JP2018093185A - ショットキーバリアダイオード - Google Patents
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Abstract
Description
n型半導体層の上には、n型半導体層との間でショットキー接合を形成する第1電極が形成されている。n型半導体層の上には、p型半導体領域に電気的に接続された第2電極が形成されている。
順方向電圧を低減する一つの手法として、半導体層の面積を大きくすることが考えられる。しかし、半導体層の面積を大きくすると、部品そのものが大型化する結果、小型の部品を求める市場の要求に応えることができない。一方で、半導体層の面積を小さくすると、電流経路の縮小に伴って抵抗値が増大し、順方向電圧が増加するという背反がある。
したがって、第1電極層からダイオード領域に流れ込んだ電流は、ダイオード領域から半導体層を介して比抵抗が比較的小さいコンタクト電極層に導かれて、第2電極層に至る。これにより、第1電極層および第2電極層の間の電流経路における抵抗値の低減を図ることができるから、順方向電圧の低減を図ることができる。
本発明の一実施形態は、主面を有する半導体層と、前記半導体層の表層部に形成された第1導電型のダイオード領域と、前記半導体層の表層部に形成され、前記ダイオード領域に電気的に接続された第1導電型不純物領域と、前記ダイオード領域および前記第1導電型不純物領域に電気的に接続されるように前記半導体層の表層部における前記ダイオード領域を取り囲む周囲領域に沿って形成され、前記ダイオード領域の第1導電型不純物濃度よりも高い第1導電型不純物濃度を有するコンタクト領域と、前記半導体層の主面の上に形成され、前記ダイオード領域との間でショットキー接合を形成する第1電極層と、前記半導体層の主面の上に形成され、前記第1導電型不純物領域との間でオーミック接合を形成する第2電極層と、を含む、ショットキーバリアダイオードを提供する。
したがって、第1電極層からダイオード領域に流れ込んだ電流は、ダイオード領域から比較的抵抗値の低いコンタクト領域を介して第1導電型不純物領域に流れ込み、第2電極層に至る。これにより、第1電極層および第2電極層の間の電流経路における抵抗値の低減を図ることができるから、順方向電圧の低減を図ることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るSBDチップ1の斜視図である。図2は、図1に示すSBDチップ1の上面図である。以下では、ショットキーバリアダイオードがチップ部品に適用された構造を有するSBD(Schottky Barrier Diode)チップについて説明する。
チップ本体2の第1主面3および第2主面4は、第1主面3の法線方向から見た平面視(以下、単に「平面視」という。)において、長方形状に形成されている。チップ本体2の側面5A,5Bは、チップ本体2の長手方向に沿って延びる一対の長手側面5A、および、チップ本体2の短手方向に沿って延びる一対の短手側面5Bを含む。
チップ本体2の第1主面3の上には、第1外部端子6および第2外部端子7が間隔を空けて形成されている。
第2外部端子7は、チップ本体2の長手方向他方側の端部(図1および図2において右側の端部)に形成されている。第2外部端子7は、平面視においてチップ本体2の短手方向に沿って延びる長方形状に形成されている。
図3〜図6を参照して、チップ本体2は、半導体層10と、半導体層10の上に形成された表面絶縁層11と、表面絶縁層11の上に形成された表面電極層12と、表面電極層12の上に形成された最上絶縁層13とを含む。
n+型半導体基板17は、n+型シリコン基板を含んでいてもよい。n+型半導体基板17は、n型不純物濃度が比較的高い高濃度かつ低抵抗の領域として形成されている。n+型半導体基板17の比抵抗は、1.0mΩ・cm以上5.0mΩ・cm以下(たとえば3.0mΩ・cm程度)であってもよい。
n型エピタキシャル層18の厚さTは、2.0μm以上3.0μm以下であってもよい。n型エピタキシャル層18の厚さTは、2.0μm以上2.5μm以下であってもよい。n型エピタキシャル層18の厚さTは、2.0μm以上2.2μm以下であってもよい。
n型ダイオード領域20は、第1外部端子6の直下の領域から半導体層10の中央領域を横切って第2外部端子7の直下の領域の近傍まで延びている。n型ダイオード領域20は、平面視において半導体層10の4辺に平行な長方形状に形成されていてもよい。
n型ダイオード領域20は、n型ダイオード領域20の表層部に形成された表層領域21と、表層領域21に対して半導体層10の第2主面15側に形成された下層領域22とを含む。表層領域21は、n型不純物濃度が比較的低いn型低濃度領域である。下層領域22は、表層領域21のn型不純物濃度よりも高いn型不純物濃度を有するn型高濃度領域である。
この形態では、半導体層10の第1主面14の表層部の全域に、p型不純物が導入されている。図4〜図7Bにおいて、p型不純物が導入された領域および表層領域21は、二点鎖線によって示されている。
図8において、縦軸はn型不純物濃度であり、横軸は半導体層10の深さである。横軸は、半導体層10の第1主面14を零とした場合の半導体層10の深さを表している。
図8では、参考例に係るn型ダイオード領域20の濃度プロファイルが破線で示されている。参考例に係るn型ダイオード領域20のベースとなるn型エピタキシャル層18は、4μmの厚さTを有している。
これに対して、本実施形態に係るn型ダイオード領域20では、半導体層10の第1主面14側のn型不純物濃度が、半導体層10の第2主面15側のn型不純物濃度よりも低くなっている。
本実施形態に係るn型ダイオード領域20のn型不純物濃度は、深さ方向のほぼ全域に亘って、参考例に係るn型ダイオード領域20のn型不純物濃度よりも増加している。これは、n+型半導体基板17のn型不純物が拡散可能な領域内に、n型エピタキシャル層18の全域が形成されたためである。
本実施形態に係るn型ダイオード領域20は、n型ダイオード領域20の表層部において、n型不純物濃度の接線の傾き特性が減少から増加に転じる変曲点Pを有している。この変曲点Pは、表層領域21および下層領域22間の境界領域である。
n型ダイオード領域20の表層領域21は、変曲点P(表層領域21および下層領域22間の境界領域)から半導体層10の第1主面14に向かって、単位深さ当たりのn型不純物濃度の変化量の絶対値が徐々に大きくなる濃度プロファイルを有している。
n型ダイオード領域20の表層領域21では、変曲点Pから半導体層10の第1主面14に向かってn型不純物濃度が急激に低下している。半導体層10の第1主面14の近傍における表層領域21の単位深さ当たりのn型不純物濃度の変化量の絶対値は、変曲点P近傍における下層領域22の単位深さ当たりのn型不純物濃度の変化量の絶対値よりも大きい。
表層領域21のn型不純物濃度は、1.0×1016cm−3未満である。下層領域22のn型不純物濃度は、1.0×1016cm−3以上1.0×1020cm−3以下である。n型ダイオード領域20の表層部に表層領域21を設けている理由については、後に詳述する。
n+型不純物領域25は、n型ダイオード領域20(n型エピタキシャル層18)のn型不純物濃度よりも高いn型不純物濃度を有している。n+型不純物領域25は、n型不純物濃度が比較的高い高濃度かつ低抵抗の領域として形成されている。
n+型不純物領域25は、平面視において半導体層10の4辺に平行な長方形状に形成されている。n+型不純物領域25は、n型ダイオード領域20に電気的に接続されている。図7Aを参照して、半導体層10の第1主面14においてn+型不純物領域25が露出する部分には、一段窪んだ第1リセス部26が形成されている。
表面絶縁層11は、シリコン酸化膜31またはUSG膜32からなる単層構造を有していてもよい。表面絶縁層11には、n型ダイオード領域20を露出させる第1開口33と、n+型不純物領域25を露出させる第2開口34とが形成されている。
第2開口34は、n+型不純物領域25の周縁を除く内方領域を露出させるように形成されている。第2開口34は、n+型不純物領域25の各辺に平行な長方形状に形成されている。
p型ガードリング領域35は、第1開口33の内壁に沿って形成されている。p型ガードリング領域35は、平面視において第1開口33の内壁を横切って、第1開口33の内側の領域および外側の領域に跨っている。このようにして、p型ガードリング領域35は、n型ダイオード領域20を露出させている。
図3〜図5を参照して、表面電極層12は、表面絶縁層11の上に形成されている。表面電極層12は、半導体層10の比抵抗よりも小さい比抵抗を有する金属材料を含む。表面電極層12は、表面絶縁層11の上に形成された第1導電体膜41と、第1導電体膜41の上に形成された第2導電体膜42とを含む積層構造を有している。
第2導電体膜42は、第1導電体膜41の比抵抗よりも小さい比抵抗を有する金属材料により形成されている。第2導電体膜42は、銅、アルミニウム、銅を含む合金またはアルミニウムを含む合金のうちの少なくとも1種の金属材料を含む。
表面電極層12は、アノード電極層43(第1電極層)およびカソード電極層44(第2電極層)を含む。図3では、クロスハッチングによってアノード電極層43およびカソード電極層44が示されている。
アノード電極層43は、第1開口33内においてn型ダイオード領域20およびp型ガードリング領域35に電気的に接続されている。アノード電極層43は、n型ダイオード領域20との間でショットキー接合を形成している。アノード電極層43は、より具体的には、n型ダイオード領域20においてn型不純物濃度が比較的低い表層領域21との間でショットキー接合を形成している。
カソード電極層44は、半導体層10の短手方向に沿って延びている。カソード電極層44は、第1開口33の各辺に平行な長方形状に形成されている。カソード電極層44は、表面絶縁層11の上から第2開口34に入り込んでいる。カソード電極層44は、第2開口34内においてn+型不純物領域25に電気的に接続されている。
図3〜図6を参照して、表面電極層12は、コンタクト電極層45A,45B,45Cをさらに含む。コンタクト電極層45A,45B,45Cは、第1コンタクト電極層45A、第2コンタクト電極層45Bおよび第3コンタクト電極層45Cを含む。
コンタクト電極層45A,45B,45Cは、アノード電極層43およびカソード電極層44の間の抵抗値の低減を図るために設けられている。以下、コンタクト電極層45A,45B,45Cおよびその周辺の構造について具体的に説明する。
第1コンタクト孔46Aは、表面絶縁層11において、アノード電極層43(第1開口33)を取り囲む第1周囲領域51に形成されている。第1周囲領域51は、アノード電極層43の周縁および半導体層10の周縁によって区画された領域を含む。
第3コンタクト孔46Cは、アノード電極層43(第1開口33)およびカソード電極層44(第2開口34)の間の中間領域57に形成されている。
第1コンタクト対向部53は、平面視において第1開口33を挟んで第2開口34と対向している。第1コンタクト対向部53は、半導体層10の短手方向に沿って帯状に延びている。第1コンタクト対向部53は、第1開口33から間隔を空けて形成されている。
第2コンタクト対向部55は、半導体層10の第1主面14に沿う方向に第2開口34を挟んで第1開口33と対向している。第2コンタクト対向部55は、半導体層10の短手方向に沿って帯状に延びている。第2コンタクト対向部55は、第2開口34から間隔を空けて形成されている。
一対の第1コンタクトライン部54は、第2開口34側の端部において第3コンタクト孔46Cに連通している。第1コンタクト孔46Aおよび第3コンタクト孔46Cにより、平面視においてアノード電極層43(第1開口33)を取り囲む四角環状のコンタクト孔が形成されている。
第2コンタクト孔46Bが第2開口34から間隔を空けて形成されているが、第2コンタクト孔46Bは、第2開口34に連なっていてもよい。第3コンタクト孔46Cが第2開口34から間隔を空けて形成されているが、第3コンタクト孔46Cは、第2開口34に連なっていてもよい。
第2コンタクト孔46Bが延びる方向に直交する方向に関して、第2コンタクト孔46Bの幅WBは、1μm以上15μm以下(たとえば10μm程度)であってもよい。
第3コンタクト孔46Cが延びる方向に直交する方向に関して、第3コンタクト孔46Cの幅WCは、1μm以上15μm以下(たとえば5μm程度)であってもよい。
第1電極対向部61は、平面視においてアノード電極層43を挟んでカソード電極層44と対向している。第1電極対向部61は、半導体層10の短手方向に沿って帯状に延びている。第1電極対向部61は、アノード電極層43から間隔を空けて形成されている。
一対の第1電極ライン部62は、平面視において第1電極対向部61からカソード電極層44側に向けて引き出されている。一対の第1電極ライン部62は、アノード電極層43を挟み込むように第1電極対向部61の両端部からカソード電極層44側に向けて帯状に引き出されている。
第1コンタクト電極層45Aが延びる方向に直交する方向に関して、第1コンタクト電極層45Aの幅DAは、第1コンタクト孔46Aの幅WAよりも幅広に形成されている。第1コンタクト電極層45Aの幅DAは、1μm以上15μm以下(たとえば8μm程度)であってもよい。
第2電極対向部63は、平面視においてカソード電極層44を挟んでアノード電極層43と対向している。第2電極対向部63は、半導体層10の短手方向に沿って帯状に延びている。
一対の第2電極ライン部64は、平面視において第2電極対向部63からアノード電極層43側に向けて引き出されている。一対の第2電極ライン部64は、カソード電極層44を挟み込むように第2電極対向部63の両端部からアノード電極層43側に向けて帯状に引き出されている。
第2コンタクト電極層45Bが延びる方向に直交する方向に関して、第2コンタクト電極層45Bの幅DBは、第2コンタクト孔46Bの幅WBよりも幅広に形成されている。第2コンタクト電極層45Bの幅DBは、1μm以上20μm以下(たとえば20μm程度)であってもよい。
つまり、第2コンタクト電極層45Bは、カソード電極層44の一部を形成していてもよい。他の形態において、第2コンタクト電極層45Bにおいて、第2電極対向部63および一対の第2電極ライン部64は、カソード電極層44から間隔を空けて形成されていてもよい。
第3コンタクト電極層45Cは、アノード電極層43およびカソード電極層44から間隔を空けて形成されている。第3コンタクト電極層45Cは、表面絶縁層11の上から第3コンタクト孔46Cに入り込んでいる。第3コンタクト電極層45Cは、第3コンタクト孔46C内において半導体層10の第1主面14に接続されている。
第3コンタクト電極層45Cは、カソード電極層44に連なっていてもよい。つまり、第3コンタクト電極層45Cは、カソード電極層44の一部を形成していてもよい。他の形態において、第3コンタクト電極層45Cは、カソード電極層44から間隔を空けて形成されていてもよい。
第1コンタクト電極層45Aは、第1周囲領域51において、アノード電極層43の非対向領域に沿うように形成されている。第2コンタクト電極層45Bは、第2周囲領域52において、カソード電極層44の非対向領域に沿うように形成されている。第3コンタクト電極層45Cは、中間領域57において、カソード電極層44の対向領域と、アノード電極層43の対向領域に沿うように形成されている。
n+型コンタクト領域70A,70B,70Cは、半導体層10の第1主面14の表層部において、n型ダイオード領域20の周囲領域に形成されている。図7Bを参照して、半導体層10の第1主面14においてn+型コンタクト領域70A,70B,70Cが露出する部分には、一段窪んだ第2リセス部71が形成されている。
n+型コンタクト領域70A,70B,70Cは、n+型不純物領域25のn型不純物濃度とほぼ等しいn型不純物濃度を有している。n+型コンタクト領域70A,70B,70Cは、n型不純物濃度が比較的高い高濃度かつ低抵抗の領域として形成されている。
第1コンタクト領域70Aは、半導体層10の第1主面14の表層部において、少なくとも第1コンタクト電極層45Aと対向する領域に形成されている。
第2コンタクト領域70Bは、半導体層10の第1主面14の表層部において、少なくとも第2コンタクト電極層45Bと対向する領域に形成されている。
第1コンタクト領域70Aは、より具体的には、第1コンタクト電極層45Aと対向するように第1電極対向部61および一対の第1電極ライン部62に沿って形成されている。第1コンタクト領域70Aは、この形態では、第1コンタクト電極層45Aの全域と対向している。第1コンタクト領域70Aは、n型ダイオード領域20およびn+型不純物領域25に電気的に接続されている。
これにより、n型ダイオード領域20は、第1コンタクト領域70Aを介して、第1コンタクト電極層45A、n+型不純物領域25およびカソード電極層44に電気的に接続されている。
これにより、n型ダイオード領域20は、第2コンタクト領域70Bを介して、第2コンタクト電極層45B、n+型不純物領域25およびカソード電極層44に電気的に接続されている。
これにより、n型ダイオード領域20は、第3コンタクト領域70Cを介して、第3コンタクト電極層45C、n+型不純物領域25およびカソード電極層44に電気的に接続されている。
これにより、n+型コンタクト領域70A,70B,70Cが形成されていない場合に比べて、半導体層10(n型エピタキシャル層18)の抵抗値を低減できるから、アノード電極層43およびカソード電極層44の間の電流経路の抵抗値をさらに低減できる。
パッシベーション膜81は、窒化シリコンを含んでいてもよい。樹脂膜82は、ポリイミド樹脂を含んでいてもよい。最上絶縁層13には、アノード電極層43を露出させるアノードパッド開口83と、カソード電極層44を露出させるカソードパッド開口84とが形成されている。
第1外部端子6は、最上絶縁層13から突出するように形成されている。第1外部端子6は、最上絶縁層13を被覆する被覆部を有している。第1外部端子6は、複数の金属膜が積層された積層構造を有していてもよい。複数の金属膜は、アノード電極層43からこの順に積層されたNi膜、Pd膜およびAu膜を含んでいてもよい。
第2外部端子7は、最上絶縁層13から突出するように形成されている。第2外部端子7は、最上絶縁層13を被覆する被覆部を有している。第2外部端子7は、複数の金属膜が積層された積層構造を有していてもよい。複数の金属膜は、カソード電極層44からこの順に積層されたNi膜、Pd膜およびAu膜を含んでいてもよい。
図9Aを参照して、参考例に係るSBDチップ601は、コンタクト電極層45A,45B,45C、コンタクト孔46A,46B,46Cおよびn+型コンタクト領域70A,70B,70Cを含まない点を除いて、SBDチップ1とほぼ同様の構造を有している。参考例に係るSBDチップ601において、SBDチップ1の構成に対応する構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
順方向電流IFは、第1外部端子6および第2外部端子7(アノード電極層43およびカソード電極層44)の間に順方向電圧VFが印加された状態において、第1外部端子6および第2外部端子7(アノード電極層43およびカソード電極層44)の間を流れる電流である。
ブレークダウン電圧BVとは、第1外部端子6および第2外部端子7(アノード電極層43およびカソード電極層44)の間に逆方向電圧VRが印加された状態において、降伏現象が始まり、第1外部端子6および第2外部端子7(アノード電極層43およびカソード電極層44)の間を流れる逆方向電流IRが急激に増加する電圧である。
SBDチップ601Cは、n型エピタキシャル層18の厚さTが2.5μmに設定されたSBDチップ601である。SBDチップ601Dは、n型エピタキシャル層18の厚さTが3.8μmに設定されたSBDチップ601である。
図10は、表1に示す参考例に係るSBDチップ601A,601B,601C,601Dにおいて、n型エピタキシャル層18の厚さTと順方向電圧VFとの関係を説明するためのグラフである。
図10を参照して、n型エピタキシャル層18の厚さTが小さくなると順方向電圧VFが小さくなった。また、n型エピタキシャル層18の厚さTが大きくなると順方向電圧VFが大きくなった。
このことから、n型エピタキシャル層18の厚さTを小さくして、n型エピタキシャル層18の抵抗値を低減することにより、低い順方向電圧VFを実現できることが分かった。
図11において、縦軸は逆方向電流IRであり、横軸はn型エピタキシャル層18の厚さTである。逆方向電流IRは、逆方向電圧VRが10Vのときの、第1外部端子6および第2外部端子7の間に流れる電流である。
n型エピタキシャル層18の厚さTの減少に応じて、逆方向電流IRが増加するのは、n+型半導体基板17から拡散するn型不純物に起因すると考えられる。
その結果、表面電極層12およびn型エピタキシャル層18の間において漏れ電流が増加し、逆方向電流IRが増加したと考えられる。
よって、n型エピタキシャル層18の厚さTを小さくする場合において、n型エピタキシャル層18、とりわけn型エピタキシャル層18の表層部のn型不純物濃度の増加を抑制することにより、逆方向電流IRの増加を抑制できることがわかった。
図12において、縦軸はブレークダウン電圧BVであり、横軸はn型エピタキシャル層18の厚さTである。ブレークダウン電圧BVは、逆方向電流IRが1mAのときの、第1外部端子6および第2外部端子7の間の電圧である。
図10〜図12を参照して、比較的低い順方向電圧VFを実現しようとすると、逆方向電流IRが増加することが分かった。また、比較的低い順方向電圧VFを実現しようとすると、ブレークダウン電圧BVが低下することが分かった。
このことから、n型エピタキシャル層18の厚さTを適切な値に設定することにより、低順方向電圧VF、低逆方向電流IRおよび高ブレークダウン電圧BVを実現できることが分かった。
n型エピタキシャル層18の比抵抗は、n型ダイオード領域20の比抵抗でもある。n型エピタキシャル層18の比抵抗が小さいことは、n型エピタキシャル層18のn型不純物濃度が高いことを意味している。n型エピタキシャル層18の比抵抗が大きいことは、n型エピタキシャル層18のn型不純物濃度が低いことを意味している。
SBDチップ601E,601F,601Gの順方向電圧VF、逆方向電流IRおよびブレークダウン電圧BVをシミュレーションにより求めた結果が、図13〜図15に示されている。
図13において、縦軸は順方向電圧VFであり、横軸はn型エピタキシャル層18の比抵抗である。順方向電圧VFは、順方向電流IFが2Aのときの、第1外部端子6および第2外部端子7の間の電圧である。
このことから、n型エピタキシャル層18の比抵抗を小さくすることにより、低い順方向電圧VFを実現できることが分かった。
図14は、表2に示す参考例に係るSBDチップ601E,601F,601Gにおいて、n型エピタキシャル層18の比抵抗と逆方向電流IRとの関係を説明するためのグラフである。
図14を参照して、n型エピタキシャル層18の比抵抗が小さくなると、逆方向電流IRが大きくなった。また、n型エピタキシャル層18の比抵抗が大きくなると、逆方向電流IRが小さくなった。
図11では、n+型半導体基板17から拡散したn型不純物に起因するn型エピタキシャル層18のn型不純物濃度の増加により、逆方向電流IRが増加することを述べた。これは、比抵抗の低下に応じて、逆方向電流IRが増加する特性を示す図14によっても、裏付けられている。
図15において、縦軸はブレークダウン電圧BVであり、横軸はn型エピタキシャル層18の比抵抗である。ブレークダウン電圧BVは、逆方向電流IRが1mAのときの、第1外部端子6および第2外部端子7の間の電圧である。
このことから、n型エピタキシャル層18の比抵抗を大きくすることにより、高いブレークダウン電圧BVを実現できることが分かった。
したがって、順方向電圧VFおよび逆方向電流IRの間には、背反の関係が存在していることが分かった。また、順方向電圧VFおよびブレークダウン電圧BVの間にも、背反の関係が存在していることが分かった。
図10〜図12から、n型エピタキシャル層18の厚さTは、小さい方が好ましいことが理解される。しかし、n型エピタキシャル層18の厚さTが2μm未満になると、逆方向電流IRが急激に増加する。これは、n+型半導体基板17からのn型不純物の拡散によるn型エピタキシャル層18のn型不純物濃度の増加に起因する。
そして、n型エピタキシャル層18の薄化に伴う逆方向電流IRの抑制の観点から、n型エピタキシャル層18の表層部のn型不純物濃度を低くすればよいことが理解される。
SBDチップ1は、参考例に係るSBDチップ601とは異なり、コンタクト電極層45A,45B,45C、コンタクト孔46A,46B,46Cおよびn+型コンタクト領域70A,70B,70Cを含む。
SBDチップ1では、n型エピタキシャル層18の比抵抗が、0.4Ω・cm以上に設定されている。n型エピタキシャル層18の比抵抗は、より具体的には、0.7Ω・cm以上1.0Ω・cm以下に設定されている。
この表層領域21により、n+型半導体基板17からのn型不純物の拡散によるn型エピタキシャル層18のn型不純物濃度の変動が抑制されている。表層領域21は、とりわけn型エピタキシャル層18の表層部のn型不純物濃度の増加を抑制している。
図16は、図1に示すSBDチップ1の順方向電圧VF−順方向電流IF特性を示すグラフである。図16において、縦軸は順方向電流IFであり、横軸は順方向電圧VFである。
図17を参照して、第1外部端子6および第2外部端子7の間の逆方向電圧VRが10Vのとき、第1外部端子6および第2外部端子7の間の逆方向電流IRが1.0×10−4A以下という結果が得られた。第1外部端子6および第2外部端子7の間の逆方向電圧VRが20Vのとき、第1外部端子6および第2外部端子7の間の逆方向電流IRが1.0×10−3A以下という結果が得られた。
図18を参照して、第1外部端子6および第2外部端子7の間の逆方向電圧VRが20V以上になると、逆方向電流IRが急激に増加している。したがって、第1外部端子6および第2外部端子7の間のブレークダウン電圧BVは、20V以上である。
図19は、図1に示すSBDチップ1の順方向電圧VF−寄生容量CT特性を示すグラフである。図19において、縦軸は寄生容量CTであり、横軸は逆方向電圧VRである。寄生容量CTは、第1外部端子6および第2外部端子7(アノード電極層43およびカソード電極層44)の間の端子間容量でもある。
図20は、図1に示すSBDチップ1において、n型エピタキシャル層18の厚さTを調整した場合の順方向電圧VFの変化を示すグラフである。図20において、縦軸は順方向電圧VFであり、横軸はn型エピタキシャル層18の厚さTである。
図20を参照して、n型エピタキシャル層18の厚さTが2.0μm以上2.2μm以下の範囲において、順方向電流IFが2Aのときの順方向電圧VFは、0.43V以上0.45V以下であるという結果が得られた。
ここでは、n型エピタキシャル層18の厚さTを2.0μmおよび2.2μmの間で変化させた場合の逆方向電流IRの変化を示している。逆方向電流IRは、第1外部端子6および第2外部端子7の間の逆方向電圧VRが10Vのときの、第1外部端子6および第2外部端子7の間を流れる電流である。
図22は、図1に示すSBDチップ1において、n型エピタキシャル層18の厚さTを調整した場合のブレークダウン電圧BVの変化を示すグラフである。図22において、縦軸はブレークダウン電圧BVであり、横軸はn型エピタキシャル層18の厚さTである。
図22を参照して、n型エピタキシャル層18の厚さTが2.0μm以上2.2μm以下の範囲において、第1外部端子6および第2外部端子7の間のブレークダウン電圧BVは、23V以上27V以下であるという結果が得られた。
ここでは、n型エピタキシャル層18の厚さTを2.0μmおよび2.2μmの間で変化させた場合の、静電破壊耐量の変化を示している。
さらに、この形態では、SBDチップ1において、コンタクト孔46A,46B,46Cの形状を調整した場合の順方向電圧VFの変化をシミュレーションにより求めた。
図24〜図27を参照して、第1評価用素子1A、第2評価用素子1Bおよび第3評価用素子1Cの形態、および、それらの順方向電圧VFについて具体的に説明する。
第1評価用素子1Aは、第3コンタクト孔46Cを含まない点を除いて、図1に示すSBDチップ1の構成とほぼ同様の構成を有している。図24Aおよび図24Bにおいて、図1に示すSBDチップ1と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
一対の第1コンタクトライン部54のカソード電極層44側の端部は、カソード電極層44に近接する位置に形成されている。一対の第1コンタクトライン部54のカソード電極層44側の端部は、表面絶縁層11を挟んで、第2コンタクト孔46Bの一対の第2コンタクトライン部56のアノード電極層43側の端部と対向している。
第2評価用素子1Bは、第3コンタクト孔46Cを含まない点を除いて、図1に示すSBDチップ1の構成とほぼ同様の構成を有している。図25Aおよび図25Bにおいて、図1に示すSBDチップ1と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
一対の第1コンタクトライン部54のカソード電極層44側の端部は、表面絶縁層11を挟んで、第2コンタクト孔46Bの一対の第2コンタクトライン部56のアノード電極層43側の端部と対向している。
第3評価用素子1Cは、第1コンタクト孔46Aが一対の第1コンタクトライン部54を含まない点、および第3コンタクト孔46Cを含まない点を除いて、図1に示すSBDチップ1の構成とほぼ同様の構成を有している。図26Aおよび図26Bにおいて、図1に示すSBDチップ1と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図27において、縦軸は順方向電圧VFであり、横軸は部品名である。順方向電圧VFは、順方向電流IFが2Aのときの、第1外部端子6および第2外部端子7の間の電圧である。
参考例に係るSBDチップ601のn型エピタキシャル層18の厚さTが2.0μm以上2.5μm以下に設定されている。参考例に係るSBDチップ601のn型エピタキシャル層18の比抵抗は、0.7Ω・cm程度に設定されている。
より具体的には、参考例に係るSBDチップ601では、順方向電流IFが2Aのときの順方向電圧VFが0.47Vよりも大きい(VF>0.47V)。
特に、SBDチップ1、第1評価用素子1Aおよび第2評価用素子1Bでは、順方向電流IFが2Aのときの順方向電圧VFが0.44V以下である(VF≦0.44V)。
このように、SBDチップ1において、第1コンタクト孔46Aおよび第2開口34(第2コンタクト孔46B)を分離した状態で、第1コンタクト孔の形状を変化させた場合であっても、参考例に係るSBDチップ601の順方向電圧VFよりも優れた順方向電圧VFを達成できることが分かった。
図28〜図31を参照して、第4評価用素子1D、第5評価用素子1Eおよび第6評価用素子1Fの形態、および、それらの順方向電圧VFについて説明する。
第4評価用素子1Dは、第1コンタクト孔46Aが第1コンタクト対向部53を含まない点を除いて、図1に示すSBDチップ1の構成とほぼ同様の構成を有している。図28Aおよび図28Bにおいて、図1に示すSBDチップ1と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
第5評価用素子1Eは、第1コンタクト孔46Aが第1コンタクト対向部53を含まない点、一対の第1コンタクトライン部54においてカソード電極層44側の端部とは反対側の端部が、半導体層10の短手方向に第1開口33の中央領域と対向している点を除いて、図1に示すSBDチップ1の構成とほぼ同様の構成を有している。図29Aおよび図29Bにおいて、図1に示すSBDチップ1と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
第6評価用素子1Fは、第1コンタクト孔46Aを含まない点を除いて、図1に示すSBDチップ1の構成とほぼ同様の構成を有している。図30Aおよび図30Bにおいて、図1に示すSBDチップ1と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図31において、縦軸は順方向電圧VFであり、横軸は部品名である。順方向電圧VFは、順方向電流IFが2Aのときの、第1外部端子6および第2外部端子7の間の電圧である。
参考例に係るSBDチップ601のn型エピタキシャル層18の厚さTが2.0μm以上2.5μm以下に設定されている。参考例に係るSBDチップ601の比抵抗は0.7Ω・cm程度に設定されている。
より具体的には、SBDチップ1、ならびに、第4評価用素子1D、第5評価用素子1Eおよび第6評価用素子1Fでは、順方向電流IFが2Aのときの順方向電圧VFが0.47V以下である(VF≦0.47V)。このときの順方向電圧VFは、さらに具体的には、0.46V以下である(VF≦0.46V)。
このように、第1コンタクト孔46Aおよび第2開口34(第2コンタクト孔46B)が連通した状態で、コンタクト孔46A,46B,46Cの形状を変化させた場合であっても、参考例に係るSBDチップ601の順方向電圧VFよりも優れた順方向電圧VFを達成できることが分かった。
第1評価用素子1A、第2評価用素子1B、第3評価用素子1C、第4評価用素子1D、第5評価用素子1E、第6評価用素子1Fの逆方向電流IR、ブレークダウン電圧BV、寄生容量CTおよび静電破壊耐量の各特性は、図1に示すSBDチップ1とほぼ同様であるので、説明を省略する。
アノード電極層43からn型ダイオード領域20に流れ込んだ電流は、n型ダイオード領域20から半導体層10を介して、比抵抗が比較的小さい第1コンタクト電極層45Aに導かれて、カソード電極層44に至る。これにより、第1外部端子6および第2外部端子7の間(アノード電極層43およびカソード電極層44の間)の電流経路における抵抗値の低減を図ることができる。
したがって、第2コンタクト電極層45Bおよび第3コンタクト電極層45Cの分だけ、第1外部端子6および第2外部端子7の間(アノード電極層43およびカソード電極層44の間)の電流経路における抵抗値をさらに低下させることができる。
SBDチップ1は、半導体層10の第1主面14の表層部において第2コンタクト電極層45Bに対向する領域に形成され、かつ、第2コンタクト電極層45Bに電気的に接続された第2コンタクト領域70Bをさらに含む。
第1コンタクト領域70A、第2コンタクト領域70Bおよび第3コンタクト領域70Cは、さらにn型ダイオード領域20およびn+型不純物領域25に電気的に接続されている。
アノード電極層43からn型ダイオード領域20に流れ込んだ電流の一部は、n型ダイオード領域20の抵抗値よりも小さい抵抗値を有する第1コンタクト領域70A、第2コンタクト領域70Bおよび第3コンタクト領域70Cを介して、第1コンタクト電極層45A、第2コンタクト電極層45Bおよび第3コンタクト電極層45Cに流れ込む。
よって。第1外部端子6および第2外部端子7の間(アノード電極層43およびカソード電極層44の間)の電流経路の抵抗値をさらに低減できる。
順方向電圧VFを低減するには、半導体層10という限られた領域において、n型ダイオード領域20に対するアノード電極層43の接続面積(以下、単に「ダイオード面積」という。)を如何にして確保するかが一つの問題となる。たとえば、アノード電極層43が小さいと、ダイオード面積も小さくなるから、順方向電圧VFが高くなる。
これにより、アノード電極層43を犠牲にすることなく第1コンタクト領域70Aを形成できる。その結果、半導体層10の面積に対する割合が比較的大きいダイオード面積を確保できる。よって、このような観点からも順方向電圧VFの低減を図ることができる。
より具体的には、n型ダイオード領域20は、n型ダイオード領域20の表層部に形成された表層領域21と、表層領域21に対して半導体層10の第2主面15側に形成された下層領域22とを含む。
n型ダイオード領域20の厚さ(n型エピタキシャル層18の厚さT)が小さくなると、n+型半導体基板17から拡散するn型不純物により、n型ダイオード領域20、とりわけn型ダイオード領域20の表層部のn型不純物濃度が増加しやすくなる。
そこで、SBDチップ1では、n型不純物濃度が比較的高い下層領域22を形成している一方で、その表層部においてn型不純物濃度が下層領域22よりも低い表層領域21を形成している。
これにより、n型ダイオード領域20における下層領域22により、順方向電圧VFを向上させることができ、かつ、n型ダイオード領域20における表層領域21により、逆方向電流IRの増加を抑制できる。よって、順方向電圧VFの低減および逆方向電流IRの増加の抑制を図ることができるSBDチップ1を提供できる。
しかし、n型ダイオード領域20の表層部には、p型不純物を含む表層領域21が形成されているので、表層領域21に進入したn型不純物は、表層領域21内のp型不純物によって相殺される。
また、本実施形態によれば、半導体層10の長手方向に沿って延びる長手側面16Aの長さが1.6mm以下であり、半導体層10の短手方向に沿って延びる短手側面16Bの長さが0.8mm以下であるSBDチップ1を提供できる。
また、第1外部端子6および第2外部端子7の間(アノード電極層43およびカソード電極層44の間)の順方向電流IFが2Aのとき、第1外部端子6および第2外部端子7の間(アノード電極層43およびカソード電極層44の間)の順方向電圧VFが0.47V以下であるSBDチップ1を提供できる。
また、第1外部端子6および第2外部端子7の間(アノード電極層43およびカソード電極層44の間)の順方向電流IFが2Aのとき、第1外部端子6および第2外部端子7の間(アノード電極層43およびカソード電極層44の間)の順方向電圧VFが0.44V以下であるSBDチップ1を提供できる。
また、第1外部端子6および第2外部端子7の間(アノード電極層43およびカソード電極層44の間)の逆方向電圧VRが20Vのとき、第1外部端子6および第2外部端子7の間(アノード電極層43およびカソード電極層44の間)の逆方向電流IRが1.0×10−3A以下であるSBDチップ1を提供できる。
また、第1外部端子6および第2外部端子7の間(アノード電極層43およびカソード電極層44の間)の逆方向電圧VRが5V以上のとき、第1外部端子6および第2外部端子7の間(アノード電極層43およびカソード電極層44の間)の寄生容量CTが100pF以下であるSBDチップ1を提供できる。
また、第1外部端子6および第2外部端子7の間(アノード電極層43およびカソード電極層44の間)のブレークダウン電圧BVが、20V以上であるSBDチップ1を提供できる。
まず、図33Aに示すように、1枚のn+型シリコンウエハ91が用意される(図32のステップS1)。n+型シリコンウエハ91は、n+型半導体基板17の基になる。n+型シリコンウエハ91の比抵抗は1.0mΩ・cm以上5.0mΩ・cm以下(たとえば3.0mΩ・cm程度)であってもよい。
次に、図33Bを参照して、n+型シリコンウエハ91の主面からシリコンがエピタキシャル成長される(図32のステップS2)。シリコンのエピタキシャル成長は、n型不純物(たとえばリンやヒ素等)の導入と並行して行われる。
n型エピタキシャル層18は、その比抵抗が、0.7Ω・cm以上1.0Ω・cm以下(たとえば0.7Ω・cm程度)となるように形成されてもよい。
n型エピタキシャル層18が形成された後、n型エピタキシャル層18の表層部にp型不純物が導入される(図32のステップS3)。
n型エピタキシャル層18において表層領域21の下層に、表層領域21のn型不純物濃度よりも高いn型不純物濃度を有する下層領域22が形成される。n型エピタキシャル層18のうちの表層領域21および下層領域22を含む所定の領域が、n型ダイオード領域20として設定される。n型ダイオード領域20は、この形態では、平面視において四角形状に設定される。
これにより、n+型不純物領域25を形成すべき領域を露出させる第1開口93と、n+型コンタクト領域70A,70B,70Cを形成すべき領域を露出させる第2開口94とが、シリコン酸化膜92に形成される。
多結晶シリコン95は、より具体的には、シリコン酸化膜92の第1開口93から露出するn型エピタキシャル層18の主面の上、および、シリコン酸化膜92の第2開口94から露出するn型エピタキシャル層18の主面の上に堆積される。
次に、図33Eを参照して、シリコン酸化膜92が除去される(図32のステップS7)。リンデポ工程では、熱処理を経ることにより、多結晶シリコン95とn型エピタキシャル層18の主面が接する部分に薄いシリコン酸化膜(図示せず)がさらに形成される。
n型エピタキシャル層18の主面において薄いシリコン酸化膜が除去された部分が、第1リセス部26および第2リセス部71となる(図7Aおよび図7B参照)。むろん、n型エピタキシャル層18の表層部に対するリンの導入は、リンデポ工程に代えて、イオン注入法によって行われてもよい。
次に、シリコン酸化膜31のうちの、p型ガードリング領域35を形成すべき領域に対応する部分が除去される(図32のステップS9)。シリコン酸化膜31の不要な部分は、フォトリソグラフィおよびエッチングによって除去されてもよい。これにより、p型ガードリング領域35を形成すべき領域を露出させる第3開口97が、シリコン酸化膜31に形成される。
n型エピタキシャル層18の表層部に導入されるp型不純物のp型不純物濃度は、n型エピタキシャル層18の表層部のn型不純物濃度よりも高い。これにより、p型ガードリング領域35の基となるp型領域98が、n型エピタキシャル層18の表層部に形成される。
これにより、n+型不純物領域25およびn+型コンタクト領域70A,70B,70Cが、n型エピタキシャル層18に形成されると同時に、p型ガードリング領域35がn型エピタキシャル層18の表層部に形成される。この工程において、n型不純物濃度が比較的高いn+型不純物領域25およびn+型コンタクト領域70A,70B,70Cは、n+型シリコンウエハ91に接続される。
たとえば、n型エピタキシャル層18の厚さTが3μmを超える(厚さT>3μm)場合、n+型不純物領域25およびn+型コンタクト領域70A,70B,70Cを形成するn型不純物が、n+型シリコンウエハ91に到達し難くなる。
n+型不純物領域25やp型ガードリング領域35を形成するに当たり、ドライブイン処理を多段階的に施す場合には、n型不純物の不所望な拡散が問題となる。
このようなn型不純物の不所望な拡散は、n型エピタキシャル層18のn型不純物濃度の不所望な増加を招くことから、図10〜図15において述べたように逆方向電流IRの増加等を引き起こす一つの原因になりかねない。
このような製造方法は、熱処理によるn型不純物の不所望な拡散を抑制できるから、n型エピタキシャル層18に対する熱履歴を抑制し、かつ良好な電気的特性を実現するうえで利点がある。このような製造方法を適用できる点において、SBDチップ1は、構造面において利点を有しているともいえる。
次に、図33Iを参照して、表面絶縁層11のうちの、n型ダイオード領域20を露出させる第1開口33、n+型不純物領域25を露出させる第2開口34およびn+型コンタクト領域70A,70B,70Cを露出させるコンタクト孔46A,46B,46Cを形成すべき領域に対応する部分が除去される(図32のステップS13)。
次に、図33Jを参照して、窒化チタン層および/またはチタン層を含む第1導電体膜41が、表面絶縁層11の表面の上に形成される。第1導電体膜41(窒化チタン層および/またはチタン層)は、スパッタ法によって形成されてもよい。
次に、n型エピタキシャル層18における第1導電体膜41と接する部分にチタンシリサイド層(図示せず)が形成される(図32のステップS15)。チタンシリサイド層(図示せず)は、RTA(Rapid Thermal Annealing)処理法によって形成されてもよい。
表面絶縁層11の第1開口33内でn型ダイオード領域20と接する第1導電体膜41は、n型ダイオード領域20との間でショットキー接合を形成する。より具体的には、第1導電体膜41は、n型ダイオード領域20の表層領域21との間でショットキー接合を形成する。
次に、図33Kを参照して、アノード電極層43、カソード電極層44およびコンタクト電極層45A,45B,45Cに対応する部分を残存させるように、表面電極層12の不要な部分が除去される(図32のステップS17)。
次に、図33Lを参照して、窒化シリコンが表面電極層12の上に堆積されて、表面電極層12を被覆するパッシベーション膜81が形成される(図32のステップS18)。パッシベーション膜81は、CVD法によって形成されてもよい。
次に、樹脂膜82が選択的に露光・現像されて、アノードパッド開口83用の第4開口99と、カソードパッド開口84用の第5開口100とが樹脂膜82に形成される(図32のステップS20)。
次に、図33Nを参照して、たとえばめっき処理によって、アノードパッド開口83から露出するアノード電極層43上およびカソードパッド開口84から露出するカソード電極層44の上に、Ni膜、Pd膜およびAu膜が順に形成される(図32のステップS21)。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はさらに他の形態で実施することもできる。
図34Bでは、半導体層10の第1主面14側の構造だけが示されている。図34Aおよび図34Bにおいて、SBDチップ1の構成に対応する構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
SBDチップ101において、それ以外の構造については、SBDチップ1とほぼ同様である。このような構造のSBDチップ101によっても、順方向電圧VFの低減を図ることができる。
また、本変形例において、第1コンタクト孔46Aが、第1コンタクト対向部53および1つの第1コンタクトライン部54だけを有している構造が採用されてもよい。また、本変形例において、第1コンタクト電極層45Aが、第1電極対向部61および1つの第1電極ライン部62だけを有する構造が採用されてもよい。
図35Bでは、半導体層10の第1主面14側の構造だけが示されている。図35Aおよび図35Bにおいて、SBDチップ1の構成に対応する構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
本変形例において、第1コンタクト孔46Aが、第1コンタクト対向部53および1つの第1コンタクトライン部54だけを有している構造が採用されてもよい。本変形例において、第1コンタクト電極層45Aが、第1電極対向部61および1つの第1電極ライン部62だけを有する構造が採用されてもよい。
図36Aおよび図36Bに示される構造を有するSBDチップ103が採用されてもよい。図36Aは、第3変形例に係るSBDチップ103を示す平面図である。図36Bは、図36Aに示すB-B線に沿う断面図である。
SBDチップ103では、第1コンタクト孔46Aのうちの一対の第1コンタクトライン部54の一方は、第3コンタクト孔46C(第2コンタクト孔46B)と連なるように形成されている。第1コンタクト孔46Aのうちの一対の第1コンタクトライン部54の他方は、第3コンタクト孔46C(第2コンタクト孔46B)から分離して形成されている。
第1コンタクト電極層45Aのうち、第3コンタクト電極層45C(第2コンタクト電極層45B)から分離して形成された他方の第1電極ライン部62は、n+型コンタクト領域70A,70B,70Cを介して第3コンタクト電極層45C(第2コンタクト電極層45B)に電気的に接続されている。
図37Aおよび図37Bに示される構造を有するSBDチップ104が採用されてもよい。図37Aは、第4変形例に係るSBDチップ104を示す平面図である。図37Bは、図37Aに示すB-B線に沿う断面図である。
第1コンタクト孔46Aは、第1コンタクト対向部53を有していない。第1コンタクト孔46Aのうちの一対の第1コンタクトライン部54の一方は、第3コンタクト孔46C(第2コンタクト孔46B)と連なるように形成されている。
第1コンタクト電極層45Aは、第1電極対向部61を有していない。第1コンタクト電極層45Aのうちの一対の第1電極ライン部62の一方は、第3コンタクト電極層45C(第2コンタクト電極層45B)と連なるように形成されている。
第1コンタクト電極層45Aのうち、第3コンタクト電極層45C(第2コンタクト電極層45B)から分離して形成された他方の第1電極ライン部62は、n+型コンタクト領域70A,70B,70Cを介して第3コンタクト電極層45C(第2コンタクト電極層45B)に電気的に接続されている。
本変形例において、第1コンタクト孔46Aは、第1コンタクト対向部53を含み、第1コンタクト対向部53が、第3コンタクト孔46C(第2コンタクト孔46B)と連なる一方の第1コンタクトライン部54だけに連通する構造を有していてもよい。
本変形例において、第1コンタクト電極層45Aは、第1電極対向部61を含み、第1電極対向部61が、第3コンタクト電極層45C(第2コンタクト電極層45B)と連なる一方の第1電極ライン部62だけに接続された構造を有していてもよい。
SBDチップ101,SBDチップ102,SBDチップ103およびSBDチップ104の各構成を任意の態様で組み合わせた構造を有するSBDチップが採用されてもよい。
図38Bでは、半導体層10の第1主面14側の構造だけが示されている。図38Aおよび図38Bにおいて、SBDチップ1の構成に対応する構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
したがって、順方向電圧VFの低減効果を得ることができる。n+型コンタクト領域70A,70B,70Cから選択される任意の1つの領域または2つの領域だけを形成することにより、順方向電圧VFを調整することもできる。
SBDチップ106は、アノードパッド開口83がアノード電極層43の周縁を除く内方領域を露出させるように形成されている。アノードパッド開口83は、においてカソードパッド開口84の面積よりも大きい面積を有している。
SBDチップ106によっても、SBDチップ1の効果と同様の効果を奏することができる。また、SBDチップ106では、第1外部端子6が比較的大きい面積を有しているので、第1外部端子6による放熱性を高めることができる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
たとえば、本発明に係るショットキーバリアダイオードは、SBDチップ(チップ部品)に限らず、半導体チップがリード端子と共にモールド樹脂によって封止(パッケージング)された構造の半導体装置において、半導体チップの一部の領域に、または、半導体チップとして適用され得る。
ショットキーバリアダイオードの電気的特性の一つに順方向電圧および逆方向電流がある。ショットキーバリアダイオードの動作速度は、順方向電圧の値が小さくなるほど速くなり、順方向電圧の値が大きくなるほど遅くなる。
ショットキーバリアダイオードの損失は、逆方向電流の値が大きくなるほど大きくなり、逆方向電流の値が小さくなるほど小さくなる。したがって、比較的低い値の順方向電圧および比較的低い値の逆方向電流を有するショットキーバリアダイオードが求められている。
[項1]一方側の第1主面および他方側の第2主面を有する半導体層と、前記半導体層の前記第1主面の表層部に形成された第1導電型のダイオード領域であって、前記半導体層の前記第1主面側の第1導電型不純物濃度が、前記半導体層の前記第2主面側の第1導電型不純物濃度よりも低い濃度プロファイルを有するダイオード領域と、前記半導体層の表層部に形成され、前記ダイオード領域に電気的に接続された第1導電型不純物領域と、前記半導体層の前記第1主面の上に形成され、前記ダイオード領域との間でショットキー接合を形成する第1電極層と、前記半導体層の前記第1主面の上に形成され、前記第1導電型不純物領域との間でオーミック接合を形成する第2電極層と、を含む、ショットキーバリアダイオード。
したがって、ダイオード領域における第1導電型不純物濃度が比較的高い半導体層の第2主面側の領域において、抵抗値の低減を図ることができる。また、ダイオード領域における第1導電型不純物濃度が比較的低い半導体層の第1主面側の領域において、抵抗値の増加を図ることができる。
[項2]前記ダイオード領域は、前記ダイオード領域の表層部に形成され、第1導電型不純物濃度が相対的に低い表層領域と、前記表層領域に対して前記半導体層の前記第2主面側に形成され、前記表層領域の第1導電型不純物濃度よりも高い第1導電型不純物濃度を有する下層領域とを含む、項1に記載のショットキーバリアダイオード。
[項4]前記ダイオード領域の前記表層領域は、前記半導体層の前記第1主面から前記第2主面に向かって、第1導電型不純物濃度の接線の傾きが減少する濃度プロファイルを有しており、前記ダイオード領域の前記下層領域は、前記半導体層の前記第1主面から前記第2主面に向かって、第1導電型不純物濃度の接線の傾きが増加する濃度プロファイルを有している、項2または3に記載のショットキーバリアダイオード。
[項6]前記表層領域の第1導電型不純物濃度は、1.0×1016cm−3未満であり、前記下層領域の第1導電型不純物濃度は、1.0×1016cm−3以上1.0×1020cm−3以下である、項2〜5のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
[項9]前記第1導電型半導体層は、2.0μm以上2.5μm以下の厚さを有している、項7に記載のショットキーバリアダイオード。
[項10]前記第1導電型半導体層は、2.0μm以上2.2μm以下の厚さを有している、項7に記載のショットキーバリアダイオード。
[項12]前記第1導電型半導体層は、0.7Ω・cm以上1.0Ω・cm以下の比抵抗を有している、項7〜10のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
[項13]前記第1導電型半導体基板は、1.0mΩ・cm以上の比抵抗を有している、項7〜12のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
[項15]前記半導体層の前記第1主面における前記第1電極層を取り囲む周囲領域の上に形成され、前記半導体層を介して前記ダイオード領域に電気的に接続され、かつ、前記第2電極層に電気的に接続されたコンタクト電極層をさらに含む、項1〜14のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
[項17]前記コンタクト電極層は、前記周囲領域において帯状に形成されている、項15または16に記載のショットキーバリアダイオード。
[項19]前記半導体層の表層部における前記ダイオード領域の周囲の領域に形成され、前記ダイオード領域に電気的に接続された第1導電型のコンタクト領域をさらに含む、項1〜17のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
[項21]前記コンタクト領域は、前記第1導電型不純物領域の第1導電型不純物濃度と等しい第1導電型不純物濃度を有している、項18〜20のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
[項23]前記第1電極層に電気的に接続された第1外部端子と、前記第2電極層に電気的に接続された第2外部端子と、をさらに含む、項1〜22のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
[項25]前記第1電極層および前記第2電極層の間の順方向電流が2Aのとき、前記第1電極層および前記第2電極層の間の順方向電圧が0.47V以下である、項1〜24のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
[項27]第1導電型半導体層にダイオード領域を設定し、前記ダイオード領域の表層部に第2導電型不純物を導入することにより、前記ダイオード領域の表層部における第1導電型不純物濃度を低下させる濃度薄化工程と、前記第1導電型半導体層における前記ダイオード領域外の領域に第1導電型不純物を導入した後、熱処理によって第1導電型不純物を拡散させて、前記ダイオード領域に電気的に接続される第1導電型不純物領域を形成する工程と、前記第1導電型半導体層の上に、前記ダイオード領域との間でショットキー接合を形成する第1電極層を形成する工程と、前記第1導電型半導体層の上に、前記第1導電型不純物領域との間でオーミック接合を形成する第2電極層を形成する工程と、を含む、ショットキーバリアダイオードの製造方法。
これにより、第1導電型半導体層の一方主面側の第1導電型不純物濃度が、第1導電型半導体層の他方主面側の第1導電型不純物濃度よりも低い濃度プロファイルを有するダイオード領域が形成される。
これにより、ダイオード領域における第1導電型半導体層の他方主面側の領域により、順方向電圧を向上することができる。また、ダイオード領域における第1導電型半導体層の一方主面側の領域により、逆方向電流の増加を抑制できる。よって、順方向電圧の低減および逆方向電流の増加の抑制を図ることができるショットキーバリアダイオードを製造し、提供できる。
[項29]前記第1導電型不純物領域を形成するための熱処理と、前記ガードリング領域を形成するための熱処理とを同時に実行することにより、前記第1導電型不純物領域および前記ガードリング領域を同時に形成する、項28に記載のショットキーバリアダイオードの製造方法。
6 第1外部端子
7 第2外部端子
10 半導体層
20 n型ダイオード領域
21 表層領域
22 下層領域
25 n+型不純物領域
43 アノード電極層
44 カソード電極層
45A 第1コンタクト電極層
51 第1周囲領域
53 第1対向部
54 第1ライン部
70A n+型コンタクト領域
91 n+型シリコンウエハ
101 SBDチップ
102 SBDチップ
103 SBDチップ
104 SBDチップ
105 SBDチップ
106 SBDチップ
BV ブレークダウン電圧
CT 寄生容量
IF 順方向電流
IR 逆方向電流
VF 順方向電圧
VR 逆方向電圧
Claims (31)
- 主面を有する半導体層と、
前記半導体層の表層部に形成された第1導電型のダイオード領域と、
前記半導体層の表層部に形成され、前記ダイオード領域に電気的に接続された第1導電型不純物領域と、
前記半導体層の主面の上に形成され、前記ダイオード領域との間でショットキー接合を形成する第1電極層と、
前記半導体層の主面の上に形成され、前記第1導電型不純物領域との間でオーミック接合を形成する第2電極層と、
前記半導体層を介して前記ダイオード領域に電気的に接続されるように前記半導体層の主面における前記第1電極層を取り囲む周囲領域の上に形成され、かつ、前記第2電極層に電気的に接続されたコンタクト電極層と、を含む、ショットキーバリアダイオード。 - 前記周囲領域は、前記第1電極層の周縁および前記半導体層の周縁の間の領域を含み、
前記コンタクト電極層は、前記周囲領域において、前記第1電極層の周縁および前記半導体層の周縁の間の領域に形成されている、請求項1に記載のショットキーバリアダイオード。 - 前記コンタクト電極層は、前記第2電極層と連なり、前記第2電極層に直接接続されている、請求項1または2に記載のショットキーバリアダイオード。
- 前記コンタクト電極層は、前記第1電極層を挟み込むように前記第2電極層から帯状に引き出されている、請求項3に記載のショットキーバリアダイオード。
- 前記コンタクト電極層は、前記第1電極層を取り囲むように前記第2電極層から帯状に引き出されており、
前記第2電極層および前記コンタクト電極層によって、前記第1電極層を取り囲む無端状の電極膜が形成されている、請求項3または4に記載のショットキーバリアダイオード。 - 前記コンタクト電極層は、前記第2電極層から間隔を空けて形成され、前記半導体層を介して前記第2電極層に電気的に接続されている、請求項1または2に記載のショットキーバリアダイオード。
- 前記第1電極層は、前記第2電極層と対向する対向領域、および、前記第2電極層と対向しない非対向領域を含み、
前記コンタクト電極層は、少なくとも前記第1電極層の前記非対向領域に沿うように形成されている、請求項6に記載のショットキーバリアダイオード。 - 前記コンタクト電極層は、前記第1電極層を挟んで前記第2電極層と対向する対向部、および、前記対向部から前記第2電極層側に向けて引き出され、前記第1電極層の周縁に沿うライン部を含む、請求項6または7に記載のショットキーバリアダイオード。
- 前記コンタクト電極層は、前記第1電極層の周縁に沿って帯状に延びている、請求項6〜8のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
- 前記コンタクト電極層は、前記第2電極層と連なり、前記第2電極層に直接接続された第1部分、ならびに、前記第1部分および前記第2電極層から間隔を空けて形成され、前記半導体層を介して前記第2電極層に電気的に接続された第2部分を含む、請求項1または2に記載のショットキーバリアダイオード。
- 前記コンタクト電極層の前記第1部分および前記第2部分は、それぞれ、前記第1電極層の周縁に沿って帯状に形成されている、請求項10に記載のショットキーバリアダイオード。
- 前記半導体層の表層部における前記ダイオード領域の周囲の領域に形成され、前記ダイオード領域に電気的に接続された第1導電型のコンタクト領域をさらに含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
- 前記コンタクト領域は、少なくとも前記半導体層の表層部における前記コンタクト電極層と対向する領域に形成され、前記ダイオード領域および前記コンタクト電極層に電気的に接続されている、請求項12に記載のショットキーバリアダイオード。
- 前記コンタクト領域は、前記第1導電型不純物領域に電気的に接続されており、
前記コンタクト電極層は、前記コンタクト領域および前記第1導電型不純物領域を介して前記第2電極層に電気的に接続されている、請求項12または13に記載のショットキーバリアダイオード。 - 前記コンタクト領域は、前記ダイオード領域の第1導電型不純物濃度よりも高い第1導電型不純物濃度を有している、請求項12〜14のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
- 前記コンタクト領域は、前記第1導電型不純物領域の第1導電型不純物濃度と等しい第1導電型不純物濃度を有している、請求項12〜15のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
- 前記第1導電型不純物領域は、前記ダイオード領域の第1導電型不純物濃度よりも高い第1導電型不純物濃度を有している、請求項1〜16のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
- 前記第1電極層に電気的に接続された第1外部端子と、
前記第2電極層に電気的に接続された第2外部端子と、をさらに含む、請求項1〜17のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。 - 前記半導体層は、平面視において長方形状に形成されており、
前記半導体層の長手方向に沿って延びる長手側面の長さが1.6mm以下であり、
前記半導体層の短手方向に沿って延びる短手側面の長さが0.8mm以下である、請求項1〜18のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。 - 前記半導体層は、平面視において長方形状に形成されており、
前記半導体層の長手方向に沿って延びる長手側面の長さが1.0mm以下であり、
前記半導体層の短手方向に沿って延びる短手側面の長さが0.6mm以下である、請求項1〜18のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。 - 前記第1電極層および前記第2電極層の間の順方向電流が2Aのとき、前記第1電極層および前記第2電極層の間の順方向電圧が0.47V以下である、請求項1〜20のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
- 前記第1電極層および前記第2電極層の間の順方向電流が2Aのとき、前記第1電極層および前記第2電極層の間の順方向電圧が0.45V以下である、請求項1〜20のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
- 前記第1電極層および前記第2電極層の間の順方向電流が2Aのとき、前記第1電極層および前記第2電極層の間の順方向電圧が0.44V以下である、請求項1〜20のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
- 前記第1電極層および前記第2電極層の間の順方向電流が2Aのとき、前記第1電極層および前記第2電極層の間の順方向電圧が0.44V未満である、請求項1〜20のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
- 前記第1電極層および前記第2電極層の間の逆方向電圧が20Vのとき、前記第1電極層および前記第2電極層の間の逆方向電流が1.0×10−3A以下である、請求項1〜24のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
- 前記第1電極層および前記第2電極層の間の逆方向電圧が10Vのとき、前記第1電極層および前記第2電極層の間の逆方向電流が1.0×10−4A以下である、請求項1〜24のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
- 前記第1電極層および前記第2電極層の間の逆方向電圧が5V以上のとき、前記第1電極層および前記第2電極層の間の寄生容量が100pF以下である、請求項1〜26のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
- 前記第1電極層および前記第2電極層の間の逆方向電圧が5V以上のとき、前記第1電極層および前記第2電極層の間の寄生容量が50pF以下である、請求項1〜26のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
- 前記第1電極層および前記第2電極層の間のブレークダウン電圧が、20V以上である、請求項1〜28のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
- 主面を有する半導体層と、
前記半導体層の表層部に形成された第1導電型のダイオード領域と、
前記半導体層の表層部に形成され、前記ダイオード領域に電気的に接続された第1導電型不純物領域と、
前記ダイオード領域および前記第1導電型不純物領域に電気的に接続されるように前記半導体層の表層部における前記ダイオード領域を取り囲む周囲領域に沿って形成され、前記ダイオード領域の第1導電型不純物濃度よりも高い第1導電型不純物濃度を有するコンタクト領域と、
前記半導体層の主面の上に形成され、前記ダイオード領域との間でショットキー接合を形成する第1電極層と、
前記半導体層の主面の上に形成され、前記第1導電型不純物領域との間でオーミック接合を形成する第2電極層と、を含む、ショットキーバリアダイオード。 - 前記周囲領域は、前記ダイオード領域の周縁および前記半導体層の周縁の間の領域を含み、
前記コンタクト領域は、前記周囲領域において、前記ダイオード領域の周縁および前記半導体層の周縁の間の領域に形成されている、請求項30に記載のショットキーバリアダイオード。
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