとなった。
また、実施例1の空気極を用いた場合には、1年以上一定した電圧で放電することができた。
[付記]
以上の実施形態から、以下に示す本発明の各態様が導かれる。
本発明の一態様は、金属空気電池の正極に用いられる空気極であって、上記空気極は、触媒層15、導電層13、及び、吸水層11を備え、上記吸水層11は、吸水性高分子を含む吸水部を有し、触媒層15及び導電層13に対して一方の側に設けられている空気極であってもよい。吸水層11は、吸水部だけから構成されるものであっても構わない。
上記態様の空気極を備える金属空気電池では、吸水層11に具備された吸水性高分子が電解液を保持(ゲル化)し、電解液が空気極外部に漏出することを防止できる。当該金属空気電池では、電解液が外部に漏出しないため、環境への悪影響をなくすことができ、また、電池の使用者等が直接電解液に触れる危険性が低減される。当該金属空気電池ではまた、電池内部のイオン伝導が律速しないため、高い出力を得ることができる。
上記態様において、上記空気極は、更に拡散層112を備え、上記拡散層112は、親水性多孔質膜から構成される親水部を有し、上記触媒層及び導電層と上記吸水層との間に設けられていてもよい。拡散層112は、親水部だけから構成されるものであっても構わない。このような構成とすることで、拡散層112により浸出した電解液をより広範囲に拡散させることができるため、吸水層内部の吸水性高分子を無駄なく利用することができる。したがって、浸出した電解液をより多く保持することができ、電池の寿命を更に延ばすことができる。
上記態様において、上記拡散層は、更に疎水性多孔質膜から構成される疎水部212aを有していてもよい。このような構成とすることで、拡散層内の疎水部212aにより、拡散層212内の酸素拡散経路が確保されるため、より長期間発電(長寿命化)することができる。また、当該金属空気電池は、酸素拡散経路が確保されているため、高出力が必要な場合も発電することができる。
上記態様において、上記吸水層は、更に疎水性多孔質膜から構成される疎水部311aを有し、上記吸水層の疎水部311aは、空気極の各層の主面を平面視したときに、前記拡散層の疎水部と重畳していてもよい。このような構成とすることで、時間が経過しても、吸水層内の疎水部311aにより吸水層311内の酸素拡散経路も確保される。
上記態様において、上記空気極は、更に撥水層410を備え、上記撥水層410は、上記吸水層の、上記触媒層及び導電層側の反対側に配置されていてもよい。このような構成とすることで、電池の使用者等が電解液に接触する可能性をより低減し、電池を安全に取り扱うことができる。また、撥水層を設けることにより、電池外部の水分が吸水層の吸水性高分子に吸収されることを防ぐことができる。電池外部の水分が吸収されることを防ぐため、多湿な環境においても、電池特性を維持することができる。
上記態様において、上記吸水性高分子は、架橋型ポリアクリル酸塩であってもよい。このような構成とすることで、電解液の漏出を長期的に防止できる効果をより顕著なものとすることができる。
上記態様において、上記撥水層410は、フッ素樹脂を含んでいてもよい。このような構成とすることで、電池の使用者等が電解液に接触する可能性を更に低減し、電池を安全に取り扱うことができる。また、電池外部の水分が吸水層の吸水性高分子に吸収されることをより防ぐことができる。したがって多湿な環境においても、電池特性をより維持することができる。
本発明の別の一態様は、上記空気極C、電解液E、及び、金属電極Aを備える金属空気電池ECであって、上記空気極Cの吸水層は、触媒層及び導電層よりも外側に配置されていてもよい。本発明の金属空気電池は、吸水層に具備された吸水性高分子が電解液を保持(ゲル化)し、電解液が空気極外部に漏出することを防止できる。当該金属空気電池では、電解液が外部に漏出しないため、環境への悪影響をなくすことができ、また、電池の使用者等が直接電解液に触れる危険性が低減される。当該金属空気電池ではまた、電池内部のイオン伝導が律速しないため、高い出力を得ることができる。
EC:金属空気電池
A:金属電極
C:空気極
E:電解液
S:セパレータ
H:空孔
I:注液口
11、111、211、311、411:吸水層
13、113、213、313、413、513:空気極導電層
15、115、215、315、415、515:空気極触媒層
17、117、217、317、417、517:電極触媒
19、119、219、319、419、519:フッ素樹脂
21、121、221、321、421:電子伝導性物質
23、123、223、323、423:空隙
112、212、312:拡散層
212a、311a、312a:疎水部
212b、312b:親水部
311c:吸水部
410:撥水層

Claims (4)

  1. 金属空気電池の正極に用いられる空気極であって、
    該空気極は、触媒層、導電層、拡散層、及び、吸水層を備え、
    該吸水層は、吸水性高分子を含む吸水部を有し、触媒層及び導電層に対して一方の側に設けられており、
    該拡散層は、親水性多孔質膜から構成される親水部を有し、触媒層及び導電層と吸水層との間に設けられている
    ことを特徴とする空気極。
  2. 前記拡散層は、更に疎水性多孔質膜から構成される疎水部を有する
    ことを特徴とする請求項に記載の空気極。
  3. 前記吸水層は、更に疎水性多孔質膜から構成される疎水部を有し、
    該吸水層の疎水部は、前記空気極の各層の主面を平面視したときに、前記拡散層の疎水部と重畳している
    ことを特徴とする請求項に記載の空気極。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の空気極、電解液槽、及び、金属電極を備える金属空気電池であって、
    該空気極の前記吸水層は、前記触媒層及び前記導電層よりも外側に配置されている
    ことを特徴とする金属空気電池。
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