JPH05261851A - 撥水膜および電池 - Google Patents
撥水膜および電池Info
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- JPH05261851A JPH05261851A JP4091969A JP9196992A JPH05261851A JP H05261851 A JPH05261851 A JP H05261851A JP 4091969 A JP4091969 A JP 4091969A JP 9196992 A JP9196992 A JP 9196992A JP H05261851 A JPH05261851 A JP H05261851A
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- JP
- Japan
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- graft
- water
- membrane
- air
- porous
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- Pending
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-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Graft Or Block Polymers (AREA)
- Sealing Battery Cases Or Jackets (AREA)
- Cell Separators (AREA)
- Hybrid Cells (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 空気電池に組み込む撥水膜に吸湿性を付与す
ることにより、正極活物質として電池内に供給される空
気中の水分を吸収して、電解液への水分の到達を阻止す
ることにより、水分による電解液の希釈を防止して、電
池性能を長期維持する。 【構成】 多孔質基材に親水性モノマーをグラフト共重
合させたグラフト膜を吸湿性層とし、この層の両面を多
孔質層で挟持した積層構造とすることにより、通気性を
維持して吸湿性を有する撥水膜を得る。
ることにより、正極活物質として電池内に供給される空
気中の水分を吸収して、電解液への水分の到達を阻止す
ることにより、水分による電解液の希釈を防止して、電
池性能を長期維持する。 【構成】 多孔質基材に親水性モノマーをグラフト共重
合させたグラフト膜を吸湿性層とし、この層の両面を多
孔質層で挟持した積層構造とすることにより、通気性を
維持して吸湿性を有する撥水膜を得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は空気電池用として好適な
積層型の撥水膜およびその撥水膜を用いた空気電池に関
するものである。
積層型の撥水膜およびその撥水膜を用いた空気電池に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】空気電池は空気中の酸素を活物質として
利用するもので、経済的であり且つ長期無保守で使用で
きる電源として、航路標識灯、無線通信機、電話機等に
適用されてきたが、近年、これを「ボタン型化」するた
めの研究が盛んに行なわれるようになった。
利用するもので、経済的であり且つ長期無保守で使用で
きる電源として、航路標識灯、無線通信機、電話機等に
適用されてきたが、近年、これを「ボタン型化」するた
めの研究が盛んに行なわれるようになった。
【0003】ボタン型空気電池としては、例えば、負極
ケース(金属製)と空気孔を有する正極ケース(金属
製)をガスケットを介して嵌合せしめ、このケース嵌合
体の内部空間をセパレータにより分割し、負極ケース側
空間に活物質としての亜鉛粉末、ゲル化剤および電解液
としての水酸化アルカリ(KOH等)水溶液を充填する
と共に正極ケース側空間を空気極(正極)とし、更に、
上記正極ケース内側に空気孔を封口するように空気拡散
紙および多孔質フッ素樹脂シート製撥水膜(この膜は通
気性を有する)を配置した構造のものが知られている
(特開昭58−35883号公報)。空気拡散紙は空気
極全面に酸素を均一に供給するものであり、撥水膜は電
解液の電池外への不用意な洩れを防止するためのもので
ある。
ケース(金属製)と空気孔を有する正極ケース(金属
製)をガスケットを介して嵌合せしめ、このケース嵌合
体の内部空間をセパレータにより分割し、負極ケース側
空間に活物質としての亜鉛粉末、ゲル化剤および電解液
としての水酸化アルカリ(KOH等)水溶液を充填する
と共に正極ケース側空間を空気極(正極)とし、更に、
上記正極ケース内側に空気孔を封口するように空気拡散
紙および多孔質フッ素樹脂シート製撥水膜(この膜は通
気性を有する)を配置した構造のものが知られている
(特開昭58−35883号公報)。空気拡散紙は空気
極全面に酸素を均一に供給するものであり、撥水膜は電
解液の電池外への不用意な洩れを防止するためのもので
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記構造の電池は、正
極ケースの孔から入った空気を拡散紙および撥水膜を透
過させて空気極に供給することにより、電気エネルギー
を発生するものである。そして、この電池に組み込まれ
た多孔質フッ素樹脂製撥水膜は、空気を透過させる際
に、その中に含まれている水分(水蒸気)をも透過させ
てしまう。
極ケースの孔から入った空気を拡散紙および撥水膜を透
過させて空気極に供給することにより、電気エネルギー
を発生するものである。そして、この電池に組み込まれ
た多孔質フッ素樹脂製撥水膜は、空気を透過させる際
に、その中に含まれている水分(水蒸気)をも透過させ
てしまう。
【0005】このため電池の使用時間の経過と共に透過
水分が増加し、この水分により電解液が希釈されて濃度
が低下し、それにより放電性能(起電力)が低下すると
いう不都合があった。
水分が増加し、この水分により電解液が希釈されて濃度
が低下し、それにより放電性能(起電力)が低下すると
いう不都合があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は従来技術の有
する上記問題を解決するため鋭意研究の結果、撥水膜を
吸湿性層とその両面に配置された多孔質層とから成る積
層構造とすることにより、水分透過阻止性能が優れたも
のとなることを見い出し、本発明を完成するに至った。
する上記問題を解決するため鋭意研究の結果、撥水膜を
吸湿性層とその両面に配置された多孔質層とから成る積
層構造とすることにより、水分透過阻止性能が優れたも
のとなることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明に係る撥水膜は多孔質基材に
親水性モノマーがグラフト共重合されたグラフト膜と、
その両面に配置された多孔質層を有することを特徴とす
るものである。
親水性モノマーがグラフト共重合されたグラフト膜と、
その両面に配置された多孔質層を有することを特徴とす
るものである。
【0008】本発明において使用されるグラフト膜はポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、ポリアクリロニト
リル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド等
の熱可塑性プラスチックから成る多孔質基材に親水性モ
ノマーがグラフト共重合されたものであり、吸湿性を有
する。
リエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、ポリアクリロニト
リル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド等
の熱可塑性プラスチックから成る多孔質基材に親水性モ
ノマーがグラフト共重合されたものであり、吸湿性を有
する。
【0009】グラフト膜の支持体としての多孔質基材の
形状は多孔質シート、多孔質フィルム、織布、不織布の
いずれであってもよく、その厚さも適宜設定できるが、
通常、約10〜200μmである。多孔質基材として多
孔質フィルムを用いる場合には、気孔率約30〜70
%、気孔の径約0.1〜5μmのものを用いるのが好適
である。
形状は多孔質シート、多孔質フィルム、織布、不織布の
いずれであってもよく、その厚さも適宜設定できるが、
通常、約10〜200μmである。多孔質基材として多
孔質フィルムを用いる場合には、気孔率約30〜70
%、気孔の径約0.1〜5μmのものを用いるのが好適
である。
【0010】そして、この多孔質基材には親水性モノマ
ーがグラフト共重合される。グラフト率は多孔質基材に
グラフト共重合させるモノマーの種類等によって設定す
るが、通常、約1〜50%である。好ましい親水性モノ
マーの例として、アクリル酸、α−エチルアクリル酸、
β−エチルアクリル酸、α−ペンチルアクリル酸、β−
ノニルアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコ
ン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸を挙げることが
できる。
ーがグラフト共重合される。グラフト率は多孔質基材に
グラフト共重合させるモノマーの種類等によって設定す
るが、通常、約1〜50%である。好ましい親水性モノ
マーの例として、アクリル酸、α−エチルアクリル酸、
β−エチルアクリル酸、α−ペンチルアクリル酸、β−
ノニルアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコ
ン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸を挙げることが
できる。
【0011】また、親水性モノマーとして分子内にアミ
ノ基、4級化アミノ基、スルホン基、ホスホン基、ホス
フィン基、フェノール性水酸基を有するビニルモノマー
を用いることもできる。
ノ基、4級化アミノ基、スルホン基、ホスホン基、ホス
フィン基、フェノール性水酸基を有するビニルモノマー
を用いることもできる。
【0012】アミノ基を有するビニルモノマーの具体例
としては、N−ビニルフェニルアミン、アリルアミン、
ジアリルアミン、トリアリルアミン、ビニルピリジン、
メチルビニルピリジン、エチルビニルピタジン、ビニル
ピロリドン、ビニルカルバゾール、ビニルイミダゾー
ル、アミノスチレン、アルキルアミノスチレン、ジアル
キルアミノスチレン、トリアルキルアミノスチレン、ジ
メチルアミノエチルメタクリレート、ジ−n−プロピル
アミノエチルメタクリレート、t−ブチルアミノエチル
メタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート等
が用いられ、4級化アミノ基を有するモノマーとしては
上記アミノ基を有するモノマーの塩酸塩、硫酸塩、硝酸
塩、リン酸塩等を挙げることができる。
としては、N−ビニルフェニルアミン、アリルアミン、
ジアリルアミン、トリアリルアミン、ビニルピリジン、
メチルビニルピリジン、エチルビニルピタジン、ビニル
ピロリドン、ビニルカルバゾール、ビニルイミダゾー
ル、アミノスチレン、アルキルアミノスチレン、ジアル
キルアミノスチレン、トリアルキルアミノスチレン、ジ
メチルアミノエチルメタクリレート、ジ−n−プロピル
アミノエチルメタクリレート、t−ブチルアミノエチル
メタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート等
が用いられ、4級化アミノ基を有するモノマーとしては
上記アミノ基を有するモノマーの塩酸塩、硫酸塩、硝酸
塩、リン酸塩等を挙げることができる。
【0013】スルホン基を有するビニルモノマーの具体
例としてはスチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、ア
リルスルホン酸、スルホプロピルアクリレート、スルホ
プロピルメタクリレート、3−クロロ−4−ビニルベン
ゼンスルホン酸、2−シクリルアミド−2−メチルプロ
ピルスルホン酸、2−アクリロイルオキシベンゼンスル
ホン酸、2−アクリロイルオキシナフタレン−2−スル
ホン酸、2−メタクリロイルオキシナフタレン−2−ス
ルホン酸等を挙げることができる。
例としてはスチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、ア
リルスルホン酸、スルホプロピルアクリレート、スルホ
プロピルメタクリレート、3−クロロ−4−ビニルベン
ゼンスルホン酸、2−シクリルアミド−2−メチルプロ
ピルスルホン酸、2−アクリロイルオキシベンゼンスル
ホン酸、2−アクリロイルオキシナフタレン−2−スル
ホン酸、2−メタクリロイルオキシナフタレン−2−ス
ルホン酸等を挙げることができる。
【0014】ホスホン基を有するビニルモノマーの具体
例としてはアリルホスホン酸、アシッドホスホキシエチ
ルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホキ
シプロピルメタクリレート、1−メチルビニルホスホン
酸、1−フェニルビニルホスホン酸、2−フェニルビニ
ルホスホン酸、2−メチル−2−フェニルビニルホスホ
ン酸、2−(3−クロロフェニル)ビニルホスホン酸、
2−ジフェニルビニルホスホン酸等を挙げることができ
る。
例としてはアリルホスホン酸、アシッドホスホキシエチ
ルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホキ
シプロピルメタクリレート、1−メチルビニルホスホン
酸、1−フェニルビニルホスホン酸、2−フェニルビニ
ルホスホン酸、2−メチル−2−フェニルビニルホスホ
ン酸、2−(3−クロロフェニル)ビニルホスホン酸、
2−ジフェニルビニルホスホン酸等を挙げることができ
る。
【0015】そして、ホスフィン基を有するビニルモノ
マーとしてはアリルホスフィン酸、フェノール性水酸基
を有するビニルモノマーとしてはO−オキシスチレン、
O−ビニルアニソール等を挙げることができる。
マーとしてはアリルホスフィン酸、フェノール性水酸基
を有するビニルモノマーとしてはO−オキシスチレン、
O−ビニルアニソール等を挙げることができる。
【0016】熱可塑性プラスチック成形体にビニルモノ
マーをグラフト共重合させる方法としては、既に、成形
体をビニルモノマーと接触させて、これに電子線等の放
射線を照射してグラフト共重合させる同時照射法、ある
いは酸素存在下で成形体に放射線を照射することによ
り、成形体にパーオキサイドやハイドロパーオキサイド
を生成させ、次いでこの成形体をビニルモノマーと接触
させてグラフト共重合させる前照射法が知られているの
で、本発明に係る撥水膜に用いるグラフト膜を得るにも
これらの方法を採用できる。
マーをグラフト共重合させる方法としては、既に、成形
体をビニルモノマーと接触させて、これに電子線等の放
射線を照射してグラフト共重合させる同時照射法、ある
いは酸素存在下で成形体に放射線を照射することによ
り、成形体にパーオキサイドやハイドロパーオキサイド
を生成させ、次いでこの成形体をビニルモノマーと接触
させてグラフト共重合させる前照射法が知られているの
で、本発明に係る撥水膜に用いるグラフト膜を得るにも
これらの方法を採用できる。
【0017】本発明に係る撥水膜は上記グラフト膜の両
面に多孔質層が配置された構造を有する。グラフト膜両
面への多孔質層の配置は、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリテトラフルオロエチレン等から成るプラスチッ
ク製多孔質フィルムをロール圧着法、プレス圧着法、あ
るいは接着剤により接着する方法等により、グラフト膜
の両面に積層する方法等により達成できる。この多孔質
層の厚さ、気孔率、気孔径等は特に限定されるものでは
ないが、通常、厚さが約30〜150μm、気孔率が約
10〜70%、気孔径が約0.1〜10μmである。
面に多孔質層が配置された構造を有する。グラフト膜両
面への多孔質層の配置は、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリテトラフルオロエチレン等から成るプラスチッ
ク製多孔質フィルムをロール圧着法、プレス圧着法、あ
るいは接着剤により接着する方法等により、グラフト膜
の両面に積層する方法等により達成できる。この多孔質
層の厚さ、気孔率、気孔径等は特に限定されるものでは
ないが、通常、厚さが約30〜150μm、気孔率が約
10〜70%、気孔径が約0.1〜10μmである。
【0018】本発明に係る撥水膜を組み込んだ電池は従
来の撥水膜を組み込んだ電池と同様な構造であってよ
い。図1はこの撥水膜を組み込んだ空気電池の実例を示
す断面図である。なお、断面構造は左右対称であるの
で、左側部分の断面構造の図解は省略してある。
来の撥水膜を組み込んだ電池と同様な構造であってよ
い。図1はこの撥水膜を組み込んだ空気電池の実例を示
す断面図である。なお、断面構造は左右対称であるの
で、左側部分の断面構造の図解は省略してある。
【0019】図1において、1は負極ケース(金属製)
であり、底部に空気孔2を有する正極ケース3(金属
製)とガスケット10を介して嵌合されている。この嵌
合体の内部空間はセロハン等から成るセパレータ4によ
り分割されており、負極ケース1側の空間には負極体5
(例えば、亜鉛粉末、ゲル化剤および電解液から成る)
が充填されている。正極ケース3側空間は空気極(正
極)6となっており、更に、撥水膜7および空気拡散紙
8が配置されている。9は空気孔2を封口するシール材
であり、電池使用時には剥離する。なお、図示を省略し
たが、撥水膜7の空気極側には触媒層が設けられてい
る。
であり、底部に空気孔2を有する正極ケース3(金属
製)とガスケット10を介して嵌合されている。この嵌
合体の内部空間はセロハン等から成るセパレータ4によ
り分割されており、負極ケース1側の空間には負極体5
(例えば、亜鉛粉末、ゲル化剤および電解液から成る)
が充填されている。正極ケース3側空間は空気極(正
極)6となっており、更に、撥水膜7および空気拡散紙
8が配置されている。9は空気孔2を封口するシール材
であり、電池使用時には剥離する。なお、図示を省略し
たが、撥水膜7の空気極側には触媒層が設けられてい
る。
【0020】シール材を剥離して電池を使用するとき、
空気は空気孔から電池内部に導入され、空気拡散紙およ
び撥水膜を透過して空気極に達する。そして、この撥水
膜は上記したように多孔質基材に親水性モノマーをグラ
フト共重合させたグラフト膜を多孔質層で挟持した積層
構造をしているので通気性を有すると共に吸湿性に優
れ、グラフト膜により空気中の水分を吸収するので、電
解液への水分の到達を極少にできる。従って、電解液の
希釈を生じ難く、放電性能を長期維持できるのである。
空気は空気孔から電池内部に導入され、空気拡散紙およ
び撥水膜を透過して空気極に達する。そして、この撥水
膜は上記したように多孔質基材に親水性モノマーをグラ
フト共重合させたグラフト膜を多孔質層で挟持した積層
構造をしているので通気性を有すると共に吸湿性に優
れ、グラフト膜により空気中の水分を吸収するので、電
解液への水分の到達を極少にできる。従って、電解液の
希釈を生じ難く、放電性能を長期維持できるのである。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。
する。
【0022】実施例1 厚さ30μm、気孔率50%、平均孔径0.4μmのポ
リプロピレン多孔質フィルムに空気中で2Mradの電
子線を照射した後、メタクリル酸の50重量%メタノー
ル溶液に浸漬し、温度70℃で10分間加熱することに
より、グラフト率20%のグラフト膜を得る。なお、グ
ラフト率はグラフト膜の重量から多孔質フィルムの重量
を減じた値を多孔質フィルムの重量で除し、これに10
0を乗じて算出する。
リプロピレン多孔質フィルムに空気中で2Mradの電
子線を照射した後、メタクリル酸の50重量%メタノー
ル溶液に浸漬し、温度70℃で10分間加熱することに
より、グラフト率20%のグラフト膜を得る。なお、グ
ラフト率はグラフト膜の重量から多孔質フィルムの重量
を減じた値を多孔質フィルムの重量で除し、これに10
0を乗じて算出する。
【0023】このグラフト膜の両面に、厚さ50μm、
気孔率20%、平均孔径1μmのポリテトラフロオロエ
チレン製多孔質フィルムを重ね合わせ、圧着ロール(金
属ロールとゴムロールから成り、金属ロールは80℃に
維持されている)間を通し、グラフト膜とポリテトラフ
ルオロエチレン多孔質フィルムが積層された撥水膜を得
た。
気孔率20%、平均孔径1μmのポリテトラフロオロエ
チレン製多孔質フィルムを重ね合わせ、圧着ロール(金
属ロールとゴムロールから成り、金属ロールは80℃に
維持されている)間を通し、グラフト膜とポリテトラフ
ルオロエチレン多孔質フィルムが積層された撥水膜を得
た。
【0024】実施例2 厚さ30μm、気孔率30%、平均孔径1μmのポリエ
チレン多孔質フィルムを用いること、グラフト共重合時
間を15分間としてグラフト率30%のグラフト膜を得
ること以外は実施例1と同様に作業して、グラフト膜と
ポリテトラフルオロエチレン多孔質フィルムが積層され
た撥水膜を得た。
チレン多孔質フィルムを用いること、グラフト共重合時
間を15分間としてグラフト率30%のグラフト膜を得
ること以外は実施例1と同様に作業して、グラフト膜と
ポリテトラフルオロエチレン多孔質フィルムが積層され
た撥水膜を得た。
【0025】比較例 厚さ50μm、気孔率20%、平均孔径1μmのポリテ
トラフロオロエチレン多孔質フィルム3枚を重ね合わ
せ、これを実施例1と同様にして圧着して撥水膜を得
た。
トラフロオロエチレン多孔質フィルム3枚を重ね合わ
せ、これを実施例1と同様にして圧着して撥水膜を得
た。
【0026】上記実施例および比較例で得た撥水膜につ
いて下記要領で性能試験を行ない、得られた結果を表1
に示す。
いて下記要領で性能試験を行ない、得られた結果を表1
に示す。
【0027】A.通気度試験 JIS P 8117に準じ、ガーレー式通気度計(Y
OSHIMITSU社製)を用いて測定した。
OSHIMITSU社製)を用いて測定した。
【0028】B.水蒸気透過量試験 容量100ミリリットル、開口部面積12cm2 の容器
中に塩化カルシウム20gを入れ、その開口部を撥水膜
で封口し、これを温度25℃、湿度90%RHの雰囲気
中に放置し、経過時間毎に塩化カルシウムの増加重量を
測定した。
中に塩化カルシウム20gを入れ、その開口部を撥水膜
で封口し、これを温度25℃、湿度90%RHの雰囲気
中に放置し、経過時間毎に塩化カルシウムの増加重量を
測定した。
【0029】
【0030】
【発明の効果】本発明は上記のように構成され、グラフ
ト膜の両面に多孔質フィルムを積層させた構造としてあ
り、グラフト膜が優れた吸湿性を発揮するので、水分透
過量が少なく、電池用撥水膜として有用であり、また、
これを組み込んだ電池は長期にわたりその性能を発揮で
きる。
ト膜の両面に多孔質フィルムを積層させた構造としてあ
り、グラフト膜が優れた吸湿性を発揮するので、水分透
過量が少なく、電池用撥水膜として有用であり、また、
これを組み込んだ電池は長期にわたりその性能を発揮で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電池の実例を示す断面図である。
1 負極ケース 2 空気孔 3 正極ケース 4 セパレータ 7 撥水膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08F 291/00 MPZ 7142−4J (72)発明者 川野 栄三 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 山口 章夫 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 多孔質基材に親水性モノマーがグラフト
共重合されたグラフト膜と、その両面に配置された多孔
質層を有することを特徴とする撥水膜。 - 【請求項2】 ケース内の空間がセパレータにより分割
され、正極側の内部空間に撥水膜を有する空気電池であ
って、この撥水膜が多孔質基材に親水性モノマーがグラ
フト共重合されたグラフト膜と、その両面に配置された
多孔質層とから成るものであることを特徴とする空気電
池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4091969A JPH05261851A (ja) | 1992-03-17 | 1992-03-17 | 撥水膜および電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4091969A JPH05261851A (ja) | 1992-03-17 | 1992-03-17 | 撥水膜および電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05261851A true JPH05261851A (ja) | 1993-10-12 |
Family
ID=14041370
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4091969A Pending JPH05261851A (ja) | 1992-03-17 | 1992-03-17 | 撥水膜および電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05261851A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0989619A1 (en) * | 1998-09-22 | 2000-03-29 | Japan Vilene Company, Ltd. | Alkaline battery separator |
WO2006046620A1 (ja) * | 2004-10-27 | 2006-05-04 | Asahi Glass Company, Limited | 電解質材料、電解質膜、及び固体高分子形燃料電池用膜電極接合体 |
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