JP2001270293A - 反射防止性に優れた成形品の製造方法とこれに用いる転写材 - Google Patents

反射防止性に優れた成形品の製造方法とこれに用いる転写材

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JP2001270293A
JP2001270293A JP2000085801A JP2000085801A JP2001270293A JP 2001270293 A JP2001270293 A JP 2001270293A JP 2000085801 A JP2000085801 A JP 2000085801A JP 2000085801 A JP2000085801 A JP 2000085801A JP 2001270293 A JP2001270293 A JP 2001270293A
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JP2000085801A
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Ryomei Men
了明 面
Yoshihide Inago
吉秀 稲子
Yosuke Matsukawa
陽介 松川
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Nissha Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低反射層を最外層として容易に形成できる反
射防止性に優れた成形品の製造方法とこれに用いる転写
材を提供する。 【解決手段】 水、弱アルカリ、アルコールのいずれか
により溶解溶出或いは膨潤剥離する特性を有した樹脂か
らなる基体シート上に、転写層の一構成層としての低反
射層を基体シートと接して有する転写材を用い、これを
基体シートがキャビティ面に接するように金型内に設置
し、金型内に成形樹脂を射出し、射出成形品を得るのと
同時にその表面に転写材を接着し、型開きして成形品を
取り出した後、前記基体シートを水、弱アルカリ液、ア
ルコールのいずれかにより溶解溶出或いは膨潤剥離さ
せ、転写層の最外層として低反射層を露出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、反射防止性に優
れた成形品の製造方法とこれに用いる転写材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、家電製品、化粧品容器、雑貨
品などの成形品表面に絵付けを行う方法として、転写法
がある。転写法とは、基体シート上に剥離層、図柄層、
接着層などからなる転写層を形成した転写材を用い、加
熱加圧して転写材を成形品表面に接着させた後、基体シ
ートを剥離して、成形品表面に転写層のみを転移させる
方法である。
【0003】また、表面の反射が著しい成形品に転写層
を設けた場合、とりわけ成形品が携帯電話、ビデオカメ
ラ、デジタルカメラ、自動車用機器などのディスプレイ
部分のカバー部品のように文字・記号などの装飾ととも
に内部の液晶表示を透視させるための表示用透明窓部を
有する場合には、転写材にあらかじめ低反射層(AR
層)を形成し、絵付けと同時に低反射層を転写する方法
も検討されている。
【0004】転写材の低反射層を形成する方法として
は、また、真空成膜法により無機酸化物系の低屈折材料
を単層で設ける方法がある。また、多重干渉を利用し、
低屈折材料と高屈折材料とを積層して低反射層を設ける
方法がある。また、フッ素化合物などの有機系の低屈折
物質あるいは常温硬化する無機系酸化物の低屈折物質を
溶液化してコーティングする方法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記転写材の基体シー
トに低反射層を直接形成すると、基体シートと低反射層
の固着力が高く、成形品へ転写材を接着した後に基体シ
ートを剥離する際、基体シートと低反射層との間で容易
に剥離しなくなる。無理に剥離すると、低反射層が層内
剥離を起こしたり、あるいは基体シートが剥がれずに破
れたりして、成形品に外観不良が発生するという問題が
ある。
【0006】そのため、従来の転写材においては、基体
シートと低反射層との間に必ず剥離層を設けなければな
らず、転写後、成形品の最表面に存在する剥離層によっ
て低反射層の効果が半減していた。
【0007】したがって、本発明は、上記のような問題
点を解消し、低反射層を最外層として容易に形成できる
反射防止性に優れた成形品の製造方法とこれに用いる転
写材を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の転写材は、水、弱アルカリ、アルコールの
いずれかにより溶解溶出或いは膨潤剥離する特性を有し
た樹脂からなる基体シート上に、転写層の一構成層とし
ての低反射層を基体シートと接して有するように構成し
た。
【0009】また、上記構成において、転写層として低
反射層の上に保護層を有するように構成してもよい。
【0010】また、上記構成において、転写層として低
反射層の上に図柄層を有するように構成してもよい。
【0011】また、上記構成において、転写層として低
反射層の上に保護層、図柄層を順次有するように構成し
てもよい。
【0012】また、上記各構成において、転写層の最上
層として接着層を有するように構成してもよい。
【0013】本発明の反射防止性に優れた成形品の製造
方法は、上記したいずれかの転写材を基体シートがキャ
ビティ面に接するように金型内に設置し、金型内に成形
樹脂を射出し、射出成形品を得るのと同時にその表面に
転写材を接着し、型開きして成形品を取り出した後、前
記基体シートを水、弱アルカリ液、アルコールのいずれ
かにより溶解溶出或いは膨潤剥離させ、転写層の最外層
として低反射層を露出させるように構成した。
【0014】また、本発明の反射防止性に優れた成形品
の製造方法は、上記した接着層を有する転写材を成形品
表面に接着した後、前記基体シートを水、弱アルカリ
液、アルコールのいずれかにより溶解溶出或いは膨潤剥
離させ、転写層の最外層として低反射層を露出させるよ
うに構成した。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の転写材とこれを用いた反射防止性に優れた成形品およ
びその製造方法をさらに詳しく説明する。図1は本発明
の転写材の一実施例を示す断面図、図2〜6は本発明の
反射防止性に優れた成形品の製造工程の一実施例を示す
断面図である。図中、1は転写材、2は基体シート、3
は低反射層、4は保護層、5は図柄層、6は接着層、7
は成形品、8は金型、9は成形樹脂、10は耐熱ゴム状
弾性体、11は洗浄をそれぞれ示す。
【0016】まず、本発明に係る転写材について説明す
る。本発明の転写材1は、水、弱アルカリ、アルコール
のいずれかにより溶解溶出或いは膨潤剥離する特性を有
した樹脂からなる基体シート2上に、転写層の一構成層
としての低反射層3を基体シート2と接して有する(図
1参照)。
【0017】本発明の特徴となる基体シート2は、転写
材1を成形品7表面に接着した後に、水、弱アルカリ、
アルコールのいずれかにより溶解溶出或いは膨潤剥離さ
れるものである。基体シート2としては、ポリビニルア
ルコールフィルム、ポリビニルブチラールフィルム、ポ
リビニルホルマールフィルム、セロハンフィルム、エチ
レンビニルアルコール共重合体フィルム、セルロース系
フィルムなどを用いることができる。基体シート2の厚
みとしては、4μm〜80μmの範囲、好ましくは4μ
m〜25μmの範囲から適宜選択される。4μm未満の
場合、溶解溶出および膨潤剥離が容易であるが、皺やカ
ールなどが発生しやすく取り扱いが困難である。一方、
80μmを越える場合、溶解溶出および膨潤剥離が困難
である。
【0018】低反射層3は、反射を防止するための層で
あり、転写材1を成形品7表面に接着した後に基体シー
ト2を溶解溶出或いは膨潤剥離させた際に転写層の最外
層として露出される。
【0019】低反射層3に用いる低屈折材料としては、
公知のものならすべて使用できる。たとえば、フッ化マ
グネシウム、酸化ケイ素などの無機化合物を用いること
ができる。また、オルガノポリシロキサンなどの有機金
属化合物を用いることもできる。また、これらの化合物
の多孔体を用いることもできる。また、フッ素系合成樹
脂などの有機化合物を用いることも可能である。
【0020】低反射層3の構成としては、微細孔を有す
る酸化ケイ素あるいは酸化アルミウムを酸化ケイ素に分
散し単層として使用したり、フッ化マグネシウムを単層
として用いるほか、酸化チタン層/酸化ケイ素層の2層
構成の低反射層3として使用したり、酸化チタン層/酸
化ケイ素層/酸化チタン層/酸化ケイ素層のように4層
構成の低反射層3など多重干渉を利用した多層構成の低
反射層3としてもよい。
【0021】これらの低反射層3の製造方法としては、
真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング
法などがある。あるいは金属アルコラート、金属キレー
トなどの有機金属化合物を浸積法あるいは印刷法、コー
ティング法などにより基体シート2上に塗布し、その
後、光照射あるいは乾燥により金属酸化物皮膜を形成し
て低反射層3を得る方法もある。
【0022】低反射層3の厚さは、0.01〜2μmの
範囲で適宜選択するとよい。これらの膜厚は、低屈折材
料の屈折率により、一般式n×d=λ/4または一般式
n×d=3λ/4(ただし、nは低屈折材料の屈折率、
dは低屈折材料の膜厚、λは低反射中心波長をそれぞれ
示す)を満たすように適宜選択するとよい。
【0023】また、必要に応じて保護層4を低反射層3
の上に形成してもよい。保護層4は、成形品7の表面強
度を高めるための層である。
【0024】保護層4としては、重合性二重結合を有す
るプレポリマー又はオリゴマー、或いはエポキシ基を有
するプレポリマー又はオリゴマーの組成物に反応型希釈
剤を混合し、必要により光重合開始剤を添加したものよ
りなる化合物を用いるとよい。なお、塗布をより容易に
するために有機溶剤を更に添加してもよい。また、形成
された保護層4上への印刷適性を良好にする目的で熱可
塑性樹脂を混合してもよい。
【0025】重合性二重結合を有するプレポリマー又は
オリゴマーとしては、例えば不飽和ジカルボン酸又はそ
の無水物と多価アルコールのポリ縮合物からなる不飽和
ポリエステル組成物の他、比較的低分子量のアルキド又
はポリエステルの残余水酸基にアクリル酸を縮合したア
ルキドアクリレート又はポリエステルアクリレート、ポ
リオールとジイソシアネートとを反応させた末端イソシ
アネートウレタンプレポリマーにヒドロキシル基を持つ
アクリレートを反応させることにより得られるウレタン
アクリレート、シリコンオリゴマーにアクリロイル基を
導入したシリコンアクリレート、ポリブタジエンオリゴ
マーの末端にアクリロイル基を導入したジエン系アクリ
レート、メラミンオリゴマーにアクリロイル基を導入し
たメラミンアクリレート、低分子量のビニル共重合体の
側鎖の官能基を利用してアクリロイル基を導入したも
の、前記のアクリルオリゴマーをイソシアネート化合
物、エポキシ化合物、油脂類等で変成した組成物などが
ある。
【0026】また、エポキシ基を有するプレポリマー又
はオリゴマーとしては、例えばエポキシ樹脂にアクリル
酸をエステル付加させて得られるエポキシアクリレー
ト、光によって分解してルイス酸を発生する化合物を光
開始剤としてエポキシ化合物を開環重合させる組成物な
どがある。
【0027】反応希釈剤としては、例えばビニルピロリ
ドン、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアク
リレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシ
エチルメタアクリレート、テトラヒドロフルフリルアク
リレート、ジエチレングレコールジアクリレート、テト
ラエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグ
リコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリ
アクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレ
ートなどを使用することができる。
【0028】光重合開始剤は保護層4に電子線照射を施
す場合には添加する。光重合開始剤としては、例えば、
ベンゾインエチルエーテル、ベンゾフェノン、ベンジ
ル、メチルオルソベンゾイルベンゾエート、クロロチオ
キサントン、2・2−ジエトキシアセトフェノン、2−
メチルチオキサントン2−イソプロピルチオキサント
ン、1−フェニル−1・2−プロパンジオン−2−(0
−エトキシカルボニル)、1−フェニル−1・2−プロ
パンジオン−2−(0−ベンゾイル)オキシム等があ
る。
【0029】保護層4の形成方法としては、グラビアコ
ート法、ロールコート法、コンマコート法、リップコー
ト法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷
法などの印刷法がある。
【0030】また、必要に応じて図柄層5を低反射層3
の上に形成してもよい。図柄層5は、成形品7を装飾す
るための層である。なお、図柄層5を保護層4とともに
形成する場合には、図1に示すように低反射層3の上に
保護層4、図柄層5の順で形成する。
【0031】図柄層5は、通常は印刷層として形成す
る。印刷層の材質としては、ポリビニル系樹脂、ポリア
ミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポ
リウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリ
エステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、
アルキド樹脂などの樹脂をバインダーとし、適切な色の
顔料または染料を着色剤として含有する着色インキを用
いるとよい。印刷層の形成方法としては、オフセット印
刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの通常の
印刷法などを用いるとよい。印刷層は、通常は、部分的
に設ける。
【0032】また、図柄層5は、金属薄膜層からなるも
の、あるいは印刷層と金属薄膜層との組み合わせからな
るものでもよい。金属薄膜層は、図柄層5として金属光
沢を表現するためのものであり、真空蒸着法、スパッタ
ーリング法、イオンプレーティング法、鍍金法などで形
成する。表現したい金属光沢色に応じて、アルミニウ
ム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、スズ、イン
ジウム、銀、チタニウム、鉛、亜鉛などの金属、これら
の合金または化合物を使用する。金属薄膜層は、通常
は、部分的に形成する。また、金属薄膜層を設ける際
に、他の層との密着性を向上させるために、前アンカー
層や後アンカー層を設けてもよい。
【0033】また、必要に応じて転写層の最上層として
接着層6を形成してもよい。接着層6としては、成形品
7の素材に適した感熱性あるいは感圧性の樹脂を適宜使
用する。たとえば、成形品7の材質がアクリル系樹脂の
場合はアクリル系樹脂を用いるとよい。また、成形品7
の材質がポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹
脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン共重合体系樹
脂、ポリスチレン系ブレンド樹脂の場合は、これらの樹
脂と親和性のあるアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹
脂、ポリアミド系樹脂などを使用すればよい。さらに、
成形品7の材質がポリプロピレン樹脂の場合は、塩素化
ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重
合体樹脂、環化ゴム、クマロンインデン樹脂が使用可能
である。接着層6の形成方法としては、グラビアコート
法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、
グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法があ
る。また上記材質よりなる接着性を持つシートをラミネ
ート法などにより貼り合せて接着層6とすることも可能
である。また、接着層6が、図柄層を兼ねていてもよ
い。
【0034】以下、前記した転写材を用い、射出成形に
よる成形同時転写法を利用して被転写物である樹脂成形
品の表面に成形と同時に装飾を行う方法について説明す
る(図2、3参照)。
【0035】まず、可動型と固定型とからなる金型8内
に前記転写材1を基体シート2がキャビティ面に接する
ように設置する。その際、枚葉の転写材1を1枚づつ送
り込んでもよいし、長尺の転写材1の必要部分を間欠的
に送り込んでもよい。
【0036】金型8を閉じた後、ゲートから溶融樹脂を
金型8内に射出充満させ、成形品を形成するのと同時に
その面に転写材1を接着させる。冷却固化後、金型8を
開いて成形品を7取り出す。ここで用いることのできる
樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系
樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、AN樹脂などの汎用樹脂
を挙げることができる。また、ポリフェニレンオキシド
・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ
アセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート
変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリブチレンテレフ
タレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、超高
分子量ポリエチレン樹脂などの汎用エンジニアリング樹
脂や、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド
系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリアリレー
ト樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、液
晶ポリエステル樹脂、ポリアリル系耐熱樹脂などのスー
パーエンジニアリング樹脂を使用することもできる。こ
れら樹脂成形品は、透明、半透明、不透明のいずれでも
よい。また、成形品は、着色されていても、着色されて
いなくてもよい。
【0037】次いで、保護層4に光重合開始剤が添加さ
れている場合は紫外線照射を施し、光重合開始剤が添加
されていない場合は電子線照射を施す。
【0038】最後に、水、弱アルカリ液、アルコールの
いずれかを用いて洗浄11を行なうことにより、基体シ
ートを溶解溶出或いは膨潤剥離させて除去し、転写層の
最外層として低反射層を露出させる(図5、6参照)。
洗浄11の手段としては、浸漬、超音波洗浄、シャワー
洗浄、超音波兼シャワー洗浄などが挙げられる。
【0039】以下、接着層6を有する前記転写材を用
い、転写法を利用して被転写物である予め成形された成
形品の表面に装飾を行う方法について説明する(図4参
照)。
【0040】まず、成形品7表面に、転写材1の接着層
6側を密着させる。次に、シリコンラバーなどの耐熱ゴ
ム状弾性体を備えたロール転写機、アップダウン転写
機、真空プレス転写機などの転写機を用い、温度80〜
260℃程度の条件に設定した耐熱ゴム状弾性体10を
介して転写材1の基体シート2側から熱と圧力とを加え
る。こうすることにより、接着層6が成形品表面に接着
する。ここで、成形品7としては、前記樹脂成形品のほ
かにガラス製品を挙げることができる。また、表示用透
明窓部を形成する必要のない場合は、ゴム製品、金属製
品、木工品、、陶磁器製品もしくは各種材質からなる複
合製品などを挙げることができる。また、樹脂成形品の
場合、ガラス繊維や無機フィラーなどの補強材を添加し
た複合樹脂も使用できる。
【0041】次いで、保護層4に光重合開始剤が添加さ
れている場合は紫外線照射を施し、光重合開始剤が添加
されていない場合は電子線照射を施す。
【0042】最後に、成形同時転写法と同様に、水、弱
アルカリ液、アルコールのいずれかを用いて洗浄11を
行なうことにより、基体シートを溶解溶出或いは膨潤剥
離させて除去し、転写層の最外層として低反射層を露出
させる(図5、6参照)。
【0043】
【実施例】(実施例1) 携帯電話のディスプレイ部分のカバー部品の製造例:厚
さ25μmのポリビニルブチラールフィルムを基体シー
トとし、蒸着法により0.0125μmの酸化ケイ素膜
を形成し、さらに0.145μmの酸化チタン膜を形成
した。
【0044】続いて、次の組成よりなる剥離層をグラビ
アコート法により形成し、しかる後高圧水銀灯(80W
/cm)1灯で2秒間紫外線を照射し、保護層を架橋硬
化させた。 エポキシアクリレート 80部 ヒドロキシエチルアクリレート 10部 テトラヒドロフルフリルアクリレート 10部 ベンゾインエチルエーテル 3部
【0045】続いて、携帯電話のディスプレイ部分のカ
バー部品の枠部に、着色剤を含むエポキシアクリレート
樹脂からなる接着性インキをグラビア印刷して図柄層を
形成し、転写材を得た。
【0046】転写材を携帯電話のディスプレイ部分のカ
バー部品を成形する射出成形用金型に固定し、型締めし
てアクリル樹脂を射出した。冷却後、型開きし、成形品
を取り出した後、50℃、5%の炭酸水素ナトリウム溶
液に1分間浸漬することにより、成形品表面の基体シー
トをきれいに除去した。
【0047】(実施例2)厚さ12μmのポリビニルア
ルコールフィルムを基体シートとしたほかは実施例1と
同様にして、低反射層が転写層の最外層として露出した
成形品を得た。
【0048】実施例1,2のようにして得られた携帯電
話のディスプレイ部分のカバー部品である成形品は、低
反射層が転写層の最外層として露出しており、低反射効
果に優れたものであった。
【0049】
【発明の効果】本発明の転写材とこれを用いた反射防止
性に優れた成形品およびその製造方法は、以上のとおり
の構成を有するので、次のような優れた効果を有する。
【0050】すなわち、本発明の転写材は、水、弱アル
カリ、アルコールのいずれかにより溶解溶出或いは膨潤
剥離する特性を有した樹脂からなる基体シート上に、転
写層の一構成層としての低反射層を基体シートと接して
有するので、転写材を成形品表面に接着した後、前記基
体シートを水、弱アルカリ液、アルコールのいずれかに
より溶解溶出或いは膨潤剥離させることにより、転写層
の最外層として低反射層を露出させることができる。し
たがって、転写によって得られる成形品は、低反射層が
最外層であるので、反射防止性に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転写材の一実施例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の反射防止性に優れた成形品の製造工程
の一実施例を示す断面図である。
【図3】本発明の反射防止性に優れた成形品の製造工程
の一実施例を示す断面図である。
【図4】本発明の反射防止性に優れた成形品の製造工程
の一実施例を示す断面図である。
【図5】本発明の反射防止性に優れた成形品の製造工程
の一実施例を示す断面図である。
【図6】本発明の反射防止性に優れた成形品の製造工程
の一実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 転写材 2 基体シート 3 低反射層 4 保護層 5 図柄層 6 接着層 7 成形品 8 金型 9 成形樹脂 10 耐熱ゴム状弾性体 11 洗浄
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B41F 19/08 B41F 19/08 Z B41M 3/00 B41M 3/00 Z 3/12 3/12 G02B 1/11 B29K 105:20 // B29K 105:20 B29L 9:00 B29L 9:00 G02B 1/10 A Fターム(参考) 2H113 AA01 AA03 AA04 AA06 BA22 BB07 CA05 CA17 CA23 CA25 DA07 DA15 DA39 DA43 DA52 FA03 FA05 FA38 2K009 DD01 DD12 3B005 EA20 EB01 EC01 EC12 FA04 FB00 FB11 FB12 FB22 FB61 FE03 FF00 GA02 GA06 GB01 GD03 4F206 AD10 AD20 JB13 JB28 JF05 JW31 JW38

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水、弱アルカリ、アルコールのいずれか
    により溶解溶出或いは膨潤剥離する特性を有した樹脂か
    らなる基体シート上に、転写層の一構成層としての低反
    射層を基体シートと接して有することを特徴とする転写
    材。
  2. 【請求項2】 転写層として低反射層の上に保護層を有
    する請求項1に記載の転写材。
  3. 【請求項3】 転写層として低反射層の上に図柄層を有
    する請求項1に記載の転写材。
  4. 【請求項4】 転写層として低反射層の上に保護層、図
    柄層を順次有する請求項1に記載の転写材。
  5. 【請求項5】 転写層の最上層として接着層を有する請
    求項1〜4のいずれかに記載の転写材。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載した転写
    材を基体シートがキャビティ面に接するように金型内に
    設置し、金型内に成形樹脂を射出し、射出成形品を得る
    のと同時にその表面に転写材を接着し、型開きして成形
    品を取り出した後、前記基体シートを水、弱アルカリ
    液、アルコールのいずれかにより溶解溶出或いは膨潤剥
    離させ、転写層の最外層として低反射層を露出させるこ
    とを特徴とする反射防止性に優れた成形品の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載した転写材を成形品表面
    に接着した後、前記基体シートを水、弱アルカリ液、ア
    ルコールのいずれかにより溶解溶出或いは膨潤剥離さ
    せ、転写層の最外層として低反射層を露出させることを
    特徴とする反射防止性に優れた成形品の製造方法。
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