JP2018115101A - 合わせガラス - Google Patents

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和喜 千葉
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Abstract

【課題】加熱線の周囲の温度が過度に上昇するのを防止することができる、合わせガラスを提供する。
【解決手段】本発明に係る合わせガラスは、第1辺と、及び前記第1辺と対向する第2辺を有する、矩形状の外側ガラス板と、前記外側ガラス板と対向配置され、前記外側ガラス板と略同形状の内側ガラス板と、前記外側ガラス板と内側ガラス板との間に配置される中間層と、を備え、前記中間層は、前記第1辺側の端部に沿って延びる第1バスバーと、前記第2辺側の端部に沿って延びる第2バスバーと、前記第1バスバーと第2バスバーとを連結するように並列に配置された複数の加熱線と、を備えた発熱層を有しており、前記加熱線の厚み方向の中心から前記外側ガラス板の屋外面までの距離と、前記加熱線の厚み方向の中心から前記内側ガラス板の屋内面までの距離と、が相違する。
【選択図】図2

Description

本発明は、合わせガラスに関する。
気温の低い日や寒冷地では、自動車のウインドシールが曇ることがあり、運転に支障を来している。そのため、ウインドシールドの曇りを除去する種々の方法が提案されている。例えば、特許文献1には、ウインドシールドの内部に、バスバー及び加熱線を配置し、その発熱によって曇りを除去することが開示されている。
特開2016−143450号公報
ところで、本発明者は、上記合わせガラスに関し、以下のような問題を見出した。すなわち、加熱線に電流を印加して合わせガラスを加熱したとき、合わせガラスを介して車外を見ると、車外の対象物にチラツキが生じることを見出した。この原因を検討したところ、加熱線の熱によってその周囲の樹脂層が歪み、この歪みに起因して中間層の屈折率が変化していることを見出した。そして、この屈折率の変化によりチラツキが生じていることが分かった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、加熱線の周囲の温度が過度に上昇するのを防止することができる、合わせガラスを提供することを目的とする。
本発明に係る合わせガラスは、第1辺と、及び前記第1辺と対向する第2辺を有する、矩形状の外側ガラス板と、前記外側ガラス板と対向配置され、前記外側ガラス板と略同形状の内側ガラス板と、前記外側ガラス板と内側ガラス板との間に配置される中間層と、を備え、前記中間層は、前記第1辺側の端部に沿って延びる第1バスバーと、前記第2辺側の端部に沿って延びる第2バスバーと、前記第1バスバーと第2バスバーとを連結するように並列に配置された複数の加熱線と、を備えた発熱層を有しており、前記加熱線の厚み方向の中心から前記外側ガラス板の屋外面までの距離と、前記加熱線の厚み方向の中心から前記内側ガラス板の屋内面までの距離と、が相違する。
上記合わせガラスにおいては、前記外側ガラス板及び前記内側ガラス板の厚みを相違させることができる。
上記合わせガラスにおいては、前記発熱層を、前記中間層の厚み方向の中心から、前記外側ガラス板側または内側ガラス板側のいずれかに配置することができる。
上記合わせガラスにおいては、前記発熱層を、前記外側ガラス板または内側ガラス板に接するように配置することができる。
上記合わせガラスにおいて、前記中間層は、前記発熱層と隣接する接着層をさらに備えることができる。
上記合わせガラスにおいて、前記発熱層は、前記両バスバー及び前記複数の加熱線のうち、少なくとも前記複数の加熱線を支持するシート状の基材を、備えることができ、少なくとも前記複数の加熱線を、前記外側ガラス板または内側ガラス板に接するように配置することができる。
上記合わせガラスにおいては、前記発熱層を、前記外側ガラス板に接するように配置できる。
上記合わせガラスにおいては、前記発熱層を、前記内側ガラス板に接するように配置することができる。
上記合わせガラスにおいて、前記中間層は、前記発熱層を挟持する一対の接着層を、さらに備えることができ、前記一対の接着層の厚みを相違させることができる。
上記合わせガラスにおいては、前記一対の接着層のうち、厚みの小さい接着層の厚みを、5〜300μmとすることができる。
上記合わせガラスにおいて、前記発熱層は、前記両バスバー及び前記複数の加熱線のうち、少なくとも前記複数の加熱線を支持するシート状の基材を、備えることができ、前記複数の加熱線の表面は黒色化処理を施すことができ、前記複数の加熱線を前記外側ガラス板側に配置し、前記基材を前記内側ガラス板側に配置することができる。
上記合わせガラスにおいては、前記発熱層を、前記外側ガラス板側に配置することができる。
上記合わせガラスにおいては、前記発熱層を、前記内側ガラス板側に配置することができる。
本発明に係る合わせガラスによれば、加熱線の周囲の温度が過度に上昇するのを防止することができる。
本発明に係る合わせガラスの第1実施形態の正面図である。 図1のA−A線断面図である。 成形型が通過する炉の側面図である。 成形型の平面図である。 本発明に係る合わせガラスの他の例を示す断面図である。 本発明に係る合わせガラスの他の例を示す断面図である。 本発明に係る合わせガラスの他の例を示す断面図である。 本発明に係る合わせガラスの他の例を示す断面図である。 実施例及び比較例に係る合わせガラスの断面の温度分布を示す図である。
以下、本発明に係る合わせガラスをウインドシールドに適用した一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係るウインドシールドの平面図、図2は図1の断面図である。図1及び図2に示すように、本実施形態に係るウインドシールドは、外側ガラス板1、内側ガラス板2、及びこれらガラス板1,2の間に配置される中間層3を備えている。また、内側ガラス板2の上端部及び下端部には、切欠き部21,22がそれぞれ形成されており、各切欠き部21,22では、中間層3から延びる接続材41,42がそれぞれ露出している。以下、各部材について説明する。
<1.合わせガラスの概要>
<1−1.ガラス板>
各ガラス板1,2は、ともに、下辺12が上辺11よりも長い矩形状に形成されており、上述したように、内側ガラス板2の上端部及び下端部には、円弧状の切欠き部がそれぞれ形成されている。以下では、内側ガラス板2の上端部に形成された切欠き部を第1切欠き部21、下端部に形成された切欠き部を第2切欠き部22と称することとする。また、各ガラス板11,12としては、公知のガラス板を用いることができ、熱線吸収ガラス、一般的なクリアガラスやグリーンガラス、またはUVグリーンガラスで形成することもできる。但し、これらのガラス板11,12は、自動車が使用される国の安全規格に沿った可視光線透過率を実現する必要がある。例えば、外側ガラス板11により必要な日射吸収率を確保し、内側ガラス板12により可視光線透過率が安全規格を満たすように調整することができる。以下に、クリアガラス、熱線吸収ガラス、及びソーダ石灰系ガラスの組成の一例を示す。
(クリアガラス)
SiO2:70〜73質量%
Al23:0.6〜2.4質量%
CaO:7〜12質量%
MgO:1.0〜4.5質量%
2O:13〜15質量%(Rはアルカリ金属)
Fe23に換算した全酸化鉄(T−Fe23):0.08〜0.14質量%
(熱線吸収ガラス)
熱線吸収ガラスの組成は、例えば、クリアガラスの組成を基準として、Fe23に換算した全酸化鉄(T−Fe23)の比率を0.4〜1.3質量%とし、CeO2の比率を0〜2質量%とし、TiO2の比率を0〜0.5質量%とし、ガラスの骨格成分(主に、SiO2やAl23)をT−Fe23、CeO2およびTiO2の増加分だけ減じた組成とすることができる。
(ソーダ石灰系ガラス)
SiO2:65〜80質量%
Al23:0〜5質量%
CaO:5〜15質量%
MgO:2質量%以上
NaO:10〜18質量%
2O:0〜5質量%
MgO+CaO:5〜15質量%
Na2O+K2O:10〜20質量%
SO3:0.05〜0.3質量%
23:0〜5質量%
Fe23に換算した全酸化鉄(T−Fe23):0.02〜0.03質量%
上記のように、各ガラス板1,2は矩形状に形成されているが、上辺11と下辺12の長さの比は、例えば、1:1.04〜1:1.5とすることができる。例えば、上辺が1200mmの場合、下辺を1250〜1800mmとすることができる。具体的には、上辺を1195mm、下辺を1435mmとすることができる。なお、以上説明した比は、ウインドシールドを正面から投影したときの2次元平面での比である。
すなわち、図1では、下辺12が長い例を挙げているが、上辺11が長いウインドシールドにも適用可能である。例えば、一人用の小型車のウインドシールドは、上辺が500mmの場合、下辺を350〜450mmとすることができる。具体的には、上辺を500mm、下辺を425mmとすることができる。
本実施形態に係る合わせガラスの厚みは特には限定されないが、軽量化の観点からは、外側ガラス板1と内側ガラス板2の厚みの合計を、2.4〜4.6mmとすることが好ましく、2.6〜3.4mmとすることがさらに好ましく、2.7〜3.2mmとすることが特に好ましい。このように、軽量化のためには、外側ガラス板1と内側ガラス板2との合計の厚みを小さくすることが必要であるので、各ガラス板のそれぞれの厚みは、特には限定されないが、例えば、以下のように、外側ガラス板11と内側ガラス板12の厚みを決定することができる。
外側ガラス板1は、主として、外部からの障害に対する耐久性、耐衝撃性が必要であり、例えば、この合わせガラスを自動車のウインドシールドとして用いる場合には、小石などの飛来物に対する耐衝撃性能が必要である。他方、厚みが大きいほど重量が増し好ましくない。この観点から、外側ガラス板1の厚みは1.0〜3.0mmとすることが好ましく、1.6〜2.3mmとすることがさらに好ましい。何れの厚みを採用するかは、ガラスの用途に応じて決定することができる。
内側ガラス板2の厚みは、外側ガラス板1と同等にすることができるが、例えば、合わせガラスの軽量化のため、外側ガラス板11よりも厚みを小さくすることができる。具体的には、ガラスの強度を考慮すると、0.6〜2.0mmであることが好ましく、0.8〜1.8mmであることがさらに好ましく、0.8〜1.6mmであることが特に好ましい。更には、0.8〜1.3mmであることが好ましい。内側ガラス板2についても、何れの厚みを採用するかは、ガラスの用途に応じて決定することができる。
なお、後述する中間層3に含まれる加熱線6が、中間層3の厚み方向の中心に配置されている場合には、両ガラス板の厚み1,2を相違させる必要がある。いずれのガラス板を厚くするかは、加熱線6の主たる用途によるが、それについては、後述する。
また、本実施形態に係る外側ガラス板1及び内側ガラス板2の形状は、湾曲形状であってもよい。但し、各ガラス板1,2が湾曲形状である場合には、ダブリ量が大きくなると遮音性能が低下するとされている。ダブリ量とは、ガラス板の曲げを示す量であり、ガラス板の上辺の中央と下辺の中央とを結ぶ直線Lを設定したとき、この直線Lとガラス板との距離のうち最も大きいものをダブリ量Dと定義する。
また、湾曲形状のガラス板は、ダブリ量が30〜38mmの範囲では、音響透過損失(STL:Sound Transmission Loss)に大きな差はないが、平面形状のガラス板と比べると、4000Hz以下の周波数帯域で音響透過損失が低下していることが分かる。したがって、湾曲形状のガラス板を作製する場合、ダブリ量は小さい方が好ましい。具体的には、ダブリ量を30mm未満とすることが好ましく、25mm未満とすることがさらに好ましく、20mm未満とすることが特に好ましい。
ここで、ガラス板が湾曲している場合の厚みの測定方法の一例について説明する。まず、測定位置については、ガラス板の左右方向の中央を上下方向に延びる中央線上の上下2箇所である。測定機器は、特には限定されないが、例えば、株式会社テクロック製のSM−112のようなシックネスゲージを用いることができる。測定時には、平らな面にガラス板の湾曲面が載るように配置し、上記シックネスゲージでガラス板の端部を挟持して測定する。
<1−2.中間層>
続いて、中間層3について説明する。中間層3は、発熱層31、及びこの発熱層31を挟持する一対の接着層32,33、を有する3層で構成されている。以下では、外側ガラス板1側に配置される接着層を第1接着層32、内側ガラス板2側に配置される接着層を第2接着層33と称することとする。
<1−2−1.発熱層>
まず、発熱層31について説明する。発熱層31は、シート状の基材311と、この基材311上に配置される、第1バスバー312、第2バスバー313、及び複数の加熱線6を備えている。基材311は、上記ガラス板1,2と対応するように矩形状に形成することができるが、必ずしも両ガラス板1,2と同形状でなくてもよく、両ガラス板1,2よりも小さい形状であってもよい。例えば、図1に示すように、上下方向には、内側ガラス板2の切欠き部21,22と干渉しないように、両切欠き部21,22間の長さよりも短くすることができる。また、基材311の左右方向の長さも両ガラス板1,2の幅よりも短くすることができる。
そして、第1バスバー312は、基材311の上辺に沿って延びるように形成されている。一方、第2バスバー313は、基材311の下辺に沿って延びるように形成されているが、第1バスバー312よりは長く形成されている。但し、各バスバー312,313は、中間層3が両ガラス板1,2に挟持されたときに、上述した切欠き部21,22から、それぞれ露出しないように、切欠き部21,22よりも内側に配置される。なお、各バスバー312,313の上下の幅は、例えば、5〜50mmであることが好ましく、10〜30mmであることがさらに好ましい。これは、バスバー312,313の幅が5mmより小さいと、ヒートスポット現象が生じ、加熱線よりも高く発熱するおそれがある一方、バスバー312,313の幅が50mmよりも大きいと、バスバー312,313により視野が妨げられるおそれがあることによる。また、各バスバー312,313は、正確に基材311に沿って形成されていなくてもよい。すなわち、基材311の端縁と完全に平行でなくてもよく、曲線状などにすることもできる。
複数の加熱線314は、両バスバー312,313を結ぶように、左右方向に延びるように形成されている。また、複数の加熱線314は、概ね平行に配置されている。各加熱線314は、直線状に形成できるほか、波形など、種々の形状にすることができる。特に、各加熱線314を正弦波形状にすることで、熱の分布が均一になるほか、光学的に、加熱線314がウインドシールドの視野を妨げるのを防止することができる。
各加熱線6の線幅は、3〜500μmであることが好ましく、5〜20μmであることがさらに好ましく、8〜15μmであることが特に好ましい。幅が小さいほど、視認しがたくなるため、本実施形態に係るウインドシールドには適している。また、隣接する加熱線6の間隔は、1〜4mmであることが好ましく、1.25〜3mmであることがさらに好ましく、1.25〜2.5mmであることが特に好ましい。加熱線6の幅は、例えば、VHX−200(キーエンス社製)などのマイクロスコープを1000倍にして測定することができる。なお、加熱線6が正弦波状に形成されている場合には、各加熱線6の中心線間の距離が、加熱線6の間隔となる。
次に、発熱層31の材料について説明する。基材311は、両バスバー312,313、加熱線6を支持する透明のフィルムであり、その材料は特には限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ナイロンなどで形成することができる。あるいは、ポリビニルブチラール樹脂(PVB)、エチレンビニルアセテート(EVA)などによっても形成することができる。また、両バスバー312,313及び加熱線6は、同一の材料で形成することができ、銅(またはスズメッキされた銅)、タングステン、銀など、種々の材料で形成することができる。
続いて、両バスバー312,313、加熱線6の形成方法について説明する。これら両バスバー312,313、加熱線6は、予め形成された細線(ワイヤなど)などを基材311上に配置することで形成できるが、特に、加熱線6の線幅をより細くするには、基材311上にパターン形成することで、加熱線6を形成することができる。その方法は、特には限定されないが、印刷、エッチング、転写など、種々の方法で形成することができる。このとき、各バスバー312,313、加熱線6を別々に形成することもできるし、これらを一体的に形成することもできる。なお、「一体的」とは、材料間に切れ目がなく(シームレス)、界面が存在しないことを意味する。
また、両バスバー312,313を基材311上で形成し、加熱線6用の基材311を残して、バスバー312,313に対応する部分の基材311を剥離して取り外す。その後、両バスバーの間の基材上に加熱線を配置することもできる。
特に、エッチングを採用する場合には、一例として、次のようにすることができる。まず、基材311にプライマー層を介して金属箔をドライラミネートする。金属箔としては、例えば、銅を用いることができる。そして、金属箔に対して、フォトリソグラフィー法を利用したケミカルエッチング処理を行うことにより、基材311上に、両バスバー312,313、複数の加熱線6を一体的にパターン形成することができる。特に、加熱線6の線幅を小さくする場合(例えば、15μm以下)には、薄い金属箔を用いることが好ましく、薄い金属層(例えば、5μm以下)を基材311上に蒸着やスパッタリング等により形成し、その後、フォトリソグラフィーによりパターニングを実施してもよい。なお、加熱線6の表面、つまり内側ガラス板2側の面は黒色化されており、これによって、車内側から加熱線6が視認されるのを抑制することができる。黒色化のための材料としては、窒化銅、酸化銅、窒化ニッケル、ニッケルクロム等があり、これらの材料を用いてメッキ処理により黒色化を行うことができる。
<1−2−2.接着層>
両接着層32,33は、発熱層31を挟持するとともに、ガラス板1,2への接着を行うためのシート状の部材である。両接着層32,33は、両ガラス板1,2と同じ大きさに形成されているが、両接着層32,32には、内側ガラス板2の切欠き部21,22と対応する位置に同形状の切欠き部がそれぞれ形成されている。また、これら接着層32,33は、種々の材料で形成することができるが、例えば、ポリビニルブチラール樹脂(PVB)、エチレンビニルアセテート(EVA)などによって形成することができる。特に、ポリビニルブチラール樹脂は、各ガラス板との接着性のほか、耐貫通性にも優れるので好ましい。なお、接着層32,33と発熱層31との間に界面活性剤の層を設けることもできる。このような界面活性剤により両層の表面を改質することができ、接着力を向上することができる。
<1−2−3.中間層の厚み>
また、中間層3の総厚は、特に規定されないが、0.3〜6.0mmであることが好ましく、0.5〜4.0mmであることがさらに好ましく、0.6〜2.0mmであることが特に好ましい。また、発熱層31の基材311の厚みは、5〜200mmであることが好ましく、5〜100mmであることがさらに好ましい。一方、各接着層32,33の厚みは、発熱層31の厚みよりも大きいことが好ましく、具体的には、0.1〜2.0mmであることが好ましく、0.1〜1.0mmであることがさらに好ましい。なお、第2接着層33と基材311とを密着させるため、その間に挟まれる両バスバー312,313、加熱線6の厚みは、3〜20μmであることが好ましい。
また、両接着層32,33の厚みは相違しており、後述する用途の相違により、厚みを設定することができる。図2に示す例では、第2接着層33の厚みを小さくしているが、第1接着層32の厚みを小さくすることもできる。そして、例えば、両接着層32,33のうち、厚みの小さい接着層の厚みDは、5〜300μmであることが好ましく、5〜200μである事が好ましく、30〜100μmであることがさらに好ましい。
発熱層31及び接着層32,33の厚みは、例えば、以下のように測定することができる。まず、マイクロスコープ(例えば、キーエンス社製VH−5500)によって合わせガラスの断面を175倍に拡大して表示する。そして、発熱層31及び接着層32,33の厚みを目視により特定し、これを測定する。このとき、目視によるばらつきを排除するため、測定回数を5回とし、その平均値を発熱層31及び接着層32,33の厚みとする。
なお、中間層3の発熱層31及び接着層32,33の厚みは全面に亘って一定である必要はなく、例えば、ヘッドアップディスプレイに用いられる合わせガラス用に楔形にすることもできる。この場合、中間層3の発熱層31及び接着層32,33の厚みは、最も厚みの小さい箇所、つまり合わせガラスの最下辺部を測定する。中間層3が楔形の場合、外側ガラス板1及び内側ガラス板2は、平行に配置されないが、このような配置も本発明におけるガラス板に含まれるものとする。すなわち、本発明においては、例えば、1m当たり3mm以下の変化率で厚みが大きくなる発熱層31及び接着層32,33を用いた中間層3を使用した時の外側ガラス板1と内側ガラス板2の配置を含む。
<1−3.接続材>
次に、接続材について説明する。接続材41,42は、各バスバー312,313と接続端子(陽極端子又は陰極端子:図示省略)とを接続するためのものであり、導電性の材料によりシート状に形成されている。そして、この接続端子には、12Vより大きい電圧、例えば、48Vの電源電圧が印加される。以下では、第1バスバー312に接続される接続材を第1接続材41、第2バスバー313に接続される接続材を第2接続材42と称することとする。また、両接続材41,42の構成は同じであるため、以下では主として第1接続材41について説明する。
第1接続材41は、矩形状に形成されており、第1バスバー312と第2接着層33との間に挟まれる。そして、半田などの固定材5によって第1バスバー312に固定される。固定材5としては、後述するウインドシールドの組立て時にオートクレーブで同時に固定することができるよう、例えば、150℃以下の低融点の半田を用いることが好ましい。また、第1接続材41は、第1バスバー312から外側ガラス板1の上端縁まで延び、内側ガラス板2に形成された第1切欠き部21から露出するようになっている。そして、この露出部分において、電源へと延びるケーブルが接続された接続端子が半田などの固定材によって接続される。このように、両接続材41,42は、両ガラス板1,2の端部から突出することなく、内側ガラス板2の切欠き部21,22から露出した部分に接続端子が固定されるようになっている。なお、両接続材41,42は、薄い材料で形成されているため、図2に示すように、折り曲げた上で、端部を固定材5でバスバー312に固定することができる。
<1−4.遮蔽層>
図1に示すように、この合わせガラスの周縁には、黒などの濃色のセラミックに遮蔽層7が積層されている。この遮蔽層7は、車内また車外からの視野を遮蔽するものであり、合わせガラスの4つの辺に沿って積層されている。そして、両バスバー312,313は、遮蔽層7に覆われる位置に配置されている。なお、図中の符号7は、遮蔽層7の内縁を示している。
遮蔽層7は、例えば、外側ガラス板11の内面のみ、内側ガラス板12の内面のみ、あるいは外側ガラス板11の内面と内側ガラス板12の内面、など種々の態様が可能である。また、セラミック、種々の材料で形成することができるが、例えば、以下の組成とすることができる。
*1,主成分:酸化銅、酸化クロム、酸化鉄及び酸化マンガン
*2,主成分:ホウケイ酸ビスマス、ホウケイ酸亜鉛
セラミックは、スクリーン印刷法により形成することができるが、これ以外に、焼成用転写フィルムをガラス板に転写し焼成することにより作製することも可能である。スクリーン印刷を採用する場合、例えば、ポリエステルスクリーン:355メッシュ,コート厚み:20μm,テンション:20Nm,スキージ硬度:80度,取り付け角度:75°,印刷速度:300mm/sとすることができ、乾燥炉にて150℃、10分の乾燥により、セラミックを形成することができる。
また、遮蔽層7は、セラミックを積層するほか、濃色の樹脂製の遮蔽フィルムを貼り付けることで形成することもできる。
<2.ウインドシールドの製造方法>
次に、ウインドシールドの製造方法について説明する。まず、ガラス板の製造ラインについて説明する。
ここで、成形型について、図3及び図4を参照しつつ、さらに詳細に説明する。図3は成形型が通過する炉の側面図、図4は成形型の平面図である。図4に示すように、この成形型800は、両ガラス板1,2の外形と概ね一致するような枠状の型本体810を備えている。この型本体810は、枠状に形成されているため、内側には上下方向に貫通する内部空間820を有している。そして、この型本体810の上面に平板状の両ガラス板1,2の周縁部が載置される。そのため、このガラス板1,2には、下側に配置されたヒータ(図示省略)から、内部空間820を介して熱が加えられる。これにより、両ガラス板1,2は加熱により軟化し、自重によって下方へ湾曲することとなる。なお、型本体810の内周縁には、熱を遮蔽するための遮蔽板840を配置することがあり、これによってガラス板1,2が受ける熱を調整することができる。また、ヒータは、成形型800の下方のみならず、上方に設けることもできる。
そして、平板状の外側ガラス板1及び内側ガラス板2に上述した遮蔽層7が積層された後、これら外側ガラス板1及び内側ガラス板2は重ね合わされ、上記成形型800に支持された状態で、図3に示すように、加熱炉802を通過する。加熱炉802内で軟化点温度付近まで加熱されると、両ガラス板1,2は自重によって周縁部よりも内側が下方に湾曲し、曲面状に成形される。続いて、両ガラス板1,2は加熱炉802から徐冷炉803に搬入され、徐冷処理が行われる。その後、両ガラス板1,2は、徐冷炉803から外部に搬出されて放冷される。
こうして、外側ガラス板11及び内側ガラス板12が成形されると、これに続いて、中間層3を外側ガラス板11及び内側ガラス板12の間に挟む。具体的には、まず、外側ガラス板1、第1接着層32、発熱層31、第2接着層33、及び内側ガラス板2をこの順で積層する。このとき、発熱層31は、第1バスバー312等が形成された面を第2接着層33側に向ける。また、発熱層31の上下の端部は、内側ガラス板2の切欠き部21,22よりも内側に配置される。さらに、第1及び第2接着層32,33の切欠き部を、内側ガラス板2の切欠き部21,22と一致させる。これにより、内側ガラス板2の切欠き部21,22からは、外側ガラス板1が露出する。続いて、各切欠き部21,22から、発熱層31と第2接着層33との間に、各接続材41,42を挿入する。このとき、各接続材41,42には固定材5として低融点の半田を塗布しておき、この半田が各バスバー312,313上に配置されるようにしておく。
こうして、両ガラス板1,2、中間層3、及び接続材41,42が積層された積層体を、ゴムバッグに入れ、減圧吸引しながら約70〜110℃で予備接着する。予備接着の方法は、これ以外でも可能であり、次の方法を採ることもできる。例えば、上記積層体をオーブンにより45〜65℃で加熱する。次に、この積層体を0.45〜0.55MPaでロールにより押圧する。続いて、この積層体を、再度オーブンにより80〜105℃で加熱した後、0.45〜0.55MPaでロールにより再度押圧する。こうして、予備接着が完了する。
次に、本接着を行う。予備接着がなされた積層体を、オートクレーブにより、例えば、8〜15気圧で、100〜150℃によって、本接着を行う。具体的には、例えば、14気圧で135℃の条件で本接着を行うことができる。以上の予備接着及び本接着を通して、両接着層32,33が、発熱層31を挟んだ状態で各ガラス板1,2に接着される。また、接続材41,42の半田が溶融し、各接続材41,42が各バスバー312,313に固定される。こうして、本実施形態に係る合わせガラスが製造される。なお、これ以外の方法、例えば、プレス加工により、湾曲したウインドシールドを製造することもできる。
<3.ウインドシールドの使用方法>
上記のように構成されたウインドシールドは、車体に取付けられ、さらに各接続材41,42には、接続端子が固定される。その後、各接続端子に通電すると、接続材41,42、各バスバー312,313を介して加熱線6に電流が印加され、発熱する。この発熱により、ウインドシールドの車内側の面の曇りを除去したり、あるいは車外側の面の解氷を行うことができる。
<4.特徴>
以上のように、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1) 接着層32,33の厚みが相違し、発熱層31が外側ガラス板1または内側ガラス板2のいずれか一方に近接しているため、発熱層31から近接するガラス板1,2への放熱量を大きくすることができる。すなわち、接着層32,33は樹脂材料で形成されているため、ガラス板1,2よりも熱伝導率が低いが、ガラス板1,2は熱容量が大きいため、発熱層31からの熱がガラス板1,2へ放熱するのを促進することができる。これにより、発熱層31の周辺において、接着層32,33の温度が過度に上昇するのを防止することができる。
一方、発熱層31からガラス板1,2への放熱が不十分であると、発熱層31の周辺において、局所的に接着層32,33の温度が過度に上昇する。その結果、接着層32,33の膨張により密度が変化して歪み、光の屈折率が変化するおそれがある。これにより、本発明者は、合わせガラスを通じて車外の対象物を見たとき、チラツキが生じるという問題を見出した。これに対して、本実施形態では、発熱層31の周辺における接着層32,33の温度の上昇を抑制することができ、その結果、接着層32,33の歪みを抑制することができるとともに、合わせガラスを通じて車外の対象物を見たときのチラツキを防止することができる。
(2) 図2のように、発熱層31を内側ガラス板2に近接させると、内側ガラス板2をより加熱できるため、内側ガラス板2の曇りをさらに防止することができる。一方、発熱層31を外側ガラス板1に近接させると、外側ガラス板1をより加熱できるため、外側ガラス板1の解氷効果をより高めることができる。
(3) 両バスバー312,313と加熱線6とが同じ材料で形成されているため、両バスバー312,313及び加熱線6の線膨張係数が同じになる。これにより、次のような利点がある。両バスバー312,313と加熱線6を異なる材料で形成した場合には、線膨張係数が異なるため、例えば、これらの部材を別々に作製して固定した場合には、ヒートサイクル試験などの過酷な環境変化によって、バスバーから加熱線が剥がれたり、これに起因して合わせガラスを構成する2枚のガラス板が互いに浮き上がる、といった不具合が生じる可能性があるが、本実施形態のように、両バスバー312,313と加熱線6とが同じ材料で形成すると、そのような不具合を防止することができる。
(4) 両バスバー312,313と加熱線6とを一体的に形成しているため、両者の間の接触不良,ひいては発熱不良を防止することができる。発熱不良について詳細に説明すると、以下の通りである。一般的に、防曇のためにガラス板を加熱する場合には、ガラスクラックの発生を防止するため、加熱温度の上限値を、例えば70〜80℃となるように電流値を制御することが求められる。これに対して、上記のような接触抵抗による局所的な発熱があれば、その部分を加熱温度の上限値として電流値の制御を行う必要がある。その結果、加熱線が全体的に十分に発熱するように制御できないという問題がある。しかしながら、上記構成によれば、局所的な発熱を防止できるため、加熱線も全体的に十分に発熱できるよう制御することができる。
(5) 両バスバー312,313と加熱線6が配置された発熱層31を,接着層32,33によって挟持し、これを両ガラス板1,2の間に配置している。そのため、発熱層31を,両ガラス板1,2に対して確実に固定することができる。また、第2接着層33により、両バスバー312,313と加熱線6を覆うことで、これらがガラス板に接触するのを防止することができる。その結果、ガラス板の割れなどを未然に防ぐことができる。
(6) 上記実施形態では、2つの接続材41,42を用いて各バスバー312,313と外部の端子とを接続するようにしているが、例えば、幅の広いバスバーを準備し、このバスバーの不要な部分をカットした上で、一部を切欠き部21,22から露出させることで、接続材の代わりにすることも考えられる。しかしながら、このようにすると、カットしたバスバーの角部で局所的な発熱が生じることも考えられる。これに対して、本実施形態では、各バスバー312,313に別体の接続材41,42を固定しているため、そのような局所的な発熱を防止することができる。
(7) 本実施形態では、両バスバー312,313を、それぞれ、ガラス板1,2の上辺11及び下辺12に沿うように配置している。そのため、両バスバー312,313を遮蔽層7によって隠すことができ、見栄えをよくすることができる。
<5.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。また、以下の変形例は適宜組合せが可能である。
<5.1>
上記各実施形態では、各バスバー312,313が遮蔽層7に隠れるように形成しているが、これに限定されるものではなく、遮蔽層7に隠れていなくてもよい。また、必ずしも遮蔽層7を設けなくてもよい。
<5.2>
上記実施形態では、中間層3を発熱層31と、一対の接着層32,33の合計3層で形成したが、これに限定されるものではない。すなわち、中間層3には、少なくとも両バスバー312,313及び加熱線6が含まれていればよい。したがって、例えば、発熱層31に基材311を設けないこともできる。
また、図5に示すように、接着層33を1つのみ設けることができる。図5の例では、発熱層31を外側ガラス板1と接触するように配置し、発熱層31と内側ガラス板2との間に上述した接着層33を配置している。また、発熱層31においては、基材311を外側ガラス板1上に配置し、加熱線6を内側ガラス板2側に配置している。このようにしても、発熱層31からの熱を効果的に外側ガラス板1へ放熱できるため、接着層33の温度が過度に上昇するのを防止することができる。なお、この例では、発熱層31を外側ガラス板1に接触させているが、これとは反対に、外側ガラス板1、接着層33、発熱層31、及び内側ガラス板2を,この順で積層することもできる。
また、図6に示すように、発熱層31の向きを変え、基材311を外側ガラス板1上に配置し、加熱線6を内側ガラス板2側に配置することもができる。この場合、加熱線を支持する基材311を、接着層33と同一の材料、例えば、PVBなどで形成することができるが、このときには、基材311と接着層33とが製造工程(例えば、上記オートクレーブ工程)において一体化し、境界が確認できなくなることもある。なお、この点は、図5に示す態様でも起こり得ることであり、基材311と接着層33が一体化し、境界が確認できなくなることがある。
<5.3>
上記実施形態では、中間層3内での発熱層31(あるいは加熱線6)の位置を、中間層3の厚み方向の中心から外側ガラス板1側または内側ガラス板2側に配置しているが、発熱層31(あるいは加熱線6)を中間層3の厚み方向の中心に配置することもできる。但し、この場合には、外側ガラス板1及び内側ガラス板2の厚みが異なるようにする。例えば、図7に示すように、内側ガラス板2の厚みを大きくすることができる。このようにしても、厚みの大きい内側ガラス板2の熱容量が、厚みの小さい外側ガラス板1の熱容量よりも大きいため、発熱層31からの熱を内側ガラス板2側へ向けて、より放熱することができ、接着層32,33の温度が過度に上昇するのを抑制することができる。なお、外側ガラス板1の厚みを、内側ガラス板2よりも大きくすることもできる。
<5.4>
発熱層31は、種々の形状にすることができる。例えば、予め基材311上に両バスバー312,313と加熱線6が形成されたシート状の発熱層31を準備しておき、これを適宜切断し、適当な形状にした上で、両ガラス板1,2の間に配置することができる。したがって、例えば、ガラス板1,2の端縁が湾曲していれば、それに合わせて基材311の端縁を湾曲させてもよい。また、発熱層31をガラス板1,2の形状と完全に一致させる必要はなく、防曇効果を得たい部分にのみ配置することができるため、ガラス板1,2よりも小さい形状など種々の形状にすることができる。なお、ガラス板1,2も完全な矩形以外に種々の形状にすることができる。
上記実施形態では、基材311上に両バスバー312,313と加熱線6を配置しているが、少なくとも加熱線6が配置されていればよい。したがって、例えば、両バスバー312,313を両接着層32,33の間に配置することもできる。
<5.5>
また、隣接する加熱線6同士を少なくとも1つのバイパス線で接続することもできる。これにより、例えば、一の加熱線6が断線したとしても、隣接する加熱線6から通電が可能となる。バイパス線の位置、数は特には限定されない。また、バイパス線の形状も特には限定されず、斜めに延びるように配置したり、波形にするなど、種々の形状にすることができる。なお、バイパス線は、加熱線314と同じ金属材料で形成し、加熱線314と一体的に形成することができる。
<5.6>
接続材41,42の形態や内側ガラス板2の切欠き部21,22の構成も特には限定されない。例えば、図7に示すように、内側ガラス板2に、接続材41,42の厚み程度の小さい切欠き部21,22を形成し、各バスバー312,313から延びる接続材41,42をこの切欠き部21,22で折り返し、内側ガラス板2の表面に貼り付けておくこともできる。こうすることで、接続材41,42が合わせガラスの端部から面方向に突出するのを防止することができる。
<5.7>
ガラス板1,2の形状は特には限定されず、外形上、上辺11、下辺12、左辺13、右辺14が特定できるような形状であればよく、必ずしも矩形状でなくてもよい。また、各辺11〜14は直線のほか、曲線であってもよい。
<5.8>
複数の加熱線6は必ずしも平行に配置される必要はなく、例えば、メッシュのように不規則な形状であってもよい。また、上記実施形態では、加熱線6は、バスバー312,313を電極として並列に接続しているが、直列にすることもできる。また、両バスバー312,313の間で、複数回、折り曲げた加熱線6を配置することもできる。
<5.9>
上記実施形態では、各バスバー312,313をそれぞれ、ガラス板の上辺、下辺に沿って配置しているが、加熱線が左右方向に延びるようにバスバーをガラス板の左辺及び右辺に沿って配置することもできる。
<5.10>
上記実施形態では、本発明の合わせガラスを自動車のウインドシールドに適用した例を示したが、サイドガラス、リアガラスに適用することができる。また、自動車に限定されるものではなく、電車などの他の乗り物、建物の窓ガラスなどに適用することもできる。
以下、本発明の実施例について説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されない。
実施例及び比較例に係る合わせガラスを以下のように作製した。実施例及び比較例ともに、以下の構成を有している。
内側ガラス板:厚み2.1mm、熱伝導率1W/(m・K)
加熱線:銅製、外径25μm
中間層(接着層):PVB製,厚み0.76mm
外側ガラス板:厚み2.1mm、熱伝導率1W/(m・K)
そして、実施例では、加熱線が内側ガラス板に接するように配置し、比較例では、中間層の厚み方向の中心に加熱線を配置した。
続いて、これら実施例及び比較例について、以下のように評価を行った。すなわち、上記実施例、比較例に対し、加熱線に電流を印加し、当該実施例及び比較例に係る合わせガラスの断面の温度分布を測定した。結果は、図9に示すとおりである。なお、図9では、上下方向が合わせガラスの厚さ方向に相当する。
図9に示すように、比較例では、加熱線が配置されている付近の温度が62℃以上の高温になっていることが分かる。一方、実施例では、加熱線を内側ガラス板に近接させているため、加熱線からの熱が放熱され、加熱線が配置されている付近の温度の上昇が抑制されていることが分かる。したがって、実施例では中間層の歪みが低減され、車外を見たときのチラツキが防止されていると考えられる。
1 外側ガラス板
2 内側ガラス板
3 中間層
31 発熱層
311 基材
312 第1バスバー
313 第2バスバー
32 第1接着層
33 第2接着層
6 加熱線

Claims (13)

  1. 第1辺と、及び前記第1辺と対向する第2辺を有する外側ガラス板と、
    前記外側ガラス板と対向配置され、前記外側ガラス板と略同形状の内側ガラス板と、
    前記外側ガラス板と内側ガラス板との間に配置される中間層と、
    を備え、
    前記中間層は、
    前記第1辺側の端部に沿って延びる第1バスバーと、
    前記第2辺側の端部に沿って延びる第2バスバーと、
    前記第1バスバーと第2バスバーとを連結するように配置された複数の加熱線と、
    を備えた発熱層を有しており、
    前記加熱線の厚み方向の中心から前記外側ガラス板の屋外面までの距離と、前記加熱線の厚み方向の中心から前記内側ガラス板の屋内面までの距離と、が相違する、合わせガラス。
  2. 前記外側ガラス板及び前記内側ガラス板の厚みが相違する、請求項1に記載の合わせガラス。
  3. 前記発熱層は、前記中間層の厚み方向の中心から、前記外側ガラス板側または内側ガラス板側のいずれかに配置されている、請求項1または2に記載の合わせガラス。
  4. 前記発熱層は、前記外側ガラス板または内側ガラス板に接するように配置されている、請求項1から3のいずれかに記載の合わせガラス。
  5. 前記中間層は、前記発熱層と隣接する接着層をさらに備えている、請求項4に記載の合わせガラス。
  6. 前記発熱層は、前記両バスバー及び前記複数の加熱線のうち、少なくとも前記複数の加熱線を支持するシート状の基材を、備えており、
    少なくとも前記複数の加熱線が、前記外側ガラス板または内側ガラス板に接するように配置されている、請求項4または5に記載の合わせガラス。
  7. 前記発熱層は、前記外側ガラス板に接している、請求項4から6のいずれかに記載の合わせガラス。
  8. 前記発熱層は、前記内側ガラス板に接している、請求項4から6のいずれかに記載の合わせガラス。
  9. 前記中間層は、前記発熱層を挟持する一対の接着層を、さらに備えており、
    前記一対の接着層の厚みが相違している、請求項1から3のいずれかに記載の合わせガラス。
  10. 前記一対の接着層のうち、厚みの小さい接着層の厚みが、5〜300μmである、請求項9に記載の合わせガラス。
  11. 前記発熱層は、前記両バスバー及び前記複数の加熱線のうち、少なくとも前記複数の加熱線を支持するシート状の基材を、備え、
    前記複数の加熱線の表面は黒色化処理が施されており、
    前記複数の加熱線が前記外側ガラス板側に配置され、前記基材が前記内側ガラス板側に配置されている、請求項9または10に記載の合わせガラス。
  12. 前記発熱層は、前記外側ガラス板側に配置されている、請求項9から11のいずれかに記載の合わせガラス。
  13. 前記発熱層は、前記内側ガラス板側に配置されている、請求項9から11のいずれかに記載の合わせガラス。
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