JP2020004875A - 導電膜被覆熱膨張性シート、配線板およびその製造方法 - Google Patents

導電膜被覆熱膨張性シート、配線板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】少量生産に好適で容易に製造することのできる所望の配線パターンを形成された配線板、およびこのような配線板を形成することができる導電膜被覆熱膨張性シートを提供する。
【解決手段】導電膜被覆熱膨張性シートは、所定の温度以上に加熱されると膨張する熱膨張層2と、熱膨張層2を一面上に積層する基材3と、熱膨張層2側の表面を被覆する導電膜を備える。このような導電膜被覆熱膨張性シートの裏面に、光熱変換部材6として黒色インクで配線パターンの鏡像を印刷し、近赤外線光を照射して、表面を発熱した光熱変換部材6上で隆起させて凹凸に形成すると、導電膜が凹凸の段差で破断して配線1bと配線1tに分離し、配線板が得られる。
【選択図】図5E

Description

本発明は、配線板を形成する導電膜被覆熱膨張性シート、ならびに配線板およびその製造方法に関する。
プリント配線板(PWB:Printed Wiring Board)は、絶縁体からなる板状の基材の表面に銅等の導体からなる膜で配線パターンを付したものであり、IC(Integrated Circuit:集積回路)等の電子部品を実装することにより電子回路を構成して、コンピュータのマザーボード等に使用される。また、プリント配線板は、電子部品のデバッグ等にも使用される。このようなデバッグ用のプリント配線板は、対象の電子部品に応じた配線パターンを形成されるために、1〜数枚が注文生産によって製造される。一般に、プリント配線板は、全面に銅箔等を被覆した基材から、フォトリソグラフィおよびエッチングによって配線以外の銅箔を除去して製造される。また、基材が可撓性を有するフレキシブル配線板においては、基材に仮固着した銅箔を打抜き型で切断して不要部分を剥がし取った後、本固着して製造することもできる(例えば、特許文献1参照)。また、導電性インクで印刷することによって、直接に配線パターンを基材に形成した配線板が開発されている。
特許第2927215号公報
フォトリソグラフィおよびエッチングによるプリント配線板の製造方法は、製造設備が高価で、また、配線パターンのフォトマスク(原版)を製造する必要がある。また、特許文献1に記載された製造方法も、配線パターンの打抜き型を製造する必要がある。そのため、デバッグ用のプリント配線板は、1枚あたりの製造コストが高額で、また、プリント配線板の製造業者に発注してから入手するまでに日数を要するので、速やかな開発や解析等のためには、早期からプリント配線板を設計する必要がある。さらに、仕様変更等の場合には新たに費用と時間を要することになる。これに対して、印刷による製造方法は、導電性インクに対応した印刷機によって原版不要で製造することができ、製造枚数による1枚あたりのコストの変動が小さい。しかし、導電性インクを厚く均質に印刷することが困難であることから、印刷で形成した導電性インクの膜をシード層として、電気めっきを施すことによって配線パターンを完成させることが多い。
本発明の課題は、少量生産に好適で容易に製造することのできる所望の配線パターンを形成された配線板、およびその製造方法、ならびに前記配線板を形成することのできる導電膜被覆熱膨張性シートを提供することである。
上記課題を解決するため、本発明に係る導電膜被覆熱膨張性シートは、所定の温度以上に加熱されると膨張する熱膨張層と、一方の側の表面を被覆する導電膜と、を備え、前記熱膨張層は、前記導電膜側に突出して膨張し、一部の領域で前記熱膨張層が膨張することによって前記導電膜側の面に凹凸が形成されると、前記導電膜が前記凹凸の段差で破断して離間する構成とする。または、本発明に係る導電膜被覆熱膨張性シートは、前記熱膨張層を少なくとも一面上に積層した基材をさらに備える。
本発明に係る配線板製造方法は、所定の温度以上に加熱されると膨張する熱膨張層と、前記熱膨張層が一面上に積層される基材と、を備える熱膨張性シートの前記一面側の少なくとも一部の領域に、導電膜を形成する導電膜形成工程と、吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換成分を含有する印刷材料で、前記熱膨張性シートの前記基材側の面に配線を鏡像で描画する印刷工程と、前記熱膨張性シートの前記基材側に、前記光熱変換成分により熱に変換される光を照射して、前記配線が描画された領域において前記熱膨張層を膨張させて前記導電膜を形成した側の面を隆起させる光照射工程と、を行い、前記光照射工程が、前記熱膨張層の膨張高さの異なる境界で前記導電膜を破断させる構成とする。または、本発明に係る配線板製造方法は、前記印刷工程が前記導電膜を形成した側の面に配線を描画して、前記光照射工程が前記導電膜を形成した側に光を照射する構成とする。または、本発明に係る配線板製造方法は、前記導電膜形成工程に代えて、前記熱膨張層と、一方の側の表面を被覆する導電膜と、を備える導電膜被覆熱膨張性シートを形成する導電膜被覆熱膨張性シート形成工程を行い、また、前記印刷工程は、光を透過する基材の一面側、または前記導電膜被覆熱膨張性シートの前記熱膨張層の側の面のいずれかに配線を描画し、さらにその後、前記基材の前記一面に、前記導電膜被覆熱膨張性シートの前記熱膨張層の側の面を貼り合わせる貼合工程を行った後に、前記光照射工程を行う。
本発明に係る配線板は、所定の温度以上に加熱されることにより膨張する熱膨張層と、前記熱膨張層の一面側表面の一部を被覆する導電膜と、を備えて、前記導電膜で配線を構成する配線板であって、一部の領域で前記熱膨張層が膨張して前記一面側表面に凹凸が形成されていて、前記導電膜が前記凹凸の段差で離間している構成とする。
本発明に係る導電膜被覆熱膨張性シートによれば、所望の配線パターンの配線板を容易に製造することができる。本発明に係る配線板の製造方法によれば、所望の配線パターンの配線板を、容易に、所望の枚数だけ製造することができる。本発明に係る配線板によれば、低コストで、信頼性の高い所望の配線パターンとすることができる。
本発明に係る配線板の外観図である。 本発明の第1の実施形態に係る配線板の構成を示す模式図であり、図1のIIA−IIA線部分断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る配線板の構成を模式的に示す背面図である。 本発明の第1の実施形態に係る導電膜被覆熱膨張性シートの構成を模式的に示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る配線板の製造方法の流れを示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係る配線板の製造方法における工程を説明する模式図であり、破断容易膜形成工程における断面図を示す。 本発明の第1の実施形態に係る配線板の製造方法における工程を説明する模式図であり、導電膜被覆工程における断面図を示す。 本発明の第1の実施形態に係る配線板の製造方法における工程を説明する模式図であり、印刷工程における断面図を示す。 本発明の第1の実施形態に係る配線板の製造方法における工程を説明する模式図であり、光照射工程における断面図を示す。 本発明の第1の実施形態に係る配線板の製造方法における工程を説明する模式図であり、光照射工程における断面図を示す。 本発明の第1の実施形態に係る配線板を用いた回路板の構成を模式的に示す部分断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る配線板の別の構成を示す外観図である。 図7Aに示す配線板の背面図である。 本発明の第1の実施形態の変形例に係る配線板の構成を模式的に示す部分断面図である。 本発明の第1の実施形態の変形例に係る配線板の構成を示す外観図である。 図9Aに示す配線板の背面図である。 本発明の第2の実施形態に係る配線板の構成を模式的に示す平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る配線板の構成を示す模式図であり、図10AのXB−XB線部分断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る導電膜被覆熱膨張性シートの構成を模式的に示す断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る配線板の構成を示す模式図であり、図1のIIA−IIA線部分断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る導電膜被覆熱膨張性シートの構成を模式的に示す断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る配線板の製造方法の流れを示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態に係る配線板の製造方法における工程を説明する模式図であり、中間膜形成工程における断面図を示す。 本発明の第3の実施形態に係る配線板の製造方法における工程を説明する模式図であり、熱膨張層形成工程における断面図を示す。 本発明の第3の実施形態に係る配線板の製造方法における工程を説明する模式図であり、印刷工程における断面図を示す。 本発明の第3の実施形態に係る配線板の製造方法における工程を説明する模式図であり、貼合工程における断面図を示す。 本発明の実施形態に係る積層配線板の構成を示す模式図で、積層配線板を用いた回路板の部分断面図である。 本発明の実施形態に係る積層配線板の構成を示す模式図で、積層配線板を用いた回路板の部分断面図である。 本発明の第2の実施形態の変形例に係る導電膜被覆熱膨張性シートの構成を模式的に示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を、各図を参照して詳細に説明する。ただし、以下に示す形態は、本実施形態の技術思想を具現化するための配線板等を例示するものであって、以下に限定するものではない。図面に示す部材は、説明を明確にするために、大きさや位置関係等を誇張していることがあり、また、形状を単純化していることがある。また、以下の説明において、同一のまたは同質の部材や工程については、同一の符号を付し、説明を適宜省略する。
〔第1の実施形態:配線板〕
本発明の第1の実施形態に係る配線板の構成について、図1、図2Aおよび図2Bを参照して説明する。図1は、本発明に係る配線板の外観図である。図2A,2Bは、本発明の第1の実施形態に係る配線板の構成を示す模式図であり、図2Aは図1のIIA−IIA線部分断面図、図2Bは背面図である。本明細書において、配線板とは、プリント配線板と同様に、配線パターンを付したシート状の部材であり、配線の端部等を外部との接続端子として、電子部品が実装されることによって電子回路を構成する。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る配線板11は、平面視で矩形のシート状であり、一方の面(上面)に一定の段差(膨張高さh)の凹凸を有し、主に凸状の領域が回路の配線を構成する。図2Aに示すように、配線板11は、下から順に、基材3、熱膨張層2、中間膜4、導電膜1(1b,1t)を積層して備え、さらに基材3の下面の一部の領域に付着した光熱変換部材6を備える。詳しくは、熱膨張層2が部分的に膨張してこの部分が相対的に厚いことにより、上面に凹凸が形成されている。また、光熱変換部材6は、平面視で凸状の領域とほぼ重複して設けられているので、図2Bに示すように、配線板11の裏面(背面)において、上面の凸状の領域の鏡像となる。導電膜1は、上面を被覆しているが、凹凸の段差の側面は被覆しないため、凸状の頂面と凹状の底面とで離間している。導電膜1の下地として同じ部分に形成された中間膜4も同様であるため、段差の側面には熱膨張層2が露出している。また、中間膜4は、熱膨張層2側の破断容易膜42と導電膜1側の接着層41とからなる2層構造である(図3参照)。なお、本明細書においては、別途記載のない限り、図2Aおよびその他の断面図における上下を同じく上下として説明する。
前記したように、配線板11は凸状の領域が回路の配線を構成し、すなわちこの領域の頂面を被覆する導電膜1が配線であり、導電膜1のこの部分を配線1tと称する。これに対して、凹状の領域の底面を被覆する導電膜1の部分を配線1bと称し、配線板11においてはGND(基準電位)に接続されるための配線である。配線1tは、平面視で、一定の幅の線状で、端に向けて電子部品の端子に接続されるためにピッチを広げるように配線を引かれると共に、端が線幅よりも径の大きな円に形成されている。配線1tの端部のこのような形状は、後記するように電子部品の端子を十分な面積で接合するためであり、言い換えると、接続する電子部品の端子形状に合わせて形状やピッチを設計することが好ましい。また、配線1tの一部は、緩やかに下方へ傾斜して配線1bに接続するように形成されている。さらに、配線板11の、図1における右側手前の隅の面積の広い配線1tが下方へ傾斜して、角で配線1bの高さに形成されている。配線1bは、その下の熱膨張層2が膨張していないので、配線板11を用いた回路板の使用時に、電源に接続するためにワニ口クリップで挟む等されても熱膨張層2が大きく潰れず、配線1tよりも破損し難い。配線板11は、図3に示す導電膜被覆熱膨張性シート10から製造される。
〔第1の実施形態:導電膜被覆熱膨張性シート〕
配線板11の材料とする導電膜被覆熱膨張性シート10の構成について、図3を参照して以下に説明する。図3は、本発明の第1の実施形態に係る導電膜被覆熱膨張性シートの構成を模式的に示す断面図である。導電膜被覆熱膨張性シート10は、一様な厚さのシート状の部材であり、それぞれ均一な厚さの基材3、熱膨張層2、中間膜4、導電膜1を順に積層してなる。導電膜被覆熱膨張性シート10は、裏面すなわち基材3に光熱変換部材6を構成する黒色インクを印刷されるための被印刷物であり、配線板11以上の寸法であればよく、配線板11を製造する際に光熱変換部材6を形成するための印刷機に対応した寸法とし、例えばA4用紙サイズである。
(基材)
基材3は、軟質な熱膨張層2を表面で支持して、導電膜被覆熱膨張性シート10を被印刷物として十分な、また、熱膨張層2が部分的に膨張したときに、皺を生じたり大きく波打ったりせず、熱膨張層2の上面のみが変形し、好ましくは熱膨張層2の下面全体が平坦に保持される程度の強度(剛性)を有する。また、基材3は、配線板11の製造における温度、特に熱膨張層2を膨張させるための加熱温度に対する耐熱性を有する。また、基材3は、裏面上に形成された光熱変換部材6の放出した熱が、当該基材3を面内方向に伝播し難いように、熱伝導率が熱膨張層2と同程度に低い材料からなる。一方で、基材3は、前記熱が表面上に積層された熱膨張層2へ厚さ方向に伝播し易いように、前記強度が確保される程度に厚さが小さいことが好ましい。また、基材3は、一方の面(裏面)に、黒色インクを印刷されるように、必要に応じてインク受容層(図示省略)を有する。また、基材3は、配線板11、さらに配線板11を用いて電子回路(回路板)を製造する際に、切断したり孔を開けたりする等の加工が容易であることが好ましい。具体的には、基材3は、厚口の紙や、伸縮性のない耐熱性の樹脂フィルム等からなる。
(熱膨張層)
熱膨張層2は、部分的に膨張することにより、配線板11において表面に凹凸を生じると共に、表面に形成された導電膜1をこの凹凸の段差で破断させて、配線1tと配線1bとに分離させる絶縁部材である。このような熱膨張層2は、公知の熱膨張性シートに適用される、熱膨張性のマイクロカプセルを含有し、熱可塑性樹脂をバインダとして基材3上に均一な厚さh0に形成された膜である。マイクロカプセルは、熱可塑性樹脂で形成され、揮発性溶媒を内包し、所定の温度(膨張開始温度)以上に加熱されると、加熱温度、さらには加熱時間に応じた大きさに膨張する。すなわち、配線板11は、導電膜被覆熱膨張性シート10の熱膨張層2が加熱された領域で限定的に発泡して、加熱温度等に応じて気泡によって膨張して厚さが増大し、その結果、基材3に固定されていない上面が隆起して凹凸が生じる。熱膨張層2へのこのような部分的な加熱は、導電膜被覆熱膨張性シート10の裏面に形成された黒色インクからなる光熱変換部材6が、光を変換して熱を放出することによって行われる。熱膨張層2は、熱可塑性樹脂やマイクロカプセル内の揮発性溶媒の選択によって、膨張開始温度を約70℃の低温から300℃近い高温まで適宜設計することができる。本発明においては、配線板11を用いた回路板の使用時に、実装された電子部品の発熱等で非膨張の熱膨張層2が膨張しないように、熱膨張層2の膨張開始温度が100℃超であることが好ましい。
熱膨張層2は、所望の膨張高さhに応じて、膨張前の導電膜被覆熱膨張性シート10における厚さh0が設計される。なお、熱膨張層2は、マイクロカプセルの配合等によっては、最大で膨張前の10倍程度の厚さに膨張し、大きく膨張するにしたがい、気泡の体積比が増加してより軟質になる。膨張高さhとなるように膨張させた熱膨張層2が軟らか過ぎると、回路板の使用時等に細い配線1tが破損し易くなる場合があるので、熱膨張層2は、膨張した状態でもある程度硬さを有するように、材料や配合および厚さh0が調整、設計されることが好ましい。
(導電膜)
導電膜1は、配線板11の配線1t,1bを構成する導体であり、銅、銀、金、アルミニウム、鉄、ニッケル、クロム、コバルト等の金属やその合金、または炭素(カーボン)のような一般的な配線材料で形成され、また、これらの材料から選択される2種類以上の膜を積層した多層膜構造であってもよい。導電膜1は、導電膜被覆熱膨張性シート10において、膨張前の平坦な熱膨張層2の上面を被覆する一体の膜に形成され、熱膨張層2の膨張で上面に凹凸を生じる時に、この凹凸の段差で破断して配線1t,1bになる。導電膜1は、均質で良好な導電性を確保し易いことから、金属箔からなることが好ましい。具体的には、プリント配線板に多く適用される銅箔が挙げられ、さらに、表面側に錫やニッケル等のめっき膜を形成した銅箔を適用してもよく、また、ステンレス(SUS)箔やアルミニウム箔等を適用してもよい。金属箔は、密着性を高くするために、下側とする面(裏面)が適度に粗化されていることが好ましい。導電膜1は、配線1t,1bの必要な導電性を確保することのできる厚さとする。一方で、導電膜1は、厚いと熱膨張層2の膨張時に破断し難くなるので、配線1t,1bの導電性や線幅等に応じて、金属箔の種類を選択し、さらにその延性等の機械的特性に応じて破断可能な厚さに設計することが好ましい。例えば、プリント配線板等の配線材料として流通している電解銅箔であれば、厚さが数〜十数μmのものを適用することができ、10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましい。
(中間膜)
中間膜4は、導電膜1の構成等によって、必要に応じて設けられる。本実施形態においては、導電膜1が金属箔からなるので、中間膜4は、導電膜1を熱膨張層2上に貼り付けるための接着層41を備える。中間膜4はさらに、接着層41の下に破断容易膜42を備える。接着層41および破断容易膜42は、形成時に、熱膨張層2を溶解させる有機溶媒等を含有せず、また、熱膨張層2の膨張開始温度以上の加熱を要しない材料からなる。さらに接着層41は、公知の接着剤から選択され、導電膜1(金属箔)および破断容易膜42との密着性がよく、熱膨張層2を膨張させるための加熱温度においても、前記密着性を維持することのできる接着剤を適用する。破断容易膜42は、軟質な熱膨張層2が膨張する際に上面を伸長させて凹凸形状に変形するのに対して、この上面に追随して変形することなく、伸長量の大きい凹凸の段差で破断する。破断容易膜42がこのように破断することによって、導電膜1も同じく凹凸の段差で破断する。特に、接着層41が、弾性を有していたり高温である程度軟化したりして熱膨張層2の膨張時にある程度変形し易い状態である場合も、破断容易膜42が破断することによって、導電膜1を凹凸の段差で適正に破断させることができる。このような破断容易膜42は、熱膨張層2を膨張させるための加熱温度に対する耐熱性を有し、かつ、前記温度下で弾性、延性の高くない膜であり、熱膨張層2上に容易に形成することのできる材料からなる。具体的には、例えばインクジェット用紙の空隙型のインク受容層を流用することができ、多孔質のシリカやアルミナを含有する10〜数十μm程度の厚さの膜に形成される。
また、中間膜4(接着層41、破断容易膜42)は、樹脂やシリカ等の非金属からなるので、金属からなる導電膜1よりも熱伝導率が大幅に低い。熱膨張層2の上面に直接に導電膜1が設けられた場合、光熱変換部材6の放出した熱が熱膨張層2の上面まで伝播して膨張開始温度以上に到達すると、この熱が熱伝導率の高い導電膜1を面内方向に伝播するので、光熱変換部材6が設けられた領域の外側まで導電膜1を介して熱膨張層2が加熱されて膨張することになる。すなわち、熱伝導率の低い中間膜4が間に設けられていることによって、光熱変換部材6の放出した熱が導電膜1まで伝播し難く、配線パターン形状を制御し易い。
なお、基材3に熱膨張層2を積層した部材として、一面に凹凸を有するシート状の立体造形物を製造するためのシート(熱膨張性シート)を流用することができる。さらに、このような熱膨張性シートは、凹凸を形成される側の面、すなわち熱膨張層2側の面に、カラーインクで所望の色彩の画像パターンを印刷されるために、インク受容層を形成されている。したがって、インク受容層を破断容易膜42とし、この上に接着剤で金属箔を貼り付けることによって、接着層41および導電膜1をさらに備えて導電膜被覆熱膨張性シート10とすることができる。
配線板11の構成に戻り、導電膜被覆熱膨張性シート10と異なる要素について説明する。
(熱膨張層)
熱膨張層2は、前記したように、上面の凹凸によって、頂面上の配線1tと底面上の配線1bとを離間させる。凹凸の段差はより急峻であることが好ましく、理想的には、段差の側面が垂直で、また、頂面および底面がそれぞれ平坦である。膨張高さh(配線板11における配線1tと配線1bの高低差)は、隣り合う配線1tと配線1bが短絡することのない高さとし、さらに、配線板11の製造において、熱膨張層2が膨張して上面が凹凸形状に変形した時に、導電膜1を凹凸の段差で破断に至らせる高さとする。膨張高さhが高いほど、熱膨張層2の膨張時に導電膜1が破断し易く、このような膨張高さhは、導電膜1の機械的特性や厚さに基づいて設計することができる。一方で、膨張高さhが高いと、配線パターンの形状の制御が困難になり、特に配線1tの線幅を細く形成難く、また、細い配線1tが破損し易くなる。したがって、膨張高さhは、配線1tの最小線幅の1.5倍以下が好ましく、1倍以下がより好ましい。なお、配線1tと配線1bを接続する部分は、導電膜1が破断しないように、熱膨張層2の膨張高さをhから0へ連続的に変化させて、凸状の領域から凹状の領域へ段差のない緩やかな傾斜を形成する。
(光熱変換部材)
光熱変換部材6は、図2A,2Bに示すように、導電膜被覆熱膨張性シート10の基材3側の表面(裏面)に形成される黒色パターンである。光熱変換部材6は、特定の波長域の光、例えば近赤外線(波長780nm〜2.5μm)を吸収して、熱に変換して放出する部材であり、具体的にはカーボンブラックを含有する一般的な印刷用の黒色(K)インクからなる。光熱変換部材6は、濃淡、すなわちカーボンブラックの濃度に応じて光を照射されたときの発熱温度が変化し、この温度に応じて導電膜被覆熱膨張性シート10の熱膨張層2を膨張させて、表面に凹凸を形成する。本明細書において、「光」とは、別途記載のない限り、光熱変換部材6のカーボンブラックによって熱に変換される近赤外線(近赤外光)とする。なお、熱に変換されるのであれば光に限られず、電波等を含めた電磁波を適用し得る。
本発明においては、凹凸の段差がより急峻であることが好ましく、また、凸状の領域の高さが一様であるので、この配線1tを形成する領域と凹状すなわち配線1bを形成する領域とで、光熱変換部材6のカーボンブラックの濃度差が最大となるように設計されることが好ましい。具体的には、凹状の領域には白色(濃度0%の黒色)すなわち光熱変換部材6を設けず、凸状の領域には、熱膨張層2を膨張させるために適用される最大濃度で光熱変換部材6を設け、図2Bでは黒色で表す。また、配線1tと配線1bを接続する部分は、濃度を連続的に変化させたグラデーションで形成される。なお、光熱変換部材6は、導電膜被覆熱膨張性シート10の裏面に印刷されるので鏡像に設計される。また、平面視で、光熱変換部材6を設けた領域よりも、配線1tが外側へ広がって形成される。すなわち、光熱変換部材6の境界(黒色と白色の境界)に対して、白色の側へシフトした位置で凹凸の段差が形成され、このずれは、膨張高さhが高いほど大きい。そのため、光熱変換部材6の黒色パターンは、配線1tの平面視形状に対して、小さく、幅狭に設計される。また、グラデーションで形成される部分は、配線1tの線幅を一定とするためには、濃度が低くなるにしたがい、幅を漸増させる。
〔導電膜被覆熱膨張性シートおよび配線板の製造方法〕
(製造装置)
本発明に係る導電膜被覆熱膨張性シートおよび配線板の製造に使用する装置について簡潔に説明する。導電膜被覆熱膨張性シート10の製造には、一例として、膨張前の熱膨張層2を基材3上に形成する塗布装置、熱膨張層2上に破断容易膜42上に形成する塗布装置、熱膨張層2等を積層した基材3と金属箔とを貼り合わせる、貼り合わせ装置、さらに必要に応じて、導電膜被覆熱膨張性シート10を所望の寸法に加工するために、紙等を断裁する公知の断裁機が使用される。配線板11の製造には、導電膜被覆熱膨張性シート10の基材3側表面(裏面)に黒色インクで光熱変換部材6を印刷する印刷機と、導電膜被覆熱膨張性シート10に近赤外線を照射することにより光熱変換部材6を加熱して熱膨張層2を膨張させる光照射装置と、が使用される。
塗布装置は、塗料を紙等のシート状の基材に塗布して均一な厚さの塗膜を形成する装置であり、バーコーター、ローラー、スプレー等の方式による公知の装置を適用することができ、熱膨張層2を形成する装置は特に、均一な厚塗りに好適なバーコーター方式のものが好ましい。貼り合わせ装置は、例えば、シート状の基材(熱膨張層2等を積層した基材3)と金属箔とをそれぞれ搬送しながら重ね合わせる搬送機構と、重ね合わせられる前に基材または金属箔の一面上に接着剤を塗布する塗布機構と、を備え、前記搬送機構は、基材と金属箔を重ね合わせた後、両面から所定の加圧で押し付けながら搬送して密着させる。貼り合わせ装置はさらに、接着剤の種類によっては、熱膨張層2の膨張開始温度未満で加熱して接着剤を硬化させる加熱機構を備える。
印刷機は、光熱変換部材6を印刷する印刷機であり、オフセット、インクジェット等の公知の装置から印刷品質等に対応したものを選択することができ、特に、少量生産に好適なインクジェット式が好ましい。また、印刷機は、被印刷物である導電膜被覆熱膨張性シート10の寸法および厚さに対応可能な仕様とし、さらに、被印刷物が熱膨張層2の熱膨張開始温度以上に加熱されない方式とする。
光照射装置は、導電膜被覆熱膨張性シート10の光熱変換部材6を形成した側の面(裏面)に光を照射して、熱膨張層2を加熱させる装置であり、熱膨張性シートで立体造形物を形成するための公知の装置を適用することができ、被照射物である配線板11の厚さに対応可能な仕様とする。詳しくは、光照射装置は、印刷機のようにシート状の被照射物を一方向に搬送する搬送機構と、光熱変換部材6によって熱に変換される近赤外線を含む光を放射する光源と、反射板と、当該光照射装置を冷却する冷却器と、を主に備える。光源は、例えばハロゲンランプであり、被照射物へその全幅にわたって設けられる。反射板は、光源から被照射物へ光を効率的に照射するために、略半円柱の柱面形状の曲面に形成されて内側に鏡面を有し、光源の被照射物と対向する側の反対側を覆う。冷却器は、空冷方式のファンや水冷方式のラジエータ等であり、反射板の近傍に設けられる。さらに、加熱温度が高温である場合には、導電膜被覆熱膨張性シート10を、前記光源から光を照射される前に、膨張開始温度近傍(膨張開始温度未満)まで加熱する予備加熱機構を備えてもよい。予備加熱機構は、例えば、前記光源よりも低出力の光源や、温風の送風装置である。
(配線板の製造方法)
第1の実施形態に係る配線板の製造方法について、図4、図5A〜5E、ならびに適宜図3を参照して説明する。図4は、本発明の第1の実施形態に係る配線板の製造方法の流れを示すフローチャートである。図5A〜5Eは、本発明の第1の実施形態に係る配線板の製造方法における工程を説明する模式図であり、図5Aは破断容易膜形成工程、図5Bは導電膜被覆工程、図5Cは印刷工程、図5D,5Eは光照射工程、のそれぞれにおける断面図を示す。図4に示すように、本実施形態に係る配線板の製造方法は、導電膜被覆熱膨張性シート10を製造する導電膜被覆熱膨張性シート製造工程S10と、印刷工程S21と、光照射工程S23と、を順に行う。また、導電膜被覆熱膨張性シート製造工程S10は、熱膨張層形成工程S12と、破断容易膜形成工程S13と、導電膜被覆工程S14と、を順に行い、さらにその後に必要に応じて、断裁工程S16を行う。
熱膨張層形成工程S12において、基材3の原紙30の一面上(表側)に熱膨張層2を形成する(図5A参照)。原紙30は、断裁前の基材3であり、塗布装置に対応した大きさの、例えば巻取り紙である。また、原紙30は、少なくとも前記一面の反対側の面が、例えばインク受容層が形成された印刷可能な構造である。熱膨張性のマイクロカプセル、白色顔料、および熱可塑性樹脂溶液を混合してスラリーを調製し、塗布装置でスラリーを原紙30に塗布し、乾燥させ、さらに必要に応じて重ね塗りを行って、一定の所望の厚さh0の熱膨張層2を形成する。
破断容易膜形成工程S13において、図5Aに示すように、熱膨張層2上に破断容易膜42を形成する。熱膨張層形成工程S12と同様に、破断容易膜42の材料のスラリーを調製し、塗布装置でスラリーを原紙30上の熱膨張層2に塗布し、乾燥させて、所定の厚さの破断容易膜42を形成する。
導電膜被覆工程S14において、図5Bに示すように、熱膨張層2および破断容易膜42を積層した原紙30の破断容易膜42側の表面に接着剤を塗布し、金属箔(導電膜1)を貼り付ける。そして、両面から加圧し、同時に、必要に応じて熱膨張層2の膨張開始温度未満の所定の温度に加熱して、接着剤を硬化させて接着層41とする。
断裁工程S16において、原紙30およびその上の熱膨張層2、中間膜4、導電膜1を切断して、後続の印刷工程S21で使用する印刷機に対応した寸法の導電膜被覆熱膨張性シート10(図3参照)を得る。
印刷工程S21において、図5Cに示すように、導電膜被覆熱膨張性シート10の裏面(基材3の側の面)に黒色インクで光熱変換部材6を印刷する。
光照射工程S23において、導電膜被覆熱膨張性シート10の光熱変換部材6を印刷した側の面(裏面)に光を照射する。光が光熱変換部材6に入射、吸収されると熱に変換され、熱が基材3の裏面から表面へ伝播して、熱膨張層2が光熱変換部材6の濃淡に対応した温度に加熱される。熱膨張層2は膨張開始温度以上に到達した部分が膨張し、図5Dに示すように、表面が隆起して凹凸を生じる。熱膨張層2の膨張が進行すると、表面の凸状の領域がさらに隆起して凹凸差が拡大し、途中、凹凸差がある程度の高さになった時点で、図5Eに示すように、表面の導電膜1がその下の中間膜4と共に凹凸の段差で破断して配線1tと配線1bを形成する。導電膜被覆熱膨張性シート10への光の照射を停止して一定時間(短時間)経過すると、熱膨張層2は、温度が膨張開始温度未満に冷却されることによって、膨張およびそれに伴う表面の変形が完了し、配線板11が得られる。
熱膨張層2の加熱温度は、光熱変換部材6の濃度が最も高い領域で、熱膨張層2のマイクロカプセルの膨張率が最大となる温度の近傍(膨張開始温度+30〜50℃程度)とすることが好ましい。また、導電膜1を破断させるために、熱膨張層2の変形(膨張)する速度がある程度速いことが好ましい。そのために、熱膨張層2の膨張開始温度到達から加熱温度(最高温度)到達までの期間が短時間であることが好ましい。このような温度推移となるように、光照射装置の光源の出力や搬送速度等を設定する。
(回路板の製造方法)
本実施形態に係る配線板11を用いて回路板を製造する方法について、その一例を、図6を参照して説明する。図6は、本発明の第1の実施形態に係る配線板を用いた回路板の構成を示す部分断面図である。なお、図6においては、配線板11について、配線1t,1b、熱膨張層2、および基材3のみを示す。配線板11を用いた回路板は、支持基板9上に固定された配線板11に、ICやコンデンサ等の電子部品82を実装してなる。まず、必要に応じて、配線板11を所望の形状に切り出す。例えば、配線1t,1bを形成されていない不要な領域を切り落とす。形状に応じて、断裁機による切断やはさみ等を使用した手作業等で加工する。この配線板11の裏面と支持基板9とを、両面テープ等の接着部材37で貼り合わせる。支持基板9は、絶縁性の平坦な板状の部材であり、可撓性を有する配線板11を平坦に固定し、また、シート状である配線板11の厚みを補填して、実装した電子部品を固定され易くするために、必要に応じて設けられる。支持基板9は、手作業で穴開け等の加工可能かつ棒状の部品等を突き刺した状態で固定する程度の剛性を有することが好ましく、数mm以上の厚さの、板紙、硬質の発泡プラスチック板、木材等を適用することができる。
配線板11の配線1tの端部の円の中心に、下の熱膨張層2を潰さないように、ポンチや錐等で、適切な径の穴を必要な深さに、配線板11を貫通してさらに支持基板9まで開ける。この穴に、図6に示すように、鍔付きのインサートピン81を差し込んで支持基板9で固定すると共に、配線1tと鍔の下面とを導電性接着剤7で接合する。インサートピン81は、プリント配線板のスルーホールに挿嵌する部品で、鍔の上側が電子部品の端子を接続するための形状(図6では、上から差し込むための穴)に形成されている。また、コンデンサや抵抗等の電子部品82の端子を直接に配線板11に開けた穴に差し込んで、端子と配線1tとを導電性接着剤7で接合することもできる。また、配線板11に穴を開けずに、ビニール線83の被膜を除去した先端部と配線1tとを導電性接着剤7で接合することもできる。この他に、ICのソケットまたは直接にICの端子を接合する。導電性接着剤7は、銀等の微粒子と樹脂を混合したペースト状の公知の接着剤を適用することができ、熱膨張層2の膨張開始温度未満で硬化させることのできるものを選択する。
また、熱膨張層2や接着層41等の熱的性質によっては、配線1tへの接続に、導電性接着剤7に代えて、はんだを適用することもできる。具体的には、はんだ付け温度が、接着層41等の耐熱温度以下であり、かつ、膨張した熱膨張層2が潰れたりさらに大きく膨張したりする等の変形を生じることのない範囲とする。このようなはんだとして、Sn−Bi系等の低温はんだが挙げられる。
(変形例)
導電膜被覆熱膨張性シート10は、全面に熱膨張層2や導電膜1が設けられていなくてよく、具体的には、印刷機による印刷可能領域外には、配線1t,1bを形成することができないので、不要である。特に、原料コストを低減するために、導電膜1を印刷可能領域に限定して設けてもよい。このような導電膜被覆熱膨張性シート10は、例えば、導電膜被覆工程S14において、熱膨張層2等を積層した原紙30上に、導電膜被覆熱膨張性シート10よりも一回り小さな寸法に断裁した金属箔(導電膜1)を、所定の間隔を空けて配列して貼り付けて製造することができる。あるいは、前記の導電膜被覆工程S14の前に断裁工程S16を行ってもよい。なお、断裁工程S16は、導電膜被覆熱膨張性シート10を、工程S14,S21,S23のそれぞれで使用する装置(貼り合わせ装置、印刷機、光照射装置)に対応している被印刷物等の寸法にするべく、いずれの段階で、また、複数回行ってもよい。
導電膜被覆熱膨張性シート10は、導電膜1の疵付きや破損等を防止し、また、埃や湿気等から保護するために、表面(導電膜1上)に保護フィルムが設けられていてもよい(図示せず)。保護フィルムは、配線板11を製造する際、光照射工程S23よりも前に、好ましくは印刷工程S21の後に、剥離、除去される。そのために、保護フィルムは、導電膜被覆熱膨張性シート10全体で可撓性を有するように、薄く、可撓性を有するポリプロピレンフィルムやグラシン紙等の樹脂や紙からなる。また、剥離性を有する接着剤で貼り付けられる場合には、導電膜1から剥離可能なように、当該導電膜1は表側の面の表面粗さが小さいことが好ましい。このような保護フィルムは、導電膜被覆工程S14の後に、形成した導電膜1に貼り付けられることによって設けられ、あるいは、予め金属箔と貼り合わされて、導電膜被覆工程S14において、熱膨張層2等を積層した原紙30に金属箔と共に積層される。
接着層41に導電性接着剤を適用して、導電膜1の一部としてもよい。導電性接着剤は、回路板の製造に用いる導電性接着剤7と同様、熱膨張層2の膨張開始温度未満で硬化させることのできるものを選択する。また、接着層41は、耐熱性の硬化型の接着剤を適用して高温下でも破断し易い構造とすることができ、したがって、破断容易膜42を設けなくてもよい。このような接着剤として紫外線硬化型樹脂からなるものが挙げられ、適用する場合には、導電膜被覆工程S14において紫外線を照射するために、導電膜1を構成する金属箔をメッシュタイプとする。
導電膜1は、金属箔に限られず、フレキシブル配線板の配線形成等に用いられる導電性インクで形成することもできる。導電性インクは、導電性接着剤と同様、銀、銅、カーボン等の微粒子と樹脂の混合物、あるいは前記微粒子を分散剤と共に有機溶媒に分散させてなり、焼成温度が熱膨張層2の膨張開始温度未満のものを選択する。このような導電膜1は、インク受容層となる破断容易膜42を形成した上に、導電膜被覆工程S14で、導電性インクを所望の厚さに塗布し、所定の温度で焼成する。すなわち、接着層41が不要となる。導電性インクの塗布方法は、熱膨張層形成工程S12と同様にバーコーター等の塗布装置を使用することができ、または、スクリーン印刷等で所望の領域に塗布してもよい。また、銅を含有する導電性インクからなる膜を形成した上に、電気銅めっきで銅を成膜して導電膜1を形成してもよい。このような導電膜1は、銅めっき膜が主体となるので、比較的破断し易く、また、導電性インクを厚膜に形成しなくてよく、さらに、導電性インクの膜を低抵抗化するための高温の焼成をしなくてもよい。なお、この場合に、基材3等は、耐水性、耐薬品(硫酸)性の材料を適用する。
光熱変換部材6は、印刷機を用いずに形成することもできる。印刷工程S21において、例えば、黒色インクのフェルトペン、墨汁と筆、鉛筆等の筆記具を用いて、手描きで導電膜被覆熱膨張性シート10の裏面に配線パターンの鏡像を形成する。筆記具は、一定の黒色濃度で描画でき、また、熱膨張層2が軟質であるので筆圧の高くないものが好ましく、具体的にはフェルトペンが好ましい。光熱変換部材6を描画する前に、導電膜被覆熱膨張性シート10の裏面に色鉛筆等で下描きしてもよい。
配線板11は、配線1bが主に回路の配線を構成してもよい。配線1bは、膨張高さhに対して線幅を細く形成し易く、また、下の熱膨張層2が膨張していないので比較的硬く、破損し難い。このとき、隣り合う配線1b,1bに挟まれた、回路の配線を構成しない配線1tは、これらの配線1b,1t,1bが互いに絶縁される範囲であれば、膨張高さhにかかわらず線幅を細く形成することができる。なお、配線1bは、接続用の端部の径を大きく形成することが好ましく、電子部品の実装の際に、導電性接着剤7が周囲の配線1tに付着して短絡させないようにする。このような配線板11を製造するためには、光熱変換部材6について、図2Bに示す光熱変換部材6のパターンを白黒反転させた上、形成しようとする配線1bよりも白抜きの線幅を太くする。また、配線板11は、配線1t,1bが共に回路の配線を構成することもでき、平面視で隣接した配線1t,1bによって狭ピッチ化することができる。一例として、図7Aに示すように、配線1tを1本の等間隔の渦巻(スパイラル)形状に形成すると、間に形成される配線1bも1本の渦巻となる。図7Bに、図7Aに示す配線板11の背面図を示す。この配線1tと配線1bを、内外の端でそれぞれ傾斜させて接続することによって、2本の導線を巻き回した平面コイルとなり、内端の配線1tに電源の正極、外端の配線1bに負極を接続する。
配線板11は、熱膨張層2が段階的に異なる2以上の膨張高さで膨張して階段状の凹凸形状を有し、各段の表面に段差で離間した導電膜1を備える構成とすることもできる。本実施形態の変形例に係る配線板について、図8を参照して説明する。図8は、本発明の第1の実施形態の変形例に係る配線板の構成を模式的に示す部分断面図である。第1の実施形態の変形例に係る配線板11Aは、熱膨張層2が、部分的に2段階の膨張高さh,h1(<h)で膨張して、膨張していない凹状の領域と合わせて3段階の高さを有する凹凸が表面に形成され、それぞれの頂面や底面が配線1t,1m,1bで被覆されている。配線板11Aは、配線板11と同様に、導電膜被覆熱膨張性シート10から製造される。
熱膨張層2の膨張高さh(配線1tと配線1bの高低差)および膨張高さh1(配線1mと配線1bの高低差)は、第1の実施形態に係る配線板11における膨張高さhと同様に、隣り合う配線1mと配線1t、配線1mと配線1bがそれぞれ短絡することのない高さとする。さらに、配線板11Aの製造において、熱膨張層2が膨張して上面が凹凸形状に変形した時に、導電膜1を凹凸の段差(高低差h1,h2(=h−h1))で破断に至らせる高さとする。高低差h1と高低差h2は、同一でなくてよい。また、配線板11Aにおいては、配線1tと配線1m、配線1mと配線1bを接続してもよく、配線板11と同様に、このような部分は、導電膜1が破断しないように、熱膨張層2の膨張高さを連続的に変化させて段差のない緩やかな傾斜を形成する。
本変形例においては、光熱変換部材6は、配線1mを形成する領域に、配線1tを形成する領域よりも低いカーボンブラック濃度(灰色)で設けられる。詳しくは、最大濃度の光熱変換部材6(図8では黒色で表す)で膨張高さhとするので、それに基づいて熱膨張層2が膨張高さh1に膨張する濃度を算出して設定する。また、光熱変換部材6のパターンの線幅に対する配線1t,1m,1bの各線幅の差は、凹凸の段差h,h1,h2によって異なるので、膨張高さh,h1だけでなく、配線板11Aの配線パターンに基づいて、光熱変換部材6のパターンを設計する。
配線板11Aは、高さの異なる3段の配線1t,1m,1bの1段を絶縁用の領域に設定することによって、残りの2段の配線で狭ピッチとしつつ、配線パターンの設計の自由度が向上する。例えば、最大の膨張高さhにより比較的線幅を細く形成し難い配線1tを、主に絶縁領域に設定して電源や電子部品を接続しない構成とする。そして、平面視で隣接した配線1m,1bによって、狭ピッチな平線パターンを構成する。また、配線板11Aは、配線1t,1m,1bのすべてで回路の配線を構成することもできる。一例として、図9Aに示すように、配線1b,1m,1t,1m,1b,1m,1t,1m,…の順に、一箇所で切断された同心円状のパターンを形成し、配線1mを両端で下方または上方に傾斜させて隣り合う配線1mと配線1b、配線1mと配線1tを接続することによって、1本の導線を巻き回した平面コイルを形成することができる。そして、内端の配線1mに電源の正極、外端の配線1bに負極を接続する。図9Bに、図9Aに示す配線板11Aの背面図を示す。
〔第2の実施形態:配線板〕
第1の実施形態に係る配線板は、導電膜被覆熱膨張性シートの裏側の面に配線パターンの鏡像を印刷して、裏側から光を照射して製造されるが、表側の面に配線パターンの正像を印刷して、表側から光を照射して製造することもできる。以下、本発明の第2の実施形態に係る配線板について、図10Aおよび図10B、ならびに適宜図1を参照して説明する。図10A,10Bは、本発明の第2の実施形態に係る配線板の構成を示す模式図であり、図10Aは平面図、図10Bは図10AのXB−XB線部分断面図である。前記実施形態(図1〜5参照)と同一の要素については同じ符号を付し、説明を省略する。
本発明の第2の実施形態に係る配線板11Bは、図1に示す第1の実施形態に係る配線板11と同様、一方の面に膨張高さhの凹凸を有し、主に凸状の領域が回路の配線を構成するシート状の部材である。配線板11Bは、凹凸の段差を除く上面が導電膜1A(配線1t,1b)で被覆されているが、その上をさらに被膜5で被覆されている。詳しくは、図10Bに示すように、配線板11Bは、下から順に、基材3、熱膨張層2、中間膜4、導電膜1A、被膜5を積層して備え、さらに被膜5の表面の一部の領域に付着した光熱変換部材6Aを備える。また、被膜5は、導電膜1A側の剥離層51と、最上層のインク受容層52とからなる2層構造である(図11参照)。すなわち、配線板11Bは、導電膜1Aの上に剥離層51およびインク受容層52が積層されていることと、裏側の光熱変換部材6に代えて表側に光熱変換部材6Aが付着していることを除いて、配線板11と概ね同様の構成である。このような配線板11Bは、図11に示す導電膜被覆熱膨張性シート10Bから製造される。
〔第2の実施形態:導電膜被覆熱膨張性シート〕
配線板11Bの材料とする導電膜被覆熱膨張性シート10Bの構成について、図11を参照して以下に説明する。図11は、本発明の第2の実施形態に係る導電膜被覆熱膨張性シートの構成を模式的に示す断面図である。本実施形態に係る導電膜被覆熱膨張性シート10Bは、一様な厚さのシート状の部材であり、それぞれ均一な厚さの基材3、熱膨張層2、中間膜4、導電膜1A、剥離層51、インク受容層52を順に積層してなる。導電膜被覆熱膨張性シート10Bは、表面(上面)に光熱変換部材6Aを構成する黒色インクを印刷されるための被印刷物である。導電膜被覆熱膨張性シート10Bは、第1の実施形態の導電膜被覆熱膨張性シート10と同様、配線板11B以上の寸法であればよく、配線板11Bを製造する際に光熱変換部材6Aを形成するための印刷機に対応した寸法とする。
(基材、熱膨張層、中間膜)
基材3、熱膨張層2、および中間膜4は、それぞれ第1の実施形態と同様の構成である。ただし、本実施形態において、基材3は、厚さ方向に熱を伝播させる必要がないので、導電膜被覆熱膨張性シート10Bの全体の厚さが配線板11Bの製造に支障のない範囲で、厚いものを適用することができる。
(導電膜)
導電膜1Aは、第1の実施形態の導電膜1と同様に、配線板11Bの配線1t,1b(図2A参照)を構成する導体である。ただし、導電膜1Aは、近赤外線の吸収率が光熱変換部材6Aよりも十分に低い材料が選択され、したがって、炭素よりも金属材料が好ましい。さらに、導電膜1Aは、熱伝導率の低い材料が好ましく、金属材料の中で比較的熱伝導率の低い鉄やニッケル、またはこれらを基とするSUS等の合金が好ましい。または、導電膜1Aは、光反射率の高い金属からなる層の下に、より熱伝導率の低い炭素からなる層を備えた積層構造としてもよい。このような積層構造であれば、熱伝導率の高い金属層の厚さを薄くすることにより、熱の面内方向への伝播を抑制することができる。また、導電膜1Aは、その上に設けられる剥離層51が剥離し易いように、表側の面(上面)の表面粗さが小さいことが好ましい。
(剥離層)
剥離層51は、導電膜被覆熱膨張性シート10Bの最表面に設けられるインク受容層52が絶縁性であることから、配線板11Bにおいて、配線1tまたは配線1bに電子部品を接続する際にこれを露出させるために設けられる。剥離層51は、熱膨張層2を膨張させるための加熱温度に対する耐熱性と、剥離性を有する接着剤からなる。剥離層51はさらに、前記加熱温度下で破断し易いことが好ましく、例えば熱硬化型接着剤を適用することができる。また、剥離層51は、前記接着剤の上に、樹脂フィルムを備えてもよい。樹脂フィルムは、前記加熱温度下で破断し易い樹脂からなる。剥離層51が樹脂フィルムを備えることにより、配線板11Bから、所望の領域の剥離層51とインク受容層52を除去し易くなる。
(インク受容層)
インク受容層52は、導電膜1Aがインクを付着させ難いことから、光熱変換部材6Aを構成する黒色インクを付着させるために、導電膜被覆熱膨張性シート10Bの最表面に設けられる。インク受容層52は、一般的なインクジェットプリンタ印刷用紙に使用されるものが適用され、空隙にインクを吸収させる多孔質のシリカ、アルミナ(空隙型)や、膨潤してインクを吸収する高吸水性ポリマー(膨潤型)等からなり、材料等に応じて10〜数十μm程度の厚さに形成される。本実施形態においては、インク受容層52は、耐熱性に優れ、かつ破断し易い空隙型が好ましい。
(光熱変換部材)
光熱変換部材6Aは、導電膜被覆熱膨張性シート10Bの導電膜1A側の表面(上面)に形成される黒色パターンであり、図10Bに示すように、配線パターンの正像、すなわち、図2Bに示す光熱変換部材6と対称に形成される。光熱変換部材6Aは、光熱変換部材6と同様に、カーボンブラックを含有する黒色インクからなる。また、本実施形態においては、光熱変換部材6Aと熱膨張層2の間に熱伝導率の高い導電膜1Aが設けられているので、光熱変換部材6Aの放出した熱が、熱膨張層2まで伝播する前に導電膜1Aを面内方向に伝播する。その結果、配線板11Bは、光熱変換部材6Aを設けた領域よりも、配線1tが外側へ広がって形成される傾向がある。そのため、光熱変換部材6Aの黒色パターンは、導電膜1Aの構造や膨張高さhに応じて、配線1tの平面視形状に対して、小さく、幅狭に設計される。
(配線板の製造方法)
第2の実施形態に係る配線板の製造方法について説明する。本実施形態に係る配線板の製造方法は、第1の実施形態と同様に図4に示すように、導電膜被覆熱膨張性シート製造工程S10と、印刷工程S21と、光照射工程S23と、を順に行う。以下に、第1の実施形態と異なる工程について、詳細に説明する。
導電膜被覆熱膨張性シート製造工程S10は、第1の実施形態で説明した通り、熱膨張層形成工程S12と、破断容易膜形成工程S13と、導電膜被覆工程S14と、断裁工程S16と、を順に行って、導電膜被覆熱膨張性シート10Bを製造する。ただし、導電膜被覆工程S14において、接着層41と導電膜1Aの他に、剥離層51とインク受容層52をさらに形成する。剥離層51およびインク受容層52は、破断容易膜42上に導電膜1Aを形成した(図5B参照)後に、順次、成膜して積層することもできるが、予め、導電膜1A、剥離層51、およびインク受容層52を積層し、この積層膜の導電膜1A側の面を熱膨張層2上の破断容易膜42(図5A参照)に接着剤で貼り付けてもよい。このような手順であれば、剥離層51を、熱膨張層2の膨張開始温度以上の高温で形成することができる。
印刷工程S21は、導電膜被覆熱膨張性シート10Bの表側の面に光熱変換部材6Aを印刷する以外は、第1の実施形態と同様である。光照射工程S23は、光熱変換部材6Aの印刷面である導電膜被覆熱膨張性シート10Bの表面に、第1の実施形態と同様に光を照射する。本実施形態においては、光熱変換部材6Aから放出した熱が、被膜5および導電膜1Aを伝播して熱膨張層2に到達し、熱膨張層2が上側から加熱されて膨張する。
(回路板の製造方法)
本実施形態に係る配線板11Bを用いて、第1の実施形態に係る配線板11と同様に、図6に示す回路板を製造することができる。ただし、導電性接着剤7でインサートピン81や電子部品82等を接続する前に、配線1t(または配線1b)の端部における表面を被覆するインク受容層52をその下の剥離層51で剥離して、配線1tを露出させる。また、配線1t,1bの電源を接続する領域等も露出させる。インク受容層52の除去は、配線板11への穴開け後でも穴開け前でもよく、さらに支持基板9との貼り合わせ前でもよい。また、配線1tや配線1b(導電膜1A)を露出させる領域は、端部だけでなくてよく、全面のインク受容層52を除去してもよい。
(変形例)
本実施形態に係る配線板11Bは、第1の実施形態の変形例に係る配線板11A(図8参照)と同様に、光熱変換部材6Aの濃淡によって、表面を3段階またはそれ以上の高さを有する階段状の凹凸形状として、各段に配線1t,1m,1bを備える構成とすることができる。
〔第3の実施形態:配線板〕
第1、第2の実施形態に係る配線板は、材料とする導電膜被覆熱膨張性シートが、熱膨張層と熱源となる光熱変換部材との間に、厚紙等からなる基材または金属箔等からなる導電膜を備える。したがって、配線板が製造される際に、光熱変換部材の放出した熱が熱膨張層に到達するまでに基材や導電膜を面内方向にも伝播する。その結果、配線板の表面の凹凸は、光熱変換部材を設けた領域よりも外側へ広がって凸状の領域が形成され、段差の側面がある程度傾斜したものとなる。そのため、配線パターンの微細化、特に凸状の領域上の配線幅を細く形成することが困難である。そこで、光熱変換部材からの熱の面内方向への伝播が抑制されるように、以下の構成とする。以下、本発明の第3の実施形態に係る配線板について、図12を参照して説明する。図12は、本発明の第3の実施形態に係る配線板の構成を示す模式図であり、図1のIIA−IIA線部分断面図である。前記実施形態(図1〜11参照)と同一の要素については同じ符号を付し、説明を省略する。
本発明の第3の実施形態に係る配線板11Cは、第1の実施形態に係る配線板11と同様、図1に示すように、一方の面に凹凸を有し、凹凸の段差の側面を除く上面が導電膜1(配線1t,1b)で被覆されたシート状の部材であり、主に凸状の領域の導電膜1(配線1t)が回路の配線を構成する。図12に示すように、配線板11Cは、下から順に、基材3A、接着層31、熱膨張層2、中間膜4A、導電膜1(1b,1t)を積層して備え、さらに基材3Aの上面の一部の領域に付着した光熱変換部材6Aを備える。また、基材3Aは、光を透過する材料からなる。したがって、配線板11Cは、裏面(背面)において、図2Bに示す配線板11のように、光熱変換部材6Aが上面の凸状の領域の鏡像として視認される。このような配線板11Cは、図13に示す導電膜被覆熱膨張性シート10C、および基材3Aから製造される。
(基材)
基材3Aは、第1、第2実施形態の基材3と同様、軟質な熱膨張層2を表面で支持し、熱膨張層2が部分的に膨張したときにその上面のみを変形させるために設けられる。また、基材3Aは、光熱変換部材6Aを構成する黒色インクを印刷されるための被印刷物であり、必要に応じて、印刷方式に対応した表面処理が施されている。本実施形態において、基材3Aは、その上面すなわち熱膨張層2との間に光熱変換部材6Aが付着しているので、光熱変換部材6Aに光を照射して発熱させるために、光を透過する材料からなる。基材3Aは、光透過性以外は基材3と同様に、剛性および耐熱性を有し、熱伝導率が低く、さらに回路板を製造するための加工が容易であることが好ましい。また、基材3Aは、配線板11C以上の寸法であって、光熱変換部材6Aを形成するための印刷機に対応した寸法とする。具体的には、基材3Aは、伸縮性のない耐熱性の樹脂フィルム等からなり、例えば、トナー(レーザー)方式に対応したポリエステル製のOHPフィルムを適用することができ、厚口のものが好ましい。
〔第3の実施形態:導電膜被覆熱膨張性シート〕
配線板11Cの材料とする導電膜被覆熱膨張性シート10Cの構成について、図13を参照して以下に説明する。図13は、本発明の第3の実施形態に係る導電膜被覆熱膨張性シートの構成を模式的に示す断面図である。本実施形態に係る導電膜被覆熱膨張性シート10Cは、一様な厚さのシート状の部材であり、それぞれ均一な厚さの剥離紙32、接着層31、熱膨張層2、中間膜4A、導電膜1、保護材53を順に積層してなる。導電膜被覆熱膨張性シート10Cは、配線板11C以上の寸法であればよく、かつ、基材3Aと同じかそれよりも小さな寸法とする。
(導電膜)
導電膜1は、第1の実施形態と同様の構成であり、電解銅箔等の金属箔を適用することが好ましい。あるいは、導電膜1は、導電性インク等の塗膜を焼成されてもよく、さらに金属箔やめっき膜との積層膜でもよい。本実施形態において、導電膜1は、熱膨張層2の膨張開始温度等にかかわらず、高温で形成される材料を選択することができる。
(保護材)
保護材53は、導電膜被覆熱膨張性シート10Cを製造する過程で極薄の導電膜1を支持するキャリア(支持体)であり、また、導電膜1の疵付きや破損等を防止し、埃や湿気等から保護するフィルム状の部材である。保護材53は、導電膜被覆熱膨張性シート10C、さらに配線板11Cの製造における耐熱性を有する。保護材53は、例えば、導電膜1を構成する銅箔に剥離可能に積層された金属箔であり、導電膜1と併せて、プリント配線板等の配線材料として流通しているキャリア付き銅箔を適用することができる。保護材53は、あるいは、耐熱性の樹脂フィルムを適用することもできる。保護材53は、後記するように配線板11Cの製造過程で剥離して除去され、あるいは、導電膜被覆熱膨張性シート10Cの完成時に除去されてもよい。
(熱膨張層、中間膜)
導電膜被覆熱膨張性シート10Cにおける熱膨張層2は、第1の実施形態と同様の構成であるが、後記するように、本実施形態においては導電膜1上に形成される。中間膜4Aは、導電膜1と熱膨張層2の密着性を高くするための密着層であり、かつ、配線板11Cの製造時に導電膜1の破断を促す破断容易膜であり、必要に応じて設けられる。したがって、中間膜4Aは、第1の実施形態の破断容易膜42(図3参照)と同様、熱膨張層2を膨張させるための加熱温度に対する耐熱性を有し、かつ、前記温度下で弾性、延性の高くない膜である。また、中間膜4Aは、熱膨張層2の膨張開始温度等にかかわらず、高温で形成される材料を選択することができ、例えば、熱硬化樹脂が適用される。なお、中間膜4Aは、密着層と破断容易膜の異なる材料からなる2層を積層した構造であってもよい。
(接着層、剥離紙)
接着層31は、基材3Aと導電膜被覆熱膨張性シート10Cの熱膨張層2とを貼り合わせる接着剤であり、詳しくはさらに、基材3A表面に付着した光熱変換部材6Aと熱膨張層2とを貼り合わせる。接着層31は、基材3Aおよび熱膨張層2に対応した公知の材料を適用することができ、さらに、熱膨張層2が、部分的に膨張したときに、基材3Aから剥離することのない強い粘着性と十分な耐熱性を有するものが選択され、熱膨張層2の膨張開始温度未満で加熱されて硬化するものでもよい。接着層31は、光熱変換部材6Aの放出した熱が熱膨張層2へ伝播し易いように、前記粘着性が確保される程度に厚さが小さいことが好ましい。剥離紙32は、導電膜被覆熱膨張性シート10Cの裏面に設けられて接着層31を被覆し、かつ接着層31から剥離可能なフィルム状の部材であり、配線板11Cの製造過程で除去される。剥離紙32は、一般的な両面テープの剥離紙を適用することができる。すなわち、接着層31と剥離紙32は併せて、両面テープを適用することができる。
配線板11Cの構成に戻り、導電膜被覆熱膨張性シート10C、および第1、第2実施形態と異なる要素について説明する。
(光熱変換部材、熱膨張層)
光熱変換部材6Aは、第2の実施形態で説明した通りの構成であるが、本実施形態においては、基材3Aの上面(導電膜被覆熱膨張性シート10Cとの貼合面)に形成され、したがって、熱膨張層2の下側に接着層31を挟んで設けられる。そのため、光熱変換部材6Aの放出した熱が熱膨張層2へ伝播する際、第1の実施形態と比較して、厚さ方向の伝播に対する面内方向の伝播が抑制される。したがって、配線板11Cは、表面の凹凸の段差が、配線板11よりも、光熱変換部材6Aの境界(黒色と白色の境界)に対するずれが小さく、さらに段差の側面が急峻に形成される。光熱変換部材6Aの黒色パターンは、第1、第2実施形態と同様、前記のずれに基づいて、配線1tの平面視形状に対して幅狭に設計されるが、配線1tの平面視形状に比較的近いパターンとなる。
(配線板の製造方法)
第3の実施形態に係る配線板の製造方法について、図14、図15A〜15Dならびに適宜図13を参照して説明する。図14は、本発明の第3の実施形態に係る配線板の製造方法の流れを示すフローチャートである。図15A〜15Dは、本発明の第3の実施形態に係る配線板の製造方法における工程を説明する模式図であり、図15Aは中間膜形成工程、図15Bは熱膨張層形成工程、図15Cは印刷工程、図15Dは貼合工程、のそれぞれにおける断面図を示す。図14に示すように、本実施形態に係る配線板の製造方法は、導電膜被覆熱膨張性シート製造工程S10Aと印刷工程S21Aとを並行して行い、その後、貼合工程S22と、光照射工程S23と、を順に行う。なお、図14では、導電膜被覆熱膨張性シート製造工程S10Aの次に印刷工程S21Aを行うように表す。また、導電膜被覆熱膨張性シート製造工程S10Aは、中間膜形成工程S11と、熱膨張層形成工程S12と、接着層形成工程S15と、を順に行い、さらにその後に必要に応じて、断裁工程S16Aを行う。以下に、第1、第2の実施形態と異なる工程について、詳細に説明する。
中間膜形成工程S11において、図15Aに示すように、導電膜1の裏面上に中間膜4Aを形成する。導電膜1は、表側の面を下にして保護材53上に積層されている。熱膨張層形成工程S12において、図15Bに示すように、中間膜4A上に熱膨張層2を形成する。熱膨張層形成工程S12は、熱膨張層2の被形成材が異なる以外は、第1の実施形態で説明した通りである。
接着層形成工程S15において、剥離紙32の表面に接着剤(接着層31)を塗布して熱膨張層2に貼り合わせ、断裁工程S16Aにおいて、所望の寸法に切断して導電膜被覆熱膨張性シート10C(図13参照)を得る。なお、導電膜被覆熱膨張性シート10Cの寸法(平面視形状)は、基材3Aの表面に印刷された光熱変換部材6Aを完全に内包するものであればよい。
印刷工程S21Aにおいて、図15Cに示すように、基材3Aの表面に黒色インクで光熱変換部材6Aを印刷する。本実施形態においては、基材3Aが対応していれば、トナー(レーザー)方式のような高温になる印刷機を適用することができる。
貼合工程S22において、図15Dに示すように、導電膜被覆熱膨張性シート10Cから剥離紙32を剥がし取って、基材3Aの表面(印刷面)に接着層31で貼り合わせ、さらに保護材53を剥がし取る。
光照射工程S23は、第1の実施形態と同様に、基材3A側の面(裏面)に光を照射する。本実施形態においては、光が基材3Aを透過して光熱変換部材6Aに入射、吸収される。光熱変換部材6Aから放出した熱が接着層31を伝播して、第1の実施形態と同様に熱膨張層2が下側から加熱されて膨張し、表面が隆起して凹凸を生じ、表面の導電膜1がその下の中間膜4Aと共に凹凸の段差で破断して配線1tと配線1bを形成する(図5D,5E参照)。
本実施形態に係る配線板11Cを用いて、第1の実施形態に係る配線板11と同様に、図6に示す回路板を製造することができる。
(変形例)
本実施形態に係る配線板11Cは、第1の実施形態の変形例に係る配線板11A(図8参照)と同様に、光熱変換部材6Aの濃淡によって、表面を3段階またはそれ以上の高さを有する階段状の凹凸形状として、各段に配線1t,1m,1bを備える構成とすることができる。
導電膜被覆熱膨張性シート10Cは、接着層31および剥離紙32を備えなくてもよいこの場合、貼合工程S22において、導電膜被覆熱膨張性シート10Cの裏面(熱膨張層2の表面)または基材3Aの表面に接着剤を塗布して、互いを貼り合わせる。あるいはさらに、導電膜被覆熱膨張性シート10Cは、熱膨張層2の表面上にインク受容層を備えてもよい。このような導電膜被覆熱膨張性シート10Cは、印刷工程S21Aにおいて、裏面に光熱変換部材6(配線パターンの鏡像、図2B参照)をインクジェット式等で印刷することができる。
〔第4の実施形態:積層配線板〕
第1〜第3の実施形態に係る配線板は、配線を単層で備えるが、2枚以上を重ね合わせることによって、積層配線板を構成することができる。以下、本発明の実施形態に係る積層配線板について、図16および図17を参照して説明する。図16および図17はそれぞれ、本発明の実施形態に係る積層配線板の構成を示す模式図で、積層配線板を用いた回路板の部分断面図である。前記実施形態(図1〜15参照)と同一の要素については同じ符号を付し、説明を省略する。
本発明の実施形態に係る積層配線板110は、図16に示すように、異なる配線パターンを形成された2枚の配線板11,12を、それぞれ導電膜1(配線1t,1b)の側を上に向けて積層して備える。上側の配線板11は、第1実施形態で説明した通りの構成であり、本実施形態では、主に配線1bで回路の配線を構成する。一方、下側の配線板12は、配線板11と同じ積層構造であり、配線1tで回路の配線を構成する。配線板11の配線1b、配線板12の配線1tの、互いを接続するための端部は、接続に必要な大きさの径の円形等に形成される。また、配線板12においては、凸状の領域(配線1t)が、上層の配線板11を支持するために設けられてもよい。具体的には、配線板11の電子部品等(図16では、電子部品82)を接続する箇所(配線1bの端部)に重複する領域であり、この領域の配線1tが他の配線1t,1bに接続しないように、閉じた円形等に形成される。また、配線板12の凸状の領域は、周縁の枠状の領域、さらに、広い面積で凹状(配線1b)にならないようにダミーとして形成されることが好ましい。
積層配線板110を用いた回路板を製造する方法について、その一例を説明する。まず、配線板11について、配線1bの端部の、電子部品を接続する箇所に適切な径の貫通孔を、配線板12の配線1tと接続される箇所に導電性接着剤7を充填するための貫通孔を、それぞれ形成する。さらに、配線板12に電子部品(図16では、インサートピン81)と接続される配線1tがあれば、この配線1tの端部と重複する領域に、接続する電子部品82の端子またはインサートピン81に対して十分に大きな径の孔を形成する。次に、配線板12の裏面と支持基板9とを、両面テープ等の接着部材37で貼り合わせる。さらに、配線板12の配線1tの表面に導電性接着剤7を塗布し、配線板11の裏面と貼り合わせる。配線板12の周縁部やダミーの配線1tにおいては、非導電性の接着部材37で貼り合わせてよい。なお、配線板12を支持基板9に貼り合わせる前に、配線板11と貼り合わせてもよい。
配線板11の上側から、配線板11,12のそれぞれの電子部品を接続する箇所に、配線板12の熱膨張層2を潰さないように、適切な径の穴を必要な深さに、配線板12を貫通してさらに支持基板9まで開ける。この穴に、第1の実施形態で説明したように(図6参照)、インサートピン81や電子部品82を差し込んで導電性接着剤7で配線1b,1tと接合する。また、配線板11の貼り合わせ前に開けた孔に導電性接着剤7を充填して、配線1bとその下の配線板12の配線1tとを接続する。
積層配線板110においては、上下に接続する配線の層間距離が最短となるように、配線板11の配線1bと配線板12の配線1tとを接続しているが、これに限定されず、例えば、配線板11の配線1tと配線板12の配線1tとを接続してもよい。また、積層配線板110の配線板11,12は、第2、第3の実施形態に係る配線板11B,11C(図10B、図12参照)やこれらの変形例に係る配線板11A(図8参照)を適用することもできる。
本発明の別の実施形態に係る積層配線板110Aは、図17に示すように、配線パターンの異なる2枚の配線板11,12Aを、裏側(基材3)同士が貼り合わされて積層して備える。配線板12Aは、配線1bで回路の配線を構成すること以外は、前記実施形態に係る積層配線板110の配線板12と同様の構成である。また、積層配線板110Aにおいて、電子部品や電源等の外部との接続端子は、配線板11の配線1bや配線1tに設ける。
積層配線板110Aを用いた回路板を製造する方法について、その一例を説明する。まず、配線板11と配線板12Aのそれぞれの基材3同士を両面テープ等の接着部材37で貼り合わせる。次に、積層された配線板11と配線板12Aの配線1b,1bの接続箇所の端部の円の中心に、適切な径の貫通孔を形成する。この貫通孔に、配線板12Aの側(下)からピン84を差し込んで、ピン84の頭と配線板12Aの配線1bとを導電性接着剤7で接合し、配線板11上に突き出したピン84の足(ピン先)を導電性接着剤7で配線板11の配線1bと接合する。ピン84は、平頭釘形状(断面がT字型)で、例えばプリント配線板のスルーホールに挿嵌するピンやネジ等の部品を流用することができる。これにより、配線板11と配線板12Aのそれぞれの配線1b同士が接続された積層配線板110Aとなる。
積層配線板110Aの配線板12Aの表面に、非導電性の接着部材37を塗布して凹凸を埋めると共に支持基板9と貼り合わせる。そして、前記実施形態と同様に、配線板11の上側から、電子部品を接続する箇所に、適切な径の穴を、配線板11,12Aを貫通してさらに支持基板9まで開け、この穴にインサートピン81等を差し込んで導電性接着剤7で配線1bと接合する。なお、ピン84は、配線板11の側から差し込まれてもよく、この場合には、下に突出した足をインサートピン81等と同様に支持基板9に差し込む。
積層配線板110Aにおいては、上下に接続する配線の層間距離が最短となるように、配線板11,12Aの配線1b,1b同士を接続しているが、これに限定されず、例えば、配線板11の配線1tと配線板12Aの配線1bとを接続してもよい。また、配線板12Aにおいては、配線板11のインサートピン81や電子部品82を接続する箇所(配線1bの端部)に重複する領域を凹状(配線1b)としているが、凸状であってもよい。また、積層配線板110Aは、支持基板9と貼り合わせなくてもよく、剛性を補強するために、配線板11と配線板12Aを貼り合わせる際に、間に薄手の板材を挟んでもよい。このような積層配線板110Aは、配線板11,12Aの両方、すなわち両面に外部との接続端子を設けることができる。なお、積層配線板110Aの配線板11,12Aは、第2、第3の実施形態に係る配線板11B,11C(図10B、図12参照)やこれらの変形例に係る配線板11A(図8参照)を適用することもできる。
〔第2の実施形態の変形例:導電膜被覆熱膨張性シート〕
積層配線板110Aは、2枚の導電膜被覆熱膨張性シート10(10A,10C)から別々に製造した配線板11,12Aを積層して形成されるが、両面に導電膜1(1A)を備えた1枚の導電膜被覆熱膨張性シートで製造することができる。以下、積層配線板110Aの材料とする導電膜被覆熱膨張性シート10Dの構成について、図18を参照して説明する。図18は、本発明の第2の実施形態の変形例に係る導電膜被覆熱膨張性シートの構成を模式的に示す断面図である。本発明の第2の実施形態の変形例に係る導電膜被覆熱膨張性シート10Dは、一様な厚さのシート状の部材であり、基材3の両面のそれぞれに、基材3の側から順に、熱膨張層2、中間膜4、導電膜1A、剥離層51、インク受容層52を積層してなる。すなわち、導電膜被覆熱膨張性シート10Dは、第2の実施形態に係る導電膜被覆熱膨張性シート10Bを2枚、基材3,3同士を対向させて積層し、さらに前記基材3,3を一体の基材3とした構造である。
本変形例に係る導電膜被覆熱膨張性シート10Dは、導電膜被覆熱膨張性シート10Bを製造する導電膜被覆熱膨張性シート製造工程S10において、熱膨張層形成工程S12、破断容易膜形成工程S13、および導電膜被覆工程S14を、基材3の両面の側のそれぞれに行って製造することかできる。さらに、導電膜被覆熱膨張性シート10Dから積層配線板110Aを製造するには、印刷工程S21および光照射工程S23を、それぞれ導電膜被覆熱膨張性シート10Dの両面に対して行う。
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更実施が可能である。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
《請求項1》
所定の温度以上に加熱されると膨張する熱膨張層と、一方の側の表面を被覆する導電膜と、を備え、
前記熱膨張層は、前記導電膜側に突出して膨張し、
一部の領域で前記熱膨張層が膨張することによって前記導電膜側の面に凹凸が形成されると、前記導電膜が前記凹凸の段差で破断して離間することを特徴とする導電膜被覆熱膨張性シート。
《請求項2》
前記熱膨張層の他方の側に接着層をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の導電膜被覆熱膨張性シート。
《請求項3》
所定の温度以上に加熱されると膨張する熱膨張層と、前記熱膨張層を少なくとも一面上に積層した基材と、前記熱膨張層側の表面の少なくとも一部を被覆する導電膜と、を備え、
前記熱膨張層は、前記導電膜側に突出して膨張し、
一部の領域で前記熱膨張層が膨張することによって前記導電膜側の面に凹凸が形成されると、前記導電膜が前記凹凸の段差で破断して離間することを特徴とする導電膜被覆熱膨張性シート。
《請求項4》
前記熱膨張層および前記導電膜を、前記基材の両面上に積層して備えることを特徴とする請求項3に記載の導電膜被覆熱膨張性シート。
《請求項5》
前記導電膜と前記熱膨張層の間に、前記導電膜よりも熱伝導率の低い膜を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の導電膜被覆熱膨張性シート。
《請求項6》
前記導電膜上に、非金属膜を備えることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の導電膜被覆熱膨張性シート。
《請求項7》
前記導電膜と前記熱膨張層の間に、非金属膜を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の導電膜被覆熱膨張性シート。
《請求項8》
前記非金属膜が、樹脂を含有することを特徴とする請求項7に記載の導電膜被覆熱膨張性シート。
《請求項9》
前記非金属膜が、シリカおよびアルミナの少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の導電膜被覆熱膨張性シート。
《請求項10》
前記導電膜が、金属箔からなることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の導電膜被覆熱膨張性シート。
《請求項11》
前記導電膜が、導電材料からなる粒子を含有することを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の導電膜被覆熱膨張性シート。
《請求項12》
所定の温度以上に加熱されると膨張する熱膨張層と、前記熱膨張層が一面上に積層される基材と、を備える熱膨張性シートの前記一面側の少なくとも一部の領域に、導電膜を形成する導電膜形成工程と、
吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換成分を含有する印刷材料で、前記熱膨張性シートの前記基材側の面に配線を鏡像で描画する印刷工程と、
前記熱膨張性シートの前記基材側に、前記光熱変換成分により熱に変換される光を照射して、前記配線が描画された領域において前記熱膨張層を膨張させて前記導電膜を形成した側の面を隆起させる光照射工程と、を行い、
前記光照射工程は、前記熱膨張層の膨張高さの異なる境界で前記導電膜を破断させることを特徴とする配線板製造方法。
《請求項13》
所定の温度以上に加熱されると膨張する熱膨張層と、前記熱膨張層が一面上に積層される基材と、を備える熱膨張性シートの前記熱膨張層側の少なくとも一部の領域に、導電膜を形成する導電膜形成工程と、
吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換成分を含有する印刷材料で、前記導電膜を形成した側の面に配線を描画する印刷工程と、
前記熱膨張性シートの前記導電膜を形成した側に、前記光熱変換成分により熱に変換される光を照射して、前記配線が描画された領域において前記熱膨張層を膨張させて前記導電膜を形成した側の面を隆起させる光照射工程と、を行い、
前記光照射工程は、前記熱膨張層の膨張高さの異なる境界で前記導電膜を破断させることを特徴とする配線板製造方法。
《請求項14》
前記熱膨張性シートは、前記基材の両面上に前記熱膨張層が積層され、
前記導電膜形成工程および前記光照射工程を、前記熱膨張性シートの両面に行うことを特徴とする請求項13に記載の配線板製造方法。
《請求項15》
前記導電膜形成工程の後かつ前記印刷工程の前に、前記導電膜上にインク受容層を形成するインク受容層形成工程を行うことを特徴とする請求項13または請求項14に記載の配線板製造方法。
《請求項16》
前記導電膜形成工程は、前記一面側に中間膜を形成してその上に前記導電膜を積層することを特徴とする請求項12ないし請求項15のいずれか一項に記載の配線板製造方法。
《請求項17》
所定の温度以上に加熱されると膨張する熱膨張層と、一方の側の表面を被覆する導電膜と、を備える導電膜被覆熱膨張性シートを形成する導電膜被覆熱膨張性シート形成工程と、
吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換成分を含有する印刷材料で、前記光を透過する基材の一面側、または前記導電膜被覆熱膨張性シートの前記熱膨張層の側の面のいずれかに、配線を描画する印刷工程と、
前記基材の前記一面に、前記導電膜被覆熱膨張性シートの前記熱膨張層の側の面を貼り合わせる貼合工程と、
前記導電膜被覆熱膨張性シートの前記基材を貼り合わせた側に、前記光熱変換成分により熱に変換される光を照射して、前記配線が描画された領域において前記熱膨張層を膨張させて前記導電膜を形成した側の面を隆起させる光照射工程と、を行い、
前記光照射工程は、前記熱膨張層の膨張高さの異なる境界で前記導電膜を破断させることを特徴とする配線板製造方法。
《請求項18》
所定の温度以上に加熱されることにより膨張する熱膨張層と、前記熱膨張層の一面側表面の一部を被覆する導電膜と、を備えて、前記導電膜で配線を構成する配線板であって、
一部の領域で前記熱膨張層が膨張して前記一面側表面に凹凸が形成されていて、前記導電膜が前記凹凸の段差で離間していることを特徴とする配線板。
《請求項19》
前記導電膜上にインク受容層を有し、前記一面側表面の凸状の領域において、吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換成分が前記インク受容層に付着している請求項18に記載の配線板。
《請求項20》
前記熱膨張層を2層備えると共に、2層の前記熱膨張層の間に基材をさらに備え、
前記導電膜が両側の表面をそれぞれ被覆する請求項18または請求項19に記載の配線板。
《請求項21》
前記熱膨張層の他面側に基材をさらに備え、前記一面側表面の凸状の領域において、吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換成分が前記基材側の表面に付着している請求項18に記載の配線板。
《請求項22》
前記熱膨張層の他面側に光を透過する基材をさらに備え、前記一面側表面の凸状の領域において、吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換成分が前記基材と前記熱膨張層の間に付着している請求項18に記載の配線板。
10,10B,10C,10D 導電膜被覆熱膨張性シート
11,11A,11B,11C 配線板
110,110A 積層配線板
12,12A 配線板
1,1A 導電膜
1t,1b,1m 配線
2 熱膨張層
3,3A 基材
31 接着層
4,4A 中間膜
41 接着層
42 破断容易膜
5 被膜
51 剥離層
52 インク受容層
6,6A 光熱変換部材
S10,S10A 導電膜被覆熱膨張性シート製造工程
S12 熱膨張層形成工程
S13 破断容易膜形成工程
S14 導電膜被覆工程
S21,S21A 印刷工程
S22 貼合工程
S23 光照射工程

Claims (22)

  1. 所定の温度以上に加熱されると膨張する熱膨張層と、一方の側の表面を被覆する導電膜と、を備え、
    前記熱膨張層は、前記導電膜側に突出して膨張し、
    一部の領域で前記熱膨張層が膨張することによって前記導電膜側の面に凹凸が形成されると、前記導電膜が前記凹凸の段差で破断して離間することを特徴とする導電膜被覆熱膨張性シート。
  2. 前記熱膨張層の他方の側に接着層をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の導電膜被覆熱膨張性シート。
  3. 所定の温度以上に加熱されると膨張する熱膨張層と、前記熱膨張層を少なくとも一面上に積層した基材と、前記熱膨張層側の表面の少なくとも一部を被覆する導電膜と、を備え、
    前記熱膨張層は、前記導電膜側に突出して膨張し、
    一部の領域で前記熱膨張層が膨張することによって前記導電膜側の面に凹凸が形成されると、前記導電膜が前記凹凸の段差で破断して離間することを特徴とする導電膜被覆熱膨張性シート。
  4. 前記熱膨張層および前記導電膜を、前記基材の両面上に積層して備えることを特徴とする請求項3に記載の導電膜被覆熱膨張性シート。
  5. 前記導電膜と前記熱膨張層の間に、前記導電膜よりも熱伝導率の低い膜を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の導電膜被覆熱膨張性シート。
  6. 前記導電膜上に、非金属膜を備えることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の導電膜被覆熱膨張性シート。
  7. 前記導電膜と前記熱膨張層の間に、非金属膜を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の導電膜被覆熱膨張性シート。
  8. 前記非金属膜が、樹脂を含有することを特徴とする請求項7に記載の導電膜被覆熱膨張性シート。
  9. 前記非金属膜が、シリカおよびアルミナの少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の導電膜被覆熱膨張性シート。
  10. 前記導電膜が、金属箔からなることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の導電膜被覆熱膨張性シート。
  11. 前記導電膜が、導電材料からなる粒子を含有することを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の導電膜被覆熱膨張性シート。
  12. 所定の温度以上に加熱されると膨張する熱膨張層と、前記熱膨張層が一面上に積層される基材と、を備える熱膨張性シートの前記一面側の少なくとも一部の領域に、導電膜を形成する導電膜形成工程と、
    吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換成分を含有する印刷材料で、前記熱膨張性シートの前記基材側の面に配線を鏡像で描画する印刷工程と、
    前記熱膨張性シートの前記基材側に、前記光熱変換成分により熱に変換される光を照射して、前記配線が描画された領域において前記熱膨張層を膨張させて前記導電膜を形成した側の面を隆起させる光照射工程と、を行い、
    前記光照射工程は、前記熱膨張層の膨張高さの異なる境界で前記導電膜を破断させることを特徴とする配線板製造方法。
  13. 所定の温度以上に加熱されると膨張する熱膨張層と、前記熱膨張層が一面上に積層される基材と、を備える熱膨張性シートの前記熱膨張層側の少なくとも一部の領域に、導電膜を形成する導電膜形成工程と、
    吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換成分を含有する印刷材料で、前記導電膜を形成した側の面に配線を描画する印刷工程と、
    前記熱膨張性シートの前記導電膜を形成した側に、前記光熱変換成分により熱に変換される光を照射して、前記配線が描画された領域において前記熱膨張層を膨張させて前記導電膜を形成した側の面を隆起させる光照射工程と、を行い、
    前記光照射工程は、前記熱膨張層の膨張高さの異なる境界で前記導電膜を破断させることを特徴とする配線板製造方法。
  14. 前記熱膨張性シートは、前記基材の両面上に前記熱膨張層が積層され、
    前記導電膜形成工程および前記光照射工程を、前記熱膨張性シートの両面に行うことを特徴とする請求項13に記載の配線板製造方法。
  15. 前記導電膜形成工程の後かつ前記印刷工程の前に、前記導電膜上にインク受容層を形成するインク受容層形成工程を行うことを特徴とする請求項13または請求項14に記載の配線板製造方法。
  16. 前記導電膜形成工程は、前記一面側に中間膜を形成してその上に前記導電膜を積層することを特徴とする請求項12ないし請求項15のいずれか一項に記載の配線板製造方法。
  17. 所定の温度以上に加熱されると膨張する熱膨張層と、一方の側の表面を被覆する導電膜と、を備える導電膜被覆熱膨張性シートを形成する導電膜被覆熱膨張性シート形成工程と、
    吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換成分を含有する印刷材料で、前記光を透過する基材の一面側、または前記導電膜被覆熱膨張性シートの前記熱膨張層の側の面のいずれかに、配線を描画する印刷工程と、
    前記基材の前記一面に、前記導電膜被覆熱膨張性シートの前記熱膨張層の側の面を貼り合わせる貼合工程と、
    前記導電膜被覆熱膨張性シートの前記基材を貼り合わせた側に、前記光熱変換成分により熱に変換される光を照射して、前記配線が描画された領域において前記熱膨張層を膨張させて前記導電膜を形成した側の面を隆起させる光照射工程と、を行い、
    前記光照射工程は、前記熱膨張層の膨張高さの異なる境界で前記導電膜を破断させることを特徴とする配線板製造方法。
  18. 所定の温度以上に加熱されることにより膨張する熱膨張層と、前記熱膨張層の一面側表面の一部を被覆する導電膜と、を備えて、前記導電膜で配線を構成する配線板であって、
    一部の領域で前記熱膨張層が膨張して前記一面側表面に凹凸が形成されていて、前記導電膜が前記凹凸の段差で離間していることを特徴とする配線板。
  19. 前記導電膜上にインク受容層を有し、前記一面側表面の凸状の領域において、吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換成分が前記インク受容層に付着している請求項18に記載の配線板。
  20. 前記熱膨張層を2層備えると共に、2層の前記熱膨張層の間に基材をさらに備え、
    前記導電膜が両側の表面をそれぞれ被覆する請求項18または請求項19に記載の配線板。
  21. 前記熱膨張層の他面側に基材をさらに備え、前記一面側表面の凸状の領域において、吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換成分が前記基材側の表面に付着している請求項18に記載の配線板。
  22. 前記熱膨張層の他面側に光を透過する基材をさらに備え、前記一面側表面の凸状の領域において、吸収した光を熱に変換して放出する光熱変換成分が前記基材と前記熱膨張層の間に付着している請求項18に記載の配線板。
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