JP6885745B2 - 空気極、金属空気電池及び燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、空気極、金属空気電池及び燃料電池に関する。
金属空気電池の空気極や固体高分子型燃料電池の空気極では、次の(1)又は(2)のような酸素還元反応(電極反応)が進行する。
O2 + 2H2O + 4e- → 4OH- (1)
O2 + 4H+ + 4e- → H2O (2)
これらの電極反応は、気体(O2)と液体(H2O)と固体(触媒)との三相界面において進行する。また、これらの酸素還元反応は電気化学反応であるため、電極反応を進行させるためには、三相界面(触媒表面)に電子を供給する必要がある。
空気極は、通常、触媒、導電剤、結着剤を混合したものを平面状の集電体上に塗布することにより触媒層を形成するため、集電体と触媒層との積層構造を有している(例えば、特許文献1参照)。また、集電体及び導電剤を介して電極反応が進行する触媒表面に電子が供給される。通常、導電剤は集電体に比べ電気抵抗率が高いため、電極反応が進行する触媒表面と集電体との間の距離はできるだけ短いほうが好ましい。
特開2012−22935号公報
空気極の電極反応が進行する三相界面は、空気極への水や空気の供給状況などに応じて生じる位置が触媒層内で移動する(特に、厚み方向に移動する)。このため、集電体と触媒層との積層構造を有する従来の空気極では、触媒層内の集電体から比較的遠い位置において電極反応が進行する場合がある。この場合、集電体と、電極反応が進行する触媒表面との間の導電距離が長くなり、空気極の内部抵抗が増加する。このため、金属空気電池などの放電特性が低下する場合がある。
また、従来の空気極に含まれる触媒層は、自立膜であり、触媒層の形状が崩れない量の結着剤を含む必要がある。この結着剤には樹脂を用いることが多く樹脂は非導電性であるため、結着剤が空気極の抵抗成分となり、金属空気電池などの放電特性を低下させる要因となっている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、集電体と、電極反応が進行する触媒表面との間の導電距離が長くなることを防止することができ、放電特性の低下を抑制することができる空気極を提供する。
本発明は、内部空間を有する集電体と、前記集電体の内部空間に設けられた空気極触媒層とを備え、前記空気極触媒層の90vol%以上が前記集電体の内部空間に設けられることを特徴とする空気極を提供する。
本発明の空気極は空気極触媒層を備えるため、空気極触媒層において電極反応を進行させることができる。
本発明の空気極は内部空間を有する集電体を備え、空気極触媒層は集電体の内部空間に設けられるため、集電体の内壁から電極反応が進行する触媒表面に電子を供給することができ、集電体と、電極反応が進行する触媒表面との間の導電距離を短くすることができる。
前記空気極触媒層の90vol%以上が集電体の内部空間に設けられるため、空気極触媒層に集電体からの距離が長い部分が生じるのを防止することができる。このため、空気極への水や空気の供給状況により三相界面が生じる位置が移動したとしても、集電体と、電極反応が進行する触媒表面との間の導電距離を短くすることができ、金属空気電池などの放電特性を安定化することができる。
また、前記空気極触媒層の90vol%以上が集電体の内部空間に設けられるため、集電体を空気極触媒層の補強材として機能させることができる。このため、空気極触媒層に含まれる結着剤の含有量を減らすことができ、空気極触媒層の内部抵抗を小さくすることができる。この結果、金属空気電池などの放電特性を向上させることができる。
本発明の一実施形態の空気極の概略斜視図である。 (a)は図1の破線A−Aにおける空気極の概略断面図であり、(b)は図1の一点鎖線B−Bにおける空気極の概略断面図である。 本発明の一実施形態の空気極の概略斜視図である。 (a)は図3の破線C−Cにおける空気極の概略断面図であり、(b)は図3の点線D−Dにおける空気極の概略断面図であり、(c)は図3の一点鎖線E−Eにおける空気極の概略断面図である。 (a)〜(c)は、本発明の一実施形態の空気極の概略断面図である。 本発明の一実施形態の金属空気電池の概略断面図である。 本発明の一実施形態の燃料電池の概略断面図である。 実験で作製した立体集電体の説明図である。
本発明の空気極は、内部空間を有する集電体と、前記集電体の内部空間に設けられた空気極触媒層とを備え、前記空気極触媒層の90vol%以上が前記集電体の内部空間に設けられることを特徴とする。
本発明の空気極に含まれる集電体は、平板状であることが好ましく500μm以上2mm以下の厚みを有することが好ましい。このことにより、集電体の一方の主要面が金属極側となり他方の主要面が大気側となるように集電体を配置することができる。また、集電体の内部空間の容積を大きくすることができ、集電体の内部空間に十分な量の空気極触媒層を充填することができる。また、空気極触媒層は、集電体の内部空間の全容積の95%以上を満たすように設けられたことが好ましい。
本発明の空気極に含まれる集電体と空気極触媒層との合計体積に占める集電体の体積比率が、10vol%以上30vol%以下であることが好ましい。このことにより、空気極触媒層の体積を大きくすることができ、三相界面が形成される面積を広くすることができる。このため、金属空気電池や燃料電池の放電特性を向上させることができる。また、集電体は、多孔金属板又は3次元網目状の金網であることが好ましい。
本発明の空気極に含まれる空気極触媒層は、触媒粒子と、導電剤と、結着剤とを含むことが好ましく、触媒粒子は金属酸化物であることが好ましく、導電剤は炭素粒子であることが好ましく、結着剤はフッ素系樹脂であることが好ましい。
このような構成により空気極触媒層を多孔質層とすることができ、電極反応が進行する触媒粒子表面に酸素ガス、水及び電子を供給することができる。また、結着剤により空気極触媒層の形状を保つことができ、空気極触媒層が崩れることを抑制することができる。
空気極触媒層に含まれる触媒粒子と導電剤との合計重量に占める導電剤の重量比率が、40wt%以上80wt%以下であることが好ましく、空気極触媒層に含まれる触媒粒子と導電剤と結着剤の合計重量に占める結着剤の重量比率が、5wt%以上30wt%以下であることが好ましい。このことにより、この空気極触媒層を組み込んだ金属空気電池の放電特性を向上させることができる。また、集電体と空気極触媒層とを備えた集電体−触媒層複合体の透気度は、350〜6000sec/100ccであることが好ましい。また、本発明の空気極は撥水膜を備えることが好ましく、集電体及び空気極触媒層を備えた集電体−触媒層複合体と、撥水膜とは、重ねられ一体化していることが好ましい。
本発明は、本発明の空気極と、金属極と、電解質とを備えた金属空気電池も提供する。また、本発明は、本発明の空気極と、燃料極と、電解質とを備えた燃料電池も提供する。
以下、図面を用いて本発明の一実施形態を説明する。図面や以下の記述中で示す構成は、例示であって、本発明の範囲は、図面や以下の記述中で示すものに限定されない。
空気極
図1は本実施形態の空気極の概略斜視図である。図2(a)は図1の破線A−Aにおける空気極の概略断面図であり、図2(b)は図1の一点鎖線B−Bにおける空気極の概略断面図である。図3は本実施形態の空気極の概略斜視図である。図4(a)は図3の破線C−Cにおける空気極の概略断面図であり、図4(b)は図3の点線D−Dにおける空気極の概略断面図であり、図4(c)は図3の一点鎖線E−Eにおける空気極の概略断面図である。また、図5(a)〜(c)は本実施形態の空気極の概略断面図であり、図5(a)は図4(a)に対応し、図5(b)は図4(b)に対応し、図5(c)は図4(c)に対応する。
本実施形態の空気極11は、内部空間4を有する集電体2と、集電体2の内部空間4に設けられた空気極触媒層6とを備え、空気極触媒層6の90vol%以上が集電体2の内部空間4に設けられることを特徴とする。
本実施形態の空気極11は、酸素ガスを電極活物質とする電極であり、空気極の電極反応(酸素還元反応)の触媒を含む電極である。空気極11は、金属空気電池18の空気極であってもよく、燃料電池35の空気極であってもよい。
また、本実施形態の空気極11は、撥水膜13を備えることができる。
集電体2は、電極反応が進行する触媒粒子の表面に電子を供給する導電経路となる導電体である。集電体2は、内部空間4を有する。内部空間4は、例えば、集電体2の孔の内部や、網目構造を有する集電体で囲まれた空間である。集電体2は、例えば、エッチング加工により多数の穴を形成した金属板、エキスパンドメタル、パンチングメタルなどの多孔金属板であってもよい。また、集電体2は、3次元網目状の金網又は多孔質金属板であってもよい。また、集電体2は、多数の孔を形成した金属板と金属線とから形成されてもよい。
集電体2の材質は、例えば、金属ニッケル、銀、金、白金又はステンレス鋼とすることができる。また、集電体2の材質は、例えば、ニッケルメッキされた鉄などのニッケルメッキ処理された金属であってもよい。このことにより、集電体2が耐アルカリ性を有することができ、集電体2がアルカリ性の電解液により腐食されることを抑制することができる。
集電体2は、平板状であってもよい。また、集電体2は、500μm以上2mm以下の厚みdを有することができる。このことにより、集電体2の一方の主要面が金属極15側となり他方の主要面が大気側となるように集電体2を配置することができる。また、集電体の内部空間4の容積を大きくすることができ、内部空間4に十分な量の空気極触媒層6を形成することができる。また、集電体2は600μm以上1.5mm以下の厚みdを有してもよい。
内部空間4を有する集電体2の空間率(空隙率)は、例えば、60%以上90%以下とすることができる。このような集電体2の内部空間4に空気極触媒層6を設けることにより、内部空間4中に十分な量の空気極触媒層6を形成することができる。
集電体2が多孔金属板である場合、集電体2は、集電体2が有する隣接する2つの孔(内部空間4)が繋がっていない構造を有することができる。集電体2が有する孔の大きさL、Mは、30μm以上1.5mm以下とすることができる。なお、孔の大きさとは、例えば、孔が円の場合直径をいい、孔が四角の場合孔の対向する内面間の距離をいう。また、孔が他の形状である場合、孔の大きさはこれらに相当する大きさをいう。
また、集電体2の内壁の厚さNは、例えば、0.05mm以上0.5mm以下とすることができ、0.1mm以上0.2mm以下とすることが好ましい。また、集電体2の開口率は、例えば、50%以上80%以下とすることができる。
集電体2は、例えば、図1、図2(a)(b)に示した空気極11(集電体−触媒層複合体10)に含まれる集電体2のような構造を有することができる。このような集電体2は、例えば、エッチング加工により金属板に多数の孔を形成することにより製造することができる。また、集電体2は、例えば、図3、図4(a)〜(c)に示した空気極11に含まれる集電体2のような構造を有することができる。このような集電体2は、例えば、金属線を三次元加工し、三次元網目状の金網を形成することにより製造することができる。また、集電体2は、空気極触媒層6に金属線を縫い込むことにより形成されてもよい。
空気極触媒層6は、触媒粒子と、導電剤と、結着剤とを含む多孔質層である。この空気極触媒層6に含まれる触媒粒子の表面において空気極11の電極反応が進行する。触媒粒子は、酸素還元反応(電極反応)に対する触媒活性を有する粒子である。触媒粒子3の材料は、例えば、金属酸化物、銀などである。より具体的には、触媒粒子3の材料は、MnO2、Mn3O4などの酸化マンガン、Ag、ペロブスカイト型金属酸化物などである。触媒粒子の平均粒径は、例えば、5μm〜100μmとすることができ、好ましくは10μm〜50μmとすることができる。また、触媒粒子は触媒粒子の表面に付着した導電剤により覆われていてもよい。また、この導電剤は、触媒粒子の表面を覆う被覆多孔質層を形成してもよい。導電剤からなる被覆多孔質層で触媒粒子の表面を被覆することにより、電極反応が進行する触媒粒子表面に速やかに電子を供給することができる。被覆多孔質層により被覆された触媒粒子は、例えば、メカノケミカル法により触媒粒子と導電剤とを複合化することにより調製することができる。
導電剤は、集電体2と触媒粒子の表面とを電気的に接続し、電極反応に必要な電子を触媒粒子の表面に供給する。導電剤は、例えば、炭素粒子である。具体的には、導電剤の材料は、カーボンブラック、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、活性炭、グラファイトなどである。導電剤の平均粒径は、例えば、一次粒子径として10nm〜100nmとすることができ、好ましくは10nm〜50nmとすることができる。
結着剤は、空気極触媒層の形状を保つために入れられる。結着剤は、例えば耐アルカリ性に優れたフッ素系樹脂である。また、結着剤には、繊維状に発達しながら粒子を結着し、撥水性にも優れ、熱に対して安定なポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いることができる。
空気極触媒層6は、例えば、触媒粒子の粉末と、導電剤と、結着剤と、溶媒とを混練し、得られた混合物を集電体2の内部空間4中に充填することにより形成することができる。例えば、得られた混合物をシート状に成形したものを集電体2の上に配置し、混合物を集電体2の内部空間4中に押し込むことにより混合物を内部空間4中に充填することができる。また、シート状に成形した混合物に金属線を縫い込むことにより集電体2を形成してもよい。これらの方法により、集電体−触媒層複合体10を形成することができる。
例えば、集電体2が多孔金属板である場合、図1、2のように集電体2の内部空間4に空気極触媒層6を設けることができる。また、集電体2が3次元網目状の金網である場合、図3、4のように、集電体2の内部空間4に空気極触媒層6を設けることができる。また、集電体2が3次元網目状の金網である場合、図5のように、集電体2の外側に空気極触媒層6が形成されてもよい。この場合、空気極触媒層6の90vol%以上が集電体2の内部空間4に設けられる。
空気極触媒層6の90vol%以上は、集電体2の内部空間4に設けられる。このため、集電体2の内壁から電極反応が進行する触媒粒子の表面に導電剤を介して電子を供給することができ、集電体2と、電極反応が進行する触媒粒子の表面との間の導電距離(電子が導電剤を流れる距離)を短くすることができる。また、空気極触媒層6に集電体2からの距離が長い部分が生じるのを防止することができる。このため、空気極11への水や空気の供給状況により三相界面が生じる位置が移動したとしても、集電体2と、電極反応が進行する触媒粒子の表面との間の導電距離を短くすることができ、金属空気電池18や燃料電池35の放電特性を安定化することができる。
空気極触媒層6の90vol%以上が集電体2の内部空間4に設けられるため、集電体2を空気極触媒層6の補強材として機能させることができる。このため、空気極触媒層6に含まれる結着剤の含有量を減らすことができ、空気極触媒層6の内部抵抗を小さくすることができる。この結果、金属空気電池18や燃料電池35の放電特性を向上させることができる。また、空気極触媒層6は、集電体2の内部空間4の全容積の95%以上を満たすように設けることができる。
集電体2と空気極触媒層6との合計体積に占める集電体2の体積比率が、10vol%以上30vol%以下となるように、集電体―触媒層複合体10を設けることができる。このことにより、空気極触媒層6の体積を大きくすることができ、三相界面が形成される面積を広くすることができる。このため、金属空気電池18や燃料電池35の放電特性を向上させることができる。
空気極触媒層6に含まれる触媒粒子と導電剤との合計重量に占める導電剤の重量比率が、40wt%以上80wt%以下となるように空気極触媒層6を形成することができる。また、空気極触媒層6に含まれる触媒粒子と導電剤と結着剤の合計重量に占める結着剤の重量比率が、5wt%以上30wt%以下となるように空気極触媒層6を形成することができる。このことにより、この空気極触媒層6を組み込んだ金属空気電池18の放電特性を向上させることができる。
集電体2と空気極触媒層6とを備えた集電体−触媒層複合体10の透気度が350〜6000sec/100ccとなるように集電体−触媒層複合体10を設けることができる。このことにより、三相界面が形成される触媒粒子の表面に酸素ガス及び水が供給されやすくなり、金属空気電池18や燃料電池35の放電特性を向上させることができる。
空気極11は撥水膜13を備えることができる。このことにより空気極11を組み込んだ金属空気電池18において、空気極11の空隙を介して電解液が漏出することを抑制することができる。この空気極11は、例えば、集電体2及び空気極触媒層6を備えた集電体−触媒層複合体10と、撥水膜13とが重ねられ一体化するように設けることができる。
金属空気電池
図6は本実施形態の金属空気電池の概略断面図である。
本実施形態の金属空気電池18は、空気極11と、金属極15と、電解質16とを備えることを特徴とする。
本実施形態の金属空気電池18は、金属極15を負極(アノード)とし、空気極11を正極(カソード)とする電池である。例えば、亜鉛空気電池、リチウム空気電池、ナトリウム空気電池、カルシウム空気電池、マグネシウム空気電池、アルミニウム空気電池、鉄空気電池などである。
例えば、亜鉛空気電池の場合、金属極15の材料には、金属亜鉛を用いることができ、電解質16には、水酸化カリウム水溶液を用いることができる。
燃料電池
図7は本実施形態の燃料電池35の概略断面図である。
本実施形態の燃料電池35は、空気極11と、燃料極29と、電解質32とを備えることを特徴とする。
本実施形態の燃料電池35は、例えば、陽イオン交換膜又は陰イオン交換膜を固体高分子電解質膜とした燃料電池である。
実験
<実施例1〜14の亜鉛空気電池の作製>
厚さ1mmの金属Ni板をエッチング加工することにより、図8(1)〜(5)のような5種類の格子状の集電体(立体集電体)(厚さ1mm)を作製した。これらの集電体は、図1、2に示した集電体のような形状を有している。
触媒粒子(二酸化マンガン、中央電気工業製、CMD-K200)と、導電剤(カーボンブラック、DENKA製、DENKA BLACK「粉状」)と、結着剤(PTFE分散液「D-210C」、ダイキン製、溶媒:水、固形分濃度:60wt%)と、全体の固形分濃度が25wt%となる量の水とをプラネタリミキサにて混合して混合物1を調製した。
混合物1を乳鉢にて混練することにより、玉造物である混合物2を形成した。作製した立体集電体の上に混合物2を重ねて置き、ロール圧延機に通すことで集電体の空隙中へ混合物2を充填した。また、集電体からはみ出た混合物2は削ぎ落として除去した。こうして得られた立体集電体と混合物2の一体化物を常温で5時間、80℃で3時間乾燥させることで実施例1〜14の集電体−触媒層複合体を作製した。この集電体−触媒層複合体について透気度測定を行った。
作製した集電体−触媒層複合体を撥水膜(日東電工製「テミッシュ」、表はPTFE、裏打ち面の材質はPP)のPTFE面の上に重ねて圧力(プレス圧:2.15kN/cm2、プレス時間2分、常温)をかけることにより、集電体−触媒層複合体と撥水膜とを一体化させ実施例1〜14の空気極を作製した。
実施例1〜14の使用した集電体、集電体占有体積率、導電剤/触媒の重量比率、結着剤含有比率は、表1に示している。
実施例1〜14の空気極を用いて、図6のような実施例1〜14の亜鉛空気電池を作製した。電解質には7M KOH水溶液を用い、金属極には亜鉛板を用いた。
<実施例15の集電体−触媒層複合体の作製>
厚さ1mmの発泡ニッケル板を集電体として集電体−触媒層複合体を作製した。集電体に発泡ニッケル板を用いたこと以外は、実施例1と同様に作製した。
<比較例の亜鉛空気電池の作製>
触媒粒子(二酸化マンガン、中央電気工業製、CMD-K200)と、導電剤(カーボンブラック、DENKA製、DENKA BLACK「粉状」)と、結着剤(ダイキン製、PTFE分散液「D-210C」、溶媒:水、固形分濃度:60wt%)と、全体の固形分濃度が50wt%となる量の水とをプラネタリミキサにて混合して混合物3を調製した。
混合物3を乳鉢にて混練することにより、玉造物である混合物4を形成した。平織りのNiメッシュ(20メッシュ、線径:0.25mm)の上に混合物4を重ねて置き、ロール圧延機に通すことでNiメッシュと混合物4を一体化させて一体化物(積層物)を作製した。この時の積層物の厚みが1.2mmとなるように圧延した。こうして得られた平面メッシュと混合物4の一体化物(積層物)を常温で5時間、80℃で3時間乾燥させることでNiメッシュ上に触媒層が形成された比較例の集電体−触媒層複合体を作製した。この集電体−触媒層複合体について透気度測定を行った。
作製した集電体−触媒層複合体を撥水膜(日東電工製「テミッシュ」、表はPTFE、裏打ち面の材質はPP)のPTFE面の上に重ねて圧力(プレス圧:2.15kN/cm2、プレス時間2分、常温)をかけることにより、集電体−触媒層複合体と撥水膜とを一体化させ比較例の空気極を作製した。
比較例の集電体占有体積率、導電剤/触媒の重量比率、結着剤含有比率は、表1に示している。
比較例の空気極を用いて、図6のような比較例の亜鉛空気電池を作製した。電解質には7M KOH水溶液を用い、金属極には亜鉛板を用いた。
<透気度測定>
実施例1、5、15及び比較例の集電体−触媒層複合体について透気度測定を行った。
透気度は安田精機製作所製ガーレ式デンソメーターにて測定し、100ccの空気が通るのにかかる時間(秒)にて評価した。測定結果を表2に示す。実施例の集電体−触媒層複合体の透気度は比較例に比べ小さいことがわかった。
<放電電圧の測定>
バッテリテスタ(菊水電子工業製バッテリテストシステムPFX2011)を用いて実施例1〜14及び比較例の亜鉛空気電池の放電電圧(初期放電電圧、1週間後の放電電圧、1ヵ月後の放電電圧)を測定した。実施例1〜14及び比較例の電池の放電電圧及び初期放電電圧からの低下率を表1に示す。
触媒層の導電剤/触媒の重量比率及び結着剤含有比率が同じ実施例13、14、比較例を比較すると、比較例の電池では、1週間後の放電電圧の低下率が8.9%であり、1ヵ月後の放電電圧の低下率が17.9%であった。これに対し、実施例13、14では、1週間後の放電電圧の低下率が1.9%、1.0%であり、1ヵ月後の放電電圧の低下率が4.8%、3.9%であった。従って、立体集電体を用いることにより、放電電圧の低下率を小さくすることができることがわかった。
時間の経過により三相界面が生じる位置が移動したとしても、立体集電体を用いることにより、集電体と、電極反応が進行する触媒表面との間の導電距離を短くすることができ、亜鉛空気電池の放電特性を安定化することができたと考えられる。
また、立体集電体を用いた実施例1〜11でも、1ヶ月後の放電電圧の低下率の低下を小さくすることができた。
結着剤含有比率を3wt%とした実施例12では、1ヶ月後の放電電圧の低下率が比較例よりも大きくなった。これは、触媒層の結着剤含有比率が低いため、時間の経過により触媒層の形状が崩れたためと考えられる。従って、触媒層の結着剤含有比率は5wt%以上とする必要があると考えられる。
結着剤含有比率を10〜30wt%とした実施例1〜3、5〜11では、1ヶ月後の放電電圧の低下率を14%未満とすることができた。このことから、立体集電体を触媒層の補強材として機能させることができ、触媒層に含まれる結着剤の含有量を減らすことができることがわかった。
Figure 0006885745
Figure 0006885745
2:集電体 4:内部空間 6:空気極触媒層 10:集電体−触媒層複合体 11:空気極 13:撥水膜 15:金属極 16:電解質 18:金属空気電池 24:空気流路 27:燃料極触媒層 28:燃料極集電体 29:燃料極 30:燃料流路 32:電解質 35:燃料電池

Claims (11)

  1. 内部空間を有する集電体と、前記集電体の内部空間に設けられた空気極触媒層とを備え、
    前記空気極触媒層の90vol%以上が前記集電体の内部空間に設けられ
    前記集電体は、平板状であり、500μm以上2mm以下の厚みを有することを特徴とする空気極。
  2. 内部空間を有する集電体と、前記集電体の内部空間に設けられた空気極触媒層とを備え、
    前記空気極触媒層の90vol%以上が前記集電体の内部空間に設けられ、
    前記集電体と前記空気極触媒層との合計体積に占める前記集電体の体積比率が、10vol%以上30vol%以下であることを特徴とする空気極。
  3. 内部空間を有する集電体と、前記集電体の内部空間に設けられた空気極触媒層とを備え、
    前記空気極触媒層の90vol%以上が前記集電体の内部空間に設けられ、
    前記空気極触媒層は、触媒粒子と、導電剤と、結着剤とを含み、
    前記触媒粒子は、金属酸化物であり、
    前記導電剤は、炭素粒子であり、
    前記結着剤は、フッ素系樹脂であることを特徴とする空気極。
  4. 前記空気極触媒層に含まれる前記触媒粒子と前記導電剤との合計重量に占める前記導電剤の重量比率が、40wt%以上80wt%以下であり、
    前記空気極触媒層に含まれる前記触媒粒子と前記導電剤と前記結着剤の合計重量に占める前記結着剤の重量比率が、5wt%以上30wt%以下である請求項に記載の空気極。
  5. 内部空間を有する集電体と、前記集電体の内部空間に設けられた空気極触媒層とを備え、
    前記空気極触媒層の90vol%以上が前記集電体の内部空間に設けられ、
    前記集電体と前記空気極触媒層とを備えた集電体−触媒層複合体の透気度は、350〜6000sec/100ccであることを特徴とする空気極。
  6. 前記空気極触媒層は、前記集電体の内部空間の全容積の95%以上を満たすように設けられた請求項1〜5のいずれか1つに記載の空気極。
  7. 前記集電体は、多孔金属板又は3次元網目状の金網である請求項1〜のいずれか1つに記載の空気極。
  8. 内部空間を有する集電体と、前記集電体の内部空間に設けられた空気極触媒層と、撥水膜とを備え、
    前記空気極触媒層の90vol%以上が前記集電体の内部空間に設けられ、
    前記集電体及び前記空気極触媒層を備えた集電体−触媒層複合体と、前記撥水膜とは、重ねられ一体化していることを特徴とする空気極。
  9. 請求項1〜のいずれか1つに記載の空気極と、金属極と、電解質とを備えた金属空気電池。
  10. 気極と、金属極と、電解質とを備え
    前記空気極は、内部空間を有する集電体と、前記集電体の内部空間に設けられた空気極触媒層とを備え、
    前記空気極触媒層の90vol%以上が前記集電体の内部空間に設けられた金属空気電池。
  11. 請求項1〜のいずれか1つに記載の空気極と、燃料極と、電解質とを備えた燃料電池。
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