JP6836603B2 - 金属空気電池 - Google Patents

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Description

本開示は、負極活物質に亜鉛等の金属を用い、正極活物質に空気中の酸素を用いる金属空気電池に関する。
金属空気電池は、空気極(正極)と、金属負極(負極)と、電解質層(電解液)とを備えて構成されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、極活物質となる金属(亜鉛)を含む金属負極と、充電時に正極として用いる酸素発生極と、放電時に正極として用いる酸素還元極(空気極)を備えた3極方式の亜鉛空気電池が開示されている。
特許文献1における亜鉛空気電池では、酸素還元極は金属負極の一方の面側に第1隔壁を介して配置されており、酸素発生極は金属負極の他方の面側に第2隔壁を介して配置されている。特許文献1では、第2隔壁は酸素発生極と接触し、金属負極とは接触しない構成とされている。
特開2014−127289号公報
特許文献1の亜鉛空気電池では、第2隔壁は酸素発生極と接触し、金属負極とは接触していない。このような構成では、金属負極と第2隔壁との間に電解液が介在し、金属負極から負極活物質が電解液中に溶け出す、あるいは滑落する。そのため、充放電が繰り返されると、電解液中または金属負極表面に負極活物質が不均一に析出し、電池のサイクル特性が悪化する。
本開示は、上記課題に鑑みてなされたものであり、負極活物質の不均一な析出による金属空気電池におけるサイクル特性の悪化を防止することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本開示の実施形態に係る金属空気電池は、金属負極と、前記金属負極の一方の面側に配置される酸素発生極と、前記金属負極の他方の面側に配置される空気極とを有する金属空気電池であって、前記金属負極は、少なくとも前記酸素発生極と対向する側の負極活物質層を有しており、前記負極活物質層と前記酸素発生極との間に設けられ、前記負極活物質層と接触するように配置された第1セパレータ、を備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、第1セパレータが金属負極と酸素発生極との間に介装され、第1セパレータと金属負極とが接触していることで、負極活物質が電解液中に滑落することを抑制し、第1セパレータ内に負極活物質を留めることができる。これにより、負極活物質層の表面に負極活物質が不均一に析出することを抑制することができ、その結果、電池のサイクル特性の悪化を防止できる。
また、上記金属空気電池では、前記金属負極は、さらに負極集電体を有しており、前記負極活物質層は、前記負極集電体に対して前記酸素発生極側に設けられた第1負極活物質部と、前記負極集電体に対して前記空気極側に設けられた第2負極活物質部と、を有しており、前記第1負極活物質部の厚みは、前記第2負極活物質部の厚みよりも大きい構成とすることができる。
一般に、金属空気電池では、充電時に酸素発生極側で負極活物質の金属(亜鉛等)が還元すると、デンドライト(針状の金属析出物)が成長し、負極と酸素発生極間で短絡が生じる問題がある。上記の構成によれば、第1負極活物質部の厚みを第2負極活物質部の厚みよりも大きくすることで、負極集電体から第1負極活物質部の表面(金属負極における酸素発生極側の表面)までの距離を長くすることができる。これにより、第1負極活物質部の表面でのデンドライトの成長を抑制することができ、従来の金属空気電池よりも深い深度での充電が可能となる。
また、上記金属空気電池では、前記金属負極は、さらに負極集電体を有しており、前記負極活物質層は、前記負極集電体に対して前記酸素発生極側に設けられた第1負極活物質部と、前記負極集電体に対して前記空気極側に設けられた第2負極活物質部と、を有しており、前記第2負極活物質部の平均気孔率は、前記第1負極活物質部の平均気孔率よりも大きい、あるいは、前記第2負極活物質部の平均密度は、前記第1負極活物質部の平均密度よりも大きい構成とすることができる。
上記の構成によれば、第2負極活物質部の平均気孔率を第1負極活物質部よりも大きくすることで、空気極と負極集電体との間のイオン伝導抵抗を低下させることができる。これにより、放電電圧を高くすることができ、放電時において第2負極活物質部が不活性となることを防止できる。
また、上記金属空気電池では、前記金属負極と前記空気極との間に設けられ、前記金属負極の前記空気極側の面と接触するように配置された第2セパレータ、を備えており、前記第1セパレータがアニオン交換膜であり、前記第2セパレータが樹脂製の多孔質膜である構成とすることができる。
また、上記金属空気電池では、前記酸素発生極の両側に前記金属負極がそれぞれ配置され、さらに、前記金属負極のさらに外側に前記空気極がそれぞれ配置されている構成とすることができる。
上記の構成によれば、酸素発生極の両側に金属負極をそれぞれ設け、さらに、それぞれの金属負極の外側に空気極が配置されている。この構成では、1つの酸素発生極を2つの金属負極で利用できる構成、言い換えれば、酸素発生極と金属負極とからなる充電部を2対備えた構成となるため、より高いエネルギー密度を実現することができる。
また、上記金属空気電池では、前記第1負極活物質部の厚みと前記第2負極活物質部の厚みの比は3:1〜120:1である構成とすることができる。
また、上記金属空気電池では、前記金属負極は、さらに負極集電体を有しており、前記負極活物質層は、前記負極集電体に対して前記酸素発生極側に設けられた第1負極活物質部と、前記負極集電体に対して前記空気極側に設けられた第2負極活物質部と、を有しており、前記第1負極活物質部の平均気孔率は、5〜55%の範囲であり、前記第2負極活物質部の平均気孔率は、65〜95%の範囲である構成とすることができる。
また、上記金属空気電池では、前記金属負極は、さらに負極集電体を有しており、前記負極集電体は、前記負極活物質層と前記空気極との間で、前記負極活物質層と接触して配置され、さらに、前記金属負極と前記空気極との間に設けられ、前記金属負極の前記負極集電体と接触するように配置された第2セパレータ、を備えている構成とすることができる。
また、上記金属空気電池では、前記金属負極は、さらに負極集電体を有しており、前記負極活物質層は、前記負極集電体に対して前記酸素発生極側に設けられた第1負極活物質部と、前記負極集電体に対して前記空気極側に設けられた第2負極活物質部と、を有しており、さらに、前記金属負極と前記空気極との間に設けられ、前記第2負極活物質部と接触するように配置された第2セパレータ、を備えている構成とすることができる。
また、上記金属空気電池では、前記酸素発生極と前記第1セパレータとの間に、開口部を有する第1絶縁体が配置されている構成とすることができる。
本開示の実施の形態に係る金属空気電池は、第1セパレータが金属負極と酸素発生極との間に介装され、第1セパレータと金属負極とが接触していることで、負極活物質が電解液中に滑落することを抑制し、第1セパレータ内に負極活物質を留めることができる。これにより、負極活物質層の表面に負極活物質が不均一に析出することを抑制することができ、その結果、電池のサイクル特性の悪化を防止できるといった効果を奏する。
実施の形態1に係る金属空気電池の基本構成の一例を示す概略断面図である。 実施の形態2に係る金属空気電池の基本構成の一例を示す概略断面図である。 実施の形態3に係る金属空気電池の基本構成の一例を示す概略断面図である。 実施の形態4に係る金属空気電池の基本構成の一例を示す概略断面図である。 実施の形態5に係る金属空気電池の基本構成の一例を示す概略断面図である。 実施の形態6に係る金属空気電池の基本構成の一例を示す概略断面図である。 図6の金属空気電池で用いられる排気流路部材の平面図である。 実施の形態7に係る金属空気電池の基本構成の一例を示す概略断面図である。 実施の形態8に係る金属空気電池の基本構成の一例を示す概略断面図である。 実施の形態9に係る金属空気電池の基本構成の一例を示す概略断面図である。
〔実施の形態1〕
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、実施の形態1に係る金属空気電池1の基本構成の一例を示す概略断面図である。なお、図1は、内部構成が見易いように実際の寸法より幅広に図示した模式的な断面図としている。
実施の形態1に係る金属空気電池1は、金属負極12と、酸素発生極13と、空気極14と、第1セパレータ15aとで構成され、電槽20内の電解液17中に少なくとも一部が浸漬した状態で互いに平行に配置された3極方式の金属空気二次電池を例示している。金属負極12は、負極活物質となる金属を含む。酸素発生極13は、充電時に正極として用いられる。空気極14は、放電時に正極として用いられる。
すなわち、金属空気電池1は、金属負極12、酸素発生極13、空気極14および第1セパレータ15aが電槽20内で平行に配置されており、金属負極12の一方側(図1では左側)に酸素発生極13が配置され、金属負極12の他方側(図1では右側)に空気極14が配置されている。第1セパレータ15aは、金属負極12と酸素発生極13との間に介装され、金属負極12に接触している。
この金属空気電池1は、例えば、亜鉛空気電池、リチウム空気電池、ナトリウム空気電池、カルシウム空気電池、マグネシウム空気電池、アルミニウム空気電池、鉄空気電池などに適用可能であるが、特に、金属負極が亜鉛種である亜鉛空気電池に好適に用いることができる。亜鉛空気電池は、例えばリチウム空気電池のように引火性の電解液(電解質)を使用する必要がなく、アルカリ系の電解液(電解質)を利用することができるため、安全性が高いといった利点がある。また、亜鉛空気電池は、リチウム空気電池よりも低コストで負極が製造できるため、大容量化が容易であるといった利点がある。
次に、金属空気電池1を構成する各部材について具体的に説明する。
(空気極14の説明)
空気極14は、酸素還元能を有する触媒を含み、かつ金属空気電池1の放電時に正極となる多孔性の電極である。空気極14では、電解液17としてアルカリ性水溶液を使用する場合、触媒上において電解液17などから供給される水と、大気から供給される酸素ガスと、電子とが反応し水酸化物イオン(OH−)を生成する放電反応が起こる。つまり、空気極14において、酸素(気相)、水(液相)、電子伝導体(固相)が共存する三相界面において放電反応が進行する。
また、空気極14は、大気に含まれる酸素ガスが拡散できるように設けられる。例えば、空気極14は、少なくとも空気極14の表面の一部が大気に曝されるように設けることができる。図1に示した金属空気電池1では、後述する電槽20に空気取込口24を設けており、空気取込口24を介して大気に含まれる酸素ガスが空気極14中に拡散できる。なお、この空気取込口24を介して空気極14に水を供給してもよい。
図1に示す空気極14は、空気極集電体14a、触媒を含む触媒層14bおよび撥水層14cにより構成されている。
触媒層14bは、例えば、導電性の多孔性担体と、多孔性担体に担持された触媒とを含んでいてもよい。これにより、触媒上において、酸素ガスと水と電子とが共存する三相界面を形成することが可能になり、放電反応を進行させることができる。触媒層14bが含む触媒としては、例えば酸素還元能を有する触媒(酸素活性触媒)が挙げられる。酸素活性触媒の例としては、ニッケル、パラジウムおよび白金等の白金族、コバルト、マンガンおよび鉄等の遷移金属を含むペロブスカイト型酸化物、ルテニウム、パラジウムなどの貴金属酸化物、酸化マンガン等が挙げられる。
空気極集電体14aは、多孔性でかつ電子伝導性を有する材料であることが望ましい。電解液17としてアルカリ性水溶液を使用する場合には、耐腐食性の観点から、ニッケル、あるいは、ステンレスなどの金属素材の表面に対してニッケルメッキを施した材料を使用することが望ましい。メッシュ、エキスパンドメタル、パンチングメタル、金属粒子や金属繊維の焼結体、発泡金属などを使用することで空気極集電体14aを多孔性とすることができる。また、空気極集電体14aは、触媒層14bに対して金属負極12との対向側に配置されることが好ましい。
また、空気極集電体14aは、ガス拡散層として機能してもよい。この場合、空気極集電体14aは、例えば、撥水樹脂により表面処理されたカーボンペーパーやカーボンクロス、あるいは、カーボンブラックと撥水樹脂からなる多孔性シートである。撥水樹脂は、電解液17の漏洩を防ぐために設けられ、気液分離機能を有する。すなわち、電解液17が電槽20から漏洩するのを防ぎ、かつ触媒層14bへの酸素ガスの供給を妨げない。
撥水層14cは、撥水樹脂を含有した多孔性の材料であり、触媒層14bに対して空気極集電体14aと反対側(すなわち金属負極12と反対側)に配置されている。撥水層14cの配置により、空気極14を介した電解液の漏洩を抑制することができる。撥水樹脂は、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である。
また、空気極14は、空気極端子(図示せず)と電気的に接続することができる。これにより、触媒層14bで生じた電荷を図示しない外部回路へと取り出すことができる。
(酸素発生極13の説明)
酸素発生極13は、充電時に正極として働く多孔性の電極である。酸素発生極13では、電解液17としてアルカリ性水溶液を使用する場合、水酸化物イオン(OH−)から酸素と水と電子とが生成される反応が起こる(充電反応)。つまり、酸素発生極13において、酸素(気相)、水(液相)、電子伝導体(固相)が共存する三相界面において充電反応が進行する。
また、酸素発生極13は、充電反応の進行により生成する酸素ガスが拡散できるように設けられる。例えば、酸素発生極13は、少なくとも酸素発生極の一部が外気と連通するように設けることができる。図1に示した金属空気電池1では、後述する電槽20に空気排出口25を設けており、充電反応の進行により生成した酸素は、空気排出口25を介して外気に排出される。
酸素発生極13は、多孔性でかつ電子伝導性を有する材料であることが望ましい。電解液17としてアルカリ性水溶液を使用する場合、耐腐食性、充電反応に対する触媒能の観点から、ニッケル、あるいは、ステンレスなどの金属素材の表面に対してニッケルメッキを施した材料を使用することが望ましい。メッシュ、エキスパンドメタル、パンチングメタル、金属粒子や金属繊維の焼結体、発泡金属などを使用することで酸素発生極13を多孔性とすることができる。また、酸素発生極13は、表面に充電反応を促進する触媒粒子を更に備えていてもよい。
一方、酸素発生極13は、酸素発生極集電体(図示せず)を更に備えていてもよい。酸素発生極集電体としては、多孔性でかつ電子伝導性を有する材料であることが望ましい。
また、酸素発生極13は、酸素発生極端子(図示せず)と電気的に接続することができる。これにより、充電反応に必要となる電荷を図示しない外部回路から酸素発生極13へ供給することができる。
(金属負極12の説明)
金属負極12は、金属元素を含む活物質(負極活物質)を含む電極であり、放電時には活物質の酸化反応が、充電時には還元反応が起こる。金属元素としては、亜鉛、リチウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄などが用いられる。金属元素が亜鉛である場合、放電時には、金属亜鉛の酸化反応が起こる。すなわち、亜鉛が酸化した結果、電解液17中にジンケートイオンとして溶解する場合と、直接酸化亜鉛や水酸化亜鉛が生成する場合とがある。
一方、充電時には、金属亜鉛への還元反応が起こる。すなわち、電解液17中に溶解しているジンケートイオンの還元により亜鉛が生成する場合と、酸化亜鉛や水酸化亜鉛が直接亜鉛へと還元する場合とがある。
以上のように、放電反応、充電反応ともに活物質に加え、水酸化物イオン(OH−)が関わる反応が起こるため、金属負極12は活物質および水酸化物イオン(OH−)の伝導パスとして働く電解液17が効率的に接する構造でなければならない。例えば、金属負極12を活物質粒子からなる多孔性の電極とすることで、活物質粒子の粒子間の空隙に電解液17が浸透するため、活物質粒子と電解液17との接触界面を広げることができる。また、金属負極12は更にバインダーを含んでいてもよい。バインダーを含むことで、活物質同士を結着させることが可能となる。
また、活物質は、還元状態の金属であってもよいし、酸化状態の金属であってもよく、還元状態の金属と酸化状態の金属が混合していてもよい。活物質に含まれる金属元素が亜鉛である場合、還元状態では金属亜鉛、酸化状態では酸化亜鉛である。酸化または還元反応が活物質の表面から進むため、金属元素として亜鉛を含む活物質では、表面に酸化亜鉛が多く、バルクに金属亜鉛が多くなる状態や、反対に、表面に金属亜鉛が多く、バルクに酸化亜鉛が多くなる状態もあってもよい。また、亜鉛を含む金属負極12は、放電後に電槽20から取り出して、酸化亜鉛を亜鉛に還元することも可能である。
金属負極12は、図1に示すように、活物質を含む負極活物質層12aと負極集電体12bとを備える構成であってもよい。負極集電体12bとしては、多孔性でかつ電子伝導性を有する材料であることが望ましい。自己腐食抑制の観点から水素過電圧の高い材料、もしくは、ステンレスなどの金属素材の表面に対して水素過電圧の高い材料によるメッキを施した材料を使用することが望ましい。メッシュ、エキスパンドメタル、パンチングメタル、金属粒子や金属繊維の焼結体、発泡金属などを使用することで、負極集電体12bを多孔性とすることができる。尚、図1に示す負極集電体12bは、負極活物質層12aに対して第1セパレータ15aと反対側に配置されているが、負極活物質層12aと第1セパレータ15aとの界面に配置されるものでなければ、負極集電体12bの配置位置は特に限定されない。すなわち、負極活物質層12aは、少なくとも酸素発生極13と対向していればよい。また、負極活物質層12aは、少なくとも酸素発生極13と対向する面を有していることが好ましい。酸素発生極13と対向する負極活物質層12aの面は凹凸面であってもよい。
また、金属負極12は、金属負極端子(図示せず)と電気的に接続することができる。これにより、金属負極12で消費/生成する電荷を図示しない外部回路へ授受できる。
(第1セパレータ15aの説明)
金属空気電池で用いられるセパレータ(第1セパレータ15aを含む)は、一般に、電極間で電子伝導経路が形成され短絡することを防ぐもので、電子的に絶縁性の材料で形成される。例えば、充電時に金属負極12で還元析出した金属デンドライトが、酸素発生極13に到達し、短絡することを抑制する。
第1セパレータ15aとしては、多孔性樹脂シート、イオン交換膜などの固体電解質シートが利用される。電極間に第1セパレータ15aを配置した場合、第1セパレータ15aによりイオン伝導が妨げられると電池の充電反応および放電反応を起こすことができないが、上記の材料を使用することで、電極間に配置された第1セパレータ15aを介してイオン伝導が起こる。
(電解液17の説明)
電解液17は、溶媒に電解質が溶解しイオン導電性を有する液体である。電解液17の種類は、金属電極に含まれる活物質の種類によって異なるが、水溶媒を用いた電解液(電解質水溶液)であってもよい。
例えば、亜鉛空気電池、アルミニウム空気電池、鉄空気電池の場合、電解液17には、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などのアルカリ性水溶液を用いることができ、マグネシウム空気電池の場合、電解液17には塩化ナトリウム水溶液を用いることができる。リチウム空気電池の場合、有機性の電解液17を用いることができる。
電解液17には、電解質以外の有機添加物や無機添加物が添加されても良く、高分子添加物によりゲル化されていてもよい。
(電槽20の説明)
電槽20は、その内部に電解液17に浸漬した金属負極12、酸素発生極13、空気極14を収納する筐体であり、内部が空洞とされた直方体状に形成されている。すなわち、矩形状に形成された第1主壁21と第2主壁22とが対向配置されており、これら第1主壁21及び第2主壁22の左右両側縁部及び下縁部の3方が側壁23によって連接され、上縁部側が開放された形状となっている。このように形成された電槽20は、幅方向X及び高さ方向Zに対して、厚さ方向(側壁23の幅方向)Yでのサイズが小さく形成されている。具体的には、電槽20のサイズは、幅方向X(横)が例えば200mm、厚さ方向Y(奥行)が例えば20.84mm、高さ方向Z(縦)が例えば135mmである。
第1主壁21には空気取込口(複数の孔)24が内部を開口するように形成され、第2主壁22には空気排出口(複数の孔)25が内部を開口するように形成されている。つまり、電槽20は、空気取込口24を介して内部に空気を取り込み、空気排出口25を介して外部に空気を排出する構成とされている。
また、電槽20の上縁部は、電解液投入口とされており、電解液投入口を介して内部に電解液17を補充することができる。また、電槽20には、この電解液投入口を閉塞する蓋部(図示せず)が装着可能に設けられる。
電槽20及び蓋部を構成する材料は、電解液17に対して耐腐食性を有する材料であれば特に限定されず、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ酢酸ビニル、ABS樹脂、塩化ビニリデン、ポリアセタール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、フッ素樹脂、エポキシ樹脂などである。
以上で、空気極14、酸素発生極13、金属負極12、第1セパレータ15a及び電槽20の説明を終了する。
本実施の形態1にかかる金属空気電池1は、第1セパレータ15aが金属負極12と酸素発生極13との間に介装され、第1セパレータ15aと金属負極12とが接触していることを特徴的構成としている。すなわち、第1セパレータ15aが金属負極12の負極活物質層12aを覆うことで、負極活物質が電解液17中に滑落することを抑制し、第1セパレータ15a内に負極活物質を留めることができる。これにより、負極活物質層12aの表面に負極活物質が不均一に析出することを抑制することができる。そして、負極活物質が不均一な析出を抑制することで、電池のサイクル特性の悪化を防止できる。
〔実施の形態2〕
図2は、実施の形態2に係る金属空気電池2の基本構成の一例を示す概略断面図である。金属空気電池2は、実施の形態1に係る金属空気電池1と類似した構成であるため、ここでは異なる部分のみを説明する。また、構成および機能が同じ部材については実施の形態1と同一の部材番号を付し、詳細な説明は省略する。
図2に示す金属空気電池2では、負極集電体12bを負極活物質層12aの内部に配置している。すなわち、負極活物質層12aは、負極集電体12bに対して酸素発生極13側に配置される第1負極活物質部12a1と、空気極14側に配置される第2負極活物質部12a2とを含んでいる。また、第1負極活物質部12a1の厚みは、第2負極活物質部12a2の厚みよりも大きいものとされている。尚、第1負極活物質部12a1の厚みと第2負極活物質部12a2の厚みとの比は、1:1〜120:1の範囲とすることが好ましく、3:1〜120:1の範囲とすることがさらに好ましい。第1負極活物質部12a1の厚みと第2負極活物質部12a2の厚みの比が120:1を超えると、第1負極活物質部12a1で分極し、金属空気電池2の起電力が下がる可能性がある。第1負極活物質部12a1および第2負極活物質部12a2の厚みは、例えば、マイクロメータや、ロータリーキャリパー計等の厚み計により計測することができる。
一般に、金属空気電池では、充電時に酸素発生極側で負極活物質の金属(亜鉛等)が還元すると、デンドライト(針状の金属析出物)が成長し、負極と酸素発生極間で短絡が生じる問題がある。この時、集電極近傍から順に金属の還元が起こることが明らかになっている。このため、金属空気電池2では、負極集電体12bの位置を負極活物質層12aの中心よりも空気極14側にずらして配置することで、負極集電体12bから第1負極活物質部12a1の表面(金属負極12における酸素発生極側の表面)までの距離を長くしている。これにより、第1負極活物質部12a1の表面でのデンドライトの成長を抑制することができる。その結果、金属空気電池2は、同じ負極活物質量であっても、負極活物質層12aの中心に負極集電体を配置した金属空気電池よりも深い深度での充電が可能となる。
なお、負極集電体12bが空気極14側で露出されている場合、充電時に負極集電体12bの表面でデンドライトが析出し、金属負極12と空気極14間で短絡が生じる恐れがあるため、図2に示すように第2負極活物質部12a2が存在することが好ましい。さらに、第2負極活物質部12a2が存在する場合には、第2負極活物質部12a2の表面もセパレータで覆われていることが好ましい。このため、図2に示す金属空気電池2では、第1セパレータ15a以外に、第2負極活物質部12a2を覆う(第2負極活物質部12a2と接触する)第2セパレータ15bを含んでいる。尚、第1セパレータ15aと第2セパレータ15bとは、同じ材料であってもよく異なった材料であってもよい。
〔実施の形態3〕
図3は、実施の形態3に係る金属空気電池3の基本構成の一例を示す概略断面図である。金属空気電池3は、実施の形態1,2に係る金属空気電池1,2と類似した構成であるため、ここでは異なる部分のみを説明する。また、構成および機能が同じ部材については実施の形態1,2と同一の部材番号を付し、詳細な説明は省略する。
図3に示す金属空気電池3では、負極集電体12bを負極活物質層12aの内部に配置している。すなわち、負極活物質層12aは、負極集電体12bに対して酸素発生極13側に配置される第1負極活物質部12a1と、空気極14側に配置される第2負極活物質部12a2とを含んでいる。また、第2負極活物質部12a2の平均気孔率は、第1負極活物質部12a1の平均気孔率よりも大きいものとされている。尚、第1負極活物質部12a1の平均気孔率は5〜60%の範囲とすることが好ましく、さらに5%〜55%の範囲とすることが好ましい。また、第2負極活物質部12a2の平均気孔率は60〜95%の範囲とすることが好ましく、さらに65%〜95%の範囲とすることが好ましい。
金属空気電池3において、空気極14側に配置される第2負極活物質部12a2は、第1負極活物質部12a1に比べて酸素発生極13からの距離が遠くなる。そのため、充電時において第2負極活物質部12a2で還元される活物質は少なくなり、放電時において第2負極活物質部12a2が不活性となりやすい。
金属空気電池3では、第2負極活物質部12a2の平均気孔率を大きくすることで、空気極14と負極集電体12bとの間のイオン伝導抵抗を低下させることができ、これにより、放電電圧を高くすることができる。
上記「平均気孔率」は、一般的な水銀ポロシメータによって負極活物資部中の細孔容積を測定し、負極活物質部の見かけの体積で除して100を掛けることで求めることができる。細孔容積は、例えば、株式会社島津製作所製の水銀ポロシメータ「オートボアIV9500」を用いた場合、0.01psi〜33000psiの圧力範囲で測定を行うことによって、500μm〜0.0055μmの範囲の細孔径に相当する空隙の細孔容積を測定することができる。負極活物質部の見かけの体積は、平面視での負極活物質の面積と厚みとの積によって算出することができる。より具体的には、例えばまず測定対象たる負極活物質部を打ち抜き機やカッター等で測定サンプルを切りだす。次に、上記測定サンプルの負極活物質部の平面視における面積と厚みを計測し、これらの値を乗じて負極活物質部の見かけ体積を算出する。
〔実施の形態4〕
図4は、実施の形態4に係る金属空気電池4の基本構成の一例を示す概略断面図である。金属空気電池4は、実施の形態1〜3に係る金属空気電池1〜3と類似した構成であるため、ここでは異なる部分のみを説明する。また、構成および機能が同じ部材については実施の形態1〜3と同一の部材番号を付し、詳細な説明は省略する。
図4に示す金属空気電池4では、負極活物質層12aを酸素発生極13側に配置される第1負極活物質部12a1のみとし、負極集電体12bの空気極14側には多孔体(好適には、樹脂製の多孔質膜)である第2セパレータ15bを配置している。第2セパレータ15bは、負極集電体12bの表面を覆う(負極集電体12bと接触する)ように配置されることが好ましい。尚、金属空気電池4において、第1セパレータ15aはアニオン交換膜とすることが好ましい。アニオン交換膜は負極活物質に選択される金属種のイオンが透過することを抑制する。そのため、実施の形態4に係る金属空気電池4は、充電時における負極活物質の析出するデンドライトを抑制し、酸素発生極−負極間の短絡を防ぐことができる。
実施の形態2,3では、負極集電体12bの空気極14側に第2負極活物質部12a2を設けた構成としているが、第2負極活物質部12a2は第1負極活物質部12a1に比べて酸素発生極13からの距離がある。そのため、充電時において第2負極活物質部12a2で還元される活物質は少なくなり、放電時において第2負極活物質部12a2が不活性となりやすい。
そこで、実施の形態4に係る金属空気電池4では、負極集電体12bの空気極14側には第2負極活物質部12a2を設けずに第2セパレータ15bのみを配置し、第2セパレータ15bを多孔体としている。これにより、空気極14と負極集電体12bとの間のイオン伝導抵抗を低下させることができるため、金属空気電池4の放電電圧を高くすることができる。
〔実施の形態5〕
図5は、実施の形態5に係る金属空気電池5の基本構成の一例を示す概略断面図である。金属空気電池5は、実施の形態1〜4に係る金属空気電池1〜4と類似した構成であるため、ここでは異なる部分のみを説明する。また、構成および機能が同じ部材については実施の形態1〜4と同一の部材番号を付し、詳細な説明は省略する。
図5に示す金属空気電池5では、金属負極12に対して酸素発生極13側に第1絶縁体16aを配置している。具体的には、第1セパレータ15aと酸素発生極13との間に第1絶縁体16aを配置している。また、金属負極12に対して空気極14側に第2絶縁体16bを配置している。
図5の構成では、金属負極12において第2負極活物質部12a2を設け、さらに、第2セパレータ15bを備えた場合の金属空気電池5を例示している。そして、第2絶縁体16bは、第2セパレータ15bと酸素発生極13との間に配置されている。しかしながら、本開示はこれに限定されるものではなく、本実施の形態5において第2負極活物質部12a2および第2セパレータ15bは省略されていてもよい。このため、第2負極活物質部12a2および第2セパレータ15bの有無によって、第2絶縁体16bは、第2負極活物質部12a2と酸素発生極13との間に配置される場合や、負極集電体12bと酸素発生極13との間に配置される場合もある。
第1絶縁体16aおよび第2絶縁体16bの何れにも、1つ以上の開口部が設けられる。また、第1絶縁体16aと第2絶縁体16bとでは、第2絶縁体16bの開口部の開口率の方が大きい。第1絶縁体16aの「開口率」とは、第1絶縁体16aの開口部が設けられた面の面方向における開口部の開口面積の総和を、開口部を含む第1絶縁体16aの同面方向の面積で除し、100をかけて算出する。第2絶縁体16bの「開口率」とは、第1絶縁体16bの開口部が設けられた面の面方向における開口部の開口面積の総和を、開口部を含む第1絶縁体16bの同面方向の面積で除し、100をかけて算出する。
充電時には、金属負極12のエッジ部に電流集中が生じる結果、デンドライトが成長して金属負極12と酸素発生極13との間で短絡が生じる虞がある。金属空気電池5では、第1絶縁体16aを備えることで、充電時の金属負極12のエッジへの電流集中を抑制でき、短絡を防ぐことができる。
また、第1絶縁体16aよりも開口率が大きい第2絶縁体16bを備えることで、空気極14側で金属負極12の露出面積を大きくすることができ、放電時には逆にエッジに電流集中を起こすことができる。このため、充電時にエッジ部に成長したデンドライトを効率的に消費し、短絡を抑制することができる。
〔実施の形態6〕
図6は、実施の形態6に係る金属空気電池6の基本構成の一例を示す概略断面図である。金属空気電池6は、実施の形態1〜5に係る金属空気電池1〜5と類似した構成であるため、ここでは異なる部分のみを説明する。また、構成および機能が同じ部材については実施の形態1〜5と同一の部材番号を付し、詳細な説明は省略する。
図6に示す金属空気電池6は、酸素発生極13側の電池筐体内に酸素発生極13近傍で発生するガスを筐体上部から排出する排気流路を備える。具体的には、酸素発生極13と電槽20の第2主壁22との間に排気流路部材26を配置する。図7は、排気流路部材26を電槽20の第2主壁22側から(図6の左側から)見た図である。排気流路部材26は、図7に示すような櫛歯状の部材であり、隣り合う櫛歯261・261間の隙間が排気流路として作用する。あるいは、電槽20の第2主壁22の内面側に溝部を直接形成して、該溝部を排気流路としてもよい。
金属空気電池6では、排気流路を備えることにより、充電時に酸素発生極13で生成する酸素ガスの上方へのガス排出を促進することができる。これにより、面内での電流集中を抑制し、デンドライト成長による短絡を抑制できる。尚、金属空気電池6の構成の場合、電槽20の第2主壁22においてガス排出のための開口(図1に示す空気排出口25)を設ける必要はない。
〔実施の形態7〕
図8は、実施の形態7に係る金属空気電池7の基本構成の一例を示す概略断面図である。金属空気電池7は、実施の形態1〜6に係る金属空気電池1〜6と類似した構成であるため、ここでは異なる部分のみを説明する。また、構成および機能が同じ部材については実施の形態1〜6と同一の部材番号を付し、詳細な説明は省略する。
図8に示す金属空気電池7は、酸素発生極13の金属負極12に対する反対側に撥水膜18を備えている。金属空気電池7では、撥水膜18を備えることで、酸素発生極13の金属負極12と反対側の面から充電時の酸素排出が効率よく行える。これにより、面内での電流集中を抑制し、デンドライト成長による短絡を抑制できる。尚、撥水膜18は、空気極14における撥水層14cと同一材料であってもよく、異なる材料であってもよい。
〔実施の形態8〕
図9は、実施の形態8に係る金属空気電池8の基本構成の一例を示す概略断面図である。金属空気電池8は、実施の形態1〜7に係る金属空気電池1〜7と類似した構成であるため、ここでは異なる部分のみを説明する。また、構成および機能が同じ部材については実施の形態1〜7と同一の部材番号を付し、詳細な説明は省略する。
図9に示す金属空気電池8は、酸素発生極13を中央に配置し、その両側に金属負極12をそれぞれ設けた構成とされている。さらに、それぞれの金属負極12の外側に空気極14が配置されている。すなわち、金属空気電池8は、酸素発生極13を中央とした対称構造とされている。
金属空気電池8は、1つの酸素発生極13を2つの金属負極12で利用できる構成、言い換えれば、酸素発生極13と金属負極12とからなる充電部を2対備えた構成であるため、より高いエネルギー密度を実現することができる。
〔実施の形態9〕
図10は、実施の形態9に係る金属空気電池9の基本構成の一例を示す概略断面図である。金属空気電池9は、実施の形態1〜8に係る金属空気電池1〜8と類似した構成であるため、ここでは異なる部分のみを説明する。また、構成および機能が同じ部材については実施の形態1〜8と同一の部材番号を付し、詳細な説明は省略する。
図10に示す金属空気電池9は、図9に示す金属空気電池8と同様に、酸素発生極13を中央に配置し、酸素発生極13と金属負極12とからなる充電部を2対備えた構成である。そして、金属空気電池9では、酸素発生極13近傍で発生するガスを筐体上部から排出するための排気流路部材19を酸素発生極13に備えた構成とされている。具体的には、酸素発生極13の内部に排気流路部材19を配置することで排気流路を酸素発生極13に備えることができる。また、排気流路部材19は、図7に示す排気流路部材26(実施の形態6)と同様の形状とすることができる。
金属空気電池9では、実施の形態6および8の両方の特徴を有することになる。また、金属空気電池9では、排気流路部材19を設けたことで、酸素発生極13に酸素発生極13近傍で発生するガスを排出するための厚みが不要になり、酸素発生極13の厚みを薄くすることがでる。そのため、金属空気電池9は、実施の形態8に係る金属空気電池8よりも負極厚み方向における電池筐体の幅を狭くすることができる。
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
本国際出願は、2017年2月3日に日本国特許庁に出願された日本国特許出願第2017−018338号に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願第2017−018338号の全内容を参照により本国際出願に援用する。
1〜9 金属空気電池
12 金属負極
12a 負極活物質層
12a1 第1負極活物質部
12a2 第2負極活物質部
12b 負極集電体
13 酸素発生極
14 空気極
14a 空気極集電体
14b 触媒層
14c 撥水層
15a 第1セパレータ
15b 第2セパレータ
16a 第1絶縁体
16b 第2絶縁体
17 電解液
18 撥水膜
19,26 排気流路部材
20 電槽

Claims (9)

  1. 金属負極と、前記金属負極の一方の面側に配置される酸素発生極と、前記金属負極の他方の面側に配置される空気極とを有する金属空気電池であって、
    前記金属負極は、少なくとも前記酸素発生極と対向する負極活物質層を有しており、
    前記負極活物質層と前記酸素発生極との間に設けられ、前記負極活物質層と接触するように配置された第1セパレータ、を備えており、
    前記金属負極は、さらに負極集電体を有しており、
    前記負極活物質層は、前記負極集電体に対して前記酸素発生極側に設けられた第1負極活物質部と、前記負極集電体に対して前記空気極側に設けられた第2負極活物質部と、を有しており、
    前記第1負極活物質部の厚みは、前記第2負極活物質部の厚みよりも大きいことを特徴とする金属空気電池。
  2. 金属負極と、前記金属負極の一方の面側に配置される酸素発生極と、前記金属負極の他方の面側に配置される空気極とを有する金属空気電池であって、
    前記金属負極は、少なくとも前記酸素発生極と対向する負極活物質層を有しており、
    前記負極活物質層と前記酸素発生極との間に設けられ、前記負極活物質層と接触するように配置された第1セパレータ、を備えており、
    前記金属負極は、さらに負極集電体を有しており、
    前記負極活物質層は、前記負極集電体に対して前記酸素発生極側に設けられた第1負極活物質部と、前記負極集電体に対して前記空気極側に設けられた第2負極活物質部と、を有しており、
    前記第2負極活物質部の平均気孔率は、前記第1負極活物質部の平均気孔率よりも大きいことを特徴とする金属空気電池。
  3. 金属負極と、前記金属負極の一方の面側に配置される酸素発生極と、前記金属負極の他方の面側に配置される空気極とを有する金属空気電池であって、
    前記金属負極は、少なくとも前記酸素発生極と対向する負極活物質層を有しており、
    前記負極活物質層と前記酸素発生極との間に設けられ、前記負極活物質層と接触するように配置された第1セパレータ、を備えており、
    前記金属負極と前記空気極との間に設けられ、前記金属負極の前記空気極側の面と接触するように配置された第2セパレータ、を備えており、
    前記第1セパレータがアニオン交換膜であり、前記第2セパレータが樹脂製の多孔質膜であることを特徴とする金属空気電池。
  4. 請求項1からの何れか1項に記載の金属空気電池であって、
    前記酸素発生極の両側に前記金属負極がそれぞれ配置され、さらに、前記金属負極のさらに外側に前記空気極がそれぞれ配置されていることを特徴とする金属空気電池。
  5. 請求項に記載の金属空気電池であって、
    前記第1負極活物質部の厚みと前記第2負極活物質部の厚みの比は3:1〜120:1であることを特徴とする金属空気電池。
  6. 金属負極と、前記金属負極の一方の面側に配置される酸素発生極と、前記金属負極の他方の面側に配置される空気極とを有する金属空気電池であって、
    前記金属負極は、少なくとも前記酸素発生極と対向する負極活物質層を有しており、
    前記負極活物質層と前記酸素発生極との間に設けられ、前記負極活物質層と接触するように配置された第1セパレータ、を備えており、
    前記金属負極は、さらに負極集電体を有しており、
    前記負極活物質層は、前記負極集電体に対して前記酸素発生極側に設けられた第1負極活物質部と、前記負極集電体に対して前記空気極側に設けられた第2負極活物質部と、を有しており、
    前記第1負極活物質部の平均気孔率は、5〜55%の範囲であり、
    前記第2負極活物質部の平均気孔率は、65〜95%の範囲であることを特徴とする金属空気電池。
  7. 請求項に記載の金属空気電池であって、
    前記金属負極は、さらに負極集電体を有しており、
    前記負極集電体は、前記負極活物質層と前記空気極との間で、前記負極活物質層と接触して配置され、
    さらに、前記金属負極と前記空気極との間に設けられ、前記金属負極の前記負極集電体と接触するように配置された第2セパレータ、を備えていることを特徴とする金属空気電池。
  8. 請求項1,2または6に記載の金属空気電池であって、
    さらに、前記金属負極と前記空気極との間に設けられ、前記第2負極活物質部と接触するように配置された第2セパレータ、を備えていることを特徴とする金属空気電池。
  9. 請求項1から8の何れか1項に記載の金属空気電池であって、
    前記酸素発生極と前記第1セパレータとの間に、開口部を有する第1絶縁体が配置されていることを特徴とする金属空気電池。
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