JP2009066996A - 電波透過性転写材とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐久性に優れた電波透過性金属薄膜を有する電波透過性転写材とその製造方法を提供する。
【解決手段】 剥離性を有する基体シート2の上に、剥離層3を全面的に形成し、次いでその上に水溶性パターン層4を部分的に形成し、次いでその上にスズよりもイオン化傾向の大きな金属とスズとの合金からなる微細島状形状の電波透過性金属光沢層5を全面的に形成し、次いで水洗処理を行って水溶性パターン層4とその上に形成された電波透過性金属光沢層5とを剥離除去し、次いで接着層6を全面的または部分的に形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、耐久性に優れた電波透過性金属薄膜を有する電波透過性転写材とその製造方法に関する。
携帯電話などの通信機器、自動車内部の情報機器、家電製品などにおいて、プラスチック成形品の表面に、電波透過性の金属光沢を表現するため、転写材を用いて装飾を行う方法がある。
被転写物面を装飾する方法として、転写法がある。転写法とは、基体シート上に、剥離層、図柄層、接着層などからなる転写層を形成した転写材を用い、加熱加圧して転写層を被転写物に密着させた後、基体シートを剥離して、被転写物面に転写層のみを転移して装飾を行う方法である。また、被転写物が樹脂成形品である場合に、転写法をより合理的に行う方法として、成形同時転写法がある。成形同時転写法とは、転写材を成形金型内に挟み込み、金型内に樹脂を射出充満させ、冷却して樹脂成形品を得るのと同時に成形品表面に転写材を接着させた後、基体シートを剥離して、被転写物面に転写層を転移して装飾を行う方法である。
このような方法に用いる電波透過性を有する金属光沢を備えた転写材として、スズなどの金属からなる電波透過性金属薄膜を島状構造に形成したものがある(たとえば、特許文献1参照)。電波透過性金属薄膜としては、無害である点、蒸着しやすい点などからスズを用いるのが一般的である。しかし、このように島状構造に形成されたスズ膜は、表面積が大きくなるため、酸素、水、塩素などが付着する速度が速く、腐食速度が速いものである。また、スズは酸化すると透明になるため、たとえば経時的に金属光沢が薄れてしまい透明になってしまうという問題がある。
このような問題を解決するために、たとえば、基材の表面に水溶性塗料を印刷等により部分的に塗布し、その上から電波透過性金属薄膜を全面的に形成し、該電波透過性金属薄膜の上から厚さ0.05‐1.0μmの水不溶性塗料を塗布し、次にこの様にして得たものを水洗して水溶性塗料を溶解除去することにより、水溶性塗料上の電波透過性金属薄膜と水不溶性塗料を除去すると共に、水溶性塗料が存在しない部分の電波透過性金属薄膜と水不溶性塗料を残存させることを特徴とする電波透過性金属薄膜を部分的に付与する方法がある(たとえば、特許文献1参照)。
特開昭62−174189号公報 特公平7−37111号公報
しかし、上記した転写材の製造方法は、水洗時にスズからなる電波透過性金属薄膜に対する耐腐食性を向上させることができるが、水溶性塗料層を形成しなければならず、工程増につながるという問題点があった。
したがって、本発明は、上記のような問題点を解消し、耐久性に優れた電波透過性金属薄膜を有する電波透過性転写材とその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の電波透過性転写材は、上記の目的を達成するために、つぎのように構成した。
すなわち、本発明の第1態様の電波透過性転写材の製造方法は、剥離性を有する基体シートの上に、剥離層を全面的に形成し、次いでその上に水溶性パターン層を部分的に形成し、次いでその上にスズよりもイオン化傾向の大きな金属とスズとの合金からなる微細島状形状の電波透過性金属光沢層を全面的に形成し、次いで水洗処理を行って水溶性パターン層とその上に形成された電波透過性金属光沢層とを剥離除去し、次いで接着層を全面的または部分的に形成するように構成されている。
また、上記発明の第2態様として、第1態様の電波透過性転写材の製造方法は、電波透過性金属光沢層がスズとアルミニウムとの合金からなるように構成することもできる。
また、上記発明の第3態様として、第1態様の電波透過性転写材の製造方法は、蛍光X線測定装置で測定した電波透過性金属光沢層の最表層の原子濃度(Atomic Concentration)がAl/Sn=0.01〜2.0であるように構成することもできる。
また、上記発明の第4態様として、第1態様の電波透過性転写材の製造方法は、蛍光X線測定装置で測定した電波透過性金属光沢層の最表層の原子濃度(Atomic Concentration)がAl/Sn=0.15〜1.5であるように構成することもできる。
また、本発明の第5態様の電波透過性転写材は、剥離性を有する基体シート上に、剥離層と、スズよりもイオン化傾向の大きな金属とスズとの合金からなる微細島状形状からなるパターン化された電波透過性金属光沢層と、接着層とが少なくとも形成されるように構成することもできる。
また、上記発明の第6態様として、第5態様の電波透過性転写材は、電波透過性金属光沢層がスズとアルミニウムとの合金からなるように構成することもできる。
また、上記発明の第6態様として、第5態様の電波透過性転写材は、蛍光X線測定装置で測定した電波透過性金属光沢層の最表層の原子濃度(Atomic Concentration)がAl/Sn=0.01〜2.0であるように構成することもできる。
また、上記発明の第6態様として、第5態様の電波透過性転写材は、蛍光X線測定装置で測定した電波透過性金属光沢層の最表層の原子濃度(Atomic Concentration)がAl/Sn=0.15〜1.5であるように構成することもできる。
本発明の電波透過性転写材の製造方法は、剥離性を有する基体シートの上に、剥離層を全面的に形成し、次いでその上に水溶性パターン層を部分的に形成し、次いでその上にスズよりもイオン化傾向の大きな金属とスズとの合金からなる微細島状形状の電波透過性金属光沢層を全面的に形成し、次いで水洗処理を行って水溶性パターン層とその上に形成された電波透過性金属光沢層とを剥離除去し、次いで接着層を全面的または部分的に形成するように構成したので、耐久性に優れた電波透過性金属薄膜を有する電波透過性転写材を容易に得ることができるものである。
また、本発明の電波透過性転写材は、剥離性を有する基体シートの上に、剥離層を全面的に形成し、次いでその上に水溶性パターン層を部分的に形成し、次いでその上にスズよりもイオン化傾向の大きな金属とスズとの合金からなる微細島状形状の電波透過性金属光沢層を全面的に形成し、次いで水洗処理を行って水溶性パターン層とその上に形成された電波透過性金属光沢層とを剥離除去し、次いで接着層を全面的または部分的に形成するのように構成したので、耐久性に優れた電波透過性金属薄膜を有する電波透過性転写材である。
図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の電波透過性転写材の製造方法の一実施例を示す断面図である。図2は、本発明の電波透過性転写材の一実施例を示す断面図である。図中、1は電波透過性転写材、2は基体シート、3は剥離層、4は水溶性パターン層、5は電波透過性金属光沢層、6は接着層、7は図柄層、8は前アンカー層、9は後アンカー層である。なお、各図において同じ構成部分については同じ符号を付している。
本発明の第1の実施態様にかかる電波透過性転写材1の製造方法は、剥離性を有する基体シート2の上に、剥離層3を全面的に形成し、次いでその上に水溶性パターン層4を部分的に形成し、次いでその上にスズよりもイオン化傾向の大きな金属とスズとの合金からなる微細島状形状の電波透過性金属光沢層5を全面的に形成し、次いで水洗処理を行って水溶性パターン層4とその上に形成された電波透過性金属光沢層5とを剥離除去し、次いで接着層6を全面的または部分的に形成するように構成されている(図1参照)。
剥離性を有する基体シート2としては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などの樹脂シートなど、通常の転写材の基体シートとして用いるものを使用することができる。また、基体シート2の表面が微細な凹凸を有する場合は、転写層に凹凸が写し取られ、艶消しやヘアラインなどの表面形状を表現することができる。
基体シート2からの転写層の剥離性を改善するために、基体シート2上に転写層を設ける前に、離型層を全面的に形成してもよい(図示せず)。離型層は、転写後または成形同時転写後に基体シート2を剥離した際に、基体シート2とともに転写層から離型する。離型層の材質としては、メラミン樹脂系離型剤、シリコーン樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤、セルロース誘導体系離型剤、尿素樹脂系離型剤、ポリオレフィン樹脂系離型剤、パラフィン系離型剤およびこれらの複合型離型剤などを用いることができる。離型層の形成方法としては、ロールコート法、スプレーコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
次いで、剥離層3を全面的に形成する(図1(a)参照)。剥離層3は、転写後または成形同時転写後に基体シート2を剥離した際に、基体シート2または離型層から剥離して被転写物の最外面となる層である。剥離層3の材質としては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ゴム系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂などのほか、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂などのコポリマーを用いるとよい。剥離層3に硬度が必要な場合には、紫外線硬化性樹脂などの光硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂などの放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂などを選定して用いるとよい。剥離層3は、着色したものでも、未着色のものでもよい。剥離層3の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
次いで、その上に水溶性パターン層4を部分的に形成する(図1(a)参照)。部分的に形成された水溶性パターン層4に重ねて全面的に電波透過性金属光沢層5を形成し、水溶性パターン層4を水洗処理によって除去することにより、水溶性パターン層4を形成しない領域に金属光沢を有する電波透過性のパターンが形成されることになる。水溶性パターン層4は、たとえば、ポリビニルアルコール、デンプン、アルギド、エポキシ、ポリウレタンなどに代表される水溶性樹脂をバインダーとするインキ用い、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法により形成するとよい。
次いで、その上にスズよりもイオン化傾向の大きな金属とスズとの合金からなる微細島状形状の電波透過性金属光沢層5を全面的に形成する(図1(a)参照)。電波透過性金属光沢層5は、金属光沢を表現するためのものであり、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などにより、スズよりもイオン化傾向の大きな金属とスズとの合金によって微細島状形状に形成する。スズよりもイオン化傾向の大きな金属としては、アルミニウム、亜鉛、インジウムなどがある。電波透過性金属光沢層をこのように構成することにより、飛躍的に腐食速度を遅らせることが可能となり、優れた耐腐食性を備えて、経時的な変色を実用可能なレベルまで抑えることが可能となる。また、他の層との密着性も優れたものであり、物理的な傷がつきにくいものともなる。また、合金であるため、金属光沢の色目を調整することも可能となる。
なかでもアルミニウムを用いると、真空蒸着法での合金配合比のコントロールの点で優れている。また、蛍光X線測定装置で測定した電波透過性金属光沢層の最表層の原子濃度(Atomic Concentration)が、Al/Sn=0.01〜2.0であるように構成するのが好ましい。上記範囲にあると、金属光沢および耐腐食性に優れた効果がある。上記範囲に満たないと、耐腐食性への寄与に乏しいという不具合がある。また、上記範囲を超えると、金属光沢層の微細島状形状が形成されず電波透過を阻害するという不具合がある。特に、原子濃度(Atomic Concentration)がAl/Sn=0.15〜1.5であるのがより好ましい。
次いで、水洗処理を行って(図1(b)参照)、水溶性パターン層4とその上に形成された電波透過性金属光沢層5を剥離除去する(図1(c)参照)。水洗処理を行うには、水溶性パターン層4が形成されたシートを冷水または温水槽中に浸漬、もしくは冷水または温水シャワー放水を行いながら、電波透過性金属光沢層5が形成された面を柔らかなブラシにより摩擦洗浄を行い、水溶性パターン層4上に形成された電波透過性金属光沢層5とともに水溶性パターン層4を完全に除去するとよい。次いで、シートに付着している水分を熱風乾燥により除去する。
次いで、接着層6を全面的または部分的に形成して(図1(d)参照)、電波透過性転写材1を得る。接着層6は、被転写物面に上記の各層を接着するものである。接着層6は、接着させたい部分に形成する。すなわち、接着させたい部分が全面的なら、接着層6を全面的に形成する。また、接着させたい部分が部分的なら、接着層6を部分的に形成する。接着層6としては、被転写物の素材に適した感熱性あるいは感圧性の樹脂を適宜使用する。たとえば、被転写物の材質がアクリル系樹脂の場合はアクリル系樹脂を用いるとよい。また、被転写物の材質がポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン共重合体系樹脂、ポリスチレン系ブレンド樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあるアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂などを使用すればよい。さらに、被転写物の材質がポリプロピレン樹脂の場合は、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、環化ゴム、クマロンインデン樹脂が使用可能である。接着層6の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
転写層の構成は、上記した態様に限定されるものではなく、たとえば、電波透過性金属光沢層5による金属光沢の模様以外に、種々のパターンや文字などの装飾を行うために図柄層7を形成してもよい(図2参照)。図柄層7の材質としては、ポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキド樹脂などの樹脂をバインダーとし、適切な色の顔料または染料を着色剤として含有する着色インキを用いるとよい。印刷層の形成方法としては、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法などの通常の印刷法などを用いるとよい。特に、多色刷りや階調表現を行うには、オフセット印刷法やグラビア印刷法が適している。また、単色の場合には、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法を採用することもできる。図柄層7は、表現したい図柄に応じて任意のパターンに設けるとよい。
また、電波透過性金属光沢層5を設ける際に、他の転写層と電波透過性金属光沢層5との密着性を向上させるために、前アンカー層8や後アンカー層9を設けてもよい(図2参照)。前アンカー層8や後アンカー層9の材質としては、2液性硬化ウレタン樹脂、熱硬化ウレタン樹脂、メラミン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、塩素含有ゴム系樹脂、塩素含有ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ビニル系共重合体樹脂などを使用するとよい。前アンカー層および後アンカー層の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
以上のようにして構成される電波透過性転写材1は、次のように用いることにより被転写物に対して装飾を行うことができる。
被転写物としては、樹脂成形品など各種材質からなるものを用いることができる。被転写物は、透明、半透明、不透明のいずれでもよい。また、被転写物は、着色されていても、着色されていなくてもよい。樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、AN樹脂などの汎用樹脂を挙げることができる。また、ポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂などの汎用エンジニアリング樹脂やポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリアリル系耐熱樹脂などのスーパーエンジニアリング樹脂を使用することもできる。さらに、ガラス繊維や無機フィラーなどの補強材を添加した複合樹脂も使用できる。
前記した層構成の電波透過性転写材を用い、転写法を利用して被転写物面に装飾を行う方法について説明する。まず、被転写物面に、電波透過性転写材の接着層側を密着させる。次に、シリコンラバーなどの耐熱ゴム状弾性体を備えたロール転写機、アップダウン転写機などの転写機を用い、温度80〜260℃程度、圧力490〜1960Pa程度の条件に設定した耐熱ゴム状弾性体を介して電波透過性転写材の基体シート側から熱と圧力とを加える。こうすることにより、接着層が被転写物表面に接着する。最後に、冷却後に基体シートを剥がすと、基体シートと剥離層との境界面で剥離が起こり、転写が完了する。
次に、前記した電波透過性転写材を用い、射出成形による成形同時転写法を利用して被転写物である樹脂成形品の面に装飾を行う方法について説明する。まず、可動型と固定型とからなる成形用金型内に電波透過性転写材を送り込む。その際、枚葉の電波透過性転写材を1枚ずつ送り込んでもよいし、長尺の電波透過性転写材の必要部分を間欠的に送り込んでもよい。長尺の電波透過性転写材を使用する場合、位置決め機構を有する送り装置を使用して、電波透過性転写材のパターンと成形用金型との見当が一致するようにするとよい。また、電波透過性転写材を間欠的に送り込む際に、電波透過性転写材の位置をセンサーで検出した後に電波透過性転写材を可動型と固定型とで固定するようにすれば、常に同じ位置で電波透過性転写材を固定することができ、パターンの位置ずれが生じないので便利である。成形用金型を閉じた後、ゲートから溶融樹脂を金型内に射出充満させ、被転写物を形成するのと同時にその面に電波透過性転写材を接着させる。被転写物である樹脂成形品を冷却した後、成形用金型を開いて樹脂成形品を取り出す。最後に、基体シートを剥がすことにより、転写が完了する。
離型層を有する厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフイルムを基体シートとし、その上に、まず剥離層として光硬化性樹脂を厚さ5μmでコーター印刷法により全面的に形成し、次に、その上にアクリル酸エステル共重合体からなる水溶性樹脂を厚さ1μmで水溶性パターン層としてグラビア印刷法により形成した。
次に、抵抗加熱式真空蒸着装置を用い、蒸着るつぼ中にSnおよびALを混入して電波透過性金属光沢層を厚さ200Åとなるよう全面的に形成した。
なお、上記蒸着工程において、Al/Snの混合比率(重量比)を、(1)0.01、(2)0.02、(3)0.05、(4)0.1の4種類で行った。
次に、水洗機に10m/分の走行速度で上記フイルムを通し、水溶性パターン層とその上に形成された電波透過性金属蒸着層を剥離除去した(水洗処理)。
次に、接着層として塩化ビニル系樹脂を用い、厚さ1μm(乾燥時膜厚)となるよう全面的にグラビア印刷法により形成し、電波透過性転写材を得た。
このようにして得た電波透過性転写材について、耐湿促進試験を、温度60℃湿度95%の恒温恒湿層に96時間放置の条件で行ったところ、試験前は、全光線透過率が40%であり、試験後は、(1)46%、(2)43%、(3)42%、(4)41%といずれも優れた耐腐食性を示すものであった。
また、比較例として、電波透過性金属光沢層をSnのみで形成した点のみを上記工程から変更し、その他は上記実施例と同様にして電波透過性転写材を得たところ、耐湿促進試験前は全光線透過率40%であり、試験後は70%となり、耐腐食性が劣るものであった。
本発明は、携帯電話などの通信機器、自動車内部の情報機器、家電製品など、各種成形品の装飾等において好適に用いることができ、産業上有用なものである。
本発明の電波透過性転写材の製造方法の一実施例を示す断面図である。 本発明の電波透過性転写材の一実施例を示す断面図である。
符号の説明
1 電波透過性転写材
2 基体シート
3 剥離層
4 水溶性パターン層
5 電波透過性金属光沢層
6 接着層
7 図柄層
8 前アンカー層
9 後アンカー層

Claims (8)

  1. 剥離性を有する基体シートの上に、剥離層を全面的に形成し、次いでその上に水溶性パターン層を部分的に形成し、次いでその上にスズよりもイオン化傾向の大きな金属とスズとの合金からなる微細島状形状の電波透過性金属光沢層を全面的に形成し、次いで水洗処理を行って水溶性パターン層とその上に形成された電波透過性金属光沢層とを剥離除去し、次いで接着層を全面的または部分的に形成することを特徴とする電波透過性転写材の製造方法。
  2. 電波透過性金属光沢層が、スズとアルミニウムとの合金からなるものである請求項1記載の電波透過性転写材の製造方法。
  3. 蛍光X線測定装置で測定した電波透過性金属光沢層の最表層の原子濃度(Atomic Concentration)がAl/Sn=0.01〜2.0である請求項2記載の電波透過性転写材の製造方法。
  4. 蛍光X線測定装置で測定した電波透過性金属光沢層の最表層の原子濃度(Atomic Concentration)がAl/Sn=0.15〜1.5である請求項2記載の電波透過性転写材の製造方法。
  5. 剥離性を有する基体シート上に、剥離層と、スズよりもイオン化傾向の大きな金属とスズとの合金からなる微細島状形状からなるパターン化された電波透過性金属光沢層と、接着層とが少なくとも形成されたことを特徴とする電波透過性転写材。
  6. 電波透過性金属光沢層が、スズとアルミニウムとの合金からなるものである請求項5記載の電波透過性転写材。
  7. 蛍光X線測定装置で測定した電波透過性金属光沢層の最表層の原子濃度(Atomic Concentration)がAl/Sn=0.01〜2.0である請求項6記載の電波透過性転写材。
  8. 蛍光X線測定装置で測定した電波透過性金属光沢層の最表層の原子濃度(Atomic Concentration)がAl/Sn=0.15〜1.5である請求項6記載の電波透過性転写材。
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