JP2014049304A - 空気電池用ガス拡散電極およびその作製方法ならびに空気電池 - Google Patents

空気電池用ガス拡散電極およびその作製方法ならびに空気電池 Download PDF

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健太郎 新井
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貴允 木野
Atsushi Iwamoto
淳 岩本
Kengo Shimanoe
憲剛 島ノ江
Masayoshi Yuasa
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Abstract

【課題】触媒の酸素還元活性が高く、かつ、放電時の過電圧を抑制することができ、電圧降下を抑制することができるガス拡散電極およびこれを使用した空気電池を提供する。
【解決手段】貴金属を担持もしくは置換したペロブスカイト型酸化物を導電性担体に均一分散した触媒を用いたガス拡散電極。この電極は、ランタン、マンガン硝酸塩水溶液を内包する溶液に白金錯体を含む溶液を混合し、導電性担体を加え、焼成をすることで貴金属を担持もしくは置換したペロブスカイト型酸化物を使用することによって作製される。また、このガス拡散電極を用いた空気電池。
【選択図】図8

Description

本発明は、モビリティ等の電源として利用できる高容量電池の電極材料に係り、特に、反応性の高い酸素還元電極触媒を使用した空気電池用ガス拡散電極構造およびその製造方法に関するものである。
金属空気電池は、鉛蓄電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池などの従来電池と比較して、非常に大きなエネルギー密度を持っているため、次世代のモビリティ用電源として注目されている。
金属空気電池の構成部は、電極、電解液、セパレータなどからなる。正極は空気極、またはガス拡散電極とも呼ばれ、放電時に外部から反応系内に酸素を取り込み反応させ、充電時には反応時に発生したガスを外部へ拡散させる機能を有している。そして、一般的には酸化還元反応を促進させる触媒が担持されている。
ガス拡散電極は水素、酸素、空気などの気体を多孔性の電極に供給して電極上で反応させるものの総称である。気体の有する化学エネルギーを電気エネルギーに変換してエネルギーを取り出す燃料電池、空気電池などに用いられている。
例えば空気電池用の2層からなるガス拡散電極は、ガス拡散層側から酸素の供給が行われ、電解液と接している反応層ではガス拡散層内部を透過拡散した酸素が反応層に固定化された酸素還元触媒上で還元反応を受ける。また、電極内部に電気的接続をとるための集電体が埋め込まれている。
金属空気電池は、その電池の体積のほとんどを負極が占めている。負極は純度の高い金属単相からなり、リチウムイオン電池のような複合化合物ではないために、反応に寄与する元素が多く存在している。その結果、容量が高くなる。
空気極と呼ばれる正極は金属メッシュやカーボン不織布に触媒が担持されている機能薄膜となる。実際の反応物質は空気中の酸素である。これら、電極構造により、大きな体積エネルギー密度が可能となる。
空気電池の体積エネルギー密度、重量エネルギー密度を決めているのは金属極の材質である。金属空気電池は金属極の種類によって、亜鉛空気電池、鉄空気電池、リチウム空気電池、アルミニウム空気電池などが存在している。
例えば、放電時の亜鉛空気電池の金属極の反応を(1)〜(3)、空気極の反応を(4)に示す。
(1)Zn+4OH → Zn(OH) 2−+2e
(2)Zn(OH) 2− → ZnO+HO+2OH
(3)Zn(OH) 2− → ZnO 2−+2H
(4)O+2HO+4e → 4OH
上記の式から考えると、金属極での反応は放電時、充電時とも固体(金属もしくは金属酸化物)、液体(水溶液)の界面で起こる。これに対して、空気極の反応は放電時は固体(触媒)、液体(水溶液)、気体(酸素)の三相界面で、充電時は固体(触媒)、液体(水溶液)の二相界面で起こる。
従って、空気極では内部の水溶液を逃さないことはもちろんのこと、放電時には外部の空気を取り込み、充電時には内部の酸素を放出する電極設計が重要となる。特に放電時の反応点(三相界面)を多くする構造が重要である。
特許文献1では、ストロンチウム含有のペロブスカイト化合物に銀、白金もしくはパラジウムを添加した正極が提案されている。従来の多孔性カーボン、多孔性ニッケル焼結体、あるいはタングステンブロンズに防水処理をしたものに比べて、この種の電子酸素混合伝導体を空気極で用いるとその外側でイオン化した酸素を内側の電解質との接触面まで移動させるので、酸素ガスをそのまま電解質界面まで拡散させる従来の空気極を用いた場合の漏液や電解液の炭酸ガスによる汚染を心配する必要がなくなる。
しかしながら、この特許文献1に記載のストロンチウム含有のペロブスカイト化合物は酸素還元活性が低く、活性の向上は見込めない。したがって、基材を多孔性材料からペロブスカイト化合物に変更したところで反応点が銀、白金もしくはパラジウムと電解液、酸素の三相界面であることは変わりない。しかも、銀、白金、パラジウムを単に添加するだけでは触媒効果は決して大きくはならない。
特許文献2では、炭素など導電性担体に担持させた銀、白金、パラジウムなどの微粒子とアルカリ土類金属を固溶させた希土類酸化物微粒子の複合触媒を正極に用いることが提案されている。これにより、酸素還元活性が高く、低過電圧のガス拡散電極が提供できることが記されている。
ここで使用している触媒では銀、白金、パラジウムなどとカーボンなどの導電性担体との界面における電子授受効果は従来までの白金担持カーボンなどの貴金属担持触媒と変化はなく、希土類酸化物と導電性担体の界面での反応の活性向上度合いが重要となる。しかしながら、希土類酸化物を同じ導電性担体へ担持する分、貴金属側の活性点が減少することが考えられる。実際、活性には大きな向上は見られていない。
特許文献3では、粒子径が2〜500nmの範囲にあるペロブスカイト型酸化物を炭素粉末に均一分散担持した触媒を用いる電極が提案されている。
しかしながら、カーボン担持ペロブスカイト触媒を用いた場合には低電流域で酸素還元反応に伴う過電圧が大きいという欠点がある。
特許文献4では、電極反応の速度を最大限にするために反応体と電解質の間の接触を最適化するガス拡散電極構造体、およびその製造方法が記載されている。このガス拡散電極構造体は炭素繊維の連続した不織網状構造体及びポリマー物質を含む可撓性自立触媒層からなる。
ここで、炭素繊維の不織網状構造体を用いた欠点として、はっ水作用を有する有機膜等でコーティングが必要となるが、これにより導電性(集電効率)低下と耐久性低下が起こる、空気の流れがミクロにみて不均一であることから性能バラツキが起こる、膜作製の際に収縮形態の方向性の違いにより触媒コーティング部分に割れが生じやすいなどが挙げられる。
また、非特許文献1には、カーボン担持La−Mn系ペロブスカイト型酸化物触媒を用いた空気極が高い活性を示すことが報告されている。
しかしながら、カーボン担持La−Mn系ペロブスカイト型酸化物触媒を用いた空気極はカーボン担持Pt電極と比較して、低電流密度域で酸素還元反応に伴う過電圧が大きいという問題点がある。
特公昭59年−4831号公報 特開2004−209468号公報 特開2005−190833号公報 特許第3576739号公報
"Enhanced Electrocatalytic Activity for Oxygen Reduction over Carbon-Supported LaMnO3 Prepared by Reverse Micelle Method", Electrochemical and Solid-State Letters, 1(6)268-270(1998), The Electrochemical Society, Inc.
本発明は、上記状況に鑑みてなされたものであり、触媒の酸素還元活性が高く、かつ、放電時の過電圧、特に低電流密度域での過電圧を抑制することができ、電圧降下を抑制することができる空気電池用ガス拡散電極およびその作製方法ならびに空気電池を提供することを目的としている。
本発明のガス拡散電極は、貴金属を担持もしくは置換したペロブスカイト型酸化物を導電性担体に均一分散した触媒を用いたことを特徴としている。
本発明においては、前記ペロブスカイト型酸化物がランタンとマンガンを主成分として含有することを好ましい態様としている。
本発明においては、前記貴金属が白金であることを好ましい態様としている。
本発明においては、前記導電性担体がカーボンであることを好ましい態様としている。
本発明においては、ガス拡散電極の構造が少なくとも2層からなり、空気拡散の役割をする第1層が導電材と集電体と撥水剤から構成され、反応の役割をする第2層が上記に記載の触媒と導電材からなることを好ましい態様としている。
本発明においては、前記導電材がカーボン粒子であり、前記第1層と前記第2層で使用する導電材の粒子径が異なり、前記第2層が前記第1層に対して微細であることを好ましい態様としている。
本発明においては、前記第1層内に存在する集電材が導電性金属、少なくともニッケルを含んでいることを好ましい態様としている。
また、本発明の空気電池は、上記のガス拡散電極を用いたことを特徴としている。
さらに、本発明のガス拡散電極の作製方法は、ランタン、マンガン硝酸塩水溶液を内包する溶液に白金錯体を含む溶液を混合し、導電性担体を加え、焼成をすることで貴金属を担持もしくは置換したペロブスカイト型酸化物を使用することを特徴としている。
本発明においては、前記触媒の焼成温度が650℃以上であることを好ましい態様としている。
以上説明した本発明に係るガス拡散電極によれば、導電性担体に担持されたペロブスカイト型酸化物が貴金属を担持あるいは一部貴金属に置換されているので、触媒の酸素還元活性が高く、かつ、放電時の過電圧を抑制することができ、電圧降下を抑制することができる。上記のような効果を得られる理由としては、Ptの酸化還元ポテンシャルがもたらす貴な浸漬電位とペロブスカイト型酸化物の高い4電子還元反応活性の相乗効果が考えられる。
(a)LMO、(b)Pt置換LMO、(c)Pt担持LMOの性能評価曲線を示すグラフである。 カーボン担持LMOの作製工程を示すフローチャート図である。 カーボン担持Pt置換LMOの作製工程を示すフローチャート図である。 カーボン担持Pt担持LMOの作製工程を示すフローチャート図である。 焼成温度を変化させて触媒を作製したLMOのXRD回折パターンを示すグラフである。 650℃で焼成したLMOを示すSEM写真図である。 650℃で焼成したLMOの結晶粒径分布を示すグラフである。 本発明の2層のガス拡散電極の構造を示す模式断面図である。 本発明の2層のガス拡散電極の構造を示すSEM写真図である。 ガス反応層用粉末の作製工程を示すフローチャート図である。
以下、本発明に係る好ましい実施形態を説明する。
本発明の空気電池におけるガス拡散電極は、カーボン等の導電性担体に均一に分散されたペロブスカイト型酸化物、特にランタンとマンガンを主成分として含有する酸化物(LaMnO、以下、LMOと略称する場合がある)が、白金等の貴金属を担持もしくは貴金属に一部が置換されていることを特徴としている。
Pt置換LMOとは、ペロブスカイト型酸化物においてMnの一部がPtに置換されたものであり、例えば後述するように組成式LaMn0.9Pt0.1等で表される。また、Pt担持LMOは、LaMnOがPtを担持したものであり、Pt/LaMnOで表される。
ここで図1に、従来の(a)LMO(LaMnO)、本発明の(b)Pt置換LMO(LaMn0.9Pt0.1)および(c)10mol%Pt担持LMOの性能評価曲線を示す。このグラフは、空気電池用空気極の酸素還元における分極特性を示したものである。酸素還元時の分極特性は、特定の電流密度i(横軸)における電位E(縦軸)で評価することができ、この電位の値がより貴な電位であれば酸素還元に伴う過電圧が小さいと判断される。
このグラフを見るとわかるように、従来までのカーボン担持LMOに対して、Pt置換もしくはPt担持を行ったLMOは過電圧が抑えられていることが分かる。今回確認した種々のペロブスカイト酸化物の組成、種々の貴金属の中で大きな効果が出たのはPt担持もしくは置換のLMOだけであった。
本発明の貴金属を担持もしくは貴金属に一部が置換されるペロブスカイト型酸化物としては、上述の通りLaMnOが好ましいが、これ以外に、LaCaMnFeOが好ましく、また、4電子還元に対する活性が高い酸化物を選択することができ、例えば、La0.8Sr0.2MnO、La0.6Sr0.4MnO、LaFe0.6CoO等が挙げられる。
図2に、従来例としてのカーボン担持LMOの作製フローチャート図を示す。これは特許文献3で使用しているものの代表例である。これに対し、本発明のカーボン担持Pt置換LMOの作製フローチャート図を図3、カーボン担持Pt担持LMOの作製フローチャート図を図4に示す。
これらの本発明の作製方法の特徴としては、Ln(La等)、Mnを含む硝酸溶液に対し、Ptジニトロジアミン溶液をそのまま加えるか、NaBH等の還元剤を加えてpH調整して加えるかの違いによりLMOにPtを置換させるか、担持させるかを実施している。従来手法でPtをLMO上に担持させようとすると、LMOを一度作製してからPtジニトロジアミン溶液に含浸担持させることが考えられる。このように作製した場合にはLMO粒子が粗大化してしまう。また、Ptを置換させることはできない。
本発明において、LMO粒子およびPt粒子を粗大化させないために重要なのが焼成温度である。焼成温度を(a)1000℃、(b)900℃、(c)800℃、(d)700℃、(e)650℃、(f)600℃と変化させて触媒を作製した場合のXRD回折パターンの測定結果を図5に示す。
焼成温度を(f)600℃とした場合には回折ピークがブロードであることから非晶質成分が認められており、LMOが十分に結晶化していないことがわかる。焼成温度を高くするにつれて、回折ピークがよりシャープになり、結晶粒径が大きくなっていく傾向にある。
図6および7に、(e)650℃で焼成したLMOのSEM写真と結晶粒径分布(粒径と頻度率の関係)を示す。これら図より、この温度においては、結晶が微細であり、結晶化が進んでいることが確認できる。
本発明の空気電池のガス拡散電極の2層構造の模式図を図8に、対応するSEM写真を図9に示す。本発明では、Pt担持/置換LMO触媒の効果を最大限に発揮できる構造として、少なくとも2層以上の層状構造からなる。これは、充放電に伴う電気化学反応と空気拡散と液体シールの機能をそれぞれの層に持たせることで効率的に機能を分担させているためである。
より詳細には、反応層としては、反応の活性点を多くする必要がある。特に、本発明の触媒作用は、ペロブスカイト型酸化物表面ではなく、その上に担持しているPtもしくは結晶格子内の侵入(置換)Ptによりもたらされることを考えると、これらのPtはLMOよりも微細で分散しているために導電材を細かくする必要がある。一方で、空気拡散の機能に着目すると、構造を微細にしすぎると拡散が悪くなり出力が低下するため、反応の活性点増加というほどの微粒子は必要ではない。このように、要求される層構造が異なるため、本発明では、空気拡散を十分に行うことができる第1層と、それよりも微細な構造を有する反応層としての第2層とからガス拡散電極を構成している。
また、本発明の2層構造のガス拡散電極とすることにより、次の効果をも得ることができる。反応層である第2層には、空気電池の電解液が到達するが、第2層の空隙は微細であり第1層のそれは粗大であるため、電解液が第1層までには到達しない。集電体に用いられるニッケル等の金属が電解液に接触すると電気化学反応により電解液へ金属が溶出することが従来問題視されてきたが、本発明の構造をとることにより、電解液が第1層まで到達しないため、第1層に接合する集電体として、金属の集電体を使うことが可能となる。電解液への溶出がないために従来用いられていたカーボンに比べてニッケル等の金属は導電率が高いが、本発明においては、電解液への溶出を懸念することなくこのような金属の集電体を使用することにより、集電効率を上げることができる。
以下に、本発明の実施例により発明を具体的に説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
(従来例)
逆ミセル法によるカーボン担持LaMnO酸化物の調製方法
電極の反応層材料に用いたカーボン担持LaMnOの調製手順を図2に示す。逆ミセル形成のための界面活性剤としては、親水基をポリオキシエチレン基、疎水基を種々のアルキル基とする非イオン性界面活性剤ポリオキシエチレン(6)ノニルフェニルエーテル(NP−6)を用い、疎水性有機溶媒(油相)としてはシクロヘキサンを用いた。
まず、界面活性剤とシクロヘキサン(キシダ化学(株)製、特級99.5%)を重量比1:2で三角フラスコ内に混合した。この溶液に、硝酸ランタン(キシダ化学(株)製、特級97%)と硝酸マンガン(キシダ化学(株)製、特級98%)の混合水溶液(濃度0.4mol l−1)を混合して撹拌し続け、La、Mn硝酸塩水溶液を内包する逆ミセル溶液(以下RM−Aと略す)を調製した。一方で、共沈剤として、強アルカリであるテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)10%水溶液(キシダ化学(株)製、特級)を滴下し、10℃の恒温槽内で溶液が透明になるまで攪拌し、共沈剤水溶液を内包する逆ミセル溶液(以下、RM−B と略す)を得た。
RM−A およびRM−Bの形成の後、これらを混合し、La、Mn水酸化物を析出した。La、Mn水酸化物を含有する逆ミセル溶液に、あらかじめシクロヘキサンに超音波分散(45kHz、15分間)したカーボンブラック(KetjanBlack EC−600JD、比表面積1280m/g)を添加した。そして、カーボンブラックを逆ミセル溶液に十分に分散させるために超音波処理(45kHz、15分間)を行った。そして、この溶液に、エタノール(日本アルコール販売(株)製、1級(発酵)、99%)約200mlを添加し、逆ミセル内部の水酸化物をカーボン担体に担持した。その後、十分な量のエタノールで洗浄しながら吸引ろ過を行い、乾燥、粉砕して、カーボン担持La、Mn水酸化物を得た。この粉末を650℃、窒素流通下で焼成した。
(本発明例1)
カーボン担持LaMn0.9Pt0.1の合成
LaMn0.9Pt0.1の作製手順を図3に示す。LaMn0.9Pt0.1は、前項に示す逆ミセル溶液 RM−A 内に、La、Mnの硝酸塩水溶液とジアンミンジニトロ白金(II)水溶液(0.04mol l−1)の混合溶液を、モル比がLa:Mn:Pt=10:9:1となる量加え、黄色透明の溶液になるまで撹拌した。その後、前項と同様の手順と条件を経て焼成まで行った。
(本発明例2)
カーボン担持Pt/LaMnOの合成
Ptを仕込み量10mol%で担持させたPt担持LaMnOの作製手順を図4に示す。Pt担持LaMnOは逆ミセル溶液 RM−A、RM−B に加えて、ジアンミンジニトロ白金(II)水溶液(0.04mol l−1)を、LaMnO:Ptのモル比が10:1となる量だけ加えた逆ミセル溶液RM−Cを用意した。これに還元剤NaBH(0.4mol l−1)水溶液を、黄色透明の溶液が黒色透明の溶液になるまで滴下した。その後、NaBHの分解に伴う気泡(水素)の発生がなくなるまで溶液を撹拌したのち、逆ミセル溶液RM−Aと混合した。その後は、前項に示す手順、条件と同様に焼成まで行った。
(ガス拡散型酸素電極の作製および評価)
ガス拡散型電極は図8、9に示すようにガス拡散層(第1層)と反応層(第2層)の二層からなる。以下に、電極作製方法を示す。
・ガス拡散層粉末の作製
アセチレンブラックAB−7(電気化学工業(株)製、BET比表面積47m/g)および分散剤として非イオン性界面活性剤TritonX−100(キシダ化学(株)製、特級)を蒸留水に混合し、ミキサーで1分間混練してAB−7を蒸留水に分散した。蒸留水、AB−7、TritonX−100の重量比は1:1:30とした。次にPTFEディスパージョン(ダイキン工業(株)製、POLYFLON PTFE(D−1))を添加し、さらに1分間混練した。そしてこの混合物を吸引ろ過により回収し、120℃で3時間以上乾燥させた後、分散剤として使用したTritonX−100を除去するために、空気中で280℃3時間加熱してガス拡散層用粉末とした。
・ガス反応層粉末の作製
図10にガス反応層粉末の作製フローチャートを示す。まず、作製したLa−Mn系ペロブスカイト型酸化物とカーボンブラック(ケッチェンブラックインターナショナル(株)製EC600JD、BET比表面積1270m/g)とが重量比で3:7となるように蒸留水に混合した。ここで、カーボンブラックは疎水性であるため、疎水性粉末の分散剤として1−ブタノール(キシダ化学(株)製、特級)を1ml添加し、カーボンブラックを蒸留水50mlに分散させた後、45kHzで10分間超音波分散させた。次にPTFEディスパージョンをカーボンとLa−Mn系ペロブスカイト型酸化物を合わせた質量に対して15wt%となる量を添加した。再度、45kHzで30分間超音波分散させた後、これを吸引ろ過し、120℃で3時間以上乾燥させた後、ミキサーにて粉砕して反応層用粉末とした。
・ガス拡散電極の作製
専用金型の上にNiメッシュ(ニラコ(株)製、100mesh)を置き、固定した。次に、ガス供給層用粉末をNiメッシュ上に敷き詰め、1.3MPaで一軸加圧した。次にその内側に反応層用粉末を敷き詰め、加圧した。最後に膜全体を、2.6MPaで一軸加圧成型した。そして金型ごと電気炉内に入れて金型を360℃まで加熱した後取り出して5.2MPaで一軸加圧し、直後に急冷してガス拡散型電極とした。
・評価方法
評価はガス拡散電極をPTFE製セルに作製した電極を取り付け、100ml/min酸素流通化で行った。電解液は8M KOH、対極はPt板、参照電極にはHg/HgO電極(0.028V vs. NHE)をそれぞれ用いた。測定は恒温槽につけてセルを60℃に保ち、ガルバノスタットを用いて、定電流を加え、そのときの電位を3電極測定法により測定した。
この測定結果を図1のグラフに示す。図から明らかなように、従来の(a)LMOと比較して、全電流密度領域において本発明の(b)Pt置換LMOおよび(c)Pt担持LMOの電位が貴な値を示し、酸素還元に伴う過電圧が小さかった。特に、低電流密度領域において、本発明のPt担持/置換LMOが優れていることが分かった。


Claims (10)

  1. 貴金属を担持もしくは置換したペロブスカイト型酸化物を導電性担体に均一分散した触媒を用いたことを特徴とするガス拡散電極。
  2. 前記ペロブスカイト型酸化物がランタンとマンガンを主成分として含有することを特徴とする請求項1に記載のガス拡散電極。
  3. 前記貴金属が白金であることを特徴とする請求項1に記載のガス拡散電極。
  4. 前記導電性担体がカーボンであることを特徴とする請求項1に記載のガス拡散電極。
  5. ガス拡散電極の構造が少なくとも2層からなり、空気拡散の役割をする第1層が導電材と集電体と撥水剤から構成され、反応の役割をする第2層が請求項1に記載の触媒と導電材からなることを特徴とするガス拡散電極。
  6. 前記導電材がカーボン粒子であり、前記第1層と前記第2層で使用する導電材の粒子径が異なり、前記第2層が前記第1層に対して微細であることを特徴とする請求項5に記載のガス拡散電極。
  7. 前記第1層内に存在する集電材が導電性金属、少なくともニッケルを含んでいることを特徴とする請求項5に記載のガス拡散電極。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のガス拡散電極を用いたことを特徴とする空気電池。
  9. ランタン、マンガン硝酸塩水溶液を内包する溶液に白金錯体を含む溶液を混合し、導電性担体を加え、焼成をすることで貴金属を担持もしくは置換したペロブスカイト型酸化物を使用することを特徴とするガス拡散電極の作製方法。
  10. 前記触媒の焼成温度が650℃以上であることを特徴とする請求項9に記載のガス拡散電極の作製方法。
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