JP2018090379A - 自動ワインダ、糸巻取システム及び糸巻取方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】糸品質の低下の抑制が図れる自動ワインダ、糸巻取システム及び糸巻取方法を提供する。
【解決手段】自動ワインダ4は、糸14の品質に係る情報を取得する取得部45と、給糸ボビン11から糸14を巻き取る巻取速度を制御する制御部41と、を備え、制御部41は、取得部45により取得された品質に係る情報に基づく糸の品質指標と、予め設定された糸14の品質に係る指標閾値範囲とに基づいて、品質指標が指標閾値範囲内となるように巻取速度を制御する。
【選択図】図1
【解決手段】自動ワインダ4は、糸14の品質に係る情報を取得する取得部45と、給糸ボビン11から糸14を巻き取る巻取速度を制御する制御部41と、を備え、制御部41は、取得部45により取得された品質に係る情報に基づく糸の品質指標と、予め設定された糸14の品質に係る指標閾値範囲とに基づいて、品質指標が指標閾値範囲内となるように巻取速度を制御する。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動ワインダ、糸巻取システム及び糸巻取方法に関する。
従来、給糸ボビンを形成する精紡ユニットを複数備える精紡機と、給糸ボビンから糸を巻き取ってパッケージを形成するワインダユニットを複数備える自動ワインダと、を備えた糸巻取システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
上述したような糸巻取システムでは、生産効率及び/又は作業品質を向上させる観点から、自動ワインダの動作の最適化が望まれている。糸巻取システムでは、動作制御の最適化の一例として、精紡機による給糸ボビンの形成の処理状況に応じて、自動ワインダにおける糸の巻取速度を変更させることが考えられる。これにより、糸巻取システムでは、精紡機での給糸ボビンの形成の処理状況(例えば、精紡機から自動ワインダに移送される給糸ボビンの供給タイミング等)に基づいて自動ワインダの巻取速度を適切に制御することができる。ここで、自動ワインダでは、糸の巻取速度を変化させると、糸の毛羽の量等が変化する等して糸品質に変化が生じ得る。糸の品質の変化がパッケージの形成途中に生じることは好ましくない。
本発明の一側面は、パッケージの形成途中での糸品質の変化を抑制できる自動ワインダ、糸巻取システム及び糸巻取方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る自動ワインダは、給糸ボビンから糸を巻き取ってパッケージを形成する自動ワインダであって、糸の品質に係る情報を取得する取得部と、給糸ボビンから糸を巻き取る巻取速度を制御する制御部と、を備え、制御部は、取得部により取得された品質に係る情報に基づく糸の品質指標と、予め設定された糸の品質に係る指標閾値範囲とに基づいて、品質指標が指標閾値範囲内となるように巻取速度を制御する。
本発明の一側面に係る自動ワインダは、糸の品質に係る情報を取得する取得部を備えている。自動ワインダでは、制御部は、取得部により取得された品質に係る情報に基づく糸の品質指標と、予め設定された糸の品質に係る指標閾値範囲とに基づいて、品質指標が指標閾値範囲内となるように巻取速度を制御する。これにより、自動ワインダでは、糸の品質が一定の範囲内となるように糸が巻き取られる。したがって、自動ワインダでは、パッケージの形成途中での糸品質の変化を抑制できる。
一実施形態においては、取得部は、少なくとも糸の毛羽に関する情報を取得してもよい。巻取速度は、特に、糸の毛羽の量に影響する。毛羽の量は、糸品質に与える影響が大きい。したがって、自動ワインダでは、少なくとも毛羽に関する情報を品質に係る情報として取得部が取得し、品質指標が指標閾値範囲内となるように巻取速度を制御することにより、パッケージの形成途中での糸品質の変化を適切に抑制できる。
一実施形態においては、給糸ボビンを形成する精紡機から送信される、給糸ボビンの形成の処理状況に関する情報を含む紡績情報を受信する受信部を備え、制御部は、受信部によって受信された紡績情報に基づいて巻取速度の目標値を設定すると共に、品質指標が指標閾値範囲内となるように巻取速度を目標値に向かって変更してもよい。精紡機での給糸ボビンの形成の処理状況に基づいて自動ワインダの巻取速度が制御される場合においては、巻取速度の変化に応じて、糸品質に変化が生じ得る。したがって、精紡機での給糸ボビンの形成の処理状況に基づいて自動ワインダの巻取速度を制御する場合においては、品質指標が指標閾値範囲内となるように巻取速度を制御することが、パッケージの形成途中での糸品質の変化の抑制に特に有効である。
一実施形態においては、巻取速度の上限値及び下限値の入力を受け付ける入力部を備え、制御部は、上限値及び下限値の範囲内において、巻取速度を制御してもよい。この構成では、上限値及び下限値の範囲内において巻取速度が設定される。したがって、オペレータの意図しない制御を防止することができる。
一実施形態においては、制御部は、品質指標と指標閾値範囲とに基づいて余裕度を算出すると共に、余裕度に基づいて巻取速度の変更量を算出し、巻取速度の変更量に応じて巻取速度を制御してもよい。この構成では、余裕度に応じて巻取速度の変更量を算出し、当該変更量に応じて巻取速度を制御するため、品質指標が指標閾値範囲内となるように巻取速度を制御することができる。
一実施形態においては、制御部は、余裕度が高いほど巻取速度の変更量を大きくし、余裕度が低いほど巻取速度の変更量を小さくしてもよい。余裕度は、品質指標と指標閾値との差が大きい場合には度合いが高くなり、品質指標と指標閾値との差が小さい場合には度合いが小さくなる。そのため、余裕度の度合いに応じて巻取速度の変更量を調整することにより、品質指標に応じた適切な巻取速度で糸を巻き取ることができる。
本発明の一側面に係る糸巻取システムは、給糸ボビンを形成する精紡機と、給糸ボビンから糸を巻き取ってパッケージを形成する自動ワインダと、を含む糸巻取システムであって、精紡機は、給糸ボビンの形成の処理状況に関する情報を含む紡績情報を生成する生成部と、生成部によって生成された紡績情報を自動ワインダに送信する送信部と、を有し、自動ワインダは、紡績情報を受信する受信部と、糸の品質に係る情報を取得する取得部と、給糸ボビンから糸を巻き取る巻取速度を制御する制御部と、を有し、制御部は、受信部によって受信された紡績情報に基づいて巻取速度の目標値を設定すると共に、取得部により取得された品質に係る情報に基づく糸の品質指標と、予め設定された糸の品質に係る指標閾値範囲とに基づいて、品質指標が指標閾値範囲内となるように巻取速度を目標値に向かって変更する。
本発明の一側面に係る糸巻取システムでは、自動ワインダは、糸の品質に係る情報を取得する取得部を備えている。自動ワインダでは、制御部は、取得部により取得された品質に係る情報に基づく糸の品質指標と、予め設定された糸の品質に係る指標閾値範囲とに基づいて、品質指標が指標閾値範囲内となるように巻取速度を制御する。糸巻取システムにおいて、精紡機での給糸ボビンの形成の処理状況に基づいて自動ワインダの巻取速度を制御する場合には、巻取速度の変化に応じて、糸品質に変化が生じ得る。したがって、糸巻取システムでは、精紡機での給糸ボビンの形成の処理状況に基づいて自動ワインダの巻取速度を制御する場合には、品質指標が指標閾値範囲内となるように巻取速度を制御することにより、パッケージの形成途中での糸品質の変化を抑制できる。
本発明の一側面に係る糸巻取方法は、給糸ボビンを形成する精紡機と、給糸ボビンから糸を巻き取ってパッケージを形成する自動ワインダと、によって実行される糸巻取方法であって、精紡機において、給糸ボビンの形成の処理状況に関する情報を含む紡績情報を生成する生成ステップと、精紡機において、生成ステップで生成された紡績情報を自動ワインダに送信する送信ステップと、自動ワインダにおいて、紡績情報を受信する受信ステップと、自動ワインダにおいて、糸の品質に係る情報を取得する取得ステップと、自動ワインダにおいて、給糸ボビンから糸を巻き取る巻取速度を制御する制御ステップと、を含み、制御ステップでは、受信ステップにおいて受信された紡績情報に基づいて巻取速度の目標値を設定すると共に、取得ステップにおいて取得された品質に係る情報に基づく糸の品質指標と、予め設定された糸の品質に係る指標閾値範囲とに基づいて、品質指標が指標閾値範囲内となるように巻取速度を目標値に向かって変更する。
本発明の一側面に係る糸巻取方法では、自動ワインダにおいて、糸の品質に係る情報を取得する。自動ワインダにおける制御ステップでは、取得ステップにおいて取得された品質に係る情報に基づく糸の品質指標と、予め設定された糸の品質に係る指標閾値範囲とに基づいて、品質指標が指標閾値範囲内となるように巻取速度を制御する。糸巻取方法において、精紡機での給糸ボビンの形成の処理状況に基づいて自動ワインダの巻取速度を制御する場合には、巻取速度の変化に応じて、糸品質に変化が生じ得る。したがって、糸巻取方法では、精紡機での給糸ボビンの形成の処理状況に基づいて自動ワインダの巻取速度を制御する場合には、品質指標が指標閾値範囲内となるように巻取速度を制御することにより、パッケージの形成途中での糸品質の変化を抑制できる。
本発明の一側面によれば、パッケージの形成途中での糸品質の変化を抑制できる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1に示されるように、糸巻取システム1は、粗紡機2と、精紡機3と、自動ワインダ4と、を備えている。粗紡機2は、スライバから粗糸を生成し、その粗糸を巻き取って粗糸ボビンを形成する。精紡機3は、粗糸から糸を生成し、その糸を巻き取って給糸ボビン11を形成する。自動ワインダ4は、給糸ボビン11から糸を巻き取ってパッケージを形成する。
自動ワインダ4は、ボビン移送装置5を有している。ボビン移送装置5は、精紡機3から自動ワインダ4に給糸ボビン11を移送し、自動ワインダ4から精紡機3に空のボビン12(糸が巻かれていないボビン)を移送する。ボビン移送装置5には、ボビン準備装置7及び残糸処理装置(図示省略)等が設けられている。ボビン準備装置7は、自動ワインダ4が給糸ボビン11の糸を処理するための前準備を行う。残糸処理装置は、給糸ボビン11から排出されたボビン12に糸が残っている場合に、その糸を除去して空のボビン12にする。そのため、ボビン移送装置5は、カーブの多い複雑な搬送経路を有している。
図1に示されるように、粗紡機2は、粗紡機2の動作を制御する制御装置21と、粗糸ボビンを形成する複数の粗紡ユニット22と、を備えている。制御装置21は、ディスプレイ等の表示部21aと、入力キー等の操作部21bと、を有している。表示部21aは、各粗紡ユニット22の運転状況等を表示する。操作部21bは、オペレータが各粗紡ユニット22の運転条件の設定等を行うためのものである。
精紡機3は、精紡機3の動作を制御する制御装置31と、給糸ボビン11を形成する複数の精紡ユニット32と、を備えている。制御装置31は、ディスプレイ等の表示部31aと、入力キー等の操作部31bと、を有している。表示部31aは、各精紡ユニット32の運転状況等を表示する。操作部31bは、オペレータが各精紡ユニット32の運転条件の設定等を行うためのものである。
図2に示されるように、精紡ユニット32は、ドラフト装置33と、加撚装置34と、を有している。
ドラフト装置33は、バックローラ対33aと、ミドルローラ対33bと、フロントローラ対33cと、を有している。バックローラ対33a、ミドルローラ対33b及びフロントローラ対33cは、それぞれ、ボトムローラ及びトップローラによって構成されている。ミドルローラ対33bを構成する各ローラには、エプロンベルトが架けられている。ドラフト装置33では、バックローラ対33a、ミドルローラ対33b及びフロントローラ対33cが所定の速度比で回転させられることで、粗糸ボビンから解舒された粗糸13がドラフトされる。
加撚装置34は、中空ガイド軸体35と、リングレール36と、リング37と、トラベラ38と、を有している。中空ガイド軸体35は、ボビン12のトップ部12bが上側に向いた状態でボビン12のボトム部12aを保持し、ボビン12を回転させる。リングレール36は、ボビン12の軸線方向に移動可能である。リング37は、リングレール36に固定されている。トラベラ38は、リング37に支持されており、リング37に沿って移動可能である。
加撚装置34では、ドラフト装置33においてドラフトされた粗糸13がリング37とトラベラ38との隙間に挿通され、その粗糸13の端部がボビン12に固定される。その状態で、中空ガイド軸体35がボビン12を回転させると、トラベラ38が粗糸13に引っ張られるようにしてリング37に沿って移動する。このとき、リングレール36が、ボビン12の軸線方向に沿った所定の範囲で往復動しつつ、ボトム部12a側からトップ部12b側に徐々に移動する。加撚装置34では、トラベラ38の回転がボビン12の回転に遅れることで粗糸13に撚りが加えられて糸14が生成され、その糸14がボビン12に巻き取られて給糸ボビン11が形成される。
以上のように構成された精紡ユニット32を複数有する精紡機3は、いわゆる一斉ドッフィングタイプとして構成されている。すなわち、精紡機3は、ボビン移送装置5によって自動ワインダ4から移送された空のボビン12を複数ストックしておき、各精紡ユニット32に空のボビン12を一斉にセットして、糸の巻き取りを一斉に開始させる。各精紡ユニット32において糸の巻き取りが完了して給糸ボビン11が形成されると、精紡機3は、全ての給糸ボビン11を一斉に玉揚げ(ドッフィング)する。そして、精紡機3は、その間にストックされていた空のボビン12をトレー6から抜き取って各精紡ユニット32に再び一斉にセットし、代わりに、玉揚げした給糸ボビン11をトレー6に一斉にセットする。
図1に示されるように、自動ワインダ4は、自動ワインダ4の動作を制御する制御装置(制御部)41と、パッケージを形成する複数のワインダユニット42と、ボビン移送装置5と、を備えている。制御装置41は、ディスプレイ等の表示部41aと、入力キー等の操作部(入力部)41bと、を有している。表示部41aは、各ワインダユニット42の運転状況等を表示する。操作部41bは、オペレータが各ワインダユニット42の運転条件の設定等を行うためのものである。なお、制御装置41は、ボビン移送装置5の動作も制御している。
図3に示されるように、ワインダユニット42は、巻取装置43と、テンション付与装置44と、糸監視装置(取得部)45と、上糸捕捉装置46と、下糸捕捉装置47と、糸継装置48と、を有している。
巻取装置43は、クレードル43aと、巻取ドラム43bと、を有している。クレードル43aは、パッケージ15を支持する。巻取ドラム43bは、糸14をトラバースさせつつパッケージ15を回転させる。これにより、所定の位置にセットされた給糸ボビン11から糸14が巻き取られてパッケージ15が形成される。テンション付与装置44は、給糸ボビン11からパッケージ15に向かって走行する糸14に所定のテンションを付与する。
糸監視装置45は、糸道を走行する糸14の状態を監視する。糸監視装置45は、糸14の状態を監視することにより、糸14の毛羽指標(毛羽に関する情報)、糸14のIPI値(糸14の単位長さ当たりの極端に太い部分、極端に細い部分、ネップ(節)の各個数を測定したもの)、残存欠点数、カット数(糸切れ数)等の、糸14の品質に係る情報を取得する。糸監視装置45は、糸14の糸道に糸14が通過するスリットを有し、スリットを通過する糸14を図示しない光学式センサで監視する。糸監視装置45は、品質に係る情報(以下「品質情報」ともいう。)を制御装置41に出力する。糸監視装置45の近傍には、糸14を切断するためのカッタ(図示省略)が設けられている。糸監視装置45は、糸14の欠陥を検出した場合、カッタを作動させる。
上糸捕捉装置46は、糸14が切断された場合に、パッケージ15側の糸14の糸端を捕捉して糸継装置48に案内する。下糸捕捉装置47は、糸14が切断された場合に、給糸ボビン11側の糸14の糸端を捕捉して糸継装置48に案内する。糸継装置48は、上糸捕捉装置46及び下糸捕捉装置47によって案内された糸端同士を繋ぐ。
次に、図4及び図5を用いて、精紡機3が自動ワインダ4に紡績情報(詳しくは後述)を送信し、自動ワインダ4が紡績情報及び品質情報に基づいて自動ワインダ4の動作を制御する方法について説明する。
図4に示されるように、上記仕組みを実現するための機能的要素として、精紡機3は、制御装置(生成部)31と、送信部31cと、を備えている。自動ワインダ4は、制御装置(制御部)41と、各ワインダユニット42と、受信部41cと、を備えている。
制御装置31は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有する電子制御ユニットである。制御装置31は、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、CPUで実行することで、各種の制御を実行する。制御装置31は、複数の電子制御ユニットから構成されていてもよい。制御装置31は、給糸ボビン11の形成の処理状況に関する情報を含む紡績情報を生成する生成部として機能する。
給糸ボビン11の形成の処理状況に関する情報(以下「処理状況情報」という。)は、例えば、一斉ドッフィングによって複数の精紡ユニット32において給糸ボビン11が一斉に玉揚げされるまでの残り時間を示す情報、及び紡績している精紡ユニット32の台数を示す情報等である。制御装置31は、例えば各精紡ユニット32の運転状況の監視や各精紡ユニット32の運転に関する設定を参照すること等により、上述したような処理状況情報を得ることができる。
本実施形態では一例として、制御装置31は、上述の処理状況情報を含んだデータを紡績情報として生成し、送信部31cを介して自動ワインダ4に送信する。制御装置31が紡績情報を生成して自動ワインダ4に送信するタイミングは任意であるが、本実施形態では一例として、制御装置31は、予め定められた所定間隔で定期的に紡績情報を生成して自動ワインダ4に送信するものとする。これにより、自動ワインダ4が精紡機3の処理状況を適時に把握することができるようになり、その都度、ワインダユニット42の巻取速度を適切に設定することが可能となる(詳しくは後述)。
送信部31cは、制御装置31によって生成された紡績情報を自動ワインダ4に送信する。送信部31cによる送信は、ケーブル等による有線で行ってもよいし、無線で行ってもよい。送信部31cによる送信を無線で行う場合、伝送媒体としては、電波、赤外線又は光を採用してもよい。なお、図4では、送信部31cを制御装置31とは別個の要素として図示しているが、送信部31cは、制御装置31に含まれて構成されていてもよい。すなわち、送信部31cは、制御装置31に組み込まれた通信機能であってもよい。
受信部41cは、精紡機3から送信された紡績情報を受信する。受信部41cによる受信は、ケーブル等による有線で行ってもよいし、無線で行ってもよい。受信部41cによる受信を無線で行う場合、伝送媒体としては、電波、赤外線又は光を採用してもよい。なお、図4では、受信部41cを制御装置41とは別個の要素として図示しているが、受信部41cは、制御装置41に含まれて構成されていてもよい。すなわち、受信部41cは、制御装置41に組み込まれた通信機能であってもよい。
制御装置41は、CPU、ROM、RAM等を有する電子制御ユニットである。制御装置41は、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、CPUで実行することで、各種の制御を実行する。制御装置41は、複数の電子制御ユニットから構成されていてもよい。制御装置41は、受信部41cによって受信された紡績情報に基づいて、自動ワインダ4の動作を制御する。具体的には、制御装置41は、紡績情報に基づいて各ワインダユニット42の動作を決定し、決定された動作を示す制御信号を各ワインダユニット42に適時送信することによって、各ワインダユニット42の動作を制御する。
制御装置41は、紡績情報に含まれる処理状況情報に基づいて、各ワインダユニット42が給糸ボビン11から糸を巻き取る際の巻取速度を決定し、決定された巻取速度で給糸ボビン11から糸を巻き取るように各ワインダユニット42の動作を制御する。
上述の通り、精紡機3から自動ワインダ4に給糸ボビン11が移送される一方で、自動ワインダ4から精紡機3に空のボビン12が移送される。精紡機3から自動ワインダ4に給糸ボビン11が移送されるペース(供給ペース)と、自動ワインダ4から精紡機3に空のボビン12が移送されるペース(排出ペース)とは一致する。すなわち、自動ワインダ4から精紡機3にボビン12がN個移送されると、精紡機3から自動ワインダ4に給糸ボビン11がN個移送される。本実施形態では、精紡機3には、精紡ユニット32の台数の2倍の数のボビン(給糸ボビン11及びボビン12)が保持されている。
制御装置41は、精紡機3から自動ワインダ4への給糸ボビン11の供給ペース(自動ワインダ4から精紡機3へのボビン12の排出ペース)に基づいて、自動ワインダ4における給糸ボビン11の現在の消費速度(単位時間当たりの自動ワインダ4での給糸ボビン11の消費本数)を算出する。制御装置41は、精紡機3において保持されている(自動ワインダ4に供給されて自動ワインダ4で巻き取られるのを待っている)給糸ボビン11の本数(以下、残りボビン数)を算出する。具体的には、制御装置41は、精紡ユニット32の台数から供給又は排出ボビン数を減算([精紡ユニット32の台数]−[供給又は排出ボビン数])することにより、残りボビン数を算出する。
制御装置41は、精紡機3から送信された処理状況情報から得られる残り時間(一斉ドッフィングによって複数の精紡ユニット32において給糸ボビン11が一斉に玉揚げされるまでの残り時間)と残りボビン数とに基づいて、精紡機3に保持されている給糸ボビン11を消費するために必要な消費速度を算出する。制御装置41は、現在の消費速度と必要な消費速度とに基づいて、目標巻取速度(巻取速度の目標値)を算出する。制御装置41は、目標巻取速度と現在の自動ワインダ4の巻取速度とに基づいて、自動ワインダ4における巻取速度の変更要否を判断する。制御装置41は、目標巻取速度と巻取速度とが異なっている場合には、巻取速度が目標巻取速度となるように、巻取速度を調整する。なお、目標巻取速度の初期値は、オペレータにより入力されることで設定されてもよいし、糸14のロット等に基づいて自動で設定されてもよい。
また、制御装置41は、糸監視装置45から出力された品質情報に基づいて、各ワインダユニット42の巻取速度を変更し、変更した巻取速度で給糸ボビン11から糸を巻き取るように各ワインダユニット42の動作を制御する。すなわち、制御装置41は、処理状況情報に基づいて目標巻取速度を設定すると共に、品質情報に基づいて、巻取速度を変更する。
制御装置41は、品質情報に基づいて、糸14の品質指標を取得する。品質指標は、糸14の品質を示す指標であり、品質情報に含まれる各種情報に基づいて設定される。詳細には、制御装置41は、品質情報に基づいて、糸14の単位巻取り長当たりの移動平均の品質指標を算出する。品質指標は、例えば、数値である。本実施形態では、制御装置41は、品質指標と、予め設定された糸14の品質に係る指標閾値範囲とに基づいて、余裕度を算出する。指標閾値範囲は、オペレータにより入力されることで設定されてもよいし、糸14のロット等に基づいて自動で設定されてもよい。制御装置41は、品質指標と指標閾値との差に基づいて、余裕度を算出する。余裕度は、品質指標と指標閾値との差が大きい場合には度合いが高くなり、品質指標と指標閾値との差が小さい場合には度合いが小さくなる。
制御装置41は、余裕度に基づいて巻取速度の変更が可能か否かを判断する。制御装置41は、余裕度が所定度合以上である場合、すなわち巻取速度変更後に品質指標が指標閾値範囲内に収まると予想される場合には、巻取速度の変更が可能であると判断する。制御装置41は、余裕度が所定度合以下である場合、すなわち巻取速度変更後に品質指標が指標閾値範囲を外れると予想される場合には、巻取速度の変更が不可であると判断する。
次に、図5〜図7を用いて、自動ワインダ4の動作について説明する。最初に、精紡機3は、紡績情報を生成して送信する(生成ステップ、送信ステップ)。図5に示されるように、自動ワインダ4の受信部41cは、精紡機3から送信された紡績情報を受信する(ステップS01、受信ステップ)。受信部41cにおいて受信された紡績情報は、制御装置41に受け渡される。そして、制御装置41は、紡績情報に含まれる処理状況情報に基づいて、自動ワインダ4の目標巻取速度を算出する目標巻取速度算出処理を実施する(ステップS02)。
目標巻取速度算出処理(ステップS02)について、図6を参照して詳細に説明する。図6に示されるように、制御装置41は、単位時間当たりの空のボビン12の排出本数に基づいて、給糸ボビン11の現在の消費速度を算出する(ステップS11)。次に、制御装置41は、精紡ユニット32の台数と供給された給糸ボビン11(又は排出された空のボビン12)の本数とに基づいて、残りの給糸ボビン11の本数を算出する(ステップS12)。続いて、制御装置41は、精紡機3から送信された処理状況情報から得られる残り時間と残りボビン数とに基づいて、精紡機3に保持されている給糸ボビン11を消費するために必要な消費速度を算出する(ステップS13)。制御装置41は、現在の消費速度と必要な消費速度とに基づいて、目標巻取速度を算出する(ステップS14)。
図5に示されるように、制御装置41は、目標巻取速度を算出すると、巻取速度の変更が必要か否かを判断する(ステップS03)。制御装置41は、巻取速度の変更が必要であると判断した場合には、巻取速度変更処理を実施する(ステップS04)。制御装置41は、巻取速度の変更が必要であると判断しなかった場合には、処理を終了する。
速度変更処理(ステップS04)について、図7を参照して説明する。図7に示されるように、糸監視装置45は、糸14の品質に係る情報を取得する(ステップS21、取得ステップ)。次に、制御装置41は、糸監視装置45から出力された糸14の品質に係る情報に基づく糸14の品質指標と、予め設定された糸14の品質に係る指標閾値範囲とに基づいて、余裕度を算出する(ステップS22)。続いて、制御装置41は、余裕度に基づいて巻取速度の変更が可能か否かを判断する(ステップS23)
制御装置41は、余裕度に基づいて巻取速度の変更が可能であると判断した場合には、ステップS24に進む。制御装置41は、余裕度に基づいて巻取速度の変更が可能であると判断しなかった場合には、処理を終了する。ステップS24では、制御装置41は、余裕度に基づいて、巻取速度の変更量を算出する。具体的には、制御装置41は、余裕度が高い場合には巻取速度の変更量を大きく設定し、余裕度が低い場合には巻取速度の変更量を小さく設定する。制御装置41は、巻取速度の変更量を算出すると、変更量に応じて巻取速度を変更する(ステップS25、制御ステップ)。すなわち、制御装置41は、品質指標が指標閾値範囲内となるように巻取速度を制御する。
制御装置41は、変更した巻取速度が目標巻取速度に到達したか否かを判断する(ステップS26)。制御装置41は、変更した巻取速度が目標巻取速度に到達したと判断した場合には、処理を終了する。制御装置41は、変更した巻取速度が目標速度に到達したと判断しなかった場合には、ステップS21の処理に戻る。
以上説明したように、本実施形態に係る糸巻取システム1では、自動ワインダ4は、糸14の品質に係る情報を取得する糸監視装置45を備えている。自動ワインダ4では、制御装置41は、糸監視装置45により取得された品質に係る情報に基づく糸14の品質指標と、予め設定された糸14の品質に係る指標閾値範囲とに基づいて、品質指標が指標閾値範囲内となるように巻取速度を制御する。これにより、自動ワインダ4では、糸14の品質が一定の範囲内となるように糸14が巻き取られる。したがって、自動ワインダ4では、パッケージ15の形成途中での糸品質の変化を抑制できる。
本実施形態に係る糸巻取システム1では、自動ワインダ4の糸監視装置45は、少なくとも糸14の毛羽に関する情報を取得する。巻取速度は、特に、糸14の毛羽の量に影響する。そのため、毛羽の量は、糸品質に与える影響が大きい。毛羽の量の変化は、糸品質の変化につながる。したがって、自動ワインダ4では、少なくとも毛羽に関する情報を品質に係る情報として糸監視装置45が取得し、品質指標が指標閾値範囲内となるように巻取速度を制御することにより、パッケージ15の形成途中での糸品質の変化を適切に抑制できる。
本実施形態に係る糸巻取システム1では、精紡機3は、給糸ボビン11の形成の処理状況に関する情報を含む紡績情報を生成し、紡績情報を自動ワインダ4に送信する。自動ワインダ4は、紡績情報を受信する受信部41cを備える。自動ワインダ4の制御装置41は、受信部41cによって受信された紡績情報に基づいて目標巻取速度を設定すると共に、品質指標が指標閾値範囲内となるように巻取速度を変更する。精紡機3での給糸ボビン11の形成の処理状況に基づいて自動ワインダ4の巻取速度が制御される場合においては、巻取速度の変化に応じて、糸品質に変化が生じ得る。したがって、精紡機3での給糸ボビン11の形成の処理状況に基づいて自動ワインダ4の巻取速度を制御される場合においては、品質指標が指標閾値範囲内となるように巻取速度を制御することが、パッケージ15の形成途中での糸品質の変化の抑制に特に有効である。また、糸巻取システム1では、紡績情報に基づいて目標巻取速度を設定(巻取速度を増減)するので、省エネ、部品・装置の長寿命化、生産効率向上等をバランス良く図りながら、糸品質の変化を抑制することができる。
本実施形態に係る糸巻取システム1では、自動ワインダ4の制御装置41は、品質指標と指標閾値範囲とに基づいて余裕度を算出すると共に、余裕度に基づいて巻取速度の変更量を算出し、巻取速度の変更量に応じて巻取速度を制御する。この構成では、余裕度に応じて巻取速度の変更量を算出し、当該変更量に応じて巻取速度を制御するため、品質指標が指標閾値範囲内となるように巻取速度を制御することができる。
本実施形態に係る糸巻取システム1では、自動ワインダ4の制御装置41は、余裕度が高いほど巻取速度の変更量を大きくし、余裕度が低いほど巻取速度の変更量を小さくしてもよい。余裕度は、品質指標と指標閾値との差が大きい場合には度合いが高くなり、品質指標と指標閾値との差が小さい場合には度合いが小さくなる。そのため、余裕度の度合いに応じて巻取速度の変更量を調整することにより、品質指標に応じた適切な巻取速度で糸を巻き取ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
上記実施形態では、糸14の品質に係る情報(品質情報)として、糸監視装置45が糸14の毛羽指標、IPI値、残存欠点数、カット数(糸切れ数)等を取得する形態を一例に説明した。しかし、糸14の品質に係る情報として、糸14の巻取テンションをさらに用いてもよい。このように、糸品質に係る情報を多く用いることにより、より糸品質に適した巻取速度の設定が可能となる。糸品質に係る情報として、毛羽指標、IPI値、残存欠点数、カット数(糸切れ数)、及び巻取テンションの中から少なくとも1つを用いるような実施形態であってもよい。
さらに、糸品質以外の情報として、ワインダユニット42の振動及びトラバースの不良数等の情報を取得し、巻取速度を変更してもよい。これにより、糸自体のみならず、パッケージとしての品質にも適した巻取速度の設定が可能となる。すなわち、形状の悪い(真円でない)紙管(パッケージの芯となる菅)の場合、振動が大きければ紙管が破損してしまう。また、トラバース不良は、パッケージの形状及び/又は糸の解舒性に影響する。したがって、振動及び/又はトラバース不良数の情報を加味して巻取速度を制御することにより、パッケージの品質に適した巻取速度の設定が可能となる。さらに、振動を加味して制御した場合は、パッケージを保持しているクレードルの部品(ベアリング等)の消耗を抑制することもできる。詳細には、振動が大きい場合には、パッケージを保持しているクレードルの部品(ベアリング等)の消耗が早くなることがあるが、このような消耗を抑制できる。ワインダユニット42の振動は、例えば、ワインダユニット42の適宜の箇所に設けた(例えば後述のユニットコントローラに搭載された)加速度センサによって検知することができる。トラバース不良は、巻取ドラム43bの近傍に設けたトラバースセンサで検知することができる。
上記実施形態では、自動ワインダ4の制御装置41が各ワインダユニット42の動作を制御する形態を一例に説明した。しかし、ワインダユニット42ごとに、ワインダユニット42の動作を制御する制御部(ユニットコントローラ)が設けられていてもよい。
上記実施形態では、制御装置41が、表示部41a及び操作部41bを有している形態を一例に説明した。しかし、制御装置は、表示部及び操作部として機能するタッチパネルディスプレイを有していてもよい。また、粗紡機2の制御装置21における表示部21a及び操作部21b、及び、精紡機3の制御装置31における表示部31a及び操作部31bについても、タッチパネルディプレイであってもよい。
上記実施形態では、糸監視装置45は、スリットを通過する糸14を光学式センサで監視する形態を一例に説明した。しかし、糸監視装置は、スリットを通過する糸14を静電容量式センサで監視してもよい。また、上記実施形態では、糸監視装置45の近傍にカッタが設けられている形態を一例に説明した。しかし、糸監視装置がカッタを備えていてもよい。
上記実施形態では、制御装置41が、目標巻取速度を設定し、巻取速度が目標巻取速度となるように、巻取速度を調整する形態を一例に説明した。しかし、自動ワインダ4の制御装置41は、品質指標が指標閾値範囲を外れた場合には、品質指標が指標閾値範囲を外れる前の巻取速度に戻してもよい。或いは、制御装置41は、品質指標が指標閾値範囲を外れた場合には、巻取速度を予め設定された設定速度にしてもよい。この構成では、品質指標が指標閾値範囲内となる速度に設定することにより、品質指標が指標閾値範囲を外れない巻取速度が維持される。そのため、自動ワインダ4では、パッケージ15の形成途中での糸品質の変化を抑制できる。
上記実施形態に加えて、糸巻取システム1では、自動ワインダ4の操作部41bにおいて、巻取速度の上限値及び下限値の入力を受け付けてもよい。或いは、自動ワインダ4の制御装置41は、操作部41bにおいて基準となる基準巻取速度(1つの値)の入力を受け付けた場合、当該巻取速度に基づいて、上限値及び下限値を自動で設定してもよい。この場合、制御装置41は、例えば、オペレータにより基準巻取速度が操作部41bにおいて入力されると、基準巻取速度において所定値を加算及び減算し、上限値及び下限値を設定する。具体的には、制御装置41は、基準巻取速度が「1500m/分」である場合、所定値として「200m/分」を用いて、上限値を「1700m/分」、下限値を「1300m/分」を設定する。自動ワインダ4の制御装置41は、上限値及び下限値の範囲内において、巻取速度を制御する。この構成では、上限値及び下限値の範囲内において巻取速度が設定される。すなわち、例えば、目標巻取速度算出処理(S02)のステップS14において算出された目標巻取速度が上限値を上回っている場合(又は下限値を下回っている場合)、目標巻取速度を上限値(又は下限値)に補正してもよい(上限値又は下限値を目標巻取速度として再設定してもよい)。したがって、オペレータの意図しない制御を防止することができる。
糸巻取システムでは、精紡機での給糸ボビンの形成の処理状況(例えば、精紡機から自動ワインダに移送される給糸ボビンの供給タイミング等)に基づいて自動ワインダの巻取速度を適切に制御している。しかしながら、巻取速度が自動で設定される場合、巻取速度が、オペレータの意図しない速度となるおそれがある。これにより、オペレータが違和感を覚えることがある。
上記課題を解決するために、以下の構成を用いることができる。すなわち、本発明の他の形態に係る自動ワインダは、給糸ボビンから糸を巻き取ってパッケージを形成する自動ワインダであって、前記給糸ボビンから前記糸を巻き取る巻取速度を制御する制御部と、前記巻取速度の上限値及び下限値の入力を受け付ける入力部と、を備え、前記制御部は、前記上限値及び前記下限値の範囲内において、前記巻取速度を制御する。
また、本発明の他の形態に係る自動ワインダは、給糸ボビンから糸を巻き取ってパッケージを形成する自動ワインダであって、前記給糸ボビンから前記糸を巻き取る巻取速度を制御する制御部と、前記巻取速度の基準となる基準巻取速度の入力を受け付ける入力部と、を備え、前記制御部は、前記入力部において入力された前記基準巻取速度に基づいて前記巻取速度の上限値及び下限値を設定し、前記上限値及び前記下限値の範囲内において前記巻取速度を制御する。
上記自動ワインダでは、制御部は、上限値及び下限値の範囲内において、巻取速度を制御する。上限値及び下限値は、オペレータによる入力、若しくは、オペレータが入力した値に基づいて設定される。したがって、自動ワインダでは、オペレータの意図しない制御を防止することができる。
1…糸巻取システム、3…精紡機、4…自動ワインダ、11…給糸ボビン、14…糸、15…パッケージ、31…制御装置(生成部)、31c…送信部、41…制御装置(制御部)、41b…操作部(入力部)、41c…受信部、45…糸監視装置(取得部)。
Claims (8)
- 給糸ボビンから糸を巻き取ってパッケージを形成する自動ワインダであって、
前記糸の品質に係る情報を取得する取得部と、
前記給糸ボビンから前記糸を巻き取る巻取速度を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記取得部により取得された前記品質に係る情報に基づく前記糸の品質指標と、予め設定された前記糸の品質に係る指標閾値範囲とに基づいて、前記品質指標が前記指標閾値範囲内となるように前記巻取速度を制御する、自動ワインダ。 - 前記取得部は、少なくとも前記糸の毛羽に関する情報を取得する、請求項1に記載の自動ワインダ。
- 前記給糸ボビンを形成する精紡機から送信される、前記給糸ボビンの形成の処理状況に関する情報を含む紡績情報を受信する受信部を備え、
前記制御部は、前記受信部によって受信された前記紡績情報に基づいて前記巻取速度の目標値を設定すると共に、前記品質指標が前記指標閾値範囲内となるように前記巻取速度を前記目標値に向かって変更する、請求項1又は2に記載の自動ワインダ。 - 前記巻取速度の上限値及び下限値の入力を受け付ける入力部を備え、
前記制御部は、前記上限値及び前記下限値の範囲内において、前記巻取速度を制御する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の自動ワインダ。 - 前記制御部は、前記品質指標と前記指標閾値範囲とに基づいて余裕度を算出すると共に、前記余裕度に基づいて前記巻取速度の変更量を算出し、前記巻取速度の変更量に応じて前記巻取速度を制御する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の自動ワインダ。
- 前記制御部は、前記余裕度が高いほど前記巻取速度の変更量を大きくし、前記余裕度が低いほど前記巻取速度の変更量を小さくする、請求項5に記載の自動ワインダ。
- 給糸ボビンを形成する精紡機と、前記給糸ボビンから糸を巻き取ってパッケージを形成する自動ワインダと、を含む糸巻取システムであって、
前記精紡機は、
前記給糸ボビンの形成の処理状況に関する情報を含む紡績情報を生成する生成部と、
前記生成部によって生成された前記紡績情報を前記自動ワインダに送信する送信部と、を有し、
前記自動ワインダは、
前記紡績情報を受信する受信部と、
前記糸の品質に係る情報を取得する取得部と、
前記給糸ボビンから前記糸を巻き取る巻取速度を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記受信部によって受信された前記紡績情報に基づいて前記巻取速度の目標値を設定すると共に、前記取得部により取得された前記品質に係る情報に基づく前記糸の品質指標と、予め設定された前記糸の品質に係る指標閾値範囲とに基づいて、前記品質指標が前記指標閾値範囲内となるように前記巻取速度を前記目標値に向かって変更する、糸巻取システム。 - 給糸ボビンを形成する精紡機と、前記給糸ボビンから糸を巻き取ってパッケージを形成する自動ワインダと、によって実行される糸巻取方法であって、
前記精紡機において、前記給糸ボビンの形成の処理状況に関する情報を含む紡績情報を生成する生成ステップと、
前記精紡機において、前記生成ステップで生成された前記紡績情報を前記自動ワインダに送信する送信ステップと、
前記自動ワインダにおいて、前記紡績情報を受信する受信ステップと、
前記自動ワインダにおいて、前記糸の品質に係る情報を取得する取得ステップと、
前記自動ワインダにおいて、前記給糸ボビンから前記糸を巻き取る巻取速度を制御する制御ステップと、を含み、
前記制御ステップでは、前記受信ステップにおいて受信された前記紡績情報に基づいて前記巻取速度の目標値を設定すると共に、前記取得ステップにおいて取得された前記品質に係る情報に基づく前記糸の品質指標と、予め設定された前記糸の品質に係る指標閾値範囲とに基づいて、前記品質指標が前記指標閾値範囲内となるように前記巻取速度を前記目標値に向かって変更する、糸巻取方法。
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