JP2018086910A - ガラス板モジュール - Google Patents

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淳一 常葉
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Abstract

【課題】接続端子を半田によって導電層に固定する際、導電層やガラス板にクラックが生じるのを防止することができる、ガラス板モジュールを提供する。【解決手段】本発明に係るガラス板モジュールは、ガラス板と、前記ガラス板上に形成された導電層と、前記導電層に接続され、当該導電層に給電するための、少なくとも1つの接続端子と、前記接続端子を前記導電層に接続するための、前記ガラス板の熱膨張係数よりも大きい熱膨張係数を有する半田と、を備え、前記接続端子は、前記半田を介して前記導電層に接続される際に生じる応力を緩和するために、少なくとも前記半田と接する部分は変形可能な、導電部材を備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、構造物の窓枠に取り付けられるガラス板モジュール、及びその製造方法に関する。
例えば、特許文献1には、自動車のガラス板の導電層に接続される接続端子が開示されている。このような接続端子には、ケーブルなどが接続され、接続端子を介して導電層に給電が行われる。
特表2013−532116号公報
ところで、上記のような接続端子は、導電層に半田を介して固定される。このとき、溶融した半田が硬化するのに伴う収縮によって、半田と接続端子との間に応力が発生し、この応力が半田を介してガラス板に作用することがあった。これにより、ガラス板や導電層にクラックが生じるおそれがあった。なお、このような問題は、自動車のガラスのみならず、電流が供給される導電層を有するガラス全般に生じ得る問題である。
本発明は、この問題を解決するためになされたものであり、接続端子を半田によって導電層に固定する際、導電層やガラス板にクラックが生じるのを防止することができる、ガラス板モジュール、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るガラス板モジュールは、ガラス板と、前記ガラス板上に形成された導電層と、前記導電層に接続され、当該導電層に給電するための、少なくとも1つの接続端子と、前記接続端子を前記導電層に接続するための、前記ガラス板の熱膨張係数よりも大きい熱膨張係数を有する半田と、を備え、前記接続端子は、前記半田を介して前記導電層に接続される際に生じる応力を緩和するために、少なくとも前記半田と接する部分は変形可能な、導電部材を備えている。
この構成により、次の効果を得ることができる。まず、半田、導電部材、導電層、及びガラス板の熱膨張係数は相違するので、溶融した半田が硬化するときに、従来例のようなガラス板にクラックが生じる問題があった。これについて検討したところ、半田が硬化により収縮する際には、半田とガラス板との熱収縮率の差によって発生する応力、及び半田と導電部材との熱収縮率の差によって発生する応力の両方が、ガラス板に伝わると考えられるため、これによって従来例では、ガラス板とともに導電層にもクラックが生じるおそれがあった。
そこで、本発明においては、接続端子において少なくとも半田と接する部分に設けられた導電部材を変形可能に構成しているため、導電部材は、半田の収縮とともにフレキシブルに変形し、半田と導電部材との熱収縮率の差によって発生する応力を低減することができる。これにより、ガラス板に伝わる応力を低減することができるため、ガラス板及び導電層にクラックが生じるのを防止することができる。
上記ガラス板モジュールにおいて、前記導電部材は、上記のような変形可能であれば、特には限定されないが、例えば、変形可能なフィルムまたはワイヤーにより形成することができる。
上記ガラス板モジュールにおいては、前記ケーブルを、前記ガラス板上に固定する固定部材をさらに備えることができる。これにより、次の効果を得ることができる。
導電部材に接続されるケーブルは、固定部材を介してガラス板に固定されおり、導電部材には接続されていないため、例えば、ケーブルが引っ張られた場合には、これが固定されている固定部材に引っ張りの力が作用し、導電部材には直接の力が作用しない。そのため、ケーブルが引っ張られても、導電部材が引っ張られるのを防止することができ、その結果、導電部材が導電層から剥離するのを防止することができる。
上記ガラス板モジュールにおいて、前記導電部材の厚さは、例えば、0.6mm以下とすることができる。
上記ガラス板モジュールでは、前記導電部材において、前記半田が固定される側の端部を、前記ケーブルが接続される側の端部よりも変形しやすい形状に形成することができる。これにより、半田の収縮時に、半田と導電部材との間に生じる応力をさらに緩和することができる。
上記ガラス板モジュールにおいて、前記半田は、例えば、無鉛半田とすることができる。
上記ガラス板モジュールにおいて、前記導電部材は、例えば、銅により形成することができる。
上記ガラス板モジュールにおいて、前記ガラス板は、単板でもよいが、例えば、合わせガラスを構成するいずれか一方のガラス板とすることができる。
本発明に係るガラス板モジュールの製造方法は、前記ガラス板上に導電層を形成するステップと、変形可能な導電部材を有し、前記導電層に給電するための接続端子を準備するステップと、前記ガラス板の熱膨張係数よりも大きい熱膨張係数を有する半田を準備するステップと、前記導電層に、前記半田を介して前記導電部材を固定するステップと、を備えている。
本発明に係るガラス板モジュールによれば、接続端子を半田によって導電層に固定する際、導電層やガラス板にクラックが生じるのを防止することができる。
本発明のガラス板モジュールをウインドシールドに適用した一実施形態を示す平面図である。 図1のA−A線断面図である。 給電ケーブルの製造を説明する平面図である。 固定部材の成形を説明する図である。 本発明に係るガラス板モジュールにおける導電部材の他の例を示す平面図である。 給電ケーブルの他の例を示す側面図である。 給電ケーブルの他の例を示す平面図である。
以下、本発明に係るガラス板モジュールを自動車のウインドシールドに適用した一実施形態について,図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係るウインドシールドの平面図、図2は図1のA−A線断面図である。図1及び図2に示すように、このウインドシールドは、合わせガラス1と、この合わせガラスの下端縁に沿って形成され、合わせガラス1に生じた曇りや霜を除去するデアイサー2と、を備えている。そして、このデアイサー2に対しては、給電用の接続ユニット30が取り付けられている。接続ユニット30には、車内から延びる2本の給電ケーブル4が接続されており、各給電ケーブル4の先端に取り付けられた接続端子3がデアイサー2に接続されている。以下、各部材について説明する。
<1.合わせガラス>
図2に示すように、この合わせガラス1は、外側ガラス板11及び内側ガラス板12を備え、これらガラス板11、12の間に樹脂製の中間膜13が配置されている。また、内側ガラス板12の下端縁の中央付近には、円弧状の切欠き14が形成されており、この切欠き14から外側ガラス板11の内面(車内側の面)が露出している。そして、後述するように、この露出部分にデアイサー2の2個の給電部21、22が配置される。
<1−1.外側ガラス板及び内側ガラス板>
まず、外側ガラス板11及び内側ガラス板12から説明する。外側ガラス板11及び内側ガラス板12は、公知のガラス板を用いることができ、熱線吸収ガラス、一般的なクリアガラスやグリーンガラス、またはUVグリーンガラスで形成することもできる。但し、これらのガラス板11、12は、自動車が使用される国の安全規格に沿った可視光線透過率を実現する必要がある。例えば、外側ガラス板11により必要な日射吸収率を確保し、内側ガラス板12により可視光線透過率が安全規格を満たすように調整することができる。以下に、クリアガラス、熱線吸収ガラス、及びソーダ石灰系ガラスの一例を示す。
(クリアガラス)
SiO2:70〜73質量%
Al23:0.6〜2.4質量%
CaO:7〜12質量%
MgO:1.0〜4.5質量%
2O:13〜15質量%(Rはアルカリ金属)
Fe23に換算した全酸化鉄(T−Fe23):0.08〜0.14質量%
(熱線吸収ガラス)
熱線吸収ガラスの組成は、例えば、クリアガラスの組成を基準として、Fe23に換算した全酸化鉄(T−Fe23)の比率を0.4〜1.3質量%とし、CeO2の比率を0〜2質量%とし、TiO2の比率を0〜0.5質量%とし、ガラスの骨格成分(主に、SiO2やAl23)をT−Fe23、CeO2およびTiO2の増加分だけ減じた組成とすることができる。
(ソーダ石灰系ガラス)
SiO2:65〜80質量%
Al23:0〜5質量%
CaO:5〜15質量%
MgO:2質量%以上
NaO:10〜18質量%
2O:0〜5質量%
MgO+CaO:5〜15質量%
Na2O+K2O:10〜20質量%
SO3:0.05〜0.3質量%
23:0〜5質量%
Fe23に換算した全酸化鉄(T−Fe23):0.02〜0.03質量%
本実施形態に係る合わせガラスの厚みは特には限定されないが、軽量化の観点からは、外側ガラス板11と内側ガラス板12の厚みの合計を、2.4〜5.0mmとすることが好ましく、2.6〜4.6mmとすることがさらに好ましく、2.7〜3.2mmとすることが特に好ましい。このように、軽量化のためには、外側ガラス板11と内側ガラス板12との合計の厚みを小さくすることが必要であるので、各ガラス板のそれぞれの厚みは、特には限定されないが、例えば、以下のように、外側ガラス板11と内側ガラス板12の厚みを決定することができる。
外側ガラス板11は、主として、外部からの障害に対する耐久性、耐衝撃性が必要であり、例えば、この合わせガラスを自動車のウインドシールドとして用いる場合には、小石などの飛来物に対する耐衝撃性能が必要である。他方、厚みが大きいほど重量が増し好ましくない。この観点から、外側ガラス板11の厚みは1.8〜2.3mmとすることが好ましく、1.9〜2.1mmとすることがさらに好ましい。何れの厚みを採用するかは、ガラスの用途に応じて決定することができる。
内側ガラス板12の厚みは、外側ガラス板11と同等にすることができるが、例えば、合わせガラスの軽量化のため、外側ガラス板11よりも厚みを小さくすることができる。具体的には、ガラスの強度を考慮すると、0.6〜2.3mmであることが好ましく、0.8〜2.0mmであることが好ましく、1.0〜1.4mmであることが特に好ましい。更には、0.8〜1.3mmであることが好ましい。内側ガラス板12についても、何れの厚みを採用するかは、ガラスの用途に応じて決定することができる。
また、本実施形態に係る外側ガラス板11及び内側ガラス板12の形状は、湾曲形状である。合わせガラスが湾曲形状である場合には、ダブリ量が大きくなると遮音性能が低下するとされている。ダブリ量とは、合わせガラスの曲げを示す量であり、例えば、合わせガラスの上辺の中央と下辺の中央とを結ぶ直線Lを設定したとき、この直線Lと合わせガラスとの距離のうち最も大きいものをダブリ量Dと定義する。
ここで、合わせガラス1の厚みの測定方法の一例について説明する。まず、測定位置については、合わせガラスの左右方向の中央を上下方向に延びる中央線S上の上下2箇所である。測定機器は、特には限定されないが、例えば、株式会社テクロック製のSM−112のようなシックネスゲージを用いることができる。測定時には、平らな面に合わせガラスの湾曲面が載るように配置し、上記シックネスゲージで合わせガラスの端部を挟持して測定する。なお、このウインドシールドが本発明に係るガラス板に相当する。
<1−2.中間膜>
中間膜13は、少なくとも一層で形成されており、一例として、図2中の拡大図に示すように、軟質のコア層131を、これよりも硬質のアウター層132で挟持した3層で構成することができる。但し、この構成に限定されるものではなく、コア層131と、外側ガラス板11側に配置される少なくとも1つのアウター層132とを有する複数層で形成されていればよい。例えば、コア層131と、外側ガラス板11側に配置される1つのアウター層132を含む2層の中間膜13、またはコア層131を中心に両側にそれぞれ2層以上の偶数のアウター層132を配置した中間膜13、あるいはコア層131を挟んで一方に奇数のアウター層132、他方の側に偶数のアウター層132を配置した中間膜13とすることもできる。なお、アウター層132を1つだけ設ける場合には、上記のように外側ガラス板11側に設けているが、これは、車外や屋外からの外力に対する耐破損性能を向上するためである。また、アウター層132の数が多いと、遮音性能も高くなる。
コア層131はアウター層132よりも軟質であるかぎり、その硬さは特には限定されない。各層131,132を構成する材料は、特には限定されないが、例えば、アウター層132は、例えば、ポリビニルブチラール樹脂(PVB)によって構成することができる。ポリビニルブチラール樹脂は、各ガラス板との接着性や耐貫通性に優れるので好ましい。一方、コア層131は、例えば、エチレンビニルアセテート樹脂(EVA)、またはアウター層を構成するポリビニルブチラール樹脂よりも軟質なポリビニルアセタール樹脂によって構成することができる。軟質なコア層を間に挟むことにより、単層の樹脂中間膜と同等の接着性や耐貫通性を保持しながら、遮音性能を大きく向上させることができる。
一般に、ポリビニルアセタール樹脂の硬度は、(a)出発物質であるポリビニルアルコールの重合度、(b)アセタール化度、(c)可塑剤の種類、(d)可塑剤の添加割合などにより制御することができる。したがって、それらの条件から選ばれる少なくとも1つを適切に調整することにより、同じポリビニルブチラール樹脂であっても、アウター層132に用いる硬質なポリビニルブチラール樹脂と、コア層131に用いる軟質なポリビニルブチラール樹脂との作り分けが可能である。さらに、アセタール化に用いるアルデヒドの種類、複数種類のアルデヒドによる共アセタール化か単種のアルデヒドによる純アセタール化によっても、ポリビニルアセタール樹脂の硬度を制御することができる。一概には言えないが、炭素数の多いアルデヒドを用いて得られるポリビニルアセタール樹脂ほど、軟質となる傾向がある。したがって、例えば、アウター層132がポリビニルブチラール樹脂で構成されている場合、コア層131には、炭素数が5以上のアルデヒド(例えばn−ヘキシルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−へプチルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド)、をポリビニルアルコールでアセタール化して得られるポリビニルアセタール樹脂を用いることができる。なお、所定のヤング率が得られる場合は、上記樹脂等に限定されることはい。
また、中間膜13の総厚は、特に規定されないが、0.3〜6.0mmであることが好ましく、0.5〜4.0mmであることがさらに好ましく、0.6〜2.0mmであることが特に好ましい。また、コア層131の厚みは、0.1〜2.0mmであることが好ましく、0.1〜0.6mmであることがさらに好ましい。一方、各アウター層132の厚みは、0.1〜2.0mmであることが好ましく、0.1〜1.0mmであることがさらに好ましい。その他、中間膜13の総厚を一定とし、この中でコア層131の厚みを調整することもできる。
コア層131及びアウター層132の厚みは、例えば、以下のように測定することができる。まず、マイクロスコープ(例えば、キーエンス社製VH−5500)によって合わせガラスの断面を175倍に拡大して表示する。そして、コア層131及びアウター層132の厚みを目視により特定し、これを測定する。このとき、目視によるばらつきを排除するため、測定回数を5回とし、その平均値をコア層131、アウター層132の厚みとする。
なお、中間膜13のコア層131、アウター層132の厚みは全面に亘って一定である必要はなく、例えば、ヘッドアップディスプレイに用いられる合わせガラス用に楔形にすることもできる。この場合、中間膜13のコア層131やアウター層132の厚みは、最も厚みの小さい箇所、つまり合わせガラスの最下辺部を測定する。中間膜13が楔形の場合、外側ガラス板及び内側ガラス板は、平行に配置されないが、このような配置も本発明におけるガラス板に含まれるものとする。すなわち、本発明においては、例えば、1m当たり3mm以下の変化率で厚みが大きくなるコア層131やアウター層132を用いた中間膜13を使用した時の外側ガラス板と内側ガラス板の配置を含む。
中間膜13の製造方法は特には限定されないが、例えば、上述したポリビニルアセタール樹脂等の樹脂成分、可塑剤及び必要に応じて他の添加剤を配合し、均一に混練りした後、各層を一括で押出し成型する方法、この方法により作成した2つ以上の樹脂膜をプレス法、ラミネート法等により積層する方法が挙げられる。プレス法、ラミネート法等により積層する方法に用いる積層前の樹脂膜は単層構造でも多層構造でもよい。また、中間膜13は、上記のような複数の層で形成する以外に、1層で形成することもできる。
<2.デアイサー>
図1及び図2に示すように、デアイサー2は、外側ガラス板11の内面に配置される正極用給電部21及び負極用給電部22と、これら給電部21,22から外側ガラス板11の下端縁に沿って延びる導電パターン23と、を備えている。両給電部21,22は、矩形状に形成され、上述した内側ガラス板12の切欠き14から露出する位置に形成されている。より詳細には、各給電部21,22は、外側ガラス板11の下縁から所定の距離をおいて配置されている。そして、本実施形態においては、2本のケーブル4が用いられ、各給電部21,22に、ケーブル4が一つずつ接続されている。また、導電パターン23は、複数の導線で構成され、正極用給電部21から外側ガラス板11の下縁に沿って延び、負極用給電部22に接続されるように形成されている。なお、両給電部21,22が本発明の導電層に相当する。
これら各給電部21,22及び導電パターン23は、例えば、導電性の銀ペーストを外側ガラス板11の内面に印刷し焼成することによって薄膜状に形成される。これらの厚みは、例えば、3〜25μmとすることができる。ただし、これらを構成する材料は、この銀ペーストに限定されず、適宜選択可能である。
<3.接続ユニット>
続いて、接続ユニット30について説明する。この接続ユニットは、2本の給電ケーブル40と、これら給電ケーブル40を一体的に固定する固定部材32とを備えている。以下、この接続ユニットについて、製造方法を示しながら説明する。
図3(a)に示すように、給電ケーブル40は、ケーブル本体4と、その先端に取り付けられる接続端子3と、を備えている。ケーブル本体4は、導線41と、この導線41を被覆する絶縁性の被覆部材42とで構成されている。また、接続端子3は、フィルム状の導電部材31により形成されている。接続端子3は、銅、SUS、42アロイなどの導電性材料により形成されたフレキシブルに変形可能な部材であり、平面視矩形状に形成されている。接続端子3の厚みは、例えば、0.01〜0.6mmとすることが好ましく、0.1〜0.4mmとすることがさらに好ましい。0.01mm以下では製造工程等においてハンドリングしづらく、また切れてしまう等の問題が懸念され、0.6mm以上では厚過ぎて本発明のクラック抑制効果が低減してしまう。
そして、図3(b)に示すように、ケーブル本体4の先端から突出する導線41を半田43により接続端子3に固定することで、給電ケーブル4が形成される。半田43は、有鉛半田または無鉛半田のいずれであってもよい。
次に、2つの給電ケーブル40を固定部材32により固定する。まず、図4(a)に示すように、成形型の下型6を準備する。この下型6は、直方体状に形成され、上面に直方体状の第1キャビティ61が形成されている。また、この下型6の上面には、この上面の端縁から第1キャビティ61に向かって延びる断面半円状の2つの凹部62が形成されている。この凹部62は、ケーブル本体4を配置するものである。
続いて、図4(b)に示すように、この下型6に2本の給電ケーブル40を配置する。このとき、各給電ケーブル40のケーブル本体4を凹部62に配置するとともに、接続端子3のケーブル本体4側、つまり半田43が配置されている部位を第1キャビティ61上に配置する。これに続いて、図4(c)に示すように、下型6上に上型7を配置する。上型7の下面には、第1キャビティと同形状の第2キャビティ(図示省略)が形成されている。また、上型7の上面と第2キャビティとは、連通路71で接続されている。そして、連通路71から固定部材32用の溶融樹脂を供給し、第1キャビティ61及び第2キャビティに樹脂材料を注入する。こうして、樹脂材料の注入が完了し、冷却されると、図4(d)に示すように、直方体状の固定部材32が成形される。この固定部材32には、2本の給電ケーブル40が固定されているため、固定部材32とともに、これら給電ケーブル40を上型7及び下型6から離型する。
こうして形成された固定部材32は、外側ガラス板11の下縁と給電部21,22との間の隙間に配置され、両面テープ、接着剤などで外側ガラス板11に固定されている。このように、固定部材32は給電ケーブル40を固定するための樹脂材料であるため、導電部材31の方が固定部材32よりも変形しやすくなっている。なお、図1では、説明の便宜のため、固定部材32を省略して説明している。
そして、各接続端子3は、無鉛半田5によって給電部21,22に接続される。無鉛半田5は、公知の種々のものを用いることができる。例えば、インジウム系やビスマス系の柔らかい無鉛半田のほか、Sn含有量が90%以上の硬い無鉛半田を用いることもできる。特に、Sn−Ag系(Sn90%以上)の半田はヤング率が40GPa程度で硬いので、残留応力が大きい。そのため、このような半田を用いた場合には、後述するように、本実施形態に係るガラス板モジュールの効果を特に発揮することができる。
無鉛半田5によって、接続端子3と給電部21,22とは、次のように接続される。まず、無鉛半田5を給電部21,22上に配置し、その上に接続端子3を配置した上で、接続端子3において無鉛半田5が取り付けられた面とは反対側の面を加熱する。これにより、無鉛半田5が溶融し、その後、硬化することで、接続端子3と給電部21,22とが接続される。あるいは、接続端子3に、予め無鉛半田5を取り付けておく。そして、無鉛半田5を給電部21,22に接触させた上で、接続端子3を加熱する。これにより、無鉛半田5が溶融し、硬化したところで、接続端子3と給電部21,22とが接続される。あるいは、給電部21,22上に、接続端子3を配置し、その上から溶融した無鉛半田5を流し込んで、両者を固定することもできる。また、接続端子3が、固定部材32と無鉛半田5との間で引っ張られないように、接続端子3には張力が作用しないように無鉛半田5に固定されることが好ましい。
半田5によって給電部21,22に接続された各接続端子3は、図2に示すように、シール材33によって覆われ、外側ガラス板11に固定される。これにより、給電部21,22及び接続端子3に水などが接触するのを防止することができ、防水性を付与することができる。シール材33は、例えば、ウレタン系の樹脂材料により形成することができる。
<4.特徴>
以上のように、本実施形態に係るウインドシールドによれば、次の効果を得ることができる。
(1) 無鉛半田5、接続端子3、給電部21,22、及び外側ガラス板11の熱膨張係数は相違するので、溶融した無鉛半田5が硬化するときには、外側ガラス板11やこれに積層された給電部21,22にクラックが生じるおそれがある。すなわち、無鉛半田5が硬化により収縮する際には、無鉛半田5とガラス板11との熱収縮率の差によって発生する応力、及び無鉛半田5と接続端子3との熱収縮率の差によって発生する応力の両方が、外側ガラス板11に伝わると考えられるため、これによって従来例では、外側ガラス板11とともに給電部21,22にもクラックが生じるおそれがあった。なお、給電部21、22は、上述したように、薄膜であるため、給電部21、22に発生する応力は無視することができる。
これに対して、本実施形態においては、接続端子3をフィルム状に形成しているため、接続端子3は、無鉛半田5の収縮とともにフレキシブルに変形し、無鉛半田5と接続端子3との熱収縮率の差によって発生する応力を低減することができる。したがって、外側ガラス板11に伝わる応力を低減することができるため、外側ガラス板11及び給電部21,22にクラックが生じるのを防止することができる。
特に、ウインドシールドに用いられる合わせガラス1は、強化がなされていないため、ガラス表面の応力が小さく、接続端子3を半田によって導電層に固定する際に生じる応力によって、ガラス板や導電層にクラックがより発生しやすい。さらに、無鉛半田5は、種類によっては有鉛半田よりも硬い。以上のような状況から、本実施形態に係るウインドシールドにおいて、上記のような接続端子3を用いると、特に有利である。
(2) 接続端子3に接続されるケーブル本体4は、固定部材32を介して外側ガラス板11に固定されている。上記のように、この固定部材32は、接続端子3の先端側には接続されていないため、例えば、ケーブル本体4が引っ張られた場合には、これが固定されている固定部材32に引っ張りの力が作用し、接続端子3には直接の力が作用しない。特に、接続端子3に張力が発生しないように、接続端子3と無鉛半田5とを固定していると、その効果が顕著になる。そのため、ケーブル4が引っ張られても、導電部材31が引っ張られるのを防止することができ、その結果、導電部材31が給電部21,22から剥離するのを防止することができる。
<5.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。そして、以下に示す複数の変形例は適宜組合わせることが可能である。
<1>
上記実施形態では、接続端子3を矩形状に形成しているが、特には限定されない。例えば、無鉛半田5との接触面積を低減し、無鉛半田5の収縮により発生する応力を緩和するため、図5に示すような形状にすることができる。図5(a)の接続端子3は、無鉛半田5が取り付けられる先端部にいくにしたがって幅が細くなるように形成している。図5(b)の例では、接続端子3の先端から突出する幅の細い矩形状の突出部311を設け、この突出部311に半田5を取り付けており、図5(c)の例では、図5(b)の接続端子3の先端に円形の部位312を設け、この部位312に半田5を取り付ける。図5(d)の例では、接続端子3の先端に多数の小孔313を形成し、図5(e)の例では、接続端子3の先端に一つの孔314を形成している。また、図5(f)の例では、接続端子3の先端から複数の幅の細い突出部315を櫛状に突出させている。
このように、接続端子3は、種々の形態にすることができ、上述した応力緩和の観点からは、無鉛半田5が取り付けられる端部の幅、面積を、反対側の端部よりも小さくすればよい。
上記接続端子3は、図6に示すように、側面視波形に形成することもできる。こうすることで、無鉛半田5とケーブル本体4との間で接続端子3に張力が作用するのを防止することができる。波形以外であってもよく、張力が作用しないような伸縮できる形状であればよい。
また、接続端子3は、上述したフィルム状に形成する以外に、例えば、図7に示すように、変形可能な導電性のワイヤーで形成することもできる。すなわち、ケーブル本体4の導線41にワイヤー3を接続すればよい。また、図7(a)のような直線状のワイヤーのほか、図7(b)のような波形のワイヤーを用いることもできる。すなわち、伸縮できるような形態であってもよい。
接続端子3は、少なくとも無鉛半田5と接続される部分が、変形可能な導電部材で形成されていればよい。したがって、ケーブル本体4と接続される部分と、無鉛半田5に接続される部分とを別の材料で形成することもできる。この場合、導電部材は、上述した接続端子3のような構成であればよい。
<2>
上記実施形態に係るデアイサー2では、2個の給電部21,22から導電パターン23に電流を供給しているが、給電部の数、形状、導電パターンの形態については、特に限定されず、要求される性能に応じて種々の形態が可能である。そして、それに伴って、導電部材31の数やケーブル4の数などの形態も適宜変更することができる。
<3>
導電部材31とケーブルとの接続方法は、特には限定されない。また、上記実施形態では、樹脂材料により、ケーブル本体4と一体的に固定部材32を成形しているが、例えば、貫通孔や溝を形成した固定部材を準備しておき、これにケーブル本体4を固定するようにしてもよい。
<4>
上記実施形態では、ケーブル4を固定部材32によって外側ガラス板11に固定しているが、外側ガラス板11へのケーブル4の固定方法は特には限定されない。例えば、上記実施形態では、2つのケーブルを固定するようにしているが、1個のケーブルまたは3以上のケーブルを固定するようにしてもよい。また、固定部材32を設けないようにすることもできる。
<5>
上記実施形態では、無鉛半田を用いているが、有鉛半田においても同様の効果を得ることができる。
<6>
上記実施形態では、合わせガラスに対して、本発明を適用しているが、単板からなるガラス板に適用することもできる。
<7>
上記実施形態では、デアイサー2に接続端子3を固定する例を示しているが、デアイサー以外でも電流が供給される電装品であれば、本発明の導電層として適用することができる。例えば、デフォッガや、アンテナであってもよい。
<8>
上記実施形態では、ガラス板モジュールをウインドシールドに適用した例を示したが、本発明に係るガラス板モジュールは、ウインドシールド以外の自動車の窓にも適用することができ、さらには自動車以外の建築物などの構造物に対しても適用することができる。
1 :ガラス板
2 :デアイサー(導電層)
3 :接続端子
31 :導電部材
32 :固定部材
4 :ケーブル
5 :無鉛半田

Claims (9)

  1. ガラス板と、
    前記ガラス板上に形成された導電層と、
    前記導電層に接続され、当該導電層に給電するための、少なくとも1つの接続端子と、
    前記接続端子を前記導電層に接続するための、前記ガラス板の熱膨張係数よりも大きい熱膨張係数を有する半田と、
    を備え、
    前記接続端子は、前記半田を介して前記導電層に接続される際に生じる応力を緩和するために、少なくとも前記半田と接する部分は変形可能な、導電部材を備えている、ガラス板モジュール。
  2. 前記導電部材は、変形可能なフィルムまたはワイヤーにより形成されている請求項1に記載のガラス板モジュール。
  3. 前記接続端子に固定されるケーブルを、前記ガラス板上に固定する固定部材をさらに備えている、請求項1または2に記載のガラス板モジュール。
  4. 前記導電部材の厚さは、0.6mm以下である、請求項1から3のいずれかに記載のガラス板モジュール。
  5. 前記導電部材において、前記半田が固定される側の端部は、前記ケーブルが接続される側の端部よりも変形しやすい形状に形成されている、請求項1から4のいずれかに記載のガラス板モジュール。
  6. 前記半田は、無鉛半田である、請求項1から5のいずれかに記載のガラス板モジュール。
  7. 前記導電部材は、銅により形成されている、請求項1から6のいずれかに記載のガラス板モジュール。
  8. 前記ガラス板は、合わせガラスを構成するいずれか一方のガラス板である、請求項1から7のいずれかに記載のガラス板モジュール。
  9. 前記ガラス板上に導電層を形成するステップと、
    変形可能な導電部材を有し、前記導電層に給電するための接続端子を準備するステップと、
    前記ガラス板の熱膨張係数よりも大きい熱膨張係数を有する半田を準備するステップと、
    前記導電層に、前記半田を介して前記導電部材を固定するステップと、
    を備えている、ガラス板モジュールの製造方法。
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