JP2015103430A - 金属空気電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、空気極を介した電解液の漏洩を抑制することができ、かつ、出力の低下を抑制することができる金属空気電池を提供する。
【解決手段】本発明の金属空気電池は、電解質水溶液を収容するように設けられた電解液槽と、前記電解液槽中に設けられかつ電極活物質を有しかつアノードとなる金属電極と、空気極触媒を有しかつ前記電解質水溶液に含まれる水が浸透可能に設けられかつカソードとなる多孔性の空気極と、前記電解液槽中に増粘剤、ゲル化剤又は固化剤を投入する投入部とを備えることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属空気電池に関する。
金属空気電池は高いエネルギー密度を有するため、次世代の電池として注目されている。金属空気電池は、電極活物質を含み電解液中に配置される金属電極をアノードとし、空気極触媒を有する多孔性の空気極をカソードとすることにより発電する。
代表的な金属空気電池として、金属亜鉛を電極活物質とする亜鉛空気電池が挙げられる。亜鉛空気電池では、カソードに含まれる空気極触媒上において以下の化学式1のようなカソード反応が進行すると考えられる。
(化学式1):O2+2H2O+4e-→4OH-
従って、空気極触媒上にO2およびH2Oが存在する三相界面が多く形成されると、化学式1のカソード反応の反応速度が速くなり金属空気電池の出力特性は向上すると考えられる。
なお、化学式1において、O2は大気中から供給され、H2Oは電解液又は大気中から供給される。
また、アノードにおいて以下の化学式2のようなアノード反応が進行すると考えられる。
(化学式2):Zn+4OH-→Zn(OH)4 2-+2e-
このような電極反応が進行すると金属電極の電極活物質は消費され徐々に減少していく。また、電解液の金属含有イオン(Zn(OH)4 2-)濃度は徐々に高くなっていき、そして、飽和に達すると以下の化学式3のような反応が進行し均一核生成または不均一核生成が生じる。そして、生成した核が結晶成長することにより金属酸化物または金属水酸化物の微粒子(析出物)が析出する。
(化学式3):Zn(OH)4 2-→ZnO+2OH-+H2O
このような金属空気電池において、カソード反応に必要なH2Oは主に電解液から供給されるため、電解液槽内の電解液が空気極の細孔を介して電池外部に漏洩する場合がある。電解液にはアルカリ性水溶液などが用いられるため、電解液が電池外部に漏洩すると金属空気電池の安全性が低下する。
この電解液の漏洩を防止するために、電解液の注入前の電解液槽中にあらかじめ固化剤を組み込んだ亜鉛空気電池が知られている(例えば、特許文献1参照)。この亜鉛空気電池では電解液を固化することにより、電解液槽中の電解液の流動性を低下させ電解液の漏洩を防止している。
特公昭58−55625号公報
しかし、電解液槽中にあらかじめ固化剤を組み込んだ従来の金属空気電池では、金属空気電池による放電中に電解液の固化が進行するため、固化が進行するに伴い電解液槽中におけるイオン拡散速度が低下していく。イオン拡散速度が低下すると、アノード反応に利用できるOH-の量が減少するため金属空気電池の出力は低下する。
また、イオン拡散速度が低下すると、アノード反応により生じるZn(OH)4 2-などの金属含有イオンの拡散速度が低下し、金属電極に近接する部分の金属含有イオンの濃度が上昇する。このイオン濃度が上昇すると、金属電極の表面上にZnOなどの金属酸化物が析出し、この析出物が金属電極におけるアノード反応を阻害し金属空気電池の出力が低下する。
さらに、電解液槽に電解液を注入してすぐに電解液が固化すると、空気極に電解液が十分に浸透せず、空気極に形成される三相界面は少なくなる。このため、金属空気電池の出力は低下する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、空気極を介した電解液の漏洩を抑制することができ、かつ、出力の低下を抑制することができる金属空気電池を提供する。
本発明は、電解質水溶液を収容するように設けられた電解液槽と、前記電解液槽中に設けられかつ電極活物質を有しかつアノードとなる金属電極と、空気極触媒を有しかつ前記電解質水溶液に含まれる水が浸透可能に設けられかつカソードとなる多孔性の空気極と、前記電解液槽中に増粘剤、ゲル化剤又は固化剤を投入する投入部とを備えることを特徴とする金属空気電池を提供する。
本発明によれば、電解質水溶液を収容するように設けられた電解液槽と、前記電解液槽中に設けられかつ電極活物質を有しかつアノードとなる金属電極と、カソードとなる空気極とを備えるため、金属電極においてアノード反応を進行させることができ、空気極においてカソード反応を進行させることができる。このことにより、金属電極と空気極との間に起電力を生じさせることができる。
本発明によれば、空気極は空気極触媒を有しかつ多孔性を有しかつ電解液槽内の電解質水溶液に含まれる水が浸透可能に設けられるため、大気から供給されたO2と電解質水溶液から供給されたH2Oとが空気極触媒上に存在する三相界面を形成することができる。
また、電解液槽内の電解質水溶液を増粘、ゲル化または固化させる前に電解質水溶液を空気極に十分に浸透させることができ、空気極に三相界面を多く形成することができる。このことにより、金属空気電池の出力の低下を抑制することができる。
本発明によれば、電解液槽中に増粘剤、ゲル化剤又は固化剤を投入する投入部を備えるため、電解質水溶液に含まれる水を空気極に十分に浸透させた後に投入部により増粘剤、ゲル化剤または固化剤を電解質水溶液中に投入することができ、電解質水溶液を増粘、ゲル化又は固化することができる。このことにより、電解液槽中の電解質水溶液の流動性を低下させることができ、空気極を介した電解質水溶液の漏洩を抑制することができ、金属空気電池の安全性を向上させることができる。
また、金属空気電池による放電が終わった後に電解質水溶液中に増粘剤、ゲル化剤又は固化剤を投入することも可能である。このことにより、放電中における電解質水溶液のイオン伝導性の低下を抑制することができ、金属空気電池の出力の低下を抑制することができる。また、放電後に電解液水溶液を増粘、ゲル化又は固化させ電解質水溶液の流動性を低下させることにより電解質水溶液の漏洩を抑制することができ金属空気電池の安全性を向上させることができる。
本発明の一実施形態の金属空気電池の概略断面図である。 本発明の一実施形態の金属空気電池の概略断面図である。 本発明の一実施形態の金属空気電池の概略断面図である。 (a)は図3の破線で囲んだ範囲Aの拡大図であり、(b)は比較図である。 本発明の一実施形態の金属空気電池の概略断面図である。 本発明の一実施形態の金属空気電池の概略断面図である。 本発明の一実施形態の金属空気電池の概略断面図である。 図7に示した金属空気電池に含まれるケーシングを電解液槽から取り出した状態の金属空気電池の概略断面図である。 本発明の一実施形態の金属空気電池の概略断面図である。
本発明の金属空気電池は、電解質水溶液を収容するように設けられた電解液槽と、前記電解液槽中に設けられかつ電極活物質を有しかつアノードとなる金属電極と、空気極触媒を有しかつ前記電解質水溶液に含まれる水が浸透可能に設けられかつカソードとなる多孔性の空気極と、前記電解液槽中に増粘剤、ゲル化剤又は固化剤を投入する投入部とを備えることを特徴とする。
本発明の金属空気電池において、前記電解液槽中に電解質水溶液または水を注液する注液口をさらに有することが好ましい。
このような構成によれば、電解液槽中に電解質水溶液または水を注液することにより放電を開始することができる。言い換えると、放電開始前において、電解液槽中に電解質水溶液が存在しない状態で金属空気電池を保存することができる。このため、自己放電による電池の容量の低下を抑制して金属空気電池を保存することができる。
本発明の金属空気電池において、制御部をさらに備え、前記制御部は、前記電解液槽中に電解質水溶液または水を注液してから時間的間隔をおいて前記電解液槽中に前記増粘剤、ゲル化剤又は固化剤を投入するように前記投入部を制御することが好ましい。
このような構成によれば、電解質水溶液に含まれる水を空気極に十分浸透させることができ、金属空気電池の出力を大きくすることができる。
本発明の金属空気電池において、前記空気極上に設けられたセパレータをさらに備え、前記空気極および前記セパレータは、前記電解液槽に収容した電解質水溶液に含まれる水が前記セパレータを通過した後前記空気極に浸透するように設けられたことが好ましい。
このような構成によれば、電解質水溶液に含まれる電極活物質や析出物の極微細な粒子が空気極に付着することを抑制できる。
本発明の金属空気電池において、前記電解液槽内に設けられたケーシングをさらに備え、前記ケーシングは、前記電解液槽に収容した電解質水溶液と前記増粘剤、ゲル化剤又は固化剤とから生じる粘液、ゲル又は固体を前記電解液槽内から取り出すことができるように設けられたことが好ましい。
このような構成によれば、増粘、ゲル化又は固化した電解質水溶液をケーシングと共に電解液槽から取り出すことができ、電解液槽および空気極を再利用して金属空気電池を再生することができる。
本発明の金属空気電池において、前記金属電極は、板状であり、前記投入部は、前記金属電極の両側の電解液槽中にそれぞれ前記増粘剤、ゲル化剤又は固化剤を投入するように設けられたことが好ましい。
このような構成によれば、電解液槽内の電解質水溶液を均等に増粘、ゲル化又は固化することができる。また、電解液槽内の電解質水溶液の増粘速度、ゲル化速度又は固化速度を速くすることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図面や以下の記述中で示す構成は、例示であって、本発明の範囲は、図面や以下の記述中で示すものに限定されない。
金属空気電池の構成
図1〜3、5〜9はそれぞれ本実施形態の金属空気電池の概略断面図である。
本実施形態の金属空気電池30は、電解質水溶液3を収容するように設けられた電解液槽2と、電解液槽2中に設けられかつ電極活物質を有しかつアノードとなる金属電極5と、空気極触媒を有しかつ電解質水溶液3に含まれる水が浸透可能に設けられかつカソードとなる多孔性の空気極9と、電解液槽2中に増粘剤、ゲル化剤又は固化剤20を投入する投入部21とを備えることを特徴とする。
以下、本実施形態の金属空気電池30について説明する。
1.金属空気電池
本実施形態の金属空気電池30は、電極活物質となる金属を含む金属電極5を負極(アノード)とし、空気極9を正極(カソード)とする電池である。例えば、亜鉛空気電池、リチウム空気電池、ナトリウム空気電池、カルシウム空気電池、マグネシウム空気電池、アルミニウム空気電池、鉄空気電池などである。また、本実施形態の金属空気電池30は、一次電池であってもよい。
また、金属空気電池30は、電解液槽2、空気極9などからなる金属空気電池本体と、金属空気電池本体に着脱可能な構造を有し、金属電極5、蓋部材35などからなる金属電極ホルダーとから構成されてもよい。
2.セル
セルは、金属空気電池30の構成単位であり、電解液槽2(電解液室)中に設けられかつアノードとなる金属電極5と、カソードとなる空気極9とからなる電極対を有する。セルは、例えば、1つの空気極9と1つの金属電極5とが電解質水溶液3を挟むように設けられた電極対を有してもよく、図2に示した金属空気電池30のように2つの空気極9が1つの金属電極5を挟むように設けられた電極対を有してもよい。
また、セルは、電解液槽2又は電解液室と、電解液槽2中又は電解液室中に設けられかつアノードとなる金属電極5と、カソードとなる空気極9とを備えてもよい。
3.セル集合体
セル集合体は、複数のセルを重ねたスタック構造を有する。セル集合体は、複数のセルが1つの電解液槽2内に設けられてもよく、それぞれのセルが電解液槽2または電解液室を有してもよい。なお、セル集合体を構成するセルの数は特に限定されず、必要となる発電能力に応じてセルの数量を決定すればよい。
また、セル集合体を構成する複数のセルがそれぞれ電解液槽2を有する場合、各セルが有する電解液槽2は共通の筐体1に設けられてもよく、各セルが筐体1を有し、この筐体1に電解液槽2が設けられてもよい。
なお、1つの筐体1に2個または3個のセルを設け、このような筐体1を複数組み合わせることによりセル集合体を形成してもよい。
セル集合体に含まれる複数のセルの電極対は、直列接続してもよく、並列接続してもよい。
4.電解質水溶液、電解液槽
電解質水溶液3は、溶媒に電解質が溶解しイオン導電性を有する水溶液である。電解質水溶液3は、電解液槽2内に溜められる、または電解液槽2内を流通する。電解質水溶液3の種類は、金属電極5に含まれる電極活物質の種類によって異なる。
例えば、亜鉛空気電池、アルミニウム空気電池、鉄空気電池の場合、電解質水溶液には、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などのアルカリ性水溶液を用いることができ、マグネシウム空気電池の場合、電解質水溶液には塩化ナトリウム水溶液を用いることができる。
電解質水溶液3は、電解液槽2内に電解質粒子16を予め入れておき電解液槽2内に水を注液することにより、電解液槽2内において調製してもよい。電解質粒子16は、例えば、水酸化カリウム粒子、水酸化ナトリウム粒子、塩化ナトリウム粒子などである。電解質粒子16は、顆粒状であってもよい。このことにより、電解質粒子16を速やかに水に溶解させることができる。ここでは、電解液槽2内に予め入れておく電解質に、電解質粒子16を用いているが、電解質の形態は特に限定されず、例えば、板状の電解質であってもよい。
また、予め調製した電解質水溶液3を電解液槽2に注液してもよい。
金属空気電池30は、電解液槽2中に電解質水溶液3または水6を注液する注液口28を有してもよい。このことにより、電解液槽2内で電解質水溶液3を調製すること、電解液槽2内に電解質水溶液3を注入すること、または電解液槽2内の電解質水溶液3を循環させることができる。
金属空気電池30は、注液口28から電解液槽2中に注液する電解質水溶液3又は水を溜めるタンクを備えてもよい。また、電解液槽2に注液する水又は電解質水溶液3は、外部から供給されるものであってもよい。
また、金属空気電池30は、電解液槽2に電解質水溶液3又は水6を注液することにより電極反応を進行させる注液型金属空気電池30であってもよい。
金属空気電池30は、例えば、図1に示したような構造を有することができる。
図1に示した金属空気電池30は、金属電極5、空気極9および電解液槽2を備え、電解液槽2中に予め電解質粒子16を入れてある。また、この金属空気電池30は、注液口28を備え、水槽25内の水6を電解液槽2内に注液できるように設けられている。
図1に示した金属空気電池30のバルブ26を開き、電解液槽2内に水6を注液すると、図2に示した金属空気電池30のように、電解質粒子16は注液した水に溶け、電解液槽2内において電解質水溶液3が調製される。
電解液槽2内で電解質水溶液3が調製されると、金属電極5において電極活物質とOH-とが反応するアノード反応を進行させることができる。また、電解質水溶液3に含まれる水が空気極9に浸透し空気極9において三相界面を形成することができカソード反応を進行させることができる。
このように、図1、2に示した金属空気電池30は、電解液槽2に水6を注液することにより電極反応を進行させることができる。
このような注液型金属空気電池は電解液槽2中に電解液が存在しない状態で保存することができるため、自己放電による電池の容量の低下を抑制して保存することができる。このため、注液型金属空気電池は保存性に優れており、優れた非常用電源となる。
電解液槽2は、電解質水溶液3を溜める又は流通させる電解槽であり、電解質水溶液3に対して耐食性を有する。また、電解液槽2は、電解液室を有することができる。
電解液槽2または電解液室は、その中に金属電極5を設置することができる構造を有する。また、電解液槽2は、複数の電解液室を有してもよい。なお、図1に示した金属空気電池30では、電解液槽2は、筐体1から構成され電解液槽2の内側壁上に空気極9が設けられている。また、筐体1には、空気極9に大気中の酸素を供給するための空孔23が複数設けられている。
金属空気電池30が電解液槽2内の電解質水溶液3を流動させる機構を有してもよい。このことにより金属電極5でのアノード反応を促進することができ、金属空気電池30の性能を向上させることができる。電解質水溶液3を流動させる機構としては、ポンプおよび循環流路を用いて電解質水溶液3を循環させ、電解液槽2内の電解質水溶液3を流動させてもよい。
また、金属空気電池30が攪拌機、バイブレーターなどの電解液槽2内の電解質水溶液3を物理的に動かすことのできる可動部を備えてもよい。
電解液槽2を構成する筐体1の材料は、耐アルカリ性樹脂などの電解質水溶液に対して耐食性を有する材料であれば特に限定されず、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリ酢酸ビニル、ABS、塩化ビニリデン、ポリアセタール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、フッ素樹脂、エポキシ樹脂などである。
5.金属電極
金属電極5は、アノードとなる電極であり、アノードの電極活物質である金属を含む。また、金属電極5は、電解液槽2中に取り出し可能に設けられてもよい。
金属電極5は、例えば、電極活物質である金属を含む金属板であってもよく、金属粒子を加圧により成型された板状の金属電極であってもよい。また、金属電極5は、例えば、板状の金属電極集電体と金属電極集電体上に設けられた電極活物質層とを有してもよい。また、金属電極5は、外部回路と接続するための金属極端子11と電気的に接続してもよい。
金属電極5に含まれる電極活物質は、アノード反応により金属電極5中に電荷を発生させ金属含有イオンとして電解質水溶液3に溶解する金属である。なお、金属電極5中に発生した電荷は、外部出力された後、空気極9におけるカソード反応に利用される。
電解質水溶液3中の金属含有イオンは、その濃度が飽和濃度を超えると電解質水溶液3中に金属酸化物または金属水酸化物の微粒子など(析出物17)として析出する。
従って、金属電極5に含まれる電極活物質はアノード反応の進行に伴い徐々に消費されていく。このため、金属電極5に含まれる電極活物質が少なくなると、金属電極5に発生する電荷が少なくなり金属空気電池30の出力が低下し放電が終了する。また、金属電極5は、使用済みとなる。
また、析出物17が金属電極5の表面上などに析出するとアノード反応が阻害され金属空気電池30の出力が低下するため、析出物17が金属電極5の表面を覆うことにより放電が終了する場合がある。
例えば、亜鉛空気電池の場合、電極活物質は金属亜鉛であり、電解質水溶液中には水酸化亜鉛または酸化亜鉛が析出する。アルミニウム空気電池の場合、電極活物質は金属アルミニウムであり、電解質水溶液中には水酸化アルミニウムが析出する。鉄空気電池の場合、電極活物質は金属鉄であり、電解質水溶液中には酸化水酸化鉄または酸化鉄が析出する。マグネシウム空気電池の場合、電極活物質は金属マグネシウムであり、電解液中には水酸化マグネシウムが析出する。
また、リチウム空気電池、ナトリウム空気電池、カルシウム空気電池の場合、電極活物質はそれぞれ、金属リチウム、金属ナトリウム、金属カルシウムであり、電解質水溶液中にはこれらの金属の酸化物、水酸化物などが析出する。なお、リチウム空気電池、ナトリウム空気電池、カルシウム空気電池の場合、金属電極5と電解質水溶液との間に固体電解質膜を有してもよい。このことにより、電極活物質が電解質水溶液により腐食されることを抑制することができる。また、この場合、電極活物質は固体電解質膜をイオン伝導した後電解質水溶液に溶解する。
なお、電極活物質は、これらの例には限定されず、金属空気電池となるものであればよい。また、金属電極5に含まれる電極活物質は、上記の例では一種の金属元素からなる金属を挙げたが、金属電極5に含まれる電極活物質は合金であってもよい。特に、金属電極5に含まれる電極活物質が金属亜鉛である場合、金属電極5は、In、Bi、Al、Caなどを添加した亜鉛合金を有してもよい。このことにより、金属電極5の自己腐食を抑制することができる。
金属電極集電体は、導電性を有する。また、金属電極集電体の形状は板状、または板の厚み方向に貫通した孔が設けられた形状、またはエキスパンドメタルやメッシュが好ましい。また、この金属電極集電体は、例えば、電解質水溶液に対して耐食性を有する金属板により形成することができる。金属電極集電体の材料は、例えば、ニッケル、金、銀、銅、ステンレスなどである。また、金属電極集電体は、ニッケルめっき処理、金めっき処理、銀めっき処理、銅めっき処理された導電性基材などであってもよい。この導電性基材には、鉄、ニッケル、ステンレスなどを用いることができる。
このことにより、アノード反応により金属電極5に生じた電荷を金属電極集電体により集電することができ、発生させた電荷を外部回路に出力することができる。金属電極集電体の主要面上への電極活物質層の固定は、例えば、電極活物質である金属の粒子や塊を金属電極集電体の表面に押し付けて固定してもよく、金属電極集電体上にめっき法などにより金属を析出させてもよい。また、金属粒子を内部へ充填可能な構造を有する金属集電体、例えば籠状の集電体であってもよい。なお、金属電極集電体の形状に関して、めっき法で電極活物質を析出させる場合には導電性の観点で板形状が好ましく、金属の粒子や塊を固定させる場合には、粒子や塊の脱落を防止する観点で板に貫通孔が設けられたもの、またはエキスパンドメタルやメッシュが好ましい。
金属電極5は、蓋部材35などと共に金属電極ホルダーを構成することができる。金属電極ホルダーは、金属電極5を電解液槽2内に挿入することができ、使用済みの金属電極5を電解液槽2内から抜き出せるように設けられる。このことにより、金属空気電池30に電極活物質を供給することができる。
金属電極ホルダーは、例えば、図1に示した金属空気電池30に含まれる金属電極5と金属極端子11とから構成されてもよく、図7に示した金属空気電池30に含まれる金属電極5と金属極端子11と蓋部材35とから構成されてもよい。
6.空気極、セパレータ
空気極9は、空気極触媒を有しかつ電解質水溶液3に含まれる水が浸透可能に設けられかつカソードとなる多孔性の電極である。また、空気極9は、ガス拡散層8と、ガス拡散層8上に設けられた空気極触媒層7とを有してもよい。空気極9では、空気極触媒上において主に電解質水溶液3から供給される水と大気から供給される酸素ガスと電子とが反応し水酸化物イオン(OH-)を生成する(カソード反応)。つまり、空気極9の三相界面においてカソード反応が進行する。
また、多孔性の空気極9は、空気極9に大気に含まれる酸素ガスが拡散できるように設けられる。例えば、空気極9は、少なくとも空気極9の表面の一部が大気に曝されるように設けることができる。図1に示した金属空気電池30では、筐体1に複数の空孔23を設けており、空孔23を介して大気に含まれる酸素ガスが空気極9中に拡散できる。また、例えば、空気が流れる空気流路を形成し空気極9に酸素ガスを供給してもよい。
一方、空気極9に大気に含まれる酸素ガスが拡散する経路(細孔など)があるため、この経路を介して電解液槽2中の電解質水溶液3が金属空気電池30から漏洩する場合がある。
空気極触媒層7は、例えば、導電性の多孔性担体と多孔性担体に担持された空気極触媒とを含んでもよい。このことにより、空気極触媒上において、酸素ガスと水と電子を共存する三相界面を形成することが可能になり、カソード反応を進行させることが可能になる。カソード反応に使われる水は主に電解質水溶液3から供給されるため、空気極触媒層7に水が浸み込んだ領域が広いほど三相界面が形成される領域が広くなると考えられ、金属空気電池30の出力も大きくなると考えられる。また、空気極触媒層7は、バインダーを含んでもよい。
また、空気極触媒層7とガス拡散層8とから構成される空気極9は、空気極触媒を担持した多孔性担体を導電性多孔性基材(ガス拡散層8)に塗布することにより作製されてもよい。例えば、空気極9は、空気極触媒を担持したカーボンをカーボンペーパーやカーボンフェルトに塗布することにより作製することができる。このガス拡散層8は、空気極集電体として機能してもよい。
空気極9の厚さは、例えば、300μm以上3mm以下とすることができる。
また、空気極9は、空気極端子10と電気的に接続することができる。このことにより、空気極触媒層7で生じた電荷を外部回路へと取り出すことができる。
金属空気電池30は、空気極触媒層7に生じた電荷を集電する空気極集電体を備えてもよい。このことにより、空気極触媒層7で生じた電荷を効率よく外部回路へと取り出すことができる。空気極集電体の材料としては、電解質水溶液3に対して耐食性を有すれば特に限定されないが、例えば、ニッケル、金、銀、銅、ステンレスなどである。また、空気極集電体は、ニッケルめっき処理、金めっき処理、銀めっき処理、銅めっき処理された導電性基材などであってもよい。この導電性基材には、鉄、ニッケル、ステンレスなどを用いることができる。
また、空気極集電体の形状は、例えば、板状、メッシュ状、パンチングメタルなどとすることができる。空気極集電体は、空気極触媒層7とガス拡散層8との間に設けることが、抵抗低減の点で好ましい。
また、空気極集電体と、多孔性担体又は導電性多孔性基材(ガス拡散層8)とを接合する方法としては、フレームを介してネジ止めにより圧着する方法や、導電性接着剤を用いて結合させる方法や、加圧により圧着する方法などが挙げられる。
1つのセルに含まれる空気極9は、金属電極5の一方側にのみ設けられてもよく、図1のように金属電極5の両側にそれぞれ設けられてもよい。
空気極触媒層7に含まれる多孔性担体には、例えば、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、黒鉛、活性炭等の導電性カーボン粒子が挙げられる。また、気相法炭素繊維(VGCF)、カーボンナノチューブ、カーボンナノワイヤー等の炭素繊維を用いることもできる。
空気極触媒には、たとえば、白金、鉄、コバルト、ニッケル、パラジウム、銀、ルテニウム、イリジウム、モリブデン、マンガン、ランタン、これらの金属化合物、およびこれらの金属の2種以上を含む合金からなる微粒子が挙げられる。この合金は、白金、鉄、コバルト、ニッケルのうち少なくとも2種以上を含有する合金が好ましく、たとえば、白金−鉄合金、白金−コバルト合金、鉄−コバルト合金、コバルト−ニッケル合金、鉄−ニッケル合金等、鉄−コバルト−ニッケル合金が挙げられる。
また、空気極触媒層7に含まれるバインダーは、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などである。
また、空気極触媒層7に含まれる多孔性担体は、その表面に陽イオン基が固定イオンとして存在するように表面処理がなされていてもよい。このことにより、多孔性担体の表面を水酸化物イオンが伝導できるため、空気極触媒上で生成した水酸化物イオンが移動しやすくなる。
また、空気極触媒層7は、多孔性担体に担持されたアニオン交換樹脂を有してもよい。このことにより、アニオン交換樹脂を水酸化物イオンが伝導できるため、空気極触媒上で生成した水酸化物イオンが移動しやすくなる。
空気極触媒層7は電解液槽2内の電解質水溶液3に接触するように設けてもよい。このことにより、空気極触媒層7で生成した水酸化物イオンが容易に電解質水溶液3へ移動することができる。また、空気極触媒層7における電極反応に必要な水が電解質水溶液3から空気極触媒層7に供給されやすくなる。
また、空気極触媒層7は、電解液槽2に収容する電解質水溶液3と接触するセパレータ14と接触するように設けてもよい。セパレータ14は、多孔性樹脂膜、イオン交換膜または樹脂繊維の不織布とすることができる。セパレータ14は、電解液槽2内の電解質水溶液3と空気極触媒層7とを仕切るように設けることができる。セパレータ14を設けることにより、電解質水溶液3が空気極9の細孔を介して金属空気電池30の外部へ漏洩することを抑制することができ、金属空気電池30の安全性を向上させることができる。また、電解質水溶液3に含まれる水は、セパレータ14を通過した後空気極9に浸透するため、空気極9に過剰な水が供給されることを抑制することができる。また、セパレータ14を設けることにより、電解質水溶液3に含まれる電極活物質や析出物17の極微細な粒子が空気極触媒層7に付着することを抑制できる。
また、セパレータ14は、後述するケーシング33の機能を備えてもよい。つまり、セパレータ14は、粘液、ゲル又は固体24と共に電解液槽2内から取り出すことができるように設けることができる。
このことにより、1つの部材がセパレータ14の機能とケーシング33の機能を備えることができ、金属空気電池30を軽量化することができる。
また、セパレータ14をイオン交換膜とすることにより、空気極触媒層7と電解質水溶液3との間を移動するイオン種を限定することができる。セパレータ14は、アニオン交換膜であってもよい。このことにより、空気極触媒層7で発生した水酸化物イオンがアニオン交換膜を伝導し、電解質水溶液へ移動することができる。アニオン交換膜は、固定イオンである陽イオン基を有するため、電解質水溶液3中の陽イオンは空気極触媒層7に伝導することはできない。これに対し、空気極触媒層7で生成した水酸化物イオンは陰イオンであるため、電解質水溶液3へと伝導することができる。このことにより、金属空気電池30の電池反応が進行させることができ、かつ、電解質水溶液3中の陽イオンが空気極触媒層7に移動するのを防止することができる。このことにより、空気極触媒層7における金属や炭酸化合物の析出を抑制することができる。
セパレータ14に用いられる多孔性樹脂膜または樹脂繊維の不織布の材料としては、耐アルカリ性樹脂とすることができ、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン6、ナイロン66、ポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール系材料、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が挙げられる。また、セパレータ14の細孔の孔径は特に限定されないが、30μm以下であることが好ましい。電解質水溶液の流通が良くなるようにセパレータ14は親水化処理されていることが好ましい。
セパレータ14に用いられるイオン交換膜としては、たとえば、パーフルオロスルホン酸系、パーフルオロカルボン酸系、スチレンビニルベンゼン系、第4級アンモニウム系の固体高分子電解質膜(アニオン交換膜)が挙げられる。
7.投入部
投入部21は、電解液槽2中に増粘剤、ゲル化剤または固化剤20を投入する部分である。投入部21を設けることにより、電解質水溶液3中に増粘剤、ゲル化剤または固化剤20を投入することができ、電解質水溶液3を増粘、ゲル化又は固化させることができる。このことにより、電解質水溶液3の流動性を低下させることができ、空気極9を介した電解質水溶液3の金属空気電池30の外部への漏洩を抑制することができる。
投入部21は、増粘剤、ゲル化剤または固化剤20を電解液槽2中に徐々に投入してもよく、電解液槽2中に間欠的に投入してもよく、電解液槽2中に一括で投入してもよい。
増粘剤、ゲル化剤または固化剤20の投入量は、例えば、電解液槽2に収容した電解質水溶液3の重量に対して、0.1〜15重量%とすることができ、より好ましくは5〜10重量%とすることができる。
増粘剤は、電解質水溶液3の粘度を増加させ電解質水溶液3を粘液化する物質である。ゲル化剤は、電解質水溶液3をゲル化する物質である。また、固化剤は、電解質水溶液3を固体化する物質である。
増粘剤、ゲル化剤または固化剤20は、固体状であってもよく、ゲル状であってもよく、液体状であってもよい。
増粘剤、ゲル化剤または固化剤20は、例えば、ポリアクリル酸ナトリウムなどの高吸水性高分子や、カルボキシメチルセルロース(CMC)などの水溶性高分子である。
投入部21は、増粘剤、ゲル化剤または固化剤20を電解液槽2中に投入するための開閉可能な開口であってもよい。
また、投入部21は、内部に増粘剤、ゲル化剤または固化剤20を収容し、投入部21の一部が開くことにより収容した増粘剤、ゲル化剤または固化剤20を電解液槽2中に投入できるように設けられた部分であってもよい。例えば、投入部21は、増粘剤、ゲル化剤または固化剤20を収容したカートリッジを有してもよい。
投入部21は、例えば、図1〜3に示した金属空気電池30に含まれる投入部21のように、電解液槽2の上側に設けることができる。また、投入部21の底部は、開閉可能な開口であってもよい。このことにより、底部の開口を開けることにより投入部21が収容した増粘剤、ゲル化剤または固化剤20を電解液槽2中に投入することができる。
また、投入部21の底部は、金属箔、樹脂フィルムなどの破ること又は穴を開けることができる材料から構成されてもよい。このことにより、底部の金属箔、樹脂フィルムなどを破る又は穴を開けることにより投入部21が収容した増粘剤、ゲル化剤または固化剤20を電解液槽2中に投入することができる。また、投入部21は、底部の金属箔、樹脂フィルムなどを破る又は穴を開ける手段を有してもよい。
内部に増粘剤、ゲル化剤または固化剤20を収容した投入部21を設けることにより、電解質水溶液3を大気に曝すことなく増粘剤、ゲル化剤又は固化剤20を電解質水溶液3に投入することができるため、大気中の二酸化炭素などが電解質水溶液3に溶け込むことを抑制することができる。また、増粘剤、ゲル化剤又は固化剤20を電解質水溶液3に投入する際に投入部21の開口を介して電解質水溶液3が金属空気電池30の外部へ漏洩することを防止することができ、金属空気電池30の安全性を向上させることができる。
投入部21は、ボタンを押すことにより増粘剤、ゲル化剤または固化剤20を電解液槽2中に投入するように設けられてもよい。また、投入部21は、増粘剤、ゲル化剤または固化剤20を投入部21の外部から押すことにより増粘剤、ゲル化剤または固化剤20を電解液槽2中に投入するように設けられてもよい。また、投入部21は、制御部による自動制御によりゲル化剤または固化剤20を電解液槽2中に投入するように設けられてもよい。
増粘剤、ゲル化剤または固化剤20は、電解液槽2中に電解質水溶液又は水を注液してから時間的間隔をおいて投入部21により電解液槽2中に投入されてもよい。このことにより、電解質水溶液3を増粘、ゲル化又は固化させる前に電解質水溶液3に含まれる水を空気極9に十分に浸透させることができ、金属空気電池30の出力を大きくすることができる。また、空気極9を介した電解質水溶液3の漏洩を抑制することができる。
このことを図1〜3を用いて説明する。まず、図1に示した金属空気電池30のように、電解質粒子16を電解液槽2内に入れておき、電解液槽2に水を入れていない状態で金属空気電池30を保存する。このことにより、金属空気電池30の自己放電が抑制された状態で金属空気電池30を保存することができる。
その後、図2のように、金属空気電池30の使用時に注液口28から電解液槽2内に水を注液し、電解液槽2内で電解質水溶液3を調製する。このことにより、アノードである金属電極5と、カソードである空気極9との間をイオンが伝導できる状態となり、空気極端子10と金属極端子11との間に負荷を接続することにより金属空気電池30による放電が開始される。また、電解質水溶液3に含まれる水が空気極9に浸透し、空気極触媒層7に浸透領域31が形成される。
電解液槽2内に水を注液してから時間的間隔をおいて投入部21により電解質水溶液3に増粘剤、ゲル化剤又は固化剤20を投入する。例えば、注液から1時間後に増粘剤、ゲル化剤又は固化剤20を投入することができる。このことにより、図3のように、電解液槽2中の電解質水溶液が増粘、ゲル化又は固化し、粘液、ゲル又は固体24が形成される。そして、粘液、ゲル又は固体24が形成されると、電解質水溶液3の空気極9への浸透が抑制されるため、電解質水溶液3が空気極9を介して金属空気電池30の外部へ漏洩することを抑制することができる。また、電解質水溶液3が増粘、ゲル化又は固化すると、空気極9に供給される水の量が減少するため、浸透領域31の増加は抑制される。
図4(a)(b)は、それぞれ図3の破線で囲んだ範囲Aの拡大図である。図4(a)は、電解液槽2内に水を注液してから電解質水溶液3中に増粘剤、ゲル化剤又は固化剤20を投入するまでの時間的間隔が比較的長い場合の空気極9であり、図4(b)は、電解液槽2内に水を注液してから電解質水溶液3中に増粘剤、ゲル化剤又は固化剤20を投入するまでの時間的間隔が比較的短い場合の空気極9である。
図4(a)では、時間的間隔が比較的長く電解質水溶液から空気極触媒層7へ供給される水の量が多いため、空気極触媒層7の大部分が水が浸透した浸透領域31となる。浸透領域31では空気極触媒上に水と酸素が存在する三相界面が形成されやすいため、浸透領域31が広いほどカソード反応の反応速度は速くなり、金属空気電池30の出力は大きくなると考えられる。従って、図4(a)のように浸透領域31が形成されるような時間的間隔をおいて電解質水溶液3中に増粘剤、ゲル化剤又は固化剤20を投入することにより、金属空気電池30の出力を大きくすることができる。
これに対し、図4(b)では、時間的間隔が比較的短く電解質水溶液3から空気極触媒層7へ供給される水の量が少ないため、空気極触媒層7に形成される浸透領域31は狭くなる。このため、カソード反応の反応速度は遅くなり、金属空気電池30の出力は小さくなると考えられる。
従って、図4(a)のように浸透領域31が形成されるように時間的間隔を設定することができる。
投入部21は、タイマーを備えてもよい。また、このタイマーは制御部が有してもよい。このことにより、電解液槽2に電解質水溶液又は水を注液した後、所定の時間が経過した後に投入部21により電解質水溶液3中に増粘剤、ゲル化剤又は固化剤20を投入することができる。この所定の時間は、セパレータ14の有無などの金属空気電池30の構造などから予め計算した時間とすることができる。このような構成とすることにより、金属空気電池30の出力を大きくすることができ、かつ、空気極9を介した電解質水溶液3の漏洩を抑制することができる。
また、金属空気電池30は、図5のように増粘剤、ゲル化剤又は固化剤20の投入を制御する制御部を有してもよい。また、制御部は、金属電極5と空気極9との間の電圧や金属空気電池30の温度、電解質水溶液3の電気抵抗値などを検知するように設けてもよい。このような構成とすれば、検知した電圧、温度、抵抗値などに応じて電解質水溶液3に増粘剤、ゲル化剤又は固化剤20を投入することができる。例えば、金属電極5と空気極9との間の電圧がピーク電圧となった後に電解質水溶液3に増粘剤、ゲル化剤又は固化剤20を投入してもよく、金属電極5と空気極9との間の電圧が所定の電圧以下に低下した後に電解質水溶液3に増粘剤、ゲル化剤又は固化剤20を投入してもよい。このような構成とすることにより、金属空気電池30の出力を大きくすることができ、かつ、空気極9を介した電解質水溶液3の漏洩を抑制することができる。
増粘剤、ゲル化剤または固化剤20は、金属空気電池30の放電が終了した後に投入部21により電解液槽2中に投入されてもよい。このことにより、金属空気電池30の放電中に電解質水溶液3の増粘、ゲル化又は固化により電解液槽2中におけるイオン伝導性が低下することを防止することができる。
また、放電の終了を制御部で検知し、制御部による投入部21の制御により増粘剤、ゲル化剤または固化剤20を電解液槽2中に投入してもよい。
投入部21は、図1〜3に示した金属空気電池30のように、電解液槽2の上側に1つ設けられてもよく、図6に示した金属空気電池30のように電解液槽2の上側に複数設けられてもよい。また、金属空気電池30に含まれる金属電極5が板状である場合、図6の金属空気電池30のように金属電極5の両側の電解液槽2中にそれぞれ増粘剤、ゲル化剤または固化剤20を投入できるように投入部21を設けることができる。このことにより、電解液槽2内の電解質水溶液3を均等に増粘、ゲル化又は固化することができる。また、電解液槽2内の電解質水溶液3の増粘速度、ゲル化速度又は固化速度を速くすることができる。また、この場合、板状の金属電極5の両側にそれぞれ空気極9を設けることができる。
金属空気電池30は、電解液槽2内に設けられたケーシング33を備えてもよい。ケーシング33は、電解液槽2に収容した電解質水溶液3と増粘剤、ゲル化剤又は固化剤20とから生じる粘液、ゲル又は固体24と共に電解液槽2内から取り出すことができるように設けられる。ケーシング33は、内部容器として電解液槽2内に設けることができ、電解液槽2内の電解質水溶液3を収容するように設けることができる。また、ケーシング33は金属電極5を収容するように設けることができる。
また、ケーシング33は、セパレータ14の機能を有してもよい。
つまり、電解質水溶液3に含まれる水がケーシング33を通過した後空気極9に浸透するようにケーシング33を設けることができる。このことにより、空気極9に過剰な水が供給されることを抑制することができ、また、電解質水溶液3に含まれる電極活物質や析出物17の極微細な粒子が空気極触媒層7に付着することを抑制できる。この場合、ケーシング33の材料は、多孔性樹脂膜、イオン交換膜または樹脂繊維の不織布とすることができる。
ケーシング33は、例えば、図7に示した金属空気電池30のように設けることができる。図7に示した金属空気電池30の電解液槽2に注液口28から水を注液し、金属空気電池30により放電を行うと、金属電極5の電極活物質は消費され電解液槽2の底に使用済み活物質である析出物17が溜まる。あるいは、電解液槽2内に使用済み活物質である析出物17が分散する。その後、投入部21により増粘剤、ゲル化剤又は固化剤20を電解質水溶液3中に投入し、電解質水溶液3を増粘、ゲル化又は固化させ粘液、ゲル又は固体24すると、空気極9を介した電解質水溶液の漏洩を抑制することができる。その後、図8に示した金属空気電池30のように、ケーシング33を粘液、ゲル又は固体24と共に電解液槽2内から取り出すことにより、使用済みの金属電極5、使用済み活物質である析出物17を電解液槽2内から回収することができる。その後、新たな金属電極5をケーシング33、セパレータ14、電解質粒子16などと共に電解液槽2内に挿入することにより、金属空気電池30を放電前の状態に戻すことができる。
このようにケーシング33を設けることにより、電解液槽2(筐体1)と空気極9を再利用して金属空気電池30を再生することができる。
金属空気電池30は、電解液槽2内の圧力を調整する圧力調整弁37を有することができる。圧力調整弁37を設けることにより、電解質水溶液3の増粘、ゲル化又は固化に伴う電解液槽2内の圧力の上昇又は低下を抑制することができ、金属空気電池30の膨張や収縮を抑制することができる。また、金属空気電池30の安全性、信頼性を向上させることができる。
また、圧力調整弁37は、電解液槽37内が減圧状態とできるように設けることもできる。このことにより、粘液、ゲル又は固体24中の気泡を脱泡することができる。
放電実験
図1に示したような金属空気電池を作製し、実施例1と比較例1の放電実験を行った。
作製した金属空気電池では、電解液槽2の容量は40mlとし、電解液槽2の中央部に金属電極5である亜鉛板(一辺5cm角、厚さ1mm)を配置した。また、電解液槽2の両内側面に亜鉛板を挟むように一辺5cm角の空気極9を2つ配置した。また、空気極9上に耐アルカリ性の多孔質樹脂膜からなるセパレータ14を配置した。
また、電解液槽2内で調製する電解質水溶液の濃度が7Mとなるように、電解液槽2内に顆粒状の水酸化カリウム粒子を入れた。
実施例1では、電解液槽2内に純水を注液し電解質水溶液を調製してから10分が経過した後に電解質水溶液中に高吸水性高分子であるポリアクリル酸ナトリウムを投入し、筐体を適度に傾け動かすことによりポリアクリル酸ナトリウムを液中に均一に分散させた。そして、電解質水溶液がゲル化した後の金属空気電池について、電流密度を30mA/cm2として一定電流を流し、電圧を測定した。
比較例1では、電解液槽2内に純水を注液し電解質水溶液を調製した後、すぐに電解質水溶液中に高吸水性高分子であるポリアクリル酸ナトリウムを投入し、筐体を適度に傾け動かすことによりポリアクリル酸ナトリウムを液中に均一に分散させた。そして、電解質水溶液がゲル化した後の金属空気電池について、電流密度を30mA/cm2として一定電流を流し、電圧を測定した。
放電実験の測定結果を表1に示す。比較例1の金属空気電池のセル電圧が0.9Vであったのに対し、実施例1の金属空気電池のセル電圧は1.2Vであった。
実施例1の金属空気電池のセル電圧が比較例1よりも高かった理由としては、実施例1では、電解質水溶液のゲル化前に電解質水溶液に含まれる水が空気極に十分浸透しており、空気極に三相界面が多く形成されたためと考えられる。
また、比較例1では、電解質水溶液のゲル化前に電解質水溶液に含まれる水が空気極に十分浸透しなかったため、セル電圧が低かったと考えられる。
安全性評価実験
放電後の金属空気電池を放置し、電解質水溶液の漏洩を確認する安全性評価実験を行った。
上記の放電実験と同様に放電前の金属空気電池を作製した。
実施例2では、電解液槽2内に純水を注液し電解質水溶液を調製することにより金属空気電池による放電を開始し、放電終了後に電解質水溶液中に高吸水性高分子であるポリアクリル酸ナトリウムを投入した。そして、電解質水溶液をゲル化した後金属空気電池を1週間放置し、電解質水溶液の漏洩の有無を確かめた。
比較例2では、電解液槽2内に純水を注液し電解質水溶液を調製することにより金属空気電池による放電を行った。比較例2では、電解質水溶液中にポリアクリル酸ナトリウムを投入していない。放電後、金属空気電池を1週間放置し、電解質水溶液の漏洩の有無を確かめた。
安全性評価実験の実験結果を表2に示す。比較例2の金属空気電池では、空気極の外部に液滴を視認できたのに対し、実施例2の金属空気電池では電解質水溶液の漏洩は確認されなかった。
実施例2の金属空気電池は、放電終了後に電解質水溶液をゲル化しているため、電解質水溶液は、空気極を介して電池外部へ漏洩しなかったと考えられる。これに対し、比較例2の金属空気電池は、電解質水溶液をゲル化しなかったため、電解質水溶液が空気極を介して電池外部へ漏洩したと考えられる。
従って、放電終了後に電解質水溶液をゲル化した実施例2の金属空気電池は、安全性が高いことが確認された。
ゲル化実験
電解質水溶液のゲル化に要する時間を測定するゲル化実験を行った。
上記の放電実験と同様に放電前の金属空気電池を作製した。
実施例3では、電解液槽2内に純水を注液し電解質水溶液を調製してから10分が経過した後に、金属電極5の両側の電解液槽2中にそれぞれ高吸水性高分子であるポリアクリル酸ナトリウムを投入し、筐体を適度に傾け動かすことによりポリアクリル酸ナトリウムを液中に均一に分散させた。そして、電解質水溶液のゲル化に要する時間を測定した。
実施例3の金属空気電池での電解質水溶液のゲル化に要する時間は、実施例1の金属空気電池での電解質水溶液のゲル化に要する時間のおおよそ4分の1であった。
このことにより、金属電極5の両側の電解液槽2中にそれぞれゲル化剤を投入することにより、電解質水溶液のゲル化に要する時間を短くすることができることがわかった。
リサイクル可能金属空気電池作製実験
実施例4として、図7に示したような金属空気電池を作製し、電解質水溶液のゲル化後、ケーシング33を電解液槽2内から取り外す実験を行った。
作製した金属空気電池では、筐体1又は空気極9と、セパレータ14との間に多孔性樹脂膜からなるケーシング33を設けた。その他の構成は、上記の放電実験と同様である。
実施例4では、電解液槽2内に純水を注液し電解質水溶液を調製してから10分が経過した後に電解質水溶液中に高吸水性高分子であるポリアクリル酸ナトリウムを投入し、筐体を適度に傾け動かすことによりポリアクリル酸ナトリウムを液中に均一に分散させた。
そして、電解液槽2中の電解質水溶液がゲル化した後、図8のように、ケーシング33をゲル化した電解質水溶液24および金属電極5と共に電解液槽2内から取り出した。また、ケーシング33を取り出した後の筐体1および空気極9などは再利用可能な状態であった。
このことにより、ケーシング33を設けることにより、筐体1および空気極9などを再利用できることがわかった。
また、図1に示したようなケーシング33を設けていない金属空気電池では、筐体1および空気極9などを再利用するためには、金属電極5を電解液槽2中から取り出す操作と、ゲル化した電解質水溶液24を電解液槽2中から取り除く操作という2つの手順が必要である。これに対し、実施例4の金属空気電池では、ケーシング33を電解液槽2から取り出すという1つの手順により、金属電極5とゲル化した電解液24を電解液槽2中から除去することができ、筐体1および空気極9などを容易に再利用できることがわかった。
1:筐体 2:電解液槽 3:電解質水溶液 5:金属電極 6:水 7:空気極触媒層 8:ガス拡散層 9:空気極 10:空気極端子 11:金属極端子 14:セパレータ 16:電解質粒子 17:析出物(使用済み活物質) 20:増粘剤、ゲル化剤又は固化剤 21:投入部 23:空孔 24:粘液、ゲル又は固体 25:水槽 26:バルブ 28:注液口 30:金属空気電池 31:浸透領域 33:ケーシング 35:蓋部材 37:圧力調整弁

Claims (5)

  1. 電解質水溶液を収容するように設けられた電解液槽と、前記電解液槽中に設けられかつ電極活物質を有しかつアノードとなる金属電極と、空気極触媒を有しかつ前記電解質水溶液に含まれる水が浸透可能に設けられかつカソードとなる多孔性の空気極と、前記電解液槽中に増粘剤、ゲル化剤又は固化剤を投入する投入部とを備えることを特徴とする金属空気電池。
  2. 前記電解液槽中に電解質水溶液または水を注液する注液口をさらに有する請求項1に記載の金属空気電池。
  3. 制御部をさらに備え、
    前記制御部は、前記電解液槽中に電解質水溶液または水を注液してから時間的間隔をおいて前記電解液槽中に前記増粘剤、ゲル化剤又は固化剤を投入するように前記投入部を制御する請求項2に記載の金属空気電池。
  4. 前記金属電極は、板状であり、
    前記投入部は、前記金属電極の両側の電解液槽中にそれぞれ前記増粘剤、ゲル化剤又は固化剤を投入するように設けられた請求項1〜3のいずれか1つに記載の金属空気電池。
  5. 前記電解液槽内に設けられたケーシングをさらに備え、
    前記ケーシングは、前記電解液槽に収容した電解質水溶液と前記増粘剤、ゲル化剤又は固化剤とから生じる粘液、ゲル又は固体を前記電解液槽内から取り出すことができるように設けられた請求項1〜4のいずれか1つに記載の金属空気電池。
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