JP2018084091A - ドア開閉装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】動作の検出状態が分かり易く、開閉操作性が良いドア開閉装置を提供する。【解決手段】ドア開閉装置10は、ドア4を開閉可能なドア駆動手段18と、被検出物を検出するための検出手段12と、ドア駆動手段18を駆動させる制御手段20と、検出手段12の検出結果から得られる距離に応じて、制御手段20によって異なる報知音を出力させるための異音出力手段26とを備える。【選択図】図3

Description

本発明は、ドア開閉装置に関する。
近年の車両には、手を使うことなくドアを開閉できるようにしたドア開閉装置が搭載されている。特許文献1には、使用者がドアの近傍で設定された動作を行ったと判断すると、ドアを開閉駆動するようにしたドア開閉装置が開示されている。
特開2014−221982号公報
しかしながら、特許文献1のドア開閉装置は、使用者の動作を検出してからドアの駆動が開始されるまでに時間差があるため、使用者は自身の動作が検出されたのか否かが分かり難い。よって、使用者は何回も同じ動作を行うことがあり、開閉操作性が悪いと感じさせてしまう。
本発明は、動作の検出状態が分かり易く、開閉操作性が良いドア開閉装置を提供することを課題とする。
本発明は、車体に対してドアを開閉可能なドア駆動手段と、前記ドア周辺の被検出物を検出するための検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて前記ドア駆動手段を駆動させる制御手段と、前記検出手段の検出結果から得られる距離に応じて、前記制御手段によって異なる報知音を出力させるための異音出力手段とを備える、ドア開閉装置を提供する。ここで、異なる報知音には、異なる出力(音量)で発する音、同一出力で異なる周波数(高低)で発する音、異なる周期で発する音、及びこれらを組み合わせた音が含まれる。
本発明では、ドアから被検出物までの距離に応じて異音出力手段によって異なる報知音が出力されるため、使用者は自身の動作の検出状況が分かり易く、ドア開閉装置の開閉作業性を向上できる。
ドアを開放するための動作の一工程を示す斜視図。 ドアを開放するための動作の他の一工程を示す斜視図。 ドアを開放するための動作の他の一工程を示す斜視図。 ドアが開放した状態を示す斜視図。 ドアを閉鎖するための動作の一工程を示す斜視図。 ドアを閉鎖するための動作の他の一工程を示す斜視図。 ドアを閉鎖するための動作の他の一工程を示す斜視図。 ドアが閉鎖した状態を示す斜視図。 ドア開閉装置の構成を示すブロック図。 ドア開閉装置の検出範囲と表示位置の関係を示す平面図。 制御手段による制御を示すメインのフローチャート。 図5Aの続きのフローチャート。 図5Aのアプローチ処理のフローチャート。 図5Aのスタート処理のフローチャート。 図5Bのトリガ処理のフローチャート。 図8Aの続きのフローチャート。 図5Bの開放処理のフローチャート。 図5Bの第1閉鎖処理のフローチャート。 図5Bの第2閉鎖処理のフローチャート。
以下、本発明に係る実施形態を添付図面に従って説明する。
図1Aから図2Dは、本実施形態に係るドア開閉装置10を採用した車両1を示す。ドア開閉装置10は、車両1の後部に設けたハッチバックドア(以下、単にドアと記載する。)4を自動開閉するためのものである。このドア開閉装置10によれば、ドア4の後方側で使用者が定められた動作を行えば、手を使わずにドア4を自動開閉することができる。ドア4を自動開閉する処理内容については後に詳述する。
(ドア開閉装置の構成)
図3に示すように、ドア開閉装置10は、検出手段12、照明手段16、照合手段17、ドア駆動手段18、ドアロック装置19、及び制御手段20を備える。但し、図3中、一点鎖線で囲まれた部分が今回追加した構成であり、検出手段12、照合手段17、及びドアロック装置19には、車両1に搭載された既存の部品を利用する。
図4を併せて参照すると、検出手段12は、リアバンパー3に取り付けられた合計4つのバックソナー(超音波センサ)のうち、中央部2箇所の第1検出センサ13Aと第2検出センサ13Bで構成されている。なお、バックソナーの検出センサ13A〜13Dは、車両1の走行時の後方を監視するために使用される。また、両側2箇所の第3検出センサ13Cと第4検出センサ13Dの検出結果は、ドア開閉制御では使用しない。
検出センサ13A〜13Dはそれぞれ、送波器14及び受波器15を備える。送波器14から発せられる超音波によって、車両後方に向かって円錐状に広がった検出範囲がそれぞれ形成される。地面においては、扇型(中心角度が約45度)に広がった検出範囲となる。検出範囲32A〜32Dに送波された超音波の反射光は受波器15で受波される。第1検出センサ13Aと第2検出センサ13Bの検出結果は、検出範囲32A,32B内での被検出物の有無の判定と、被検出物までの距離の演算とに利用される。なお、被検出物には、使用者、及び使用者以外の第三者が含まれている。
図4は、平面視で地面に設定される検出センサ13A〜13Dの検出範囲32A〜32Dを示す。この図4に示すように、第1検出センサ13Aと第2検出センサ13Bのそれぞれによって検出される範囲32A,32Bの全体がアプローチ領域33である。また、第1検出センサ13Aと第2検出センサ13Bの双方によって検出される範囲(重なり領域)が操作区画34である。この操作区画34は、検出距離の違いによって複数の区域に分けられている。第1設定距離(例えば20cm)と第2設定距離(例えば40cm)の間はトリガ区域35に設定されている。第3設定距離(例えば50cm)と第4設定距離(例えば120cm)の間はスタート区域36に設定されている。スタート区域36は、第1区分37と第2区分38とを含んでいる。第1区分37は、第3設定距離と第5設定距離(例えば80cm)の間である。第2区分38は、第5設定距離と第4設定距離の間である。
照明手段16はLEDで構成されている。詳細については図示しないが、LEDは、リアバンパー3の中央部に取り付けたケーシング内の基板に実装されている。ケーシングには開口が形成され、そこにはレンズが設けられている。LEDからの光はレンズで集光され、車両1の周囲が暗いときは勿論、明るいときにも使用者が視認できるような照度で地面を照射できるようになっている。照射位置はトリガ区域35であり、使用者を誘導するための光学的な表示(操作マーク)30となる。
照合手段17は、キー(携帯機)とLF(Low Frequency)信号による通信を行い、車外におけるキー認証を行う車外LF送受信アンテナを備えた送受信機を備える。送受信機は、上位ECU(Electronic Control Unit)からの命令に応じて起動し、キー認証処理が行われる。キー認証処理では、キーに対して認証コードの送信要求を行い、キーから受信した認証コードを登録された正規コードと比較し、これらが合致(成立)すれば使用者であると判断する。
ドア駆動手段18は、図示しないが、ドア4を開方向及び閉方向に回転可能なモータ、ギア機構、ダンパー等で構成されている。ドア駆動手段18は、通信ケーブルによって制御手段20と通信可能に接続されている。なお、ドア駆動手段18と制御手段20とは無線接続してもよい。
ドアロック装置19はドア4に配置され、車体2に対してドア4を開放可能に閉鎖するものである。このドアロック装置19は、通信ケーブルによって制御手段20と通信可能に接続され、ドア4の開放状態で開信号(例えばオン信号)を出力し、ドア4の閉鎖状態で閉信号(例えばOFF信号)を出力する。
制御手段20は、記憶部21、測定部22、判断部23、及び照明制御部24を備えたコントローラで構成されている。本実施形態では、制御手段20として1個のマイクロコンピュータを用いているが、測定部22、判断部23、及び照明制御部24を個別のマイクロコンピュータで構成してもよい。
記憶部21には、制御プログラム、制御プログラムで使用する閾値や判定値等の設定データ、及び検出センサ13A,13Bの検出結果から距離を演算するためのデータテーブル等が記憶されている。
測定部22は、検出センサ13A,13Bの送波器14が超音波を送波してから、受波器15が反射波を受波するまでの時間(検出結果)に基づいて、被検出物までの距離を測定する。即ち、測定部22と検出センサ13A,13Bとにより、検出センサ13A,13Bから被検出物までの距離を測定可能な測距センサが構成される。測定結果は、距離情報として記憶部21に記憶される。記憶部21では、設定回数分(例えば10回)の距離情報を記憶できるようになっている。記憶する距離情報が設定回数を越えれば、古いものから順に消去される。
判断部23は、測定部22の測定結果である距離の変化によって、使用者の動きを判断するものである。即ち、今回の測定結果と前回の測定結果との差(変化量)に基づいて使用者が移動したか停止しているかを判断する。変化量が大きければ、移動距離が大きく、逆に小さければ移動距離も小さい。予め判定値を設定しておき、変化量が判定値を超えていれば移動したと判断し、判定値以下であれば停止していると判断する。
照明制御部24は、照明手段16を点灯状態、点滅状態、及び消灯状態に切り換える。例えば、使用者がスタート区域36に位置していると判断すれば、照明手段16の照射状態を消灯から点滅に切り換える。また、使用者がスタート区域36からトリガ区域35へ移動したと判断すれば、照明手段16の照射状態を点滅から点灯に切り換える。このようにして、使用者を特定の領域であるトリガ区域35へと誘導する。
制御手段20によるドア4の自動開閉制御は、車両1が駐車され、エンジンが停止されることで開始される。制御手段20は、照合手段17によるキー認証が成立し、使用者が設定された動作を行ったと判断部23が判断することで、ドア駆動手段18によってドア4を開放又は閉鎖する。
例えば、車体2に対してドア4を開放させる場合、使用者は、図1Aから図1Cに示す動作を行う。詳しくは、図1Aに示すようにドア4に近づくように前進し、図1Bに示すように表示30を踏む(第1の動き)。続いて、図1Cに示すようにドア4から離れるように後退する(第2の動き)。制御手段20は、この設定された動作が行われたと判断部23が判断することで、図1Dに示すようにドア4を開放する。
車体2に対してドア4を閉鎖させる場合、使用者は、図2Aから図2Cに示す動作を行う。詳しくは、図2Aに示すようにドア4に近づくように前進し、図2Bに示すように表示30を踏む(第1の動き)。続いて、図2Cに示すようにドア4から離れるように後退(第2の動き)した後、更にもう一歩後退する(第3の動き)。ドア開閉装置10は、この設定された動作が行われたと判断部23が判断することで、図2Dに示すようにドア4を閉鎖する。
前述のように、ドア開閉装置10は、使用者の動きに応じて照明手段16の表示状態を変更することで、制御手段20が使用者の動作を検出したことを認識できるようにしている。しかし、視覚による報知では、表示30の色と地面の色との色合いによって使用者が認識し難いことがある。そこで、本実施形態では、検出手段12の検出結果から得られる距離に応じて、報知音を出力するようにしている。
(報知音による誘導の詳細)
図3に示すように、ドア開閉装置10は、異音出力手段26、及び昼夜判定手段28を更に備えている。使用者の移動に伴って異音出力手段26による報知音を異ならせることで、使用者に検出状態を認識させるとともに、定められた動作に従って使用者を誘導する。また、昼夜判定手段28で判定した結果によって異音出力手段26の音量を変更することで、使用者にはっきり認識させる一方、周囲の人に不快感を与えることを抑制する。
異音出力手段26は、車両1に搭載されている既存の警報器が兼用されている。異音出力手段26は、印加される電圧値が変更されることで音量が異なる報知音を出力でき、周波数を変更することで高低が異なる報知音を出力できる。また、電圧を印加する周期を変更することで報知音の出力パターンを変更できる。このように異音出力手段26から出力する報知音を変更するための音変更手段27は、異音出力手段26と制御手段20の間に接続されている。
昼夜判定手段28は、現在が昼間であるか夜間であるかを判断するものである。この昼夜判定手段28には、ヘッドライトを自動点灯させるためのフォトダイオードが兼用されている。なお、フォトダイオードの代わりに車両1に搭載されている時計を兼用してもよい。フォトダイオードを兼用する場合、時計の時刻設定が間違っている場合や、現在時刻が設定されていない場合であっても、確実に昼夜を判定できる。時計を兼用する場合、周囲の人が迷惑と感じる時間帯であるか否かを確実に判定できる。
制御手段20は、前述した動作のうち、使用者が第1の動きを行っている最中に、異音出力手段26による報知音を異ならせる。即ち、測定部22によって使用者がスタート区域36に移動したことを検出すると、異音出力手段26による報知音の出力を開始する。その後、スタート区域36からトリガ区域35に向けて、判断部23によって定められた設定距離Sd(例えば20mm)使用者が移動したと判断する度に、報知音を設定周波数Sf(例えば20Hz)上げる。勿論、報知音の音量も段階的に変更してもよいし、報知音の出力周期も変更してもよい。
記憶部21には、昼間と夜間を区別するための判定値が記憶されている。フォトダイオードを用いる場合、検出した明るさBと判定値Bjと比較することで、昼間であるか夜間であるかを判定する。時計を用いる場合、現在時刻Tが第1判定値Tj1(例えば8時)から第2判定値Tj2(例えば20時)の間であるか否かで、昼間であるか夜間であるかを判定する。制御手段20は、夜間と判定した場合、昼間と判断した場合よりも出力音量Voが小さくなるように、設定された音量Vsに設定された係数αを乗算する。
次に、前記構成からなるドア開閉装置10の動作について図5Aから図11に示すフローチャートに従って説明する。なお、以下の説明で用いられるカウンタNは、以下を計数するものである。
カウンタNa:アプローチ領域33内での被検出物の検出回数
カウンタNb:認証処理の不成立回数
カウンタNc:スタート区域36で使用者を検出できない回数
カウンタNd:トリガ区域35で使用者を検出できない回数
カウンタNe:使用者の後退を検出できない回数
カウンタNf:使用者の後退を検出できない回数
カウンタNg:使用者の再後退を検出できない回数
(メインフロー)
図5A及び図5Bに示すように、制御手段20によるドア開閉制御は、アプローチ処理(ステップS6)、スタート処理(ステップS8)、トリガ処理(ステップS10)、開放処理(ステップS12)、第1閉鎖処理(ステップS14)、及び第2閉鎖処理(ステップS16)によって行われる。
制御手段20は、まず、ドア開閉制御で使用する各データを初期化した後(ステップS1)、定められた検出時間が経過するまで待機する(ステップS2)。検出時間が経過すると、各検出センサ13A,13Bの送波器14から超音波を送波し(ステップS3)、受波器15で超音波の反射波を受波する(ステップS4)。また、設定されている処理がいずれの処理であるのかを判断し(ステップS5、S7、S9、S11、S13、S15)、以下に記載するようにして該当するモードに対応する処理を実行する(ステップS6、S8、S10、S12、S14、S16)。またこの間、第1検出センサ13A又は第2検出センサ13Bによる検出距離Dが設定値(ここでは120cmに設定)未満となれば(ステップS17)、処理モードをアプローチモードに設定する(ステップS18)。いずれのモードでもなく、被検出物がアプローチ領域33に進入している訳でもなければ、モードを全てクリアする(ステップS19)。
(アプローチ処理:ステップS6)
ステップS5で、アプローチモードに設定されていれば、図6に示すアプローチ処理を実行する。アプローチ処理では、アプローチ領域33内に被検出物である使用者が位置しているか否かを判断する(ステップS6−1)。第1検出センサ13A又は第2検出センサ13Bによる検出信号があれば、アプローチ領域33内に被検出物が進入していると判断する。
アプローチ領域33内に被検出物が進入していない、あるいは、進入していたとしても所定時間内にアプローチ領域33外に移動すれば(ステップS6−1:No)、アプローチモードをクリアし、カウンタNaをリセットする(ステップS6−2)。
アプローチ領域33内に被検出物が位置していれば(ステップS6−1:Yes)、カウンタNaに1を加算し(ステップS6−3)、カウンタNaが2を超えるまで待機する(ステップS6−4)。そして、アプローチ領域33内に被検出物が所定時間待機していると判断すると(ステップS6−4:Yes)、キー認証を要求する(ステップS6−5)。この認証処理では、照合手段17により、キーに対して認証コードの送信要求を行い、キーから受信した認証コードを登録された正規コードと比較し、これらが合致すれば使用者であると判断する。その後、アプローチモードをクリアしてスタートモードに設定することで、処理モードを変更し、カウンタNaをリセットする(ステップS6−6)。
このように、アプローチ処理では、予め設定した広い範囲のアプローチ領域33内に使用者が位置することにより認証処理が行われる。これにより、使用者がドア4を自動開閉させる際、特定の動作を実行する前に、予めキー認証処理を完了しておくことができる。
(スタート処理:ステップS8)
アプローチ処理でスタートモードに設定されていれば、図7に示すスタート処理を実行する。スタート処理では、アプローチ処理での認証が成立しているか否かを読み込む(ステップS8−1)。認証が成立していなければ、カウンタNbに1を加算する(ステップS8−2)。カウンタNbが3を超えたか否かを判断し(ステップS8−3)、超えた場合にはスタートモードをクリアし、カウンタNb,Ncをリセットする(ステップS8−4)。
認証が成立していれば(ステップS8−1:Yes)、ドア4が開放位置であるか閉鎖位置であるかをドアロック装置19から読み込み、照明手段16を点灯させる(ステップS8−5)。その後、第1検出センサ13A又は第2検出センサ13Bからの検出信号によって使用者がスタート区域36内に移動しているか否かを判断する(ステップS8−6)。
使用者がスタート区域36内に移動している場合(ステップS8−6:Yes)、照明手段16を点滅させ、処理モードをスタートモードからトリガモードに変更し、カウンタNb,Ncをリセットする(ステップS8−7)。スタート区域36内に使用者が停止していない場合(ステップS8−6:No)、カウンタNcに1を加算する(ステップS8−8)。カウンタNbが20を超えるまで使用者がスタート区域36内で停止しなければ(ステップS8−9:Yes)、スタートモードをクリアし、カウンタNb,Ncをリセットする(ステップS8−10)。
このように、スタート処理では、ドア4の開閉制御を開始してよいのか否かを、使用者がスタート区域36内で停止しているか否かによって判定するようにしている。このため、スタート処理からトリガ処理への移行が不用意に実行されてしまうことを防止できる。また、照明手段16を点滅表示させることにより、使用者が移動すべき場所を一目で分かるように示すことができる。
(トリガ処理:ステップS10)
スタート処理でトリガモードに設定されていれば、図8A及び図8Bに示すトリガ処理を実行する。トリガ処理では、異音出力手段26による音高が初期設定に設定されているか否かを示すフラグfが0(初期設定:否)であるかどうかを判断する(ステップS10−1)。初期設定されていなければ、音高の初期設定を行い(ステップS10−2)、フラグを1とする(ステップS10−3)。
ついで、又はフラグfが1であった場合(ステップS10−1:No)、今回の検出距離D0が前回の検出距離D1よりも小さくなっているかどうかを判断する(ステップS10−4)。同じ又は大きくなっている場合(ステップS10−4:No)、使用者が移動していない、又は遠ざかっていると判断し、報知音の周波数Fは変更しない。小さくなっている場合(ステップS10−4:Yes)、使用者がドア4に向けて移動していると判断し、報知音の周波数Fを高くする。
報知音の周波数Fは、次のように高くする。まず、第1検出センサ13Aによる移動距離(移動量1)よりも、第2検出センサ13Bによる移動距離(移動量2)の方が小さいかどうかを判断する(ステップS10−5)。移動量1の方が大きい場合には、異音出力手段26による報知音の周波数Fを移動量1の数値に基づいて高くする(ステップS10−6)。移動量2の方が大きい場合には、異音出力手段26による報知音の周波数Fを移動量2の数値に基づいて高くする(ステップS10−7)。本実施形態の報知音は、移動量20mm毎に20Hz高くなるように設定されている。
なお、使用者が移動していない、又は遠ざかっていると判断した場合(ステップS10−4:No)、報知音の周波数Fが低くなるように変更してもよい。また、使用者が移動していないと判断した場合には、報知音の周波数Fを変更せず、使用者が遠ざかっていると判断した場合には、報知音の周波数Fが低くなるように変更してもよい。
異音出力手段26による報知音の周波数Fを変更すると、昼夜判定手段28による検出明度Bが判定値Bjよりも小さいかどうかを判断する(ステップS10−8)。車両1の周囲が暗く、検出明度Bが判定値Bjよりも小さい場合、報知音は、設定音量Vsに係数αを乗算した出力音量Voに設定される(ステップS10−9)。車両1の周囲が明るく、検出明度Bが判定値Bjよりも大きい場合、報知音は、出力音量Voの調整を行うことなく設定音量Vsに設定される(ステップS10−10)。その後、異音出力手段26によって設定周波数Fかつ出力音量Voの報知音を出力する(ステップS10−11)。
報知音を出力すると、第1検出センサ13Aと第2検出センサ13Bでの検出結果により、使用者がトリガ区域35内に移動しているか否かを判断する(ステップS10−12)。図1Bに示すように、使用者がトリガ区域35内に移動していれば、照明手段16を点滅状態から点灯状態とし、処理モードをトリガモードから開放モードに変更し、カウンタNdをリセットする(ステップS10−13)。その後、異音出力手段26による報知音の出力を停止し、フラグfを0とする(ステップS10−14)。
使用者がトリガ区域35内に移動していなければ(ステップS10−12:No)、カウンタNdに1を加算する(ステップS10−15)。カウンタNdが20を超えるまでに使用者がトリガ区域35内に移動しなければ(ステップS10−16)、照明手段16を消灯するとともに、トリガモードをクリアし、カウンタNdをリセットする(ステップS10−17)。その後、異音出力手段26による報知音の出力を停止し、フラグfを0とする(ステップS10−14)。
このように、トリガ処理では、照明手段16を点滅状態から点灯状態に変化させることにより、スタート区域36からトリガ区域35への移動が完了したことを使用者に視覚により認識させることができる。また、検出センサ13A,13Bによる検出距離Dに応じて、異音出力手段26によって異なる報知音を出力するため、使用者は設定された動作に従って動いているかどうかを容易に認識できる。
しかも、音の出力による報知は、照明手段16によって路面を表示する場合と比較して、天候や路面状態等の周囲の影響が少ないため、機器の検出状況を使用者が確実に認識できる。よって、ドア開閉装置10に関する開閉作業性を向上できる。また、報知音の出力は、使用者がスタート区域36に進入することで開始されるため、無駄に報知音が出力されることはない。よって、周囲の人に迷惑をかけることを抑制できる。さらに、昼夜判定手段28の判定結果に基づいて報知音の出力Voが変更されるため、特に静かな夜間であるときに周囲の人に迷惑をかけることを抑制できる。
(開放処理:ステップS12)
トリガ処理で開放モードに設定されていれば、図9に示す開放処理を実行する。開放処理では、照明手段16を点灯状態から点滅状態とし(ステップS12−1)、ドア4が閉状態であるか否かを判断する(ステップS12−2)。
ドア4が閉状態でなければ(ステップS12−2:No)、図2Aに示すように、ドア4が開放位置にあるので、処理モードを開放モードから第1閉鎖モードに変更する(ステップS12−3)。
ドア4が閉状態であれば(ステップS12−2:Yes)、使用者がスタート区域36の第1区分37に移動しているか否かを判断する(ステップS12−4)。図1Cに示すように、使用者が第1区分37に移動していれば(ステップS12−4:Yes)、ドア駆動手段18を駆動制御してドア4を開放させるドア開出力、照明手段16の消灯、開放モードのクリア、及びカウンタNeのクリアを実行する(ステップS12−5)。
使用者がスタート区域36の第1区分37内に移動していなければ(ステップS12−4:No)、カウンタNeに1を加算する(ステップS12−6)。カウンタNeが20を超えるまでに使用者が第1区分37内に移動しなければ(ステップS12−7)、照明手段16を消灯するとともに、開放モードをクリアし、カウンタNeをクリアする(ステップS12−8)。
このように、使用者がスタート区域36の第1区分37に移動して安全が確認できたところで、図1Dに示すようにドア4を開放する。このため、スムーズかつ安全にドア4を自動開放させることができる。
(第1閉鎖処理:ステップS14)
図2Aに示すようにドア4が開状態であり、開放処理で処理モードが第1閉鎖モードに設定されていれば、図10に示す第1閉鎖処理を実行する。第1閉鎖処理では、使用者がスタート区域36の第1区分37に位置しているか否かを判断する(ステップS14−1)。この時点では、開放処理で照明手段16が点滅されており、使用者はスタート区域36内に移動すればよいことが分かる。
使用者がスタート区域36の第1区分37に移動していれば(ステップS14−1:Yes)、処理モードを第1閉鎖モードから第2閉鎖モードに変更し、カウンタNfをクリアする(ステップS14−2)。
使用者がスタート区域36の第1区分37に移動していなければ(ステップS14−1:No)、カウンタNfに1を加算する(ステップS14−3)。カウンタNfが20を超えるまでに使用者が第1区分37内に移動しなければ(ステップS14−4)、第1閉鎖モードをクリアするとともに、照明手段16を消灯し、カウントNfをクリアする(ステップS14−5)。
(第2閉鎖処理:ステップS16)
第1閉鎖処理で第2閉鎖モードに設定されていれば、図11に示す第2閉鎖処理を実行する。第2閉鎖処理では、使用者がスタート区域36の第1区分37から第2区分38に移動したか否かを判断する(ステップS16−1)。
使用者がスタート区域36の第2区分38に移動していれば(ステップS16−1:Yes)、ドア駆動手段18を駆動制御してドア4を閉鎖させるドア閉出力、照明手段16の消灯、第2閉鎖モードのクリア、及びカウンタNgのクリアを実行する(ステップS16−2)。
使用者がスタート区域36内に移動していなければ(ステップS14−1:No)、カウンタNgに1を加算する(ステップS16−3)。カウンタNgが20を超えるまでに使用者がスタート区域36の第2区分38に移動しなければ(ステップS16−4)、第2閉鎖モードをクリアするとともに、照明手段16を消灯し、カウンタNjをクリアする(ステップS16−5)。
このように、第1閉鎖処理及び第2閉鎖処理では、使用者がスタート区域36の第1区分37から第2区分38に移動して安全が確認できたところで、図2Dに示すようにドア4を閉鎖する。したがって、使用者がドア4に挟まれることなく安全に、しかも簡単な動作で対処することができる。
以上のように、本実施形態のドア開閉装置10では、使用者に設定した動作を誘導するために、照明手段16による表示30だけでなく異音出力手段26による報知音も行う。しかも、報知音の出力は、検出手段12による検出距離に応じて異なる報知音が出力される。よって、使用者は自身の動作の検出状況が分かり易いため、ドア開閉装置10の開閉作業性を向上できる。また、重複させた検出範囲32A,32Bからなる操作区画34内で使用者の動作を判断するため、特別な装置を使用することなく、使用者の動作を安定かつ高精度に検出でき、誤検出を確実に防止できる。
なお、本発明のドア開閉装置10は、前記実施形態の構成に限定されず、種々の変更が可能である。
例えば、ドア4は、乗降用のヒンジ式ドアやスライド式ドアであってもよい。また、異音出力手段26による異なった報知音の出力は、設定された動作のうち、第2の動きの最中に行ってもよいし、第1の動きと第2の動きの両方で行ってもよい。また、トリガ処理のときのみブザー音を鳴らすように構成をしたが、アプローチ処理、スタート処理、第1閉鎖処理、第2閉鎖処理などにおいて、ユーザを指示するLEDの点灯及び点滅のタイミングにあわせて、ブザー音を鳴らしてもよい。
また、異なる報知音の出力方法は、ドア4に近づくことで周波数Fが低くなるようにしてもよいし、音量Vが異なるようにしてもよいし、周波数Fと音量Vの両方が異なるようにしてもよいし、出力周期が異なるようにしてもよい。報知音の出力パターンを異ならせる場合、例えば音と音の間隔は距離が近いほど短くし、音量は距離が近いほど大きくし、音の長さは距離が近いほど短くしてもよい。勿論、これらを希望に応じて組み合わせてもよい。
1 車両
2 車体
3 リアバンパー
4 ドア
10 ドア開閉装置
12 検出手段
13A 第1検出センサ
13B 第2検出センサ
13C 第3検出センサ
13D 第4検出センサ
14 送波器
15 受波器
16 照明手段
17 照合手段
18 ドア駆動手段
19 ドアロック装置
20 制御手段
21 記憶部
22 測定部(測定手段)
23 判断部(判断手段)
24 照明制御部(照明制御手段)
26 異音出力手段
27 音変更手段
28 昼夜判定手段
30 表示
32A〜32D 検出範囲
33 アプローチ領域
34 操作区画
35 トリガ区域
36 スタート区域
37 第1区分
38 第2区分

Claims (6)

  1. 車体に対してドアを開閉可能なドア駆動手段と、
    前記ドア周辺の被検出物を検出するための検出手段と、
    前記検出手段の検出結果に基づいて前記ドア駆動手段を駆動させる制御手段と、
    前記検出手段の検出結果から得られる距離に応じて、前記制御手段によって異なる報知音を出力させるための異音出力手段と
    を備える、ドア開閉装置。
  2. 前記検出手段の検出結果から得られる距離の変化によって、前記被検出物の動き判断するための判断手段を備え、
    前記制御手段は、前記被検出物が設定された動作を行ったと前記判断手段が判断すると、前記ドア駆動手段を駆動させる、請求項1に記載のドア開閉装置。
  3. 前記動作は、前記被検出物が前記ドアに近づく向きへ前進する第1の動きと、前記被検出物が前記ドアから離れる向きへ後退する第2の動きとを有し、
    前記制御手段は、前記判断手段によって判断された前記第1の動きの最中に、前記異音出力手段による報知音を異ならせる、請求項2に記載のドア開閉装置。
  4. 前記検出手段は、前記被検出物を検出可能な検出範囲を有し、
    前記検出範囲は、前記動作の開始領域としてのスタート区域と、前記スタート区域よりも前記ドアの近くに位置するトリガ区域とに区画されており、
    前記制御手段は、前記検出手段によって前記被検出物が前記スタート区域に位置することを検出すると、前記異音出力手段による報知音の出力を開始する、請求項2又は3に記載のドア開閉装置。
  5. 前記検出手段は、前記被検出物を検出可能な第1検出範囲を有する第1検出センサと、前記被検出物を検出可能な第2検出範囲を有する第2検出センサとを備え、
    前記第1検出範囲と前記第2検出範囲には、双方の一部を重複させた操作区画が設定されており、
    前記判断手段は、前記操作区画内で前記被検出物による前記動作を判断する、請求項2から4のいずれか1項に記載のドア開閉装置。
  6. 昼か夜かを判定する昼夜判定手段を備え、
    前記制御手段は、前記昼夜判定手段による判定結果が夜の場合、前記昼夜判定手段による判定結果が昼の場合よりも前記異音出力手段による報知音の出力を低減させる、請求項1から5のいずれか1項に記載のドア開閉装置。
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