JP2010080669A - 配線回路基板の製造方法 - Google Patents

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道 水谷
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Abstract

【課題】導体パターンの精密な配置を実現できるとともに、配線回路基板の変形を防止することのできる、配線回路基板の製造方法を提供すること。
【解決手段】貫通孔17が形成された支持基板2を用意し、絶縁フィルム26を、支持基板2の上に、貫通孔17を被覆するように積層することにより、ベース絶縁層3を形成し、導体パターン4を形成するための種膜21を、ベース絶縁層3の上に、真空蒸着法により形成し、その後、導体パターン4を、種膜21を介してベース絶縁層3の上に形成することにより、配線回路基板1を得る。
【選択図】図7

Description

本発明は、配線回路基板の製造方法、詳しくは、フレキシブル配線回路基板やTAB用テープキャリアなどを含む配線回路基板などの製造に好適に用いられる配線回路基板の製造方法に関する。
従来より、金属板を用いて、絶縁層およびその上に形成される導体パターンを有する配線回路基板を製造する方法が知られている。
例えば、金属基板の上に、アウター側絶縁体層および導電体層を順次形成し、その後、金属基板をエッチングにより除去する、インターポーザーの製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
詳しくは、特許文献1では、金属板の上に、感光性ポリアミック酸樹脂を塗布および乾燥したり、あるいは、絶縁性のドライフィルムを接合することにより、アウター側絶縁体層を形成している。
さらには、特許文献1では、スパッタ蒸着法(スパッタリング)などの真空蒸着法によって、下地(薄膜)をアウター側絶縁体層の表面に形成した後、導電体層を、下地の表面に、電解めっきにより形成している。
特開2001−44589号公報
しかるに、特許文献1を含む、従来の配線回路基板の製造方法では、絶縁層の上に、スパッタリングによって下地を形成するので、絶縁層が形成された製造途中の配線回路基板の雰囲気を真空にする必要がある。
しかし、絶縁層の形成において、絶縁層となるフィルムを金属板の上に接合する場合には、金属板と絶縁層との間に空気が存在し易く、そのような場合に配線回路基板の雰囲気を真空にすると、上記した空気が金属板と絶縁層との間で膨張するので、配線回路基板に変形を生じるという不具合がある。
本発明の目的は、導体パターンの精密な配置を実現できるとともに、配線回路基板の変形を防止することのできる、配線回路基板の製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の配線回路基板の製造方法は、貫通孔が形成された支持基板を用意する工程、絶縁フィルムを、前記支持基板の上に、前記貫通孔を被覆するように積層することにより、絶縁層を形成する工程、および、導体パターンを、前記絶縁層の上に形成する工程を備えることを特徴としている。
また、本発明の配線回路基板の製造方法では、前記導体パターンを形成する工程は、前記導体パターンを形成するための種膜を、前記絶縁層の上に、真空蒸着法により形成する工程を含んでいることが好適である。
また、本発明の配線回路基板の製造方法では、前記種膜を形成する工程後、前記導体パターンを形成する工程前に、保護層を、前記支持基板の下に、前記貫通孔を被覆するように形成する工程をさらに備えていることが好適である。
また、本発明の配線回路基板の製造方法においては、前記絶縁層を形成する工程では、前記支持基板と前記絶縁フィルムとをレーザー光を用いて接合し、さらに、前記導体パターンを形成する工程後、前記支持基板を除去する工程を備えていることが好適である。
また、本発明の配線回路基板の製造方法では、前記貫通孔の数が、前記支持基板100cm当たり、4個以上であることが好適である。
また、本発明の配線回路基板の製造方法では、前記支持基板が、金属基板であることが好適である。
また、本発明の配線回路基板の製造方法では、前記絶縁フィルムが、ポリイミドフィルムから形成されていることが好適である。
本発明の配線回路基板の製造方法によれば、支持基板と絶縁フィルムとを積層することにより、絶縁層を形成する。そのため、支持基板により支持された絶縁層の上に、導体パターンを形成するので、導体パターンの精密な配置を確保することができる。
また、この配線回路基板の製造方法によれば、絶縁フィルムを、支持基板の上に、貫通孔を被覆するように積層して絶縁層を形成する。そのため、環境雰囲気により、支持基板と絶縁層との間に介在する空気が膨張をしようとしても、かかる空気を貫通孔から逃がすことができる。
そのため、支持基板と絶縁層との間に介在する空気に起因する配線回路基板の変形を防止することができる。
その結果、導体パターンの精密な配置と、配線回路基板の変形の防止とを同時に実現することができる。
図1および図2は、本発明の配線回路基板の製造方法の一実施形態を示す工程図を示し、図3は、後述する支持基板とベース絶縁層との接合を説明するための斜視図を示し、図4は、接合工程の長手方向に沿う断面図を示し、図5は、図2(h)に示す製造途中の配線回路基板の背面図を示し、図6は、剥離工程の長手方向に沿う断面図を示す。
この配線回路基板1の製造方法では、以下で説明する各工程をロールトゥロール方式により実施する。
この方法では、図1(a)に示すように、まず、貫通孔17が形成された支持基板2を用意する。
支持基板2は、図5が参照されるように、長手方向(ロールトゥロール方式における搬送方向、図3の矢印参照)に沿って延びる平帯シート(長尺)状に形成されている。
支持基板2は、例えば、ステンレス、42アロイ、アルミニウム、銅−ベリリウム、りん青銅などの金属、例えば、ガラス、例えば、セラミックス、例えば、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミドなどの耐熱性樹脂などから形成されている。
支持基板2は、好ましくは、金属から金属基板として形成されている。支持基板2が金属基板であれば、後述するベース絶縁層3を十分に支持して補強することができる。
なお、支持基板2の表面には、レーザー光9(図3参照)からの吸収性を向上させるべく、例えば、フタロシアニン系染料などの光吸収剤を塗布してもよい。光吸収剤の塗布方法としては、例えば、インクジェットプリンタ、ニードルチップディスペンサー、スタンプスプレー、スクリーン印刷などが用いられる。また、光吸収剤は、支持基板2の表面全面あるいは表面の一部に塗布される。
支持基板2の厚みは、例えば、1μm以上2mm以下、好ましくは、10μm以上200μm以下である。
また、支持基板2の幅方向(長手方向に直交する方向)両端部には、予め貫通孔17が形成されている。
貫通孔17は、図5に示すように、長手方向に沿って、後述する導体パターン4(配線回路パターン)に対応して複数設けられている。すなわち、貫通孔17は、長手方向および幅方向に間隔を隔てて複数形成されており、1つの配線回路基板1当たり、2つ設けられている。また、各貫通孔17は、図1(a)および図5に示すように、支持基板2の厚み方向を貫通するように、背面視(厚み方向に見たとき)略円形状に形成されている。
この貫通孔17を形成する方法としては、例えば、パンチング加工、エッチング、ドリル穿孔、レーザー加工などの公知の加工方法が挙げられ、好ましくは、パンチング加工、エッチングが挙げられる。
また、貫通孔17の寸法は、その内径(最大長さ)が、例えば、0.1〜2.0mm、好ましくは、0.2〜1.0mmである。
また、貫通孔17の数は、適宜選択され、支持基板2 100cm当たり、例えば、4個以上、好ましくは、8個以上、また、例えば、30個以下、好ましくは、20個以下である。
貫通孔17の数が、上記した範囲に満たないと、後述するが、支持基板2と絶縁フィルム26(図1(b)参照)との間に介在する空気を十分に逃がすことができない場合がある。また、貫通孔17の数が、上記した範囲を超えると、支持基板2の絶縁フィルム26に対する補強性が低下する場合がある。
この方法では、次に、図1(b)および図1(c)に示すように、絶縁フィルム26を、支持基板2の上に、貫通孔17を被覆するように積層することにより、絶縁層としてのベース絶縁層3を形成する。
すなわち、この方法では、まず、図1(b)に示すように、まず、絶縁フィルム26を、支持基板2の上に、貫通孔17を被覆するように載置する。
絶縁フィルム26は、長手方向に沿って延び、支持基板2の外形形状に対応するように形成されている。詳しくは、絶縁フィルム26は、その幅方向長さが、支持基板2の幅方向長さと略同一となる平帯シート(長尺)状に形成されている。
絶縁フィルム26は、例えば、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド、アクリル(ポリメタクリル酸メチル(PMMA)など)などの熱硬化性樹脂、例えば、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリ塩化ビニル(PVC)、トリアセチルセルロール(TAC)、ポリエチレン(PE)などの熱可塑性樹脂などの絶縁材料から形成されている。
絶縁フィルム26は、好ましくは、ポリイミドから形成されている。絶縁フィルム26がポリイミドから形成されることにより、後述する支持基板2との接合(図1(c)参照)において、支持基板2と優れた密着性で接合できるとともに、支持基板2の除去において、容易に支持基板2を除去することができる。
なお、ポリイミドは、吸湿して膨張し易いので、後述する接合処理後における吸湿によって配線回路基板1が撓むことを防止するために、接合処理前に絶縁フィルム26を予め吸湿させることもできる。
また、絶縁フィルム26には、レーザー光9(図3参照)の光吸収性を制御する目的で、染料または顔料などを含ませることもできる。
さらに、絶縁フィルム26は、全芳香族ポリアミド不織布などから形成されていてもよい。
絶縁フィルム26の厚みは、例えば、1μm以上2mm以下、好ましくは、10μm以上200μm以下である。
絶縁フィルム26を、支持基板2の上に載置するには、図4に示すように、絶縁フィルム26および支持基板2がそれぞれ巻回された各送出ロール(図示せず)から第1ロール10に向けてそれぞれを送り出し、第1ロール10において、それらを厚み方向上側に向かって支持基板2および絶縁フィルム26の順序で積み重ねる。絶縁フィルム26は、背面視において、絶縁フィルム26の幅方向両端縁が、支持基板2の幅方向両端縁と同一位置となるように配置する。これにより、支持基板2に、絶縁フィルム26が載置されたシートが2層シート19とされる。
次に、図1(c)に示すように、絶縁フィルム26と支持基板2とをレーザー光9を用いて接合する。
詳しくは、図3および図4に示す接合装置30によって、絶縁フィルム26および支持基板2を接合する。
図4において、接合装置30は、搬送部6と、支持部7と、照射部8とを備えている。
搬送部6は、支持部7の搬送方向両側に設けられており、第1ロール10と第2ロール11とを備えている。
第1ロール10は、支持部7に対して搬送方向上流側(以下、単に上流側と省略する。)に配置され、軸心が幅方向に沿って延びるように配置されている。また、第1ロール10は、接合処理前の2層シート19を支持部7に送り出すように回転される。
第2ロール11は、支持部7に対して搬送方向下流側(以下、単に下流側と省略する。)に配置され、軸心が幅方向に沿って延びるように配置されている。また、第2ロール11は、接合処理後の2層シート19を支持部7から引き出すように回転される。
支持部7は、搬送方向において、第1ロール10と第2ロール11との間に配置されており、2層シート19を支持するために設けられている。また、支持部7は、図3に示すように、搬送方向に沿って延びるように配置されている。また、支持部7は、厚み方向において投影したとき、幅方向において2層シート19を含むように形成されている。支持部7は、ステージ12と加圧板13とを備えている。
ステージ12は、支持部7の下側に配置され、具体的には、図3および図4に示すように、その上面が、第1ロール10の上端部と、第2ロール11の上端部と略同一平面上となる、平面視略矩形平板形状に形成されている。
ステージ12は、例えば、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、液晶ポリマーなどの耐熱性ポリマー、耐熱性不織布、ガラス、金属、セラミックスなどから形成されている。ステージ12は、レーザー光9の照射によって支持基板2に発生する熱が逃げることを防止すべく、好ましくは、断熱性の高い材料から形成される。このような材料は、その熱伝導率が、20W/m/K以下、好ましくは、10W/m/K以下、さらに好ましくは、1W/m/K以下、通常、0.005W/m/K以上である。
加圧板13は、レーザー光9を高い透過率で透過させる透明材料から形成され、例えば、ガラス(透明ガラス)、PMMAから形成されている。
また、加圧板13は、支持部7の上側において、ステージ12と厚み方向において対向配置されており、具体的には、ステージ12の上面と上側に間隔を隔てて配置されている。また、加圧板13は、ステージ12とほぼ同じ大きさの平面視略矩形平板形状に形成されている。
また、加圧板13は、ステージ12の上側において、上下移動可能に設けられており、具体的には、接合処理前の2層シート19がステージ12の上面に搬送されているときには、図4の仮想線で示すように、2層シート19と上側に間隔を隔てた位置(上側位置)に位置する。また、加圧板13は、2層シート19の接合処理時には、図4の実線で示すように、2層シート19を下側に加圧(押圧)できる位置(下側位置)に位置する。さらに、加圧板13は、接合処理後の2層シート19がステージ12の上面から搬送されているときには、仮想線で示す上側位置に位置する。
照射部8は、レーザー光9を2層シート19に照射するために設けられており、支持部7の上側に間隔を隔てて対向配置されている。照射部8は、第1照射部14と第2照射部15とを備えている。
第1照射部14および第2照射部15は、図3に示すように、幅方向に互いに間隔を隔てて配置されており、第1照射部14および第2照射部15から照射されるレーザー光9が、2層シート19の幅方向両端部(貫通孔17よりさらに幅方向両外側部分)にそれぞれ照射されるように形成されている。
第1照射部14および第2照射部15は、ともに同一種類のレーザー発振器を備えており、このようなレーザー発振器は、可視光領域および赤外線領域に吸収波長を有するレーザー光9を照射でき、具体的には、例えば、半導体レーザー、例えば、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザーなどの固体レーザー、例えば、炭酸ガス(CO)レーザーなどの気体レーザー、例えば、ファイバーレーザーなどが用いられる。好ましくは、安価で均一なレーザー光(レーザービーム)9を容易に得る観点から、半導体レーザーやファイバーレーザーが用いられる。
また、レーザー光9のパルス幅をフェムト秒(10−15秒)やピコ秒(10−12秒)オーダーに設定して発振させる、フェムト秒レーザーやピコ秒レーザーを用いることもできる。また、レーザー光9としては、例えば、CWレーザー(連続波レーザー)やパルスレーザー(断続波レーザー)が用いられ、好ましくは、CWレーザーが用いられる。CWレーザーであれば、瞬間的に高いエネルギーが支持基板2や絶縁フィルム26にかかることを防止して、支持基板2や絶縁フィルム26の分解を防止しつつ、加熱による溶融を促進させることができる。
レーザー光9の波長は、支持基板2および絶縁フィルム26の光吸収率や光透過率などにより適宜設定され、例えば、絶縁フィルム26に対する光透過率が30%以上で、支持基板2に対する光吸収率が20%以上となるような波長、好ましくは、絶縁フィルム26に対する光透過率が50%以上で、支持基板2に対する光吸収率が40%以上となるような波長、さらに好ましくは、絶縁フィルム26に対する光透過率が70%以上で、支持基板2に対する光吸収率が60%以上となるような波長が選択される。具体的には、レーザー光9の波長は、例えば、100〜10600nm、好ましくは、400〜2500nm、さらに好ましくは、500〜1500nmである。
また、レーザー光9の出力は、例えば、0.5〜1000W、好ましくは、10〜300Wである。
また、レーザー光9のレーザービーム径は、例えば、0.1〜10mm、好ましくは、0.5〜5mmである。
そして、上記した接合装置30によって、絶縁フィルム26および支持基板2を接合するには、まず、図3および図4に示すように、接合装置30の第1ロール10において、2層シート19とされた支持基板2および絶縁フィルム26を、ステージ12の上面に向けて搬送する。なお、このとき、加圧板13は、仮想線で示す上側位置に予め位置している。
次いで、加圧板13を、下側位置に移動させることにより、2層シート19を加圧板13とステージ12とにより厚み方向において挟み込み、これにより、2層シート19を厚み方向において加圧する。なお、この挟み込みにより、2層シート19は、搬送方向において搬送されることなく、接合処理の間、固定される。
加圧条件は、例えば、9.8〜9800kPa、好ましくは、98〜980kPaである。
なお、2層シート19の接合前に、2層シート19を予備的に加熱(予備加熱)すべく、ステージ12を、例えば、50〜350℃に加熱することができる。あるいは、接合時における支持基板2の熱による損傷(ダメージ)を抑制すべく、ステージ12を、例えば、−50〜20℃に冷却することもできる。
次に、照射部8によってレーザー光9を2層シート19に向けて照射する。具体的には、第1照射部14および第2照射部15からレーザー光9を、2層シート19の幅方向両端部に向けてそれぞれ照射する。レーザー光9の2層シート19への照射では、レーザー光9を搬送方向に沿ってステージ12の上流側端部から下流側端部まで走査させる。つまり、レーザー光9をステージ12、2層シート19および加圧板13に対して搬送方向に相対移動させる。
これにより、支持基板2と絶縁フィルム26との界面において、レーザー光9が吸収される。とりわけ、支持基板2が、金属基板である場合には、絶縁フィルム26が、レーザー光9を、直接、あるいは、支持基板2で反射された反射光として吸収する。これにより、絶縁フィルム26(および支持基板2の表面)において、レーザー光9が吸収される部分が加熱されて溶融される。これと同時に、絶縁フィルム26が支持基板2に熱融着する。
そして、支持基板2と絶縁フィルム26とがそれらの幅方向両端部において接合されることによって、図1(c)に示すように、支持基板2の上(表面)において、幅方向両端部が支持基板2に接合されたベース絶縁層3を形成することができる。
なお、ベース絶縁層3の幅方向両端部において、支持基板2と接合される部分が、接合部16とされる。
次いで、図4の仮想線で示すように、加圧板13を上側位置へ移動させることにより、2層シート19の挟み込み(加圧状態)を解除して、その後、搬送部6の搬送により、接合後の2層シート19を、第2ロール11で引き出し、接合前の2層シート19をステージ12と加圧板13との間に配置させる。その後、加圧板13を下側位置へ移動させ、上記と同様にレーザー光9を照射する。その後、加圧板13を再度上側位置へ移動させる。接合装置30では、このような動作が繰り返されて、2層シート19には、搬送方向に連続した接合部16が形成される。
そして、支持基板2と、接合部16が形成されたベース絶縁層3とを備える2層シート19は、続いて、図示しない巻取ロールに巻き取られる。
なお、2層シート19の引張強度は、例えば、20〜100N/10mm、好ましくは、40〜80N/10mmである。
次いで、この方法では、ベース絶縁層3の上に、導体パターン4を形成する。
導体パターン4を形成する方法としては、例えば、アディティブ法やサブトラクティブ法などの公知のパターンニング法が挙げられる。好ましくは、図1(d)〜図2(g)に示すアディティブ法が挙げられる。
すなわち、アディティブ法では、まず、図1(d)に示すように、導体パターン4を形成するための種膜21を、ベース絶縁層3の上に、形成する。
種膜21は、ベース絶縁層3の上面全面に形成する。
種膜21を形成する材料としては、例えば、クロム、金、銀、白金、ニッケル、チタン、ケイ素、マンガン、ジルコニウム、およびそれらの合金、またはそれらの酸化物などの金属材料が用いられる。好ましくは、クロム、銅が用いられる。また、種膜21は、複数の層から形成することもできる。
種膜21を形成する方法としては、例えば、真空蒸着法などの薄膜形成法が挙げられる。真空蒸着法は、製造途中の配線回路基板1の環境を真空雰囲気にした状態で、上記した材料を蒸発させて、ベース絶縁層3の上面全面に付着させる方法である。真空蒸着法の条件は、真空度を、例えば、10Pa以下、好ましくは、1Pa以下、さらに好ましくは、0.9Pa以下、通常、0.05Pa以上に設定する。
このような真空蒸着法としては、具体的には、例えば、スパッタ蒸着法(スパッタリング)、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム加熱蒸着法、イオンプレーティングなどが挙げられ、好ましくは、スパッタリングが挙げられる。
種膜21の厚みは、例えば、0.01〜1μm、好ましくは、0.01〜0.2μmである。
次いで、図1(e)に示すように、めっきレジスト22を、種膜21の上に、導体パターン4の逆パターンで形成する。
めっきレジスト22を形成するには、例えば、まず、図示しないドライフィルムレジストを、種膜21の表面全面に積層し、その後、図示しないフォトマスクを介して露光および現像して、必要により乾燥する。
次いで、図2(f)に示すように、めっきレジスト22から露出する種膜21の上に、導体パターン4を形成する。
導体パターン4は、図5に示すように、例えば、長手方向に延びる複数(4本)の配線24と、各配線24における長手方向両端部に形成される端子部31(図5参照)とを一体的に連続して備える配線回路パターンとして形成されている。各配線24および各端子部31は、幅方向において互いに間隔を隔てて並列配置されている。
導体パターン4を形成する方法としては、電解めっきや無電解めっきなどのめっきが挙げられる。好ましくは、種膜21から給電する電解めっきが挙げられる。
導体パターン4は、例えば、銅、ニッケル、金、またはこれらの合金などの導体材料から形成されている。好ましくは、銅から形成されている。
導体パターン4の厚みは、例えば、3〜50μm、好ましくは、5〜25μmである。
その後、この方法では、図2(g)に示すように、めっきレジスト22およびめっきレジスト22が形成されていた部分の種膜21を、例えば、エッチング、剥離などによって、順次除去する。
上記したアディティブ法により、導体パターン4を、ベース絶縁層3の上に、種膜21を介して形成することができる。
次いで、この方法では、図2(h)に示すように、カバー絶縁層5を、ベース絶縁層3の上に、導体パターン4を被覆するように形成する。
具体的には、カバー絶縁層5は、図5に示すように、1つの配線回路基板1に対応して1つ設けられており、各カバー絶縁層5は、配線24を被覆し、端子部31を露出するパターンで形成されている。具体的には、カバー絶縁層5は、平面視略矩形状に形成され、その幅方向長さ(幅)が、ベース絶縁層3の幅方向長さ(幅)より短く形成されており、詳しくは、カバー絶縁層5は、厚み方向において投影したときに、貫通孔17と幅方向内側に間隔を隔てて形成されている。
カバー絶縁層5は、上記したベース絶縁層3と同様の絶縁材料から形成されている。
カバー絶縁層5の形成は、例えば、予め合成樹脂のシート(フィルム)として用意して、接着剤層を介して積層接着するか、あるいは、導体パターン4を含むベース絶縁層3の上に、感光性の合成樹脂のワニスを塗布し、乾燥後、露光後現像して上記したパターンに加工し、必要により硬化させる。
カバー絶縁層5の厚みは、例えば、2〜50μm、好ましくは、5〜30μmである。
これにより、支持基板2の上に、ベース絶縁層3、導体パターン4およびカバー絶縁層5を備える配線回路基板1を形成する。つまり、配線回路基板1は、支持基板2に支持される多層シート20として形成される。
その後、図2(i)に示すように、支持基板2を、配線回路基板1から除去する。
支持基板2を配線回路基板1から除去するには、例えば、図6に示す剥離装置27を用いて、支持基板2を配線回路基板1から剥離する。
図6において、剥離装置27は、剥離部18と、照射部8とを備えている。
剥離部18は、剥離ロール28と、第3ロール29とを備えている。
剥離ロール28は、多層シート20が、剥離ロール28の表面に沿って張設されるように配置されている。
また、第3ロール29は、剥離ロール29の上流側において、剥離ロール28と間隔を隔てて配置されている。第3ロール29は、多層シート20が剥離ロール28において張設されるように配置されている。
これにより、第3ロール29は、多層シート20の一方側面(配線回路基板1の表面)と接触し、剥離ロール28は、多層シート20の他方側面(支持基板2の裏面)と接触する。つまり、多層シート20は、搬送方向において、第3ロール29と剥離ロール28とにわたって、断面略S字形状に掛け渡されている。
また、剥離ロール28の下流側には、剥離した支持基板2を回収するための回収ロール(図示せず)と、得られる配線回路基板1を巻き取るための巻取ロール(図示せず)とが設けられている。回収ロールと、巻取ロールとは、レーザー光9が照射された多層シート20において、配線回路基板1から支持基板2を引き剥がすべく、互いに間隔を隔てて配置されている。
照射部8は、上記した接合装置30の照射部8と同様であって、詳しくは、レーザー光9を、剥離ロール28の表面に配置された多層シート20に照射できるように剥離ロール28に対向配置されている。
そして、剥離装置27では、剥離ロール28の表面に多層シート20が張設され、続いて、剥離ロール28の表面に配置された多層シート20の接合部16(図3および図4参照)に、照射部8からレーザー光9を照射する。これにより、接合部16が加熱され、接合部16が溶融する。その後、剥離ロール28の回転により、多層シート20の照射部分が剥離ロール28から離れると、回収ロールと巻取ロールとの引張力により、支持基板2が、配線回路基板1から引き剥がされながら、支持基板2が回収ロールに回収されるとともに、配線回路基板1が巻取ロールに巻き取られる。
なお、支持基板2の剥離における剥離強度は、例えば、0.01〜5N/2mm、好ましくは、0.05〜2N/2mmである。
その後、回収された支持基板2には、再度、新たに搬送される絶縁フィルム26が積層され、繰り返し使用(再利用)される。
これにより、配線回路基板1を、例えば、フレキシブル配線回路基板として得ることができる。具体的には、支持基板2の長手方向に沿って配線回路基板1が互いに間隔を隔てて順次設けられる。
そして、この方法では、支持基板2と絶縁フィルム26とを積層することにより、ベース絶縁層3を形成する。そして、支持基板2により支持されたベース絶縁層3の上に、導体パターン4を形成するので、導体パターン4の精密な配置を確保することができる。
また、この方法では、絶縁フィルム26を、支持基板2の上に積層してベース絶縁層3を形成した後、種膜21を真空蒸着法により形成する。
具体的には、真空蒸着法では、まず、ベース絶縁層3が形成された配線回路基板1を真空雰囲気に配置する。
ここで、支持基板2に貫通孔17が形成されていない場合に、ベース絶縁層3が形成された配線回路基板1を真空雰囲気に配置すると、図7(b)の矢印で示すように、支持基板2とベース絶縁層3との間に介在する空気が膨張して、配線回路基板1が変形してしまう場合がある。
しかし、上記した図1および図2で示す方法では、絶縁フィルム26を、支持基板2の上に、貫通孔17を被覆するようにして積層してベース絶縁層3を形成するので、その後、ベース絶縁層3が形成された配線回路基板1を真空雰囲気に配置しても、支持基板2とベース絶縁層3との間に介在する空気が膨張しようとするが、図7(a)の矢印で示すように、かかる空気を貫通孔17から逃がすことができる。
そのため、支持基板2とベース絶縁層3との間に介在する空気に起因する配線回路基板1の変形を防止することができる。
その結果、導体パターン4の精密な配置と、配線回路基板1の変形の防止とを同時に実現することができる。
また、この方法では、支持基板2とベース絶縁層3とをレーザー光9を用いて接合するので、これらを簡便に接合することができる。
しかも、レーザー光9を用いて、支持基板2とベース絶縁層3とを接合し、配線回路基板1の形成後に、支持基板2を除去するので、支持基板2をベース絶縁層3から容易に除去することができる。また、レーザー光9を用いるので、支持基板2およびベース絶縁層3の界面を選択的に発熱させることができ、2層シート19の熱による損傷を抑制することができる。
また、支持基板2の除去後には、支持基板2を再利用できるので、製造コストの低減を図ることもできる。
その結果、支持基板2を、簡便かつ短時間で除去して、製造コストの低減を図ることができる。
また、上記した説明において、さらに、種膜21を形成する工程(図1(d)参照)後、導体パターン4を形成する工程(図1(e)参照)前に、保護層32を、支持基板2の下に、貫通孔17を被覆するように形成することもできる。
具体的には、好ましくは、図1(e)の仮想線で示すように、種膜21を形成した直後(かつ、めっきレジスト22を形成する前)の支持基板2の下面(裏面)に、保護層32を形成する。
保護層32は、長手方向に沿って延び、支持基板2の外形形状に対応するように形成されている。詳しくは、保護層32は、その幅方向長さが、支持基板2の幅方向長さと略同一となる平帯シート(長尺)状に形成されている。
保護層32を形成する材料としては、例えば、上記した絶縁フィルム26を形成する絶縁材料と同様の樹脂材料、例えば、ステンレス、36アロイ、42アロイ、りん青銅、銅−ベリリウム合金などの金属材料が挙げられる。好ましくは、樹脂材料が挙げられる。保護層32の厚みは、例えば、5μm〜2mm、好ましくは、10μm〜1mmである。
保護層32を形成するには、図1(d)で示す種膜21が形成された配線回路基板1の支持基板2の下面(裏面)に、例えば、シート状の保護層32を、貫通孔17を被覆するように、必要により、図示しない粘着剤層を介して、貼り合わせる。
その後、保護層32は、図2(i)に示すように、カバー絶縁層5の形成後、支持基板2とともに、除去する。
ここで、めっきレジスト22やカバー絶縁層5の形成(図1(e)や図2(h)参照)における現像工程における現像液、あるいは、導体パターン4の形成におけるめっき工程(図2(f)参照)におけるめっき液などの薬液が、貫通孔17を介して、支持基板2とベース絶縁層3との間に浸入する場合がある。かかる場合には、ベース絶縁層3が汚染されるため、配線回路基板1の外観不良を生じるおそれがある。
しかし、保護層32を、種膜21を形成する工程後、導体パターン4を形成する工程前に、支持基板2の下に、貫通孔17を被覆するように形成することにより、貫通孔17に薬液が浸入することを防止することができる。そのため、上記した配線回路基板1の外観不良の発生を防止することができる。
また、上記した説明では、絶縁フィルム26と支持基板2とをレーザー光9を用いて加熱して接合したが、接合方法は、これに限定されない。例えば、高周波誘導加熱により、接合することもできる。高周波誘導加熱では、例えば、金属からなる支持基板2を、高周波誘導加熱装置を用いて加熱して、絶縁フィルム26と支持基板2とを接合する。
好ましくは、レーザー光9を用いて接合する。レーザー光9であれば、支持基板2および絶縁フィルム26を簡単かつ選択的に加熱して接合することができる。
また、上記した説明では、貫通孔17を、背面視略円形状に形成したが、その形状は、特に限定されず、例えば、図示しないが、背面視略多角形(三角形状、矩形状)に形成することもできる。好ましくは、貫通孔17を、背面視略円形状に形成する。
また、上記した説明では、貫通孔17を、厚み方向において投影したときに、カバー絶縁層5の幅方向外側に形成したが、これに限定されず、カバー絶縁層5の幅方向内側に形成することもできる。
好ましくは、貫通孔17を、厚み方向において投影したときに、カバー絶縁層5の幅方向外側に形成する。すなわち、貫通孔17の周縁部には、応力がかかり易く、かかる場合には、製品(カバー絶縁層5が形成される部分)の幅方向外側におけるベース絶縁層3に変形を生じる一方、製品となる配線回路基板1に変形を生じることを防止することができる。
また、上記した説明では、配線回路基板1をフレキシブル配線回路基板として説明したが、例えば、図示しないが、支持基板2の一部を除去し、残部を残存させて、支持基板2を補強層として有するTAB用テープキャリアとして得ることができる。さらには、支持基板2をすべて残存させた回路付サスペンション基板として得ることもできる。
なお、配線回路基板1をTAB用テープキャリアとして得る場合には、幅方向両端部に、長手方向に間隔を隔てて複数形成されるスプロケットホールなどの送り孔に、貫通孔17を兼用させる。
また、上記の説明では、本発明の配線回路基板の製造方法における各工程を、ロールトゥロール方式により実施する方法として説明したが、例えば、図示しないが、枚葉方式(バッチ方式)により実施することもできる。バッチ方式では、例えば、枚葉タイプの支持基板2および絶縁フィルム26を用いる。その場合には、接合部16が、ベース絶縁層3の周端部(幅方向両端部および長手方向両端部)に形成される。
また、上記した説明では、支持基板2を、1層から形成したが、例えば、材料の種類が異なる2層以上から形成することもできる。例えば、樹脂(ポリイミド)シートおよびその上に積層される金属基板の2層からなる2層基材として形成することもできる。この2層基材において、貫通孔17は、樹脂シートおよび金属基板の両方を貫通するように形成されている。
この場合には、レーザー光9によって加熱された接合部16の熱が、金属基板の裏面側から逃げることを防止(断熱)することができる。さらに、接合装置30における第1ロール10および第2ロール11と、金属基板との間に、樹脂シートが介在されるので、金属基板と、第1ロール10および第2ロール11との接触による金属粉(異物)の発生を抑制することができる。
また、上記した説明では、剥離装置27に照射部8を設け、照射部8のレーザー光9を用いて、多層シート20の接合部16を加熱したが、例えば、図示しないが、照射部8を設けることなく、剥離ロール28を、ヒータ(高周波誘導加熱装置などを含む)の加熱装置により加熱し、加熱された剥離ロール28と接合部16との接触によって、接合部16を加熱することもできる。さらには、加熱装置を、剥離ロール28とは別途設け、これによって、接合部16の周囲を高温雰囲気下の環境とすることにより、接合部16を加熱することもできる。
好ましくは、レーザー光9を用いて接合部16を加熱する。レーザー光9であれば、簡便かつ確実に接合部16を加熱することができる。
また、剥離部18では、接合部16を加熱することにより、支持基板2を剥離したが、例えば、図示しないが、接合部16を加熱することなく、支持基板2を、配線回路基板1を物理的な引張力のみによって引き剥がすこともできる。好ましくは、剥離強度を低減させるべく、接合部16を加熱する。
また、上記した説明では、接合工程において、レーザー光9を走査させたが、レーザー光9を固定して、ステージ12、2層シート19および加圧板13を、レーザー光9に対して相対移動させることもできる。好ましくは、レーザー光9を走査させる。これにより、所望の位置に選択的かつ簡便に接合部16を形成することができる。
なお、上記した説明では、支持基板2を平坦状に形成したが、図示しないが、例えば、支持基板2が金属基板である場合において、表面に断面凹凸形状や断面逆L字形状など適宜の形状に形成することにより、支持基板2とベース絶縁層3とにおけるアンカー効果によって、それらをより強固に接合することができる。なお、支持基板2の表面における形状は、例えば、特開2006−341515号公報や特開2006−15405号公報などの記載に準拠して形成することができる。
また、上記した説明では、種膜21を真空蒸着法により形成するとき(図1(d)参照)における配線回路基板1の変形の防止について説明したが、上記した効果は、種膜21の形成に限定されない。例えば、図1(c)に示す接合工程から後の各工程における乾燥工程でも、上記と同様に、かかる真空(減圧)雰囲気における配線回路基板1の変形の防止を図ることができる。
乾燥としては、例えば、図1(e)が参照されるように、めっきレジスト22の形成において、露光後のドライフィルムレジストの真空(減圧)乾燥が挙げられ、例えば、図2(h)が参照されるように、カバー絶縁層5の形成において、接着剤層を用いる場合には、その接着剤層の真空(減圧)乾燥、または、合成樹脂のワニスを用いる場合には、ワニスの真空(減圧)乾燥などが挙げられる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、何ら実施例および比較例に限定されることはない。
また、引張強度(剪断強度)は、JIS S−K7161に準拠して評価した。
実施例1
まず、ステンレスから形成される支持基板(SUS304、厚み25μm、東洋製箔社製)を用意し、この支持基板に、パンチング加工により、上記した位置に、内径0.5mmの貫通孔を形成した(図1(a)参照)。なお、貫通孔の数は、支持基板100cm当たり、4個であった。
次いで、上記した支持基板と、ポリイミドから形成される絶縁フィルム(商品名:ユーピレックスVT、厚み35μm、宇部興産社製)とを送出ロールから第1ロールに向けて送り出し、第1ロールにおいて、絶縁フィルムを、支持基板の上に、貫通孔を被覆するように載置することによって2層シート(接合前)を作製した(図1(b)参照)。
次いで、2層シートの幅方向両端部を、上記した図3および図4の接合装置(加圧板:透明ガラス)を用いて、これらをレーザー光によって接合することにより、幅方向両端部が支持基板に接合されたベース絶縁層を形成した(図1(c)参照)。レーザー光、搬送速度、加圧条件を以下に記載する。
レーザー光:半導体レーザー
(波長:940nm)
(出力:30W)
(ビームスポット径:2.0mm)
(走査速度:1.8m/分)
シート搬送速度:1.8m/分
加圧条件:4900kPa(50kgf/cm
接合後における2層シートの引張強度(剪断強度)は、55N/10mmであった。
次いで、厚み20μmの配線および端子部からなる導体パターンをアディティブ法により、ベース絶縁層の上に、種膜を介して形成した(図1(d)〜図2(g)参照)。
詳しくは、まず、厚み0.02μmのニッケル−クロム(Ni:80重量%、Cr:20重量%)薄膜と厚み0.13μmの銅薄膜からなる種膜を、ベース絶縁層の上面全面に、ニッケル−クロムスパッタリングと銅スパッタリングとによって順次形成した(スパッタリング工程)(図1(d)参照)。
ニッケル−クロムスパッタリングでは、真空度が0.27Paであり、銅スパッタリングでは、真空度が0.3Paであった。
このスパッタリング工程では、配線回路基板の変形が観察されなかった(図7(a)参照)。
次いで、厚み50μmのPETフィルム(保護層)を、粘着剤層を介して、支持基板の下面に貼り合わせた(図1(e)の仮想線参照)。
次いで、ドライフィルムレジストを、種膜の表面全面に積層し、その後、フォトマスクを介して露光および現像することにより、めっきレジストを導体パターンの逆パターンで形成した(図1(e)参照)。
次いで、種膜から給電する電解銅めっきにより、めっきレジストから露出する種膜の上に、厚み20μmの導体パターンを形成した(図2(f)参照)。
その後、めっきレジストおよびめっきレジストが形成されていた部分の種膜を、剥離によって除去した(図2(g)参照)。これにより、導体パターンを、ベース絶縁層の上にアディティブ法により形成した。
続いて、導体パターンを含むベース絶縁層の上に、感光性のポリアミック酸樹脂のワニスを成膜し、乾燥後、露光後現像して上記したパターンに加工し、硬化させることにより、厚み10μmのカバー絶縁層を形成した(図2(h)参照)。
その後、レーザー光の照射を用いない上記した剥離装置(図6参照)を用いて、支持基板およびPETフィルムを、ベース絶縁層から物理的な引張力で、剥離した。これにより、配線回路基板を得た。なお、剥離強度は、0.47N/2mm(90℃ピール試験)であった。
実施例2
貫通孔の数を、支持基板100cm当たり、20個に変更した以外は、実施例1と同様にして、配線回路基板を得た。
引張強度(剪断強度)および剥離強度は、実施例1と同様であった。
また、スパッタリング工程では、配線回路基板の変形が観察されなかった(図7(a)参照)。
実施例3
ステンレスから形成される支持基板に代えて、厚み35μmのポリイミドシートおよびその上に積層される厚み25μmのステンレス基板からなる2層基材(商品名:エスパネックス、新日鐵化学社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、配線回路基板を得た。
なお、ベース絶縁層は、2層基材の金属基板(ステンレス基板)の上に積層した。
接合後における3層シート(下側から上側に向かって、ポリイミドシート/ステンレス基板/ベース絶縁層)の引張強度(剪断強度)は、60N/10mmであった。また、2層基材の剥離における剥離強度は、0.55N/2mm(90℃ピール試験)であった。
また、スパッタリング工程では、配線回路基板の変形を観察されなかった。
比較例1
支持基板に貫通孔を形成せず、さらに、PETフィルム(保護層)を設けなかった以外は、実施例1と同様にして、配線回路基板を得た。
引張強度(剪断強度)および剥離強度は、実施例1と同様であった。
一方、スパッタリング工程では、膨れが発生し、配線回路基板に歪みを観察し、不良品とされた(図7(b)参照)。
本発明の配線回路基板の製造方法の一実施形態を示す工程図であって、(a)は、貫通孔が形成された支持基板を用意する工程、(b)は、絶縁フィルムを支持基板の上に載置する工程、(c)は、絶縁フィルムと支持基板とを接合する工程、(d)は、種膜をベース絶縁層の上に形成する工程、(e)は、めっきレジストを種膜の上に形成する工程を示す。 図1に引き続き、本発明の配線回路基板の製造方法の一実施形態を示す工程図であって、(f)は、導体パターンを形成する工程、(g)は、めっきレジストおよび種膜を除去する工程、(h)は、カバー絶縁層をベース絶縁層の上に形成する工程、(i)は、支持基板を配線回路基板から除去する工程を示す。 支持基板と絶縁フィルムとの接合を説明するための斜視図を示す。 接合工程の長手方向に沿う断面図を示す。 図2(h)に示す製造途中の配線回路基板の背面図を示す。 剥離工程の長手方向に沿う断面図を示す。 スパッタリング工程における配線回路基板の断面図であり、(a)は、金属基板とベース絶縁層との間の空気が、貫通孔を介して逃げる態様を示し、(b)は、金属基板とベース絶縁層との間の空気が、膨張して、配線回路基板が変形する態様を示す。
符号の説明
1 配線回路基板
2 支持基板
3 ベース絶縁層
4 導体パターン
9 レーザー光
16 接合部
17 貫通孔
21 種膜
26 絶縁フィルム
32 保護層

Claims (7)

  1. 貫通孔が形成された支持基板を用意する工程、
    絶縁フィルムを、前記支持基板の上に、前記貫通孔を被覆するように積層することにより、絶縁層を形成する工程、および、
    導体パターンを、前記絶縁層の上に形成する工程
    を備えることを特徴とする、配線回路基板の製造方法。
  2. 前記導体パターンを形成する工程は、
    前記導体パターンを形成するための種膜を、前記絶縁層の上に、真空蒸着法により形成する工程
    を含んでいることを特徴とする、請求項1に記載の配線回路基板の製造方法。
  3. 前記種膜を形成する工程後、前記導体パターンを形成する工程前に、保護層を、前記支持基板の下に、前記貫通孔を被覆するように形成する工程をさらに備えていることを特徴とする、請求項2に記載の配線回路基板の製造方法。
  4. 前記絶縁層を形成する工程では、前記支持基板と前記絶縁フィルムとをレーザー光を用いて接合し、
    さらに、前記導体パターンを形成する工程後、前記支持基板を除去する工程を備えていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の配線回路基板の製造方法。
  5. 前記貫通孔の数が、前記支持基板100cm当たり、4個以上であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の配線回路基板の製造方法。
  6. 前記支持基板が、金属基板であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の配線回路基板の製造方法。
  7. 前記絶縁フィルムが、ポリイミドから形成されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の配線回路基板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014110422A (ja) * 2012-12-04 2014-06-12 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd 印刷回路基板及びその製造方法

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