JP2001266961A - 空気電池 - Google Patents

空気電池

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JP2001266961A
JP2001266961A JP2000083474A JP2000083474A JP2001266961A JP 2001266961 A JP2001266961 A JP 2001266961A JP 2000083474 A JP2000083474 A JP 2000083474A JP 2000083474 A JP2000083474 A JP 2000083474A JP 2001266961 A JP2001266961 A JP 2001266961A
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negative electrode
impregnated
positive electrode
air battery
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JP2000083474A
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English (en)
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Yasushi Nakayama
靖士 中山
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 充電が容易に行え、充放電を繰返しても性能
が低下せず、2次電池として容易に使用できる空気電池
を提供する。 【解決手段】 空気中の酸素を正極活物質とし、金属を
負極活物質とする空気電池において、電解液含浸したイ
オン交換樹脂23を、正極板13と負極20の間に挟み
込んで構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気電池に係り、
特に、充電可能な2次電池として使用することができる
空気亜鉛電池に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の空気亜鉛電池としては、
特開昭57−69679号公報に示される空気−亜鉛ボ
タン型電池がある。この空気−亜鉛ボタン型電池は、空
気中の酸素を正極活物質とし、汞化亜鉛を負極活物質と
して用いるボタン型電池において、正極合剤に塩化亜鉛
水溶液と活性炭粉末との混合物を用い、空気取入口を設
けた正極ケースの底部と正極合剤との間に撥水性多孔膜
を設置し、負極の汞化亜鉛板は封口板と圧接され、さら
にこの負極板は多層のセパレータ層で被覆されているこ
とを特徴とするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記構造の
空気−亜鉛ボタン型電池は、充電を行うと、負極の表面
に針状結晶が成長し、それが正極と接触することにより
ショートを起こす虞があった。そのために、この種の空
気−亜鉛ボタン型電池は、2次電池として使用すること
ができず、1次電池として使用するのみであった。ま
た、これを改善する手段として、例えば、特開平7−4
5270号公報には、消耗した電池の溶液と亜鉛板とを
新しいものと交換し、回収した亜鉛板と溶液は別の場所
で電解再生するという、機械式の充電方法が提案されて
いる。しかし、この方法では、再生するための工場と回
収システムの整備が必要であり、例えば、住宅等で用い
るには、非常に煩わしいものである。本発明は、このよ
うな問題に鑑みてなされたものであって、その目的とす
るところは、容易に充電が行え、充放電を繰返しても性
能が低下せず、2次電池として容易に使用できる空気電
池を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成すべく、
本発明に係る空気電池は、空気中の酸素を正極活物質と
し、金属を負極活物質とする空気電池において、正極と
負極の間に、電解液を含浸したイオン交換樹脂を設ける
ことを特徴とする。
【0005】また、本発明に係る空気電池は、空気中の
酸素を正極活物質とし、金属を負極活物質とする空気電
池において、正極と負極の間に、電解液を含浸したゲル
状混合物と電解液を含浸したイオン交換樹脂とを交互に
積層することを特徴とする。また、本発明に係る空気電
池は、空気中の酸素を正極活物質とし、金属を負極活物
質とする空気電池において、正極と負極の間に、電解液
を含浸した多孔体と電解液を含浸したイオン交換樹脂と
を交互に積層することを特徴とする。
【0006】好ましい具体的な態様としては、前記イオ
ン交換樹脂は、陰イオン交換樹脂で構成することを特徴
とし、また、前記イオン交換樹脂は、陰イオン交換樹脂
と陽イオン交換樹脂とを混合して構成することを特徴と
する。このように構成された本発明の空気電池は、充放
電を繰返しても、充放電時に発生する2価亜鉛イオンの
拡散を阻止し、針状結晶による電極間のショートを防止
でき、2次電池としての使用が可能となる。
【0007】
【発明の実施例】以下、本発明に係る空気電池の実施の
形態を、実施例に基づき詳細に説明する。図1は、本発
明に係る空気電池の一実施例の全体構成を示す断面図で
ある。 (実施例1)図1において、空気亜鉛電池10は、空気
中の酸素を正極活物質とし、亜鉛等の金属を負極活物質
とするものであり、その容器11は上方及び側面の一面
が開口11aである矩形状をしており、側面の開口する
一面は、外側に位置する多孔膜12と内側に位置する正
極板13とにより閉塞され、液体が漏洩不能な容器とし
て構成されている。多孔膜12としては、本例ではポリ
テトラフルオロエチレン(以下、PTFEという)が用
いられ、正極板13として6%炭素を含有し、3.5%
PTFEを含有し、0.5%コバルトフタロシアニンを
含有するニッケルの多孔板が用いられ、リード線14が
接続されている。容器11の底面には溝部(図示略)が
形成され、多孔膜12、正極板13、負極20、充電用
電極30が所定の間隔を有して配置されている。多孔膜
12及び正極板13は、全体として空気極を構成する。
【0008】正極板13は前記の他に、ニッケル、銅等
の金網又は多孔質基盤に、炭素粉末等の酸素吸着物質、
PTFE、PFAなどの結合用物質、白金、パラジウ
ム、コバルトフタロシアニン、銅フタロシアニン等の酸
素還元用の触媒物質を混合して焼き付けるもの等を用い
てもよく、これらのものは、公知の方法によって製造す
ることができる。
【0009】容器11の中央部には負極20が位置し、
負極20は、中央にコレクター板21が位置し、このコ
レクター板21の外側には亜鉛粉末からなる負極活物質
22と、負極活物質22のさらに外側に電解液を含浸し
たイオン交換樹脂23と、が充填されて構成される。す
なわち、本空気亜鉛電池10は、電解液含浸したイオン
交換樹脂23が、正極板13と負極20の間に挟み込ま
れた構成となっている。
【0010】コレクター板21は、亜鉛板から構成され
る。また、負極活物質22は、本例では亜鉛粉末を用い
ているが、亜鉛、アルミニウム、鉄等標準平衡電位が水
素より低い物質で、形状が粉末、顆粒状プレート状であ
れば良い。負極20は容器11内の所定位置にスペーサ
により固定され、コレクター板21から上部にリード線
24が接続されている。
【0011】イオン交換樹脂23は、電解液を含浸した
ものであり、本実施例1では電解液の一例として8モル
濃度の水酸化カリウム溶液等の強アルカリ液が使用され
ている。なお、イオン交換樹脂23に含浸する電解液
は、これに限らず、他の濃度の強アルカリ液を使用する
こともでき、また塩化アンモニウム水溶液、塩化亜鉛水
溶液等の中性液を使用することもできる。
【0012】イオン交換樹脂23の膜の厚みは、1mm
以上あることが好ましい。厚みが薄いと電解液を十分な
量を含むことができず、導電性が低下する。また、電解
液含浸したイオン交換樹脂23は、単層で用いても良い
し、複数以上積層して用いても良い。
【0013】イオン交換樹脂として、本実施例1では陰
イオン交換樹脂で構成している。この陰イオン交換樹脂
は、充放電時に発生する2価亜鉛イオンを吸着するもの
であり、吸着することにより2価亜鉛イオンの拡散を阻
止し、負極20からの針状結晶の発生を抑制でき、正極
板13と負極20とのショートを防止できるものであ
る。
【0014】イオン交換樹脂の主鎖部分としては、耐ア
ルカリ性に強いものが要求され、例えば、ポリエチレン
(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(P
S)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリメチルペンテン
(PMP)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリテ
トラフルオロエチレン(PTFE)、4フッ化エチレン
・パーフルオロアルコキエチレン共重合体(PFA)、
4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合体(FE
P)等が用いられる。
【0015】また、イオン交換樹脂として、前記のよう
に陰イオン交換樹脂が用いられ、陰イオン交換樹脂の側
鎖としては、1級から4級のアミノ基(−NH3+、N
HRH+、−NR1R2H+、−NR1R2R3H+)等
がある。なお、陽イオン交換樹脂の側鎖としては、例え
ばスルホン基(−SO3M、−SO3H)、カルボキシル
基(−COOM、−COOH)、リン酸基(−PO(O
H)2)等を持つものがある。
【0016】正極板13は、電解液含浸したイオン交換
樹脂23と空気層の境界部分に設置されるが、充電をス
ムーズに行うためにイオン交換樹脂23側に、ヒドロキ
シ基酸化用として炭化タングステン(WC)、タングス
テン酸鉄(Fe2WO4)等の触媒層を設けてもよい。
【0017】本実施例1では、正極板13とは別の、ヒ
ドロキシ基酸化触媒を添加した充電用電極30を設けて
いる。この充電用電極30は、5%タングステン酸鉄、
5%炭化タングステンを含有するニッケル多孔板より構
成され、負極20の正極板13と反対側の容器11内の
電解液含浸したイオン交換樹脂23側に配設され、リー
ド線31が接続されている。
【0018】前記の如く構成された本実施例1の空気亜
鉛電池10の作用について、以下に説明する。空気亜鉛
電池10に負荷を接続して放電する場合は、正極板13
のリード線14と、負極20のリード線24との間に接
続する。また、充電を行う場合は、充電器(図示せず)
を負極20のリード線24と、充電用電極30のリード
線31との間に接続する。充放電時に発生する2価亜鉛
イオンは、電解液含浸したイオン交換樹脂23により吸
着されて空気極側への拡散が防止され、負極20からの
針状結晶の発生は抑制される。また、電解液含浸したイ
オン交換樹脂23の内側にイオン交換樹脂を含まない層
である負極活物質22を設けることにより、負極20の
コレクター板21と金属(亜鉛)の接触性の減少を生じ
させない。
【0019】また、イオン交換樹脂23に電解液を含浸
させて用いることにより、電解液の量を大幅に減らすこ
とができる。本実施例1においては、電解液含浸したイ
オン交換樹脂23が正極と負極の間に挟み込まれ、イオ
ン交換樹脂23には、8モル濃度の水酸化カリウム電解
液を含浸させている。このようにして、5時間で行う
0.2C充放電を60回以上繰返したとき、電気容量、
放電出力密度ともに80%以上であり、1.2V、10
0mAの出力が、1.1V、100mAの出力となり、
本実施例1の空気亜鉛電池10は、2次電池として十分
の性能を有するものであった。
【0020】(実施例2)図2は本発明に係る空気電池
の他の実施例の全体構成を示す断面図である。なお、こ
の実施例2は前記した実施例1に対し、電解液含浸した
イオン交換樹脂が複数積層された構成であり、他の構成
については、同じ参照符号を付して詳細な説明は省略す
る。
【0021】実施例2の空気亜鉛電池40は負極41を
有し、負極41を構成する負極活物質22の外側に電解
液含浸した第1のイオン交換樹脂42と、電解液含浸し
た第2のイオン交換樹脂43とを充填している。第1の
イオン交換樹脂42と第2のイオン交換樹脂43とは、
互いに異なる陰イオン交換樹脂を用いている。あるい
は、一方のイオン交換樹脂には、適当な混合率の陽イオ
ン交換樹脂が混合されて構成される。他の構成は前記の
実施例1と同等である。この場合も、前記実施例1と同
様に、0.2C充放電を60回以上繰返したとき、電気
容量、放電出力密度ともに80%以上であり、1.2
V、100mAの出力が、1.1V、100mAの出力
となり、本実施例2の空気亜鉛電池40は2次電池とし
て十分の性能を有するものであった。
【0022】(比較例1)図3は比較例1の構成を示す
断面図である。なお、この比較例1は前記した実施例に
対し、負極の構成を変更したものであり、他の構成につ
いては、同じ参照符号を付して詳細な説明は省略する。
【0023】比較例1の空気亜鉛電池50の容器11の
中央部には負極51が位置し、負極51は所定間隔離れ
て位置するセパレータ52,52により構成される負極
容器内の中央に、コレクター板21が位置し、この負極
容器内には亜鉛粉末からなる負極活物質22が充填さ
れ、セパレータ52,52の外側に電解液含浸したポリ
プロピレン多孔膜53から構成されている。ポリプロピ
レン多孔膜53には、8モル濃度の水酸化カリウム電解
液を含浸させている。この比較例1のものに、前記実施
例と同様に、0.2C充放電10回を繰返すと、放電出
力が60%以下に低下し、1.2V、100mAの出力
が、0.70V、100mAの出力に低下した。
【0024】このように、実施例1、2の場合は、充放
電を繰返しても電気容量、放電出力密度ともに大幅な低
下をせず良好な数値を示し、2次電池として十分使用に
耐えるものであることは明らかであり、比較例1の場合
は、充放電を繰返すと放電能力が低下してしまい、2次
電池として使用することはあまり好ましくないことは明
白である。
【0025】(実施例3)図4は本発明に係る空気電池
の他の実施例の全体構成を示す断面図である。なお、こ
の実施例3は前記した実施例1に対し、電解液含浸した
ゲルと電解液含浸したイオン交換樹脂を交互に積層した
物を充填する構成であり、他の構成については、同じ参
照符号を付して詳細な説明は省略する。
【0026】実施例3の空気亜鉛電池60は負極61を
有し、負極61を構成する負極活物質22の外側に電解
液含浸したゲル化層62,62(ゲル状混合物)と、電
解液含浸したイオン交換樹脂63,63とを交互に積層
した物が、正極板13と負極61の間に挟み込まれた構
成となっている。
【0027】ゲル化層62は、ポリアクリルアミド、ポ
リビニルアルコールなど親水性あり、中性又はアルカリ
性のゲルを形成するものが好ましい。本実施例3ではゲ
ル化層62の一例として15%ポリアクリルアミドゲル
が使用される。ゲル化層62は、1%〜50%重量部電
解液に混合して使用する。混合量が少ないとゲル化しな
い、多すぎると導電性が低下する。
【0028】イオン交換樹脂63は、電解液を含浸した
ものであり、本実施例3では電解液の一例として8モル
濃度の水酸化カリウム溶液等の強アルカリ液が使用され
ている。なお、イオン交換樹脂63に含浸する電解液
は、これに限らず、他の濃度の強アルカリ液を使用する
こともでき、また塩化アンモニウム水溶液、塩化亜鉛水
溶液等の中性液を使用することもできる。イオン交換樹
脂63の膜の厚みは、1mm以上あることが好ましい。
厚みが薄いと電解液を十分な量を含むことができず、導
電性が低下する。
【0029】イオン交換樹脂63として、本実施例3で
は陰イオン交換樹脂で構成している。この陰イオン交換
樹脂は、充放電時に発生する2価亜鉛イオンを吸着する
ものであり、吸着することにより2価亜鉛イオンの拡散
を阻止し、負極61からの針状結晶の発生を抑制でき、
正極板13と負極61とのショートを防止できるもので
ある。
【0030】イオン交換樹脂の主鎖部分としては、耐ア
ルカリ性に強いものが要求され、例えば、ポリエチレン
(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(P
S)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリメチルペンテン
(PMP)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリテ
トラフルオロエチレン(PTFE)、4フッ化エチレン
・パーフルオロアルコキエチレン共重合体(PFA)、
4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合体(FE
P)等が用いられる。
【0031】また、イオン交換樹脂として、前記のよう
に陰イオン交換樹脂が用いられ、陰イオン交換樹脂の側
鎖としては、1級から4級のアミノ基(−NH3+、N
HRH+、−NR1R2H+、−NR1R2R3H+)等
がある。なお、陽イオン交換樹脂の側鎖としては、例え
ばスルホン基(−SO3M、−SO3H)、カルボキシル
基(−COOM、−COOH)、リン酸基(−PO(O
H)2)等を持つものがある。
【0032】本実施例3においては、負極61を構成す
る負極活物質22の外側に電解液含浸したゲル化層6
2,62と、電解液含浸したイオン交換樹脂63,63
とを交互に積層した物が、正極と負極の間に挟み込ま
れ、ゲル化層62には15%ポリアクリルアミドゲルを
使用し、イオン交換樹脂63には、8モル濃度の水酸化
カリウム電解液を含浸させている。このようにして、5
時間で行う0.2C充放電を60回以上繰返したとき、
電気容量、放電出力密度ともに80%以上であり、1.
2V、100mAの出力が、1.1V、100mAの出
力となり、本実施例3の空気亜鉛電池60は、2次電池
として十分の性能を有するものであった。また、電解液
をゲル化層62に含浸させて用いるので、持ち運びの際
に電解液がこぼれる恐れが少なくなり、また電解液の量
を節約して軽重量化を図ることができる。
【0033】(実施例4)実施例4は、実施例3に対し
て負極61を構成するゲル化層62,62を変更してい
る。実施例4の負極61を構成するゲル化層62,62
は、15%ポリビニールアルコールドゲルが使用されて
いる。他の構成は前記の実施例3と同等である。この場
合も、前記実施例3と同様に、0.2C充放電を60回
以上繰返したとき、電気容量、放電出力密度ともに80
%以上であり、1.2V、100mAの出力が、1.1
V、100mAの出力となり、本実施例4の空気亜鉛電
池は2次電池として十分の性能を有するものであった。
【0034】なお、前記した実施例3及び実施例4で
は、電解液含浸したゲル化層62,62と、電解液含浸
したイオン交換樹脂63,63とを交互に積層した2層
構造(全体では、4層構造)としているが、これには限
定されず、他の積層構造でも良い。
【0035】(実施例5)図5は本発明に係る空気電池
の他の実施例の全体構成を示す断面図である。なお、こ
の実施例5は前記した実施例3に対し、電解液含浸した
多孔体と電解液含浸したイオン交換樹脂を交互に積層し
た物を充填する構成であり、他の構成については、同じ
参照符号を付して詳細な説明は省略する。
【0036】実施例5の空気亜鉛電池70は負極71を
有し、負極71を構成する負極活物質22の外側に電解
液含浸した多孔膜72,72(多孔体)と、電解液含浸
したイオン交換樹脂73,73とを交互に積層した物
が、正極板13と負極71の間に挟み込まれた構成とな
っている。
【0037】多孔膜72は、グラスウール、ロックウー
ル、シリカなど無機セラミックスや、ポリプロピレンや
PTFE等の耐アルカリ性のある樹脂の非導電性の膜状
多孔体である。本実施例5では多孔膜72の一例として
ポプロピレン多孔膜が使用される。多孔膜72は、表面
積に占める開口率が15%以上ないと導電性が低下す
る。多孔膜72とイオン交換樹脂73は、少なくとも2
層以上交互に積層する、また陰極に接する側には必ずイ
オン交換樹脂がくることが好ましい。
【0038】イオン交換樹脂73は、電解液を含浸した
ものであり、本実施例5では電解液の一例として8モル
濃度の水酸化カリウム溶液等の強アルカリ液が使用され
ている。なお、イオン交換樹脂73に含浸する電解液
は、これに限らず、他の濃度の強アルカリ液を使用する
こともでき、また塩化アンモニウム水溶液、塩化亜鉛水
溶液等の中性液を使用することもできる。
【0039】イオン交換樹脂73の膜の厚みは、1mm
以上あることが好ましい。厚みが薄いと電解液を十分な
量を含むことができず、導電性が低下する。イオン交換
樹脂73として、本実施例5では陰イオン交換樹脂で構
成している。この陰イオン交換樹脂は、充放電時に発生
する2価亜鉛イオンを吸着するものであり、吸着するこ
とにより2価亜鉛イオンの拡散を阻止し、負極71から
の針状結晶の発生を抑制でき、正極板13と負極71と
のショートを防止できるものである。
【0040】イオン交換樹脂の主鎖部分としては、耐ア
ルカリ性に強いものが要求され、例えば、ポリエチレン
(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(P
S)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリメチルペンテン
(PMP)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリテ
トラフルオロエチレン(PTFE)、4フッ化エチレン
・パーフルオロアルコキエチレン共重合体(PFA)、
4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合体(FE
P)等が用いられる。
【0041】また、イオン交換樹脂として、前記のよう
に陰イオン交換樹脂が用いられ、陰イオン交換樹脂の側
鎖としては、1級から4級のアミノ基(−NH3+、N
HRH+、−NR1R2H+、−NR1R2R3H+)等
がある。なお、陽イオン交換樹脂の側鎖としては、例え
ばスルホン基(−SO3M、−SO3H)、カルボキシル
基(−COOM、−COOH)、リン酸基(−PO(O
H)2)等を持つものがある。
【0042】本実施例5においては、負極71を構成す
る負極活物質22の外側に電解液含浸した多孔膜72,
72と、電解液含浸したイオン交換樹脂73,73とを
交互に積層した物が、正極と負極の間に挟み込まれ、多
孔膜72にはポリプロピレン多孔膜を使用し、イオン交
換樹脂73には、8モル濃度の水酸化カリウム電解液を
含浸させている。このようにして、5時間で行う0.2
C充放電を60回以上繰返したとき、電気容量、放電出
力密度ともに80%以上であり、1.2V、100mA
の出力が、1.1V、100mAの出力となり、本実施
例3の空気亜鉛電池70は、2次電池として十分の性能
を有するものであった。また、電解液を多孔膜72に含
浸させて用いるので、持ち運びの際に電解液がこぼれる
恐れが少なくなり、また電解液の量を節約して軽重量化
を図ることができる。
【0043】ところで、前記図3に示す比較例1では、
セパレータ52,52の外側に電解液含浸したポリプロ
ピレン多孔膜53を備え、ポリプロピレン多孔膜53に
は、8モル濃度の水酸化カリウム電解液を含浸させてい
る。しかし、この比較例1のように、単に、ポリプロピ
レン多孔膜に電解液を含浸させる構成では、0.2C充
放電10回を繰返すと、放電出力が60%以下に低下
し、1.2V、100mAの出力が、0.70V、10
0mAの出力に低下してしまう。
【0044】このように、実施例5の場合は、充放電を
繰返しても電気容量、放電出力密度ともに大幅な低下を
せず良好な数値を示し、2次電池として十分使用に耐え
るものであることは明らかであり、比較例1の場合は、
充放電を繰返すと放電能力が低下してしまい、2次電池
として使用することはあまり好ましくない。
【0045】(実施例6)実施例6は、実施例5に対し
て負極71を構成する多孔膜72,72を変更してい
る。実施例4の負極71を構成する多孔膜72,72
は、ロックウールが使用されている。他の構成は前記の
実施例5と同等である。この場合も、前記実施例5と同
様に、0.2C充放電を60回以上繰返したとき、電気
容量、放電出力密度ともに80%以上であり、1.2
V、100mAの出力が、1.1V、100mAの出力
となり、本実施例6の空気亜鉛電池は2次電池として十
分の性能を有するものであった。
【0046】なお、前記した実施例5及び実施例6で
は、電解液含浸した多孔膜72,72と、電解液含浸し
たイオン交換樹脂73,73とを交互に積層した2層構
造(全体では、4層構造)としているが、これには限定
されず、他の積層構造でも良い。
【0047】なお、前記した各実施例では、負極のコレ
クター板21は亜鉛の他、アルミニウム、マグネシウ
ム、鉄等の金属を用いてもよく、前記の素材をプレー
ト、顆粒、粉末、多孔板等に成形して用いてもよい。さ
らに、これらの金属は単独で用いてもよく、あるいは放
電出力密度を高めるために、添加剤を加えたりゲル化し
て構成してもよい。
【0048】また、前記した各実施例では、充電をスム
ーズに行うために充電用電極30を設ける構成とした
が、充電用電極を省略して正極板13と負極により充電
するようにしてもよいのは勿論である。また、容器の上
方の開口を閉塞して、密閉型の空気亜鉛電池として構成
することができる。
【0049】
【発明の効果】以上の説明から理解できるように、本発
明の空気電池は、充電を容易に行うことができ、充放電
を繰返しても電気容量、放電出力密度が大幅に低下する
ことがなく、2次電池として十分に使用することができ
る。また、イオン交換樹脂に電解液を含浸させて用いる
ことにより、電解液の量を大幅に減らすことができ、コ
スト低減、軽量化を図ることができ、保守も容易となる
効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る空気電池の一実施例の全体構成を
示す断面図。
【図2】本発明に係る空気電池の比較例の全体構成を示
す断面図。
【図3】本発明に係る空気電池の一実施例の全体構成を
示す断面図。
【図4】本発明に係る空気電池の一実施例の全体構成を
示す断面図。
【図5】本発明に係る空気電池の一実施例の全体構成を
示す断面図。
【符号の説明】
10,40,60,70 空気亜鉛電池 12 多孔膜 13 正極板 20,41,61,71 負極 21 コレクター板 22 負極活物質 23,42,43,63,73 イオン交換樹脂(電解
液を含浸したイオン交換樹脂) 30 充電用電極 62 ゲル化層(電解液を含浸したゲル状混合物) 72 多孔膜(電解液を含浸した多孔体)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気中の酸素を正極活物質とし、金属を
    負極活物質とする空気電池において、正極と負極の間
    に、電解液を含浸したイオン交換樹脂を設けることを特
    徴とする空気電池。
  2. 【請求項2】 空気中の酸素を正極活物質とし、金属を
    負極活物質とする空気電池において、正極と負極の間
    に、電解液を含浸したゲル状混合物と電解液を含浸した
    イオン交換樹脂とを交互に積層することを特徴とする空
    気電池。
  3. 【請求項3】 空気中の酸素を正極活物質とし、金属を
    負極活物質とする空気電池において、正極と負極の間
    に、電解液を含浸した多孔体と電解液を含浸したイオン
    交換樹脂とを交互に積層することを特徴とする空気電
    池。
  4. 【請求項4】 前記イオン交換樹脂は、陰イオン交換樹
    脂で構成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
    かに記載の空気電池。
  5. 【請求項5】 前記イオン交換樹脂は、陰イオン交換樹
    脂と陽イオン交換樹脂とを混合して構成することを特徴
    とする請求項1乃至3のいずれかに記載の空気電池。
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