JP2018093185A - ショットキーバリアダイオード - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化および順方向電圧VFの低減を図ることができるショットキーバリアダイオードを提供する。【解決手段】ショットキーバリアダイオードは、半導体層10を含む。半導体層10の表層部には、n型ダイオード領域20およびn+型不純物領域25が形成されている。半導体層10の上には、アノード電極層43、カソード電極層44および第1コンタクト電極層45Aが形成されている。アノード電極層43は、n型ダイオード領域20との間でショットキー接合を形成している。カソード電極層44は、n+型不純物領域25との間でオーミック接合を形成している。第1コンタクト電極層45Aは、n型ダイオード領域20に電気的に接続されるように、半導体層10の主面におけるアノード電極層43を取り囲む第1周囲領域51に形成されている。また、第1コンタクト電極層45Aは、カソード電極層44に電気的に接続されている。【選択図】図3

Description

本発明は、ショットキーバリアダイオードに関する。
特許文献1には、ショットキーバリアダイオードが開示されている。ショットキーバリアダイオードは、n型半導体層を含む。n型半導体層の表層部には、p型半導体領域が形成されている。
n型半導体層の上には、n型半導体層との間でショットキー接合を形成する第1電極が形成されている。n型半導体層の上には、p型半導体領域に電気的に接続された第2電極が形成されている。
特開2004−87555号公報
ショットキーバリアダイオードの電気的特性の一つに順方向電圧がある。ショットキーバリアダイオードの動作速度は、順方向電圧の値が小さくなるほど速くなり、順方向電圧の値が大きくなるほど遅くなる。したがって、比較的低い値の順方向電圧を有するショットキーバリアダイオードが求められている。
順方向電圧を低減する一つの手法として、半導体層の面積を大きくすることが考えられる。しかし、半導体層の面積を大きくすると、部品そのものが大型化する結果、小型の部品を求める市場の要求に応えることができない。一方で、半導体層の面積を小さくすると、電流経路の縮小に伴って抵抗値が増大し、順方向電圧が増加するという背反がある。
本発明の一実施形態は、小型化および順方向電圧の低減を図ることができるショットキーバリアダイオードを提供することを一つの目的とする。
本発明の一実施形態は、主面を有する半導体層と、前記半導体層の表層部に形成された第1導電型のダイオード領域と、前記半導体層の表層部に形成され、前記ダイオード領域に電気的に接続された第1導電型不純物領域と、前記半導体層の主面の上に形成され、前記ダイオード領域との間でショットキー接合を形成する第1電極層と、前記半導体層の主面の上に形成され、前記第1導電型不純物領域との間でオーミック接合を形成する第2電極層と、前記半導体層を介して前記ダイオード領域に電気的に接続されるように前記半導体層の主面における前記第1電極層を取り囲む周囲領域の上に形成され、かつ、前記第2電極層に電気的に接続されたコンタクト電極層と、を含む、ショットキーバリアダイオードを提供する。
このショットキーバリアダイオードによれば、半導体層の主面における第1電極層を取り囲む周囲領域の上に、コンタクト電極層が形成されている。このコンタクト電極層は、半導体層を介してダイオード領域に電気的に接続されている。また、このコンタクト電極層は、第2電極層に電気的に接続されている。
したがって、第1電極層からダイオード領域に流れ込んだ電流は、ダイオード領域から半導体層を介して比抵抗が比較的小さいコンタクト電極層に導かれて、第2電極層に至る。これにより、第1電極層および第2電極層の間の電流経路における抵抗値の低減を図ることができるから、順方向電圧の低減を図ることができる。
しかも、半導体層の主面の上において第1電極層を取り囲む周囲領域にコンタクト電極層を形成すればよいので、第1電極層および第2電極層の間の順方向電圧の低減を図る上で、必ずしも半導体層の面積を大きくする必要はない。よって、小型化および順方向電圧の低減を図ることができるショットキーバリアダイオードを提供できる。
本発明の一実施形態は、主面を有する半導体層と、前記半導体層の表層部に形成された第1導電型のダイオード領域と、前記半導体層の表層部に形成され、前記ダイオード領域に電気的に接続された第1導電型不純物領域と、前記ダイオード領域および前記第1導電型不純物領域に電気的に接続されるように前記半導体層の表層部における前記ダイオード領域を取り囲む周囲領域に沿って形成され、前記ダイオード領域の第1導電型不純物濃度よりも高い第1導電型不純物濃度を有するコンタクト領域と、前記半導体層の主面の上に形成され、前記ダイオード領域との間でショットキー接合を形成する第1電極層と、前記半導体層の主面の上に形成され、前記第1導電型不純物領域との間でオーミック接合を形成する第2電極層と、を含む、ショットキーバリアダイオードを提供する。
このショットキーバリアダイオードによれば、半導体層の表層部におけるダイオード領域を取り囲む周囲領域に、ダイオード領域の第1導電型不純物濃度よりも高い第1導電型不純物濃度を有するコンタクト領域が形成されている。このコンタクト電極層は、ダイオード領域および第1導電型不純物領域に電気的に接続されている。
したがって、第1電極層からダイオード領域に流れ込んだ電流は、ダイオード領域から比較的抵抗値の低いコンタクト領域を介して第1導電型不純物領域に流れ込み、第2電極層に至る。これにより、第1電極層および第2電極層の間の電流経路における抵抗値の低減を図ることができるから、順方向電圧の低減を図ることができる。
しかも、半導体層の表層部におけるダイオード領域を取り囲む周囲領域にコンタクト領域を形成すればよいので、第1電極層および第2電極層の間の順方向電圧の低減を図る上で、必ずしも半導体層の面積を大きくする必要はない。よって、小型化および順方向電圧の低減を図ることができるショットキーバリアダイオードを提供できる。
図1は、本発明の一実施形態に係るSBD(Schottky Barrier Diode)チップの斜視図である。 図2は、図1に示すSBDチップの上面図である。 図3は、図1に示すSBDチップの内部構造を示す平面図である。 図4は、図3に示すIV-IV線に沿う断面図である。 図5は、図3に示すV-V線に沿う断面図である。 図6は、図3に示すVI-VI線に沿う断面図である。 図7Aは、図4に示す領域VIIAの拡大図である。 図7Bは、図4に示す領域VIIBの拡大図である。 図8は、ダイオード領域の濃度プロファイルを示すグラフである。 図9Aは、参考例に係るSBDチップの内部構造を示す平面図である。 図9Bは、図9Aに示すB-B線に沿う断面図である。 図10は、参考例に係るSBDチップにおいて、n型エピタキシャル層の厚さと順方向電圧との関係を説明するためのグラフである。 図11は、参考例に係るSBDチップにおいて、n型エピタキシャル層の厚さと逆方向電流との関係を説明するためのグラフである。 図12は、参考例に係るSBDチップにおいて、n型エピタキシャル層の厚さとブレークダウン電圧との関係を説明するためのグラフである。 図13は、参考例に係るSBDチップにおいて、n型エピタキシャル層の比抵抗と順方向電圧との関係を説明するためのグラフである。 図14は、参考例に係るSBDチップにおいて、n型エピタキシャル層の比抵抗と逆方向電流との関係を説明するためのグラフである。 図15は、参考例に係るSBDチップにおいて、n型エピタキシャル層の比抵抗とブレークダウン電圧との関係を説明するためのグラフである。 図16は、図1に示すSBDチップの順方向電圧−順方向電流特性を示すグラフである。 図17は、図1に示すSBDチップの逆方向電圧−逆方向電流特性を示すグラフである。 図18は、図1に示すSBDチップの逆方向電圧−逆方向電流特性を示すグラフであって、ブレークダウン電圧特性を説明するためのグラフである。 図19は、図1に示すSBDチップの順方向電圧−寄生容量特性を示すグラフである。 図20は、図1に示すSBDチップにおいて、エピタキシャル層の厚さを調整した場合の順方向電圧の変化を示すグラフである。 図21は、図1に示すSBDチップにおいて、エピタキシャル層の厚さを調整した場合の逆方向電流の変化を示すグラフである。 図22は、図1に示すSBDチップにおいて、エピタキシャル層の厚さを調整した場合のブレークダウン電圧の変化を示すグラフである。 図23は、図1に示すSBDチップにおいて、エピタキシャル層の厚さを調整した場合の静電破壊耐量の変化を示すグラフである。 図24Aは、図1に示すSBDチップにおいて、コンタクト孔の形状を調整した場合の順方向電圧を評価するための第1評価用素子を示す平面図である。 図24Bは、図24Aに示すB-B線に沿う断面図である。 図25Aは、図1に示すSBDチップにおいて、コンタクト孔の形状を調整した場合の順方向電圧を評価するための第2評価用素子を示す平面図である。 図25Bは、図25Aに示すB-B線に沿う断面図である。 図26Aは、図1に示すSBDチップにおいて、コンタクト孔の形状を調整した場合の順方向電圧を評価するための第3評価用素子を示す平面図である。 図26Bは、図26Aに示すB-B線に沿う断面図である。 図27は、第1評価用素子〜第3評価用素子の順方向電圧を示すグラフである。 図28Aは、図1に示すSBDチップにおいて、コンタクト孔の形状を調整した場合の順方向電圧を評価するための第4評価用素子を示す平面図である。 図28Bは、図28Aに示すB-B線に沿う断面図である。 図29Aは、図1に示すSBDチップにおいて、コンタクト孔の形状を調整した場合の順方向電圧を評価するための第5評価用素子を示す平面図である。 図29Bは、図29Aに示すB-B線に沿う断面図である。 図30Aは、図1に示すSBDチップにおいて、コンタクト孔の形状を調整した場合の順方向電圧を評価するための第6評価用素子を示す平面図である。 図30Bは、図30Aに示すB-B線に沿う断面図である。 図31は、第4評価用素子〜第6評価用素子の順方向電圧を示すグラフである。 図32は、図1に示すSBDチップの製造方法の一例を示す工程図である。 図33Aは、図1に示すSBDチップの製造方法を説明するための断面図である。 図33Bは、図33Aの後の工程を示す断面図である。 図33Cは、図33Bの後の工程を示す断面図である。 図33Dは、図33Cの後の工程を示す断面図である。 図33Eは、図33Dの後の工程を示す断面図である。 図33Fは、図33Eの後の工程を示す断面図である。 図33Gは、図33Fの後の工程を示す断面図である。 図33Hは、図33Gの後の工程を示す断面図である。 図33Iは、図33Hの後の工程を示す断面図である。 図33Jは、図33Iの後の工程を示す断面図である。 図33Kは、図33Jの後の工程を示す断面図である。 図33Lは、図33Kの後の工程を示す断面図である。 図33Mは、図33Lの後の工程を示す断面図である。 図33Nは、図33Mの後の工程を示す断面図である。 図34Aは、第1変形例に係るSBDチップを示す平面図である。 図34Bは、図34Aに示すB-B線に沿う断面図である。 図35Aは、第2変形例に係るSBDチップを示す平面図である。 図35Bは、図35Aに示すB-B線に沿う断面図である。 図36Aは、第3変形例に係るSBDチップを示す平面図である。 図36Bは、図36Aに示すB-B線に沿う断面図である。 図37Aは、第4変形例に係るSBDチップを示す平面図である。 図37Bは、図37Aに示すB-B線に沿う断面図である。 図38Aは、第5変形例に係るSBDチップを示す平面図である。 図38Bは、図38Aに示すB-B線に沿う断面図である。 図39は、第6変形例に係るSBDチップを示す断面図である。
以下では、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るSBDチップ1の斜視図である。図2は、図1に示すSBDチップ1の上面図である。以下では、ショットキーバリアダイオードがチップ部品に適用された構造を有するSBD(Schottky Barrier Diode)チップについて説明する。
SBDチップ1は、1608(1.6mm×0.8mm)チップ、1006(1.0mm×0.6mm)チップ、0603(0.6mm×0.3mm)チップ、0402(0.4mm×0.2mm)チップ、03015(0.3mm×0.15mm)チップ等と称されるチップ部品型の半導体装置である。SBDチップ1は、この形態では、1006(1.0mm×0.6mm)チップである。
図1および図2を参照して、SBDチップ1は、直方体形状のチップ本体2を含む。チップ本体2は、一方側の第1主面3、他方側の第2主面4、ならびに、第1主面3および第2主面4を接続する側面5A,5Bを含む。
チップ本体2の第1主面3および第2主面4は、第1主面3の法線方向から見た平面視(以下、単に「平面視」という。)において、長方形状に形成されている。チップ本体2の側面5A,5Bは、チップ本体2の長手方向に沿って延びる一対の長手側面5A、および、チップ本体2の短手方向に沿って延びる一対の短手側面5Bを含む。
「1608」、「1006」、「0603」等は、長手側面5Aの長さおよび短手側面5Bの長さによって定義されている。チップ本体2の厚さは、たとえば50μm以上150μm以下である。
チップ本体2の第1主面3の上には、第1外部端子6および第2外部端子7が間隔を空けて形成されている。
第1外部端子6は、チップ本体2の長手方向一方側の端部(図1および図2において左側の端部)に形成されている。第1外部端子6は、平面視においてチップ本体2の短手方向に沿って延びる長方形状に形成されている。
第2外部端子7は、チップ本体2の長手方向他方側の端部(図1および図2において右側の端部)に形成されている。第2外部端子7は、平面視においてチップ本体2の短手方向に沿って延びる長方形状に形成されている。
図3は、図1に示すSBDチップ1の内部構造を示す平面図である。図4は、図3のIV-IV線に沿う断面図である。図5は、図3のV-V線に沿う断面図である。図6は、図3のVI-VI線に沿う断面図である。図7Aは、図4に示す領域VIIAの拡大図である。図7Bは、図4に示す領域VIIBの拡大図である。
図3〜図6を参照して、チップ本体2は、半導体層10と、半導体層10の上に形成された表面絶縁層11と、表面絶縁層11の上に形成された表面電極層12と、表面電極層12の上に形成された最上絶縁層13とを含む。
チップ本体2の第1主面3は、最上絶縁層13によって形成されている。チップ本体2の第2主面4は、半導体層10によって形成されている。チップ本体2の側面5A,5Bは、半導体層10、表面絶縁層11および最上絶縁層13によって形成されている。第1外部端子6および第2外部端子7は、最上絶縁層13の上に互いに間隔を空けて形成されている。
半導体層10は、この形態では、直方体形状に形成されている。半導体層10は、一方側の第1主面14、他方側の第2主面15、ならびに、第1主面14および第2主面15を接続する側面16A,16Bを含む。半導体層10の第2主面15は、チップ本体2の第2主面4を形成している。半導体層10の側面16A,16Bは、チップ本体2の側面5A,5Bの一部をそれぞれ形成している。
半導体層10は、n型半導体基板17と、n型半導体基板17の上に形成されたn型エピタキシャル層18とを含む積層構造を有している。
型半導体基板17は、n型シリコン基板を含んでいてもよい。n型半導体基板17は、n型不純物濃度が比較的高い高濃度かつ低抵抗の領域として形成されている。n型半導体基板17の比抵抗は、1.0mΩ・cm以上5.0mΩ・cm以下(たとえば3.0mΩ・cm程度)であってもよい。
n型エピタキシャル層18は、n型半導体基板17のn型不純物濃度よりも低いn型不純物濃度を有する低濃度かつ高抵抗の領域として形成されている。n型エピタキシャル層18の比抵抗は、0.4Ω・cm以上1.0Ω・cm以下(たとえば0.7Ω・cm程度)であってもよい。
n型エピタキシャル層18の厚さTは、2.0μm以上3.0μm以下であってもよい。n型エピタキシャル層18の厚さTは、2.0μm以上2.5μm以下であってもよい。n型エピタキシャル層18の厚さTは、2.0μm以上2.2μm以下であってもよい。
図4および図5を参照して、半導体層10の第1主面14の表層部には、n型ダイオード領域20が形成されている。n型ダイオード領域20は、この形態では、n型エピタキシャル層18の一部の領域を利用して形成されている。n型ダイオード領域20は、半導体層10の第2主面15側においてn型半導体基板17に電気的に接続されている。
n型ダイオード領域20は、第1外部端子6の直下の領域から半導体層10の中央領域を横切って第2外部端子7の直下の領域の近傍まで延びている。n型ダイオード領域20は、平面視において半導体層10の4辺に平行な長方形状に形成されていてもよい。
半導体層10の平面面積に対するn型ダイオード領域20の平面面積の比は、0.3以上であってもよい。半導体層10の平面面積に対するn型ダイオード領域20の平面面積の比は、0.5以上であることが好ましい。
n型ダイオード領域20は、n型ダイオード領域20の表層部に形成された表層領域21と、表層領域21に対して半導体層10の第2主面15側に形成された下層領域22とを含む。表層領域21は、n型不純物濃度が比較的低いn型低濃度領域である。下層領域22は、表層領域21のn型不純物濃度よりも高いn型不純物濃度を有するn型高濃度領域である。
表層領域21は、より具体的には、n型不純物およびp型不純物を含み、n型不純物のn型不純物濃度が、p型不純物のp型不純物濃度よりも高いn型低濃度領域である。n型不純物は、たとえばリンまたはヒ素を含む。p型不純物は、たとえばホウ素を含む。
この形態では、半導体層10の第1主面14の表層部の全域に、p型不純物が導入されている。図4〜図7Bにおいて、p型不純物が導入された領域および表層領域21は、二点鎖線によって示されている。
表層領域21および下層領域22を含むn型ダイオード領域20の濃度プロファイルは、図8のグラフを用いて説明される。図8は、n型ダイオード領域20の濃度プロファイルを示すグラフである。
図8において、縦軸はn型不純物濃度であり、横軸は半導体層10の深さである。横軸は、半導体層10の第1主面14を零とした場合の半導体層10の深さを表している。
図8では、本実施形態に係るn型ダイオード領域20の濃度プロファイルが実線で示されている。本実施形態に係るn型ダイオード領域20のベースとなるn型エピタキシャル層18は、2.0μm以上3.0μm以下の厚さTを有している。
図8では、参考例に係るn型ダイオード領域20の濃度プロファイルが破線で示されている。参考例に係るn型ダイオード領域20のベースとなるn型エピタキシャル層18は、4μmの厚さTを有している。
図8を参照して、参考例に係るn型ダイオード領域20は、0μm以上3μm以下の範囲において1.0×1016cm−3程度の一様なn型不純物濃度を有している。
これに対して、本実施形態に係るn型ダイオード領域20では、半導体層10の第1主面14側のn型不純物濃度が、半導体層10の第2主面15側のn型不純物濃度よりも低くなっている。
また、本実施形態に係るn型ダイオード領域20では、半導体層10の第1主面14から第2主面15に向かってn型不純物濃度が増加(単調に増加)する濃度プロファイルを有している。
本実施形態に係るn型ダイオード領域20のn型不純物濃度は、深さ方向のほぼ全域に亘って、参考例に係るn型ダイオード領域20のn型不純物濃度よりも増加している。これは、n型半導体基板17のn型不純物が拡散可能な領域内に、n型エピタキシャル層18の全域が形成されたためである。
これにより、本実施形態に係るn型ダイオード領域20のn型不純物濃度は、参考例に係るn型ダイオード領域20のn型不純物濃度よりも増加した。したがって、本実施形態に係るn型ダイオード領域20の抵抗値は、参考例に係るn型ダイオード領域20の抵抗値よりも低い。
本実施形態に係るn型ダイオード領域20は、n型ダイオード領域20の表層部において、n型不純物濃度の接線の傾き特性が減少から増加に転じる変曲点Pを有している。この変曲点Pは、表層領域21および下層領域22間の境界領域である。
表層領域21は、変曲点Pおよび半導体層10の第1主面14の間の領域に形成されている。下層領域22は、変曲点Pおよびn型半導体基板17の間の領域に形成されている。
n型ダイオード領域20の表層領域21は、変曲点P(表層領域21および下層領域22間の境界領域)から半導体層10の第1主面14に向かって、単位深さ当たりのn型不純物濃度の変化量の絶対値が徐々に大きくなる濃度プロファイルを有している。
n型ダイオード領域20の下層領域22は、n型半導体基板17から変曲点Pに向かって、単位深さ当たりのn型不純物濃度の変化量の絶対値が徐々に小さくなる濃度プロファイルを有している。
n型ダイオード領域20の表層領域21では、変曲点Pから半導体層10の第1主面14に向かってn型不純物濃度が急激に低下している。半導体層10の第1主面14の近傍における表層領域21の単位深さ当たりのn型不純物濃度の変化量の絶対値は、変曲点P近傍における下層領域22の単位深さ当たりのn型不純物濃度の変化量の絶対値よりも大きい。
n型ダイオード領域20の表層部を形成するn型不純物の一部は、n型ダイオード領域20の表層部に導入されたp型不純物によって相殺されている。このようにして、表層領域21の濃度プロファイルが、形成されている。
表層領域21のn型不純物濃度は、1.0×1016cm−3未満である。下層領域22のn型不純物濃度は、1.0×1016cm−3以上1.0×1020cm−3以下である。n型ダイオード領域20の表層部に表層領域21を設けている理由については、後に詳述する。
図4〜図6を参照して、半導体層10の第1主面14の表層部には、n型不純物領域25(第1導電型不純物領域)が形成されている。n型不純物領域25は、n型エピタキシャル層18に対するn型不純物の導入によって形成されている。
型不純物領域25は、n型ダイオード領域20(n型エピタキシャル層18)のn型不純物濃度よりも高いn型不純物濃度を有している。n型不純物領域25は、n型不純物濃度が比較的高い高濃度かつ低抵抗の領域として形成されている。
型不純物領域25は、半導体層10の第1主面14の表層部において、第2外部端子7の直下の領域に形成されている。n型不純物領域25は、平面視において半導体層10の短手方向に沿って延びている。
型不純物領域25は、平面視において半導体層10の4辺に平行な長方形状に形成されている。n型不純物領域25は、n型ダイオード領域20に電気的に接続されている。図7Aを参照して、半導体層10の第1主面14においてn型不純物領域25が露出する部分には、一段窪んだ第1リセス部26が形成されている。
図4〜図6を参照して、表面絶縁層11は、半導体層10の第1主面14の上に形成されている。表面絶縁層11は、半導体層10の第1主面14の全域を被覆している。表面絶縁層11は、シリコン酸化膜31と、シリコン酸化膜31の上に形成されたUSG(Undoped Silica Glass)膜32とを含む積層構造を有している。
表面絶縁層11は、シリコン酸化膜31またはUSG膜32からなる単層構造を有していてもよい。表面絶縁層11には、n型ダイオード領域20を露出させる第1開口33と、n型不純物領域25を露出させる第2開口34とが形成されている。
図3を参照して、第1開口33は、n型ダイオード領域20の周縁を除く内方領域を露出させるように形成されている。第1開口33は、n型ダイオード領域20の各辺に平行な長方形状に形成されている。
第2開口34は、n型不純物領域25の周縁を除く内方領域を露出させるように形成されている。第2開口34は、n型不純物領域25の各辺に平行な長方形状に形成されている。
図4および図5を参照して、半導体層10の第1主面14の表層部(n型エピタキシャル層18の表層部)には、p型ガードリング領域35が形成されている。p型ガードリング領域35は、n型ダイオード領域20の周縁に沿う四角環状に形成されている。
p型ガードリング領域35は、第1開口33の内壁に沿って形成されている。p型ガードリング領域35は、平面視において第1開口33の内壁を横切って、第1開口33の内側の領域および外側の領域に跨っている。このようにして、p型ガードリング領域35は、n型ダイオード領域20を露出させている。
第1開口33の内壁がn型ダイオード領域20に接する部分では、電界が集中し易い。したがって、第1開口33の内壁と接するようにp型ガードリング領域35を形成することにより、第1開口33の内壁がn型ダイオード領域20に接する部分で生じる電界を緩和できる。これにより、SBDチップ1の耐圧の向上を図ることができる。
図3〜図5を参照して、表面電極層12は、表面絶縁層11の上に形成されている。表面電極層12は、半導体層10の比抵抗よりも小さい比抵抗を有する金属材料を含む。表面電極層12は、表面絶縁層11の上に形成された第1導電体膜41と、第1導電体膜41の上に形成された第2導電体膜42とを含む積層構造を有している。
第1導電体膜41は、窒化チタン層またはチタン層からなる単層構造を有していてもよい。第1導電体膜41は、窒化チタン層および窒化チタン層の上に形成されたチタン層を含む積層構造を有していてもよい。第1導電体膜41は、窒化チタン層および/またはチタン層を含むことにより、バリア層として機能する。
第2導電体膜42は、第1導電体膜41の比抵抗よりも小さい比抵抗を有する金属材料により形成されている。第2導電体膜42は、銅、アルミニウム、銅を含む合金またはアルミニウムを含む合金のうちの少なくとも1種の金属材料を含む。
第2導電体膜42は、アルミニウム−銅合金(Al−Cu合金)を含んでいてもよい。第2導電体膜42は、アルミニウム−シリコン−銅合金(Al−Si−Cu合金)を含んでいてもよい。
表面電極層12は、アノード電極層43(第1電極層)およびカソード電極層44(第2電極層)を含む。図3では、クロスハッチングによってアノード電極層43およびカソード電極層44が示されている。
アノード電極層43は、半導体層10の長手方向に沿って延びている。アノード電極層43は、第1開口33の各辺に平行な長方形状に形成されている。アノード電極層43は、表面絶縁層11の上から第1開口33に入り込んでいる。
アノード電極層43は、第1開口33内においてn型ダイオード領域20およびp型ガードリング領域35に電気的に接続されている。アノード電極層43は、n型ダイオード領域20との間でショットキー接合を形成している。アノード電極層43は、より具体的には、n型ダイオード領域20においてn型不純物濃度が比較的低い表層領域21との間でショットキー接合を形成している。
これにより、アノード電極層43をアノードとし、n型ダイオード領域20をカソードとするショットキーバリアダイオードSBDが形成されている。ショットキーバリアダイオードSBDは、アノード電極層43およびn型ダイオード領域20の間の境界領域に形成されている。
カソード電極層44は、半導体層10の短手方向に沿って延びている。カソード電極層44は、第1開口33の各辺に平行な長方形状に形成されている。カソード電極層44は、表面絶縁層11の上から第2開口34に入り込んでいる。カソード電極層44は、第2開口34内においてn型不純物領域25に電気的に接続されている。
カソード電極層44は、n型不純物領域25との間でオーミック接合を形成している。このようにして、アノード電極層43、n型ダイオード領域20、n型半導体基板17、n型不純物領域25、およびカソード電極層44を結ぶ電流経路が形成されている。
図3〜図6を参照して、表面電極層12は、コンタクト電極層45A,45B,45Cをさらに含む。コンタクト電極層45A,45B,45Cは、第1コンタクト電極層45A、第2コンタクト電極層45Bおよび第3コンタクト電極層45Cを含む。
コンタクト電極層45A,45B,45Cは、カソード電極層44に電気的に接続されている。つまり、コンタクト電極層45A,45B,45Cは、アノード電極層43およびカソード電極層44を結ぶ電流経路の一部を形成している。
コンタクト電極層45A,45B,45Cは、アノード電極層43およびカソード電極層44の間の抵抗値の低減を図るために設けられている。以下、コンタクト電極層45A,45B,45Cおよびその周辺の構造について具体的に説明する。
図3〜図6を参照して、表面絶縁層11には、コンタクト孔46A,46B,46Cが形成されている。コンタクト孔46A,46B,46Cは、第1コンタクト孔46A、第2コンタクト孔46B、および、第3コンタクト孔46Cを含む。
第1コンタクト孔46Aは、表面絶縁層11において、アノード電極層43(第1開口33)を取り囲む第1周囲領域51に形成されている。第1周囲領域51は、アノード電極層43の周縁および半導体層10の周縁によって区画された領域を含む。
第2コンタクト孔46Bは、表面絶縁層11において、カソード電極層44(第2開口34)を取り囲む第2周囲領域52に形成されている。第2周囲領域52は、カソード電極層44の周縁および半導体層10の周縁によって区画された領域を含む。
第3コンタクト孔46Cは、アノード電極層43(第1開口33)およびカソード電極層44(第2開口34)の間の中間領域57に形成されている。
第1コンタクト孔46Aは、第1周囲領域51において帯状に延びている。第1コンタクト孔46Aは、第1コンタクト対向部53および一対の第1コンタクトライン部54を含む。
第1コンタクト対向部53は、平面視において第1開口33を挟んで第2開口34と対向している。第1コンタクト対向部53は、半導体層10の短手方向に沿って帯状に延びている。第1コンタクト対向部53は、第1開口33から間隔を空けて形成されている。
一対の第1コンタクトライン部54は、第1コンタクト対向部53から第2開口34側に向けて引き出されている。より具体的には、一対の第1コンタクトライン部54は、第1開口33を挟み込むように第1コンタクト対向部53の両端部から第2開口34側に向けて帯状に引き出されている。一対の第1コンタクトライン部54は、第1開口33から間隔を空けて形成されている。
第2コンタクト孔46Bは、第2周囲領域52において帯状に延びている。第2コンタクト孔46Bは、第2コンタクト対向部55および一対の第2コンタクトライン部56を含む。
第2コンタクト対向部55は、半導体層10の第1主面14に沿う方向に第2開口34を挟んで第1開口33と対向している。第2コンタクト対向部55は、半導体層10の短手方向に沿って帯状に延びている。第2コンタクト対向部55は、第2開口34から間隔を空けて形成されている。
一対の第2コンタクトライン部56は、第2コンタクト対向部55から第1開口33側に向けて引き出されている。一対の第2コンタクトライン部56は、第2開口34を挟み込むように第2コンタクト対向部55の両端部から第1開口33側に向けて帯状に引き出されている。一対の第2コンタクトライン部56は、第2開口34から間隔を空けて形成されている。
第3コンタクト孔46Cは、中間領域57において、半導体層10の短手方向に沿って帯状に延びている。第3コンタクト孔46Cは、中間領域57において、第1開口33および第2開口34から間隔を空けて形成されている。
一対の第1コンタクトライン部54は、第2開口34側の端部において第3コンタクト孔46Cに連通している。第1コンタクト孔46Aおよび第3コンタクト孔46Cにより、平面視においてアノード電極層43(第1開口33)を取り囲む四角環状のコンタクト孔が形成されている。
一対の第2コンタクトライン部56は、第1開口33側の端部において第3コンタクト孔46Cに連通している。第2コンタクト孔46Bおよび第3コンタクト孔46Cにより、平面視においてカソード電極層44(第2開口34)を取り囲む四角環状のコンタクト孔が形成されている。
第2コンタクト孔46Bが第2開口34から間隔を空けて形成されているが、第2コンタクト孔46Bは、第2開口34に連なっていてもよい。第3コンタクト孔46Cが第2開口34から間隔を空けて形成されているが、第3コンタクト孔46Cは、第2開口34に連なっていてもよい。
第1コンタクト孔46Aが延びる方向に直交する方向に関して、第1コンタクト孔46Aの幅WAは、1μm以上15μm以下(たとえば5μm程度)であってもよい。
第2コンタクト孔46Bが延びる方向に直交する方向に関して、第2コンタクト孔46Bの幅WBは、1μm以上15μm以下(たとえば10μm程度)であってもよい。
第3コンタクト孔46Cが延びる方向に直交する方向に関して、第3コンタクト孔46Cの幅WCは、1μm以上15μm以下(たとえば5μm程度)であってもよい。
第1コンタクト電極層45Aは、表面絶縁層11の第1周囲領域51の上に形成されている。第1コンタクト電極層45Aは、第1周囲領域51において帯状に延びている。第1コンタクト電極層45Aは、第1電極対向部61および一対の第1電極ライン部62を含む。
第1電極対向部61は、平面視においてアノード電極層43を挟んでカソード電極層44と対向している。第1電極対向部61は、半導体層10の短手方向に沿って帯状に延びている。第1電極対向部61は、アノード電極層43から間隔を空けて形成されている。
第1電極対向部61は、表面絶縁層11の上から第1コンタクト対向部53に入り込んでいる。第1電極対向部61は、第1コンタクト対向部53内において半導体層10の第1主面14に接続されている。
一対の第1電極ライン部62は、平面視において第1電極対向部61からカソード電極層44側に向けて引き出されている。一対の第1電極ライン部62は、アノード電極層43を挟み込むように第1電極対向部61の両端部からカソード電極層44側に向けて帯状に引き出されている。
一対の第1電極ライン部62は、アノード電極層43から間隔を空けて形成されている。一対の第1電極ライン部62は、表面絶縁層11の上から一対の第1コンタクトライン部54に入り込んでいる。一対の第1電極ライン部62は、一対の第1コンタクトライン部54内において半導体層10の第1主面14に接続されている。
第1コンタクト電極層45Aが延びる方向に直交する方向に関して、第1コンタクト電極層45Aの幅DAは、第1コンタクト孔46Aの幅WAよりも幅広に形成されている。第1コンタクト電極層45Aの幅DAは、1μm以上15μm以下(たとえば8μm程度)であってもよい。
第2コンタクト電極層45Bは、表面絶縁層11の第2周囲領域52の上に形成されている。第2コンタクト電極層45Bは、第2周囲領域52において帯状に延びている。第2コンタクト電極層45Bは、第2電極対向部63および一対の第2電極ライン部64を含む。
第2電極対向部63は、平面視においてカソード電極層44を挟んでアノード電極層43と対向している。第2電極対向部63は、半導体層10の短手方向に沿って帯状に延びている。
第2電極対向部63は、表面絶縁層11の上から第2コンタクト対向部55に入り込んでいる。第2電極対向部63は、第2コンタクト対向部55内において半導体層10の第1主面14に接続されている。
一対の第2電極ライン部64は、平面視において第2電極対向部63からアノード電極層43側に向けて引き出されている。一対の第2電極ライン部64は、カソード電極層44を挟み込むように第2電極対向部63の両端部からアノード電極層43側に向けて帯状に引き出されている。
一対の第2電極ライン部64は、表面絶縁層11の上から一対の第2コンタクトライン部56に入り込んでいる。一対の第2電極ライン部64は、一対の第2コンタクトライン部56内において半導体層10の第1主面14に接続されている。
第2コンタクト電極層45Bが延びる方向に直交する方向に関して、第2コンタクト電極層45Bの幅DBは、第2コンタクト孔46Bの幅WBよりも幅広に形成されている。第2コンタクト電極層45Bの幅DBは、1μm以上20μm以下(たとえば20μm程度)であってもよい。
図3に示すように、第2コンタクト電極層45Bにおいて、第2電極対向部63および一対の第2電極ライン部64は、その内周の全域においてカソード電極層44に連なっていてもよい。
つまり、第2コンタクト電極層45Bは、カソード電極層44の一部を形成していてもよい。他の形態において、第2コンタクト電極層45Bにおいて、第2電極対向部63および一対の第2電極ライン部64は、カソード電極層44から間隔を空けて形成されていてもよい。
第3コンタクト電極層45Cは、表面絶縁層11の中間領域57の上に形成されている。第3コンタクト電極層45Cは、中間領域57において、半導体層10の短手方向に沿って帯状に延びている。
第3コンタクト電極層45Cは、アノード電極層43およびカソード電極層44から間隔を空けて形成されている。第3コンタクト電極層45Cは、表面絶縁層11の上から第3コンタクト孔46Cに入り込んでいる。第3コンタクト電極層45Cは、第3コンタクト孔46C内において半導体層10の第1主面14に接続されている。
第3コンタクト電極層45Cが延びる方向に直交する方向に関して、第3コンタクト電極層45Cの幅DCは、第3コンタクト孔46Cの幅WCよりも幅広に形成されている。第3コンタクト電極層45Cの幅DCは、1μm以上15μm以下(たとえば8μm程度)であってもよい。
第3コンタクト電極層45Cは、カソード電極層44に連なっていてもよい。つまり、第3コンタクト電極層45Cは、カソード電極層44の一部を形成していてもよい。他の形態において、第3コンタクト電極層45Cは、カソード電極層44から間隔を空けて形成されていてもよい。
一対の第1電極ライン部62は、カソード電極層44側の端部において第3コンタクト電極層45Cと連なっている。これにより、一対の第1電極ライン部62が、アノード電極層43を挟み込むように第3コンタクト電極層45C(カソード電極層44)から引き出されている。第1コンタクト電極層45Aおよび第3コンタクト電極層45Cにより、平面視においてアノード電極層43を取り囲む四角環状のコンタクト電極層が形成されている。
一対の第2電極ライン部64は、アノード電極層43側の端部において第3コンタクト電極層45Cと連なっている。これにより、一対の第2電極ライン部64が、カソード電極層44を挟み込むように第3コンタクト電極層45Cから引き出されている。第2コンタクト電極層45Bおよび第3コンタクト電極層45Cにより、平面視においてカソード電極層44を取り囲む四角環状のコンタクト電極層が形成されている。
アノード電極層43は、カソード電極層44と対向する対向領域と、カソード電極層44と対向しない非対向領域とを含む。カソード電極層44は、アノード電極層43と対向する対向領域と、アノード電極層43と対向しない非対向領域とを含む。
第1コンタクト電極層45Aは、第1周囲領域51において、アノード電極層43の非対向領域に沿うように形成されている。第2コンタクト電極層45Bは、第2周囲領域52において、カソード電極層44の非対向領域に沿うように形成されている。第3コンタクト電極層45Cは、中間領域57において、カソード電極層44の対向領域と、アノード電極層43の対向領域に沿うように形成されている。
アノード電極層43からn型ダイオード領域20に流れ込んだ電流の一部は、半導体層10を介して、比較的小さい比抵抗を有する第1コンタクト電極層45A、第2コンタクト電極層45Bおよび第3コンタクト電極層45Cに流れ込み、カソード電極層44に至る。このようにして、アノード電極層43およびカソード電極層44の間に形成される電流経路の抵抗値の低減が図られている。
図4〜図6を参照して、この形態では、半導体層10の第1主面14の表層部に、n型コンタクト領域70A,70B,70Cがさらに形成されている。n型コンタクト領域70A,70B,70Cによって、アノード電極層43およびカソード電極層44の間の電流経路の抵抗値の更なる低減が図られている。
型コンタクト領域70A,70B,70Cは、半導体層10の第1主面14の表層部において、n型ダイオード領域20の周囲領域に形成されている。図7Bを参照して、半導体層10の第1主面14においてn型コンタクト領域70A,70B,70Cが露出する部分には、一段窪んだ第2リセス部71が形成されている。
型コンタクト領域70A,70B,70Cは、n型エピタキシャル層18に対するn型不純物の導入によって形成されている。n型コンタクト領域70A,70B,70Cは、n型ダイオード領域20(n型エピタキシャル層18)のn型不純物濃度よりも高いn型不純物濃度を有している。
型コンタクト領域70A,70B,70Cは、n型不純物領域25のn型不純物濃度とほぼ等しいn型不純物濃度を有している。n型コンタクト領域70A,70B,70Cは、n型不純物濃度が比較的高い高濃度かつ低抵抗の領域として形成されている。
型コンタクト領域70A,70B,70Cは、第1コンタクト領域70A、第2コンタクト領域70B、第3コンタクト領域70Cを含む。
第1コンタクト領域70Aは、半導体層10の第1主面14の表層部において、少なくとも第1コンタクト電極層45Aと対向する領域に形成されている。
第2コンタクト領域70Bは、半導体層10の第1主面14の表層部において、少なくとも第2コンタクト電極層45Bと対向する領域に形成されている。
第3コンタクト領域70Cは、半導体層10の第1主面14の表層部において、少なくとも第3コンタクト電極層45Cと対向する領域に形成されている。
第1コンタクト領域70Aは、より具体的には、第1コンタクト電極層45Aと対向するように第1電極対向部61および一対の第1電極ライン部62に沿って形成されている。第1コンタクト領域70Aは、この形態では、第1コンタクト電極層45Aの全域と対向している。第1コンタクト領域70Aは、n型ダイオード領域20およびn型不純物領域25に電気的に接続されている。
第1コンタクト領域70Aは、第1コンタクト孔46Aの全域から露出している。第1コンタクト領域70Aは、第1コンタクト孔46A内において第1コンタクト電極層45Aに電気的に接続されている。
これにより、n型ダイオード領域20は、第1コンタクト領域70Aを介して、第1コンタクト電極層45A、n型不純物領域25およびカソード電極層44に電気的に接続されている。
第2コンタクト領域70Bは、より具体的には、第2コンタクト電極層45Bと対向するように第2電極対向部63および一対の第2電極ライン部64に沿って形成されている。第1コンタクト領域70Aは、この形態では、第2コンタクト電極層45Bの全域と対向している。第2コンタクト領域70Bは、n型ダイオード領域20およびn型不純物領域25に電気的に接続されている。
第2コンタクト領域70Bは、第2コンタクト孔46Bの全域から露出している。第2コンタクト領域70Bは、第2コンタクト孔46B内において第2コンタクト電極層45Bに電気的に接続されている。
これにより、n型ダイオード領域20は、第2コンタクト領域70Bを介して、第2コンタクト電極層45B、n型不純物領域25およびカソード電極層44に電気的に接続されている。
第3コンタクト領域70Cは、より具体的には、第3コンタクト電極層45Cと対向するように第3コンタクト電極層45Cに沿って形成されている。第3コンタクト領域70Cは、この形態では、第3コンタクト電極層45Cの全域と対向している。第3コンタクト領域70Cは、n型ダイオード領域20およびn型不純物領域25に電気的に接続されている。
第3コンタクト領域70Cは、第3コンタクト孔46Cの全域から露出している。第3コンタクト領域70Cは、第3コンタクト孔46C内において第3コンタクト電極層45Cに電気的に接続されている。
これにより、n型ダイオード領域20は、第3コンタクト領域70Cを介して、第3コンタクト電極層45C、n型不純物領域25およびカソード電極層44に電気的に接続されている。
アノード電極層43からn型ダイオード領域20に流れ込んだ電流の一部は、n型ダイオード領域20の抵抗値よりも小さい抵抗値を有するn型コンタクト領域70A,70B,70Cを介して、コンタクト電極層45A,45B,45Cに流れ込む。
これにより、n型コンタクト領域70A,70B,70Cが形成されていない場合に比べて、半導体層10(n型エピタキシャル層18)の抵抗値を低減できるから、アノード電極層43およびカソード電極層44の間の電流経路の抵抗値をさらに低減できる。
図4〜図6を参照して、最上絶縁層13は、表面電極層12を被覆するように、表面絶縁層11の上に形成されている。最上絶縁層13は、この形態では、表面電極層12のほぼ全域を被覆している。最上絶縁層13は、パッシベーション膜81と、パッシベーション膜81の上に形成された樹脂膜82とを含む積層構造を有している。
パッシベーション膜81は、窒化シリコンを含んでいてもよい。樹脂膜82は、ポリイミド樹脂を含んでいてもよい。最上絶縁層13には、アノード電極層43を露出させるアノードパッド開口83と、カソード電極層44を露出させるカソードパッド開口84とが形成されている。
第1外部端子6は、アノードパッド開口83内に形成されている。第1外部端子6は、アノードパッド開口83内においてアノード電極層43に電気的に接続されている。これにより、第1外部端子6は、アノード電極層43を介してn型ダイオード領域20に電気的に接続されている。
第1外部端子6は、最上絶縁層13から突出するように形成されている。第1外部端子6は、最上絶縁層13を被覆する被覆部を有している。第1外部端子6は、複数の金属膜が積層された積層構造を有していてもよい。複数の金属膜は、アノード電極層43からこの順に積層されたNi膜、Pd膜およびAu膜を含んでいてもよい。
第2外部端子7は、カソードパッド開口84内に形成されている。第2外部端子7は、カソードパッド開口84内においてカソード電極層44に電気的に接続されている。これにより、第2外部端子7は、カソード電極層44を介してn型ダイオード領域20に電気的に接続されている。
第2外部端子7は、最上絶縁層13から突出するように形成されている。第2外部端子7は、最上絶縁層13を被覆する被覆部を有している。第2外部端子7は、複数の金属膜が積層された積層構造を有していてもよい。複数の金属膜は、カソード電極層44からこの順に積層されたNi膜、Pd膜およびAu膜を含んでいてもよい。
SBDチップ1の電気的特性と比較するため、図9に示される参考例に係るSBDチップ601を用意した。図9Aは、参考例に係るSBDチップ601の内部構造を示す平面図である。図9Bは、図9Aに示すB-B線に沿う断面図である。図9Bでは、半導体層10の第1主面14側の構造だけが示されている。
図9Aを参照して、参考例に係るSBDチップ601は、コンタクト電極層45A,45B,45C、コンタクト孔46A,46B,46Cおよびn型コンタクト領域70A,70B,70Cを含まない点を除いて、SBDチップ1とほぼ同様の構造を有している。参考例に係るSBDチップ601において、SBDチップ1の構成に対応する構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
次に、参考例に係るSBDチップ601のn型エピタキシャル層18の厚さT(つまり、n型ダイオード領域20の厚さ)が、順方向電圧VF、順方向電流IF、逆方向電圧VR、逆方向電流IRおよびブレークダウン電圧BV等に対してどのような影響を与えるのかについて説明する。
順方向電流IFは、第1外部端子6および第2外部端子7(アノード電極層43およびカソード電極層44)の間に順方向電圧VFが印加された状態において、第1外部端子6および第2外部端子7(アノード電極層43およびカソード電極層44)の間を流れる電流である。
逆方向電流IRは、第1外部端子6および第2外部端子7(アノード電極層43およびカソード電極層44)の間に逆方向電圧VRが印加された状態において、第1外部端子6および第2外部端子7(アノード電極層43およびカソード電極層44)の間を流れる電流である。
ブレークダウン電圧BVとは、第1外部端子6および第2外部端子7(アノード電極層43およびカソード電極層44)の間に逆方向電圧VRが印加された状態において、降伏現象が始まり、第1外部端子6および第2外部端子7(アノード電極層43およびカソード電極層44)の間を流れる逆方向電流IRが急激に増加する電圧である。
ここでは、下記の表1に示されるように、n型エピタキシャル層18の厚さTが異なる4つの参考例に係るSBDチップ601A,601B,601C,601Dを用意した。
Figure 2018093185
SBDチップ601Aは、n型エピタキシャル層18の厚さTが1.5μmに設定されたSBDチップ601である。SBDチップ601Bは、n型エピタキシャル層18の厚さTが2.0μmに設定されたSBDチップ601である。
SBDチップ601Cは、n型エピタキシャル層18の厚さTが2.5μmに設定されたSBDチップ601である。SBDチップ601Dは、n型エピタキシャル層18の厚さTが3.8μmに設定されたSBDチップ601である。
SBDチップ601A,601B,601C,601Dの順方向電圧VF、逆方向電流IRおよびブレークダウン電圧BVをシミュレーションにより求めた結果が、図10〜図15に示されている。
図10は、表1に示す参考例に係るSBDチップ601A,601B,601C,601Dにおいて、n型エピタキシャル層18の厚さTと順方向電圧VFとの関係を説明するためのグラフである。
図10において、縦軸は順方向電圧VFであり、横軸はn型エピタキシャル層18の厚さTである。順方向電圧VFは、順方向電流IFが2Aのときの、第1外部端子6および第2外部端子7の間の電圧である。
図10を参照して、n型エピタキシャル層18の厚さTが小さくなると順方向電圧VFが小さくなった。また、n型エピタキシャル層18の厚さTが大きくなると順方向電圧VFが大きくなった。
n型エピタキシャル層18の厚さTの増加に応じて順方向電圧VFが増加するのは、n型エピタキシャル層18の厚さTの増加に応じた分だけ抵抗値が増加するためであると考えられる。
このことから、n型エピタキシャル層18の厚さTを小さくして、n型エピタキシャル層18の抵抗値を低減することにより、低い順方向電圧VFを実現できることが分かった。
図11は、表1に示す参考例に係るSBDチップ601A,601B,601C,601Dにおいて、n型エピタキシャル層18の厚さTと逆方向電流IRとの関係を説明するためのグラフである。
図11において、縦軸は逆方向電流IRであり、横軸はn型エピタキシャル層18の厚さTである。逆方向電流IRは、逆方向電圧VRが10Vのときの、第1外部端子6および第2外部端子7の間に流れる電流である。
図11を参照して、n型エピタキシャル層18の厚さTが小さくなると逆方向電流IRが大きくなった。また、n型エピタキシャル層18の厚さTが大きくなると逆方向電流IRが小さくなった。
n型エピタキシャル層18の厚さTの減少に応じて、逆方向電流IRが増加するのは、n型半導体基板17から拡散するn型不純物に起因すると考えられる。
より具体的には、n型エピタキシャル層18の厚さTが小さくなると、n型半導体基板17から拡散するn型不純物により、n型エピタキシャル層18、とりわけn型エピタキシャル層18の表層部のn型不純物濃度が増加しやすくなる。
その結果、表面電極層12およびn型エピタキシャル層18の間において漏れ電流が増加し、逆方向電流IRが増加したと考えられる。
特に、n型エピタキシャル層18の厚さTが2μm未満の領域では、n型半導体基板17から拡散するn型不純物がn型エピタキシャル層18に与える影響が大きくなる結果、逆方向電流IRが急激に増加する。
よって、n型エピタキシャル層18の厚さTを小さくする場合において、n型エピタキシャル層18、とりわけn型エピタキシャル層18の表層部のn型不純物濃度の増加を抑制することにより、逆方向電流IRの増加を抑制できることがわかった。
図12は、表1に示す参考例に係るSBDチップ601A,601B,601C,601Dにおいて、n型エピタキシャル層18の厚さTとブレークダウン電圧BVとの関係を説明するためのグラフである。
図12において、縦軸はブレークダウン電圧BVであり、横軸はn型エピタキシャル層18の厚さTである。ブレークダウン電圧BVは、逆方向電流IRが1mAのときの、第1外部端子6および第2外部端子7の間の電圧である。
図12を参照して、n型エピタキシャル層18の厚さTが小さくなるとブレークダウン電圧BVが小さくなった。また、n型エピタキシャル層18の厚さTが大きくなるとブレークダウン電圧BVが大きくなった。
図10〜図12を参照して、比較的低い順方向電圧VFを実現しようとすると、逆方向電流IRが増加することが分かった。また、比較的低い順方向電圧VFを実現しようとすると、ブレークダウン電圧BVが低下することが分かった。
したがって、順方向電圧VFおよび逆方向電流IRの間には、背反の関係が存在していることがわかった。また、順方向電圧VFおよびブレークダウン電圧BVの間にも、背反の関係が存在していることがわかった。
このことから、n型エピタキシャル層18の厚さTを適切な値に設定することにより、低順方向電圧VF、低逆方向電流IRおよび高ブレークダウン電圧BVを実現できることが分かった。
次に、参考例に係るSBDチップ601のn型エピタキシャル層18の比抵抗が、順方向電圧VF、順方向電流IF、逆方向電圧VR、逆方向電流IRおよびブレークダウン電圧BV等にどのような影響を与えるのかについて説明する。
n型エピタキシャル層18の比抵抗は、n型ダイオード領域20の比抵抗でもある。n型エピタキシャル層18の比抵抗が小さいことは、n型エピタキシャル層18のn型不純物濃度が高いことを意味している。n型エピタキシャル層18の比抵抗が大きいことは、n型エピタキシャル層18のn型不純物濃度が低いことを意味している。
ここでは、下記の表2に示されるように、n型エピタキシャル層18の比抵抗がそれぞれ異なる3つのSBDチップ601E,601F,601Gを用意した。
Figure 2018093185
SBDチップ601Eは、n型エピタキシャル層18の比抵抗が0.2Ω・cmに設定されたSBDチップ601である。SBDチップ601Fは、n型エピタキシャル層18の比抵抗が0.4Ω・cmに設定されたSBDチップ601である。SBDチップ601Gは、n型エピタキシャル層18の比抵抗が0.7Ω・cmに設定されたSBDチップ601である。
SBDチップ601E,601F,601Gのn型エピタキシャル層18の厚さTは、3.8μm程度である。
SBDチップ601E,601F,601Gの順方向電圧VF、逆方向電流IRおよびブレークダウン電圧BVをシミュレーションにより求めた結果が、図13〜図15に示されている。
図13は、表2に示す参考例に係るSBDチップ601E,601F,601Gにおいて、n型エピタキシャル層18の比抵抗と順方向電圧VFとの関係を説明するためのグラフである。
図13において、縦軸は順方向電圧VFであり、横軸はn型エピタキシャル層18の比抵抗である。順方向電圧VFは、順方向電流IFが2Aのときの、第1外部端子6および第2外部端子7の間の電圧である。
図13を参照して、n型エピタキシャル層18の比抵抗が小さくなると、順方向電圧VFが小さくなった。また、n型エピタキシャル層18の比抵抗が大きくなると、順方向電圧VFが大きくなった。
このことから、n型エピタキシャル層18の比抵抗を小さくすることにより、低い順方向電圧VFを実現できることが分かった。
図10では、n型エピタキシャル層18の抵抗値を低減することにより、低い順方向電圧VFを得ることができることを述べた。これは、比抵抗の低下に応じて、順方向電圧VFが低下する特性を示す図13によっても、裏付けられている。
図14は、表2に示す参考例に係るSBDチップ601E,601F,601Gにおいて、n型エピタキシャル層18の比抵抗と逆方向電流IRとの関係を説明するためのグラフである。
図14において、縦軸は逆方向電流IRであり、横軸はn型エピタキシャル層18の比抵抗である。逆方向電流IRは、逆方向電圧VRが10Vのときの、第1外部端子6および第2外部端子7の間を流れる電流である。
図14を参照して、n型エピタキシャル層18の比抵抗が小さくなると、逆方向電流IRが大きくなった。また、n型エピタキシャル層18の比抵抗が大きくなると、逆方向電流IRが小さくなった。
このことから、n型エピタキシャル層18の比抵抗を大きくすることにより、低い逆方向電流IRを実現できることが分かった。
図11では、n型半導体基板17から拡散したn型不純物に起因するn型エピタキシャル層18のn型不純物濃度の増加により、逆方向電流IRが増加することを述べた。これは、比抵抗の低下に応じて、逆方向電流IRが増加する特性を示す図14によっても、裏付けられている。
図15は、表2に示す参考例に係るSBDチップ601E,601F,601Gにおいて、n型エピタキシャル層18の比抵抗とブレークダウン電圧BVとの関係を説明するためのグラフである。
図15において、縦軸はブレークダウン電圧BVであり、横軸はn型エピタキシャル層18の比抵抗である。ブレークダウン電圧BVは、逆方向電流IRが1mAのときの、第1外部端子6および第2外部端子7の間の電圧である。
図15を参照して、n型エピタキシャル層18の比抵抗が小さくなるとブレークダウン電圧BVが小さくなった。また、n型エピタキシャル層18の比抵抗が大きくなるとブレークダウン電圧BVが大きくなった。
このことから、n型エピタキシャル層18の比抵抗を大きくすることにより、高いブレークダウン電圧BVを実現できることが分かった。
図13〜図15を参照して、比較的低い順方向電圧VFを実現しようとすると、逆方向電流IRが増加してしまう。また、比較的低い順方向電圧VFを実現しようとすると、ブレークダウン電圧BVが低下してしまう。
したがって、順方向電圧VFおよび逆方向電流IRの間には、背反の関係が存在していることが分かった。また、順方向電圧VFおよびブレークダウン電圧BVの間にも、背反の関係が存在していることが分かった。
このことから、n型エピタキシャル層18の比抵抗を適切な値に設定することにより、低順方向電圧VF、低逆方向電流IRおよび高ブレークダウン電圧BVを実現できることが分かった。
図10〜図12から、n型エピタキシャル層18の厚さTは、小さい方が好ましいことが理解される。しかし、n型エピタキシャル層18の厚さTが2μm未満になると、逆方向電流IRが急激に増加する。これは、n型半導体基板17からのn型不純物の拡散によるn型エピタキシャル層18のn型不純物濃度の増加に起因する。
したがって、n型エピタキシャル層18のn型不純物濃度は小さい方が好ましいが、n型エピタキシャル層18の厚さTは、2μm以上であることが好ましいことが理解される。
そして、n型エピタキシャル層18の薄化に伴う逆方向電流IRの抑制の観点から、n型エピタキシャル層18の表層部のn型不純物濃度を低くすればよいことが理解される。
さらに、図13〜図15から、n型エピタキシャル層18の比抵抗は大きい方が好ましいことが理解される。より具体的には、n型エピタキシャル層18は、n型エピタキシャル層18の比抵抗が0.4Ω・cm以上となるn型不純物濃度で形成されることが好ましいことが理解される。
SBDチップ1は、参考例に係るSBDチップ601とは異なり、コンタクト電極層45A,45B,45C、コンタクト孔46A,46B,46Cおよびn型コンタクト領域70A,70B,70Cを含む。
SBDチップ1では、n型エピタキシャル層18の厚さTが、2.0μm以上3.0μm以下に設定されている。n型エピタキシャル層18の厚さTは、より具体的には、2.0μm以上2.5μm以下である。
SBDチップ1では、n型エピタキシャル層18の比抵抗が、0.4Ω・cm以上に設定されている。n型エピタキシャル層18の比抵抗は、より具体的には、0.7Ω・cm以上1.0Ω・cm以下に設定されている。
さらに、SBDチップ1では、n型ダイオード領域20の表層部に表層領域21が形成されている(図8等も参照)。表層領域21は、n型不純物およびp型不純物を含む。
この表層領域21により、n型半導体基板17からのn型不純物の拡散によるn型エピタキシャル層18のn型不純物濃度の変動が抑制されている。表層領域21は、とりわけn型エピタキシャル層18の表層部のn型不純物濃度の増加を抑制している。
以下、図16〜図23を参照して、SBDチップ1の電気的特性を順に説明する。SBDチップ1の電気的特性は、シミュレーションにより求められている。
図16は、図1に示すSBDチップ1の順方向電圧VF−順方向電流IF特性を示すグラフである。図16において、縦軸は順方向電流IFであり、横軸は順方向電圧VFである。
図16を参照して、第1外部端子6および第2外部端子7の間の順方向電流IFが1Aのとき、第1外部端子6および第2外部端子7の間の順方向電圧VFが0.36V以下という結果が得られた。第1外部端子6および第2外部端子7の間の順方向電流IFが2Aのとき、第1外部端子6および第2外部端子7の間の順方向電圧VFが0.44V未満という結果が得られた。
図17は、図1に示すSBDチップ1の逆方向電圧VR−逆方向電流IR特性を示すグラフである。図17において、縦軸は逆方向電流IRであり、横軸は逆方向電圧VRである。
図17を参照して、第1外部端子6および第2外部端子7の間の逆方向電圧VRが10Vのとき、第1外部端子6および第2外部端子7の間の逆方向電流IRが1.0×10−4A以下という結果が得られた。第1外部端子6および第2外部端子7の間の逆方向電圧VRが20Vのとき、第1外部端子6および第2外部端子7の間の逆方向電流IRが1.0×10−3A以下という結果が得られた。
図18は、図1に示すSBDチップ1の逆方向電圧VR−逆方向電流IR特性を示すグラフであって、ブレークダウン電圧BV特性を説明するためのグラフである。図18において、縦軸は逆方向電流IRであり、横軸は逆方向電圧VRである。
図18を参照して、第1外部端子6および第2外部端子7の間の逆方向電圧VRが20V以上になると、逆方向電流IRが急激に増加している。したがって、第1外部端子6および第2外部端子7の間のブレークダウン電圧BVは、20V以上である。
第1外部端子6および第2外部端子7の間のブレークダウン電圧BVが20V以上のとき、第1外部端子6および第2外部端子7の間の逆方向電流IRは、1.0×10−3A以上となる。
図19は、図1に示すSBDチップ1の順方向電圧VF−寄生容量CT特性を示すグラフである。図19において、縦軸は寄生容量CTであり、横軸は逆方向電圧VRである。寄生容量CTは、第1外部端子6および第2外部端子7(アノード電極層43およびカソード電極層44)の間の端子間容量でもある。
図19を参照して、第1外部端子6および第2外部端子7の間の逆方向電圧VRが5V以上のとき、第1外部端子6および第2外部端子7の間の寄生容量CTが100pF以下であるという結果が得られた。寄生容量CTは、より具体的には、50pF以下である。
図20は、図1に示すSBDチップ1において、n型エピタキシャル層18の厚さTを調整した場合の順方向電圧VFの変化を示すグラフである。図20において、縦軸は順方向電圧VFであり、横軸はn型エピタキシャル層18の厚さTである。
ここでは、n型エピタキシャル層18の厚さTを2.0μmおよび2.2μmの間で変化させた場合の順方向電圧VFの変化を示している。順方向電圧VFは、順方向電流IFが2Aのときの、第1外部端子6および第2外部端子7の間の電圧である。
図20を参照して、n型エピタキシャル層18の厚さTが2.0μm以上2.2μm以下の範囲において、順方向電流IFが2Aのときの順方向電圧VFは、0.43V以上0.45V以下であるという結果が得られた。
図21は、図1に示すSBDチップ1において、n型エピタキシャル層18の厚さTを調整した場合の逆方向電流IRの変化を示すグラフである。図21において、縦軸は逆方向電流IRであり、横軸はn型エピタキシャル層18の厚さTである。
ここでは、n型エピタキシャル層18の厚さTを2.0μmおよび2.2μmの間で変化させた場合の逆方向電流IRの変化を示している。逆方向電流IRは、第1外部端子6および第2外部端子7の間の逆方向電圧VRが10Vのときの、第1外部端子6および第2外部端子7の間を流れる電流である。
図21を参照して、n型エピタキシャル層18の厚さTが2.0μm以上2.2μm以下の範囲において、逆方向電圧VRが10Vのときの逆方向電流IRは、1.0×10−4A以下であるという結果が得られた。この逆方向電流IRは、より具体的には、5.0×10−5A以上7.0×10−5A以下である。
図22は、図1に示すSBDチップ1において、n型エピタキシャル層18の厚さTを調整した場合のブレークダウン電圧BVの変化を示すグラフである。図22において、縦軸はブレークダウン電圧BVであり、横軸はn型エピタキシャル層18の厚さTである。
ここでは、n型エピタキシャル層18の厚さTを2.0μmおよび2.2μmの間で変化させた場合のブレークダウン電圧BVの変化を示している。ブレークダウン電圧BVは、第1外部端子6および第2外部端子7の間を流れる逆方向電流IRが1mAのときの、第1外部端子6および第2外部端子7の間の電圧である。
図22を参照して、n型エピタキシャル層18の厚さTが2.0μm以上2.2μm以下の範囲において、第1外部端子6および第2外部端子7の間のブレークダウン電圧BVは、23V以上27V以下であるという結果が得られた。
図23は、図1に示すSBDチップ1において、n型エピタキシャル層18の厚さTを調整した場合の静電破壊耐量の変化を示すグラフである。図23において、縦軸は静電破壊耐量であり、横軸はn型エピタキシャル層18の厚さTである。
ここでは、n型エピタキシャル層18の厚さTを2.0μmおよび2.2μmの間で変化させた場合の、静電破壊耐量の変化を示している。
図23を参照して、n型エピタキシャル層18の厚さTが2.0μm以上2.2μm以下の範囲において、第1外部端子6および第2外部端子7の間のブレークダウン電圧BVは、26kV以上30kV以下であるという結果が得られた。
さらに、この形態では、SBDチップ1において、コンタクト孔46A,46B,46Cの形状を調整した場合の順方向電圧VFの変化をシミュレーションにより求めた。
ここでは、第1コンタクト孔46Aおよび第2開口34(第2コンタクト孔46B)を分離した状態で、第1コンタクト孔46Aの形状を変更した3つのSBDチップ1を用意した。この3つのSBDチップ1は、第1評価用素子1A、第2評価用素子1Bおよび第3評価用素子1Cを含む。
図24〜図27を参照して、第1評価用素子1A、第2評価用素子1Bおよび第3評価用素子1Cの形態、および、それらの順方向電圧VFについて具体的に説明する。
図24Aは、図1に示すSBDチップ1において、コンタクト孔46A,46B,46Cの形状を調整した場合の順方向電圧VFを評価するための第1評価用素子1Aを示す平面図である。図24Bは、図24Aに示すB-B線に沿う断面図である。図24Bでは、半導体層10の第1主面14側の構造だけが示されている。
第1評価用素子1Aは、第3コンタクト孔46Cを含まない点を除いて、図1に示すSBDチップ1の構成とほぼ同様の構成を有している。図24Aおよび図24Bにおいて、図1に示すSBDチップ1と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図24Aおよび図24Bを参照して、一対の第1コンタクトライン部54は、第1コンタクト対向部53の両端部から第2開口34側に向けて半導体層10の中央領域を横切るように延びている。
一対の第1コンタクトライン部54のカソード電極層44側の端部は、カソード電極層44に近接する位置に形成されている。一対の第1コンタクトライン部54のカソード電極層44側の端部は、表面絶縁層11を挟んで、第2コンタクト孔46Bの一対の第2コンタクトライン部56のアノード電極層43側の端部と対向している。
図25Aは、図1に示すSBDチップ1において、コンタクト孔46A,46B,46Cの形状を調整した場合の順方向電圧VFを評価するための第2評価用素子1Bを示す平面図である。図25Bは、図25Aに示すB-B線に沿う断面図である。図25Bでは、半導体層10の第1主面14側の構造だけが示されている。
第2評価用素子1Bは、第3コンタクト孔46Cを含まない点を除いて、図1に示すSBDチップ1の構成とほぼ同様の構成を有している。図25Aおよび図25Bにおいて、図1に示すSBDチップ1と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図25Aおよび図25Bを参照して、一対の第1コンタクトライン部54は、半導体層10の中央領域および第1コンタクト対向部53の両端部の間の領域を、第1コンタクト対向部53の両端部から第2開口34側に向けて延びている。
一対の第1コンタクトライン部54のカソード電極層44側の端部は、表面絶縁層11を挟んで、第2コンタクト孔46Bの一対の第2コンタクトライン部56のアノード電極層43側の端部と対向している。
図26Aは、図1に示すSBDチップ1において、コンタクト孔46A,46B,46Cの形状を調整した場合の順方向電圧VFを評価するための第3評価用素子1Cを示す平面図である。図26Bは、図26Aに示すB-B線に沿う断面図である。図26Bでは、半導体層10の第1主面14側の構造だけが示されている。
第3評価用素子1Cは、第1コンタクト孔46Aが一対の第1コンタクトライン部54を含まない点、および第3コンタクト孔46Cを含まない点を除いて、図1に示すSBDチップ1の構成とほぼ同様の構成を有している。図26Aおよび図26Bにおいて、図1に示すSBDチップ1と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図27は、第1評価用素子1A、第2評価用素子1Bおよび第3評価用素子1Cの順方向電圧VFを示すグラフである。
図27において、縦軸は順方向電圧VFであり、横軸は部品名である。順方向電圧VFは、順方向電流IFが2Aのときの、第1外部端子6および第2外部端子7の間の電圧である。
図27では、第1評価用素子1A、第2評価用素子1Bおよび第3評価用素子1Cの順方向電圧VFに加えて、図1に示すSBDチップ1の順方向電圧VF、ならびに、参考例に係るSBDチップ601の順方向電圧VFも示している。
参考例に係るSBDチップ601のn型エピタキシャル層18の厚さTが2.0μm以上2.5μm以下に設定されている。参考例に係るSBDチップ601のn型エピタキシャル層18の比抵抗は、0.7Ω・cm程度に設定されている。
図27を参照して、SBDチップ1、ならびに、第1評価用素子1A、第2評価用素子1Bおよび第3評価用素子1Cによれば、参考例に係るSBDチップ601の順方向電圧VFよりも低い順方向電圧VFを達成できることが分かった。
より具体的には、参考例に係るSBDチップ601では、順方向電流IFが2Aのときの順方向電圧VFが0.47Vよりも大きい(VF>0.47V)。
これに対して、SBDチップ1、ならびに、第1評価用素子1A、第2評価用素子1Bおよび第3評価用素子1Cでは、順方向電流IFが2Aのときの順方向電圧VFが0.47V以下である(VF≦0.47V)。このときの順方向電圧VFは、より具体的には、0.45V以下である(VF≦0.45V)。
特に、SBDチップ1、第1評価用素子1Aおよび第2評価用素子1Bでは、順方向電流IFが2Aのときの順方向電圧VFが0.44V以下である(VF≦0.44V)。
さらに、SBDチップ1および第1評価用素子1Aでは、順方向電流IFが2Aのときの順方向電圧VFが0.44V未満である(VF<0.44V)。
このように、SBDチップ1において、第1コンタクト孔46Aおよび第2開口34(第2コンタクト孔46B)を分離した状態で、第1コンタクト孔の形状を変化させた場合であっても、参考例に係るSBDチップ601の順方向電圧VFよりも優れた順方向電圧VFを達成できることが分かった。
また、この形態では、第1コンタクト孔46Aおよび第2開口34(第2コンタクト孔46B)が連通した状態で、第1コンタクト孔46Aの形状を変更した3つのSBDチップ1を用意した。この3つのSBDチップ1は、第4評価用素子1D、第5評価用素子1Eおよび第6評価用素子1Fを含む。
図28〜図31を参照して、第4評価用素子1D、第5評価用素子1Eおよび第6評価用素子1Fの形態、および、それらの順方向電圧VFについて説明する。
図28Aは、図1に示すSBDチップ1において、コンタクト孔46A,46B,46Cの形状を調整した場合の順方向電圧VFを評価するための第4評価用素子1Dを示す平面図である。図28Bは、図28Aに示すB-B線に沿う断面図である。図28Bでは、半導体層10の第1主面14側の構造だけが示されている。
第4評価用素子1Dは、第1コンタクト孔46Aが第1コンタクト対向部53を含まない点を除いて、図1に示すSBDチップ1の構成とほぼ同様の構成を有している。図28Aおよび図28Bにおいて、図1に示すSBDチップ1と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図29Aは、図1に示すSBDチップ1において、コンタクト孔46A,46B,46Cの形状を調整した場合の順方向電圧VFを評価するための第5評価用素子1Eを示す平面図である。図29Bは、図29Aに示すB-B線に沿う断面図である。図29Bでは、半導体層10の第1主面14側の構造だけが示されている。
第5評価用素子1Eは、第1コンタクト孔46Aが第1コンタクト対向部53を含まない点、一対の第1コンタクトライン部54においてカソード電極層44側の端部とは反対側の端部が、半導体層10の短手方向に第1開口33の中央領域と対向している点を除いて、図1に示すSBDチップ1の構成とほぼ同様の構成を有している。図29Aおよび図29Bにおいて、図1に示すSBDチップ1と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図30Aは、図1に示すSBDチップ1において、コンタクト孔46A,46B,46Cの形状を調整した場合の順方向電圧VFを評価するための第6評価用素子1Fを示す平面図である。図30b)は、図30Aに示すB-B線に沿う断面図である。図30Bでは、半導体層10の第1主面14側の構造だけが示されている。
第6評価用素子1Fは、第1コンタクト孔46Aを含まない点を除いて、図1に示すSBDチップ1の構成とほぼ同様の構成を有している。図30Aおよび図30Bにおいて、図1に示すSBDチップ1と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図31は、第4評価用素子1D、第5評価用素子1Eおよび第6評価用素子1Fの順方向電圧VFを示すグラフである。
図31において、縦軸は順方向電圧VFであり、横軸は部品名である。順方向電圧VFは、順方向電流IFが2Aのときの、第1外部端子6および第2外部端子7の間の電圧である。
図31では、第4評価用素子1D、第5評価用素子1Eおよび第6評価用素子1Fの順方向電圧VFに加えて、図1に示すSBDチップ1の順方向電圧VF、ならびに、参考例に係るSBDチップ601の順方向電圧VFも示している。
参考例に係るSBDチップ601のn型エピタキシャル層18の厚さTが2.0μm以上2.5μm以下に設定されている。参考例に係るSBDチップ601の比抵抗は0.7Ω・cm程度に設定されている。
図31を参照して、第4評価用素子1D、第5評価用素子1Eおよび第6評価用素子1Fによっても、参考例に係るSBDチップ601の順方向電圧VFよりも低い順方向電圧VFを達成できることが分かった。
より具体的には、SBDチップ1、ならびに、第4評価用素子1D、第5評価用素子1Eおよび第6評価用素子1Fでは、順方向電流IFが2Aのときの順方向電圧VFが0.47V以下である(VF≦0.47V)。このときの順方向電圧VFは、さらに具体的には、0.46V以下である(VF≦0.46V)。
特に、第1コンタクト孔46Aが一対の第1コンタクトライン部54をそれぞれ含むSBDチップ1、第4評価用素子1Dおよび第5評価用素子1Eでは、順方向電流IFが2Aのときの順方向電圧VFが0.44V未満である(VF<0.44V)。
このように、第1コンタクト孔46Aおよび第2開口34(第2コンタクト孔46B)が連通した状態で、コンタクト孔46A,46B,46Cの形状を変化させた場合であっても、参考例に係るSBDチップ601の順方向電圧VFよりも優れた順方向電圧VFを達成できることが分かった。
特に、第1コンタクト孔46Aが一対の第1コンタクトライン部54を含む構造によれば、第1周囲領域51の全域を取り囲まなくとも、0.44V未満の順方向電圧VFを達成できることが分かった。
第1評価用素子1A、第2評価用素子1B、第3評価用素子1C、第4評価用素子1D、第5評価用素子1E、第6評価用素子1Fの逆方向電流IR、ブレークダウン電圧BV、寄生容量CTおよび静電破壊耐量の各特性は、図1に示すSBDチップ1とほぼ同様であるので、説明を省略する。
参考例に係るSBDチップ601と、SBDチップ1の電気的特性を下記の表3に纏める。
Figure 2018093185
上記の表3を参照して、SBDチップ1によれば、逆方向電流IRを1.0×10−4A以上1.0×10−5A以下に保ち、かつ、ブレークダウン電圧BVを20V以上に保つと同時に、0.47V以下の順方向電圧VF(VF≦0.47V)を実現することができた。SBDチップ1の順方向電圧VF(VF≦0.47V)は、参考例に係るSBDチップ601の順方向電圧VF(VF>0.47V)よりも低い。
以上、SBDチップ1によれば、半導体層10の比抵抗よりも小さい比抵抗を有する第1コンタクト電極層45Aが、半導体層10の第1主面14におけるアノード電極層43を取り囲む第1周囲領域51の上に形成されている。
アノード電極層43からn型ダイオード領域20に流れ込んだ電流は、n型ダイオード領域20から半導体層10を介して、比抵抗が比較的小さい第1コンタクト電極層45Aに導かれて、カソード電極層44に至る。これにより、第1外部端子6および第2外部端子7の間(アノード電極層43およびカソード電極層44の間)の電流経路における抵抗値の低減を図ることができる。
特に、SBDチップ1は、第1コンタクト電極層45Aに加えて、カソード電極層44を取り囲む第2周囲領域52の上に形成された第2コンタクト電極層45Bと、アノード電極層43およびカソード電極層44の間に形成された第3コンタクト電極層45Cとを含む。
したがって、第2コンタクト電極層45Bおよび第3コンタクト電極層45Cの分だけ、第1外部端子6および第2外部端子7の間(アノード電極層43およびカソード電極層44の間)の電流経路における抵抗値をさらに低下させることができる。
SBDチップ1は、半導体層10の第1主面14の表層部において第1コンタクト電極層45Aに対向する領域に形成され、かつ、第1コンタクト電極層45Aに電気的に接続された第1コンタクト領域70Aをさらに含む。
SBDチップ1は、半導体層10の第1主面14の表層部において第2コンタクト電極層45Bに対向する領域に形成され、かつ、第2コンタクト電極層45Bに電気的に接続された第2コンタクト領域70Bをさらに含む。
SBDチップ1は、半導体層10の第1主面14の表層部において第3コンタクト電極層45Cに対向する領域に形成され、かつ、第3コンタクト電極層45Cに電気的に接続された第3コンタクト領域70Cをさらに含む。
第1コンタクト領域70A、第2コンタクト領域70Bおよび第3コンタクト領域70Cは、さらにn型ダイオード領域20およびn型不純物領域25に電気的に接続されている。
これにより、アノード電極層43からn型ダイオード領域20に流れ込んだ電流の一部は、n型ダイオード領域20からn型不純物領域25に流れ込む。
アノード電極層43からn型ダイオード領域20に流れ込んだ電流の一部は、n型ダイオード領域20の抵抗値よりも小さい抵抗値を有する第1コンタクト領域70A、第2コンタクト領域70Bおよび第3コンタクト領域70Cを介して、第1コンタクト電極層45A、第2コンタクト電極層45Bおよび第3コンタクト電極層45Cに流れ込む。
これにより、第1コンタクト領域70A、第2コンタクト領域70Bおよび第3コンタクト領域70Cが形成されていない場合に比べて、半導体層10(n型エピタキシャル層18)の抵抗値を低減できる。
よって。第1外部端子6および第2外部端子7の間(アノード電極層43およびカソード電極層44の間)の電流経路の抵抗値をさらに低減できる。
このように、SBDチップ1によれば、第1外部端子6および第2外部端子7の間(アノード電極層43およびカソード電極層44の間)の電流経路における抵抗値の低減を図ることができるから、順方向電圧VFの低減を図ることができる。
順方向電圧VFを低減するには、半導体層10という限られた領域において、n型ダイオード領域20に対するアノード電極層43の接続面積(以下、単に「ダイオード面積」という。)を如何にして確保するかが一つの問題となる。たとえば、アノード電極層43が小さいと、ダイオード面積も小さくなるから、順方向電圧VFが高くなる。
そこで、SBDチップ1では、第1周囲領域51におけるアノード電極層43の周縁および半導体層10の周縁の間の領域に第1コンタクト領域70Aを形成している。
これにより、アノード電極層43を犠牲にすることなく第1コンタクト領域70Aを形成できる。その結果、半導体層10の面積に対する割合が比較的大きいダイオード面積を確保できる。よって、このような観点からも順方向電圧VFの低減を図ることができる。
しかも、半導体層10の第1主面14の上においてアノード電極層43を取り囲む第1周囲領域51に第1コンタクト電極層45Aを形成すればよいので、第1外部端子6および第2外部端子7の間(アノード電極層43およびカソード電極層44の間)の順方向電圧VFの低減を図る上で、必ずしも半導体層10の面積を大きくする必要はない。よって、小型化および順方向電圧VFの低減を図ることができるSBDチップ1を提供できる。
SBDチップ1では、半導体層10の第1主面14の表層部に形成されたn型ダイオード領域20が、半導体層10の第1主面14側のn型不純物濃度が、半導体層10の第2主面15側のn型不純物濃度よりも低い濃度プロファイルを有している。
より具体的には、n型ダイオード領域20は、n型ダイオード領域20の表層部に形成された表層領域21と、表層領域21に対して半導体層10の第2主面15側に形成された下層領域22とを含む。
表層領域21は、n型不純物およびp型不純物を含み、n型不純物のn型不純物濃度がp型不純物のp型不純物濃度よりも高いn型低濃度領域である。表層領域21は、下層領域22のn型不純物濃度よりも低いn型不純物濃度を有している。
n型ダイオード領域20の厚さ(n型エピタキシャル層18の厚さT)が小さくなると、n型半導体基板17から拡散するn型不純物により、n型ダイオード領域20、とりわけn型ダイオード領域20の表層部のn型不純物濃度が増加しやすくなる。
その結果、表面電極層12およびn型ダイオード領域20の間において漏れ電流成分が増加し、第1外部端子6および第2外部端子7の間(アノード電極層43およびカソード電極層44の間)の逆方向電流IRが増加する傾向がある。
そこで、SBDチップ1では、n型不純物濃度が比較的高い下層領域22を形成している一方で、その表層部においてn型不純物濃度が下層領域22よりも低い表層領域21を形成している。
したがって、n型ダイオード領域20における下層領域22において抵抗値の低減を図り、かつ、n型ダイオード領域20における表層領域21において抵抗値の増加を図ることができる。
これにより、n型ダイオード領域20における下層領域22により、順方向電圧VFを向上させることができ、かつ、n型ダイオード領域20における表層領域21により、逆方向電流IRの増加を抑制できる。よって、順方向電圧VFの低減および逆方向電流IRの増加の抑制を図ることができるSBDチップ1を提供できる。
特に、SBDチップ1では、n型エピタキシャル層18が2μm以上2.5μm以下という比較的小さい厚さTを有している。そのため、n型半導体基板17から拡散するn型不純物により、n型ダイオード領域20の表層部においてn型不純物濃度が高まる可能性があるとも考えられる。
しかし、n型ダイオード領域20の表層部には、p型不純物を含む表層領域21が形成されているので、表層領域21に進入したn型不純物は、表層領域21内のp型不純物によって相殺される。
これにより、n型ダイオード領域20の表層部においてn型不純物濃度が高まるのを抑制できるので、第1外部端子6および第2外部端子7の間の逆方向電流IRの増加を抑制できる。
また、本実施形態によれば、半導体層10の長手方向に沿って延びる長手側面16Aの長さが1.6mm以下であり、半導体層10の短手方向に沿って延びる短手側面16Bの長さが0.8mm以下であるSBDチップ1を提供できる。
また、半導体層10の長手方向に沿って延びる長手側面16Aの長さが1.0mm以下であり、半導体層10の短手方向に沿って延びる短手側面16Bの長さが0.6mm以下であるSBDチップ1を提供できる。
また、第1外部端子6および第2外部端子7の間(アノード電極層43およびカソード電極層44の間)の順方向電流IFが2Aのとき、第1外部端子6および第2外部端子7の間(アノード電極層43およびカソード電極層44の間)の順方向電圧VFが0.47V以下であるSBDチップ1を提供できる。
また、第1外部端子6および第2外部端子7の間(アノード電極層43およびカソード電極層44の間)の順方向電流IFが2Aのとき、第1外部端子6および第2外部端子7の間(アノード電極層43およびカソード電極層44の間)の順方向電圧VFが0.45V以下であるSBDチップ1を提供できる。
また、第1外部端子6および第2外部端子7の間(アノード電極層43およびカソード電極層44の間)の順方向電流IFが2Aのとき、第1外部端子6および第2外部端子7の間(アノード電極層43およびカソード電極層44の間)の順方向電圧VFが0.44V以下であるSBDチップ1を提供できる。
また、第1外部端子6および第2外部端子7の間(アノード電極層43およびカソード電極層44の間)の順方向電流IFが2Aのとき、第1外部端子6および第2外部端子7の間(アノード電極層43およびカソード電極層44の間)の順方向電圧VFが0.44V未満であるSBDチップ1を提供できる。
また、第1外部端子6および第2外部端子7の間(アノード電極層43およびカソード電極層44の間)の逆方向電圧VRが20Vのとき、第1外部端子6および第2外部端子7の間(アノード電極層43およびカソード電極層44の間)の逆方向電流IRが1.0×10−3A以下であるSBDチップ1を提供できる。
また、第1外部端子6および第2外部端子7の間(アノード電極層43およびカソード電極層44の間)の逆方向電圧VRが10Vのとき、第1外部端子6および第2外部端子7の間(アノード電極層43およびカソード電極層44の間)の逆方向電流IRが1.0×10−4A以下であるSBDチップ1を提供できる。
また、第1外部端子6および第2外部端子7の間(アノード電極層43およびカソード電極層44の間)の逆方向電圧VRが5V以上のとき、第1外部端子6および第2外部端子7の間(アノード電極層43およびカソード電極層44の間)の寄生容量CTが100pF以下であるSBDチップ1を提供できる。
また、第1外部端子6および第2外部端子7の間(アノード電極層43およびカソード電極層44の間)の逆方向電圧VRが5V以上のとき、第1外部端子6および第2外部端子7の間(アノード電極層43およびカソード電極層44の間)の寄生容量CTが50pF以下であるSBDチップ1を提供できる。
また、第1外部端子6および第2外部端子7の間(アノード電極層43およびカソード電極層44の間)のブレークダウン電圧BVが、20V以上であるSBDチップ1を提供できる。
図32は、図1に示すSBDチップ1の製造方法の一例を示す工程図である。図33A〜図33Nは、図1に示すSBDチップ1の製造方法の一例を説明するための断面図である。
まず、図33Aに示すように、1枚のn型シリコンウエハ91が用意される(図32のステップS1)。n型シリコンウエハ91は、n型半導体基板17の基になる。n型シリコンウエハ91の比抵抗は1.0mΩ・cm以上5.0mΩ・cm以下(たとえば3.0mΩ・cm程度)であってもよい。
SBDチップ1の製造は、n型シリコンウエハ91の状態で進められる。このn型シリコンウエハ91からは、複数個のSBDチップ1が切り出されるが、図33Aでは、1個のSBDチップ1が形成される領域のみが示されている(以下、図33B〜図33Nにおいて同じ)。
次に、図33Bを参照して、n型シリコンウエハ91の主面からシリコンがエピタキシャル成長される(図32のステップS2)。シリコンのエピタキシャル成長は、n型不純物(たとえばリンやヒ素等)の導入と並行して行われる。
これにより、n型シリコンウエハ91の主面の上にn型エピタキシャル層18が形成される。n型エピタキシャル層18は、n型シリコンウエハ91のn型不純物濃度よりも低いn型不純物濃度となるように形成される。
n型エピタキシャル層18は、その比抵抗が、0.7Ω・cm以上1.0Ω・cm以下(たとえば0.7Ω・cm程度)となるように形成されてもよい。
n型エピタキシャル層18の厚さTは、2.0μm以上3.0μm以下であってもよい。n型エピタキシャル層18の厚さTは、2.0μm以上3.5μm以下であってもよい。n型エピタキシャル層18の厚さTは、2.0μm以上3.2μm以下であってもよい。
n型エピタキシャル層18が形成された後、n型エピタキシャル層18の表層部にp型不純物が導入される(図32のステップS3)。
図33Bでは、n型エピタキシャル層18の表層部においてp型不純物が導入された領域を二点鎖線で示している(以下、図33C〜図33Nにおいて同じ)。p型不純物の導入は、イオン注入法により行われてもよい。n型エピタキシャル層18の表層部に導入されるp型不純物のp型不純物濃度は、n型エピタキシャル層18の表層部のn型不純物濃度よりも小さい。
これにより、n型エピタキシャル層18の表層部に表層領域21が形成される。表層領域21は、n型不純物およびp型不純物を含み、かつ、n型不純物のn型不純物濃度がp型不純物のp型不純物濃度よりも高い領域である。
n型エピタキシャル層18において表層領域21の下層に、表層領域21のn型不純物濃度よりも高いn型不純物濃度を有する下層領域22が形成される。n型エピタキシャル層18のうちの表層領域21および下層領域22を含む所定の領域が、n型ダイオード領域20として設定される。n型ダイオード領域20は、この形態では、平面視において四角形状に設定される。
次に、図33Cを参照して、n型エピタキシャル層18の主面にシリコン酸化膜92が形成される(図32のステップS4)。シリコン酸化膜92は、n型エピタキシャル層18に対する熱酸化処理法によって形成されてもよい。シリコン酸化膜92は、熱酸化処理法に代えて、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)法によって形成されてもよい。
次に、シリコン酸化膜92のうちの、n型不純物領域25を形成すべき領域およびn型コンタクト領域70A,70B,70Cを形成すべき領域に対応する部分が除去される(図32のステップS5)。シリコン酸化膜92の不要な部分は、フォトリソグラフィおよびエッチングによって除去されてもよい。
これにより、n型不純物領域25を形成すべき領域を露出させる第1開口93と、n型コンタクト領域70A,70B,70Cを形成すべき領域を露出させる第2開口94とが、シリコン酸化膜92に形成される。
次に、図33Dを参照して、リンデポ工程が実行される。リンデポ工程では、まず、リンを含む多結晶シリコン95が、n型エピタキシャル層18の主面の上に堆積される(図32のステップS6)。
多結晶シリコン95は、より具体的には、シリコン酸化膜92の第1開口93から露出するn型エピタキシャル層18の主面の上、および、シリコン酸化膜92の第2開口94から露出するn型エピタキシャル層18の主面の上に堆積される。
次に、熱処理によって、多結晶シリコン95内のリンがn型エピタキシャル層18の表層部に拡散される。これにより、n型不純物領域25およびn型コンタクト領域70A,70B,70Cの基となるn型領域96が、n型エピタキシャル層18の表層部に形成される。
次に、図33Eを参照して、シリコン酸化膜92が除去される(図32のステップS7)。リンデポ工程では、熱処理を経ることにより、多結晶シリコン95とn型エピタキシャル層18の主面が接する部分に薄いシリコン酸化膜(図示せず)がさらに形成される。
この酸化膜除去工程(図32のステップS7)では、多結晶シリコン95とn型エピタキシャル層18の主面が接する部分に形成された薄いシリコン酸化膜も、シリコン酸化膜92と共に除去される。
n型エピタキシャル層18の主面において薄いシリコン酸化膜が除去された部分が、第1リセス部26および第2リセス部71となる(図7Aおよび図7B参照)。むろん、n型エピタキシャル層18の表層部に対するリンの導入は、リンデポ工程に代えて、イオン注入法によって行われてもよい。
次に、図33Fを参照して、n型エピタキシャル層18の主面にシリコン酸化膜31が形成される(図32のステップS8)。シリコン酸化膜31は、n型エピタキシャル層18に対するウェット酸化処理法によって形成されてもよい。シリコン酸化膜31は、n型エピタキシャル層18に対する熱酸化処理によって形成されてもよい。
次に、シリコン酸化膜31のうちの、p型ガードリング領域35を形成すべき領域に対応する部分が除去される(図32のステップS9)。シリコン酸化膜31の不要な部分は、フォトリソグラフィおよびエッチングによって除去されてもよい。これにより、p型ガードリング領域35を形成すべき領域を露出させる第3開口97が、シリコン酸化膜31に形成される。
次に、シリコン酸化膜31の第3開口97から露出するn型エピタキシャル層18の表層部にp型不純物が導入される(図32のステップS10)。p型不純物の導入は、イオン注入法により行われてもよい。
n型エピタキシャル層18の表層部に導入されるp型不純物のp型不純物濃度は、n型エピタキシャル層18の表層部のn型不純物濃度よりも高い。これにより、p型ガードリング領域35の基となるp型領域98が、n型エピタキシャル層18の表層部に形成される。
次に、図33Gを参照して、n型エピタキシャル層18の表層部に形成されたn型領域96中のn型不純物およびp型領域98中のp型不純物が、n型エピタキシャル層18の深さ方向に拡散される(図32のステップS11)。この工程は、n型エピタキシャル層18に対する熱処理法(ドライブイン処理法)によって行われてもよい。
これにより、n型不純物領域25およびn型コンタクト領域70A,70B,70Cが、n型エピタキシャル層18に形成されると同時に、p型ガードリング領域35がn型エピタキシャル層18の表層部に形成される。この工程において、n型不純物濃度が比較的高いn型不純物領域25およびn型コンタクト領域70A,70B,70Cは、n型シリコンウエハ91に接続される。
SBDチップ1の製造方法では、n型エピタキシャル層18の厚さTが2.0μm以上2.5μm以下に設定されている。したがって、n型不純物領域25、n型コンタクト領域70A,70B,70Cおよびp型ガードリング領域35を同時にn型エピタキシャル層18の深さ方向に拡散形成できる。
たとえば、n型エピタキシャル層18の厚さTが3μmを超える(厚さT>3μm)場合、n型不純物領域25およびn型コンタクト領域70A,70B,70Cを形成するn型不純物が、n型シリコンウエハ91に到達し難くなる。
そのため、n型領域96に対して熱処理(ドライブイン処理)を施し、n型不純物領域25およびn型コンタクト領域70A,70B,70Cを形成した後、p型ガードリング領域35の基となるp型領域98を形成し、p型領域98に対してさらに熱処理(ドライブイン処理)を施してp型ガードリング領域35を形成しなければならない。
型不純物領域25やp型ガードリング領域35を形成するに当たり、ドライブイン処理を多段階的に施す場合には、n型不純物の不所望な拡散が問題となる。
たとえば、p型ガードリング領域35の形成時に行われるドライブイン処理により、n型シリコンウエハ91からのn型不純物がn型エピタキシャル層18に拡散するリスクが高まる。また、同時に、n型不純物領域25等からのn型不純物がn型エピタキシャル層18の意図しない領域に拡散するリスクも高まる。
このようなn型不純物の不所望な拡散は、n型エピタキシャル層18のn型不純物濃度の不所望な増加を招くことから、図10〜図15において述べたように逆方向電流IRの増加等を引き起こす一つの原因になりかねない。
これに対して、SBDチップ1の製造方法では、一度の熱処理(ドライブイン処理)により、n型不純物領域25、n型コンタクト領域70A,70B,70Cおよびp型ガードリング領域35を形成できる。
このような製造方法は、熱処理によるn型不純物の不所望な拡散を抑制できるから、n型エピタキシャル層18に対する熱履歴を抑制し、かつ良好な電気的特性を実現するうえで利点がある。このような製造方法を適用できる点において、SBDチップ1は、構造面において利点を有しているともいえる。
次に、図33Hを参照して、第3開口97を埋めてシリコン酸化膜31の全域を覆うようにUSG膜32が形成される(図32のステップS12)。USG膜32は、CVD法によって形成されてもよい。これにより、n型エピタキシャル層18の主面に、シリコン酸化膜31およびUSG膜32を含む表面絶縁層11が形成される。
次に、図33Iを参照して、表面絶縁層11のうちの、n型ダイオード領域20を露出させる第1開口33、n型不純物領域25を露出させる第2開口34およびn型コンタクト領域70A,70B,70Cを露出させるコンタクト孔46A,46B,46Cを形成すべき領域に対応する部分が除去される(図32のステップS13)。
表面絶縁層11の不要な部分は、フォトリソグラフィおよびエッチングによって除去されてもよい。これにより、表面絶縁層11に、第1開口33、第2開口34およびコンタクト孔46A,46B,46Cが形成される。
次に、図33Jを参照して、窒化チタン層および/またはチタン層を含む第1導電体膜41が、表面絶縁層11の表面の上に形成される。第1導電体膜41(窒化チタン層および/またはチタン層)は、スパッタ法によって形成されてもよい。
第1導電体膜41は、より具体的には、第1開口33、第2開口34およびコンタクト孔46A,46B,46Cから露出するn型エピタキシャル層18の主面、ならびに、第1開口33、第2開口34およびコンタクト孔46A,46B,46Cの内壁面を含む表面絶縁層11の表面に沿って形成される(図32のステップS14)。
次に、n型エピタキシャル層18における第1導電体膜41と接する部分にチタンシリサイド層(図示せず)が形成される(図32のステップS15)。チタンシリサイド層(図示せず)は、RTA(Rapid Thermal Annealing)処理法によって形成されてもよい。
チタンシリサイド層は、n型エピタキシャル層18の表層部を含む、n型エピタキシャル層18および第1導電体膜41の間の境界領域に形成される。
表面絶縁層11の第1開口33内でn型ダイオード領域20と接する第1導電体膜41は、n型ダイオード領域20との間でショットキー接合を形成する。より具体的には、第1導電体膜41は、n型ダイオード領域20の表層領域21との間でショットキー接合を形成する。
表面絶縁層11の第2開口34内でn型不純物領域25と接する第1導電体膜41は、n型不純物領域25との間でオーミック接合を形成する。表面絶縁層11のコンタクト孔46A,46B,46C内でn型コンタクト領域70A,70B,70Cと接する第1導電体膜41は、n型コンタクト領域70A,70B,70Cとの間でオーミック接合を形成する。
次に、第1導電体膜41の上に、アルミニウム−銅合金(Al−Cu合金)を含む第2導電体膜42が形成される。第2導電体膜42は、スパッタ法によって形成されてもよい。これにより、第1導電体膜41および第2導電体膜42を含む表面電極層12が形成される。
次に、図33Kを参照して、アノード電極層43、カソード電極層44およびコンタクト電極層45A,45B,45Cに対応する部分を残存させるように、表面電極層12の不要な部分が除去される(図32のステップS17)。
表面電極層12の不要な部分は、フォトリソグラフィおよびエッチングによって除去されてもよい。これにより、アノード電極層43、カソード電極層44およびコンタクト電極層45A,45B,45Cを含む表面電極層12が形成される。
次に、図33Lを参照して、窒化シリコンが表面電極層12の上に堆積されて、表面電極層12を被覆するパッシベーション膜81が形成される(図32のステップS18)。パッシベーション膜81は、CVD法によって形成されてもよい。
次に、パッシベーション膜81を被覆するように感光性ポリイミドが塗布されて、樹脂膜82が形成される(図32のステップS19)。これにより、パッシベーション膜81および樹脂膜82を含む最上絶縁層13が形成される。
次に、樹脂膜82が選択的に露光・現像されて、アノードパッド開口83用の第4開口99と、カソードパッド開口84用の第5開口100とが樹脂膜82に形成される(図32のステップS20)。
次に、図33Mを参照して、たとえば樹脂膜82をマスクとするエッチングによって、パッシベーション膜81の不要な部分が除去される。これにより、最上絶縁層13に、アノード電極層43を露出させるアノードパッド開口83と、カソード電極層44を露出させるカソードパッド開口84とが形成される。
次に、図33Nを参照して、たとえばめっき処理によって、アノードパッド開口83から露出するアノード電極層43上およびカソードパッド開口84から露出するカソード電極層44の上に、Ni膜、Pd膜およびAu膜が順に形成される(図32のステップS21)。
これにより、Ni/Pd/Au積層膜を含む第1外部端子6および第2外部端子7が形成される。その後、n型シリコンウエハ91が選択的に切断されて、複数個のSBDチップ1の個片が切り出される。このようにして、SBDチップ1が製造される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はさらに他の形態で実施することもできる。
図34Aおよび図34Bに示される構造を有するSBDチップ101が採用されてもよい。図34Aは、第1変形例に係るSBDチップ101を示す平面図である。図34Bは、図34Aに示すB-B線に沿う断面図である。
図34Bでは、半導体層10の第1主面14側の構造だけが示されている。図34Aおよび図34Bにおいて、SBDチップ1の構成に対応する構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
SBDチップ101は、第1コンタクト孔46Aが、第1コンタクト対向部53を含まず、一対の第1コンタクトライン部54だけを有している。第1コンタクト電極層45Aが、第1電極対向部61を含まず、一対の第1電極ライン部62だけを有している。
SBDチップ101において、それ以外の構造については、SBDチップ1とほぼ同様である。このような構造のSBDチップ101によっても、順方向電圧VFの低減を図ることができる。
本変形例において、第1コンタクト孔46Aが、一対の第1コンタクトライン部54のいずれか一方だけを有している構造が採用されてもよい。また、本変形例において、第1コンタクト電極層45Aが、一対の第1電極ライン部62のいずれか一方だけを有している構造が採用されてもよい。
また、本変形例において、第1コンタクト孔46Aが、第1コンタクト対向部53および1つの第1コンタクトライン部54だけを有している構造が採用されてもよい。また、本変形例において、第1コンタクト電極層45Aが、第1電極対向部61および1つの第1電極ライン部62だけを有する構造が採用されてもよい。
図35Aおよび図35Bに示される構造を有するSBDチップ102が採用されてもよい。図35Aは、第2変形例に係るSBDチップ102を示す平面図である。図35Bは、図35Aに示すB-B線に沿う断面図である。
図35Bでは、半導体層10の第1主面14側の構造だけが示されている。図35Aおよび図35Bにおいて、SBDチップ1の構成に対応する構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
SBDチップ102では、第1コンタクト孔46Aが、表面絶縁層11によって第3コンタクト孔46Cから分離して形成されている。第1コンタクト電極層45Aが、第3コンタクト電極層45Cから分離して形成されている。第1コンタクト電極層45Aがn型コンタクト領域70A,70B,70Cを介して第3コンタクト電極層45C(第2コンタクト電極層45B)に電気的に接続されている。
第1コンタクト孔46Aは、第1コンタクト対向部53および一対の第1コンタクトライン部54を有し、第1コンタクト電極層45Aが、第1電極対向部61および一対の第1電極ライン部62を有している。第1コンタクト電極層45Aは、第1周囲領域51において、アノード電極層43がカソード電極層44と対向しない非対向領域だけに沿って形成されている。
SBDチップ102において、それ以外の構造については、SBDチップ1とほぼ同様である。このような構造のSBDチップ101によっても、順方向電圧VFの低減を図ることができる。
本変形例において、第1コンタクト孔46Aが、第1コンタクト対向部53および1つの第1コンタクトライン部54だけを有している構造が採用されてもよい。本変形例において、第1コンタクト電極層45Aが、第1電極対向部61および1つの第1電極ライン部62だけを有する構造が採用されてもよい。
本変形例において、第1コンタクト孔46Aが、第1コンタクト対向部53または一対の第1コンタクトライン部54だけを有している構造が採用されてもよい。本変形例において、第1コンタクト電極層45Aが、第1電極対向部61または一対の第1電極ライン部62だけを有している構造が採用されてもよい。
図36Aおよび図36Bに示される構造を有するSBDチップ103が採用されてもよい。図36Aは、第3変形例に係るSBDチップ103を示す平面図である。図36Bは、図36Aに示すB-B線に沿う断面図である。
図36Bでは、半導体層10の第1主面14側の構造だけが示されている。図36Aおよび図36Bにおいて、SBDチップ1の構成に対応する構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
SBDチップ103では、第1コンタクト孔46Aのうちの一対の第1コンタクトライン部54の一方は、第3コンタクト孔46C(第2コンタクト孔46B)と連なるように形成されている。第1コンタクト孔46Aのうちの一対の第1コンタクトライン部54の他方は、第3コンタクト孔46C(第2コンタクト孔46B)から分離して形成されている。
第1コンタクト電極層45Aのうちの一対の第1電極ライン部62の一方は、第3コンタクト電極層45C(第2コンタクト電極層45B)と連なるように形成されている。第1コンタクト電極層45Aのうちの一対の第1電極ライン部62の他方は、第3コンタクト電極層45C(第2コンタクト電極層45B)から分離して形成されている。
第1コンタクト電極層45Aのうち、第3コンタクト電極層45C(第2コンタクト電極層45B)から分離して形成された他方の第1電極ライン部62は、n型コンタクト領域70A,70B,70Cを介して第3コンタクト電極層45C(第2コンタクト電極層45B)に電気的に接続されている。
SBDチップ103において、それ以外の構造については、SBDチップ1とほぼ同様である。このような構造のSBDチップ103によっても、順方向電圧VFの低減を図ることができる。
図37Aおよび図37Bに示される構造を有するSBDチップ104が採用されてもよい。図37Aは、第4変形例に係るSBDチップ104を示す平面図である。図37Bは、図37Aに示すB-B線に沿う断面図である。
図37Bでは、半導体層10の第1主面14側の構造だけが示されている。図37Aおよび図37Bにおいて、SBDチップ1の構成に対応する構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
第1コンタクト孔46Aは、第1コンタクト対向部53を有していない。第1コンタクト孔46Aのうちの一対の第1コンタクトライン部54の一方は、第3コンタクト孔46C(第2コンタクト孔46B)と連なるように形成されている。
第1コンタクト孔46Aのうちの一対の第1コンタクトライン部54の他方は、一方の第1コンタクトライン部54および第3コンタクト孔46C(第2コンタクト孔46B)から分離して形成されている。
第1コンタクト電極層45Aは、第1電極対向部61を有していない。第1コンタクト電極層45Aのうちの一対の第1電極ライン部62の一方は、第3コンタクト電極層45C(第2コンタクト電極層45B)と連なるように形成されている。
第1コンタクト電極層45Aのうちの一対の第1電極ライン部62の他方は、一方の第1電極ライン部62および第3コンタクト電極層45C(第2コンタクト電極層45B)から分離して形成されている。
第1コンタクト電極層45Aのうち、第3コンタクト電極層45C(第2コンタクト電極層45B)から分離して形成された他方の第1電極ライン部62は、n型コンタクト領域70A,70B,70Cを介して第3コンタクト電極層45C(第2コンタクト電極層45B)に電気的に接続されている。
SBDチップ103において、それ以外の構造については、SBDチップ1とほぼ同様である。このような構造のSBDチップ103によっても、順方向電圧VFの低減を図ることができる。
本変形例において、第1コンタクト孔46Aは、第1コンタクト対向部53を含み、第1コンタクト対向部53が、第3コンタクト孔46C(第2コンタクト孔46B)と連なる一方の第1コンタクトライン部54だけに連通する構造を有していてもよい。
本変形例において、第1コンタクト孔46Aは、第1コンタクト対向部53を含み、第1コンタクト対向部53が、第3コンタクト孔46C(第2コンタクト孔46B)と分離する他方の第1コンタクトライン部54だけに連通する構造を有していてもよい。
本変形例において、第1コンタクト電極層45Aは、第1電極対向部61を含み、第1電極対向部61が、第3コンタクト電極層45C(第2コンタクト電極層45B)と連なる一方の第1電極ライン部62だけに接続された構造を有していてもよい。
本変形例において、第1コンタクト電極層45Aは、第1電極対向部61を含み、第1電極対向部61が、第3コンタクト電極層45C(第2コンタクト電極層45B)から分離された他方の第1電極ライン部62だけに接続された構造を有していてもよい。
SBDチップ101,SBDチップ102,SBDチップ103およびSBDチップ104の各構成を任意の態様で組み合わせた構造を有するSBDチップが採用されてもよい。
さらに、図38Aおよび図38Bに示される構造を有するSBDチップ105が採用されてもよい。図38Aは、第5変形例に係るSBDチップ105を示す平面図である。図38Bは、図38Aに示すB-B線に沿う断面図である。
図38Bでは、半導体層10の第1主面14側の構造だけが示されている。図38Aおよび図38Bにおいて、SBDチップ1の構成に対応する構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
SBDチップ105は、コンタクト電極層45A,45B,45Cおよびコンタクト孔46A,46B,46Cを含まない点、半導体層10の第1主面14の表層部(すなわちn型エピタキシャル層18)に形成されたn型コンタクト領域70A,70B,70Cだけによってn型ダイオード領域20およびn型不純物領域25間の抵抗値の低減が図られている点を除いて、SBDチップ1とほぼ同様の構造を有している。図38Aでは、n型コンタクト領域70A,70B,70Cがドット状のハッチングによって示されている。
SBDチップ105では、n型ダイオード領域20を取り囲むように形成されたn型コンタクト領域70A,70B,70Cおよびn型不純物領域25により、n型ダイオード領域20およびn型不純物領域25間の抵抗値の低減を図ることができる。
したがって、順方向電圧VFの低減効果を得ることができる。n型コンタクト領域70A,70B,70Cから選択される任意の1つの領域または2つの領域だけを形成することにより、順方向電圧VFを調整することもできる。
図39Aおよび図39Bに示される構造を有するSBDチップ106が採用されてもよい。図39Aは、第6変形例に係るSBDチップ106を示す平面図である。図39Bは、図39Aに示すB-B線に沿う断面図である。図39Aおよび図39Bにおいて、SBDチップ1の構成に対応する構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
SBDチップ106は、アノードパッド開口83がアノード電極層43の周縁を除く内方領域を露出させるように形成されている。アノードパッド開口83は、においてカソードパッド開口84の面積よりも大きい面積を有している。
アノードパッド開口83内に形成された第1外部端子6は、平面視においてカソードパッド開口84内に形成された第2外部端子7の面積よりも大きい面積を有している。第1外部端子6は、平面視においてn型ダイオード領域20のほぼ全域と対向している。
SBDチップ106によっても、SBDチップ1の効果と同様の効果を奏することができる。また、SBDチップ106では、第1外部端子6が比較的大きい面積を有しているので、第1外部端子6による放熱性を高めることができる。
前述の実施形態において、各半導体部分の導電型が反転された構造が採用されてもよい。つまり、p型の部分がn型とされ、n型の部分がp型とされてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
たとえば、本発明に係るショットキーバリアダイオードは、SBDチップ(チップ部品)に限らず、半導体チップがリード端子と共にモールド樹脂によって封止(パッケージング)された構造の半導体装置において、半導体チップの一部の領域に、または、半導体チップとして適用され得る。
本発明に係るダイオード素子は、LSI(Large Scale Integration)、SSI(Small Scale Integration)、MSI(Medium Scale Integration)、VLSI(Very Large Scale Integration)、ULSI(Ultra-Very Large Scale Integration)等の種々の集積回路が形成された半導体チップを備えた半導体装置において、半導体チップの一部の領域に適用され得る。
この明細書および図面から抽出される特徴の例を、以下に示す。
ショットキーバリアダイオードの電気的特性の一つに順方向電圧および逆方向電流がある。ショットキーバリアダイオードの動作速度は、順方向電圧の値が小さくなるほど速くなり、順方向電圧の値が大きくなるほど遅くなる。
ショットキーバリアダイオードの損失は、逆方向電流の値が大きくなるほど大きくなり、逆方向電流の値が小さくなるほど小さくなる。したがって、比較的低い値の順方向電圧および比較的低い値の逆方向電流を有するショットキーバリアダイオードが求められている。
ショットキーバリアダイオードの順方向電圧は、半導体層において電極との間でショットキー接合を形成する領域、すなわちダイオード領域の抵抗値の増減に応じて増減する。したがって、ダイオード領域の不純物濃度を高くすることによってダイオード領域の抵抗値を低減できるから、順方向電圧を低減できると考えられる。しかし、ダイオード領域の不純物濃度を高くすると、電極およびダイオード領域の間の領域において漏れ電流が増加する結果、逆方向電流が高くなるという背反がある。
順方向電圧の低減および逆方向電流の増加の抑制を図ることを一つの目的として成された特徴を有するショットキーバリアダイオードおよびショットキーバリアダイオードの製造方法の一例が、下記の項1〜項30に示される。
[項1]一方側の第1主面および他方側の第2主面を有する半導体層と、前記半導体層の前記第1主面の表層部に形成された第1導電型のダイオード領域であって、前記半導体層の前記第1主面側の第1導電型不純物濃度が、前記半導体層の前記第2主面側の第1導電型不純物濃度よりも低い濃度プロファイルを有するダイオード領域と、前記半導体層の表層部に形成され、前記ダイオード領域に電気的に接続された第1導電型不純物領域と、前記半導体層の前記第1主面の上に形成され、前記ダイオード領域との間でショットキー接合を形成する第1電極層と、前記半導体層の前記第1主面の上に形成され、前記第1導電型不純物領域との間でオーミック接合を形成する第2電極層と、を含む、ショットキーバリアダイオード。
項1に記載のショットキーバリアダイオードは、半導体層の第1主面の表層部に形成された第1導電型のダイオード領域を含む。このダイオード領域は、半導体層の第1主面側の第1導電型不純物濃度が、半導体層の第2主面側の第1導電型不純物濃度よりも低い濃度プロファイルを有している。
したがって、ダイオード領域における第1導電型不純物濃度が比較的高い半導体層の第2主面側の領域において、抵抗値の低減を図ることができる。また、ダイオード領域における第1導電型不純物濃度が比較的低い半導体層の第1主面側の領域において、抵抗値の増加を図ることができる。
これにより、ダイオード領域における半導体層の第2主面側の領域により、順方向電圧を向上させることができる。また、ダイオード領域における半導体層の第1主面側の領域により、逆方向電流の増加を抑制できる。よって、順方向電圧の低減および逆方向電流の増加の抑制を図ることができるショットキーバリアダイオードを提供できる。
[項2]前記ダイオード領域は、前記ダイオード領域の表層部に形成され、第1導電型不純物濃度が相対的に低い表層領域と、前記表層領域に対して前記半導体層の前記第2主面側に形成され、前記表層領域の第1導電型不純物濃度よりも高い第1導電型不純物濃度を有する下層領域とを含む、項1に記載のショットキーバリアダイオード。
[項3]前記ダイオード領域の前記表層領域は、第1導電型不純物および第2導電型不純物を含み、前記第1導電型不純物の第1導電型不純物濃度が前記第2導電型不純物の第2導電型不純物濃度よりも高い領域である、項2に記載のショットキーバリアダイオード。
[項4]前記ダイオード領域の前記表層領域は、前記半導体層の前記第1主面から前記第2主面に向かって、第1導電型不純物濃度の接線の傾きが減少する濃度プロファイルを有しており、前記ダイオード領域の前記下層領域は、前記半導体層の前記第1主面から前記第2主面に向かって、第1導電型不純物濃度の接線の傾きが増加する濃度プロファイルを有している、項2または3に記載のショットキーバリアダイオード。
[項5]前記ダイオード領域は、前記表層領域および前記下層領域間の境界領域において、第1導電型不純物濃度の接線の傾きが減少から増加に転じる変曲点を含む濃度プロファイルを有している、項2〜4のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
[項6]前記表層領域の第1導電型不純物濃度は、1.0×1016cm−3未満であり、前記下層領域の第1導電型不純物濃度は、1.0×1016cm−3以上1.0×1020cm−3以下である、項2〜5のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
[項7]前記半導体層は、第1導電型半導体基板と、前記第1導電型半導体基板の上に形成され、かつ前記第1導電型半導体基板の第1導電型不純物濃度よりも低い第1導電型不純物濃度を有する第1導電型半導体層とを含む積層構造を有しており、前記ダイオード領域は、前記第1導電型半導体層の一部の領域を利用して形成されており、前記第1導電型不純物領域は、前記第1導電型半導体層に形成されている、項1〜6のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
[項8]前記第1導電型半導体層は、2.0μm以上3.0μm以下の厚さを有している、項7に記載のショットキーバリアダイオード。
[項9]前記第1導電型半導体層は、2.0μm以上2.5μm以下の厚さを有している、項7に記載のショットキーバリアダイオード。
[項10]前記第1導電型半導体層は、2.0μm以上2.2μm以下の厚さを有している、項7に記載のショットキーバリアダイオード。
[項11]前記第1導電型半導体層は、0.4Ω・cm以上1.0Ω・cm以下の比抵抗を有している、項7〜10のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
[項12]前記第1導電型半導体層は、0.7Ω・cm以上1.0Ω・cm以下の比抵抗を有している、項7〜10のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
[項13]前記第1導電型半導体基板は、1.0mΩ・cm以上の比抵抗を有している、項7〜12のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
[項14]前記半導体層において前記ダイオード領域を取り囲むように形成された第2導電型のガードリング領域をさらに含む、項1〜13のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
[項15]前記半導体層の前記第1主面における前記第1電極層を取り囲む周囲領域の上に形成され、前記半導体層を介して前記ダイオード領域に電気的に接続され、かつ、前記第2電極層に電気的に接続されたコンタクト電極層をさらに含む、項1〜14のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
[項16]前記周囲領域は、前記第1電極層の周縁および前記半導体層の周縁の間の領域を含み、前記コンタクト電極層は、前記周囲領域において、前記第1電極層の周縁および前記半導体層の周縁の間の領域に形成されている、項15に記載のショットキーバリアダイオード。
[項17]前記コンタクト電極層は、前記周囲領域において帯状に形成されている、項15または16に記載のショットキーバリアダイオード。
[項18]前記半導体層の表層部における前記コンタクト電極層と対向する領域に形成され、かつ前記ダイオード領域および前記コンタクト電極層に電気的に接続された第1導電型のコンタクト領域をさらに含む、項15〜17のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
[項19]前記半導体層の表層部における前記ダイオード領域の周囲の領域に形成され、前記ダイオード領域に電気的に接続された第1導電型のコンタクト領域をさらに含む、項1〜17のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
[項20]前記コンタクト領域は、前記ダイオード領域の第1導電型不純物濃度よりも高い第1導電型不純物濃度を有している、項18または19に記載のショットキーバリアダイオード。
[項21]前記コンタクト領域は、前記第1導電型不純物領域の第1導電型不純物濃度と等しい第1導電型不純物濃度を有している、項18〜20のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
[項22]前記第1導電型不純物領域は、前記ダイオード領域の第1導電型不純物濃度よりも高い第1導電型不純物濃度を有している、項1〜21のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
[項23]前記第1電極層に電気的に接続された第1外部端子と、前記第2電極層に電気的に接続された第2外部端子と、をさらに含む、項1〜22のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
[項24]前記半導体層は、平面視において長方形状に形成されており、前記半導体層の長手方向に沿って延びる長手側面の長さが1.6mm以下であり、前記半導体層の短手方向に沿って延びる短手側面の長さが0.8mm以下である、項1〜23のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
[項25]前記第1電極層および前記第2電極層の間の順方向電流が2Aのとき、前記第1電極層および前記第2電極層の間の順方向電圧が0.47V以下である、項1〜24のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
[項26]前記第1電極層および前記第2電極層の間の逆方向電圧が20Vのとき、前記第1電極層および前記第2電極層の間の逆方向電流が1.0×10−3A以下である、項1〜25のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
[項27]第1導電型半導体層にダイオード領域を設定し、前記ダイオード領域の表層部に第2導電型不純物を導入することにより、前記ダイオード領域の表層部における第1導電型不純物濃度を低下させる濃度薄化工程と、前記第1導電型半導体層における前記ダイオード領域外の領域に第1導電型不純物を導入した後、熱処理によって第1導電型不純物を拡散させて、前記ダイオード領域に電気的に接続される第1導電型不純物領域を形成する工程と、前記第1導電型半導体層の上に、前記ダイオード領域との間でショットキー接合を形成する第1電極層を形成する工程と、前記第1導電型半導体層の上に、前記第1導電型不純物領域との間でオーミック接合を形成する第2電極層を形成する工程と、を含む、ショットキーバリアダイオードの製造方法。
項27に記載のショットキーバリアダイオードの製造方法では、ダイオード領域の表層部に第2導電型不純物を導入することにより、ダイオード領域の表層部における第1導電型不純物濃度を低下させる濃度薄化工程が実行される。
これにより、第1導電型半導体層の一方主面側の第1導電型不純物濃度が、第1導電型半導体層の他方主面側の第1導電型不純物濃度よりも低い濃度プロファイルを有するダイオード領域が形成される。
このダイオード領域によれば、ダイオード領域における第1導電型不純物濃度が比較的高い第1導電型半導体層の他方主面側の領域において抵抗値の低減を図り、かつ、ダイオード領域における第1導電型不純物濃度が比較的低い半導体層の一方主面側の領域において抵抗値の増加を図ることができる。
これにより、ダイオード領域における第1導電型半導体層の他方主面側の領域により、順方向電圧を向上することができる。また、ダイオード領域における第1導電型半導体層の一方主面側の領域により、逆方向電流の増加を抑制できる。よって、順方向電圧の低減および逆方向電流の増加の抑制を図ることができるショットキーバリアダイオードを製造し、提供できる。
[項28]前記濃度薄化工程の後、前記ダイオード領域を取り囲むように前記第1導電型半導体層の表層部に第2導電型不純物を導入した後、熱処理によって第2導電型不純物を拡散させて、前記ダイオード領域を取り囲む第2導電型のガードリング領域を形成する工程をさらに含む、項27に記載のショットキーバリアダイオードの製造方法。
[項29]前記第1導電型不純物領域を形成するための熱処理と、前記ガードリング領域を形成するための熱処理とを同時に実行することにより、前記第1導電型不純物領域および前記ガードリング領域を同時に形成する、項28に記載のショットキーバリアダイオードの製造方法。
[項30]前記濃度薄化工程に先立って、第1導電型半導体基板を用意する工程と、前記第1導電型半導体基板の上に、前記第1導電型半導体基板の第1導電型不純物濃度よりも低い第1導電型不純物濃度を有し、2.0μm以上3.0μm以下の厚さを有する前記第1導電型半導体層を形成する工程とをさらに含む、項27〜29のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオードの製造方法。
1 SBDチップ
6 第1外部端子
7 第2外部端子
10 半導体層
20 n型ダイオード領域
21 表層領域
22 下層領域
25 n型不純物領域
43 アノード電極層
44 カソード電極層
45A 第1コンタクト電極層
51 第1周囲領域
53 第1対向部
54 第1ライン部
70A n型コンタクト領域
91 n型シリコンウエハ
101 SBDチップ
102 SBDチップ
103 SBDチップ
104 SBDチップ
105 SBDチップ
106 SBDチップ
BV ブレークダウン電圧
CT 寄生容量
IF 順方向電流
IR 逆方向電流
VF 順方向電圧
VR 逆方向電圧

Claims (31)

  1. 主面を有する半導体層と、
    前記半導体層の表層部に形成された第1導電型のダイオード領域と、
    前記半導体層の表層部に形成され、前記ダイオード領域に電気的に接続された第1導電型不純物領域と、
    前記半導体層の主面の上に形成され、前記ダイオード領域との間でショットキー接合を形成する第1電極層と、
    前記半導体層の主面の上に形成され、前記第1導電型不純物領域との間でオーミック接合を形成する第2電極層と、
    前記半導体層を介して前記ダイオード領域に電気的に接続されるように前記半導体層の主面における前記第1電極層を取り囲む周囲領域の上に形成され、かつ、前記第2電極層に電気的に接続されたコンタクト電極層と、を含む、ショットキーバリアダイオード。
  2. 前記周囲領域は、前記第1電極層の周縁および前記半導体層の周縁の間の領域を含み、
    前記コンタクト電極層は、前記周囲領域において、前記第1電極層の周縁および前記半導体層の周縁の間の領域に形成されている、請求項1に記載のショットキーバリアダイオード。
  3. 前記コンタクト電極層は、前記第2電極層と連なり、前記第2電極層に直接接続されている、請求項1または2に記載のショットキーバリアダイオード。
  4. 前記コンタクト電極層は、前記第1電極層を挟み込むように前記第2電極層から帯状に引き出されている、請求項3に記載のショットキーバリアダイオード。
  5. 前記コンタクト電極層は、前記第1電極層を取り囲むように前記第2電極層から帯状に引き出されており、
    前記第2電極層および前記コンタクト電極層によって、前記第1電極層を取り囲む無端状の電極膜が形成されている、請求項3または4に記載のショットキーバリアダイオード。
  6. 前記コンタクト電極層は、前記第2電極層から間隔を空けて形成され、前記半導体層を介して前記第2電極層に電気的に接続されている、請求項1または2に記載のショットキーバリアダイオード。
  7. 前記第1電極層は、前記第2電極層と対向する対向領域、および、前記第2電極層と対向しない非対向領域を含み、
    前記コンタクト電極層は、少なくとも前記第1電極層の前記非対向領域に沿うように形成されている、請求項6に記載のショットキーバリアダイオード。
  8. 前記コンタクト電極層は、前記第1電極層を挟んで前記第2電極層と対向する対向部、および、前記対向部から前記第2電極層側に向けて引き出され、前記第1電極層の周縁に沿うライン部を含む、請求項6または7に記載のショットキーバリアダイオード。
  9. 前記コンタクト電極層は、前記第1電極層の周縁に沿って帯状に延びている、請求項6〜8のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
  10. 前記コンタクト電極層は、前記第2電極層と連なり、前記第2電極層に直接接続された第1部分、ならびに、前記第1部分および前記第2電極層から間隔を空けて形成され、前記半導体層を介して前記第2電極層に電気的に接続された第2部分を含む、請求項1または2に記載のショットキーバリアダイオード。
  11. 前記コンタクト電極層の前記第1部分および前記第2部分は、それぞれ、前記第1電極層の周縁に沿って帯状に形成されている、請求項10に記載のショットキーバリアダイオード。
  12. 前記半導体層の表層部における前記ダイオード領域の周囲の領域に形成され、前記ダイオード領域に電気的に接続された第1導電型のコンタクト領域をさらに含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
  13. 前記コンタクト領域は、少なくとも前記半導体層の表層部における前記コンタクト電極層と対向する領域に形成され、前記ダイオード領域および前記コンタクト電極層に電気的に接続されている、請求項12に記載のショットキーバリアダイオード。
  14. 前記コンタクト領域は、前記第1導電型不純物領域に電気的に接続されており、
    前記コンタクト電極層は、前記コンタクト領域および前記第1導電型不純物領域を介して前記第2電極層に電気的に接続されている、請求項12または13に記載のショットキーバリアダイオード。
  15. 前記コンタクト領域は、前記ダイオード領域の第1導電型不純物濃度よりも高い第1導電型不純物濃度を有している、請求項12〜14のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
  16. 前記コンタクト領域は、前記第1導電型不純物領域の第1導電型不純物濃度と等しい第1導電型不純物濃度を有している、請求項12〜15のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
  17. 前記第1導電型不純物領域は、前記ダイオード領域の第1導電型不純物濃度よりも高い第1導電型不純物濃度を有している、請求項1〜16のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
  18. 前記第1電極層に電気的に接続された第1外部端子と、
    前記第2電極層に電気的に接続された第2外部端子と、をさらに含む、請求項1〜17のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
  19. 前記半導体層は、平面視において長方形状に形成されており、
    前記半導体層の長手方向に沿って延びる長手側面の長さが1.6mm以下であり、
    前記半導体層の短手方向に沿って延びる短手側面の長さが0.8mm以下である、請求項1〜18のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
  20. 前記半導体層は、平面視において長方形状に形成されており、
    前記半導体層の長手方向に沿って延びる長手側面の長さが1.0mm以下であり、
    前記半導体層の短手方向に沿って延びる短手側面の長さが0.6mm以下である、請求項1〜18のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
  21. 前記第1電極層および前記第2電極層の間の順方向電流が2Aのとき、前記第1電極層および前記第2電極層の間の順方向電圧が0.47V以下である、請求項1〜20のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
  22. 前記第1電極層および前記第2電極層の間の順方向電流が2Aのとき、前記第1電極層および前記第2電極層の間の順方向電圧が0.45V以下である、請求項1〜20のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
  23. 前記第1電極層および前記第2電極層の間の順方向電流が2Aのとき、前記第1電極層および前記第2電極層の間の順方向電圧が0.44V以下である、請求項1〜20のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
  24. 前記第1電極層および前記第2電極層の間の順方向電流が2Aのとき、前記第1電極層および前記第2電極層の間の順方向電圧が0.44V未満である、請求項1〜20のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
  25. 前記第1電極層および前記第2電極層の間の逆方向電圧が20Vのとき、前記第1電極層および前記第2電極層の間の逆方向電流が1.0×10−3A以下である、請求項1〜24のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
  26. 前記第1電極層および前記第2電極層の間の逆方向電圧が10Vのとき、前記第1電極層および前記第2電極層の間の逆方向電流が1.0×10−4A以下である、請求項1〜24のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
  27. 前記第1電極層および前記第2電極層の間の逆方向電圧が5V以上のとき、前記第1電極層および前記第2電極層の間の寄生容量が100pF以下である、請求項1〜26のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
  28. 前記第1電極層および前記第2電極層の間の逆方向電圧が5V以上のとき、前記第1電極層および前記第2電極層の間の寄生容量が50pF以下である、請求項1〜26のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
  29. 前記第1電極層および前記第2電極層の間のブレークダウン電圧が、20V以上である、請求項1〜28のいずれか一項に記載のショットキーバリアダイオード。
  30. 主面を有する半導体層と、
    前記半導体層の表層部に形成された第1導電型のダイオード領域と、
    前記半導体層の表層部に形成され、前記ダイオード領域に電気的に接続された第1導電型不純物領域と、
    前記ダイオード領域および前記第1導電型不純物領域に電気的に接続されるように前記半導体層の表層部における前記ダイオード領域を取り囲む周囲領域に沿って形成され、前記ダイオード領域の第1導電型不純物濃度よりも高い第1導電型不純物濃度を有するコンタクト領域と、
    前記半導体層の主面の上に形成され、前記ダイオード領域との間でショットキー接合を形成する第1電極層と、
    前記半導体層の主面の上に形成され、前記第1導電型不純物領域との間でオーミック接合を形成する第2電極層と、を含む、ショットキーバリアダイオード。
  31. 前記周囲領域は、前記ダイオード領域の周縁および前記半導体層の周縁の間の領域を含み、
    前記コンタクト領域は、前記周囲領域において、前記ダイオード領域の周縁および前記半導体層の周縁の間の領域に形成されている、請求項30に記載のショットキーバリアダイオード。
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