JP2018092139A - トナー - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、通常、現像器内等で受けるストレスによって、トナーが潰れたり、トナー表面の外添剤微粒子がトナー中に埋没したり、外添剤微粒子がトナー表面から現像ローラーや感光体といった部材へ移行したりしてしまう。その結果、トナー同士の凝集力や現像ローラー、感光体といった各種部材へのトナーの付着力が増大し、出力枚数の増加と共に転写効率が低下してしまう。特に小粒径の外添剤微粒子を使用する場合、埋没され易いため、トナー粒子間や部材とのスペーサー効果が維持できず耐ストレス性に弱いトナーとなってしまう。
また、省エネルギーの観点からは、従来よりも低温で速やかに溶融することにより、素早く、且つ低エネルギーで定着が可能なトナーの実現が望まれている。そのため、結着樹脂の分子量分布を従来に比べて低分子量側にシフトさせたり、結着樹脂に可塑剤を添加することで、より低温で定着させるトナーが提案されている(特許文献2)。
一方、コアシェル型のトナーにおいて、コアとシェル層の界面にエチレン/不飽和カルボン酸共重合体を有するトナーが提案されている(特許文献3)。
さらに、トナーの耐ストレス性を向上する発明としては、コア粒子を環化ゴムで被覆した圧力定着用のトナーが提案されている(特許文献4)。
特許文献2に記載されたトナーでは、低温での定着を可能とすると同時にトナーが脆くなり耐ストレス性が低下しやすく、出力枚数の増加と共に現像器内でトナーが潰れたり、小粒径の外添剤微粒子が長期使用と共にトナー粒子中により埋没しやすくなるといった問題を生じる場合があった。
特許文献3に記載されたトナーでは、長期に渡ってコアとシェル層の界面剥離に基づくトナー粒子表層の破砕は抑制されるが、トナー粒子内部に及ぶ潰れや外添剤微粒子の埋没、大粒径外添剤微粒子の移行を抑制するといった課題を同時に解決するためには、改善の余地があった。
また、特許文献4に記載されたトナーでは、耐ストレス性が向上するものの、熱可塑性を有さないことから加圧加熱定着用トナーに求められる高速化や低温定着性向上による省エネルギー化を達成するのは困難であった。
本発明は、低温定着性を維持しつつ、長期使用下においてもトナー潰れが発生しにくく、また、外添剤微粒子の埋没や、外添剤微粒子による現像ローラーや感光体などの部材への移行が起こり難く、長期にわたって高い転写効率を維持することが可能なトナーを提供することを目的とする。
該トナー粒子の表面が樹脂Aで被覆されており、
該樹脂Aの弾性率Ea及び該結着樹脂の弾性率Ebが、下記式を満たし、
0.5≦(Ea/Eb)×100[%] ≦ 50.0
該トナー粒子にカンチレバーの先端に球状SiO2が付いたプローブを3μNで押し込んだ際の該トナー粒子の付着力ATが、500nN以上であることを特徴とするトナーに関する。
以下、本発明の実施形態について述べる。
<トナー粒子>
本発明は、結着樹脂を有するトナー粒子を有するトナーであって、
該トナー粒子の表面が樹脂Aで被覆されており、該樹脂Aの弾性率Ea及び該結着樹脂の弾性率Ebが、下記式を満たす。
0.5 ≦(Ea/Eb)×100≦50.0
さらに、該トナー粒子にカンチレバーの先端に球状SiO2が付いたプローブを3μNで押し込んだ際の該トナー粒子の付着力ATが、500nN以上であることを特徴とする。本発明者らは、上記のような特徴を有するトナーを用いることで、長期使用下においてもトナーが潰れにくく、且つ外添剤微粒子の埋没や外添剤微粒子による部材移行が起こり難い、高い耐久性を有するトナーを提供できることを見出した。
すなわち、トナーを上記構成とすることで、ストレスを受けた際に、相対的に弾性率が低い表面の樹脂に応力が集中しやすいため、表面の樹脂の変形や発熱によって応力緩和することが可能であり、トナー粒子内部には応力が作用しにくい。その結果、トナー潰れを抑制できるものと考えられる。
また、トナー粒子表面に弾性率の低い樹脂Aが存在することで、トナー粒子表面の付着性が高まり、外添剤の部材移行が抑制可能となっているものと考えられる。付着性が高まる要因としては、外添剤微粒子とトナー粒子表面を被覆している樹脂Aとの接触面積が増
加することにあると考えられる。したがって、結着樹脂に比べ、より弾性率が小さい樹脂Aが表面に存在することで、ストレスを受けた際に外添剤微粒子と表面の樹脂Aとの接触面積が増大するため、外添剤微粒子が部材移行せずにトナー粒子表面にとどまるものと推定される。
その結果、トナーの流動性向上剤やスペーサーとして機能する外添剤粒子の部材移行を抑制し、長期にわたり高い転写効率を維持することが可能となったと考えられる。
0.5 ≦(Ea/Eb)×100[%] ≦50.0
弾性率Eaが1.0GPa以下である樹脂A(以下、被覆樹脂という)が好ましい。このような樹脂Aとしては、ゲル材料、ウレタンゴムやシリコーンゴム、フッ素ゴム等に代表されるゴム材料や熱可塑性エラストマー挙げられる。さらに、トナーの表面状態が変化しにくいとの観点から、柔軟かつ弾性回復性を有するゴム材料や熱可塑性エラストマーが好ましく、さらには低温定着性の観点から、熱可塑性エラストマーがより好ましい。
トナーの付着力ATは、樹脂Aの弾性率Eaを下げる、樹脂Aの被覆率を上げる等の手法により、大きくすることが可能である。詳細は、後述する。
例えば、被覆樹脂(樹脂A)、必要に応じて着色剤、ワックスなどの添加剤を重合性単量体中に分散又は溶解した油相を水系媒体中でせん断を付与して造粒し、重合反応によりトナー粒子を得る懸濁重合法が挙げられる。
また、有機溶剤中に被覆樹脂(樹脂A)、結着樹脂、必要に応じて着色剤、ワックスなどの添加剤を溶解又は分散混合し、水系媒体中で造粒したのち、脱溶剤してトナー粒子を得る溶解懸濁法が挙げられる。
上記製造方法は、2種以上を組み合わせることも可能である。例えば、粉砕法や懸濁重合法等で作製したトナー母粒子を、界面活性剤等を使用して水系媒体中に再分散する。これに被覆樹脂(樹脂A)を含有する樹脂の微粒子分散体を混合した後、乳化凝集手法により該微粒子をトナー母粒子表面に凝集付着するなどして、トナー粒子を作製することができる。
、水系媒体中で油相粒子中の重合性単量体を重合させることによりトナー粒子が得られる。
懸濁重合法でトナー粒子を作製する場合、使用する重合性単量体の種類にもよるため必ずしも限定されないが、被覆樹脂がエステル結合やアミノ基、カルボキシ基、水酸基等の親水性の極性基を有する方が、トナー粒子の表面に被覆樹脂を偏在させやすく、好ましい。
また、懸濁重合法でトナー粒子を作製する際に、表面に電荷を付与することが可能なイオン性界面活性剤や固体分散剤を使用することでもトナー母粒子表面に被覆樹脂の粒子を付着することが可能である。すなわち、被覆樹脂の微粒子分散体を作製する際に、トナー母粒子表面の電荷とは逆極性の電荷を有するイオン性界面活性剤で強制乳化したり、被覆樹脂がイオン性官能基を有する場合には、自己乳化した被覆樹脂微粒子分散体を使用したりして、得られた微粒子を静電的に付着することでもトナー粒子を作製することができる。
無機系の分散安定剤としては、例えば、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナなどが挙げられる。
有機系の分散安定化剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプンなどが挙げられる。
上記分散安定剤のうち、粒度分布制御性及び洗浄除去性の観点から、酸に対して可溶性のある難水溶性無機分散安定化剤を用いることが好ましい。
粒子を加熱し融合する工程(融合工程)、洗浄工程、乾燥工程を経て、トナー粒子を得ることができる。
本発明おいては、凝集工程において被覆樹脂以外の材料の凝集体を形成した後、さらに被覆樹脂の水分散体を添加して凝集体粒子を形成し融合する方法が好ましい。また、被覆樹脂以外の微粒子を凝集/融合した後、被覆樹脂の水分散体を添加してトナー母粒子表面に付着させ融合する方法が好ましい。これらの方法により被覆樹脂の存在形態を好適に制御できる。
上記イオン性界面活性剤としては、特に制限は無いが、特に微粒子化しやすく、分散性及び安定性が高いことが好ましい。さらには、凝集制御性の観点からアニオン性界面活性剤やアニオン性の高分子電解質が好ましく、洗浄性の観点からイオン性界面活性剤がより好ましい。
凝集体粒子を形成させる方法としては、特に限定されるものではないが、pH調整剤、凝集剤を水分散体混合液中に添加・混合し、温度、機械的動力(攪拌)等で制御することができる。
結着樹脂としては公知のものが使用可能であり、スチレン−アクリル樹脂などのビニル系樹脂やポリエステル樹脂、あるいはそれらを結合させたハイブリッド樹脂などが使用可能である。
また、重合法により直接トナー粒子を得る方法においては、それらを形成するための重合性単量体が用いられ、以下の重合性単量体が挙げられる。
架橋剤としては、以下のものが挙げられる。
二官能の架橋剤として、ジビニルベンゼン、2,2−ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシフェニル)プロパン、ジアリルフタレート、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレ
ート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート、及び上記のジアクリレートをジメタクリレートに代えたものが挙げられる。
また、三官能以上の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及び上記のアクリレートをメタクリレートに変えたものや、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート及びトリアリルトリメリテートが挙げられる。
これらの架橋剤の使用料は、トナーの定着性、耐オフセット性の点で、結着樹脂を生成しうる重合性単量体100.0質量部に対して、好ましくは0.05質量部以上10.0質量部以下、より好ましくは0.1質量部以上5.0質量部以下である。
アルコールモノマーとしては、以下の多価アルコールモノマーを使用することができる。
2価のアルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、又は式(A)で表されるビスフェノール及びその誘導体;式(B)で示されるジオール類;が挙げられる。
2価のカルボン酸成分としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、これらの酸の無水物及びこれらの低級アルキルエステルが挙げられる。これらのうち、マレイン酸、フマル酸、テレフタル酸、n−ドデセニルコハク酸が好ましく用いられる。
3価以上のカルボン酸、その酸無水物又はその低級アルキルエステルとしては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、トリメリット酸、エンポール三量体酸、これらの酸無水物又はこれらの低級アルキルエステルが挙げられる。
これらのうち、特に1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、すなわちトリメリット酸又はその誘導体が安価で、反応制御が容易であるため、好ましく用いられる。これらの2価のカルボン酸及び3価以上のカルボン酸は、二種以上を併用してもよい。
遊離脂肪酸、樹脂酸などを中和するのに要する水酸化カリウムのmg数である。測定方法は、JIS−K0070に準じて測定する。
トナー粒子にはワックスを用いてもよい。ワックスとしては、例えば以下のものが挙げられる。
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスのような炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスのような炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスのような脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。さらに、以下のものが挙げられる。
ワックスの含有量は、結着樹脂100質量部あたり1.0質量部以上20.0質量部以下が好ましい。
トナー粒子には着色剤を用いてもよい。着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;イエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン着色剤を用いて黒色に調色したものが挙げられる。着色剤には、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料を併用してもよい。
マゼンタトナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド
1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269、282;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
マゼンタトナー用染料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;C.I.ディスパーバイオレット1のような油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28のような塩基性染料。
シアントナー用染料としては、C.I.ソルベントブルー70がある。
イエロートナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
イエロートナー用染料としては、C.I.ソルベントイエロー162がある。
着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上30質量部以下であることが好ましい。
トナー粒子には、必要に応じて荷電制御剤を含有させることもできる。
ネガ系荷電制御剤としては、ナフトエ酸金属化合物、ジカルボン酸金属化合物、スルホン酸又はカルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、スルホン酸塩又はスルホン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、カルボン酸塩又はカルボン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーンが挙げられる。
ポジ系荷電制御剤としては、四級アンモニウム塩、前記四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物が挙げられる。荷電制御剤はトナー粒子に対して粉砕法や懸濁重合法などにおいては内添してもよいし、他の製法を含めトナー粒子を作製後、外添してもよい。荷電制御剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対し0.2質量部以上10質量部以下が好ましい。
本発明において、被覆樹脂としては、上記のとおり、熱可塑性エラストマーが好ましい。被覆状態としては、皮膜状、粒子状、あるいはそれらの中間的な状態であってもよく特に限定されない。
熱可塑性エラストマーの種類としては、被覆率や上記のごとき被覆状態を制御してATを500nN以上に制御可能なものであれば、特に限定されない。具体的には、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン
系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、及びそれらの変性品など公知の熱可塑性エラストマーを使用することが可能である。
これらの熱可塑性エラストマーの内、低温定着性、転写効率の環境安定性等の観点から、親水性基を有するポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー及びそれらの変性品が好ましい。上記熱可塑性エラストマーは、二種以上を併用してもよく、また、弾性率Eaが1.0GPa以下であれば、他の低分子化合物や熱可塑性エラストマー以外の樹脂を併用してもよい。ただし、Eaの下限としては、保存安定性の観点から、0.005GPa(5.0MPa)以上が好ましい。
被覆率の制御は、製造方法にもよるが、例えば作製済みのトナー母粒子を、界面活性剤等を使用して水系媒体中に再分散し、これに樹脂Aの微粒子分散体を混合後、凝集剤を使用して該樹脂Aの微粒子をトナー母粒子表面に凝集付着する製法においては、使用する樹脂Aの微粒子の添加量によって制御することが可能である。また、懸濁重合法で作製する場合には、重合性単量体に親水性基を有する熱可塑性エラストマーを使用することで、熱可塑性エラストマーで100%被覆されたトナー粒子の製造も可能である。
また、例えば、懸濁重合法や溶解懸濁法において油中に溶解、又は分散添加してトナー粒子を水系媒体中で製造する場合、表面に偏在させるためには、熱可塑性エラストマーの種類を問わず前記親水性基を有することが好ましい。
親水性基の濃度は、熱可塑性エラストマーの種類や結着樹脂との親和性、親水性基の種類、製造方法等によって適切な領域が異なるため必ずしも限定されない。しかしながら、上記被覆率の制御や低温定着性の観点から、熱可塑性エラストマーの酸価が5.0mgKOH/g以上120.0mgKOH/g以下が好ましい。
なお、熱可塑性エラストマーの総含有量としては、下記手法で確認することができる。トナー粒子5gを室温で100gのテトラヒドロフランに溶解し、24時間放置する。その後、不溶成分をろ過分離する。不溶分は、ワックス、顔料、結着樹脂由来のゲル分、熱可塑性エラストマーなどの混合物である。
続いて、70℃前後に加熱したトルエンに上記不溶分を溶解し、再度ろ過分離する。加熱トルエンに溶解しない顔料及びゲル分を分離し、エバポレーターなどでろ過液からトルエンを留去し、固形分を乾燥する。さらに乾固物を60℃前後に加熱したヘキサン等のワックス成分を主に溶解することが可能な溶媒に溶解し、不溶分を再度ろ過分離・乾燥して、熱可塑性エラストマーを得ることが可能である。用いたトナー質量と上記手順で取り出した熱可塑性エラストマーの質量から、総含有量を求めることが可能である。
本発明のトナーは、トナー粒子の表面に、個数平均粒子径0.090μm以上の微粒子(大粒径外添剤微粒子ともいう)を有することが、長期使用後においても高い転写効率を維持するために好ましい。より好ましくは、個数平均粒子径が0.10μm以上である。また、上限としては好ましくは0.30μm以下、より好ましくは0.20μm以下である。
大粒径外添剤微粒子の個数平均粒子径が0.090μm以上であれば、長期使用によって大粒径外添剤微粒子がトナー粒子表面に埋没しにくく、長期使用後においても十分なスペーサー効果を発揮し、高い転写効率を維持することが可能である。
質量変化率/比表面積が0.055%・g/m2以下であれば、微粒子を介した電荷の拡散が起こりにくく、十分な帯電を得られる上に帯電を安定させることができる。その結果、周辺環境に依存せず高い転写効率を維持することが可能である。
前記質量変化率は、例えばシリカ微粒子の場合、公知のシランカップリング剤処理や、シリコンオイル処理等の疎水化処理により制御することができる。また、比表面積は、使用する微粒子の一次粒子径及び微粒子の密度によって制御することができる。
微粒子としては、シリカ微粒子「Sciqasシリーズ」(堺化学工業社製)やシリカ微粒子「TG−C190シリーズ」(Cabot社製)が挙げられる。
流動性向上剤としては、シリカ、酸化チタン、アルミナ又はそれらの複酸化物や、これらを表面処理したものなどが使用できる。
また、個数平均粒子径0.090μm以上の大粒径外添剤微粒子を使用する場合、大粒径外添剤微粒子によるトナー粒子に対する被覆率C(%)が、下記式(1)を満たすことが好ましい。これにより、微粒子の部材移行を抑制し、長期に渡ってスペーサー効果が十分に発揮される。
図1はトナー粒子1及びトナー粒子1表面上に配置された大粒径外添剤微粒子2が、そ
れぞれ同一平面と接している状態を模式的に表した投影図である。この状態でトナー粒子1表面上の斜線部は平面と接することはない。
トナー粒子1表面上に大粒径外添剤微粒子2を配置することでトナー粒子1表面を漏れ無く斜線部で埋め尽くし、且つ大粒径外添剤微粒子2の個数が最小となる様に配置した場合を考えると、その配置の投影図は図2の様になる。ただし、ここでトナー粒子1は大粒径外添剤微粒子2よりも十分大きいものとして、平面近似してある。大粒径外添剤微粒子2が1粒子存在することでトナー粒子1表面が平面と接触させない様に覆う面積は図2における6角形の網部Sとなり、下式(2)で表される。
トナー粒子表面の被覆樹脂の弾性率は、下記のように測定することができる。
〈弾性率Ea及びEb〉
走査型プローブ顕微鏡(SPM)を使用して評価する。弾性率マッピングによって、樹脂Aの弾性率Ea、結着樹脂の弾性率Ebを測定することができる。また、弾性率マッピングにより、樹脂Aの弾性率と結着樹脂の弾性率とを判別できることにより、樹脂Aの被
覆率を求めることができる。具体的手順は以下の通りである。
トナーを可視光硬化性包埋樹脂「D−800」(日新EM社製)で包埋し、常温・凍結切片作製用ウルトラミクロトームLeica EM UC7/FC7 (ライカ社製)を使用し、液体窒素により該装置を−80℃に保持した状態で表面の算術平均粗さが100nm以下のトナー粒子断面を含む平滑な包埋試料の断面を得る。
次に走査型プローブ顕微鏡(SPM)NanoScope V Dimension Icon(Bruker AXS社製
)を使用して、トナー粒子の表面および表面から1μmまでの内部領域を含む4.0μm四方の範囲に対し、コンタクトモードでフォースカーブ測定を行う。フォースカーブの取得は、負荷荷重は50nN、走査速度は0.5Hz、測定環境は、室温、大気中で行う。
なお、測定に使用したカンチレバーの仕様は、下記のとおりである。
材質:シリコン製、ばね定数:42(N/m)、先端半径:10(nm)。
Ea/Eb、被覆率(%)は、トナー粒子の体積基準の中位径(D50V)±0.5μm以内の範囲に入るトナー粒子断面を10個選択して測定を行い、弾性率の違いで明確にコントラストのついた画像が得る。その内、最大値、最小値を除いた数値の平均値を算出する。
上記、弾性率の違いで明確にコントラストのついた画像から、被覆樹脂(樹脂A)による被覆率(%)を、下式により算出する。
被覆率(%)=(弾性率マッピングにおけるトナー粒子表面の被覆層とトナー母粒子との界面の長さ)/(トナー母粒子の周囲長)×100
トナー粒子に対する球状SiO2の付着力は、走査型プローブ顕微鏡「Nano−IM」(Pacific Nanotechnology(PNI)社製)を用いて測定される。探針は粒径が小(2μm)として販売されている球状SiO2が先端に付いたコロイダル・プローブ(製品名:CP―NCH―SiO―A(sQUBE社製)を用いる。
なお、測定に使用したカンチレバーの仕様は、下記のとおりである。
材質:ニクロム製 ばね定数:42(N/m)、長さ:125μm、共振周波数:320kHz。
測定は、ACモードで行う。測定環境は、室温、大気中で行う。ガラス基板上に乗せたトナー粒子に対し、コロイダル・プローブを3μNで押し込み、引き剥がす際に掛かる最大の力を測定する。
これと同じ測定をトナー粒子の体積基準の中位径D50V(μm)を基準として、D50V×0.9以上D50V×1.1以下の長径を有する10個のトナー粒子に対して行い、最大値と最小値のデータを除いた数値の平均値を付着力する。
また、トナーから外添剤を取り除いてトナー粒子とする具体的な方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
1)トナー45mgをサンプル瓶に入れ、メタノールを10ml加える。
2)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetra150」(日科機バイオス社製)3分間試料を分散させて外添剤を分離させる。
3)吸引ろ過(10μmメンブランフィルター)してトナー粒子と外添剤を分離する。磁性体を含むトナーの場合は、磁石をサンプル瓶の底にあててトナー粒子を固定して上澄み液だけ分離させても構わない。
4)上記2)、3)を計3回行い、得られたトナー粒子を真空乾燥機(室温)で十分に乾燥させる。
なお、後述の実施例中においては、上記付着力を「トナー粒子の付着力」と表現する。
トナー粒子の個数平均粒子径は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行なう。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
なお、測定、解析を行なう前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行なった。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOMME)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetra150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3Lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2ml添加する。(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー粒子約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記5)の電解水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なう。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、個数平均粒子径(D1)を算出する。なお、前記専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒子径(D1)である。また前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「中位径」が体積基準の中位径(D50V)である。
走査型電子顕微鏡「S−4800」(日立ハイテクノロジーズ社製)により拡大撮影したトナーの写真を用い、更に走査型電子顕微鏡に付属させたXMA等の元素分析手段によって微粒子の含有する元素でマッピングされたトナーの写真を得る。トナー表面に付着している0.080μm以上の微粒子の一次粒子を100個以上測定し、個数平均粒子径(D1)を求める。
微粒子の疎水性評価における質量変化率は、熱量計測定装置「Q5000SA」(ティー・エイ・インスツルメンツ社製)を用いて測定する。
微粒子をサンプルパンに20mg程度載せ、チャンバー内環境を温度23℃相対湿度5%にし、24時間保持した後に温度30℃相対湿度80%の環境を1時間保持するようプログラミングし測定を開始する。開始から24時間経過後の質量をTGA1、温度30℃相対湿度80%の環境で1時間経過後の質量をTGA2とした時、((TGA2−TGA1)/TGA1)×100を質量変化率(%)とする。
また、窒素吸着によるBET法で測定した比表面積(BET比表面積)を測定した上で、本発明では質量変化率/比表面積の値を疎水性の指標とする。
微粒子のBET比表面積の測定は、JIS Z8830(2001年)に準じて行なう。具体的な測定方法は、以下の通りである。
測定装置としては、定容法によるガス吸着法を測定方式として採用している自動比表面積・細孔分布測定装置「TriStar3000」(島津製作所社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、本装置に付属の専用ソフト「TriStar3000Version4.00」を用いて行い、また装置には真空ポンプ、窒素ガス配管、ヘリウムガス配管が接続される。窒素ガスを吸着ガスとして用い、BET多点法により算出した値を本発明におけるBET比表面積とする。
まず、微粒子に窒素ガスを吸着させ、その時の試料セル内の平衡圧力P(Pa)と微粒子の窒素吸着量Va(モル・g−1)を測定する。そして、試料セル内の平衡圧力P(Pa)を窒素の飽和蒸気圧Po(Pa)で除した値である相対圧Prを横軸とし、窒素吸着量Va(モル・g−1)を縦軸とした吸着等温線を得る。次いで、微粒子の表面に単分子層を形成するのに必要な吸着量である単分子層吸着量Vm(モル・g−1)を、下記のBET式を適用して求める。
Pr/Va(1−Pr)=1/(Vm×C)+(C−1)×Pr/(Vm×C)
(ここで、CはBETパラメーターであり、測定サンプル種、吸着ガス種、吸着温度により変動する変数である。)
BET式は、X軸をPr、Y軸をPr/Va(1−Pr)とすると、傾きが(C−1)/(Vm×C)、切片が1/(Vm×C)の直線と解釈できる(この直線をBETプロットという)。
直線の傾き=(C−1)/(Vm×C)
直線の切片=1/(Vm×C)
Prの実測値とPr/Va(1−Pr)の実測値をグラフ上にプロットして最小二乗法により直線を引くと、その直線の傾きと切片の値が算出できる。これらの値を用いて上記の傾きと切片の連立方程式を解くと、VmとCが算出できる。
さらに、上記で算出したVmと窒素分子の分子占有断面積(0.162nm2)から、下記の式に基づいて、微粒子のBET比表面積S(m2・g−1)を算出する。S=Vm×N×0.162×10−18
(ここで、Nはアボガドロ数(モル−1)である。)
本装置を用いた測定は、装置に付属の「TriStar3000 取扱説明書V4.0」に従うが、具体的には、以下の手順で測定する。
微粒子を入れた前記試料セルを真空ポンプと窒素ガス配管を接続した前処理装置「バキュプレップ061」(島津製作所社製)にセットし、23℃にて真空脱気を約10時間継続する。なお、真空脱気の際には、微粒子が真空ポンプに吸引されないよう、バルブを調整しながら徐々に脱気する。セル内の圧力は脱気とともに徐々に下がり、最終的には約0.4Pa(約3ミリトール)となる。真空脱気終了後、窒素ガスを徐々に注入して試料セル内を大気圧に戻し、試料セルを前処理装置から取り外す。そして、この試料セルの質量を精秤し、風袋との差から微粒子の正確な質量を算出する。なお、この際に、試料セル内の微粒子が大気中の水分等で汚染されないように、秤量中はゴム栓で試料セルに蓋をしておく。
次に、微粒子が入った前記の試料セルのステム部に専用の「等温ジャケット」を取り付ける。そして、この試料セル内に専用のフィラーロッドを挿入し、前記装置の分析ポートに試料セルをセットする。なお、等温ジャケットとは、毛細管現象により液体窒素を一定レベルまで吸い上げることが可能な、内面が多孔性材料、外面が不浸透性材料で構成された筒状の部材である。
続いて、接続器具を含む試料セルのフリースペースの測定を行なう。フリースペースは、23℃においてヘリウムガスを用いて試料セルの容積を測定し、続いて液体窒素で試料セルを冷却した後の試料セルの容積を同様にヘリウムガスを用いて測定して、これらの容積の差から換算して算出する。また、窒素の飽和蒸気圧Po(Pa)は、装置に内蔵されたPoチューブを使用して、別途に自動で測定される。
次に、試料セル内の真空脱気を行った後、真空脱気を継続しながら試料セルを液体窒素で冷却する。その後、窒素ガスを試料セル内に段階的に導入して微粒子に窒素分子を吸着させる。この際、平衡圧力P(Pa)を随時計測することにより前記した吸着等温線が得られるので、この吸着等温線をBETプロットに変換する。なお、データを収集する相対圧Prのポイントは、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30の合計6ポイントに設定する。得られた測定データに対して最小二乗法により直線を引き、その直線の傾きと切片からVmを算出する。さらに、このVmの値を用いて、前記したように微粒子のBET比表面積を算出する。
被覆率Cについては、上記大粒径外添剤微粒子の個数nと被覆率Cとの関係を示す式(1)に基づいて算出する。
トナー潰れ性の評価は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)による円形度に基づいて行う。
具体的な測定方法は、以下の通りである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2ml加える。更に測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えば、「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5200A」(Duke Scientific社製))をイオン交
換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用する。解析粒径を円相当径1.985μm以上、39.69μm未満に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行う。
なお、長期使用では、市販のカラーレーザープリンタ〔HP Color LaserJet 3525dn]を一部改造して評価を行った。改造は一色のプロセスカートリッジだけの装着でも作動するよう改良した。また、定着器温度を任意の温度に変更できるように改造した。
このカラーレーザープリンタに搭載されていたブラックトナー用のプロセスカートリッジから中に入っているトナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、プロセスカートリッジにシアントナー(300g)を充填した。トナーを詰め替えたプロセスカートリッジをカラーレーザープリンタに装着し、横線で1%の印字率の画像を連続して記録媒体上に3000枚形成した。
A:ΔCが2%未満
B:ΔCが2%以上5%未満
C:ΔCが5%以上10%未満
D:ΔCが10%以上
転写効率とは、感光ドラム上に現像されたトナーが何%中間転写ベルト上に転写されたかを示す転写性の指標である。転写効率の評価は、フルカラープリンター「LBP−5050」(キヤノン社製)のプロセスカートリッジにトナーを詰め、ベタ画像を連続して記録媒体上に形成して行った。上記画像を3000枚形成した後、中間転写ベルト上に転写されたトナーと転写後も感光ドラム上に残留したトナーを透明なポリエステル製の粘着テープによりはぎ取った。はぎ取った粘着テープを紙上に貼ったもののトナー濃度から、粘着テープのみを紙上に貼ったもののトナー濃度を差し引いた濃度差をそれぞれ算出した。転写効率は、それぞれのトナー濃度差の和を100とした場合の中間転写ベルト上のトナー濃度差の割合であり、この割合が高いほど転写効率に優れる。測定環境としては、低温低湿環境(15℃/15%RH)と高温高湿環境(30℃/80%RH)の2パターンで行い、上記画像を3000枚形成した後の転写効率の評価を下記の基準で判断した。
なお、トナー濃度はX−Riteカラー反射濃度計(500シリーズ)で測定した。
A:転写効率が98%以上
B:転写効率が95%以上98%未満
C:転写効率が90%以上95%未満
D:転写効率が90%未満
フルカラープリンター「LBP−5050」(キヤノン社製)の転写材にベタ画像(トナーの載り量:0.9mg/cm2)を、定着温度を変えてプリントし、評価した。なお、定着温度は定着フィルム表面を非接触の温度計を用いた測定した値である。転写材は、LETTERサイズの普通紙(XEROX4200、XEROX社製、75g/m2)を用いた。低温側のオフセット発生温度を最低定着温度(MFT)とした。
[重合性単量体組成物調製工程]
・スチレン 82.0部
・アクリル酸ブチル 18.0部
・ジビニルベンゼン 0.1部
・C.I.Pigment Blue 15:3 5.5部
・マレイン酸変性スチレン系エラストマーM1913 6.0部
(旭化成ケミカルズ社製、酸価10.0mgKOH/g)
上記材料を混合後、ボールミルで3時間分散させた。得られた分散体をプロペラ撹拌羽根を備えた反応器に移し、回転数300rpmで撹拌しながら60℃に加熱後、エステルワックス(DSC測定における最大吸熱ピークのピーク温度70℃、数平均分子量(Mn)704)12.0部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3.0部を加え、溶解し、重合性単量体組成物とした。
高速撹拌装置T.K.ホモミキサー(プライミクス社製)を取り付けた2L用四つ口フラスコ中にイオン交換水710部と0.1mol/L−リン酸ナトリウム水溶液450部を添加し、回転数12000rpmで撹拌しながら、60℃に加熱した。ここに1.0mol/L−塩化カルシウム水溶液68.0部を添加し、難水溶性分散安定剤としてリン酸カルシウムを含む水系分散媒体を調製した。
上記水系分散媒体中に前記重合性単量体組成物290部を投入し、回転数12000rpmを維持しつつ15分間造粒した。その後高速撹拌機からプロペラ撹拌羽根に撹拌機を交換し、内温を60℃で重合を5時間継続させた後、内温を80℃に昇温し、さらに3時間重合を継続させた。重合反応終了後、80℃、減圧下で残存単量体を留去した後、常温まで放冷し、重合体微粒子分散体を得た。
上記重合体微粒子分散体を洗浄容器に移し、撹拌しながら、希塩酸を添加し、pH1.5に調整した。分散体を2時間撹拌後、ろ過器で固液分離し、重合体微粒子を得た。これをイオン交換水1200部中に投入して撹拌し、再び分散体とした後、ろ過器で固液分離した。この操作を3回行い、30℃の乾燥機で十分に乾燥してトナー粒子aを得た。この時、トナー粒子aの個数平均粒子径D1は6.0μmであった。その他、トナー粒子aのEa/Eb×100、及びATの測定結果は、表1にまとめる。
[トナー母粒子bの製造工程]
マレイン酸変性スチレン系エラストマーM1913の代わりに、非晶性ポリエステル樹脂1((エチレンオキサイド変性ビスフェノールAとテレフタル酸との重縮合物(ガラス転移点62℃、重量平均分子量(Mw)9000、数平均分子量(Mn)4000、酸価10.0mgKOH/g)を使用した以外は、トナー粒子aと同様の手法でトナー母粒子bを得た。前記トナー母粒子bの個数平均粒子径D1は5.5μmであった。
・マレイン酸変性エラストマーM1943 6.0部
(旭化成ケミカルズ社製、酸価10.0mgKOH/g)
・テトラヒドロフラン(THF) 8.0部
・アニオン系界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンRK) 0.2部
上記材料を混合後、室温で激しく撹拌させながら、純水に水酸化ナトリウムを加える事で作られるpH11.5に調整された水溶液100.0部をゆっくりと滴下した。得られた分散体から減圧下、50℃でTHFを留去し、被覆樹脂の水分散体を得た。被覆樹脂の水分散体の固形分濃度は2.0質量%であり、動的光散乱式粒度分布計ナノトラック(日機装社製)による個数平均粒径は0.065μmであった。
トナー母粒子bをアニオン系界面活性剤水溶液の中に移し、分散させ、固形分濃度5.0質量%の水分散体を得る。作製した分散体の固形分100.0部に対し、被覆樹脂の水分散体12.5部を添加し撹拌する。さらに撹拌しながら希塩酸を滴下し、pHを0.95に調整することでトナー母粒子bの表面に被覆樹脂による被覆層を形成した。その後、被覆樹脂により被覆されたトナー母粒子bを含む懸濁液を90℃で2時間処理することで表面を平滑化した。
上記分散体をろ過器で水分をろ別し、これをイオン交換水1200部中に投入して撹拌し、再び分散体とした後、ろ過器で固液分離した。この操作を3回行った後、最終的に固液分離した粒子を、30℃の乾燥機で十分に乾燥してトナー粒子bを得た。この時、トナー粒子bの個数平均粒子径D1は5.5μmであった。その他、トナー粒子bのEa/Eb×100、及びATの測定結果は、表1にまとめる。
[トナー母粒子cの製造工程]
マレイン酸変性スチレン系エラストマーM1913の代わりに、非晶性ポリエステル樹脂1((エチレンオキサイド変性ビスフェノールAとテレフタル酸との重縮合物(ガラス転移点62℃、重量平均分子量(Mw)9000、数平均分子量(Mn)4000、酸価10.0mgKOH/g)を使用した以外は、トナー粒子aと同様の手法でトナー母粒子
cを得た。前記トナー母粒子cの個数平均粒子径D1は5.4μmであった。
・マレイン酸変性エラストマーM1913 6.0部
(旭化成ケミカルズ社製、酸価10.0mgKOH/g)
・テトラヒドロフラン(THF) 8.0部
・アニオン系界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンRK) 0.2部
上記材料を混合後、室温で激しく撹拌させながら、純水に水酸化ナトリウムを加える事で作られるpH11.5に調整された水溶液100.0部をゆっくりと滴下した。得られた分散体から減圧下、50℃でTHFを留去し、被覆樹脂の水分散体を得た。被覆樹脂の水分散体の固形分濃度は3.0質量%であり、動的光散乱式粒度分布計ナノトラック(日
機装社製)による個数平均粒径は0.065μmであった。
トナー母粒子cをアニオン系界面活性剤水溶液の中に移し、分散させ、固形分濃度5.0質量%の水分散体を得る。作製した分散体の固形分100.0部に対し、被覆樹脂の水分散体12.5部を添加し撹拌する。さらに撹拌しながら希塩酸を滴下し、pHを0.95に調整することでトナー母粒子cの表面に被覆樹脂による被覆層を形成した。その後、被覆樹脂により被覆されたトナー母粒子cを含む懸濁液を90℃で2時間処理することで表面を平滑化した。
上記分散体をろ過器で水分をろ別し、これをイオン交換水1200部中に投入して撹拌し、再び分散体とした後、ろ過器で固液分離した。この操作を3回行った後、最終的に固液分離した粒子を、30℃の乾燥機で十分に乾燥してトナー粒子cを得た。この時、トナー粒子cの個数平均粒子径D1は5.4μmであった。その他、トナー粒子cのEa/Eb×100、及びATの測定結果は、表1にまとめる。
M1913をM1943(旭化成ケミカルズ社製、酸価10.0mgKOH/g)に変更した以外は、トナー粒子aと同様の手法でトナー粒子dを得た。トナー粒子dの個数平均粒子径D1は5.4μmであった。
その他、トナー粒子dのEa/Eb×100、及びATの測定結果は、表1にまとめる。
M1943の添加部数を20.0部に変更した以外は、トナー粒子dと同様の手法でトナー粒子eを得た。トナー粒子eの個数平均粒子径D1は6.5μmであった。その他、トナー粒子eのEa/Eb×100、及びATの測定結果は、表1にまとめる。
M1913をアクリル酸変性オレフィン系エラストマーN1035(三井・デュポンポリケミカル社製、酸価80.0mgKOH/g))に変更した以外は、トナー粒子aと同様の手法でトナー粒子fを得た。トナー粒子fの個数平均粒子径D1は5.5μmであった。
その他、トナー粒子fのEa/Eb×100、及びATの測定結果は、表1にまとめる。
M1913をアクリル酸変性オレフィン系エラストマーN410(三井・デュポンポリケミカル社製、酸価72.0mgKOH/g))に変更した以外は、トナー粒子aと同様の手法でトナー粒子gを得た。トナー粒子gの個数平均粒子径D1は5.6μmであった。
その他、トナー粒子gのEa/Eb×100、及びATの測定結果は、表1にまとめる。
M1913を非晶性ポリエステル樹脂1((エチレンオキサイド変性ビスフェノールAとテレフタル酸との重縮合物(ガラス転移点62℃、重量平均分子量(Mw)9000、数平均分子量(Mn)4000、酸価10.0mgKOH/g)に変更した以外は、トナー粒子aと同様の手法で、表面に上記非晶性ポリエステル樹脂1を有するトナー粒子hを
得た。トナー粒子hの個数平均粒子径D1は5.8μmであった。
その他、トナー粒子hのEa/Eb×100、及びATの測定結果は、表1にまとめる。
M1913の代わりに、アクリル酸変性オレフィン系エラストマーAN42012C(三井・デュポンポリケミカル社製、酸価72.0mgKOH/g))を使用した以外は、トナー粒子aと同様の手法でトナー粒子iを得た。トナー粒子iの個数平均粒子径D1は5.5μmであった。その他、トナー粒子iのEa/Eb×100、及びATの測定結果は、表1にまとめる。
M1913の代わりに、被覆樹脂としてM1943を4部、スチレン/イソプレン熱可塑性エラストマーSIS5229(JSR株式会社製、酸価0)を2部併用した以外は、トナー粒子aと同様の手法でトナー粒子jを得た。トナー粒子jの個数平均粒子径D1は5.7μmであった。その他、トナー粒子jのEa/Eb×100、及びATの測定結果
は、表1にまとめる。
被覆樹脂をN410(三井・デュポンポリケミカル社製、酸価72.0mgKOH/g))に変更した以外は、トナー粒子bと同様の手法でトナー粒子kを得た。トナー粒子kの個数平均粒子径(D1)は5.5μmであった。その他、トナー粒子kのEa/Eb×100、及びATの測定結果は、表1にまとめる。
[被覆樹脂の水分散体製造工程]
・環状オレフィン系重合体(ポリプラスチック社製TOPAS(TM)) 8.1部
・ポリエチレン樹脂(住友化学社製エクセレンFX351) 2.7部
・キシレン 32.4部
・アニオン系界面活性剤(第一工業製薬社製ノンサールLN1) 0.8部
・イオン交換水 100.0部
環状オレフィン系重合体を含有する樹脂とポリエチレン樹脂とキシレンを80℃の加熱環境にて混合・溶解して油相を作製し、アニオン系界面活性剤とイオン交換水を混合・溶解して水相を作製する。油相と水相を混合し、80℃の加熱環境下でプライミクス社製のロボミクスにて8000〜9000rpm条件で約30分撹拌し、油相サイズが約1umの水中油滴型のエマルションを作製した。
更に得られたエマルションを、80℃まで加熱し、スギノマシン社製スターバーストにて3回程度処理し、油相サイズが約100nmの水分散体を作製した。
得られた水分散体から減圧下、50℃でキシレンを留去し、被覆樹脂の水分散体を得た。被覆樹脂の水分散体の固形分濃度は9.3質量%であり、動的光散乱式粒度分布計ナノトラック(日機装社製)による個数平均粒径は0.080μmであった。
[シェル被覆工程]
トナー母粒子cをアニオン系界面活性剤水溶液の中に移し、分散させ、固形分濃度5.0質量%の水分散体を得る。作製した分散体の固形分100.0部に対し、上記被覆樹脂の水分散体12.5部を添加し撹拌する。さらに撹拌しながら希塩酸を滴下し、pHを0.95に調整することでトナー母粒子cの表面に被覆樹脂による被覆層を形成した。その後、被覆樹脂により被覆されたトナー母粒子cを含む懸濁液を95℃で2時間処理することでトナー粒子表面を平滑化した。
[洗浄・乾燥工程]
上記トナー粒子分散液をろ過器で水分をろ別し、これをイオン交換水1200部中に投
入して撹拌し、再び分散体とした後、ろ過器で固液分離した。この操作を3回行った後、最終的に固液分離したトナー粒子を、30℃の乾燥機で十分に乾燥してトナー粒子lを得た。この時、トナー粒子lの個数平均粒子径D1は5.7μmであった。その他、トナー粒子lのEa/Eb×100、及びATの測定結果は、表1にまとめる。
[流動性向上剤付着工程]
トナー粒子a100.0部に対し、ヘキサメチルジシラザンで表面処理されたシリカ微粒子(一次粒子の個数平均粒子径0.007μmのシリカ)1.0部をヘンシェルミキサー(日本コークス工業社製)で5分間乾式混合して、D1=6.0μm、D50V=8.0μmのトナーAを得た。
トナー粒子bを使用した以外は、実施例1と同様の方法で、D1=5.5μm、D50V=7.5μmのトナーBを得た。
トナー粒子cを使用した以外は、実施例1と同様の方法で、D1=5.4μm、D50V=7.1μmのトナーCを得た。
[大粒径外添剤微粒子の付着工程]
トナー粒子d100.0部に対し、大粒系外添剤微粒子A(一次粒子の個数平均粒子径0.080μm,質量変化率/比表面積=0.062%・g/m2のシリカ)を0.05部添加し、ヘンシェルミキサーで5分間乾式混合して撹拌した。
[流動性向上剤付着工程]
さらに、トナー粒子d100.0部に対し、ヘキサメチルジシラザンで表面処理されたシリカ微粒子(一次粒子の個数平均粒子径0.007μmのシリカ)1.00部をヘンシェルミキサーで5分間乾式混合して、D1=5.4μm、D50V=7.0μmのトナーDを得た。
[大粒径外添剤微粒子の付着工程]
トナー粒子d100.0部に対し、大粒系外添剤微粒子B(一次粒子の個数平均粒子径0.080μm,質量変化率/比表面積=0.051%・g/m2のシリカ)を0.70部添加し、ヘンシェルミキサーで5分間乾式混合して撹拌した。
[流動性向上剤付着工程]
さらに、トナー粒子d100.0部に対し、ヘキサメチルジシラザンで表面処理されたシリカ微粒子(一次粒子の個数平均粒子径0.007μmのシリカ)1.00部をヘンシェルミキサーで5分間乾式混合して、D1=5.4μm、D50V=6.9μmのトナーEを得た。
[大粒径外添剤微粒子の付着工程]
トナー粒子d100.0部に対し、大粒系外添剤微粒子C(一次粒子の個数平均粒子径0.090μm,質量変化率/比表面積=0.051%・g/m2のシリカ)を0.05部添加し、ヘンシェルミキサーで5分間乾式混合して撹拌した。
[流動性向上剤付着工程]
さらに、トナー粒子d100.0部に対し、ヘキサメチルジシラザンで表面処理されたシリカ微粒子(一次粒子の個数平均粒子径0.007μmのシリカ)1.00部をヘンシ
ェルミキサーで5分間乾式混合して、D1=5.4μm、D50V=7.0μmのトナーFを得た。
[大粒径外添剤微粒子の付着工程]
トナー粒子d100.0部に対し、大粒系外添剤微粒子D(一次粒子の個数平均粒子径0.100μm,質量変化率/比表面積=0.051%・g/m2のシリカ)を1.00部添加し、ヘンシェルミキサーで5分間乾式混合して撹拌した。
[流動性向上剤付着工程]
さらに、トナー粒子d100.0部に対し、ヘキサメチルジシラザンで表面処理されたシリカ微粒子(一次粒子の個数平均粒子径0.007μmのシリカ)1.00部をヘンシェルミキサーで5分間乾式混合して、D1=5.4μm、D50V=7.1μmのトナーGを得た。
[大粒径外添剤微粒子の付着工程]
トナー粒子e100.0部に対し、大粒系外添剤微粒子D(一次粒子の個数平均粒子径0.100μm,質量変化率/比表面積=0.051%・g/m2のシリカ)を1.00部添加し、ヘンシェルミキサーで5分間乾式混合して撹拌した。
[流動性向上剤付着工程]
さらに、トナー粒子e100.0部に対し、ヘキサメチルジシラザンで表面処理されたシリカ微粒子(一次粒子の個数平均粒子径0.007μmのシリカ)1.00部をヘンシェルミキサーで5分間乾式混合して、D1=6.5μm、D50V=8.1μmのトナーHを得た。
トナー粒子f100.0部に対し、大粒系外添剤微粒子D(一次粒子の個数平均粒子径0.100μm,質量変化率/比表面積=0.051%・g/m2のシリカ)を1.00部添加した以外は、実施例8と同様の手法により、D1=5.5μm、D50V=7.6μmのトナーIを得た。
トナー粒子eの代わりにトナー粒子gを使用した以外は、実施例8と同様の手法により、D1=5.6μm、D50V=7.3μmのトナーJを得た。
トナー粒子eの代わりにトナー粒子hを使用した以外は、実施例8と同様の手法により、個数平均粒子径D1=5.8μm、D50V=7.2μmのトナーKを得た。
<比較例2>
トナー粒子eの代わりにトナー粒子iを使用した以外は、実施例8と同様の手法により、個数平均粒子径D1=5.5μm、D50V=7.6μmのトナーLを得た。
トナー粒子fの代わりにトナー粒子jを使用した以外は、実施例9と同様の手法により、個数平均粒子径D1=5.7μm、D50V=7.4μmのトナーMを得た。
<比較例4>
トナー粒子fの代わりにトナー粒子kを使用した以外は、実施例9と同様の手法により、個数平均粒子径D1=5.5μm、D50V=7.2μmのトナーNを得た。
<比較例5>
トナー粒子fの代わりにトナー粒子lを使用した以外は、実施例9と同様の手法により
、個数平均粒子径D1=5.7μm、D50V=7.2μmのトナーOを得た。
上記のようにして製造したトナーに関し、トナーの潰れ率変化ΔC、転写効率、最低定着温度(MFT)を測定した。その結果を表2に示す。
Claims (7)
- 結着樹脂を有するトナー粒子を有するトナーであって、
該トナー粒子の表面が樹脂Aで被覆されており、
該樹脂Aの弾性率Ea及び該結着樹脂の弾性率Ebが、下記式を満たし、
0.5≦(Ea/Eb)×100[%]≦50.0
該トナー粒子にカンチレバーの先端に球状SiO2が付いたプローブを3μNで押し込んだ際の該トナー粒子の付着力ATが、500nN以上であることを特徴とするトナー。 - 前記樹脂Aによるトナー粒子表面の被覆率が70%以上である請求項1に記載のトナー。
- 前記樹脂Aが熱可塑性エラストマーである請求項1又は2に記載のトナー。
- 前記樹脂Aが、親水性基を有するポリオレフィン系熱可塑性エラストマーである請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー。
- 前記樹脂Aが、ポリスチレン系熱可塑性エラストマーである請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー。
- 前記微粒子を温度23℃、相対湿度5%の環境下に24時間放置した後に、温度30℃、相対湿度80%の環境下に1時間放置した際、前記微粒子の質量変化率を、前記微粒子の比表面積で除した値(質量変化率/比表面積)が、0.055%・g/m2以下である請求項4に記載のトナー。
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