JP2013211347A - 配線板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】クッションシートを剥離する際に、金型から絶縁性シートも剥がれることを防止する。
【解決手段】凸部11a〜23aと突起部11V、12Vが形成された版面11を有する押圧面20に絶縁性シート40との密着力が相対的に弱い第1密着部21と、絶縁性シート40との密着力が第1密着部21よりも強く、絶縁性シート40との密着力が絶縁性シート40とクッションシート50との密着力よりも強い第2密着部22とが形成されたインプリントモールド1を準備する工程、突起部11V、12Vの先端が絶縁性シートを貫通して、その下層のクッションシート50に当接乃至陥没するようにインプリントモールド1を押し付ける工程、絶縁性シート40からクッションシート50を剥離する工程、インプリントモールド1を離型し、絶縁性シート40に形成された溝部401a〜413aに導電性材料Pを充填する工程、を有する。
【選択図】 図10

Description

本発明は、配線板の製造方法に関する。
この種の技術に関し、変形可能なクッションシートの上に載置した絶縁性シートに突起を有する金型を押し付け、絶縁性シートを貫通した金型の突起をクッションシートに到達させた後に、突起を貫通させた状態の絶縁性シートを配線パターンが形成された基板に積層し、離型後に絶縁性シートに形成された貫通孔に導電性材料を充填する工程を含む配線板の製造方法が知られている(特許文献1)。
国際公開第WO2012/008578
しかしながら、上述の製造方法において、変形可能なクッションシートに積層された絶縁性シートに金型を押し付けると、クッションシートと絶縁性シートとが密着し、クッションシートのみを金型及び絶縁性シートから剥離し難くなるという問題がある。また、クッションシートを強い力で剥がそうとすると、絶縁性シートまでもが金型から剥離されてしまうという問題がある。特に、絶縁性シートから金型を容易に離型するために金型表面に離型処理が施されていると、クッションシートのみを金型及び絶縁性シートから剥離することが難しい。
本発明が解決しようとする課題は、金型をクッションシートの上に積層された絶縁性シートに押し付けて絶縁性シートに貫通孔を形成する工程を備える配線板の製造方法において、金型及び絶縁性シートからクッションシートのみを容易に剥離することができるとともに、クッションシートを剥離した後に、金型から絶縁性シートを容易に剥離することである。
[1]本願の発明は、所望の配線パターンに応じて形成された凸部と所望のビアパターンに応じて形成された突起とが形成された版面を含む押圧面に、前記絶縁性シートとの密着力が相対的に弱い第1密着部と、前記絶縁性シートとの密着力が前記第1密着部の前記絶縁性シートとの密着力よりも強く、かつ前記絶縁性シートと前記クッションシートとの密着力よりも強い第2密着部とが形成された金型を準備する工程と、絶縁性シートと弾性を有するクッションシートとを準備し、前記クッションシートの一方主面と前記絶縁性シートの他方主面とが接するように前記クッションシートに前記絶縁性シートを積層する工程と、前記金型の押圧面が、前記絶縁性シートの一方主面に対向するように、前記金型を配置する工程と、前記絶縁性シート又は前記金型の何れか一方、あるいは両方を加熱しながら、前記金型の突起の先端が前記絶縁性シートを貫通して前記クッションシートに当接乃至陥没するように、前記金型を前記絶縁性シートの一方主面に押し付ける工程と、前記絶縁性シートを硬化させる工程と、前記硬化させた絶縁性シートから前記クッションシートを剥離する工程と、前記絶縁性シートから前記金型を離型する工程と、前記絶縁性シートに形成された、前記金型の配線パターンに応じる溝部及びビアパターンに応じる貫通孔に導電性材料を充填する工程と、を有する配線板の製造方法により、上記課題を解決する。
[2]上記発明において、前記金型の押圧面のうち、前記版面に対応する領域に前記第1密着部を形成し、前記金型の押圧面のうち、前記版面に対応する領域以外の領域に前記第2密着部を形成することができる。
[3]上記発明において、前記金型の押圧面のうち、中央領域に前記第1密着部を形成し、前記金型の押圧面のうち、前記中央領域の周囲の領域に前記第2密着部を形成することができる。
[4] 上記発明において、前記第1密着部は、離型剤を塗布することにより形成することができる。
[5]上記発明において、前記第2密着部は、親油化処理をすることにより形成することができる。
[6]上記発明において、前記第2密着部は、凹凸部を形成することにより形成することができる。
[7]上記発明において、前記第2密着部は、前記金型と前記絶縁性シートとを機械的に係合させるクリップにより形成することができる。
[8]上記発明において、前記クッションシートの一方主面又は前記絶縁性シートの他方主面のいずれか一方の少なくとも一部分に、前記クッションシートと前記絶縁性シートとの密着性を低下させる密着性低下領域を形成することができる。
本発明によれば、クッションシートの上に積層した絶縁性シートに金型を押し付けて絶縁性シートに貫通孔を形成する工程を備える配線板の製造方法において、金型の版面を含む押圧面に密着力が相対的に異なる第1密着部と第2密着部を形成し、第2密着部の絶縁性シートとの密着力を第1密着部の絶縁性シートとの密着力よりも強くするとともに、絶縁性シートとクッションシートとの密着力よりも強く形成するので、金型が押し付けられることにより絶縁性シートに密着させられたクッションシートのみを金型及び絶縁性シートから容易に剥離することができるとともに、クッションシートを剥離した後に、絶縁性シートを金型から容易に剥離することができる配線板の製造方法を提供することができる。 つまり、本発明によれば、クッションシートを剥離する工程では第2密着部により絶縁性シートと金型の密着性を維持しつつ、金型を離型する工程では第1密着部により離型性を維持できるので、クッションシートを剥離する際に絶縁性シートまでもが一緒に剥がれてしまう不都合及び離型時に絶縁性シートが金型から剥がせないという不都合を防止することができる。この結果、作業効率の高い配線板の製造方法を提供することができる。
第1実施形態の金型の一例を示す断面図である。 第1密着部と第2密着部とが形成された金型の第1の例を示す断面図である。 図2Aに示す金型の押圧面における第1密着部と第2密着部の形成領域を示す図である。 第1密着部と第2密着部とが形成された金型の第2の例を示す断面図である。 図3Aに示す金型の押圧面における第1密着部と第2密着部の形成領域を示す図である。 第1密着部と第2密着部とが形成された金型の第3の例を示す断面図である。 図4Aに示す金型の押圧面における第1密着部と第2密着部の形成領域を示す図である。 第2密着部の形成手法の第1の例を示す断面図である。 第2密着部の形成手法の第2の例を示す断面図である。 第2密着部の形成手法の第3の例を示す断面図である。 第1実施形態に係る配線板の製造方法の一例を説明するための工程断面図である。 第1実施形態に係る配線板の製造方法の一例を説明するための工程断面図である。 第1実施形態に係る配線板の製造方法の一例を説明するための工程断面図である。 第1実施形態に係る配線板の製造方法の一例を説明するための工程断面図である。 第1実施形態に係る配線板の製造方法の一例を説明するための工程断面図である。 第1実施形態に係る配線板の製造方法の一例を説明するための工程断面図である。 第1実施形態に係る配線板の製造方法の一例を説明するための工程断面図である。 第1実施形態に係る配線板の製造方法の一例を説明するための工程断面図である。 第1実施形態に係る配線板の製造方法の一例を説明するための工程断面図である。 第1実施形態に係る配線板の製造方法の一例を説明するための工程断面図である。 第2実施形態に係る配線板の製造方法の一例を説明するための工程断面図である。 第2実施形態に係る配線板の製造方法の一例を説明するための工程断面図である。 第3実施形態に係る配線板の製造方法の一例を説明するための工程断面図である。
<第1実施形態>
以下、第1実施形態に係る配線板の製造方法について説明する。本実施形態の配線板の製造方法は、所望の配線パターンに応じて形成された凸部と所望のビアパターンに応じて形成された突起とを含む版面を有する金型を軟化させた絶縁性シートに押し付けて形成した配線用の凹部やビア用の貫通孔に導電性材料を充填する、いわゆるインプリント方式の配線板の製造方法である。
第1実施形態に係る配線板の製造方法では、まず、絶縁性シートに押し付けられる押圧面20を有するインプリントモールド(金型)1を準備する。本実施形態のインプリントモールド1は、型締め時に、被転写材料(絶縁性シート)に押し付けられる押圧面20を備えており、さらに、この押圧面20は、所望の配線パターンに応じて形成された凸部11a〜23aと、所望のビアパターンに応じて形成された突起部11V,12Vとが形成された版面11を有する。特に限定されないが、本実施形態の版面11はインプリントモールド1の押圧面20の中央領域に形成されている。
同図に示す例では、凸部11a〜23a及び突起部11V,12Vの間には、凹部11b〜20bが形成されている。また、突起部11V(12V)の周囲には凸部14a,15a(19a,20a)が形成されており、深さの異なる階段状の溝部を絶縁性シートに転写することができる。特に限定されないが、インプリントモールド1の配線パターンに応じる凸部11a〜23aのライン/スペースは、5[μm]〜15[μm]/5[μm]〜15[μm]、その高さは5[μm]〜15[μm]とすることができる。層間導通を図るビアパターンに応じて形成された突起部11V,12Vの高さは15[μm]〜30[μm]とすることができる。突起部11V,12Vの高さは、被転写材である絶縁性シートを貫通できるように、絶縁性シートの厚さよりも高くすることができる。本例の突起部11V,12Vの高さは、被転写材である絶縁性シートの厚さ25[μm]に応じて、26[μm]とする。
インプリントモールド1の材質は、特に限定されないが、シリコン、ニッケル、銅、ダイアモンドライクカーボンを用いることができる。本実施形態では、インプリントモールド1を作製するために、表面に酸化膜を有するシリコン基材を準備し、その表面に感光性樹脂を塗布し、フォトリソグラフィ処理、ウェットエッチング処理により酸化膜のパターニングを行い、フッ素ガスによるドライエッチングを行うことにより、配線パターンに応じた凸部11a〜23aを形成する。さらに、上述の工程を繰り返すことにより、ビアパターンに応じた突起部11V,12Vを形成する。なお、インプリントモールド1の製法は特に限定されず、フォトリソグラフィを用いた処理、めっき処理、研磨処理、レーザー照射処理などの出願時に知られた処理を組み合わせて、所望の配線パターン及びビアパターンに応じて、凸部11a〜23a、突起部11V,12V、凹部11b〜20bが形成された版面11を備えるインプリントモールド1を作製することができる。
本実施形態の配線板の製造方法に用いられるインプリントモールド1の押圧面20には、被転写材料である絶縁性シートに対する密着力が異なる第1密着部21と第2密着部22とが形成されている。本実施形態におけるインプリントモールド1に形成される第1密着部21は絶縁性シート(被転写材料)との密着力が相対的に弱く、第2密着部22は絶縁性シート(被転写材料)との密着力が相対的に強い。つまり、第1密着部21と絶縁性シートとの密着力は第2密着部22と絶縁性シートとの密着力よりも弱く、第2密着部22と絶縁性シートとの密着力は第1密着部21と絶縁性シートとの密着力よりも強い。また、第2密着部22は、この第2密着部22と絶縁性シートとの密着力が、絶縁性シートとクッションシートとの密着力よりも強くなるように形成される。
本実施形態における密着力(密着性)は、予め定義された条件下において計測された引き剥がし強さ、ピール強度、剥離強度又は引っ張り強度により評価することができる。引き剥がし強さ又はピール強度は、評価対象となる二つの材料について一方の材料の表面に対して垂直に引き剥がすために必要となる単位幅当たりの力により評価することができる。剥離強度又は引っ張り強度は、評価対象となる二つの材料について一方の材料を固定し、他方の材料に垂直下向きに引っ張る事により荷重を掛け、二つの材料の間で破断が起きた時の荷重により評価することができる。各種の評価は、出願時に知られた試験方法に基づいて、出願時に知られた各種の試験装置を用いて行うことができる。試験方法は、JISに基づいて定義された方法を用いることができる。
相対的に密着力が異なる第1密着部21と第2密着部22とは、インプリントモールド1の押圧面20の異なる領域に形成される。図2A・2B,図3A・3B,図4A・4Bに、第1密着部21及び第2密着部22の形成態様の例を示す。
図2A,図3A及び図4Aは、第1密着部21及び第2密着部22が形成されたインプリントモールド1の型締方向(図中z方向)に沿う断面図を示し、図2B,図3B及び図4Bは、押圧面20における第1密着部21及び第2密着部22が形成された領域を示す図である。なお、図2B,図3B及び図4Bにおいては、第1密着部21及び第2密着部22の形成領域を分かりやすく示すために、凸部11a〜23a、突起部11V,12V及び凹部11b〜20bの表記は省略している。
図2A・2Bに示す例では、相対的に密着力の弱い第1密着部21は、インプリントモールド1の押圧面20の中央側の領域に形成され、相対的に密着力の強い第2密着部22は、押圧面20の外周側の領域であって、第1密着部21の外周に形成されている。
図3A・3Bに示すように、第2密着部22の外縁がインプリントモールド1の押圧面20の外縁よりも内側となるように、第1密着部21を押圧面20の中央側領域に形成し、第2密着部22を押圧面20の外周側領域に形成することができる。第2密着部22の外周側の押圧面20には、さらに第1密着部21を形成してもよいし、何も形成しなくてもよい。
さらに、図4A・4Bに示すように、インプリントモールド1の押圧面20の中央側の領域に第1密着部21を形成し、外周側の領域に第2密着部22を形成するとともに、第1密着部21の形成領域内にも第2密着部22を形成することができる。
なお、図2A・2B,図3A・3B,図4A・4Bは押圧面20における第1密着部21及び第2密着部22の形成領域の一例を示す図であり、具体的な態様はこれらに限定されない。インプリントモールド1と絶縁性シートとの型離れのしやすさや、押圧面20の面積、版面11の面積、版面11の凹凸の密度などを考慮して適宜に設計することができる。
また、図2A・2B,図3A・3B,図4A・4Bに示すように、相対的に密着力の弱い第1密着部21はインプリントモールド1の押圧面20の中央側領域に形成され、相対的に密着力の強い第2密着部22はインプリントモールド1の押圧面20の外周側領域であって、第1密着部21の外周に形成されている。このように、インプリントモールド1を離型する際に絶縁性シートが引き剥がされるときの開始点となる押圧面20の外周側領域に相対的に密着力の強い第2密着部22を形成することにより、例えば、絶縁性シートに貼り付けられたクッションシートを剥がすなどの、絶縁性シートが剥離される方向に外力が与えられた場合に絶縁性シートがクッションシートと一緒にインプリントモールド1から剥がれてしまうことを防止することができる。
また、図2A・2B,図3A・3B,図4A・4Bに示すように、本実施形態の製造方法において用いられるインプリントモールド1には、その押圧面20のうち、凸部11a〜23a、突起部11V,12V及び凹部11b〜20bが形成された版面11に対応する領域に第1密着部21を形成し、インプリントモールド1の押圧面20のうち、版面11に対応する領域以外の領域に第2密着部22を形成する。このように、版面11が形成された領域に密着性の弱い第1密着部21を形成し、版面11が形成されていない領域に密着性の強い第2密着部22を形成することにより、例えば、絶縁性シートに貼り付けられたクッションシートを剥がすなどの絶縁性シートが剥離される方向に外力が与えられた場合に、絶縁性シートがクッションシートと一緒にインプリントモールド1から剥がされてしまうことを防止しつつ、インプリントモールド1を離型する際には良好な型離れを確保することができる。これにより、離型したインプリントモールド1に絶縁性シートの材料が付着してしまい、配線パターンやビアパターンが正確に転写できないといった不都合を防止することができる。
次に、第1密着部21、第2密着部22の形成手法を説明する。
相対的に密着力が弱い第1密着部(第1密着層)21は、フッ素系樹脂などの離型剤にインプリントモールド1をディッピングする手法、スピンコート、スプレーコート、蒸着法などによりインプリントモールド1の押圧面20に離型剤を付着させる手法により形成することができる。離型剤の種類は特に限定されず、フッ素系シランカップリング剤(HARVES社製 DURASURF DS-5100シリーズ)などの出願時に知られているものを適宜に採用することができる。
相対的に密着力が強い第2密着部22は、相対的に密着力が弱い第1密着部21を形成しない又は形成された第1密着部21を除去する消極的な手法と、密着力を強化する第2密着部(第2密着層)22を形成する積極的な手法により形成することができる。
まず、消極的な形成手法を説明する。具体的に、インプリントモールド1の押圧面20の所定領域に、第1密着部(第1密着層)21が形成されないようにする(形成を阻害する)ことにより、第1密着部(第1密着層)21よりも相対的に密着力が強い第2密着部22を形成することができる。つまり、先述した第1密着部21を形成する際に、押圧面20の第2密着部22を形成する所定領域をマスクすることにより、第1密着部(第1密着層)21の形成を阻害し、相対的に密着力が強い第2密着部22を形成することができる。具体的には、図5に示すように、インプリントモールド1の押圧面20の所定領域にクランプCを係合させた状態で、離型剤を塗布、ディッピング又は蒸気を吹き付けて第1密着部(第1密着層)21を形成し、クランプCが係合された所定領域に第1密着部(第1密着層)21が形成されないようにすることができる。インプリントモールド1の破損を防止する観点及び離型剤が流れ込むことを防止する観点から、クランプCのインプリントモールドに接する部分をゴムなどの弾性材料で構成することができる。第1密着部(第1密着層)21の形成を阻害するマスク部材としては、クランプC以外に粘着テープやUV硬化型粘着テープなどの樹脂フィルムを用いることができる。このように、インプリントモールド1の押圧面20に第1密着部(第1密着層)21を形成した後に、クランプCなどのマスク部材を除去することにより、密着力が相対的に強い第2密着部22を形成することができる。
また、インプリントモールド1の押圧面20に第1密着部(第1密着層)21を形成した後に、インプリントモールド1の押圧面20の所定領域が開口したマスクMを介して紫外光線(UV光)を照射することにより、第1密着部(第1密着層)21を破壊し、一旦形成された第1密着部(第1密着層)21を除去することにより、密着力が相対的に強い第2密着部22を形成することができる。本例では、用いる離型剤に応じて100〜200nmの波長の紫外線を照射することにより、形成された第1密着部(第1密着層)21を破壊する。
さらに、インプリントモールド1の押圧面20に形成された第1密着部(第1密着層)21のうち一部領域(第2密着部22を形成する領域)の離型膜(第1密着部21)を除去する方法としては、以下の方法を用いることができる。例えば、インプリントモールド1の押圧面20の全面に離型膜である第1密着部21を形成した後、第2密着部22を形成する領域のみに、例えば10[Pa]以下の減圧下で、波長172[nm]のキセノンエキシマランプを3[J/cm]以上照射することで、第2密着部22を形成する領域から離型膜である第1密着部21を除去することができる。
続いて、第1密着部(第1密着層)21よりも密着力の強い第2密着部(第2密着層)22を形成する積極的な手法を説明する。本実施形態では、インプリントモールド1の押圧面20の所定領域に親油化処理をすることにより親油性膜である第2密着部(第2密着層)22を形成する。具体的に、押圧面20に第1密着部(第1密着層)21を形成した後に、ヘキサメチルジシラザン(HMDS,C6H19NSi2)をディッピングや蒸気によって付着させる。インプリントモールド1の押圧面20のうち、クランプCなどのマスクにより覆われていた領域以外の領域や、第1密着部(第1密着層)21が除去された領域以外の領域には、フッ素系単分子膜からなる第1密着部(第1密着層)21が形成されているため、マスク処理を行わなくてもHMDSが付着せず、クランプCなどのマスクにより覆われていた領域又は第1密着部(第1密着層)21が除去された領域のみ(第1密着部(第1密着層)21が形成されていない領域のみ)に親油性膜である第2密着部(第2密着層)22を形成することができる。これにより、第1密着部(第1密着層)21とは異なる領域に、第1密着部(第1密着層)21よりも密着力の強い第2密着部(第2密着層)22を形成することができる。なお、HMDSに代えて、オクタデシルトリクロロシラン(OTS,SiCl3C18H37)を用いて第2密着部(第2密着層)22を形成してもよい。
また、上述の製法では、離型膜である第1密着部(第1密着層)21を形成した後に親油性膜である第2密着部(第2密着層)22を形成するが、順序は限定されず、親油性膜である第2密着部(第2密着層)22を形成した後に離型膜である第1密着部(第1密着層)21を形成してもよい。具体的には、インプリントモールド1の押圧面20の全面にHDMSを付着させ、第1密着部(第1密着層)21を形成する領域のみに紫外線を照射して親油性膜である第2密着部(第2密着層)22を変性させた後に、押圧面20の全面に離型剤を塗布してもよい。
加えて、本実施形態では、図7に示すように、第1密着部(第1密着層)21よりも密着力の高い第2密着部(第2密着層)22を、凹凸部(22)により形成することができる。凹凸部は、版面11の凹部11b〜20bの底部と同じ高さの面から凸状となる凸部22pと凸部22pとの間に形成される凹部22qにより形成することができる。第2密着部(第2密着層)22として凸部22p及び凹部22qを形成することにより、絶縁性シートとの密着面積が増加し、両者の密着力を向上させることができる。この凸部22p及び凹部22qは、版面11の凸部11a〜23a、突起部11V,12V、凹部11b〜20bを形成する工程において一緒に形成することができる。凸部22p及び凹部22qの形成手法はこれに限定されず、インプリントモールド1を形成してから第2密着部(第2密着層)22の形成領域に印刷法などを用いて形成してもよい。
次に、図8に示すように、被転写材となる絶縁性シート40と弾性を有するクッションシート50とを準備し、クッションシート50の一方主面50aと絶縁性シート40の他方主面40bとは接するように、クッションシート50の上に絶縁性シート40を積層する。そして、熱インプリント装置のステージSTの載置面にクッションシート50の他方主面50bが接するようにセットする。
特に限定されないが、被転写材となる絶縁性シート40は、電気絶縁性を有し、例えば、厚さ25[μm]などの液晶ポリマー(LCP)その他の熱可塑性樹脂シートを用いることができる。他にも、絶縁性シート40としては、例えば、ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の熱可塑性樹脂材料や、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂材料から構成することができる。また、クッションシート50としては、例えば東レ・デュポン株式会社製のカプトン100Hなどのポリイミドフィルムを用いることができる。他にも、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又はフッ素樹脂等の可塑性のフィルム又は可塑性の多孔質部材をクッションシート50として用いることができる。
また、図8に示すように、支持体10に支持されたインプリントモールド1を、その押圧面20が、絶縁性シート40の一方主面40aに対向するように配置する。
そして、図9に示すように、絶縁性シート40又はインプリントモールド1の何れか一方、あるいは両方を加熱しながら、ステージSTを上昇(図中z方向に沿って上方向へ移動)させて、又は支持体10及びインプリントモールド1を下降(図中z方向に沿って下方向へ移動)させて、インプリントモールド1を絶縁性シート40の一方主面40aに押し付ける(熱インプリント処理)。このとき、絶縁性シート40は、材料となる各樹脂の特性に応じてガラス転移点以上又は軟化点以上などの熱変形を起こす温度以上に加熱される。特に限定されないが、本実施形態では、転写時において、0.15〜4.0[MPa]の圧力下で、絶縁性シート40を260[℃]〜300[℃]程度に加熱することができる。本例では、転写時において、3.6[MPa]の圧力下で、絶縁性シート40を295[℃]に加熱する。
インプリントモールド1が絶縁性シート40に押し付けられると、クッションシート50は変形し、インプリントモールド1から与えられる押圧力を吸収する。インプリントモールド1の突起部11V、12Vの先端は、絶縁性シート40を貫通し、クッションシート50の一方主面50a側に当接乃至陥没する。このように、絶縁性シート40の他方主面40b側(図中下面側)に弾性を有するクッションシート50を配置することにより、突起部11V、12Vを絶縁性シート40に貫通させることができるので、絶縁性シート40に貫通孔を確実に形成することができる。
なお、図9に示す型締め後の第1密着部(第1密着層)21と第2密着部(第2密着層)22は、便宜上、図8に示す型締め前と同じ形状・大きさで示しているが、実際には加熱及び加圧されることにより圧縮されており絶縁性シート40に密着している。
その後、絶縁性シート40を所定の硬化温度(例えば60[℃]程度)まで冷却し、絶縁性シート40を硬化させる。本例では、ステージSTを65[℃]に冷却することにより絶縁性シート40を硬化させる。絶縁性シート40が硬化したら、支持体10を上昇(図中z方向に沿って上方向へ移動)させるか、又はステージSTを下降(図中z方向に沿って下方向へ移動)させる。この状態において、支持体10に支持されたインプリントモールド1、絶縁性シート40及びクッションシート50は一体となっている。
次に、図10に示すように、絶縁性シート40に密着しているクッションシート50の端部51を矢印Dに沿って移動させ、クッションシート50を絶縁性シート40から剥離する。つまり、クッションシート50の一方主面50aと絶縁性シート40の他方主面40bとを離隔させる。ちなみに、後述する多層配線板を作製する場合には、この状態で下層側の配線板100に押し付けることにより積層を行う。
先述したように、熱インプリントの工程において、インプリントモールド1を絶縁性シート40に加熱しながら押し付けることにより、クッションシート50と絶縁性シート40との密着性は高くなっている。このため、クッションシート50を絶縁性シート40から引き剥がす際に、絶縁性シート40がインプリントモールド1から一緒に剥がれてしまう場合がある。
これに対し、本実施形態の配線板の製造方法において用いられるインプリトモールド1の押圧面20に、絶縁性シート40とクッションシート50との密着力よりも強い密着力を示す第2密着部22が形成されているため、クッションシート50を引き剥がすための外力が印加されても、絶縁性シート40がインプリントモールド1から引き剥がされることがない。つまり、図10及び図11に示すように、クッションシート50のみを絶縁性シート40から剥離することができる。
ところで、クッションシート50を引き剥がすときに絶縁性シート40もインプリントモールド1から引き剥されてしまうと、絶縁性シート40に不測の力が印加され、版面11により転写される配線パターン及びビアパターン用の溝部やピッチ幅が引き伸ばされるという不都合がある。配線パターン及びビアパターン用の溝部やピッチ幅が引き伸ばされると層間導通を行うパッドの位置が合わないという不都合や、配線幅が一定とならないといった不都合がさらに引き起こされ、配線板(製品)の品質を低下させる場合がある。
本実施形態の配線板の製造方法によれば、絶縁性シート40の下側にクッションシート50を配置し、絶縁性シート40に貫通孔を確実に形成するという効果を得つつも、クッションシート50を設けることによる上記不都合の発生を防止することができる。つまり、クッションシート50を引き剥がすときに絶縁性シート40までもが引き剥されることを防止し、絶縁性シート40に不測の力が印加されることにより、絶縁性シート40に転写される配線パターン及びビアパターン用の溝部やピッチ幅が引き伸ばされるという不都合の発生を防止することができる。この結果、層間導通を行うパッドの位置が合わないという不都合や、配線幅が一定とならないといった不都合の発生を抑制することができるので、配線板(製品)の品質向上を図ることができる。
続いて、図12に示すように、絶縁性シート40からインプリントモールド1を離型させると、絶縁性シート40の一方主面40a側に、版面11の凸部11a〜23aに応じた配線パターン用の溝部401a〜413a、版面11の突起部11V,12Vに応じたビアパターン用の貫通孔401V,402Vを形成することができる。
絶縁性シート40とインプリントモールド1との間には、相対的に密着力の高い第2密着部22と相対的に密着力の弱い第1密着部21とが形成されている。押圧面20に形成されている第2密着部22から絶縁性シート40を剥離するには大きな力が必要となるが、押圧面20に形成されている第1密着部21から絶縁性シート40を剥離するのは容易である。特に、版面11に対応する領域に第1密着部21を形成する場合には、版面11の凸部11a〜23a及び突起部11V,12Vから絶縁性シート40を容易に剥離できるので、配線パターン及びビアパターンを正確に絶縁性シート40に転写することができる。
また、インプリントモールド1を絶縁性シート40から離型する際には、インプリントモールド1の周縁部から絶縁性シート40との離隔が開始し、それを起点として線上に進行する。このため、インプリントモールド1の周縁部において絶縁性シート40の剥離が開始されなければ、インプリントモールド1は離型されずに、インプリントモールド1と絶縁性シート40とは密着した状態を維持できる。本実施形態では、押圧面20の中央領域に第1密着部21を形成し、中央領域の周囲の領域に第2密着部22を形成することにより、絶縁性シート40からインプリントモールド1を離型する際の離型開始点においては第2密着部22により密着力を強くし、離型開始点の内側においては第1密着部21により密着力を弱くする。これにより、クッションシート50を剥離する際にインプリントモールド1が絶縁性シート40から小さい力で剥がれることを防止しつつ、インプリントモールドを絶縁性シート40からいったん剥がし始めた以降は小さい力で剥がし続けることができる。
なお、クッションシート50のみを剥離して、インプリントモールド1と絶縁性シート40とが所定の密着力以上で一体となった状態を保つことができれば、他の配線板100との積層を容易にすることができる。これにより、多層積層の工程を容易にすることができる。
インプリントモールド1の離型後、絶縁性シート40に形成された溝部401a〜413a及び貫通孔401V,402Vに、図13に示すように導電性材料を充填する。具体的に、溝部401a〜413a及び貫通孔401V,402Vが形成された絶縁性シート40にスパッタや無電解めっきを施し、溝部401a〜413a及び貫通孔401V,402Vの内壁にシード層を形成し、このシード層に給電して電解めっきを行うことにより、溝部401a〜413a及び貫通孔401V,402Vに導電性材料Pを充填する。
電解めっき工程によって溝部401a〜413a及び貫通孔401V,402Vに充填される導電性材料Pは、特に限定されないが、例えば、ニッケル、鉄、アルミニウム、金、銀及び銅の群から選択された少なくとも1種類以上の金属を用いることができる。導電性材料Pを溝部401a〜413a及び貫通孔401V,402Vに充填する手法は、めっきに限定されず、金属などの導電性材料とバインダを含む導電性ペーストを絶縁性シート40にスクリーン印刷してもよい。導電性材料Pの充填後、溝部401a〜413a及び貫通孔401V,402Vからはみ出した導電性材料Pを研磨又はエッチングにより除去して、図13に示すような、配線及びビアパターンが形成された配線板100を得ることができる。
続いて、作製された配線板100を用いて多層配線板200を作製する手法を説明する。図13に示す作製された配線板100の下側面(z方向に沿う下側の面)に、図14に示すように下部配線Hを形成する。下部配線Hの形成手法は特に限定されず、一般的な配線形成手法を用いることができる。例えば、絶縁性シート40の他方主面(図中下面)にレジストを塗布し、フォトリソグラフィ技術を用いてレジストを下部配線Hに応じてパターニングし、その後、めっき処理を行うことにより、下部配線Hを形成することができる。そして、図14に示すように、下部配線Hが形成された配線板100を、ステージSTの載置面にセットされたクッションシート50の上に、下部配線Hがクッションシート50に接するようにセットする。
次に、既述した配線板の製造方法の手順に従い、図11に示す、クッションシート50のみが剥離され、インプリントモールド1と絶縁性シート40が所定の密着力以上で一体となった状態とし、これを図15に示すように、クッションシート50の上にセットされた第1配線板101に対向配置し、位置を調節した後に、所定の温度及び圧力下において押し付ける。
絶縁性シート40を硬化させた後、図16に示すように、インプリントモールド1を絶縁性シート40から離型し、絶縁性シート40に溝部401a〜413a及び貫通孔401V,402Vを形成する。そして、図17に示すように、溝部401a〜413a及び貫通孔401V,402Vに導電性材料Pを充填する。導電性材料Pの充填手法は特に限定されず、クロムスパッタ、酸化クロムスパッタ、ニッケルスパッタ、無電解めっき法などにより溝部401a〜413a及び貫通孔401V,402Vの内壁に給電層を形成し、硫酸銅めっき液で電解ビアフィルめっき法などにより全面パネルめっきを行うことにより導電性材料Pを充填することができる。その後、過剰の導電性材料Pをエッチング処理又は機械的研磨処理などにより除去し表面を平坦にし、第2配線板102を形成する。図15〜図17に示す積層工程を繰り返すことにより、所望の積層数の多層配線板200を得ることができる。インプリントモールド1に絶縁性シート40の材料が付着した場合には、アセトンなどの有機溶媒で除去する。
このように、本実施形態の配線板の製造方法によれば、変形可能なクッションシート50の上に積層した絶縁性シート40にインプリントモールド1を押し付け、インプリントモールド1の突起部11V,12Vをクッションシートに当接乃至陥没させるので、確実に絶縁性シート40を貫通した貫通孔401V,402Vを形成することができる。さらに、突起部11V,12Vは絶縁性シート40を確実に貫通するので、離型したときに貫通孔401V,402Vの底に樹脂の残膜が生じない。つまり、貫通孔401V,402Vの底に残った樹脂残膜を除去するためにプラズマ照射、レーザー照射、及びケミカルエッチングなどの配線板にダメージを与える処理を行う必要が無い。
このような利点を考慮してクッションシート50を用いた場合には、押圧されたクッションシート50と絶縁性シート40とが密着して、クッションシート50を剥離する際に絶縁性シート40までもがインプリントモールド1から剥離してしまう場合がある。しかし、本実施形態の配線板の製造方法に用いられるインプリントモールド1の押圧面20には、相対的に密着力が弱い第1密着部21と相対的に密着力が強い第2密着部22とが形成され、しかも、第2密着部22の密着力は絶縁性シート40とクッションシート50との密着力よりも強いので、クッションシート50を剥すときに絶縁性シート40も一緒に剥がれてしまうという不都合を防止することができる。この結果、クッションシート50を用いた場合のデメリットを克服しつつ、上記クッションシート50を用いた場合のメリットを得ることができる。なお、本実施形態において、第1配線板101の一方主面の配線パターン用の溝401a〜413a及び貫通孔401V,402Vを形成するために使用したインプリントモールド1と、第2配線板102の一方主面の配線パターン用の溝及び貫通孔を形成するためのインプリントモールドは同じであってもよいし、異なったインプリントモールドであってもよい。
<第2実施形態>
続いて、第2実施形態の配線板の製造方法を図18A及び図18Bに基づいて説明する。第2実施形態の配線板の製造方法は、第2密着部22がインプリントモールド1と機械的に係合させるクリップ30により構成される点を特徴とする。本実施形態の配線板の製造方法は、第1実施形態の配線板の製造方法と基本的に共通するので、ここでは異なる点を中心に説明し、共通する点については第1実施形態における説明を援用する。
図18Aは、本実施形態の配線板の製造方法に用いられるインプリントモールド装置を示す図である。本実施形態における第2密着部22の密着力はクリップ30により調節される。第1密着部21は第1実施形態と同様に離型処理により形成する。クリップ30は、インプリントモールド1を支持する支持体10の上面(図中上側面)に配置された第1押さえ板31aと、絶縁性シート40の他方主面40bとクッションシート50の一方主面50aとの間の配置された第2押さえ板31bとを有する。第1押さえ板31a及び第2押さえ板31bは、インプリントモールド1及び絶縁性シート40の外縁に沿って複数個設けることができる。本例では、インプリントモールド1及び絶縁性シート40の対向する2辺に、一対の第1押さえ板31a及び第2押さえ板31bを配置した例を示すが、押さえ板31a,31bの形状、大きさ(長さ)、個数は特に限定されず、適宜に設定することができる。また、クリップ30は、第1押さえ板31a及び第2押さえ板31bを上下から挟み込む支柱部材33a、33bを備える。支柱部材33aは、第1押さえ板31a及び第2押さえ板31bを上下から挟み込むように押圧し、支柱部材33bは、第1押さえ板31a及び第2押さえ板31bの間を支える。つまり、第1押さえ板31aと第2押さえ板31bは、支柱部材33a及び33bの両端部により挟み込まれ、所定の位置に保持される。
さらに、クリップ30は、支柱部材33aが第1押さえ板31aと第2押さえ板31bを挟み込む力(第1押さえ板31aと第2押さえ板31bを押圧する力)を調整する押圧力調整部32を備える。押圧力調整部32は支柱部材33a、33bの長さを調節し、支柱部材33a、33bが第1押さえ板31aと第2押さえ板31bを挟み込む力を加減する。なお、押圧力調整部32の具体的な構成は特に限定されず、第1押さえ板31aと第2押さえ板31bの位置、つまり支柱部材33a、33bの長さを調整する機能を有する螺子式の機構やバネ式の機構などを採用することができる。このクリップ30は、インプリントモールド1の押圧面20を絶縁性シート40に押し付ける力を制御することができるので、押圧面20に相対的に密着力が弱い第1密着部21よりも相対的に密着力が強い第2密着部22を形成することができる。絶縁性シート40の厚さ、材質などが同じ条件であり、第1押さえ板31a及び第2押さえ板31bの押圧位置間の距離(支柱部材33bの長さ)が短ければ、第2密着部22はクリップ30により強く押圧され、その密着力は高くなる。他方、第1押さえ板31a及び第2押さえ板31bの押圧位置間の距離(支柱部材33bとの距離)が長ければ、第2密着部22は強く押圧されないので、その密着力は低くなる。
インプリントモールド1の押圧面20のうち、第1押さえ板31aと第2押さえ板31bにより押圧力が印加される領域が第2密着部22である。第2密着部22を押圧面20のうち版面11に対応する領域以外に形成するためには、第1押さえ板31aと第2押さえ板31bを版面11に対応する領域以外の領域に配置することが好ましい。また、第2密着部22を押圧面20のうち中央領域の周囲の領域に形成するためには、第1押さえ板31aと第2押さえ板31bを中央領域の周囲の領域に配置することが好ましい。
図18Bは、型締時、つまりインプリントモールド1が絶縁性シート40に押し付けられた状態を示す図である。同図に示すように、インプリントモールド1の下降に伴い、押圧力調整部32は支柱部材33bの長さを縮めるとともに、第1押さえ板31aと第2押さえ板31bの押圧位置の距離を縮める。このように、押圧力調整部32は、インプリントモールド1の動きに連動して第1押さえ板31aと第2押さえ板31bに印加する押圧力を調節することができるので、第1密着部22の密着力をクッションシート50と絶縁性シート40との密着よりも高い値に保つことができる。
第1密着部21の形成手法、配線板の製造工程は第1実施形態と共通するので、これらの点に関する説明は第1実施形態の説明を引用する。本実施形態の配線板の製造方法によれば、第1実施形態の配線板の製造方法と共通の作用及び効果を得ることができる。
<第3実施形態>
続いて、第3実施形態の配線板の製造方法を図19に基づいて説明する。第3実施形態の配線板の製造方法は、クッションシート50の一方主面又は絶縁性シート40の他方主面のいずれか一方の少なくとも一部分にクッションシート50と絶縁性シート40との密着性を低下させる密着性低下領域60が形成されている点を特徴とする。この特徴点は、第1及び第2実施形態の配線板の製造方法に付加的に適用可能である。本実施形態の配線板の製造方法は、第1実施形態の配線板の製造方法と基本的に共通するので、ここでは異なる点を中心に説明し、共通する点については第1実施形態における説明を援用する。
図19は、本実施形態の密着性低下領域60が形成された絶縁性シート40及びクッションシート50を示す。同図に示すように、クッションシート50の一方主面50aと絶縁性シート40の他方主面40bとの間には、挟み込み部材61が挿間されている。この挟み込み部材61は、クッションシート50及び絶縁性シート40とは異なる材料からなる樹脂製フィルム、樹脂製又は金属製の部材である。このように、クッションシート50と絶縁性シート40との間にこれらとは異質の材料からなる挟み込み部材61を配置することにより、熱インプリント工程において、クッションシート50と絶縁性シート40が密着することを防止し、後にクッションシート50の剥離が容易に行えるようにすることができる。なお、クッションシート50の剥離はその周縁から開始されるので、密着性低下領域60はクッションシート50の中央領域の周囲に設けることが好ましい。また、密着性低下領域60は第2密着部22の形成領域に対応する領域に設けることが好ましい。第2密着部22の密着力はクッションシート50と絶縁性シート40との密着力よりも高くなるように形成されるため、密着性低下領域60を設けることにより、第2密着部22に要求される密着力を低減させることができ、これに伴い、インプリントモールド1の離型に要する力も低減させることができる。この結果、クッションシート50を剥離する際に、絶縁性シート40も一緒に剥がれることを防止しつつ、クッションシート50の剥離及びインプリントモールド1の離型に大きな力をかけなくてもよい配線板の製造方法を提供することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
1…インプリントモールド,金型
10…支持体
11…版面
11a〜23a…凸部
11V,12V…突起部
11b〜20b…凹部
H…下部配線
20…押圧面
21…第1密着部,第1密着層
22…第2密着部,第2密着層
C…クランプ
M…マスク
30…クリップ
31a…第1押さえ板
31b…第2押さえ板
32…押圧力調整部
33a、33b…支柱部材
40…絶縁性シート
40a…絶縁性シートの一方主面
40b…絶縁性シートの他方主面
401a〜413a…溝部
401V,402V…貫通孔
P…導電性材料
50…クッションシート
50a…クッションシートの一方主面
50b…クッションシートの他方主面
ST…ステージ
60…密着性低下領域
61…挟み込み部材
100…配線板
101…第1配線板
102…第2配線板
200…多層配線板

Claims (8)

  1. 所望の配線パターンに応じて形成された凸部と所望のビアパターンに応じて形成された突起とが形成された版面を含む押圧面に、前記絶縁性シートとの密着力が相対的に弱い第1密着部と、前記絶縁性シートとの密着力が前記第1密着部の前記絶縁性シートとの密着力よりも強く、かつ前記絶縁性シートと前記クッションシートとの密着力よりも強い第2密着部とが形成された金型を準備する工程と、
    絶縁性シートと弾性を有するクッションシートとを準備し、前記クッションシートの一方主面と前記絶縁性シートの他方主面とが接するように前記クッションシートに前記絶縁性シートを積層する工程と、
    前記金型の押圧面が、前記絶縁性シートの一方主面に対向するように、前記金型を配置する工程と、
    前記絶縁性シート又は前記金型の何れか一方、または両方を加熱しながら、前記金型の突起の先端が前記絶縁性シートを貫通して前記クッションシートに当接乃至陥没するように、前記金型を前記絶縁性シートの一方主面に押し付ける工程と、
    前記絶縁性シートを硬化させる工程と、
    前記硬化させた絶縁性シートから前記クッションシートを剥離する工程と、
    前記絶縁性シートから前記金型を離型する工程と、
    前記絶縁性シートに形成された、前記金型の配線パターンに応じる溝部及びビアパターンに応じる貫通孔に導電性材料を充填する工程と、を有する配線板の製造方法。
  2. 前記金型の押圧面のうち、前記版面に対応する領域に前記第1密着部を形成し、
    前記金型の押圧面のうち、前記版面に対応する領域以外の領域に前記第2密着部を形成することを特徴とする請求項1に記載の配線板の製造方法。
  3. 前記金型の押圧面のうち、中央領域に前記第1密着部を形成し、
    前記金型の押圧面のうち、前記中央領域の周囲の領域に前記第2密着部を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の配線板の製造方法。
  4. 前記第1密着部は、離型剤を塗布することにより形成されることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の配線板の製造方法。
  5. 前記第2密着部は、親油化処理をすることにより形成されることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の配線板の製造方法。
  6. 前記第2密着部は、凹凸部を形成することにより形成されることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の配線板の製造方法。
  7. 前記第2密着部は、前記金型と前記絶縁性シートとを機械的に係合させるクリップにより形成されることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の配線板の製造方法。
  8. 前記クッションシートの一方主面又は前記絶縁性シートの他方主面のいずれか一方の少なくとも一部分に、前記クッションシートと前記絶縁性シートとの密着性を低下させる密着性低下領域が形成されていることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の配線板の製造方法。
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CN107146632A (zh) * 2017-05-12 2017-09-08 昆山上艺电子有限公司 一种笔记本电脑光驱滑片的制造工艺

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