JP2018089839A - 立体造形物形成シートならびに立体造形物およびその製造方法 - Google Patents

立体造形物形成シートならびに立体造形物およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】所望の形状の曲面に変形容易な立体造形物を形成することができる熱膨張性シートを提供する。【解決手段】熱膨張性シート10は、可撓性および伸縮性を有して所定の温度以上に加熱されると膨張する熱膨張層3と、熱膨張層3を一面上に積層する基材2と、を備え、基材2が水溶性材料を含有する。このような熱膨張性シート10の表面または裏面に、黒色インクで光熱変換層4を印刷し、近赤外線光を照射して、表面を、光熱変換層4の領域で隆起させて凹凸に形成した後に、水に浸漬されると、基材2の水溶性材料が溶解して、伸縮性のない基材2が熱膨張層3の裏面から除去されて、可撓性および伸縮性を有する立体造形物が得られる。【選択図】図5

Description

本発明は、立体造形物を形成する立体造形物形成シート、ならびに立体造形物およびその製造方法に関する。
熱によって膨張する発泡性のマイクロカプセルを含有する熱膨張層を基材上にパターン形成して、全体を加熱して熱膨張層のパターンを膨張させて装飾シートを形成する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。さらに、前記の熱膨張層を基材の一面側の全面に設けた熱膨張性シート(または熱発泡性シートという)を用いて、この一面側の所望の領域に限定して凸状とした立体造形物を形成する技術が知られている。詳しくは、熱膨張性シートの凸状にしようとする領域のパターンを、熱膨張性シートの熱膨張層側の表面または基材側の表面(以下、裏面)に光吸収性の高い黒色インクで印刷する。この印刷面に近赤外線等の光を照射することによって、黒色インクが発熱して熱膨張層を黒色インクの濃淡に応じた厚さに膨張させて、容易に立体造形物を形成することができる。さらに熱膨張性シートの表面に、光吸収性の実質的にないシアン、マゼンタ、イエローの色インクで所望の色彩の画像パターンを印刷して、画像パターンと凹凸を組み合わせた立体画像を形成することができる(例えば、特許文献2参照)。このような立体画像は、画像パターンに対応した凹凸を有する、また、画像パターンの色彩の濃淡によって視覚的に凹凸を強調されたものとすることができる。
立体造形物は、触地図のような視覚障碍者のための情報媒体、あるいは画像パターンと凹凸を組み合わせた絵画やより強く視覚情報を伝達したい広告媒体等に利用され得る。また、布、皮革、木材等の凹凸を含む模様を有するシート状の素材を模した見本、さらにはこれらの素材の代替物として装飾シート(化粧シート、化粧材)のような装飾材料への利用が期待されている。
特許第3954157号公報 特開平1−28660号公報
熱膨張性シートは、熱膨張層を膨張させたときに皺が生じたり波打つこと等のないように、かつ印刷機の被印刷物として搬送可能なように、厚口の紙等のある程度の強度を有する伸縮性のない基材を備える。そのため、立体造形物は、曲げたり折ったりしてある程度変形させることはできるが、曲率の高い変形は困難であり、特に、凹面に変形させると表面に皺を生じ易く、また、球面のような三次元曲面(非可展面)にすることができない。そのため、立体造形物を皮革等の代替物として、このような曲面を有する椅子のような家具等の表面を装飾することは困難である。また、立体造形物が基材として紙を含んでいる場合、家具等がこのような立体造形物を貼り付けられると、吸湿により劣化する虞がある。
本発明の課題は、所望の形状の曲面に変形容易な立体造形物およびその製造方法、ならびに前記立体造形物を形成することのできる立体造形物形成シートを提供することである。
上記課題を解決するため、本発明に係る立体造形物形成シートは、可撓性および伸縮性を有して所定の温度以上に加熱されると膨張する熱膨張層と、前記熱膨張層を一面上に積層する基材と、を備え、吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換層を少なくとも一方の面に形成され、前記基材が前記熱膨張層から除去することが可能な構成とする。
本発明に係る立体造形物は、所定の温度以上に加熱されることにより膨張する熱膨張層を備えて一面側の表面に凹凸を形成され、可撓性および伸縮性を有する構成とする。
本発明に係る立体造形物の製造方法は、表面に凹凸を有する立体造形物の製造方法であって、所定の温度以上に加熱されると膨張する熱膨張層を基材の表面に形成する熱膨張層形成工程と、吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換層を、前記基材の裏面または前記熱膨張層の表面の少なくとも一方に形成する光熱変換層印刷工程と、光を照射して前記光熱変換層に到達させて、前記光熱変換層を形成された領域において前記熱膨張層を膨張させる光照射工程と、前記基材を前記熱膨張層の裏面から除去する基材除去工程と、を順に行う。
本発明に係る立体造形物形成シートによれば、所望の曲面に変形可能な立体造形物を形成することができる。本発明に係る立体造形物によれば、所望の物品の表面を装飾することができる。本発明に係る立体造形物の製造方法によれば、前記立体造形物を生産性よく製造することができる。
本発明に係る立体造形物の外観図である。 本発明に係る立体造形物の構成を示す模式図であり、(a)は平面図、(b)、(c)はそれぞれ実施形態およびその変形例の断面図である。 本発明の実施形態に係る立体造形物形成シートの構成を示す模式図であり、(a)、(b)は断面図である。 本発明に係る立体造形物の製造方法の流れを示すフローチャートである。 本発明に係る立体造形物の製造方法における工程を説明する模式図であり、(a)は熱膨張層形成工程、(b)は光熱変換層印刷工程、(c)は画像印刷工程、(d)は光照射工程のそれぞれにおける断面図を示す。 本発明に係る立体造形物の使用例を説明する外観図である。 本発明の変形例に係る立体造形物の製造方法における工程を説明する模式図であり、(a)は光熱変換層印刷工程、(b)は画像印刷工程、(c)は光照射工程のそれぞれにおける断面図を示す。
以下、本発明を実施するための形態を、各図を参照して詳細に説明する。ただし、以下に示す形態は、本実施形態の技術思想を具現化するための立体造形物を例示するものであって、以下に限定するものではない。図面に示す部材は、説明を明確にするために、大きさや位置関係等を誇張していることがあり、また、形状を単純化していることがある。また、以下の説明において、同一のまたは同質の部材や工程については、同一の符号を付し、説明を適宜省略する。
〔立体造形物〕
本発明の実施形態に係る立体造形物の構成について、図1および図2を参照して説明する。図1は、本発明に係る立体造形物の外観図である。図2は、本発明に係る立体造形物の構成を示す模式図であり、(a)は平面図、(b)、(c)はそれぞれ実施形態およびその変形例の断面図である。本明細書において、立体造形物とは、部分的に厚いことにより一面側の表面に凹凸を有するシート状の印刷物であり、特に、前記一面側の表面に色彩を有する立体造形物を、適宜、立体画像と称する。
図1に示すように、立体画像(立体造形物)1はシート状の可撓性部材であり、一方の面(表面)に画像とそれに付随する凹凸とを形成されている。ここでは、立体画像1は、図2に示すようにブドウの図柄が描画され、このブドウの房の粒が隆起して高く(厚さが大きく)、葉が粒よりも低く隆起し、背景が最も低く平坦である。また、立体画像1は、全体の形状が正方形であるが、形状や大きさ等を目的に応じて適宜選択することができる。立体画像1は、さらに伸縮性を有し、図1に示すように、球面や双曲放物面のような三次元曲面形状に変形させることができる。したがって、立体画像1は、裏面に接着剤を塗布して、任意の形状の物品の表面に弛みや破れ等なく貼り付けられる(詳細は後記製造方法にて説明する)。物品は、例えば家具等の日用品、また、飲料瓶等の容器や梱包材等であり、特に限定されない。このような立体画像1は、図2(b)に示すように、上面(表面)に凹凸を有する熱膨張層3と、熱膨張層3の表面に形成された黒色パターンである光熱変換層4と、当該立体画像1の表面に形成されて画像を構成する色彩層5と、を備える。なお、本明細書においては、別途記載のない限り、図2(b)およびその他の断面図における上下を同じく上下として説明する。これらの立体画像1は、図3に示す熱膨張性シート(立体造形物形成シート)10を用いて製造される。
(熱膨張層)
熱膨張層3は、立体画像1における主要部品で、一方の面(表面)に凹凸を形成するように厚さが領域毎に異なる膜であり、表面の高さが最も低い、すなわち最も薄い領域が厚さt0で均一である。熱膨張層3は、可撓性および伸縮性を有し、さらに、立体画像1が装飾材料や広告媒体等として好適に使用されるために、耐水性を有することが好ましい。熱膨張層3の詳細な構成については、後記の熱膨張性シート10の構成にて説明する。
(光熱変換層)
光熱変換層4は、図2(b)に示す立体画像1の、最も厚さの小さい(厚さt0の)領域を除いて、熱膨張層3の表面に形成されている。光熱変換層4は、特定の波長域の光、例えば近赤外線光(波長780nm〜2.5μm)を吸収して、熱に変換して放出する層であり、具体的にはカーボンブラックを含有する一般的な印刷用の黒色(K)インクからなる。さらに、光熱変換層4は、熱膨張層3と同様に耐水性を有することが好ましい。光熱変換層4は、濃淡、すなわちカーボンブラックの濃度に応じて光を照射されたときの発熱温度が変化し、この温度に応じて膨張前の熱膨張層3を膨張させて、立体画像1の表面に凹凸を形成する。したがって、光熱変換層4は、立体画像1のより高く凸状にしたい領域へより濃く、グレースケール印刷で印刷されている。なお、本明細書において、「光」とは、別途記載のない限り、光熱変換層4のカーボンブラックによって熱に変換される近赤外線光とする。
(色彩層)
色彩層5は、一般的な印刷用のシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の色インクからなり、例えばフルカラー印刷によって、所望の画像パターンを立体画像1の表面、すなわち熱膨張層3の表面やその上の光熱変換層4上に形成されている。色彩層5は、印刷方式によってはさらに白色インクを含んでもよい。なお、色彩層5における黒色は、前記3色の色インクの混色で表現し、カーボンブラックを含有する黒色インクは使用しない。色彩層5は、熱膨張層3と同様に耐水性を有することが好ましく、例えば顔料系インクを適用される。
立体画像1は、さらに熱膨張層3の表面に、光熱変換層4および色彩層5を構成するインクに対応したインク受容層を備えていてもよい(図示せず)。この場合、光熱変換層4および色彩層5は、インク受容層の表面に印刷される。インク受容層は、例えばインクジェットプリンタ印刷用紙に使用される、多孔質シリカ等からなる。また、立体画像1は、色彩層5の下に、光熱変換層4を被覆するように隠蔽層を備えてもよい(図示せず)。隠蔽層は、例えば白色インクからなり、少なくとも光熱変換層4を形成した領域に設けられることが好ましい。隠蔽層が設けられることで、色彩層5がより鮮明な外観を呈し、特に色彩層5の色の淡い領域がある場合や、色彩層5を設けない領域に光熱変換層4が設けられる場合に好ましい。
〔熱膨張性シート〕
立体画像1に用いられる熱膨張性シート10の構成について、図3を参照して以下に説明する。図3は、本発明の実施形態に係る立体造形物形成シートの構成を示す模式図であり、(a)、(b)は断面図である。図3(a)に示すように、本実施形態に係る熱膨張性シート10は、基材2と、基材2上の全面に均一な厚さに設けられた熱膨張層3と、を備える。熱膨張性シート10は、さらに、最表面すなわち熱膨張層3の表面に、インク受容層を備えていてもよい(図示せず)。熱膨張性シート10は、表面(上面)、あるいはさらに裏面に光熱変換層4や色彩層5を構成するインクを印刷されるための被印刷物である。
(基材)
基材2は、軟質な熱膨張層3を表面で支持して、熱膨張性シート10を被印刷物として十分な、また、熱膨張層3が部分的に膨張したときに、皺を生じたり大きく波打ったりしない程度の強度を有し、また、耐熱性を有する。なお、本明細書において、耐熱性とは、立体画像の製造における温度、特に熱膨張層3を膨張させるための加熱温度に対する耐熱性を指す。さらに、基材2は、特定の方法によって熱膨張層3から除去可能で、かつ前記方法による除去前においては、熱膨張層3との密着性のよい構成とする。基材2の熱膨張層3からの除去とは、熱膨張層3を変形、破損させたり、表面の色彩層5や光熱変換層4を色落ち等させることなく、熱膨張層3の裏面から基材2を離脱させることを指し、基材2はその形状等を維持しなくてもよい。すなわち、基材2は、熱膨張層3から界面で剥離されてもよいし、全体または熱膨張層3との界面を含む部分が溶解されてもよい。
熱膨張性シート10(立体画像1)に対しては、色彩層5等のインク、さらには熱膨張層3を溶解させる有機溶剤は使用することができない。また、加熱は、高温では熱膨張層3が膨張、変形し、それよりも低い温度で離脱される基材では、熱膨張層3を膨張させて凹凸を形成する工程で部分的に離脱される。そこで、基材2を除去する方法としては、例えば水洗が挙げられる。熱膨張層3、光熱変換層4および色彩層5がいずれも耐水性を有することで、これらを破損等させることなく、基材2が除去される。このような除去方法に対応した構成として、基材2は、機密文書の印刷用紙等に使用される水溶紙を適用することができる。水溶紙は、パルプおよびカルボキシメチルセルロース(CMC)等の水溶性材料からなり、水に浸漬されるとCMCが溶解してゲル状になる。CMCは、水溶性であると共にアルコール等の有機溶媒に不溶であり、さらに耐熱性も有するので、水溶紙は有機溶媒を含有するインクを印刷機で印刷することができる。同様の水溶性材料として、耐熱化されたポリビニルアルコール(PVA)が挙げられる。
基材2は、少なくとも熱膨張層3が積層される側の面に、水溶性材料を含有していればよい。したがって、基材2は、図3(a)に示すように、全体を水溶紙(水溶性材料を含有する層)21で構成されていてもよく、あるいは、片面(表側)にのみ水溶紙21を備えてもよい。具体的には、基材2は、図3(b)に示すように、一般的な印刷用紙やOHPシート等に用いられるポリエステル等からなる耐熱性の樹脂フィルム等の非水溶性材料からなる主基材22を備え、その表面に比較的厚さの小さい水溶紙21を、公知の接着剤等(図示省略)で貼り合わせた積層構造として、全体で必要な強度を確保する。または、基材2は、前記主基材22の表面に、CMC等からなる水溶層(水溶性材料を含有する層)21を設けた構造としてもよい。基材2をこれらのような積層構造とすることで、除去した際に主基材22を回収し易く、特に主基材22が水を含浸させない樹脂フィルム等であれば、水洗等のみで再利用することができる。一方、主基材22に水を含浸させる紙等の材料を適用することにより、水溶層21まで水が浸入し易く、基材2が効率的に除去される。
(熱膨張層)
熱膨張層3は、部分的に膨張することにより、立体画像1において表面に凹凸を形成する。このような熱膨張層3は、公知の熱膨張性シートに適用される、熱膨張性のマイクロカプセルを含有し、熱可塑性樹脂をバインダとして基材2上に均一な厚さt0に形成された膜である。マイクロカプセルは、熱可塑性樹脂で形成され、揮発性溶媒を内包し、前記熱可塑性樹脂や揮発性溶媒の種類にもよるが、約80℃以上に加熱されると、加熱温度、さらには加熱時間に応じた大きさに膨張する。すなわち、立体画像1は、熱膨張性シート10の熱膨張層3が加熱された領域で限定的に発泡して、加熱温度等に応じて気泡によって膨張して厚さが増大し、その結果、基材2に固定されていない表面が隆起して凹凸が形成される。熱膨張層3へのこのような部分的な加熱は、熱膨張層3の表面に形成された黒色インクからなる光熱変換層4(図2(b)参照)、または後記の変形例のように、熱膨張性シート10の裏面(基材2の裏面)に形成された同じく黒色インクからなる光熱変換層4A(図2(c)参照)が、光を変換して熱を放出することによって行われる。熱膨張層3は、さらに必要に応じて酸化チタン等の白色顔料を含有して、表面に形成される色彩層5が鮮明な外観を呈するように地色を白くすることが好ましい。あるいは、熱膨張層3は、立体画像1の外観に応じて、黒色以外の(カーボンブラックを含有しない)顔料で所望の色に着色されていてもよい。熱膨張層3は、最大で膨張前の10倍程度の厚さに膨張し、所望の最大凹凸差に応じて、膨張前の熱膨張性シート10における、すなわち膨張させない領域(背景等)における厚さt0が設計される。さらに、熱膨張層3は、基材2または基材2の表層を損傷、変質等させないように基材2上に成膜することができ、かつ、立体画像1の製造過程で基材2が除去される際に変形等しない材料で形成される。例えば基材2が水洗により除去される場合には、熱膨張層3は耐水性に加え、メタノール等の有機溶媒で溶液またはエマルジョンに調製して塗布法で成膜することのできる材料で形成される。このような熱可塑性樹脂材料として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)やポリ塩化ビニル(PVC)等が挙げられる。
〔立体画像の製造方法〕
(立体画像の製造装置)
本発明に係る熱膨張性シートおよび立体画像の製造に使用する装置について簡潔に説明する。熱膨張性シート10の製造には、膨張前の熱膨張層3を基材2上に形成する塗布装置、さらに必要に応じて、熱膨張性シート10を所望の寸法に加工するために、紙等を断裁する公知の断裁機が使用される。立体画像1の製造には、熱膨張性シート10に光熱変換層4および色彩層5を印刷する印刷機と、熱膨張性シート10に近赤外線光を照射することにより光熱変換層4を加熱して熱膨張層3を膨張させる光照射装置と、が使用される。
塗布装置は、塗料を紙等のシート状の基材に塗布して均一な厚さの塗膜を形成する装置であり、バーコーター、ローラー、スプレー等の方式による公知の装置を適用することができ、特に、均一な厚塗りに好適なバーコーター方式のものが好ましい。
印刷機は、光熱変換層4、色彩層5を印刷する印刷機であり、オフセット、インクジェット等の公知のものを、印刷品質や生産形態(大量生産、少量生産)等に応じて適用する。また、印刷機は、被印刷物である熱膨張性シート10の寸法および厚さに対応可能な仕様とし、さらに、被印刷物が熱膨張層3の熱膨張開始温度以上(例えば80℃程度以上)に加熱されない方式とする。印刷機は、同じ1台でインクを使い分けて光熱変換層4、色彩層5を印刷することができ、あるいは、光熱変換層4を印刷する印刷機と色彩層5を印刷する印刷機とが異なる方式の印刷機でもよい。
光照射装置は、熱膨張性シート10の光熱変換層4を形成した表面に光を照射して、熱膨張層3を加熱させる装置であり、熱膨張性シートで立体造形物を形成するための公知の装置を適用することができ、被照射物として、立体画像1の厚さに対応可能な仕様とする。詳しくは、光照射装置は、印刷機のようにシート状の被照射物を一方向に搬送する搬送機構と、光熱変換層4によって熱に変換される近赤外線光を含む光を放射する光源と、反射板と、当該光照射装置を冷却する冷却器と、を主に備える。光源は、例えばハロゲンランプであり、被照射物へその全幅にわたって設けられる。反射板は、光源から被照射物へ光を効率的に照射するために、略半円柱の柱面形状の曲面に形成されて内側に鏡面を有し、光源の被照射物と対向する側の反対側を覆う。冷却器は、空冷方式のファンや水冷方式のラジエータ等であり、反射板の近傍に設けられる。
(立体画像の製造方法)
実施形態に係る立体画像の製造方法について、図4、図5、ならびに適宜図2および図3を参照して説明する。図4は、実施形態に係る立体画像の製造方法の流れを示すフローチャートである。図5は、本発明に係る立体造形物の製造方法における工程を説明する模式図であり、(a)は熱膨張層形成工程、(b)は光熱変換層印刷工程、(c)は画像印刷工程、(d)は光照射工程のそれぞれにおける断面図を示す。図4に示すように、本実施形態に係る立体画像の製造方法は、熱膨張層形成工程S12を行って熱膨張性シート10を製造する熱膨張性シート製造工程S10と、光熱変換層印刷工程S21と、画像印刷工程S22と、光照射工程S23と、基材除去工程S40と、を順に行う。さらに、熱膨張性シート製造工程S10において、熱膨張層形成工程S12の前後にそれぞれ必要に応じて、基材製造工程S11と、断裁工程S13を行う。また、必要に応じて、光照射工程S23の後、基材除去工程S40の前に、切断工程S30を行う。
基材製造工程S11において、基材2の原紙20を製造する。原紙20は、断裁前の基材2であり、後続の熱膨張層形成工程S12で使用する塗布装置に対応した大きさ、例えば巻取り紙である。例えば公知の方法にて基材2の厚さの水溶紙を製造してもよいし、それよりも薄い水溶紙と厚口の紙等の主基材22とを合紙加工してもよい。あるいは、主基材22の表面に、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の水溶性材料の水溶液を塗布して乾燥させてもよい。
熱膨張層形成工程S12において、図5(a)に示すように、原紙20の表面に熱膨張層3を形成する。熱膨張性のマイクロカプセル、白色顔料、および熱可塑性樹脂溶液を混合してスラリーを調製し、塗布装置でスラリーを原紙20に塗布し、乾燥させ、さらに必要に応じて重ね塗りを行って、一定の所望の厚さt0の熱膨張層3を形成する。なお、熱可塑性樹脂溶液は、基材2(原紙20)の表面を溶解させないように、水溶液ではなく、メタノール溶液等とすることが好ましい。
断裁工程S13において、原紙20およびその上の熱膨張層3を切断して、後続の光熱変換層印刷工程S21および画像印刷工程S22で使用する印刷機に対応した寸法の熱膨張性シート10(図3参照)を得る。
光熱変換層印刷工程S21において、図5(b)に示すように、熱膨張性シート10の表面(熱膨張層3を形成した側の面)に黒色インクで光熱変換層4を印刷する。さらに、画像印刷工程S22において、図5(c)に示すように、熱膨張性シート10の表面に色インクで色彩層5を印刷する。なお、白色インク等で隠蔽層を設ける場合は、光熱変換層印刷工程S21の後、画像印刷工程S22の前に形成する。
光照射工程S23において、熱膨張性シート10の光熱変換層4を印刷した側の面(表面)に光を照射する。光が光熱変換層4に入射、吸収されると熱に変換され、図5(d)に示すように、熱膨張層3が、光熱変換層4の濃淡に対応した温度に加熱されて膨張して、表面が隆起して凹凸を形成される。熱膨張層3の加熱温度は当該熱膨張層3の材料にもよるが、約80℃以上とし、光熱変換層4の濃淡に対応して100〜120℃の範囲に分布することが好ましい。このような温度に変換される量の光が光熱変換層4に入射するように、光照射装置の光源の出力や搬送速度を設定する。
切断工程S30において、図5(d)に示す熱膨張層3が膨張した熱膨張性シート10を、所望の形状に切り出す。例えば、印刷機による印刷可能領域外の色彩層5が形成されていない縁を切り落としたり、印刷機や光照射装置に不適な形状とすることができ、形状に応じて、断裁機による切断や打抜き加工、あるいははさみ等を使用した手作業等で加工する。
基材除去工程S40において、熱膨張層3が膨張した熱膨張性シート10から、基材2を除去して、図2(a)、(b)に示す立体画像1を得る。一例として、熱膨張性シート10を水または温水に浸漬し、必要に応じて撹拌する。すると、水溶紙21からなる基材2であれば、水溶紙21に含有されるCMCが水に溶解して水溶紙21のパルプが分散され、水溶紙21(基材2)が分解される。また、主基材22に水溶紙(水溶層)21が積層されてなる基材2であれば、水が、主基材22を浸透して、または熱膨張性シート10の端面から、水溶層21に浸入してこれを溶解させ、その結果、主基材22が熱膨張層3から離脱(剥離)する。基材2の水溶層21が溶解した水から熱膨張層3(立体画像1)を引き揚げて、別の水で濯いで乾燥させると、立体画像1が得られる。また、基材2が水溶紙21からなる、または主基材22が水を含浸させる場合は、熱膨張性シート10の裏面を水面に接触させたり、裏面に水を噴霧することによって、基材2を除去してもよい。
得られた立体画像1は、所望の物品の表面に貼り付けて(貼付工程)使用される。図6を参照して、本発明に係る立体造形物の製造方法における貼付工程について説明する。図6は、本発明に係る立体造形物の使用例を説明する外観図である。図6(a)に示すように、物品Bは一般的な形状のワインボトルであり、立体画像1は、物品Bの球面形状の肩部から柱面形状の胴部にかけて貼り付けられて、物品Bを装飾するラベルとして使用される。詳しくは、立体画像1の裏面(熱膨張層3の裏面)および物品Bの表面の立体画像1を貼り付けられる領域の一方または両方に接着剤を塗布し、互いを貼り合わせる。このとき、立体画像1を、物品Bの表面の形状に沿うように、部分的にまたは全体に伸張させながら貼り付けることによって、間に気泡のないように、また、立体画像1に弛みや破れ等が生じないようにすることができる。接着剤は、物品Bと熱膨張層3の各材料に対応し、物品Bの用途に応じた粘着力や耐水性等の特性を有するものであればよく、公知の材料を選択することができる。なお、立体画像1は、このような物品の表面の一部に貼り付けられる小さなものに限られない。例えば、図6(b)に示すように、立体画像1B(図中、網掛けを付した領域)は、座面が緩やかな双曲放物面を有する背座一体の椅子である物品Cに、その表側(座面および背もたれ前面)全体に貼り付けられる。このような物品への貼付けは、革張り加工等の、物品に公知の化粧シートを貼り付ける方法で行うことができる。
(変形例)
基材2が、水溶紙21と主基材22の積層構造の場合は、水溶紙21に対して熱膨張層形成工程S12を行って、その表面に熱膨張層3を形成した後に、基材製造工程S11を行って、水溶紙21の裏面に主基材22を貼り合わせてもよい。また、外観で光熱変換層4が色彩層5に隠れるように印刷することが可能であれば、光熱変換層印刷工程S21と画像印刷工程S22を、1回の印刷で同時に行ってもよい。あるいは、凹凸を有する面への印刷が可能な印刷機を使用して、画像印刷工程S22を光照射工程S23の後に行うこともでき、この場合には色彩層5に黒色インクを使用することができるので、黒色が鮮明に表された画像が得られる。また、断裁工程S13は、熱膨張性シート10を、工程S21,S22,S23のそれぞれで使用する装置(印刷機、光照射装置)に対応している被印刷物等の寸法にするべく、いずれの段階で行ってもよい。切断工程S30は、伸縮性を有する熱膨張層3(立体画像1)に対する加工が可能であれば、基材除去工程S40の後に行ってもよい。
立体画像1は、接着剤を裏面(熱膨張層3の裏面)に塗布されて、この接着剤の層を挟んで剥離紙を貼り合わされたシールとされてもよい(図示せず)。シールとすることで、立体画像1は、市販のカッティングシートのように剥離紙を剥がしながら、簡便に所望の物品B,C(図6参照)に貼り付けることができる。接着剤は、前記したように、物品B等に対応した公知の材料を選択することができる。また、接着剤および剥離紙として両面テープを立体画像1に貼り付けてもよく、両面テープは、芯のない(接着剤のみの層を2枚の剥離紙で挟んだ)構造か、芯が熱膨張層3と同等以上の伸縮性を有するものを適用する。また、切断工程S30を、シールとした立体画像1に行ってもよい。立体画像1が、伸縮性のない剥離紙に積層されているので、基材除去工程S40の前と同様に加工が容易である。
前記実施形態に係る立体画像1は、表面の色彩層5の下に光熱変換層4が設けられているが、光熱変換層4のない構造とすることもできる。以下、実施形態の変形例に係る立体画像の構成について、図2を参照して説明する。図2(c)に示すように、変形例に係る立体画像1Aは、上面(表面)に凹凸を有する熱膨張層3と、当該立体画像1の表面、すなわち熱膨張層3の表面に形成されて画像を構成する色彩層5と、を備える。したがって、立体画像1Aは、図2(b)に示す立体画像1から光熱変換層4を除いた構造である。このような立体画像1Aは、色彩層5の下に黒色パターンである光熱変換層4がないので、白色インク等からなる隠蔽層を設けなくても、色彩層5が鮮明な外観を呈し、また色彩層5を設けない領域において熱膨張層3を凸状に形成することができる。
立体画像1Aは、立体画像1に用いたものと同じ熱膨張性シート10を用いて製造される。ただし、熱膨張性シート10は、裏面側に、すなわち基材2が裏面に黒色インクを印刷することが可能な構造とする。また、基材2は、厚さ方向において熱伝導性ができるだけ高いことが好ましい。そのために、基材2は、必要な強度を確保できる程度に厚さが小さいことが好ましい。さらに基材2は、例えば、紙よりも熱伝導性が高く、かつ厚さが小さくても強度が得られる樹脂等を主基材22に適用した積層構造としてもよい。
(立体画像の製造方法)
変形例に係る立体画像を製造する製造方法について、図4〜7、ならびに適宜図2および図3を参照して説明する。図7は、本発明の変形例に係る立体画像の製造方法における工程を説明する模式図であり、(a)は光熱変換層印刷工程、(b)は画像印刷工程、(c)は光照射工程のそれぞれにおける断面図を示す。また、変形例に係る立体画像の製造に使用する装置は、前記実施形態にて説明した通りである。図4に示すように、変形例に係る立体画像の製造方法は、前記実施形態と同様に、熱膨張性シート製造工程S10と、光熱変換層印刷工程S21と、画像印刷工程S22と、光照射工程S23と、基材除去工程S40と、を順に行い、また、必要に応じて、切断工程S30を行う。以下、変形例に係る立体画像1Aを製造する各工程について、特に前記実施形態に係る立体画像1を製造する工程と相違する工程を詳細に説明する。
熱膨張性シート製造工程S10は、前記実施形態にて説明した通りである(図5(a)参照)。
光熱変換層印刷工程S21においては、図7(a)に示すように、熱膨張性シート10の裏面(基材2の側の面)に黒色インクで光熱変換層4Aを印刷する。光熱変換層4Aは、立体画像1の光熱変換層4と同様に、光を吸収して熱に変換して放出する層であり、発熱温度に応じて熱膨張層3を膨張させて、立体画像1Aの表面に凹凸を形成する。そのため、光熱変換層4Aは、光熱変換層4と同様の、カーボンブラックを含有する一般的な印刷用の黒色インクを適用され、ただし、耐水性を有していなくてもよい。また、光熱変換層4Aのパターンは、光熱変換層4に対して鏡像である。また、光熱変換層4Aが放出した熱は、基材2を伝播して熱膨張層3に到達するので、熱膨張層3において熱が減衰される。そのため、光熱変換層4Aは、熱膨張層3の表面に直接に形成される立体画像1の光熱変換層4と比較して、外部(光照射装置)から照射される光の量に対して、濃度を高く(黒っぽく)形成される。さらに、光熱変換層4Aの熱は、熱膨張層3に到達するまでに基材2の面内方向にも伝播、拡散されるため、光熱変換層4Aの濃淡(黒白)の境界上において、熱膨張層3の凸状の立ち上がりが緩慢になる傾向がある。したがって、光熱変換層4Aにおいては、熱膨張層3の表面に傾斜面を形成するためのグラデーションが不要な場合がある。
画像印刷工程S22は、前記実施形態にて説明した通りである。本変形例では、図7(b)に示すように、熱膨張層3の表面に光熱変換層4がないので、色彩層5の全体が熱膨張層3に直接に形成される。また、光熱変換層印刷工程S21の前に画像印刷工程S22を行ってもよい。
光照射工程S23において、熱膨張性シート10の光熱変換層4Aを印刷した側の面(裏面)に光を照射する。光を照射する面以外は、前記実施形態にて説明した通りである。これにより、図7(c)に示すように、熱膨張層3が、光熱変換層4Aの濃淡に対応した温度に加熱されて膨張して、表面が隆起して凹凸を形成される。
切断工程S30および基材除去工程S40は、前記実施形態にて説明した通りである。基材除去工程S40により、基材2と共に光熱変換層4Aが除去されて、立体画像1Aが得られる。なお、光熱変換層4Aが非耐水性である場合は、水に溶解した黒色インクが立体画像1Aに付着しないようにする、または黒色インクを洗い流す。
得られた立体画像1Aは、立体画像1と同様に伸縮性を有し、図6に示すように、任意の形状の物品B,Cの表面に貼り付けて使用される(貼付工程)。また、立体画像1Aは、裏面に接着剤の層および剥離紙を設けられてもよい。
本変形例に係るに立体画像1Aは、前記したように、表面の側に黒色パターンである光熱変換層4がないので、白色インク等の隠蔽層なしで鮮明な外観を呈する一方、表面を、幅の狭い線等の微細な形状に凸状としたり、急峻な段差に形成し難い。そこで、このような急峻な段差や微細な凸状とする領域に限定して、熱膨張性シート10の表面側(熱膨張層3の表面)に光熱変換層4を形成し、その他の、特に広い面積で凸状とする領域や色彩層5を設けない領域には、熱膨張性シート10の裏面(基材2)に光熱変換層4Aを形成してもよい。すなわち、光熱変換層印刷工程S21を、熱膨張性シート10の両面のそれぞれに2回行う(順不同)。また、光照射工程S23も2回行うが、表面、裏面の順序で行うことが好ましい。このような方法で得られた立体画像1は、最も厚さの小さい(厚さt0の)領域以外における一部に光熱変換層4が形成され(図示せず)、鮮明な外観を呈し、凹凸形状による表現が豊かなものとなる。
また、光熱変換層4を非耐水性(水溶性)の黒色インクで形成することによって、立体画像1Aを製造することもできる。詳しくは、光熱変換層印刷工程S21を、画像印刷工程S22の次に行って、色彩層5の上、すなわち熱膨張性シート10の最表面に光熱変換層4を形成する。その後、光照射工程S23を経て、基材除去工程S40において、水を使用して、基材2を除去すると共に光熱変換層4を洗い流す。このような方法により、光熱変換層印刷工程S21および光照射工程S23を熱膨張性シート10の表面側へのみ各1回行って、鮮明な外観を呈し、凹凸形状による表現が豊かな立体画像1Aとなる。
基材2を除去する方法は、水洗に限られず、基材2の材料に応じて選択される。例えば、熱膨張層3および色彩層5に耐薬品性を有する材料を適用し、基材2(図3(b)参照)は、水溶層21に代えてこの薬品で分解される(溶解する)材料を適用することによって、基材除去工程S40で前記薬品を使用して基材2を除去することができる。また、水溶層21に代えて紫外線硬化樹脂の層を主基材22上に形成して、基材除去工程S40で熱膨張性シート10に紫外線を照射することによって基材2を剥離することもできる。紫外線硬化樹脂は、紫外線を照射されて硬化するに伴い粘着性が低下するものを適用する。また、紫外線を、主基材22と熱膨張層3の層間に到達させるために、熱膨張性シート10の光熱変換層4,4Aの形成されていない側から照射することが好ましく、あるいは、熱膨張層3が膨張した熱膨張性シート10(図7(c)参照)の裏面を研削して、光熱変換層4Aを印刷した主基材22の裏面側の表層ごと光熱変換層4Aを除去した後、この裏面側から紫外線を照射してもよい。
以上のように、本発明によれば、可撓性と伸縮性を有し、所望の形状の曲面に貼り付けることのできる立体造形物が容易に得られる。また、厚口の紙等の基材がないので、吸湿し難く、細く丸められる等、保管や運搬が容易である。
本発明に係る立体造形物は、用途が装飾材料に限られない。立体造形物は、特に熱膨張層3の発泡して膨張した部分が弾性を有することから、発泡シートやエアクッションのようなシート状の緩衝材に適用することができる。例えば、膨張させる部分を所望の図形や文字等の形状として規則的に繰り返し配置し、前記形状に合わせて色彩層5を印刷した立体画像1(1A)は、包装紙のような梱包材を兼ねることができる。また、熱膨張層3は膨張させた際の温度以上で溶融するので、立体画像1(1A)を重ねて熱圧着して袋状等に加工して使用することもできる。また、立体造形物は、容易に所望の凹凸形状を形成することができることから、例えば、微小かつ複雑な凹凸を有するマザーボード等の電子回路基板の緩衝材に適用することができる。このような立体造形物は、電子回路基板の型番毎に、搭載された各種電子部品の大きさや位置に対応して嵌合するように凹凸を形成される。なお、熱膨張性シート10の裏面に光熱変換層4Aを形成して、完成後に光熱変換層4Aのない立体画像1A(図2(c)参照)としてもよいし、表面に光熱変換層4を形成した立体画像1(図2(b)参照)とすることで、黒色インクのカーボンによる導電性を付与してもよい。このような緩衝材とする立体造形物は、色彩層5を形成されなくてもよく、あるいは、保護の対象である電子回路基板の型番、または電子回路基板に重ねる際の位置合わせ用の目印等を印刷されてもよい。また、立体造形物は、発泡して膨張した熱膨張層3を断熱材として、壁や窓等の建築資材に貼り付けて使用することもできる。このような立体造形物は、窓枠等の段差に合わせて凹凸を形成されることによって、建築資材に隙間なく貼り付けることが容易となり、また、凹凸により色彩層5と組み合わせて木目調やタイル調等に形成されて、壁紙のように装飾を兼ねることもできる。
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更実施が可能である。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
《請求項1》
可撓性および伸縮性を有して所定の温度以上に加熱されると膨張する熱膨張層と、前記熱膨張層を一面上に積層する基材と、を備え、吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換層を少なくとも一方の面に形成される立体造形物形成シートであって、
前記基材は、前記熱膨張層から除去することが可能であることを特徴とする立体造形物形成シート。
《請求項2》
前記熱膨張層は、耐水性を有し、
前記基材は、少なくとも前記一面側に水溶性材料を含有することを特徴とする請求項1に記載の立体造形物形成シート。
《請求項3》
前記熱膨張層は、エチレン−酢酸ビニル共重合体およびポリ塩化ビニルの少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の立体造形物形成シート。
《請求項4》
所定の温度以上に加熱されることにより膨張する熱膨張層を備え、一面側の表面に凹凸を形成された立体造形物であって、
可撓性および伸縮性を有することを特徴とする立体造形物。
《請求項5》
他面側に接着層を備えることを特徴とする請求項4に記載の立体造形物。
《請求項6》
表面に凹凸を有する立体造形物の製造方法であって、
基材の表面に、所定の温度以上に加熱されると膨張する熱膨張層を形成する熱膨張層形成工程と、
吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換層を、前記基材の裏面または前記熱膨張層の表面の少なくとも一方に形成する光熱変換層印刷工程と、
光を照射して前記光熱変換層に到達させて、前記光熱変換層を形成された領域において前記熱膨張層を膨張させる光照射工程と、
前記基材を前記熱膨張層の裏面から除去する基材除去工程と、を順に行うことを特徴とする立体造形物の製造方法。
《請求項7》
表面に凹凸を有する立体造形物の製造方法であって、
基材の表面に、所定の温度以上に加熱されると膨張する熱膨張層を形成する熱膨張層形成工程と、
吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換層を、前記基材の裏面または前記熱膨張層の表面の少なくとも一方に形成する光熱変換層印刷工程と、
光を照射して前記光熱変換層に到達させて、前記光熱変換層を形成された領域において前記熱膨張層を膨張させる光照射工程と、
前記基材を前記熱膨張層の裏面から除去する基材除去工程と、
前記熱膨張層の裏面を物品の表面に貼付する貼付工程と、を順に行うことを特徴とする立体造形物の製造方法。
《請求項8》
前記熱膨張層形成工程よりも後に、前記熱膨張層の表面に画像を形成する画像印刷工程をさらに行う請求項6または請求項7に記載の立体造形物の製造方法。
10 熱膨張性シート(立体造形物形成シート)
1,1A,1B 立体画像(立体造形物)
2 基材
21 水溶紙、水溶層(水溶性材料を含有する層)
22 主基材
3 熱膨張層
4,4A 光熱変換層
5 色彩層
S12 熱膨張層形成工程
S21 光熱変換層印刷工程
S22 画像印刷工程
S23 光照射工程
S40 基材除去工程

Claims (8)

  1. 可撓性および伸縮性を有して所定の温度以上に加熱されると膨張する熱膨張層と、前記熱膨張層を一面上に積層する基材と、を備え、吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換層を少なくとも一方の面に形成される立体造形物形成シートであって、
    前記基材は、前記熱膨張層から除去することが可能であることを特徴とする立体造形物形成シート。
  2. 前記熱膨張層は、耐水性を有し、
    前記基材は、少なくとも前記一面側に水溶性材料を含有することを特徴とする請求項1に記載の立体造形物形成シート。
  3. 前記熱膨張層は、エチレン−酢酸ビニル共重合体およびポリ塩化ビニルの少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の立体造形物形成シート。
  4. 所定の温度以上に加熱されることにより膨張する熱膨張層を備え、一面側の表面に凹凸を形成された立体造形物であって、
    可撓性および伸縮性を有することを特徴とする立体造形物。
  5. 他面側に接着層を備えることを特徴とする請求項4に記載の立体造形物。
  6. 表面に凹凸を有する立体造形物の製造方法であって、
    基材の表面に、所定の温度以上に加熱されると膨張する熱膨張層を形成する熱膨張層形成工程と、
    吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換層を、前記基材の裏面または前記熱膨張層の表面の少なくとも一方に形成する光熱変換層印刷工程と、
    光を照射して前記光熱変換層に到達させて、前記光熱変換層を形成された領域において前記熱膨張層を膨張させる光照射工程と、
    前記基材を前記熱膨張層の裏面から除去する基材除去工程と、を順に行うことを特徴とする立体造形物の製造方法。
  7. 表面に凹凸を有する立体造形物の製造方法であって、
    基材の表面に、所定の温度以上に加熱されると膨張する熱膨張層を形成する熱膨張層形成工程と、
    吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換層を、前記基材の裏面または前記熱膨張層の表面の少なくとも一方に形成する光熱変換層印刷工程と、
    光を照射して前記光熱変換層に到達させて、前記光熱変換層を形成された領域において前記熱膨張層を膨張させる光照射工程と、
    前記基材を前記熱膨張層の裏面から除去する基材除去工程と、
    前記熱膨張層の裏面を物品の表面に貼付する貼付工程と、を順に行うことを特徴とする立体造形物の製造方法。
  8. 前記熱膨張層形成工程よりも後に、前記熱膨張層の表面に画像を形成する画像印刷工程をさらに行う請求項6または請求項7に記載の立体造形物の製造方法。
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