JP2018100514A - 橋梁用支承装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】構造が簡単でレベル2以上の地震動による下部構造と支承装置を含む上部構造の損害を軽減し、地震後の橋梁用支承装置の機能を素早く復元することが可能な橋梁用支承装置を提供する。【解決手段】上部構造3と下部構造2との間に配置される橋梁用支承装置1において、下部構造に埋設されたアンカーボルト9と連結され雌ネジ孔を形成した第1カプラー10と、第1カプラーの上に配置され雌ネジ孔を形成し上端に回転工具係合部を有する第2カプラー11と、支承5を固定し固定ボルト用孔を形成したベースプレート4と、ベースプレートに形成した固定ボルト用孔に挿入され第1カプラー及び第2カプラーの雌ネジ孔に螺着される雄ネジが形成されベースプレートと第2カプラーの接合部に対応する位置にレベル2の地震動には耐えそれ以上の地震動で破断するように設定されたノッチ12bを形成した固定ボルト12とを備える。【選択図】図1
Description
本発明は、橋脚等の下部構造と主桁等の上部構造との間に配置される橋梁用支装装置に関し、特に、レベル2以上の地震動で下部構造と支承装置を含む上部構造を分離し、レベル2以上の地震動による下部構造と支承装置を含む上部構造の損害を軽減し、地震後の橋梁用支承装置の機能を素早く復元することが可能な橋梁用支承装置に関する。
従来の橋梁用支承装置は、橋脚等の下部構造と主桁等の上部構造の間に配置され、レベル2の地震動に耐える耐震性能を備えるように設定されている。
しかしながら、従来の橋梁用支承装置においては、レベル2以上の地震動が負荷された場合、下部構造及び支承装置を含む上部構造の双方が大きく損傷し、復元に多くの日数がかかるという問題を有していた。
本発明は、従来技術の課題を解決する構造が簡単でレベル2以上の地震動による下部構造と支承装置を含む上部構造の損害を軽減し、地震後の橋梁用支承装置の機能を素早く復元することが可能な橋梁用支承装置を提供することを目的とする。
本発明の橋梁用支承装置は、前記課題を解決するために、上部構造と下部構造との間に配置される橋梁用支承装置において、下部構造に埋設されたアンカーボルトと連結され雌ネジ孔を形成した第1カプラーと、第1カプラーの上に配置され雌ネジ孔を形成し上端に回転工具係合部を有する第2カプラーと、支承を固定し固定ボルト用孔を形成したベースプレートと、ベースプレートに形成した固定ボルト用孔に挿入され第1カプラー及び第2カプラーの雌ネジ孔に螺着される雄ネジが形成されベースプレートと第2カプラーの接合部に対応する位置にレベル2の地震動には耐えそれ以上の地震動で破断するように設定されたノッチを形成した固定ボルトと、を備えことを特徴とする。
また、本発明の橋梁用支承装置は、ベースプレートの固定ボルト用孔に第3のカプラーを配置することを特徴とする。
また、本発明の橋梁用支承装置は、ベースプレートに橋軸方向に伸びる長孔を形成し、長孔に固定ボルト挿入孔を形成し長孔に沿って橋軸方向に移動可能な駒部材を配置し駒部材の前後と長孔との間隙にスペーサーを配置することを特徴とする。
上部構造と下部構造との間に配置される橋梁用支承装置において、下部構造に埋設されたアンカーボルトと連結される雌ネジ孔を形成した第1カプラーと、第1カプラーの上に配置され雌ネジ孔を形成し上端に回転工具係合凹部を有する第2カプラーと、支承を固定し固定ボルト用孔を形成したベースプレートと、ベースプレートに形成した固定ボルト用孔に挿入され第1カプラー及び第2カプラーの雌ネジ孔に螺着される雄ネジが形成されベースプレートと第2カプラーの接合部に対応する位置にレベル2の地震動には耐えそれ以上の地震動で破断するように設定されたノッチを形成した固定ボルトと、を備えることで、レベル2以上の地震動に対して下部構造及び支承装置を含む上部構造に過度の負荷を与えることなく分離し、固定ボルト破断後、第2カプラーの回転工具係合部に回転工具を係合して回転させ、第2カプラーと破断した固定ボルトを回収し、弾性支承を載置したベースプレートを新しい第2カプラーと新しい固定ボルトで下部構造に固定することで素早く機能を復元することが可能となる。
ベースプレートの固定ボルト用孔に第3のカプラーを配置することで、固定ボルトのベースプレート部分の耐震性能が向上する。
ベースプレートに橋軸方向に伸びる長孔を形成し、長孔に固定ボルト挿入孔を形成し長孔に沿って橋軸方向に移動可能な駒部材を配置し駒部材の前後と長孔との間隙にスペーサーを配置することで、固定ボルトと第1、第2カプラーとの位置合わせが容易にでき、駒部材により固定ボルトのベースプレートに対応する部分の耐震性能が向上する。
ベースプレートの固定ボルト用孔に第3のカプラーを配置することで、固定ボルトのベースプレート部分の耐震性能が向上する。
ベースプレートに橋軸方向に伸びる長孔を形成し、長孔に固定ボルト挿入孔を形成し長孔に沿って橋軸方向に移動可能な駒部材を配置し駒部材の前後と長孔との間隙にスペーサーを配置することで、固定ボルトと第1、第2カプラーとの位置合わせが容易にでき、駒部材により固定ボルトのベースプレートに対応する部分の耐震性能が向上する。
本発明の実施の形態を図により説明する。図1は、本発明の橋梁用支承装置1の一実施形態を示す図である。
橋梁用支承装置1は、橋脚等の下部構造2と主桁等の上部構造3との間に設置される。
橋梁用支承装置1は、下部構造2に固定されるベースプレート4に弾性支承や固定支承又は可動支承等の支承5が載置される。この実施形態では支承5を弾性固定支承とした場合で説明するので、下端をベースプレート4に固定されたせん断拘束部材6が支承5を貫通して上方に伸びている。
橋梁用支承装置1は、下部構造2に固定されるベースプレート4に弾性支承や固定支承又は可動支承等の支承5が載置される。この実施形態では支承5を弾性固定支承とした場合で説明するので、下端をベースプレート4に固定されたせん断拘束部材6が支承5を貫通して上方に伸びている。
せん断拘束部材6の上端には大径部6aが形成され、大径部6aが上部取付部材7に係合し上揚力をストップする。上部取付部材7がセットボルト8で上部構造3に連結される。支承5としては、弾性固定支承に限定されるものではなく、鋼製固定支承や鋼製可動支承、弾性可動支承等のいずれの橋梁用支承であっても適用可能であることは言うまでもない。
ベースプレート4には、固定ボルト用孔4aが複数形成される。ベースプレート4に形成された固定ボルト用孔4aに対応する下部構造2中に埋設されたアンカーボルト9の上端が第1カプラー10に連結される。図4(a)(b)に示されるように第1カプラー10には雌ネジ孔10aが形成される。
第1カプラー10の上に第2カプラー11をその上端面が下部構造2の表面位置と一致するように設置する。図3(a)(b)に示されるように第2カプラー11には、第1カプラー10の雌ネジ孔10aの内径と同じ内径の雌ネジ孔11aが形成される。また、第2カプラー11の上端には複数の回転工具係合部11bが形成される。
ベースプレート4に形成した固定ボルト用孔4aから固定ボルト12を挿入する。図2に示されるように、固定ボルト12には、第1カプラー10の雌ネジ孔10a、第2カプラー11の雌ネジ孔11aに螺着される雄ネジ12aが形成される。固定ボルト12のヘッド12cからベースプレート4の厚みより若干長めの位置にノッチ12bが形成される。ノッチ12bは、レベル2の地震動に対しては耐えるように設定され、レベル2以上の地震動が負荷されると破断するように設定されている。
橋梁の耐震性能としてレベル2の地震動に対して耐えるように設定されている。しかし、2011年の東日本大震災のようにそれ以上の地震動が橋梁に負荷された場合、上部構造と下部構造の間に設置される支承装置が耐震性能を超える大きな変位を伝達する手段として機能し、下部構造2及び支承装置を含む上部構造3が大きな損傷を受け、橋梁の復旧に多くの時間が必要になる。
本発明の橋梁用支承装置1は、下部構造2に支承装置を含む上部構造3を固定する固定ボルト12が、レベル2の地震動には耐え、それ以上の地震動が負荷されると固定ボルト12に形成したノッチ12cの部分で破断する。下部構造2と支承装置を含む上部構造3が固定ボルト12の破断により分離され、上部構造3と下部構造2の変位伝達機能が無くなることにより、下部構造2及び支承装置を含む上部構造3が大きな損傷を受けることがない。
図7、図8は、固定ボルト12の破断後の工程を示す図である。固定ボルト12のノッチ12bの部分の破断により、破断した固定ボルト12の雄ネジ12aは、第1カプラー10の雌ネジ孔10aと第2カプラー11の雌ネジ孔11aに螺着された状態で残される。固定ボルト12の破断後の固定ボルト12の上部は、ベースプレート4の固定ボルト用孔4aから簡単に除去できる。
第1カプラー10の雌ネジ孔10aと第2カプラー11の雌ネジ孔11aに螺着された状態で残された固定ボルト12の雄ネジ12aを除去するため、第2カプラー11の上端面に形成した回転工具係合部11bに回転工具13を係合し、雄ネジ12aを引き上げる方向に回転すると、第2カプラー11に螺着された雄ネジ12aが第1カプラー10の雌ネジ孔10aとの螺着が解除され、第2カプラー11と一緒に除去される。
第2カプラー11と破断した雄ネジ12aを除去した後、新しい第2カプラー11を残った第1カプラー10の上に配置し、弾性支承5を固定したベースプレート4の固定ボルト用孔4aから新しい固定ボルト12を挿入し、固定ボルト12の雄ネジ12aを第2カプラー11の雌ネジ孔11aと第1カプラー10の雌ネジ孔10aに螺着し、支承装置を含む上部構造3を下部構造に固定する。
以上のように本発明の橋梁用支承装置1によれば、レベル2以上の地震動に対して下部構造及び支承装置を含む上部構造に過度の負荷を与えることなく分離し、固定ボルト破断後、第2カプラーの回転工具係合部に回転工具を係合して回転させ、第2カプラーと破断した固定ボルトを回収し、弾性支承を載置したベースプレートを新しい第2カプラーと新しい固定ボルトで下部構造に固定することで素早く機能を復元することが可能となる。
図5は、ベースプレート4の固定ボルト用孔4aに第3カプラー14を配置し、地震時の変位により大きな応力が付加される固定ボルト12のノッチ12b上の固定ボルト部分の耐震性を向上させた実施形態を示す。
図6は、ベースプレート4に橋軸方向に伸びる複数の長孔4bを形成する。長孔4bに長孔4bの長さより短く固定ボルト挿入孔を形成した駒部材15を長孔4bに沿って橋軸方向に移動可能に配置する。長孔4bと駒部材15間の間隙にスペーサー16を配置する。スペーサー16を正確な水平面に配置するため、ベースプレート4の長穴4bに対応する下部構造2の水平なスペーサー受けプレート17をその表面位置が下部構造2の表面と面一になるように配置する。固定ボルトと第1、第2カプラーとの位置合わせが容易にでき、駒部材により固定ボルトのベースプレートに対応する部分の耐震性能が向上する。
1:橋梁用支承装置、2:下部構造、3:上部構造、4:ベースプレート、4a:固定ボルト用孔、4b:長孔、5:支承、6:せん断拘束部材、6a:大径部、7:上部取付部材、8:セットボルト、9:アンカーボルト、10:第1カプラー、10a:雌ネジ孔、11:第2カプラー、11a:雌ネジ孔、11b:回転工具係合部、12:固定ボルト、12a:雄ネジ、12b:ノッチ、12c:ヘッド、13:回転工具、14:第3カプラー、15:駒部材、16:スペーサー
Claims (3)
- 上部構造と下部構造との間に配置される橋梁用支承装置において、
下部構造に埋設されたアンカーボルトと連結され雌ネジ孔を形成した第1カプラーと、
第1カプラーの上に配置され雌ネジ孔を形成し上端に回転工具係合部を有する第2カプラーと、
支承を固定し固定ボルト用孔を形成したベースプレートと、
ベースプレートに形成した固定ボルト用孔に挿入され第1カプラー及び第2カプラーの雌ネジ孔に螺着される雄ネジが形成されベースプレートと第2カプラーの接合部に対応する位置にレベル2の地震動には耐えそれ以上の地震動で破断するように設定されたノッチを形成した固定ボルトと、
を備えることを特徴とする橋梁用支承装置。 - ベースプレートの固定ボルト用孔に第3のカプラーを配置することを特徴とする請求項1に記載の橋梁用支承装置。
- ベースプレートに橋軸方向に伸びる長孔を形成し、長孔に固定ボルト挿入孔を形成し長孔に沿って橋軸方向に移動可能な駒部材を配置し駒部材の前後と長孔との間隙にスペーサーを配置することを特徴とする請求項1に記載の橋梁用支承装置。
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JP2016246314A JP2018100514A (ja) | 2016-12-20 | 2016-12-20 | 橋梁用支承装置 |
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- 2016-12-20 JP JP2016246314A patent/JP2018100514A/ja active Pending
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