JP2018081736A - 記憶装置、半導体装置、電子機器、及びサーバシステム - Google Patents

記憶装置、半導体装置、電子機器、及びサーバシステム Download PDF

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Abstract

【課題】ソフトエラーによって破壊されたデータの修復をする。
【解決手段】第1のメモリセル、第2のメモリセル、ビット線、第1のセンス線、第2のセンス線、センス回路、デジタルアナログ変換回路、及びアナログデジタル変換回路を有し、デジタルアナログ変換回路は、ビット線を介して、第1のメモリセルと、第2のメモリセルと、に、電気的に接続されている。センス回路には、第1のセンス線を介して第1のメモリセル、及び第2のセンス線を介して第2のメモリセルが電気的に接続されている。デジタルアナログ変換回路は、第1のメモリセルと、第2のメモリセルとに、第1の信号として電圧を与える機能を有している。第1のメモリセル、又は第2のメモリセルでソフトエラーが発生するとしても、センス回路は、第1のメモリセル、又は第2のメモリセルのいずれか大きな電圧を選択して出力することで、ソフトエラーによって破壊されたデータの修復をする機能を有する記憶装置。
【選択図】図1

Description

本発明の一態様は、記憶装置、半導体装置、電子機器、及びサーバシステムに関する。
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の一態様の技術分野は、物、方法、又は、製造方法に関する。又は、本発明は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、又は、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関する。特に、本発明の一態様は、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、記憶装置、それらの駆動方法、又はそれらの製造方法に関する。
なお、本明細書等において、半導体装置は、半導体特性を利用することで機能しうる素子、回路、又は装置等を指す。一例としては、トランジスタ、ダイオード等の半導体素子は半導体装置である。また別の一例としては、半導体素子を有する回路は、半導体装置である。また別の一例としては、半導体素子を有する回路を備えた装置は、半導体装置である。
半導体デバイスの微細化につれ、放射線等に起因するソフトエラーの問題が顕在化している。ソフトエラーは、ハードエラーと異なり、エラー発生後も新たなデータに更新され、再起動などによって正常に復帰してしまうためにエラーの要因特定が困難な場合が多い。このように論理回路や記憶装置に発生するソフトエラーは、コンピュータのプロセッサや制御用デジタル回路等の誤作動を引き起こす可能性を有し、誤作動を起こさないシステムが必要とされている。
デジタルデータの転送において、エラーの検出を行うために、巡回冗長検査(cyclic redundancy check)を利用する方法が一般に知られている(特許文献1参照)。しかし、エラーの検出はできても、エラーの予防については十分ではない。また、ソフトエラーの主要因である中性子線を遮断することは難しく、その対策は困難である。
また、携帯可能な電子機器が広く使用されるにつれ、例えば、コンクリートで遮蔽された高層ビルの地下室(中性子線量またはα線量が低い)から、超高空を飛行する航空機もしくは宇宙ステーション(中性子線量またはα線量が高い)まで、電子機器を稼動させたまま短時間で移動できるようになり、ソフトエラーの発生確率も急激に変化するようになっている。そのため、使用環境に依存しないソフトエラーへの対応が求められる。
また、ソフトエラーは、航空機、医療機器、データベースサーバ、大容量ルータ、スーパーコンピュータなどの、高い信頼性が必要な機器だけに求められるものではなく、電子化の進む自動車や、デジタル家電など、情報の高密度化に伴いソフトエラーによるシステムの不安定性への対応が求められる。
従来の半導体メモリ装置である、DRAMやSRAMは電源が切られるとデータも消えてしまうので望ましくない。EEPROMやフラッシュメモリは、フローティングゲートと呼ばれるものを、チャネルとゲートの間に設け、フローティングゲートに電荷を蓄えることにより、データを保持する。
しかしながら、従来のEEPROMやフラッシュメモリは、フローティングゲートへの電荷の注入や除去の際に高い電圧を必要とし、また、そのせいもあって、ゲート絶縁膜の劣化が避けられず、無制限に書き込みや消去を繰り返せなかった。そこで、トランジスタのオフ電流が小さいことが知られている金属酸化物を半導体層に用いたトランジスタを用いることで、電源が切られても、データを保持できるメモリの構成が、特許文献2に開示されている。
チャネル形成領域に金属酸化物を有するトランジスタ(以下、「金属酸化物半導体トランジスタ」、又は「OSトランジスタ」と呼ぶ場合がある。)が知られている。例えば、特許文献3には、ゲインセルの書き込みトランジスタがOSトランジスタである記憶装置が記載されている。ゲインセルは、蓄積した電荷量を読み出しトランジスタで増幅して、ビット線に供給できるため、キャパシタの容量を小さくすることが可能とされる。
米国特許公開2005/0229075号明細書 特開2015−038799号公報 特開2011−119675号公報
半導体集積回路では、高密度化、高容量化が進む一方で小型化の要求があり、2次元的な集積化から3次元的な集積化への移行が進んでいる。しかし、高密度化、高容量化の進歩によりメモリセルサイズが小さくなると、中性子線量又はα線量の影響を受けやすくなり、ソフトエラーの発生頻度が高くなることが課題である。
ソフトエラーの対応の一つとして、メモリ回路に組み込まれた誤り訂正回路(ECC回路:Error Correcting Code circuit)を用いることで、ソフトエラーによって発生する破損データを修復することができる。しかしながら、誤り訂正回路でも、破損データを修復しきれない条件があることが課題である。
上記問題に鑑み、本発明の一態様では、新規な構成の半導体装置を提供することを課題の一つとする。又は、新規な構成の誤り訂正回路を提供することを課題の一つとする。又は、システムの安定的な稼働を実現し、高信頼性を図ることを課題の一つとする。
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
なお本発明の一態様の課題は、上記列挙した課題に限定されない。上記列挙した課題は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお他の課題は、以下の記載で述べる、本項目で言及していない課題である。本項目で言及していない課題は、当業者であれば明細書又は図面等の記載から導き出せるものであり、これらの記載から適宜抽出することができる。なお、本発明の一態様は、上記列挙した記載、及び/又は他の課題のうち、少なくとも一つの課題を解決するものである。
本発明の一態様は、第1のメモリセル、第2のメモリセル、ビット線、デジタルアナログ変換回路、センス回路、第1のセンス線、第2のセンス線、アナログデジタル変換回路を有し、デジタルアナログ変換回路は、ビット線を介して第1のメモリセルと、第2のメモリセルとが電気的に接続され、センス回路には、第1のセンス線を介して第1のメモリセル、及び第2のセンス線を介して第2のメモリセルが電気的に接続され、デジタルアナログ変換回路は、第1のメモリセル及び第2のメモリセルに、第1の信号として電圧を与える機能を有し、センス回路は、第1のメモリセル、又は第2のメモリセルが有する第1の信号のいずれか大きな電圧を、第2の信号として選択する機能を有し、アナログデジタル変換回路は、第2の信号を電圧からデジタル信号に変換する機能を有する記憶装置である。
上記各構成において、第1のメモリセルと、第2のメモリセルは、多値のデータ電圧を保持する機能を有する記憶装置が好ましい。
上記各構成において、第1のメモリセルは、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、容量素子と、ワード線と、ビット線と、第1のセンス線と、容量線とを有し、第1のトランジスタのゲートは、ワード線と電気的に接続され、第1のトランジスタのソースもしくはドレインの一方は、ビット線に電気的に接続され、第1のトランジスタのソースもしくはドレインの他方は、第2のトランジスタのゲートと、容量素子の電極の1方と、に、電気的に接続され、第2のトランジスタのソースもしくはドレインの一方は、ビット線に電気的に接続され、第2のトランジスタのソースもしくはドレインの他方は、第1のセンス線と電気的に接続され、容量素子の電極の他方は、容量線と電気的に接続された記憶装置が好ましい。
上記各構成において、第1のメモリセルが有する第1のトランジスタ、及び第2のトランジスタの半導体層の上に設けられた絶縁層の上に、第2のメモリセルが有するトランジスタの半導体層が設けられ、それぞれの半導体層の一部が重なり合う位置に配置されたことを特徴とする記憶装置が好ましい。
上記各構成において、第1のメモリセルが有する第1のトランジスタ、及び第2のトランジスタの半導体層と、第2のメモリセルが有するトランジスタの半導体層とは、同じ絶縁層の上に設けられたことを特徴とする記憶装置が好ましい。
上記各構成において、センス回路は、第3のトランジスタと、第4のトランジスタと、第5のトランジスタと、第1の電圧変換素子と、第2の電圧変換素子と、第3の電圧変換素子と、フローティングノードと、第1の電源線と、第2の電源線と、を有し、第3のトランジスタのゲートは、第1の電圧変換素子を介して第1のセンス線と電気的に接続され、第4のトランジスタのゲートは、第2の電圧変換素子を介して第2のセンス線と電気的に接続され、第1の電源線は、第3のトランジスタのソースもしくはドレインの一方、及び第4のトランジスタのソースもしくはドレインの一方が電気的に接続され、アナログデジタル変換回路の入力端子には、第3のトランジスタのソースもしくはドレインの他方、第4のトランジスタのソースもしくはドレインの他方、第5のトランジスタのソースもしくはドレインの一方、及び第3の電圧変換素子の電極の一方が電気的に接続され、第2の電源線は、第5のトランジスタのソースもしくはドレインの他方、及び第3の電圧変換素子の電極の他方が電気的に接続され、フローティングノードは、アナログデジタル変換回路の入力端子に電気的に接続されることを特徴とする記憶装置が好ましい。
上記各構成において、第1乃至第3の電圧変換素子は、電流を電圧に変換する機能を有することを特徴とする記憶装置が好ましい。
上記各構成において、いずれかの記憶装置が有するトランジスタは、半導体層に金属酸化物を有する記憶装置が好ましい。
上記各構成において、半導体層に金属酸化物を有するトランジスタは、バックゲートを有することを特徴とする記憶装置が好ましい。
本発明の一態様では、新規な構成の半導体装置を提供することができる。又は、新規な構成の誤り訂正回路を提供することができる。又は、システムの安定的な稼働を実現し、高信頼性を図ることができる。
なお本発明の一態様の効果は、上記列挙した効果に限定されない。上記列挙した効果は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお他の効果は、以下の記載で述べる、本項目で言及していない効果である。本項目で言及していない効果は、当業者であれば明細書又は図面等の記載から導き出せるものであり、これらの記載から適宜抽出することができる。なお、本発明の一態様は、上記列挙した効果、及び/又は他の効果のうち、少なくとも一つの効果を有するものである。したがって本発明の一態様は、場合によっては、上記列挙した効果を有さない場合もある。
(A)記憶装置を説明するブロック図。(B)メモリセルを説明する回路図。 記憶装置の動作を説明するタイミングチャート。 記憶装置を説明するブロック図。 記憶装置を説明するブロック図。 電子機器を説明する図。 記憶装置の積層構造例を示す断面図。 (A)トランジスタを説明する断面図。(B)トランジスタを説明する断面図。 OSトランジスタの構成例を示す断面図。 表示装置の構成例を説明する断面図。 表示装置の作製方法の一例を説明する断面図。 表示装置の作製方法の一例を説明する断面図。 表示装置の作製方法の一例を説明する断面図。 表示装置の作製方法の一例を説明する断面図。 表示装置の作製方法の一例を説明する断面図。 表示装置の作製方法の一例を説明する断面図。 表示装置の作製方法の一例を説明する断面図。 表示装置の作製方法の一例を説明する断面図。 表示装置の作製方法の一例を説明する断面図。 表示装置の構成例を説明する断面図。 表示装置の構成例を説明する断面図。 表示装置の構成例を説明する断面図。 電子機器の構成例を説明する図。 OSトランジスタの構成例を説明する図。
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。ただし、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は、以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
また、図面において、大きさ、層の厚さ、又は領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。なお図面は、理想的な例を模式的に示したものであり、図面に示す形状又は値などに限定されない。
また、本明細書にて用いる「第1」、「第2」、「第3」という序数詞は、構成要素の混同を避けるために付したものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
また、本明細書において、「上に」、「下に」などの配置を示す語句は、構成同士の位置関係を、図面を参照して説明するために、便宜上用いている。また、構成同士の位置関係は、各構成を描写する方向に応じて適宜変化するものである。したがって、明細書で説明した語句に限定されず、状況に応じて適切に言い換えることができる。
また、本明細書等において、トランジスタとは、ゲートと、ドレインと、ソースとを含む少なくとも三つの端子を有する素子である。そして、ドレイン(ドレイン端子、ドレイン領域又はドレイン電極)とソース(ソース端子、ソース領域又はソース電極)の間にチャネル領域を有しており、チャネル領域を介して、ソースとドレインとの間に電流を流すことができるものである。なお、本明細書等において、チャネル領域とは、電流が主として流れる領域をいう。
また、ソースやドレインの機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明細書等においては、ソースやドレインの用語は、入れ替えて用いることができるものとする。
また、本明細書等において、「電気的に接続」には、「何らかの電気的作用を有するもの」を介して接続されている場合が含まれる。ここで、「何らかの電気的作用を有するもの」は、接続対象間での電気信号の授受を可能とするものであれば、特に制限を受けない。例えば、「何らかの電気的作用を有するもの」には、電極や配線をはじめ、トランジスタなどのスイッチング素子、抵抗素子、インダクタ、キャパシタ、その他の各種機能を有する素子などが含まれる。
また、本明細書等において、「平行」とは、二つの直線が−10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、−5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「垂直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、85°以上95°以下の場合も含まれる。
また、本明細書等において、「膜」という用語と、「層」という用語とは、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。又は、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
また、本明細書等において、特に断りがない場合、オフ電流とは、トランジスタがオフ状態(非導通状態、遮断状態、ともいう)にあるときのドレイン電流をいう。オフ状態とは、特に断りがない場合、nチャネル型トランジスタでは、ゲートとソースの間の電圧Vgsがしきい値電圧Vthよりも低い状態、pチャネル型トランジスタでは、ゲートとソースの間の電圧Vgsがしきい値電圧Vthよりも高い状態をいう。例えば、nチャネル型のトランジスタのオフ電流とは、ゲートとソースの間の電圧Vgsがしきい値電圧Vthよりも低いときのドレイン電流を言う場合がある。
トランジスタのオフ電流は、Vgsに依存する場合がある。したがって、トランジスタのオフ電流がI以下である、とは、トランジスタのオフ電流がI以下となるVgsの値が存在することを言う場合がある。トランジスタのオフ電流は、所定のVgsにおけるオフ状態、所定の範囲内のVgsにおけるオフ状態、又は、十分に低減されたオフ電流が得られるVgsにおけるオフ状態、等におけるオフ電流を指す場合がある。
一例として、しきい値電圧Vthが0.5Vであり、Vgsが0.5Vにおけるドレイン電流が1×10−9Aであり、Vgsが0.1Vにおけるドレイン電流が1×10−13Aであり、Vgsが−0.5Vにおけるドレイン電流が1×10−19Aであり、Vgsが−0.8Vにおけるドレイン電流が1×10−22Aであるようなnチャネル型トランジスタを想定する。当該トランジスタのドレイン電流は、Vgsが−0.5Vにおいて、又は、Vgsが−0.5V乃至−0.8Vの範囲において、1×10−19A以下であるから、当該トランジスタのオフ電流は1×10−19A以下である、と言う場合がある。当該トランジスタのドレイン電流が1×10−22A以下となるVgsが存在するため、当該トランジスタのオフ電流は1×10−22A以下である、と言う場合がある。
また、本明細書等では、チャネル幅Wを有するトランジスタのオフ電流を、チャネル幅Wあたりを流れる電流値で表す場合がある。また、所定のチャネル幅(例えば1μm)あたりを流れる電流値で表す場合がある。後者の場合、オフ電流の単位は、電流/長さの次元を持つ単位(例えば、A/μm)で表される場合がある。
トランジスタのオフ電流は、温度に依存する場合がある。本明細書において、オフ電流は、特に記載がない場合、室温、60℃、85℃、95℃、又は125℃におけるオフ電流を表す場合がある。又は、当該トランジスタが含まれる半導体装置等の信頼性が保証される温度、又は、当該トランジスタが含まれる半導体装置等が使用される温度(例えば、5℃乃至35℃のいずれか一の温度)におけるオフ電流、を表す場合がある。トランジスタのオフ電流がI以下である、とは、室温、60℃、85℃、95℃、125℃、当該トランジスタが含まれる半導体装置の信頼性が保証される温度、又は、当該トランジスタが含まれる半導体装置等が使用される温度(例えば、5℃乃至35℃のいずれか一の温度)、におけるトランジスタのオフ電流がI以下となるVgsの値が存在することを指す場合がある。
トランジスタのオフ電流は、ドレインとソースの間の電圧Vdsに依存する場合がある。本明細書において、オフ電流は、特に記載がない場合、Vdsが0.1V、0.8V、1V、1.2V、1.8V、2.5V、3V、3.3V、10V、12V、16V、又は20Vにおけるオフ電流を表す場合がある。又は、当該トランジスタが含まれる半導体装置等の信頼性が保証されるVds、又は、当該トランジスタが含まれる半導体装置等において使用されるVdsにおけるオフ電流、を表す場合がある。トランジスタのオフ電流がI以下である、とは、Vdsが0.1V、0.8V、1V、1.2V、1.8V、2.5V、3V、3.3V、10V、12V、16V、20V、当該トランジスタが含まれる半導体装置の信頼性が保証されるVds、又は、当該トランジスタが含まれる半導体装置等において使用されるVds、におけるトランジスタのオフ電流がI以下となるVgsの値が存在することを指す場合がある。
上記オフ電流の説明において、ドレインをソースと読み替えてもよい。つまり、オフ電流は、トランジスタがオフ状態にあるときのソースを流れる電流を言う場合もある。
また、本明細書等では、オフ電流と同じ意味で、リーク電流と記載する場合がある。また、本明細書等において、オフ電流とは、例えば、トランジスタがオフ状態にあるときに、ソースとドレインとの間に流れる電流を指す場合がある。
なお、電圧とは2点間における電位差のことをいい、電位とはある一点における静電場の中にある単位電荷が持つ静電エネルギー(電気的な位置エネルギー)のことをいう。ただし、一般的に、ある一点における電位と基準となる電位(例えば接地電位)との電位差のことを、単に電位もしくは電圧と呼び、電位と電圧が同義語として用いられることが多い。このため、本明細書では特に指定する場合を除き、電位を電圧と読み替えてもよいし、電圧を電位と読み替えてもよいこととする。
(実施の形態1)
本実施の形態では、新規な誤り訂正回路を備えた多値メモリについて、図1乃至図5を用いて説明する。
図1(A)は、新規な誤り訂正回路を備えた多値メモリを有する記憶装置1000のブロック図を示している。図1(A)のブロック図では、複数のメモリ層を有している。図1(A)で示したメモリ層は、複数のメモリセルを有し、それぞれのメモリ層は異なる半導体層を有している。また、回路層は、メモリへのデータの書き込みと、メモリからのデータの読み出しをする回路と、を含み、メモリ層とは異なる半導体層を有している。
図1(A)は、第1のメモリ層、第2のメモリ層、及び第3のメモリ層の3層で構成した例を示しているが、メモリ層は2層以上で構成することが望ましい。もしくは、メモリ層を第1のメモリ層で構成してもよい。第1のメモリ層のみで構成した例は、図4で詳細な説明をする。
また、図1(A)とは異なる構成として、回路層と、第1のメモリ層とが、同じ半導体層で構成されていてもよい。したがって、回路層と、第1のメモリ層が同じ半導体層で構成され、その上に第2のメモリ層が設けられ、さらにその上に第3のメモリ層が構成されていてもよい。
回路層は、シリコンを半導体層に用いたトランジスタを有し、メモリ層は、金属酸化物を半導体層に用いることが好ましい。金属酸化物は、スパッタリング法にて成膜することができるため、回路層の上にメモリ層を設けることが容易である。金属酸化物を半導体層に用いたトランジスタは、低いオフ電流を実現できることが知られており、メモリ層に用いるには好適である。金属酸化物を半導体層に有するトランジスタについては、実施の形態2にてさらに詳細な説明をする。
図1(A)の詳細な説明の前に、図1(B)を用いてメモリセル10を説明する。メモリセル10は、複数のメモリセルによって構成されている。図1(A)及び図1(B)で示した例では、メモリセル10は、メモリセル10a、メモリセル10b、及びメモリセル10cの3つメモリセルで構成されている。
一例として、メモリセル10aについて説明する。メモリセル10aは、トランジスタ11aと、トランジスタ12aと、容量素子13aと、を有している。またメモリセル10aは、ワード線WLと、ビット線BLと、センス線SLと、容量線WLCと、が電気的に接続されている。
トランジスタ11aのソースもしくはドレインの一方は、ビット線BLに電気的に接続されている。トランジスタ11aのソースもしくはドレインの他方は、トランジスタ12aのゲートと、容量素子13aの電極の1方と、に、電気的に接続されている。トランジスタ12aのソースもしくはドレインの一方は、ビット線BLに電気的に接続されている。トランジスタ12aのソースもしくはドレインの他方は、センス線SLと電気的に接続されている。容量素子13aの電極の他方は、容量線WLCと電気的に接続されている。
メモリセル10aは、トランジスタ11aのソースもしくはドレインの他方と、トランジスタ12aのゲートと、容量素子13aの電極の1方と、が電気的に接続されたフローティングノードFD3aを有している。トランジスタ11aもしくはトランジスタ12a、又はトランジスタ11a及びトランジスタ12aは、金属酸化物を半導体層に用いたトランジスタを用いることで、オフ電流を小さくすることができる。したがって、フローティングノードFD3aに書き込まれたデータは、記憶装置1000の電源がオフになっても、データを保持することができる。
メモリセル10a、メモリセル10b、及びメモリセル10cは、ワード線WL[m]と、ビット線BL[n]と、センス線SL[n]と、容量線WLCと、が電気的に接続されている。したがって、メモリセル10にデータを書くときは、メモリセル10a、メモリセル10b、及びメモリセル10cに同じデータが書き込むことができる。また、メモリセル10からデータを読み出すときは、メモリセル10a、メモリセル10b、及びメモリセル10cのいずれのメモリセルからデータを読んでも同じデータを得ることができる。
したがって、トランジスタ11は、メモリセル10への書き込み用トランジスタとしての機能を有し、トランジスタ12は読み出し用のトランジスタとしての機能を有している。
図1(A)に説明を戻す。図1(A)で示した記憶装置1000は、図1(B)で説明したメモリセル10と、センス回路21aと、デジタルアナログ変換回路25と、アナログデジタル変換回路26と、インバータ14と、スイッチ15と、を有している。
デジタルアナログ変換回路25は、メモリセル10aと、メモリセル10bと、メモリセル10cと、ビット線BL[n]を介して電気的に接続されている。
まず、センス回路21aの入力について説明をする。センス回路21aは、センス線SLa[n]を介してメモリセル10aと電気的に接続されている。センス回路21aは、センス線SLb[n]を介してメモリセル10bと電気的に接続されている。センス回路21aは、センス線SLc[n]を介してメモリセル10cと電気的に接続されている。
センス線SL[n]は、スイッチ15を介してセンス線SLa[n]と、センス線SLb[n]と、センス線SLc[n]とに電気的に接続されている。スイッチ15は、センス線SL[n]に与えられた信号がインバータ14により反転された信号によって、スイッチのオン又はオフを制御することができる。したがって、メモリセル10にデータを書くときは、スイッチ15はオンにすることができ、センス回路21aがメモリセル10のデータを読むときは、スイッチ15はオフにすることができる。
さらに、メモリセル10のデータを読むときは、スイッチ15がオフになることで、センス線SLa[n]と、センス線SLb[n]と、センス線SLc[n]と、はフローティングノードになり、メモリセル10が有する読み出し用トランジスタ12による電圧変換素子23の駆動負荷を小さくすることができる。駆動のタイミングについては、図2のタイミングチャートを用いて詳細な説明をする。
センス線SLa[n]は、センス回路21aが有するトランジスタ22aのゲートに、電圧変換素子23aを介して電気的に接続される。また、センス線SLb[n]は、トランジスタ22bのゲートに電圧変換素子23bを介して電気的に接続される。また、センス線SLc[n]は、トランジスタ22cのゲートに、電圧変換素子23cを介して電気的に接続される。
図1(A)は、一例として電圧変換素子23aとして容量素子が用いられた例を示している。容量素子を用いることで、容量素子の電極の一方と、トランジスタ22aのゲートを電気的に接続するノードがフローティングノードFD2になり、ブートストラップ回路を構成することができる。したがって、電圧変換素子23aは、容量素子の大きさを適宜選択することで、効率よく電流値から電圧値へ変換することができる。
よって、読み出し用トランジスタ12aからセンス線SLa[n]に与えられる電流が小さいときでも、その電流に応じた容量の容量素子を充電することでフローティングノードFD2の電圧を制御することができる。トランジスタ22aのゲート容量が、電圧変換素子23aの容量より大きくても、フローティングノードFD2を制御することで、トランジスタ22aのゲートの電圧を制御することができ、トランジスタ22aのドレイン電流を制御することができる。
ただし、電圧変換素子23aは、必ずしも設けなくてもよい。トランジスタ22aのゲート容量を直接充電することで、トランジスタ22aが流すことのできるドレイン電流の大きさを制御してもよい。
次に、センス回路21aの出力について説明をする。センス回路21aが有するフローティングノードFD1は、アナログデジタル変換回路26に電気的に接続されている。またフローティングノードFD1は、トランジスタ22aのソースもしくはドレインの一方に電気的に接続されている。またフローティングノードFD1は、トランジスタ22bのソースもしくはドレインの一方に電気的に接続されている。またフローティングノードFD1は、トランジスタ22cのソースもしくはドレインの一方に電気的に接続されている。トランジスタ22a、トランジスタ22b、及びトランジスタ22cのソースもしくはドレインの他方は、電源線27に電気的に接続されている。
さらに、フローティングノードFD1は、トランジスタ22gのソースもしくはドレインの一方と電気的に接続されている。また、電圧変換素子24の電極の一方と電気的に接続されている。トランジスタ22gのソースもしくはドレインの他方と、電圧変換素子24の電極の他方とは、電源線28と電気的に接続されている。
図1(A)は、電圧変換素子24が、容量素子で構成された例を示している。電圧変換素子24は、トランジスタ22a、トランジスタ22b、及びトランジスタ22cによって与えられるドレイン電流から、メモリセル10に書き込まれたデータを、電圧として得ることができる。ただし、アナログデジタル変換回路では、メモリセル10が有する、並列に処理されるメモリセルの数に応じて適宜判定条件を調整することが好ましい。
また、トランジスタ22gは、フローティングノードFD1の電圧値を、電源線28に与えられた電圧値にすることができる。したがって、フローティングノードFD1に与えられた電圧値をリセットする機能を有している。
上記構成により、メモリセル10において、中性子線又はα線の影響等によって、メモリセルでソフトエラーが発生したときでも、読み出すメモリセルのデータは、ソフトエラーが発生していないメモリセルのデータで補完することができる。
ビット線BLの電位は時々刻々と変動するが、図1(A)に示す記憶装置1000では、ホールド期間(後述する)は、そうでない期間よりも圧倒的に長い。中性子線又はα線の影響等によるソフトエラーは、記憶装置1000の動作とは無関係に発生するので、ほとんど、ホールド期間で発生すると考えてよい。ソフトエラーが発生すると、トランジスタ11を介して、ビット線BLとフローティングノードFD3とが導通し、フローティングノードFD3の電圧は、ビット線BLの電圧と等しくなる(あるいは、ビット線BLの電圧に近くなる)。
記憶装置1000では、ホールド期間に、ビット線BLに“L”が与えられる。メモリセル10a乃至10cに“H”(>“L”)のデータが保持されており、かつ、メモリセル10bに中性子線又はα線の影響等でトランジスタ11bを介して、ビット線BLとフローティングノードFD3bとが導通した(すなわち、ソフトエラーが発生した)とすると、メモリセル10bのデータは“H”から“L“(あるいは、“H”と“L“の間の値)に変化する。
一方、メモリセル10a乃至10cに“L”のデータが保持されており、かつ、メモリセル10bに中性子線又はα線の影響等でトランジスタ11bを介して、ビット線BLとフローティングノードFD3bとが導通したとしても、メモリセル10bのデータは“L”のままである。
つまり、ソフトエラーでデータが変動したとしても、“H”から“L“(あるいは、“H”と“L“の間の値)に変化することがほとんどであり、“L”から“H“(あるいは、“H”と“L“の間の値)に変化することは考慮しなくてもよい。
すなわち、当初、同じデータを書き込まれた複数のメモリセルのうちの一で、中性子線又はα線の影響等でトランジスタ11を介して、ビット線BLとフローティングノードFD3とが導通し、かつ、それがどのメモリセルであるか不明であるとしても、データの変動は、“H”が書き込まれたメモリセルでのみ起こりえ、しかも、“H”から“L“(あるいは、“H”と“L“の間の値)のみである。一方、その他は書き込まれたデータ(すなわち、“H”が書き込まれていれば“H”、“L”が書き込まれていれば“L”)のままである。ゆえに、これら複数のメモリセルのデータの最大のもの(すなわち、“H”が書き込まれていれば“H”、“L”が書き込まれていれば“L”)が真のデータであると判断できる。
メモリセルに多値のデータ電圧を書き込む方式でも同様で、例えば、複数のメモリセルに同じ多値のデータ電圧VDを書き込み、そのうち一のデータが変動したとし、かつ、それがどのメモリセルであるか不明であるとしても、データの変動は書き込まれた多値のデータ電圧VDから“0“(あるいは、書き込まれた多値のデータ電圧VDと“0“の間の値)のみであり、一方、その他は書き込まれた多値のデータ電圧VDのままである。ゆえに、これら複数のメモリセルのデータの最大のもの(すなわち、書き込まれた多値のデータ電圧VD)が真のデータであると判断できる。
以上の例では、ホールド期間にビット線BLに”L”が与えられる場合であるが、ホールド期間にビット線BLに”H”が与えられる場合でも、同様に考えることができる。ただし、この場合は、ソフトエラーが発生すると、そのメモリセルのデータは本来あるべきデータからビット線BLの電圧に近くなるので、上記とは逆のことが起こる。
すなわち、この場合は、“L”から“H“(あるいは、“H”と“L“の間の値)に変化することがほとんどであり、“H”から“L“(あるいは、“H”と“L“の間の値)に変化することは考慮しなくてもよい。したがって、ホールド期間にビット線BLが”H“に保持される場合には、複数のメモリセルのデータの最小のものが真のデータであると判断できる。
いずれの場合も、メモリセル10aと、メモリセル10cの保持データにより、メモリセル10bに対してソフトエラーによるデータの破壊があったとしても、正しいデータを読み出すことができる。したがって、誤り訂正回路(ECC回路)を設けるよりも、簡便に破損データを修復することができる。
さらに、第1のメモリ層の上に第2のメモリ層を設けることができるため、複数の誤り訂正用メモリセルを用いても、回路面積が大きくならない。したがって高密度、高容量なメモリを有する記憶装置1000を実現することができる。
図2は、図1(A)で示したブロック図のタイミングチャートを一例として示す。メモリセル10(m、n)を制御するタイミングについて説明をする。T0−T1の期間は初期状態を示している。また、m及びnは、1以上の整数である。
T1−T2の期間は、メモリセル10(m、n)へデータの書き込み期間を示している。メモリセル10(m、n)へデータを書き込むために、ワード線WL[m]に与えられる信号が“L”から“H”に変化させる。また、ビット線BL[n]に与えられる信号が“L”から“H”に変化させる。また、センス線SL[n]に与えられる信号が“L”から“H”に変化させる。
ワード線WL[m]と、センス線SL[n]と、に高い電圧VHが与えられる。ビット線BL[n]には、データ電圧VDHが与えられる。図2では、データ電圧VDが与えられた例を示している。フローティングノードFD3にもデータ電圧VDが与えられている。もしくは、ビット線BL[n]には、多値のデータ電圧VDを与えてもよい。多値のデータ電圧VDを与えることで、メモリセル10(m、n)は多値メモリとして機能することができる。
データ電圧VDから読み出し用トランジスタ12の閾値電圧低いデータ電圧VD1がセンス線SL[n]に与えられる。フローティングノードFD2は、センス線SL[n]に与えられたデータ電圧VD1が、電圧変換素子23を介して与えられている
センス線SL[n]に与えられる信号を“H”にすることで、読み出し用トランジスタ12のソース及びドレインを同じ電位にさせることができる。よって、フローティングノードFD3に、容量素子13と、トランジスタ12のゲート容量で合成容量を形成することができる。データを保持する容量素子は大きいことが好ましい。フローティングノードFD3a乃至FD3cには、デジタルアナログ変換回路25から、ビット線BL[n]を介してデータが書き込むことができる。
T2−T3の期間は、メモリセル10(m、n)にはアクセスされずデータが保持されているホールド期間を示す。ワード線WL[m]、ビット線BL[n]、センス線SL[n]に与えられる信号は、“L”に変化させる。この期間にメモリセル10b(m、n)のフローティングノードFD3bが中性子線又はα線の影響等でソフトエラーが発生したとして説明を続ける。フローティングノードFD3bに保持されているデータ電圧VDは、ソフトエラーによりデータの破壊が発生しデータ電圧VD2に変化した例を示している。
メモリセル10(m、n)が中性子線又はα線の影響等を受けるとき、フローティングノードFD3に保持された電荷がトランジスタ11を介してリークすることで、フローティングノードFD3の電圧値が低下し、データが破壊される。
T3−T4の期間は、センス回路によりデータを読み出す期間を示す。ビット線BL[n]に与えられる信号が“L”から“H”に変化させる。センス線SLは“L”を保持させることで、スイッチ15が閉じることにより、センス線SLa[n]及びSLc[n]をフローティングにさせることができる。
したがって、トランジスタ12のゲートに与えられたフローティングノードFD3の電圧値により、トランジスタ12のソースもしくはドレインの他方に接続されたセンス線SL[n]にドレイン電流が与えられ、電圧変換素子23により電圧値に変換され、フローティングノードFD2にはデータ電圧VD1が与えられる。
センス線SLa[n]乃至SLc[n]に与えられたそれぞれの電圧値によって、トランジスタ22a乃至トランジスタ22cのそれぞれのドレイン電流を、フローティングノードFD1に与えることができる。例えば、センス線SLa[n]及びSLc[n]には、データ電圧VD1が与えられる。しかし、センス線SLb[n]には、ソフトエラーが発生し、データ電圧VD1からデータ電圧VD2に変化している。したがってデータ電圧VD2から読み出し用トランジスタ12bの閾値電圧低いデータ電圧VD3が与えられる。
トランジスタ22a乃至トランジスタ22cにより与えられたドレイン電流は、電圧変換素子24により電圧値に変換され、アナログデジタル変換回路26に与えられる。アナログデジタル変換回路26は、フローティングノードFD1に与えられた電圧値を、必要に応じたビット幅のデジタル信号に変換し出力する機能を有している。
T4−T5の期間はフローティングノードFD1をリセットすることができる。トランジスタ22gのゲートに、任意のタイミングでリセット信号RSTを与えることができる。トランジスタ22gのゲートに“H”の信号を与えることで、電圧変換素子24に保持された電荷を解放することができる。ただし、フローティングノードFD1をリセットされても、メモリセル10(m、n)のデータは保持されている。
T5−T6の期間は、2回目のメモリセル10(m、n)へデータの書き込みのタイミングを示している。ソフトエラーが発生したメモリセル10b(m、n)のフローティングノードFD3bのデータは、新しいデータで更新することができる。
したがって、メモリセル10(m、n)が、複数のメモリセルを並列処理することで、新規の誤り訂正回路を追加することなく、ソフトエラーなどによりデータが破壊されても、正しいデータを読み出すことができる。さらに、新しいデータにて更新することができる。また、ソフトエラーが発生したメモリセルに対して正しいデータで更新することもできる。
図3は、図1(A)とは異なるセンス回路21bの例を示す。図1(A)と異なる点は、図1(A)で示したフローティングノードFD2に、リセット用のトランジスタ22d、トランジスタ22e、及びトランジスタ22fを介して電源線28と電気的に接続されている。
したがって、フローティングノードFD2に、予期せぬ電荷が残ってしまっていても、リセットのタイミングで解放することができる。さらに、センス線SLa[n]及びSLc[n]と、フローティングノードFD2と、を同じ電位にすることで、読み出し用トランジスタ12の出力を正確にセンス回路21bに与えることができる。
図4は、図1(A)とは異なる配置のメモリセル10及びセンス回路21cの例を示す。図1(A)と異なる点は、図4の記憶装置1000aは、メモリ層が1層で構成されている点である。メモリセル10では、同じ絶縁膜の上に配置された半導体層にトランジスタが設けられている。
図4のセンス回路21cは、センス線SLa[n]乃至SLc[n]と、トランジスタ22a乃至22cのそれぞれのゲートと、が、電気的に接続されている。図1(A)で示した電圧変換素子23を設けないことで、図1(A)で示したセンス回路21aよりも、さらに高密度な配置にすることができる。
センス回路21cは、電圧変換素子29に抵抗素子を用いた例を示している。抵抗素子に、トランジスタ22a乃至トランジスタ22cのドレイン電流を流すことで、ノードND1に電圧値を生成する。電圧変換素子24は、複数の電圧値を生成できるようにプログラムできる可変抵抗素子を用いてもよい。
また、図4では、ノードND1には、リセット信号を設けなくてもよい。必要であれば、アナログデジタル変換回路にリセット信号を与えることで、任意のタイミングでアナログデジタル変換回路の出力をリセットすることができる。
したがって、センス回路21cは、トランジスタ、電圧変換素子、リセット信号などを減らすことで、図1(A)で示したセンス回路21aよりも、さらに高密度な配置にすることができる。
図5は、上記で説明した記憶装置1000を有した電子機器の一例として、表示装置を備えた電子機器510と、サーバシステム520と、を示す。電子機器510と、サーバシステム520は、ネットワーク530に接続されている。サーバシステム520は、電子機器510で実行されるアプリケーションプログラムに対して情報を提供することができる。
電子機器510は、プロセッサ511と、記憶装置512と、通信モジュール513と、入力装置514と、出力装置515と、タッチセンサモジュール516と、表示モジュール517と、記憶装置518とを有している。
表示モジュール517は、ディスプレイコントローラ517aと、フレームメモリ517bと、ディスプレイ517cを有している。ディスプレイ517cは、反射型の表示素子を有した表示部517dと、発光型の表示素子を有した表示部517eとを有している。図5では、ディスプレイ517cが、二つの表示部を有した例を示したが、いずれか一の表示部を有していればよい。また、透過型の表示素子を有した表示部を有していてもよい。
入力装置514は、センサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速、度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、ジョイスティック、キーボード、ハードウェアボタン、ポインティングデバイス、撮像装置、音声入力装置、視点入力装置、姿勢検出装置などがある。
出力装置515は、外部記憶装置、外付け表示装置などがある。
記憶装置512は、プログラム及びデータが保持されている。プログラムは、プロセッサを介して記憶装置512と、通信モジュール513と、入力装置514と、出力装置515と、タッチセンサモジュール516と、表示モジュール517と、記憶装置518を使用することができる。記憶装置512及び記憶装置518は、電子機器510の電源が切られても、データが保持することができる。
再度、電子機器510の電源が起動されたときに、プログラムの起動時間を早くすることができる。よって、記憶装置512のメモリセルのデータがソフトエラーによって破壊されても、本実施の形態の記憶装置を用いることで、プログラムは修復されたデータを用いて起動処理を行うことができる。
プログラムが、プロセッサを介して、計算処理、周辺機器の制御、又は表示装置において表示の更新などを行うときに、記憶装置512のメモリセルのデータがソフトエラーによって破壊されると誤動作になることがある。本実施の形態の記憶装置を用いることで、プログラムは修復されたデータを用いて誤動作の発生を抑制することができる。
また、表示モジュール517が有するフレームメモリ517bに用いてもよい。フレームメモリ517bに用いることで、メモリセルのデータがソフトエラーによって破壊されても、修復されたデータを用いて表示をすることができる。
記憶装置512及び記憶装置518のメモリセルのデータがソフトエラーにより破壊されると、医療機器、原子力施設、航空機、宇宙ステーションなどで使用される電子機器510は誤動作を起こし、表示装置は正しく情報を表示することができない。したがって、電子機器510が有するメモリセルでソフトエラーが発生すると、誤動作を起こし重大な事故につながることがある。本実施の形態の記憶装置を用いることで、プログラムは修復されたデータを用いて誤動作の発生を抑制することができる。
また記憶装置518は、セキュリティー性の高い個体識別番号やパスワードなどのデータを保持しておくことが好ましい。プログラムが使用する記憶領域は、アクセス回数が多く劣化することが知られている。そのため、セキュリティー性の高いデータを保持するため、記憶装置518を用いることが好ましい。
ただし、セキュリティー性の高いデータはアクセス回数が少ないため、ソフトエラーが発生していても気づきにくい。したがって、本実施の形態の記憶装置を用いることで、プログラムは修復されたセキュリティー性の高いデータ提供することができ、正しく認証処理等をすることができる。
次に、サーバシステム520について説明する。サーバシステム520は、プロセッサ521と、記憶装置522と、通信モジュール523と、記憶装置ユニット524とを有している。記憶装置522にはサーバ制御用のプログラムが保持されている。サーバ制御用のプログラムは、プロセッサを用いて、複数の記憶装置ユニット524を制御することができる。
記憶装置ユニット524は、複数の記憶装置1000をモジュール化し一つのユニットを構成している。記憶装置ユニット524は、図5では記載していないが、プロセッサを有することが好ましい。記憶装置ユニット524が有するプロセッサは、複数の記憶装置モジュールを制御することができる。したがって、記憶装置ユニット524は、大規模なデータを保持及び処理することができる。サーバシステム520は、複数の記憶装置ユニット524a乃至524nを有することができる。nは2以上の整数である。
大規模なサーバシステムでは、複数の記憶装置ユニット524を有しているため、使用するメモリセルの数も多くなる。よって、ソフトエラーが発生する確率も上昇する。本実施の形態の記憶装置を用いることで、サーバシステムのプログラムは、修復されたデータを用いて誤動作の発生を抑制することができる。
図5に示す電子機器510における、記憶装置512、記憶装置518、フレームメモリ517b、及びサーバシステム520における、記憶装置522、記憶装置ユニット524a乃至524nは、本実施の形態で説明した記憶装置に、それぞれ、対応する。
以上、本実施の形態で示す構成、方法は、他の実施の形態で示す構成、方法と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、SiトランジスタとOSトランジスタとで構成される半導体装置について説明する。ここでは、実施の形態1の記憶装置1000を例に、このような半導体装置の構造について説明する。
<<メモリセルの積層構造>>
図6を参照して、記憶装置1000の構造について説明する。図6には、代表的にメモリセル10の断面構造を示している。記憶装置1000は、単結晶シリコンウエハ5500と、層LX1―層LX6の積層を有する。さらに、層LX6上に、層OX1−層OX9の積層を有する。層LX1−層LX6、さらに、層OX1−層OX9には、配線、電極、プラグ等が設けられている。
層LX1には、トランジスタ22等のセンス回路などを構成するSiトランジスタが設けられている。Siトランジスタのチャネル形成領域は単結晶シリコンウエハ5500に設けられている。
層LX5には、電圧変換素子23a乃至23cが設けられている。電圧変換素子23a乃至23cを層LX5よりも下層に設けることが可能である。図1(A)で示した電圧変換素子は、容量素子を用いている。層OX2に設けられるOSトランジスタの構造は、後述するOSトランジスタ5001(図7A参照)と同様である。異なるOSトランジスタの構造は後述するOSトランジスタ5002(図7B参照)に示している。
層OX2には、トランジスタ11a及びトランジスタ12aのOSトランジスタが設けられている。OSトランジスタのバックゲート電極は層OX1に設けられている。
層OX3には、容量素子13aが設けられている。
層OX5には、トランジスタ11b及びトランジスタ12bのOSトランジスタが設けられている。OSトランジスタのバックゲート電極は層OX4に設けられている。
層OX6には、容量素子13bが設けられている。
層OX8には、トランジスタ11c及びトランジスタ12cのOSトランジスタが設けられている。OSトランジスタのバックゲート電極は層OX7に設けられている。
層OX9には、容量素子13cが設けられている。
したがって、層OX2、層OX5、層OX8は異なる半導体層でトランジスタが形成されている。半導体層に用いる金属酸化物の組成を変えることで、中性子線又はα線に対してそれぞれのトランジスタが異なる耐性を有していてもよい。
なお、図6は記憶装置1000の積層構造例を説明するための断面図であり、記憶装置1000を特定の切断線で切った断面図ではない。次に、図7(A)、図7(B)、乃び図8を参照して、OSトランジスタの構成例を説明する。
<<OSトランジスタの構成例1>>
図7(A)にOSトランジスタの構成例を示す。図7(A)に示すOSトランジスタ5001は、金属酸化物トランジスタである。図7(A)の左側の図は、OSトランジスタ5001のチャネル長方向の断面図であり、右側の図は、OSトランジスタ5001のチャネル幅方向の断面構造を示す図である。
OSトランジスタ5001は絶縁表面に形成される。ここでは、絶縁層5021上に形成されている。OSトランジスタ5001は、絶縁層5028、5029で覆われている。OSトランジスタ5001は、絶縁層5022−5027、5030―5032、金属酸化物層5011−5013、導電層5050−5054を有する。
なお、図中の絶縁層、金属酸化物層、導電層等は、単層でも積層でもよい。これらの作製には、スパッタリング法、分子線エピタキシー法(MBE法)、パルスレーザアブレーション法(PLA法)、CVD法、原子層堆積法(ALD法)などの各種の成膜方法を用いることができる。なお、CVD法には、プラズマCVD法、熱CVD法、有機金属CVD法などがある。
金属酸化物層5011−5013をまとめて酸化物層5010と呼ぶ。図7(A)に示すように、酸化物層5010は金属酸化物層5011、金属酸化物層5012、金属酸化物層5013の順に積層している部分を有する。OSトランジスタ5001がオン状態のとき、チャネルは酸化物層5010の金属酸化物層5012に主に形成される。
OSトランジスタ5001のゲート電極は導電層5050で構成され、ソース電極又はドレイン電極として機能する一対の電極は、導電層5051、5052で構成される。導電層5050−5052はそれぞれバリア層として機能する絶縁層5030−5032に覆われている。バックゲート電極は導電層5053と導電層5054との積層で構成される。OSトランジスタ5001はバックゲート電極を有さない構造としてもよい。後述するOSトランジスタ5002も同様である。
ゲート(フロントゲート)側のゲート絶縁層は絶縁層5027で構成され、バックゲート側のゲート絶縁層は、絶縁層5024−5026の積層で構成される。絶縁層5028は層間絶縁層である。絶縁層5029はバリア層である。
金属酸化物層5013は、金属酸化物層5011、5012、導電層5051、5052でなる積層体を覆っている。絶縁層5027は金属酸化物層5013を覆っている。導電層5051、5052はそれぞれ、金属酸化物層5013、絶縁層5027を介して、導電層5050と重なる領域を有する。
導電層5050―5054に用いられる導電材料には、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコンに代表される半導体、ニッケルシリサイド等のシリサイド、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、クロム、ネオジム、スカンジウム等の金属、又は上述した金属を成分とする金属窒化物(窒化タンタル、窒化チタン、窒化モリブデン、窒化タングステン)等がある。また、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの導電性材料を用いることができる。
例えば、導電層5050は、窒化タンタル、又はタングステン単層である。あるいは、導電層5050が2層構造、及び3層構造の場合、次のような組み合わせがある。先に記載した導電体が絶縁層5027側の層を構成する。(アルミニウム、チタン)、(窒化チタン、チタン)、(窒化チタン、タングステン)、(窒化タンタル、タングステン)、(窒化タングステン、タングステン)、(チタン、アルミニウム、チタン)、(窒化チタン、アルミニウム、チタン)、(窒化チタン、アルミニウム、窒化チタン)。
導電層5051と導電層5052は同じ層構造をもつ。例えば、導電層5051が単層である場合、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、又はタングステンなどの金属、又はこれを主成分とする合金構成すればよい。導電層5051が2層構造、及び3層構造の場合、次のような組み合わせがある。先に記載した導電体が絶縁層5027側の層を構成する。(チタン、アルミニウム)、(タングステン、アルミニウム)、(タングステン、銅)、(銅−マグネシウム−アルミニウム合金、銅)、(チタン、銅)、(チタン又は窒化チタン、アルミニウム又は銅、チタン又は窒化チタン)、(モリブデン又は窒化モリブデン、アルミニウム又は銅、モリブデン又は窒化モリブデン)。
例えば、導電層5053は、水素に対するバリア性を有する導電層(例えば、窒化タンタル層)とし、導電層5054は、導電層5053よりも導電率の高い導電層(例えばタングステン)とすることが好ましい。このような構造であることで、導電層5053と導電層5054の積層は配線としての機能と、酸化物層5010への水素の拡散を抑制する機能とをもつ。
絶縁層5021−5032に用いられる絶縁材料には、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化シリコン、酸化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、アルミニウムシリケートなどがある。絶縁層5021−5032はこれらの絶縁材料でなる単層、又は積層して構成される。絶縁層5021−5032を構成する層は、複数の絶縁材料を含んでいてもよい。
なお、本明細書等において、酸化窒化物とは、酸素の含有量が窒素よりも多い化合物であり、窒化酸化物とは、窒素の含有量が酸素よりも多い化合物のことをいう。
OSトランジスタ5001において、酸素及び水素に対してバリア性をもつ絶縁層(以下、バリア層)によって酸化物層5010が包み込まれる構造であることが好ましい。このような構造であることで、酸化物層5010から酸素が放出されること、酸化物層5010への水素の侵入を抑えることができるので、OSトランジスタ5001の信頼性、電気特性を向上できる。
例えば、絶縁層5029をバリア層として機能させ、かつ絶縁層5021、5022、5024の少なくとも1つをバリア層と機能させればよい。バリア層は、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化窒化ガリウム、酸化イットリウム、酸化窒化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム、窒化シリコンなどの材料で形成することができる。酸化物層5010と導電層5050の間に、バリア層をさらに設けてもよい。もしくは、金属酸化物層5013として、酸素及び水素に対してバリア性をもつ金属酸化物層を設けてもよい。
絶縁層5030は、導電層5050の酸化を防ぐバリア層であることが好ましい。絶縁層5030が酸素に対してバリア性を有することで、絶縁層5028等から離脱した酸素による導電層5050の酸化を抑制することができる。例えば、絶縁層5030には、酸化アルミニウムなどの金属酸化物を用いることができる。
絶縁層5021−5032の構成例を記す。この例では、絶縁層5021、5022、5025、5029、5030―5032は、それぞれ、バリア層として機能する。絶縁層5026―5028は過剰酸素を含む酸化物層である。絶縁層5021は窒化シリコンであり、絶縁層5022は酸化アルミニウムであり、絶縁層5023は酸化窒化シリコンである。バックゲート側のゲート絶縁層(5024−5026)は、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化シリコンの積層である。フロントゲート側のゲート絶縁層(5027)は、酸化窒化シリコンである。層間絶縁層(5028)は、酸化シリコンである。絶縁層5029、5030―5032は酸化アルミニウムである。
図7(A)は、酸化物層5010が3層構造の例であるが、これに限定されない。酸化物層5010は、例えば、金属酸化物層5011又は金属酸化物層5013のない2層構造とすることができるし、金属酸化物層5011―5013の何れか1層だけで構成してもよい。又は、酸化物層5010を4層以上の金属酸化物層で構成してもよい。
<<OSトランジスタの構成例2>>
図7(B)にOSトランジスタの構成例を示す。図7(B)に示すOSトランジスタ5002は、OSトランジスタ5001の変形例である。図7(B)の左側にはOSトランジスタ5002のチャネル長方向の断面図を、右側にはチャネル幅方向の断面図を示す。
OSトランジスタ5002では、金属酸化物層5011、5012とでなる積層の上面及び側面が、金属酸化物層5013と絶縁層5027とでなる積層によって覆われている。そのため、OSトランジスタ5002においては、絶縁層5031、5032は必ずしも設けなくてもよい。
<<OSトランジスタの構成例3>>
図8にOSトランジスタの構成例を示す。図8に示すOSトランジスタ5003は、OSトランジスタ5001の変形例であり、主に、ゲート電極の構造が異なる。図8の左側にはOSトランジスタ5003のチャネル長方向の断面図を、右側にはチャネル幅方向の断面図を示す。
絶縁層5028に形成された開口部には、金属酸化物層5013、絶縁層5027、導電層5050が設けられている。つまり、絶縁層5028の開口部を利用して、ゲート電極が自己整合的に形成されている。よって、OSトランジスタ5002では、ゲート電極(5050)は、ゲート絶縁層(5017)を介してソース電極及びドレイン電極(5051、5052)と重なる領域を有していない。そのためゲートーソース間の寄生容量、ゲートードレイン間の寄生容量が低減でき、周波特性を向上できる。また、絶縁層5028の開口によってゲート電極幅を制御できるため、チャネル長の短いOSトランジスタの作製が容易である。
<<OSトランジスタの構成例4>>
図23にOSトランジスタの構成例を示す。図23で示すトランジスタについては、実施の形態5にて詳細な説明をする。
OSトランジスタのチャネル形成領域は、CAC−OS(cloud−aligned composite oxide semiconductor)であることが好ましい。
CAC−OSとは、材料の一部では導電性の機能と、材料の一部では絶縁性の機能とを有し、材料の全体では半導体としての機能を有する。なお、CAC−OS又はCAC−metal oxideを、トランジスタの活性層に用いる場合、導電性の機能は、キャリアとなる電子(またはホール)を流す機能であり、絶縁性の機能は、キャリアとなる電子を流さない機能である。導電性の機能と、絶縁性の機能とを、それぞれ相補的に作用させることで、スイッチングさせる機能(オン/オフさせる機能)をCAC−OSに付与することができる。CAC−OSにおいて、それぞれの機能を分離させることで、双方の機能を最大限に高めることができる。
CAC−OSは、導電性領域、及び絶縁性領域を有する。導電性領域は、上述の導電性の機能を有し、絶縁性領域は、上述の絶縁性の機能を有する。また、材料中において、導電性領域と、絶縁性領域とは、ナノ粒子レベルで分離している場合がある。また、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ材料中に偏在する場合がある。また、導電性領域は、周辺がぼけてクラウド状に連結して観察される場合がある。
また、CAC−OSにおいて、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ0.5nm以上10nm以下、好ましくは0.5nm以上3nm以下のサイズで材料中に分散している場合がある。
また、CAC−OSは異なるバンドギャップを有する成分により構成される。例えば、CAC−OSは、絶縁性領域に起因するワイドギャップを有する成分と、導電性領域に起因するナローギャップを有する成分と、により構成される。当該構成の場合、キャリアを流す際に、ナローギャップを有する成分において、主にキャリアが流れる。また、ナローギャップを有する成分が、ワイドギャップを有する成分に相補的に作用し、ナローギャップを有する成分に連動してワイドギャップを有する成分にもキャリアが流れる。このため、上記CAC−OSをトランジスタのチャネル形成領域に用いることで、OSトランジスタに高い電流駆動力、及び高い電界効果移動度を与えることができる。
また、結晶性によって金属酸化物半導体を分類すると、単結晶金属酸化物半導体と、それ以外の非単結晶金属酸化物半導体とに分けられる。非単結晶金属酸化物半導体としては、CAAC−OS(c−axis−aligned crystalline oxide semiconductor)、多結晶金属酸化物半導体、nc−OS(nanocrystalline oxide semiconductor)、擬似非晶質金属酸化物半導体(a−like OS:amorphous−like oxide semiconductor)などがある。
また、OSトランジスタのチャネル形成領域は、CAAC−OS、nc−OSなどの結晶部を有する金属酸化物で構成されることが好ましい。
CAAC−OSは、c軸配向性を有し、かつa−b面方向において複数のナノ結晶が連結し、歪みを有した結晶構造となっている。なお、歪みとは、複数のナノ結晶が連結する領域において、格子配列の揃った領域と、別の格子配列の揃った領域と、の間で格子配列の向きが変化している箇所を指す。
ナノ結晶は、六角形を基本とするが、正六角形状とは限らず、非正六角形状である場合がある。また、歪みにおいて、五角形、及び七角形などの格子配列を有する場合がある。なお、CAAC−OSにおいて、歪み近傍においても、明確な結晶粒界(グレインバウンダリーともいう)を確認することはできない。即ち、格子配列の歪みによって、結晶粒界の形成が抑制されていることがわかる。これは、CAAC−OSが、a−b面方向において酸素原子の配列が稠密でないことや、金属元素が置換することで原子間の結合距離が変化することなどによって、歪みを許容することができるためと考えられる。
CAAC−OSは、インジウム、及び酸素を有する層(以下、In層)と、元素M、亜鉛、及び酸素を有する層(以下、(M,Zn)層)とが積層した、層状の結晶構造(層状構造ともいう)を有する傾向がある。なお、インジウムと元素Mは、互いに置換可能であり、(M,Zn)層の元素Mがインジウムと置換した場合、(In,M,Zn)層と表すこともできる。また、In層のインジウムが元素Mと置換した場合、(In,M)層と表すこともできる。
nc−OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc−OSは、異なるナノ結晶間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。したがって、nc−OSは、分析方法によっては、a−like OSや非晶質酸化物半導体と区別が付かない場合がある。
a−like OSは、nc−OSと非晶質金属酸化物半導体との間の構造を有する金属酸化物半導体である。a−like OSは、鬆又は低密度領域を有する。a−like OSは、nc−OS及びCAAC−OSと比べて、結晶性が低い。
本明細書等において、CACは金属酸化物半導体の機能又は材料を表し、CAACは金属酸化物半導体の結晶構造を表している。
以上、本実施の形態で示す構成、方法は、他の実施の形態で示す構成、方法と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態3)
図5で示した電子機器510に用いられる表示モジュールについて説明する。表示モジュールは、ディスプレイ517cとして、自発光型の表示素子と、反射型の表示素子を組み合わせたハイブリッド型の表示装置を使う例を示す。
本実施の形態の表示装置は、反射型の表示素子を有する第1の画素が設けられた第1の表示パネルと、発光素子を有する第2の画素が設けられた第2の表示パネルとが、接着層を介して貼り合わされた構成を有する。本実施の形態では反射型の表示素子として液晶素子を使うが電気泳動表示素子などでも良い。反射型の表示素子は、反射光の光量を制御することにより階調を表現することができる。発光素子は、発する光の光量を制御することにより階調を表現することができる。
表示装置は、例えば反射光のみを利用して表示を行うこと、発光素子からの光のみを利用して表示を行うこと、及び、反射光と発光素子からの光の両方を利用して表示を行うことができる。
第1の表示パネルは視認側に設けられ、第2の表示パネルは視認側とは反対側に設けられる。第1の表示パネルは、最も接着層側に位置する第1の樹脂層を有する。また第2の表示パネルは、最も接着層側に位置する第2の樹脂層を有する。
また、第1の表示パネルの表示面側に第3の樹脂層を設け、第2の表示パネルの裏面側(表示面側とは反対側)に第4の樹脂層を設けることが好ましい。これにより、表示装置を極めて軽くすることが可能で、また表示装置を割れにくくすることが可能となる。
第1の樹脂層乃至第4の樹脂層(以下、まとめて樹脂層とも表記する)は、極めて薄いことを特徴とする。より具体的には、それぞれ厚さが0.1μm以上3μm以下とすることが好ましい。そのため、2つの表示パネルを積層した構成であっても、厚さを薄くすることができる。また、第2の画素の発光素子が発する光の経路上に位置する樹脂層による光の吸収が抑制され、より高い効率で光を取り出すことができ、消費電力を小さくすることができる。
樹脂層は、例えば以下のように形成することができる。すなわち、支持基板上に低粘度の熱硬化性の樹脂材料を塗布し、熱処理により硬化させて樹脂層を形成する。そして樹脂層上に、構造物を形成する。その後、樹脂層と、支持基板との間で剥離を行うことにより、樹脂層の一方の面を露出させる。
支持基板と樹脂層とを剥離する際、これらの密着性を低下させる方法として、レーザ光を照射することが挙げられる。例えば、レーザ光に線状のレーザを用い、これを走査することにより、レーザ光を照射してもよい。これにより、支持基板の面積を大きくした際の工程時間を短縮することができる。レーザ光としては、波長308nmのエキシマレーザを好適に用いることができる。密着性を低下させる方法はレーザ光に限らず、熱処理など別の手段を用いても良い。
樹脂層に用いることのできる材料としては、代表的には熱硬化性のポリイミドが挙げられる。特に感光性のポリイミドを用いることが好ましい。感光性のポリイミドは、表示パネルの平坦化膜等に好適に用いられる材料であるため、形成装置や材料を共有することができる。そのため本発明の一態様の構成を実現するために新たな装置や材料を必要としない。
また、樹脂層に感光性の樹脂材料を用いることにより、露光及び現像処理を施すことで、樹脂層を加工することが可能となる。例えば、開口部を形成することや、不要な部分を除去することができる。さらに露光方法や露光条件を最適化することで、表面に凹凸形状を形成することも可能となる。例えばハーフトーンマスクやグレートーンマスクを用いた露光技術や、多重露光技術などを用いればよい。
なお、非感光性の樹脂材料を用いてもよい。このとき、樹脂層上にレジストマスクやハードマスクを形成して開口部や凹凸形状を形成する方法を用いることもできる。
またこのとき、発光素子からの光の経路上に位置する樹脂層を、部分的に除去することが好ましい。すなわち、第1の樹脂層及び第2の樹脂層に、発光素子と重なる開口部を設ける。これにより、発光素子からの光の一部が樹脂層に吸収されることに伴う色再現性の低下や、光取り出し効率の低下を抑制することができる。
又は、樹脂層の発光素子からの光の経路上に位置する部分が、他の部分よりも薄くなるように、樹脂層に凹部が形成された構成としてもよい。すなわち、樹脂層は厚さの異なる2つの部分を有し、厚さの薄い部分が発光素子と重なる構成とすることもできる。この構成としても、樹脂層による発光素子からの光の吸収を低減できる。
また、第1の表示パネルが第3の樹脂層を有する場合、上記と同様に発光素子と重なる開口部を設けることが好ましい。これにより、さらに色再現性や光取り出し効率を向上させることができる。
また、第1の表示パネルが第3の樹脂層を有する場合、反射型の液晶素子における光の経路上に位置する第3の樹脂層の一部を除去することが好ましい。すなわち、第3の樹脂層に、反射型の液晶素子と重なる開口部を設ける。これにより、反射型の液晶素子の反射率を向上させることができる。
樹脂層に開口部を形成する場合、支持基板上に光吸収層を形成し、当該光吸収層上に開口部を有する樹脂層を形成し、さらに開口部を覆う透光性の層を形成する。光吸収層は、光を吸収して加熱されることで、水素又は酸素などのガスを放出する層である。したがって、支持基板側から光を照射し、光吸収層からガスを放出させることで、光吸収層と支持基板の界面、又は光吸収層と透光性の層との間の密着性が低下し、剥離を生じさせることができる。又は、光吸収層自体が破断して、剥離させることができる。
又は、以下の方法を用いることもできる。すなわち、樹脂層の開口部となる部分を、部分的に薄く形成し、上述した方法により支持基板と樹脂層とを剥離する。そして樹脂層の剥離した表面にプラズマ処理等を行うことで、樹脂層を薄膜化すると、樹脂層の薄い部分に開口を形成することができる。
また、第1の画素及び第2の画素は、それぞれトランジスタを有することが好ましい。さらに、当該トランジスタのチャネルを形成する半導体として、酸化物半導体を用いることが好ましい。酸化物半導体はトランジスタの作製工程にかかる最高温度を低温化(例えば400℃以下、好ましくは350℃以下)しても、高いオン電流を実現でき、また高い信頼性を確保することができる。また、酸化物半導体を用いることで、トランジスタの被形成面側に位置する樹脂層に用いる材料として、高い耐熱性が要求されないため、材料の選択の幅を広げることができる。例えば、平坦化膜として用いる樹脂材料と兼ねることもできる。
ここで、例えば低温ポリシリコン(LTPS(Low Temperature Poly−Silicon))を用いた場合では、高い電界効果移動度が得られるものの、レーザ結晶化工程、結晶化の前処理のベーク工程、不純物の活性化のためのベーク工程などが必要であり、トランジスタの作製工程にかかる最高温度が上記酸化物半導体を用いた場合よりも高い(例えば500℃以上、又は550℃以上、又は600℃以上)。そのため、トランジスタの被形成面側に位置する樹脂層には高い耐熱性が必要となる。さらに、レーザ結晶化工程において、当該樹脂層にもレーザが照射されるため、当該樹脂層は比較的厚く形成する必要がある(例えば10μm以上、又は20μm以上)。
一方、酸化物半導体を用いた場合では、耐熱性の高い特殊な材料が不要で、かつ厚く形成する必要がないため、表示パネル全体に対する当該樹脂層にかかるコストの割合を小さくできる。
また、酸化物半導体は、バンドギャップが広く(例えば2.5eV以上、または3.0eV以上)、光を透過する性質を有する。そのため、支持基板と樹脂層の剥離工程において、レーザ光が酸化物半導体に照射されても吸収しにくいため、その電気的特性への影響を抑制できる。したがって、上述のように樹脂層を薄く形成することが可能となる。
本発明の一態様は、感光性のポリイミドに代表される低粘度な感光性樹脂材料を用いて薄く形成した樹脂層と、低温であっても電気特性に優れたトランジスタを実現できる酸化物半導体と、を組み合わせることにより、極めて生産性に優れた表示装置を実現できる。
続いて、画素の構成について説明する。第1の画素及び第2の画素は、それぞれマトリクス状に複数配置され、表示部を構成する。また、表示装置は、第1の画素を駆動する第1の駆動部と、第2の画素を駆動する第2の駆動部を有することが好ましい。第1の駆動部は第1の表示パネルに設けられ、第2の駆動部は第2の表示パネルに設けられていることが好ましい。
また、第1の画素と第2の画素は、同じ周期で表示領域内に配置されていることが好ましい。さらに、第1の画素及び第2の画素は表示装置の表示領域に混在して配置されていることが好ましい。これにより、後述するように複数の第1の画素のみで表示された画像と、複数の第2の画素のみで表示された画像、及び複数の第1の画素及び複数の第2の画素の両方で表示された画像のそれぞれは、同じ表示領域に表示することができる。
続いて、第1の表示パネル及び第2の表示パネルに用いることのできるトランジスタについて説明する。第1の表示パネルの第1の画素に設けられるトランジスタと、第2の表示パネルの第2の画素に設けられるトランジスタとは、同じ構成のトランジスタであってもよいし、それぞれ異なるトランジスタであってもよい。
トランジスタの構成としては、例えばボトムゲート構造のトランジスタが挙げられる。ボトムゲート構造のトランジスタは、半導体層よりも下側(被形成面側)にゲート電極を有する。また、例えばソース電極及びドレイン電極が、半導体層の上面及び側端部に接して設けられていることを特徴とする。
また、トランジスタの他の構成としては、例えばトップゲート構造のトランジスタが挙げられる。トップゲート構造のトランジスタは、半導体層よりも上側(被形成面側とは反対側)にゲート電極を有する。また、例えば第1のソース電極及び第1のドレイン電極が、半導体層の上面の一部及び側端部を覆う絶縁層上に設けられ、かつ当該絶縁層に設けられた開口を介して半導体層と電気的に接続されることを特徴とする。
また、トランジスタとして、半導体層を挟んで対向して設けられる第1のゲート電極及び第2のゲート電極を有していることが好ましい。
以下では、本発明の一態様の表示装置のより具体的な例について、図面を参照して説明する。
[構成例1]
図9に、ディスプレイ117の断面概略図を示す。ディスプレイ117は、表示パネル100と表示パネル200とが接着層50によって貼り合わされた構成を有する。また、ディスプレイ117は、裏側(視認側とは反対側)に基板611と、表側(視認側)に基板612と、を有する。
表示パネル100は、樹脂層101と樹脂層102との間に、トランジスタ110と、発光素子120と、を有する。表示パネル200は、樹脂層201と樹脂層202との間にトランジスタ210と、液晶素子220と、を有する。樹脂層101は、接着層51を介して基板611と貼り合わされている。また樹脂層202は、接着層52を介して基板612と貼り合わされている。
また、樹脂層102、樹脂層201、及び樹脂層202は、それぞれ開口部が設けられている。図9に示す領域81は、発光素子120と重なる領域であって、かつ樹脂層102の開口部、樹脂層201の開口部、及び樹脂層202の開口部と重なる領域である。
〔表示パネル100〕
樹脂層101には、トランジスタ110、発光素子120、絶縁層131、絶縁層132、絶縁層133、絶縁層134、絶縁層135等が設けられている。また、樹脂層102には、遮光層153、及び着色層152等が設けられている。樹脂層101と樹脂層102とは、接着層151により接着されている。
トランジスタ110は、絶縁層131上に設けられ、ゲート電極として機能する導電層111と、ゲート絶縁層として機能する絶縁層132の一部と、半導体層112と、ソース電極又はドレイン電極の一方として機能する導電層113aと、ソース電極又はドレイン電極の他方として機能する導電層113bと、を有する。
半導体層112は、酸化物半導体を含むことが好ましい。
絶縁層133及び絶縁層134は、トランジスタ110を覆って設けられている。絶縁層134は、平坦化層として機能する。
発光素子120は、導電層121と、EL層122と、導電層123と、が積層された構成を有する。導電層121は可視光を反射する機能を有し、導電層123は、可視光を透過する機能を有する。したがって、発光素子120は、被形成面側とは反対側に光を射出する上面射出型(トップエミッション型ともいう)の発光素子である。
導電層121は、絶縁層134及び絶縁層133に設けられた開口を介して導電層113bと電気的に接続されている。絶縁層135は、導電層121の端部を覆い、かつ導電層121の上面が露出するように開口が設けられている。EL層122及び導電層123は、絶縁層135及び導電層121の露出した部分を覆って、順に設けられている。
樹脂層102の樹脂層101側には、絶縁層141が設けられている。また絶縁層141の樹脂層101側には、遮光層153と、着色層152とが設けられている。着色層152は、発光素子120と重なる領域に設けられている。遮光層153は、発光素子120と重なる部分に開口を有する。
絶縁層141は、樹脂層102の開口部を覆って設けられている。また絶縁層141の樹脂層102の開口部と重なる部分は、接着層50と接している。
〔表示パネル200〕
樹脂層201には、トランジスタ210、導電層221、配向膜224a、絶縁層231、絶縁層232、絶縁層233、絶縁層234等が設けられている。また、樹脂層202には、絶縁層204、導電層223、配向膜224b等が設けられている。また配向膜224aと配向膜224bとの間に液晶222が挟持されている。樹脂層201と樹脂層202とは、図示しない領域で接着層により接着されている。
トランジスタ210は、絶縁層231上に設けられ、ゲート電極として機能する導電層211と、ゲート絶縁層として機能する絶縁層232の一部と、半導体層212と、ソース電極又はドレイン電極の一方として機能する導電層213aと、ソース電極又はドレイン電極の他方として機能する導電層213bと、を有する。
半導体層212は、酸化物半導体を含むことが好ましい。
絶縁層233及び絶縁層234は、トランジスタ210を覆って設けられている。絶縁層234は、平坦化層として機能する。
液晶素子220は、導電層221と、導電層223と、これらの間に位置する液晶222と、により構成されている。導電層221は可視光を反射する機能を有し、導電層223は、可視光を透過する機能を有する。したがって、液晶素子220は反射型の液晶素子である。
導電層221は、絶縁層234及び絶縁層233に設けられた開口を介して導電層213bと電気的に接続されている。配向膜224aは、導電層221及び絶縁層234の表面を覆って設けられている。
樹脂層202の樹脂層201側には、導電層223と配向膜224bとが積層されて設けられている。なお、樹脂層202と導電層223との間に絶縁層204が設けられている。また、液晶素子220の反射光を着色するための着色層を設けてもよい。
絶縁層231は、樹脂層201の開口部を覆って設けられている。また、絶縁層231の樹脂層202の開口部と重なる部分は、接着層50と接して設けられている。また、絶縁層204は、樹脂層202の開口部を覆って設けられている。また、絶縁層204の樹脂層202の開口部と重なる部分は、接着層52と接して設けられている。
〔ディスプレイ117〕
ディスプレイ117は、上面から見たときに、発光素子120が、反射型の液晶素子220と重ならない部分を有する。これにより、図9に示すように、発光素子120からは、着色層152によって着色された発光621が、視認側に射出される。また、液晶素子220では、導電層221により外光が反射された反射光622が液晶222を介して射出される。
発光素子120から射出された発光621は、樹脂層102の開口部、樹脂層201の開口部、及び樹脂層202の開口部を通って視認側に射出される。したがって、樹脂層102、樹脂層201、及び樹脂層202が可視光の一部を吸収する場合であっても、発光621の光路上にこれら樹脂層が存在しないため、光取り出し効率や、色再現性を高いものとすることができる。
なお、基板612が偏光板、又は円偏光板として機能する。又は、基板612よりも外側に、偏光板又は円偏光板を設けてもよい。
ここでは、表示パネル200が着色層を有さず、カラー表示を行わない構成としているが、樹脂層202側に着色層を設け、カラー表示可能な構成としてもよい。
以上が構成例についての説明である。
[作製方法例]
以下では、図9で例示したディスプレイ117の作製方法の例について、図面を参照して説明する。
なお、表示装置を構成する薄膜(絶縁膜、半導体膜、導電膜等)は、スパッタリング法、化学気相堆積(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、真空蒸着法、パルスレーザー堆積(PLD:Pulse Laser Deposition)法、原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法等を用いて形成することができる。CVD法としては、プラズマ化学気相堆積(PECVD)法や、熱CVD法でもよい。熱CVD法の例として、有機金属化学気相堆積(MOCVD:Metal Organic CVD)法を使ってもよい。
また、表示装置を構成する薄膜(絶縁膜、半導体膜、導電膜等)は、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、インクジェット、ディスペンス、スクリーン印刷、オフセット印刷、ドクターナイフ、スリットコート、ロールコート、カーテンコート、ナイフコート等の方法により形成することができる。
また、表示装置を構成する薄膜を加工する際には、フォトリソグラフィ法等を用いて加工することができる。又は、遮蔽マスクを用いた成膜方法により、島状の薄膜を形成してもよい。又は、ナノインプリント法、サンドブラスト法、リフトオフ法などにより薄膜を加工してもよい。フォトリソグラフィ法としては、加工したい薄膜上に感光性のレジスト材料を塗布し、これをフォトマスク用いて露光した後、現像することによりレジストマスクを形成して、エッチング等により当該薄膜を加工し、レジストマスクを除去する方法と、感光性を有する薄膜を成膜した後に、露光、現像を行って、当該薄膜を所望の形状に加工する方法と、がある。
フォトリソグラフィ法において、露光に用いる光は、例えばi線(波長365nm)、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)、又はこれらを混合させた光を用いることができる。そのほか、紫外線やKrFレーザ光、又はArFレーザ光等を用いることもできる。また、液浸露光技術により露光を行ってもよい。また、露光に用いる光として、極端紫外光(EUV:Extreme Ultra−violet)やX線を用いてもよい。また、露光に用いる光に換えて、電子ビームを用いることもできる。極端紫外光、X線又は電子ビームを用いると、極めて微細な加工が可能となるため好ましい。なお、光や電子ビームなどのビームを走査することにより露光を行う場合には、フォトマスクは不要である。
薄膜のエッチングには、ドライエッチング法、ウエットエッチング法、サンドブラスト法などを用いることができる。
〔樹脂層の形成〕
まず、支持基板61を準備する。支持基板61としては、搬送が容易となる程度に剛性を有する材料であり、かつ作製工程にかかる温度に対して耐熱性を有する材料を用いることができる。例えば、ガラス、石英、セラミック、サファイヤ、有機樹脂、半導体、金属又は合金などの材料を用いることができる。ガラスとしては、例えば、無アルカリガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス等を用いることができる。
続いて、支持基板61上に、樹脂層101を形成する(図10(A))。
まず、樹脂層101となる材料を支持基板61上に塗布する。塗布は、スピンコート法を用いると大型の基板に均一に薄い樹脂層101を形成できるため好ましい。
他の塗布方法として、ディップ、スプレー塗布、インクジェット、ディスペンス、スクリーン印刷、オフセット印刷、ドクターナイフ、スリットコート、ロールコート、カーテンコート、ナイフコート等の方法を用いてもよい。
当該材料は、熱により重合が進行する熱硬化性(熱重合性ともいう)を発現する重合性モノマーを有する。さらに、当該材料は、感光性を有することが好ましい。また当該材料は、粘度を調整するための溶媒が含まれていることが好ましい。
当該材料には、重合後にポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、シロキサン樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、フェノール樹脂となる、重合性モノマーを含むことが好ましい。すなわち、形成された樹脂層101は、これら樹脂材料を含む。特に当該材料に、イミド結合を有する重合性モノマーを用いることで、ポリイミド樹脂に代表される樹脂を樹脂層101に用いると、耐熱性や耐候性を向上させることができるため好ましい。
塗布に用いる当該材料の粘度は、5cP以上500cP未満、好ましくは粘度が5cP以上100cP未満、より好ましくは粘度が10cP以上50cP以下であることが好ましい。材料の粘度が低いほど、塗布が容易となる。また、材料の粘度が低いほど、気泡の混入を抑制でき、良質な膜を形成できる。また材料の粘度が低いほど、薄く均一に塗布することが可能なため、より薄い樹脂層101を形成することができる。
続いて、支持基板61を加熱し、塗布した材料を重合させることで樹脂層101を形成する。このとき、加熱により材料中の溶媒は除去される。また加熱は、後のトランジスタ110の作製工程にかかる最高温度よりも高い温度で加熱することが好ましい。例えば300℃以上600℃以下、好ましくは350℃以上550℃以下、より好ましくは400℃以上500℃以下、代表的には450℃で加熱することが好ましい。樹脂層101の形成時に、表面が露出した状態でこのような温度で加熱することにより、樹脂層101から脱離しうるガスを除去することができるため、トランジスタ110の作製工程中にガスが脱離することを抑制できる。
樹脂層101の厚さは、0.01μm以上10μm未満であることが好ましく、0.1μm以上3μm以下であることがより好ましく、0.5μm以上1μm以下であることがさらに好ましい。低粘度の溶液を用いることで、樹脂層101を薄く均一に形成することが容易となる。
また、樹脂層101の熱膨張係数は、0.1ppm/℃以上20ppm/℃以下であることが好ましく、0.1ppm/℃以上10ppm/℃以下であることがより好ましい。樹脂層101の熱膨張係数が低いほど、加熱による膨張又は収縮に伴う応力により、トランジスタ等が破損することを抑制できる。
また、トランジスタ110の半導体層112に酸化物半導体膜を用いる場合には、低温で形成できるため、樹脂層101に高い耐熱性が要求されない。樹脂層101等の耐熱性は、例えば加熱による重量減少率、具体的には5%重量減少温度等により評価できる。樹脂層101等の5%重量減少温度は、450℃以下、好ましくは400℃以下、より好ましくは400℃未満、さらに好ましくは350℃未満とすることができる。また、トランジスタ110等の形成工程にかかる最高温度を、350℃以下とすることが好ましい。
ここで、樹脂層101に感光性の材料を用いた場合、フォトリソグラフィ法により、一部を除去することが可能となる。具体的には、材料を塗布した後に溶媒を除去するための熱処理(プリベーク処理ともいう)を行い、その後露光を行う。続いて、現像処理を施すことで、不要な部分を除去することができる。また、その後に熱処理(ポストベーク処理ともいう)を行うことが好ましい。2回目の熱処理を、上記で示した温度で行えばよい。
上記方法で樹脂層101に開口部を設けることにより、以下のような構成を実現できる。例えば、開口部を覆うように導電層を配置することで、後述する剥離工程後に、裏面側に一部が露出した電極(裏面電極、貫通電極とも言う)を形成することができる。当該電極は、外部接続端子として用いることもできる。また、例えば2つの表示パネルを貼り合せるためのマーカー部に樹脂層101を設けない構成とすることで、位置合わせ精度を高めることができる。
〔絶縁層131の形成〕
続いて、樹脂層101上に絶縁層131を形成する(図10(B))。
絶縁層131は、樹脂層101に含まれる不純物が、後に形成するトランジスタや発光素子に拡散することを防ぐバリア層として用いることができる。そのためバリア性の高い材料を用いることが好ましい。
絶縁層131としては、例えば窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、窒化アルミニウム膜などの無機絶縁材料を用いることができる。また、上述の2以上の絶縁膜を積層して用いてもよい。特に、樹脂層101側から窒化シリコン膜と酸化シリコン膜の積層膜を用いることが好ましい。
また、樹脂層101の表面に凹凸がある場合、絶縁層131は当該凹凸を被覆することが好ましい。また、絶縁層131が当該凹凸を平坦化する平坦化層としての機能を有していてもよい。例えば、絶縁層131として、有機絶縁材料と無機絶縁材料を積層して用いることが好ましい。有機絶縁材料としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、イミド樹脂、PVC(ポリビニルクロライド)樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)樹脂、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂等の有機樹脂を用いることができる。
絶縁層131は、例えば室温以上400℃以下、好ましくは100℃以上350℃以下、より好ましくは150℃以上300℃以下の温度で形成することが好ましい。
〔トランジスタの形成〕
続いて、図10(C)に示すように、絶縁層131上にトランジスタ110を形成する。ここではトランジスタ110の一例として、ボトムゲート構造のトランジスタを作製する場合の例を示している。
絶縁層131上に導電層111を形成する。導電層111は、導電膜を成膜した後、レジストマスクを形成し、当該導電膜をエッチングした後にレジストマスクを除去することにより形成できる。
続いて、絶縁層132を形成する。絶縁層132は、絶縁層131に用いることのできる無機絶縁膜を援用できる。
続いて、半導体層112を形成する。半導体層112は、半導体膜を成膜した後、レジストマスクを形成し、当該半導体膜をエッチングした後にレジストマスクを除去することにより形成できる。
半導体膜は、成膜時の基板温度を室温以上300℃以下、好ましくは室温以上220℃以下、より好ましくは、室温以上200℃以下、さらに好ましくは室温以上170℃以下の温度で形成する。ここで成膜時の基板温度が室温であるとは、基板を加熱しないことを指す。このとき、成膜時に基板が受けるエネルギーにより、室温よりも高い温度になる場合も含む。また、室温とは例えば10℃以上30℃以下の温度範囲を指し、代表的には25℃とする。
半導体膜としては、酸化物半導体を用いることが好ましい。特にシリコンよりもバンドギャップの大きな酸化物半導体を適用することが好ましい。シリコンよりもバンドギャップが広く、かつキャリア密度の小さい半導体材料を用いると、トランジスタのオフ状態における電流を低減できるため好ましい。
また、酸化物半導体として、バンドギャップが2.5eV以上、好ましくは2.8eV以上、より好ましくはバンドギャップが3.0eV以上の材料を用いることが好ましい。このような酸化物半導体を用いることにより、後述する剥離工程におけるレーザ光等の光の照射において、当該光が半導体膜を透過するため、トランジスタの電気特性への悪影響が生じにくくなる。
特に、本発明の一態様に用いる半導体膜は、不活性ガス(例えばAr)及び酸素ガスのいずれか一方又は両方を含む雰囲気下にて基板を加熱した状態で、スパッタリング法によって成膜することが好ましい。
成膜時の基板温度は室温以上200℃以下、好ましくは室温以上170℃以下の温度とすることが好ましい。基板の温度を高めることにより、配向性を有する結晶部がより多く形成され、電気的な安定性に優れた半導体膜を形成できる。このような半導体膜を用いることで、電気的な安定性に優れたトランジスタを実現できる。また、基板温度を低くする、又は加熱しない状態で成膜することで、配向性を有する結晶部の割合が小さく、キャリア移動度の高い半導体膜を形成できる。このような半導体膜を用いることで、高い電界効果移動度を示すトランジスタを実現できる。
また、成膜時の酸素の流量比(酸素分圧)を、0%以上100%未満、好ましくは0%以上50%以下、より好ましくは0%以上33%以下、さらに好ましくは0%以上15%以下とすることが好ましい。酸素流量を低減することにより、キャリア移動度の高い半導体膜を形成でき、より高い電界効果移動度を示すトランジスタを実現できる。
成膜時の基板温度と、成膜時の酸素流量を上述の範囲とすることで、配向性を有する結晶部と、配向性を有さない結晶部とが混在した半導体膜を得ることができる。また、基板温度と酸素流量を上述の範囲内で最適化することにより、配向性を有する結晶部と配向性を有さない結晶部の存在割合を制御することが可能となる。
半導体膜の成膜に用いることの可能な酸化物ターゲットとしては、In−Ga−Zn系酸化物に限られず、例えば、In−M−Zn系酸化物(Mは、Al、Y、またはSn)を適用することができる。
また、複数の結晶粒を有する多結晶酸化物を含むスパッタリングターゲットを用いて、結晶部を含む半導体膜を成膜すると、多結晶酸化物を含まないスパッタリングターゲットを用いた場合に比べて、結晶性を有する半導体膜が得られやすい。
特に、膜の厚さ方向(膜面方向、膜の被形成面、又は膜の表面に垂直な方向ともいう)に配向性を有する結晶部と、このような配向性を有さずに無秩序に配向する結晶部が混在した半導体膜を適用したトランジスタは、電気特性の安定性を高くできる、チャネル長を微細にすることが容易となる、などの特徴がある。一方、配向性を有さない結晶部のみで構成される半導体膜を適用したトランジスタは、電界効果移動度を高めることができる。なお、後述するように、酸化物半導体中の酸素欠損を低減することにより、高い電界効果移動度と高い電気特性の安定性を両立したトランジスタを実現することができる。
このように、酸化物半導体膜を用いることで、LTPSで必要であった高い温度での加熱処理や、レーザ結晶化処理が不要であり、極めて低温で半導体層112を形成できる。そのため、樹脂層101を薄く形成することが可能となる。
続いて、導電層113a及び導電層113bを形成する。導電層113a及び導電層113bは、導電膜を成膜した後、レジストマスクを形成し、当該導電膜をエッチングした後にレジストマスクを除去することにより形成できる。
なお、導電層113a及び導電層113bの加工の際に、レジストマスクに覆われていない半導体層112の一部がエッチングにより薄膜化する場合がある。半導体層112として配向性を有する結晶部を含む酸化物半導体膜を用いると、この薄膜化を抑制できるため好ましい。
以上のようにして、トランジスタ110を作製できる。トランジスタ110は、チャネルが形成される半導体層112に、酸化物半導体を含むトランジスタである。またトランジスタ110において、導電層111の一部はゲートとして機能し、絶縁層132の一部はゲート絶縁層として機能し、導電層113a及び導電層113bは、それぞれソース又はドレインのいずれか一方として機能する。
〔絶縁層133の形成〕
続いて、トランジスタ110を覆う絶縁層133を形成する。絶縁層133は、絶縁層132と同様の方法により形成することができる。
絶縁層133は例えば室温以上400℃以下、好ましくは100℃以上350℃以下、より好ましくは150℃以上300℃以下の温度で形成することが好ましい。温度が高いほど緻密でバリア性の高い絶縁膜とすることができる。
また、絶縁層133として、酸素を含む雰囲気下で上述のような低温で成膜した酸化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜等の酸化物絶縁膜を用いることが好ましい。また当該酸化シリコンや酸化窒化シリコン膜上に窒化シリコン膜などの酸素を拡散、透過しにくい絶縁膜を積層して形成することが好ましい。酸素を含む雰囲気下で低温で形成した酸化物絶縁膜は、加熱により多くの酸素を放出しやすい絶縁膜とすることができる。このような酸素を放出する酸化物絶縁膜と、酸素を拡散、透過しにくい絶縁膜を積層した状態で、加熱処理を行うことにより、半導体層112に酸素を供給することができる。その結果、半導体層112中の酸素欠損、及び半導体層112と絶縁層133の界面の欠陥を修復し、欠陥準位を低減することができる。これにより、極めて信頼性の高い半導体装置を実現できる。
以上の工程により、可撓性を有する樹脂層101上にトランジスタ110と、これを覆う絶縁層133を形成することができる。なお、この段階において、後述する方法を用いて樹脂層101と支持基板61とを分離することで、表示素子を有さないフレキシブルデバイスを作製することもできる。例えば、トランジスタ110や、トランジスタ110に加えて容量素子、抵抗素子、及び配線などを形成することで、半導体回路を有するフレキシブルデバイスを作製することができる。
〔絶縁層134の形成〕
続いて、絶縁層133上に絶縁層134を形成する。絶縁層134は、後に形成する表示素子の被形成面を有する層であるため、平坦化層として機能する層であることが好ましい。絶縁層134は、絶縁層131に用いることのできる有機絶縁膜又は無機絶縁膜を援用できる。
絶縁層134は、樹脂層101と同様に、感光性及び熱硬化性を有する樹脂材料を用いることが好ましい。特に、絶縁層134と樹脂層101とに、同じ材料を用いることが好ましい。これにより、絶縁層134と樹脂層101の材料や、これらを形成するための装置を共通化することが可能となる。
また、絶縁層134は、樹脂層101と同様に、0.01μm以上10μm未満であることが好ましく、0.1μm以上3μm以下であることがより好ましく、0.5μm以上1μm以下であることがさらに好ましい。低粘度の溶液を用いることで、絶縁層134を薄く均一に形成することが容易となる。
〔発光素子120の形成〕
続いて、絶縁層134及び絶縁層133に、導電層113b等に達する開口を形成する。
その後、導電層121を形成する。導電層121は、その一部が画素電極として機能する。導電層121は、導電膜を成膜した後、レジストマスクを形成し、当該導電膜をエッチングした後にレジストマスクを除去することにより形成できる。
続いて、図10(D)に示すように、導電層121の端部を覆う絶縁層135を形成する。絶縁層135は、絶縁層131に用いることのできる有機絶縁膜又は無機絶縁膜を援用できる。
絶縁層135は、樹脂層101と同様に、感光性及び熱硬化性を有する樹脂材料を用いることが好ましい。特に、絶縁層135と樹脂層101とに、同じ材料を用いることが好ましい。これにより、絶縁層135と樹脂層101の材料や、これらを形成するための装置を共通化することが可能となる。
また、絶縁層135は、樹脂層101と同様に、0.01μm以上10μm未満であることが好ましく、0.1μm以上3μm以下であることがより好ましく、0.5μm以上1μm以下であることがさらに好ましい。低粘度の溶液を用いることで、絶縁層135を薄く均一に形成することが容易となる。
続いて、図10(E)に示すように、EL層122及び導電層123を形成する。
EL層122は、蒸着法、塗布法、印刷法、吐出法などの方法で形成することができる。EL層122を画素毎に作り分ける場合、メタルマスクなどのシャドウマスクを用いた蒸着法、又はインクジェット法等により形成することができる。EL層122を画素毎に作り分けない場合には、メタルマスクを用いない蒸着法を用いることができる。ここでは、メタルマスクを用いない蒸着法により形成した例を示している。
導電層123は、蒸着法やスパッタリング法等を用いて形成することができる。
以上のようにして、発光素子120を形成することができる。発光素子120は、一部が画素電極として機能する導電層121、EL層122、及び一部が共通電極として機能する導電層123が積層された構成を有する。
〔光吸収層103aの形成〕
支持基板62を準備する。支持基板62は、支持基板61の記載を援用することができる。
続いて、支持基板62上に、光吸収層103aを形成する(図11(A))。光吸収層103aは、後の光70の照射工程において、当該光70を吸収し、発熱することにより、水素又は酸素等を放出する層である。
光吸収層103aとしては、例えば加熱により水素が放出される、水素化アモルファスシリコン(a−Si:H)膜を用いることができる。水素化アモルファスシリコン膜は、例えばSiHを成膜ガスに含むプラズマCVD法により成膜することができる。また、さらに水素を多く含有させるため、成膜後に水素を含む雰囲気下で加熱処理をしてもよい。
又は、光吸収層103aとして、加熱により酸素が放出される酸化物膜を用いることもできる。特に、酸化物半導体膜又は不純物準位を有する酸化物半導体膜(酸化物導電膜ともいう)は、酸化シリコン膜等の絶縁膜に比べてバンドギャップが狭く、光を吸収しやすいため好ましい。酸化物半導体を用いる場合、上述した半導体層112の形成方法、及び後述する半導体層に用いることのできる材料を援用できる。酸化物膜は、例えば酸素を含む雰囲気下でプラズマCVD法やスパッタリング法等により成膜することができる。特に酸化物半導体膜を用いる場合には、酸素を含む雰囲気下でスパッタリング法により成膜することが好ましい。また、さらに酸素を含有させるため、成膜後に酸素を含む雰囲気下で加熱処理をしてもよい。
又は、光吸収層103aに用いることのできる酸化物膜として、酸化物絶縁膜を用いてもよい。例えば、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化窒化アルミニウム膜等を用いることもできる。例えば、このような酸化物絶縁膜を、酸素を含む雰囲気下にて、低温(例えば250℃以下、好ましくは220℃以下)で成膜することで、酸素を過剰に含有した酸化物絶縁膜を形成することができる。成膜は、例えばスパッタリング法又はプラズマCVD法等を用いることができる。
〔樹脂層102の形成〕
続いて、光吸収層103a上に、開口部を有する樹脂層102を形成する(図11(B))。樹脂層102の形成方法及び材料については、開口部を形成する部分以外は樹脂層101と同様の方法及び材料を用いることができる。
樹脂層102の形成は、まず感光性の材料を光吸収層103a上に塗布して薄膜を形成し、プリベーク処理を行う。続いて、フォトマスクを用いて当該材料を露光し、現像処理を行うことで、開口部を有する樹脂層102を形成することができる。その後、ポストベーク処理を行い、材料を十分に重合させるとともに、膜中のガスを除去する。
〔絶縁層141の形成〕
続いて、樹脂層102、及び樹脂層102の開口部を覆って絶縁層141を形成する(図11(C))。絶縁層141の一部は、光吸収層103aと接して設けられる。絶縁層141は、樹脂層102に含まれる不純物が、後に形成するトランジスタや発光素子に拡散することを防ぐバリア層として用いることができる。そのためバリア性の高い材料を用いることが好ましい。
絶縁層141の形成方法及び材料については、絶縁層131の記載を援用できる。
〔遮光層、着色層の形成〕
続いて、絶縁層141上に遮光層153及び着色層152を形成する(図11(D))。
遮光層153は、金属材料又は樹脂材料を用いることができる。金属材料を用いる場合には、導電膜を成膜した後に、フォトリソグラフィ法等を用いて不要な部分を除去することにより形成できる。また金属材料、顔料又は染料を含む感光性の樹脂材料を用いた場合は、フォトリソグラフィ法等により形成することができる。
また、着色層152は、感光性の材料を用いることで、フォトリソグラフィ法等により島状に加工することができる。
以上により、樹脂層102上に絶縁層141、遮光層153及び着色層152を形成することができる。なお、樹脂層101側の作製工程と、樹脂層102側の作製工程は、互いに独立して行うことができるため、その順序は問われない。又はこれら2つの工程を並行して行ってもよい。
〔貼り合せ〕
続いて、図11(E)に示すように、支持基板61と支持基板62とを、接着層151を用いて貼り合せる。貼り合せは、樹脂層102の開口部と、発光素子120とが重なるように行う。そして、接着層151を硬化させる。これにより、発光素子120を接着層151で封止することができる。
接着層151は、硬化型の材料を用いることが好ましい。例えば光硬化性を示す樹脂、反応硬化性を示す樹脂、熱硬化性を示す樹脂等を用いることができる。特に、溶媒を含まない樹脂材料を用いることが好ましい。
以上の工程により、表示パネル100を作製することができる。図11(E)に示す時点では、表示パネル100は、支持基板61及び支持基板62に挟持された状態である。
〔光吸収層103bの形成〕
支持基板63を準備し、支持基板63上に光吸収層103bを形成する。支持基板63は、支持基板61の記載を援用できる。
光吸収層103bは、上記光吸収層103aと同様の材料、及び方法により形成することができる。
〔樹脂層201の形成〕
続いて、光吸収層103b上に、開口部を有する樹脂層201を形成する。樹脂層201の形成方法及び材料については、樹脂層102と同様の方法及び材料を用いることができる。
〔絶縁層231の形成〕
続いて、樹脂層201、及び樹脂層201の開口部を覆って絶縁層231を形成する(図12(A))。絶縁層231の形成方法及び材料については、絶縁層131の記載を援用できる。
〔トランジスタ210の形成〕
続いて、図12(B)に示すように、絶縁層231上に、トランジスタ210を形成する。
トランジスタ210は、導電層211、絶縁層232、半導体層212、ならびに導電層213a及び導電層213bを、順に形成することにより形成する。各層の形成方法は、上記トランジスタ110の形成方法の記載を援用できる。
トランジスタ210は、チャネルが形成される半導体層212に、酸化物半導体を含むトランジスタである。またトランジスタ210において、導電層211の一部はゲートとして機能し、絶縁層232の一部はゲート絶縁層として機能し、導電層213a及び導電層213bは、それぞれソース又はドレインのいずれか一方として機能する。
〔導電層221、配向膜224aの形成〕
続いて、絶縁層234及び絶縁層233に、導電層213bに達する開口を形成する。
その後、導電層221を形成する。導電層221は、その一部が画素電極として機能する。導電層221は、導電膜を成膜した後、レジストマスクを形成し、当該導電膜をエッチングした後にレジストマスクを除去することにより形成できる。
続いて、図12(C)に示すように、導電層221及び絶縁層234上に配向膜224aを形成する。配向膜224aは、樹脂等の薄膜を成膜した後に、ラビング処理を行うことにより形成できる。
以上の工程により、樹脂層201上に、トランジスタ210、導電層221及び配向膜224a等を形成することができる。
〔光吸収層103cの形成〕
支持基板64を準備し、支持基板64上に光吸収層103cを形成する。支持基板64は、支持基板61の記載を援用することができる。
光吸収層103cは、上記光吸収層103aと同様の材料、及び方法により形成することができる。
〔樹脂層202の形成〕
続いて、光吸収層103c上に、開口部を有する樹脂層202を形成する。樹脂層202の形成方法及び材料については、樹脂層101と同様の方法及び材料を用いることができる。
〔絶縁層204の形成〕
続いて、樹脂層202、及び樹脂層202の開口部を覆って絶縁層204を形成する(図12(D))。絶縁層204の形成方法及び材料については、絶縁層131の記載を援用できる。
〔導電層223、配向膜224bの形成〕
続いて、絶縁層204上に導電層223を形成する。導電層223は、導電膜を成膜することにより形成することができる。なお、導電層223は、メタルマスクなどのシャドウマスクを用いたスパッタリング法等の方法により、樹脂層202の外周部に導電層223が設けられないように形成してもよい。又は、導電膜を成膜した後にフォトリソグラフィ法等によりパターニングを行った後、不要な部分をエッチングにより除去してもよい。
続いて、導電層223上に配向膜224bを形成する(図12(E))。配向膜224bは、配向膜224aと同様の方法により形成できる。
以上により、樹脂層202上に絶縁層204、導電層223、及び配向膜224bを形成することができる。なお、樹脂層201側の作製工程と、樹脂層202側の作製工程は、互いに独立して行うことができるため、その順序は問われない。又はこれら2つの工程を並行して行ってもよい。
〔貼り合せ〕
続いて、図12(F)に示すように、支持基板63と支持基板64とを、液晶222を挟んで貼り合せる。このとき、樹脂層201の開口部と、樹脂層202の開口部とが重なるように、貼り合せを行う。またこのとき、樹脂層201と樹脂層202とを、外周部において図示しない接着層により接着する。
例えば、樹脂層201と樹脂層202のいずれか一方、又は両方に、これらを接着する接着層(図示しない)を形成する。接着層は、画素が配置されている領域を囲むように形成する。接着層は、例えばスクリーン印刷法や、ディスペンス法等により形成することができる。接着層としては、熱硬化性樹脂や紫外線硬化樹脂等を用いることができる。また、紫外線により仮硬化した後に、熱を加えることにより硬化する樹脂などを用いてもよい。又は、接着層として、紫外線硬化性と熱硬化性の両方を有する樹脂などを用いてもよい。
続いて、液晶222をディスペンス法等により接着層に囲まれた領域に滴下する。続いて、液晶222を挟むように支持基板63と支持基板64とを貼り合せ、接着層を硬化する。貼り合せは、減圧雰囲気下で行うと支持基板63と支持基板64との間に気泡等が混入することを防ぐことができるため好ましい。
なお、液晶222の滴下後に、画素が配置されている領域や、当該領域の外側に粒状のギャップスペーサを散布してもよいし、当該ギャップスペーサを含む液晶222を滴下してもよい。また、液晶222は、支持基板63と支持基板64を貼り合せた後に、減圧雰囲気下において、接着層に設けた隙間から注入する方法を用いてもよい。
以上の工程により、表示パネル200を作製することができる。図12(F)に示す時点では、表示パネル200は、支持基板63及び支持基板64に挟持された状態である。
〔支持基板62の分離〕
続いて、図13(A)に示すように、表示パネル100の支持基板62側から、支持基板62を介して光吸収層103aに光70を照射する。
光70としては、好適にはレーザ光を用いることができる。特に、線状のレーザ光を用いることが好ましい。
なお、レーザ光と同等のエネルギーの光を照射可能であれば、フラッシュランプ等を用いてもよい。
光70は、少なくともその一部が支持基板62を透過し、かつ光吸収層103aに吸収される波長の光を選択して用いる。また、光70は、樹脂層102に吸収される波長の光を用いることが好ましい。特に、光70の波長としては、可視光線から紫外線の波長領域の光を用いることが好ましい。例えば波長が200nm以上400nm以下の光、好ましくは波長が250nm以上350nm以下の光を用いることが好ましい。特に、波長308nmのエキシマレーザを用いると、生産性に優れるため好ましい。エキシマレーザは、LTPSにおけるレーザ結晶化にも用いるため、既存のLTPS製造ラインの装置を流用することができ、新たな設備投資を必要としないため好ましい。また、Nd:YAGレーザの第三高調波である波長355nmのUVレーザなどの固体UVレーザ(半導体UVレーザともいう)を用いてもよい。また、ピコ秒レーザ等のパルスレーザーを用いてもよい。
光70として、線状のレーザ光を用いる場合には、支持基板61と光源とを相対的に移動させることで光70を走査し、剥離したい領域に亘って光70を照射する。この段階では、樹脂層102が配置される全面に亘って照射すると、樹脂層102全体が剥離可能となり、後の分離の工程で支持基板62の外周部をスクライブ等により分断する必要がない。又は、樹脂層102が配置される領域の外周部に光70を照射しない領域を設けると、光70の照射時に樹脂層102と支持基板62とが分離してしまうことを抑制できるため好ましい。
光70の照射により、光吸収層103aが加熱され、光吸収層103aから水素又は酸素等が放出される。このとき放出される水素又は酸素等は、ガス状となって放出される。放出されたガスは光吸収層103aと樹脂層102の界面近傍、又は光吸収層103aと支持基板62の界面近傍に留まり、これらを引き剥がす力が生じる。その結果、光吸収層103aと樹脂層102の密着性、又は光吸収層103aと支持基板62の密着性が低下し、容易に剥離可能な状態とすることができる。
また、光吸収層103aから放出されるガスの一部が、光吸収層103a中に留まる場合もある。そのため、光吸収層103aが脆化し、光吸収層103aの内部で分離しやすい状態となる場合がある。
また、光吸収層103aとして、酸素を放出する膜を用いた場合、光吸収層103aから放出された酸素により、樹脂層102の一部が酸化され、脆化する場合がある。これにより、樹脂層102と光吸収層103aとの界面で剥離しやすい状態とすることができる。
また、樹脂層102の開口部と重なる領域においても、上記と同じ理由により、光吸収層103aと絶縁層141との界面、光吸収層103aと支持基板62の界面の密着性が低下し、剥離しやすい状態となる。又は、光吸収層103aが脆化し、分離しやすい状態となる場合もある。
一方、光70を照射していない領域は、密着性は高いままである。
ここで、光吸収層103aと、半導体層112とにそれぞれ酸化物半導体膜を用いた場合、光70としては、当該酸化物半導体膜が吸収しうる波長の光を用いる。しかしながら、トランジスタ110の上側には、光吸収層103aと樹脂層102とが積層されて配置されている。さらに、十分に加熱処理が施された樹脂層102は酸化物半導体膜よりも光を吸収しやすい傾向があり、厚さが薄くても十分に光を吸収することができる。したがって、光70のうち光吸収層103aで吸収しきれずに透過する光が存在しても、樹脂層102によって吸収されるため、これが半導体層112に到達することが抑制される。その結果、トランジスタ110の電気特性の変動はほとんど生じない。
続いて、支持基板62と樹脂層102とを分離する(図13(B1))。
分離は、支持基板61をステージに固定した状態で、支持基板62に垂直方向に引っ張る力をかけることにより行うことができる。例えば支持基板62の上面の一部を吸着し、上方に引っ張ることにより、引き剥がすことができる。ステージは、支持基板61を固定できればどのような構成でもよいが、例えば真空吸着、静電吸着などが可能な吸着機構を有していてもよいし、支持基板61を物理的に留める機構を有していてもよい。
また、分離は表面に粘着性を有するドラム状の部材を支持基板62の上面に押し当て、これを回転させることにより行ってもよい。このとき、剥離方向にステージを動かしてもよい。
また、樹脂層102の外周部に光70を照射しない領域を設けた場合、樹脂層102光を照射した部分の一部に切欠き部を形成し、剥離のきっかけとしてもよい。切欠き部は、例えば鋭利な刃物又は針状の部材を用いることや、支持基板62と樹脂層102を同時にスクライブにより切断すること等により形成することができる。
図13(B1)では、光吸収層103aと樹脂層102の界面、及び光吸収層103aと絶縁層141の界面で剥離が生じている例を示している。
また、図13(B2)では、光吸収層103aの一部である光吸収層103aaが、樹脂層102及び絶縁層141の表面に接して残存している例を示している。例えば、光吸収層103aの内部で分離(破断)が生じている場合に相当する。なお、光吸収層103aと支持基板62との界面で剥離が生じる場合には、光吸収層103aの全部が樹脂層102及び絶縁層141に接して残存する場合がある。
このように、光吸収層103aa(または光吸収層103a)が残存した場合、これを除去することが好ましい。光吸収層103aaの除去は、ドライエッチング法、ウエットエッチング法、サンドブラスト法などを用いることができるが、特にドライエッチング法を用いることが好ましい。なお、光吸収層103aaを除去する際に、樹脂層102の一部、及び絶縁層141の一部がエッチングにより薄くなる場合がある。
なお、光吸収層103aに透光性を有する絶縁性材料を用いた場合には、残存した光吸収層103aaを残したままの状態としてもよい。
〔支持基板63の分離〕
続いて、図14(A)に示すように、表示パネル200の支持基板63側から、支持基板63を介して光吸収層103bに光70を照射する。
光70の照射方法については、上記の記載を援用できる。
続いて、支持基板63と樹脂層201とを分離する(図14(B))。分離は、上記の記載を援用することができる。図14(B)では、光吸収層103bと樹脂層201との界面、及び光吸収層103bと絶縁層231の界面で分離が生じている例を示している。
〔表示パネル100と表示パネル200の貼り合せ〕
続いて、図15(A)に示すように、表示パネル100の樹脂層102と、表示パネル200の樹脂層201とを、接着層50によって貼り合せる。接着層50としては、上記接着層151の記載を援用できる。
表示パネル100と表示パネル200とは、樹脂層102の開口部と、樹脂層201の開口部と、樹脂層202の開口部と、発光素子120とがそれぞれ重なるように貼り合せることが重要である。
このとき、表示パネル100と表示パネル200の位置ずれが生じてしまうと、発光素子120からの光が、表示パネル200の遮光性の部材に遮られてしまう場合がある。また、発光素子120からの光の光路上に、樹脂層201又は樹脂層202が位置してしまう場合がある。そのため、表示パネル100と表示パネル200には、それぞれ位置合わせ用のマーカーが形成されていることが好ましい。また、本作製方法例によれば、貼り合せの段階において、支持基板61と支持基板64を有しているため、可撓性を有する表示パネル同士を貼り合せる場合と比較して、位置合わせの精度を高めることが可能で、表示装置の高精細化が可能となる。例えば500ppiを超える精細度の表示装置を実現することができる。
〔支持基板61の分離〕
続いて、支持基板61側から、支持基板61を介して樹脂層101に光を照射する。光の照射方法については、光70に関する記載を援用できる。光の照射により、樹脂層101の支持基板61側の表面近傍、又は樹脂層101の内部の一部が改質され、支持基板61と樹脂層101との密着性が低下する。
その後、図15(B)に示すように支持基板61と樹脂層101とを分離する。
図15(B)には、支持基板61側に樹脂層101の一部である樹脂層101aが残存している例を示す。光の照射条件によっては、樹脂層101の内部で分離(破断)が生じ、このように樹脂層101aが残存する場合がある。又は、樹脂層101の表面の一部が融解する場合にも、同様に支持基板61側に樹脂層101aの一部が残存することがある。なお、支持基板61と樹脂層101の界面で剥離する場合、支持基板61側に樹脂層101aが残存しないことがある。
支持基板61側に残存する樹脂層101aの厚さは、例えば、100nm以下、具体的には40nm以上70nm以下程度とすることができる。残存した樹脂層101aを除去することで、支持基板61は再利用が可能である。例えば、支持基板61にガラスを用い、樹脂層101にポリイミド樹脂を用いた場合は、発煙硝酸等を用いて樹脂層101aを除去することができる。
分離は、支持基板64をステージ等に固定した状態で行うことができる。分離方法については、上記の記載を援用できる。
〔基板611の貼り合せ〕
続いて、図16(A)に示すように、接着層51を用いて樹脂層101と基板611とを貼り合せる。
接着層51は、上記接着層151の記載を援用できる。
基板611及び後述する基板612としては、樹脂材料を用いると、同じ厚さであってもガラス等を用いた場合に比べて、表示装置を軽量化できる。また、可撓性を有する程度に薄い材料を用いると、より軽量化できるため好ましい。また、樹脂材料を用いることで、表示装置の耐衝撃性を向上させることができ、割れにくい表示装置を実現できる。
また、基板611は視認側とは反対側に位置する基板であるため、可視光に対して透光性を有していなくてもよい。そのため、金属材料を用いることもできる。金属材料は熱伝導性が高く、基板全体に熱を容易に伝導できるため、表示装置の局所的な温度上昇を抑制することができる。
〔支持基板64の分離〕
続いて、支持基板64側から、支持基板64を介して光吸収層103cに光を照射する。その後、図16(B)に示すように支持基板64と樹脂層202とを分離する。図16(B)では、光吸収層103cと樹脂層202の界面、及び光吸収層103cと絶縁層204の界面において剥離が生じている例を示している。
光の照射方法については、光70に関する記載を援用できる。
分離は、基板611をステージ等に固定した状態で行うことができる。分離方法については、上記の記載を援用できる。
〔基板612の貼り合せ〕
続いて、接着層52を用いて樹脂層202と基板612とを貼り合せる。
接着層52は、上記接着層151の記載を援用できる。
基板612は、視認側に位置する基板であるため、可視光に対して透光性を有する材料を用いることができる。
以上の工程により、ディスプレイ117を作製することができる。
[作製方法例の変形例]
以下では、光吸収層を用いずに、開口部を有する樹脂層を形成する方法について説明する。
なお、ここでは、表示パネル100の樹脂層102を例に挙げて説明するが、同様の方法を表示パネル200が有する樹脂層201及び樹脂層202にも適用できる。
〔変形例1〕
まず、図17(A)に示すように凹部を有する樹脂層102を形成する。
まず、樹脂層102となる材料を支持基板62上に塗布し、プリベーク処理を行う。続いて、フォトマスクを用いて露光を行う。このとき、樹脂層102を開口する条件よりも露光量を減らすことで、樹脂層102に凹部を形成することができる。例えば、樹脂層102を開口する露光条件よりも、短い露光時間で露光する、露光光の強度を弱める、焦点をずらす、樹脂層102を厚く形成するなどの方法が挙げられる。
また、樹脂層102に開口部と凹部の両方を形成したい場合には、ハーフトーンマスク、又はグレートーンマスクを用いた露光技術、又は2以上のフォトマスクを用いた多重露光技術を用いればよい。
このようにして露光を行った後、現像処理を施すことで凹部が形成された樹脂層102を形成することができる。またその後にポストベーク処理を行う。
続いて、図17(B)に示すように、樹脂層102の上面及び凹部を覆って絶縁層141を形成する。
図17(C)は、支持基板61と支持基板62とを貼り合せた後に、光70を照射する工程における図である。光70を照射することで樹脂層102と支持基板62との密着性が低下する。
図17(D)は、支持基板62を剥離した後の状態における断面概略図である。
その後、樹脂層102の表面側の一部を、絶縁層141の表面が露出するようにエッチングすることで、図17(E)に示すように、開口部を有する樹脂層102を形成することができる。エッチングは、例えば酸素を含む雰囲気下でのプラズマ処理(アッシング処理)を用いると、制御性が高まり、均一にエッチングできるため好ましい。
なお、樹脂層102をエッチングせずに、図17(D)に示した状態のままとしてもよい。この構成でも、発光素子120からの光の経路上に位置する樹脂層102の厚さが他の部分よりも薄いため、光の吸収が抑制され、光取り出し効率を高めることができる。
〔変形例2〕
まず、図18(A)に示すように、支持基板62に樹脂層102bと、開口を有する樹脂層102cとを、積層して形成する。
樹脂層102bは、上記樹脂層101と同様に形成することができる。また樹脂層102cは、上記樹脂層102、樹脂層201等と同様に形成することができる。
ここで、先に形成する樹脂層102bに対して十分に加熱処理を施し、重合させておくことが好ましい。これにより、樹脂層102bと樹脂層102cに同じ材料を用いた場合であっても、後に形成する樹脂層102cとなる材料を塗布した時に、これに含まれる溶媒に樹脂層102bが溶けてしまうことを抑制できる。
図18(B)は支持基板61と支持基板62とを貼り合せた後に、光70を照射する工程における図である。光70を照射することで樹脂層102cと支持基板62との密着性が低下する。
図18(C)は、支持基板62を剥離した後の状態における断面概略図である。
その後、樹脂層102cを、絶縁層141の表面が露出するようにエッチングすることで、図18(D)に示すように、開口部を有する樹脂層102を形成することができる。エッチングは、例えば酸素を含む雰囲気下でのプラズマ処理(アッシング処理)を用いると、制御性が高まり、均一にエッチングできるため好ましい。
なお、樹脂層102bと樹脂層102cとに同じ材料を用いると、材料や装置を共通化できるため生産性を向上させることができる。また、これらに異なる材料を用いると、エッチング速度の選択比を大きくできるため、加工条件の自由度を広げることができる。
なお、樹脂層102bをエッチングせずに、図18(C)に示した状態のままとしてもよい。この構成でも、発光素子120からの光の経路上に位置する樹脂層102の厚さが他の部分よりも薄いため、光の吸収が抑制され、光取り出し効率を高めることができる。
以上が作製方法例の変形例についての説明である。
[構成例の変形例]
以下では、図9で示した構成例と比較して、一部の構成の異なる構成例について説明する。
図9では、発光素子120からの光の経路上に位置する樹脂層に、開口部を設ける構成としたが、反射型の液晶素子220における光の経路上に位置する樹脂層にも開口部を設けてもよい。
図19には、領域81に加えて領域82を有する例を示している。領域82は、樹脂層202の開口部、及び液晶素子220と重なる領域である。
なお、図19では樹脂層202に、発光素子120及び液晶素子220の両方と重なる1つの開口部が設けられている例を示したが、発光素子120と重なる開口部と、液晶素子220と重なる開口部とが別々に設けられた構成としてもよい。
[トランジスタについて]
図9で例示したディスプレイ117は、トランジスタ110とトランジスタ210の両方に、ボトムゲート構造のトランジスタを適用した場合の例である。
トランジスタ110は、ゲート電極として機能する導電層111が、半導体層112よりも被形成面側(樹脂層101側)に位置する。また、絶縁層132が導電層111を覆って設けられている。また半導体層112は、導電層111を覆って設けられている。半導体層112の導電層111と重なる領域が、チャネル形成領域に相当する。また、導電層113a及び導電層113bは、それぞれ半導体層112の上面及び側端部に接して設けられている。
なお、トランジスタ110は、導電層111よりも半導体層112の幅が大きい場合の例を示している。このような構成により、導電層111と導電層113a又は導電層113bの間に半導体層112が配置されるため、導電層111と導電層113a又は導電層113bとの間の寄生容量を小さくすることができる。
トランジスタ110は、チャネルエッチ型のトランジスタであり、トランジスタの占有面積を縮小することが比較的容易であるため、高精細な表示装置に好適に用いることができる。
トランジスタ210は、トランジスタ110と共通の特徴を有している。
ここで、トランジスタ110及びトランジスタ210に適用可能な、トランジスタの構成例について説明する。
図20(A)に示したトランジスタ110aは、トランジスタ110と比較して、導電層114及び絶縁層136を有する点で相違している。導電層114は、絶縁層133上に設けられ、半導体層112と重なる領域を有する。また絶縁層136は、導電層114及び絶縁層133を覆って設けられている。
導電層114は、半導体層112を挟んで導電層111とは反対側に位置している。導電層111を第1のゲート電極とした場合、導電層114は、第2のゲート電極として機能することができる。導電層111と導電層114に同じ電位を与えることで、トランジスタ110aのオン電流を高めることができる。また導電層111及び導電層114の一方にしきい値電圧を制御するための電位を与え、他方に駆動のための電位を与えることで、トランジスタ110aのしきい値電圧を制御することができる。
ここで、導電層114として、酸化物を含む導電性材料を用いることが好ましい。これにより、導電層114を構成する導電膜の成膜時に、酸素を含む雰囲気下で成膜することで、絶縁層133に酸素を供給することができる。好適には、成膜ガス中の酸素ガスの割合を90%以上100%以下の範囲とすることが好ましい。絶縁層133に供給された酸素は、後の熱処理により半導体層112に供給され、半導体層112中の酸素欠損の低減を図ることができる。
特に、導電層114には低抵抗化された酸化物半導体を用いることが好ましい。このとき、絶縁層136に水素を放出する絶縁膜、例えば窒化シリコン膜等を用いることが好ましい。絶縁層136の成膜中、又はその後の熱処理によって導電層114中に水素が供給され、導電層114の電気抵抗を効果的に低減することができる。
図20(B)に示すトランジスタ110bは、トップゲート構造のトランジスタである。
トランジスタ110bは、ゲート電極として機能する導電層111が、半導体層112よりも上側(被形成面側とは反対側)に設けられている。また、絶縁層131上に半導体層112が形成されている。また半導体層112上には、絶縁層132及び導電層111が積層して形成されている。また、絶縁層133は、半導体層112の上面及び側端部、絶縁層132の側面、及び導電層111を覆って設けられている。導電層113a及び導電層113bは、絶縁層133上に設けられている。導電層113a及び導電層113bは、絶縁層133に設けられた開口を介して、半導体層112の上面と電気的に接続されている。
なお、ここでは絶縁層132が、導電層111と重ならない部分に存在しない場合の例を示しているが、絶縁層132が半導体層112の上面及び側端部を覆って設けられていてもよい。
トランジスタ110bは、導電層111と導電層113a又は導電層113bとの物理的な距離を離すことが容易なため、これらの間の寄生容量を低減することが可能である。
図20(C)に示すトランジスタ110cは、トランジスタ110bと比較して、導電層115及び絶縁層137を有している点で相違している。導電層115は絶縁層131上に設けられ、半導体層112と重なる領域を有する。また絶縁層137は、導電層115及び絶縁層131を覆って設けられている。
導電層115は、上記導電層114と同様に第2のゲート電極として機能する。そのため、オン電流を高めることや、しきい値電圧を制御することなどが可能である。
ここで、ディスプレイ117において、表示パネル100が有するトランジスタと、表示パネル200が有するトランジスタとを、異なるトランジスタで構成してもよい。一例としては、発光素子120と電気的に接続するトランジスタは、比較的大きな電流を流す必要があるためトランジスタ110aやトランジスタ110cを適用し、その他のトランジスタには、トランジスタの占有面積を低減するために、トランジスタ110を適用することができる。
一例として、図21には、図9のトランジスタ210に代えてトランジスタ110aを適用し、トランジスタ110に代えてトランジスタ110cを適用した場合の例を示している。
以上がトランジスタについての説明である。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置を適用可能な携帯可能な電子機器について説明する。
図22(A)、図22(B)に、携帯情報端末800の一例を示す。携帯情報端末800は、筐体801、筐体802、表示部803、表示部804、及びヒンジ部805等を有する。
筐体801と筐体802は、ヒンジ部805で連結されている。携帯情報端末800は、図22(A)に示すように折り畳んだ状態から、図22(B)に示すように筐体801と筐体802を開くことができる。
例えば表示部803及び表示部804に、文書情報を表示することが可能であり、電子書籍端末としても用いることができる。また、表示部803及び表示部804に静止画像や動画像を表示することもできる。
このように、携帯情報端末800は、持ち運ぶ際には折り畳んだ状態にできるため、汎用性に優れる。
なお、筐体801及び筐体802には、電源ボタン、操作ボタン、外部接続ポート、スピーカ、マイク等を有していてもよい。
図22(C)に携帯情報端末の一例を示す。図22(C)に示す携帯情報端末810は、筐体811、表示部812、操作ボタン813、外部接続ポート814、スピーカ815、マイク816、カメラ817等を有する。
携帯情報端末810は、表示部812にタッチセンサを備える。電話を掛ける、或いは文字を入力するなどのあらゆる操作は、指やスタイラスなどで表示部812に触れることで行うことができる。
また、操作ボタン813の操作により、電源のON、OFF動作や、表示部812に表示される画像の種類を切り替えることができる。例えば、メール作成画面から、メインメニュー画面に切り替えることができる。
また、携帯情報端末810の内部に、ジャイロセンサ又は加速度センサ等の検出装置を設けることで、携帯情報端末810の向き(縦か横か)を判断して、表示部812の画面表示の向きを自動的に切り替えるようにすることができる。また、画面表示の向きの切り替えは、表示部812を触れること、操作ボタン813の操作、又はマイク816を用いた音声入力等により行うこともできる。
携帯情報端末810は、例えば、電話機、手帳又は情報閲覧装置等から選ばれた一つ又は複数の機能を有する。具体的には、スマートフォンとして用いることができる。携帯情報端末810は、例えば、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、動画再生、インターネット通信、ゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。
図22(D)に、カメラの一例を示す。カメラ820は、筐体821、表示部822、操作ボタン823、シャッターボタン824等を有する。またカメラ820には、着脱可能なレンズ826が取り付けられている。
ここではカメラ820として、レンズ826を筐体821から取り外して交換することが可能な構成としたが、レンズ826と筐体が一体となっていてもよい。
カメラ820は、シャッターボタン824を押すことにより、静止画、又は動画を撮像することができる。また、表示部822はタッチパネルとしての機能を有し、表示部822をタッチすることにより撮像することも可能である。
なお、カメラ820は、ストロボ装置や、ビューファインダーなどを別途装着することができる。又は、これらが筐体821に組み込まれていてもよい。
本発明の半導体装置を本実施の形態の携帯可能な電子機器に用いた場合、使用する環境により放射線によるソフトエラーの発生確率が高まるような場合においても、本発明を利用することで容易に環境の変化に対応することができる。なお、本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態5)
以下では、本発明の一態様に係るトランジスタ350を有する半導体装置の一例について説明する。
図23(A)は、トランジスタ350を有する半導体装置の上面図である。また、図23(B)は、図23(A)にA1−A2の一点鎖線で示す部位の断面図であり、トランジスタ350のチャネル長方向の断面図でもある。また、図23(C)は、図23(A)にA3−A4の一点鎖線で示す部位の断面図であり、トランジスタ350のチャネル幅方向の断面図でもある。図23(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて図示している。
図23(A)から(C)に示すように、トランジスタ350は、基板(図示せず)の上に配置された絶縁層402と、絶縁層402の上に配置された酸化物半導体膜406aと、酸化物半導体膜406aの上面の少なくとも一部に接して配置された酸化物半導体膜406bと、酸化物半導体膜406bの上に配置された絶縁層412と、絶縁層412の上に配置された導電層404aと、導電層404aの上に配置された導電層404bと、導電層404bの上に配置された絶縁層419と、絶縁層412、導電層404a、及び導電層404b、及び絶縁層419の側面に接して配置された絶縁層418と、酸化物半導体膜406bの上面に接し、かつ絶縁層418の側面に接して配置された絶縁層409と、を有する。ここで、図23(B)に示すように、絶縁層418の上面は、絶縁層419の上面と略一致することが好ましい。また、絶縁層409は、絶縁層419、導電層404、絶縁層418、及び酸化物半導体膜406を覆って設けられることが好ましい。
以下において、酸化物半導体膜406aと酸化物半導体膜406bをまとめて酸化物半導体膜406という場合がある。なお、トランジスタ350では、酸化物半導体膜406a及び酸化物半導体膜406bを積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、酸化物半導体膜406bのみを設ける構成にしてもよい。また、導電層404aと導電層404bをまとめて導電層404という場合がある。なお、トランジスタ350では、導電層404a及び導電層404bを積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、導電層404bのみを設ける構成にしてもよい。
また、トランジスタ350は、基板の上に絶縁層432を配置する構成にしてもよい。また、絶縁層401の上に配置された絶縁層430と、絶縁層430に埋め込まれるように配置された導電層440と、を有する構成にしてもよい。また、絶縁層430の上に絶縁層401を配置し、絶縁層401の上に絶縁層301を配置する構成にしてもよい。また、トランジスタ350は、絶縁層401及び絶縁層301に埋め込まれるように配置された導電層310を有する構成にしてもよい。ここで、導電層310は、導電層440の上に接して設けられ、酸化物半導体膜406及び導電層404と重なるように配置されることが好ましい。また、絶縁層301と導電層310の上に配置された絶縁層302と、絶縁層302の上に配置された絶縁層303と、を有し、絶縁層303の上に絶縁層402を配置する構成にしてもよい。
導電層440は、絶縁層430の開口の内壁に接して導電層440aが形成され、さらに内側に導電層440bが形成されている。ここで、導電層440a及び導電層440bの上面の高さと、絶縁層430の上面の高さは同程度にできる。なお、トランジスタ350では、導電層440a及び導電層440bを積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、導電層440bのみを設ける構成にしてもよい。
導電層310は、絶縁層401及び絶縁層301の開口の内壁に接して導電層310aが形成され、さらに内側に導電層310bが形成されている。よって、導電層310aは導電層440bに接する構成が好ましい。ここで、導電層310a及び導電層310bの上面の高さと、絶縁層301の上面の高さは同程度にできる。なお、トランジスタ350では、導電層310a及び導電層310bを積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、導電層310bのみを設ける構成にしてもよい。
導電層404は、トップゲートとして機能でき、導電層310は、バックゲートとして機能できる。バックゲートの電位は、トップゲートと同電位としてもよいし、接地電位や、任意の電位としてもよい。また、バックゲートの電位をトップゲートと連動させず独立して変化させることで、トランジスタのしきい値電圧を変化させることができる。
導電層440は、導電層404と同様にチャネル幅方向に延伸されており、導電層310、すなわちバックゲートに電位を印加する配線として機能する。ここで、バックゲートの配線として機能する導電層440の上に積層して、絶縁層401及び絶縁層301に埋め込まれた導電層310を設けることにより、導電層440と導電層404の間に絶縁層401及び絶縁層301などが設けられ、導電層440と導電層404の間の寄生容量を低減し、絶縁耐圧を高めることができる。導電層440と導電層404の間の寄生容量を低減することで、トランジスタのスイッチング速度を向上させ、高い周波数特性を有するトランジスタにすることができる。また、導電層440と導電層404の間の絶縁耐圧を高めることで、トランジスタ350の信頼性を向上させることができる。よって、絶縁層401及び絶縁層301の膜厚を大きくすることが好ましい。なお、導電層440の延伸方向はこれに限られず、例えば、トランジスタ350のチャネル長方向に延伸されてもよい。
ここで、導電層310a及び導電層440aは、水又は水素などの不純物の透過を抑制する機能を有する(透過しにくい)導電性材料を用いることが好ましい。例えば、タンタル、窒化タンタル、ルテニウム又は酸化ルテニウムなどを用いることが好ましく、単層又は積層とすればよい。これにより、絶縁層432より下層から水素、水などの不純物が導電層440及び導電層310を通じて上層に拡散するのを抑制することができる。なお、導電層310a及び導電層440aは、水素原子、水素分子、水分子、酸素原子、酸素分子、窒素原子、窒素分子、酸化窒素分子(NO、NO、NOなど)、銅原子などの不純物又は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子など)の少なくとも一の透過を抑制する機能を有することが好ましい。また、以下において、不純物の透過を抑制する機能を有する導電性材料について記載する場合も同様である。導電層310a及び導電層440aが酸素の透過を抑制する機能を持つことにより、導電層310b及び導電層440bが酸化して導電率が低下することを防ぐことができる。
また、導電層310bは、タングステン、銅、又はアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。また、図示しないが、導電層310bは積層構造としても良く、例えば、チタン、窒化チタンと上記導電性材料との積層としてもよい。
また、導電層440bは、配線として機能するため、導電層310bより導電性が高い導電層を用いることが好ましく、例えば、銅、又はアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることができる。また、図示しないが、導電層440bは積層構造としても良く、例えば、チタン、窒化チタンと上記導電性材料との積層としてもよい。
絶縁層432及び絶縁層401は、下層から水又は水素などの不純物がトランジスタに混入するのを防ぐバリア絶縁膜として機能できる。絶縁層432及び絶縁層401は、水又は水素などの不純物の透過を抑制する機能を有する絶縁性材料を用いることが好ましい。例えば、絶縁層432として酸化アルミニウムなどを用い、絶縁層401として窒化シリコンなどを用いることが好ましい。これにより、水素、水などの不純物が絶縁層432及び絶縁層401より上層に拡散するのを抑制することができる。なお、絶縁層432及び絶縁層401は、水素原子、水素分子、水分子、窒素原子、窒素分子、酸化窒素分子(NO、NO、NOなど)、銅原子などの不純物の少なくとも一の透過を抑制する機能を有することが好ましい。また、以下において、不純物の透過を抑制する機能を有する絶縁性材料について記載する場合も同様である。
また、絶縁層432及び絶縁層401は、酸素(例えば、酸素原子または酸素分子など)の透過を抑制する機能を有する絶縁性材料を用いることが好ましい。これにより、絶縁層402などに含まれる酸素が下方拡散するのを抑制することができる。
また、導電層440の上に導電層310を積層して設ける構成にすることにより、導電層440と導電層310の間に絶縁層401を設けることができる。ここで、導電層440bに銅など拡散しやすい金属を用いても、絶縁層401として窒化シリコンなどを設けることにより、当該金属が絶縁層401より上の層に拡散するのを防ぐことができる。
また、絶縁層303は、水又は水素などの不純物、及び酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁性材料を用いることが好ましく、例えば、酸化アルミニウム又は酸化ハフニウムなどを用いることが好ましい。これにより、絶縁層303より下層から水素、水などの不純物が絶縁層303より上層に拡散するのを抑制することができる。さらに、絶縁層402などに含まれる酸素が下方拡散するのを抑制することができる。
また、絶縁層402中の水、水素又は窒素酸化物などの不純物濃度が低減されていることが好ましい。例えば、絶縁層402の水素の脱離量は、昇温脱離ガス分析法(TDS(Thermal Desorption Spectroscopy))において、50℃から500℃の範囲において、水素分子に換算した脱離量が、絶縁層402の面積当たりに換算して、2×1015molecules/cm以下、好ましくは1×1015molecules/cm以下、より好ましくは5×1014molecules/cm以下であればよい。また、絶縁層402は、加熱により酸素が放出される絶縁層を用いて形成することが好ましい。
絶縁層412は、第1のゲート絶縁膜として機能でき、絶縁層302、絶縁層303、及び絶縁層402は、第2のゲート絶縁膜として機能できる。なお、トランジスタ350では、絶縁層302、絶縁層303、及び絶縁層402を積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、絶縁層302、絶縁層303、及び絶縁層402のうちいずれか2層を積層した構造にしてもよいし、いずれか1層を用いる構造にしてもよい。
酸化物半導体膜406は、酸化物半導体として機能する金属酸化物(以下、酸化物半導体ともいう)を用いることが好ましい。金属酸化物としては、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上のものを用いることが好ましい。このように、エネルギーギャップの広い金属酸化物を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができる。
酸化物半導体を用いたトランジスタは、非導通状態において極めてリーク電流が小さいため、低消費電力の半導体装置が提供できる。また、酸化物半導体は、スパッタリング法などを用いて成膜できるため、高集積型の半導体装置を構成するトランジスタに用いることができる。
ここで、酸化物半導体膜406aに用いる金属酸化物において、構成元素中の元素Mの原子数比が、酸化物半導体膜406bに用いる金属酸化物における、構成元素中の元素Mの原子数比より大きいことが好ましい。また、酸化物半導体膜406aに用いる金属酸化物において、Inに対する元素Mの原子数比が、酸化物半導体膜406bに用いる金属酸化物における、Inに対する元素Mの原子数比より大きいことが好ましい。また、酸化物半導体膜406bに用いる金属酸化物において、元素Mに対するInの原子数比が、酸化物半導体膜406aに用いる金属酸化物における、元素Mに対するInの原子数比より大きいことが好ましい。
以上のような金属酸化物を酸化物半導体膜406aとして用いて、酸化物半導体膜406aの伝導帯下端のエネルギーが、酸化物半導体膜406bの伝導帯下端のエネルギーが低い領域における、伝導帯下端のエネルギーより高くなることが好ましい。また、言い換えると、酸化物半導体膜406aの電子親和力が、酸化物半導体膜406bの伝導帯下端のエネルギーが低い領域における電子親和力より小さいことが好ましい。
ここで、酸化物半導体膜406a及び酸化物半導体膜406bにおいて、伝導帯下端のエネルギー準位はなだらかに変化する。換言すると、連続的に変化又は連続接合するともいうことができる。このようにするためには、酸化物半導体膜406aと酸化物半導体膜406bとの界面において形成される混合層の欠陥準位密度を低くするとよい。
具体的には、酸化物半導体膜406aと酸化物半導体膜406bが、酸素以外に共通の元素を有する(主成分とする)ことで、欠陥準位密度が低い混合層を形成することができる。例えば、酸化物半導体膜406bがIn−Ga−Zn酸化物の場合、酸化物半導体膜406aとして、In−Ga−Zn酸化物、Ga−Zn酸化物、酸化ガリウムなどを用いるとよい。
このとき、キャリアの主たる経路は酸化物半導体膜406bに形成されるナローギャップ部分となる。酸化物半導体膜406aと酸化物半導体膜406bとの界面における欠陥準位密度を低くすることができるため、界面散乱によるキャリア伝導への影響が小さく、高いオン電流が得られる。
また、酸化物半導体膜406は、領域426a、領域426b、及び領域426cを有する。領域426aは、図23(B)に示すように、領域426bと領域426cに挟まれる。領域426b及び領域426cは、絶縁層409の成膜により低抵抗化された領域であり、領域426aより導電性が高い領域となる。領域426b及び領域426cは、絶縁層409の成膜雰囲気に含まれる、水素又は窒素などの不純物元素が添加される。これにより、酸化物半導体膜406bの絶縁層409と重なる領域を中心に、添加された不純物元素により酸素欠損が形成され、さらに当該不純物元素が酸素欠損に入り込むことで、キャリア密度が高くなり、低抵抗化される。
よって、領域426b及び領域426cは、領域426aより、水素及び窒素の少なくとも一方の濃度が大きくなることが好ましい。水素又は窒素の濃度は、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)などを用いて測定すればよい。ここで、領域426aの水素又は窒素の濃度としては、酸化物半導体膜406bの絶縁層412と重なる領域の中央近傍(例えば、酸化物半導体膜406bの絶縁層412のチャネル長方向の両側面からの距離が概略等しい部分)の水素又は窒素の濃度を測定すればよい。
なお、領域426b及び領域426cは、酸素欠損を形成する元素、又は酸素欠損と結合する元素を添加されることで低抵抗化される。このような元素としては、代表的には水素、ホウ素、炭素、窒素、フッ素、リン、硫黄、塩素、チタン、希ガス等が挙げられる。また、希ガス元素の代表例としては、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、及びキセノン等がある。よって、領域426b及び領域426cは、上記元素の一つ又は複数を含む構成にすればよい。
また、酸化物半導体膜406aは、領域426b及び領域426cにおいて、元素Mに対するInの原子数比が、酸化物半導体膜406bの元素Mに対するInの原子数比と同程度になることが好ましい。言い換えると、酸化物半導体膜406aは、領域426b及び領域426cにおける元素Mに対するInの原子数比が、領域426aにおける元素Mに対するInの原子数比より大きいことが好ましい。ここで、酸化物半導体膜406は、インジウムの含有率を高くすることで、キャリア密度を高くし、低抵抗化を図ることができる。このような構成にすることにより、トランジスタ350の作製工程において、酸化物半導体膜406bの膜厚が薄くなり、酸化物半導体膜406bの電気抵抗が大きくなった場合でも、領域426b及び領域426cにおいて、酸化物半導体膜406aが十分低抵抗化されており、酸化物半導体膜406の領域426b及び領域426cはソース領域及びドレイン領域として機能させることができる。
図23(B)に示す領域426b及び領域426cは、酸化物半導体膜406の少なくとも絶縁層409と重なる領域に形成される。ここで、酸化物半導体膜406bの領域426b及び領域426cの一方は、ソース領域として機能でき、他方はドレイン領域として機能できる。また、酸化物半導体膜406bの領域426aはチャネル形成領域として機能できる。
なお、図23(B)では、領域426a、領域426b、及び領域426cが、酸化物半導体膜406b及び酸化物半導体膜406aに形成されているが、これらの領域は少なくとも酸化物半導体膜406bに形成されていればよい。また、図23(B)などでは、領域426aと領域426bの境界、及び領域426aと領域426cの境界を酸化物半導体膜406の上面に対して略垂直に表示しているが、本実施の形態はこれに限られるものではない。例えば、領域426b及び領域426cが酸化物半導体膜406bの表面近傍では導電層404側に張り出し、酸化物半導体膜406aの下面近傍では、絶縁層409側に後退する形状になる場合がある。
トランジスタ350では、領域426b及び領域426cが、酸化物半導体膜406の絶縁層409と接する領域と、絶縁層418、及び絶縁層412の両端部近傍と重なる領域に形成される。このとき、領域426b及び領域426cの導電層404と重なる部分は、所謂オーバーラップ領域(Lov領域ともいう)として機能する。Lov領域を有する構造とすることで、酸化物半導体膜406のチャネル形成領域と、ソース領域及びドレイン領域との間に高抵抗領域が形成されないため、トランジスタのオン電流及び移動度を大きくすることができる。
ただし、本実施の形態に示す半導体装置はこれに限られるものではない。領域426b及び領域426cが、酸化物半導体膜406の絶縁層409及び絶縁層418と重なる領域に形成される構成にしてもよい。つまり、導電層404のチャネル長方向の幅と、領域426aとの幅と、が概略一致している構成である。以上の構成とすることで、ソース領域及びドレイン領域との間に高抵抗領域が形成されないため、トランジスタのオン電流を大きくすることができる。また、以上の構成とすることで、チャネル長方向において、ソース領域及びドレイン領域と、ゲートとが重ならないため、不要な容量が形成されるのを抑制することができる。
このように、領域426b及び領域426cの範囲を適宜選択することにより、回路設計に合わせて、要求に見合う電気特性を有するトランジスタを容易に提供することができる。
絶縁層412は、酸化物半導体膜406bの上面に接して配置されることが好ましい。絶縁層412は、加熱により酸素が放出される絶縁層を用いて形成することが好ましい。このような絶縁層412を酸化物半導体膜406bの上面に接して設けることにより、酸化物半導体膜406bに効果的に酸素を供給することができる。また、絶縁層402と同様に、絶縁層412中の水又は水素などの不純物濃度が低減されていることが好ましい。絶縁層412の膜厚は、1nm以上20nm以下とするのが好ましく、例えば、1nm程度の膜厚にすればよい。
絶縁層412は酸素を含むことが好ましい。例えば、昇温脱離ガス分光法分析(TDS分析)にて、100℃以上700℃以下又は100℃以上500℃以下の表面温度の範囲で、酸素分子の脱離量を絶縁層412の面積当たりに換算して、1×1014molecules/cm以上、好ましくは2×1014molecules/cm以上、より好ましくは4×1014molecules/cm以上であればよい。
絶縁層412、導電層404、及び絶縁層419は、酸化物半導体膜406bと重なる領域を有する。また、絶縁層412、導電層404a、導電層404b、及び絶縁層419の側面は略一致することが好ましい。
導電層404aとして、導電性酸化物を用いることが好ましい。例えば、酸化物半導体膜406a又は酸化物半導体膜406bとして用いることができる金属酸化物を用いることができる。特に、In−Ga−Zn系酸化物のうち、導電性が高い、金属の原子数比が[In]:[Ga]:[Zn]=4:2:3から4.1、及びその近傍値のものを用いることが好ましい。このような導電層404aを設けることで、導電層404bへの酸素の透過を抑制し、酸化によって導電層404bの電気抵抗値が増加することを防ぐことができる。
また、このような導電性酸化物を、スパッタリング法を用いて成膜することで、絶縁層412に酸素を添加し、酸化物半導体膜406bに酸素を供給することが可能となる。これにより、酸化物半導体膜406の領域426aの酸素欠損を低減することができる。
導電層404bは、例えばタングステンなどの金属を用いることができる。また、導電層404bとして、導電層404aに窒素などの不純物を添加して導電層404aの導電性を向上できる導電層を用いてもよい。例えば導電層404bは、窒化チタンなどを用いることが好ましい。また、導電層404bを、窒化チタンなどの金属窒化物と、その上にタングステンなどの金属を積層した構造にしてもよい。
ここで、ゲート電極の機能を有する導電層404が、絶縁層412を介して、酸化物半導体膜406bの領域426a近傍の上面及びチャネル幅方向の側面を覆うように設けられる。従って、ゲート電極としての機能を有する導電層404の電界によって、酸化物半導体膜406bの領域426a近傍の上面及びチャネル幅方向の側面を電気的に取り囲むことができる。導電層404の電界によって、チャネル形成領域を電気的に取り囲むトランジスタの構造を、surrounded channel(s−channel)構造とよぶ。そのため、酸化物半導体膜406bの領域426a近傍の上面及びチャネル幅方向の側面にチャネルを形成することができるので、ソース−ドレイン間に大電流を流すことができ、導通時の電流(オン電流)を大きくすることができる。また、酸化物半導体膜406bの領域426a近傍の上面及びチャネル幅方向の側面が、導電層404の電界によって取り囲まれていることから、非導通時のリーク電流(オフ電流)を小さくすることができる。
導電層404bの上に絶縁層419が配置されることが好ましい。また、絶縁層419、導電層404a、導電層404b、及び絶縁層412の側面は略一致することが好ましい。絶縁層419は、原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法を用いて成膜することが好ましい。これにより、絶縁層419の膜厚を1nm以上20nm以下程度、好ましくは5nm以上510nm以下程度で成膜することができる。ここで、絶縁層419は、絶縁層418と同様に、水又は水素などの不純物、及び酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁性材料を用いることが好ましく、例えば、酸化アルミニウム又は酸化ハフニウムなどを用いることが好ましい。
このような絶縁層419を設けることにより、水又は水素などの不純物、及び酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁層419と絶縁層418で導電層404の上面と側面を覆うことができる。これにより、導電層404を介して、水又は水素などの不純物が酸化物半導体膜406に混入することを防ぐことができる。このように、絶縁層418と絶縁層419はゲートを保護するゲートキャップとしての機能を有する。
絶縁層418は、絶縁層412、導電層404、及び絶縁層419の側面に接して設けられる。また、絶縁層418の上面は、絶縁層419の上面に略一致することが好ましい。絶縁層418は、ALD法を用いて成膜することが好ましい。これにより、絶縁層418の膜厚を1nm以上20nm以下程度、好ましくは1nm以上3nm以下程度、例えば1nmで成膜することができる。なお、ALD法で用いるプリカーサには炭素などの不純物を含むものがある。このため、絶縁層418は、炭素などの不純物を含む場合がある。例えば、絶縁層401がスパッタリング法で形成され、絶縁層418がALD法で形成される場合、絶縁層418と絶縁層401を酸化アルミニウムで成膜しても、絶縁層418に含まれる炭素などの不純物が絶縁層401より多い場合がある。なお、不純物の定量は、X線光電子分光法(XPS:X−ray Photoelectron Spectroscopy)を用いて行うことができる。
上記の通り、酸化物半導体膜406の領域426b及び領域426cは、絶縁層409の成膜で添加された不純物元素によって形成される。トランジスタが微細化され、チャネル長が10nm〜30nm程度に形成されている場合、ソース領域又はドレイン領域に含まれる不純物元素が拡散し、ソース領域とドレイン領域が電気的に導通する恐れがある。これに対して、本実施の形態に示すように、絶縁層418を形成することにより、酸化物半導体膜406の絶縁層409と接する領域どうしの間の距離を大きくすることができるので、ソース領域とドレイン領域が電気的に導通することを防ぐことができる。さらに、ALD法を用いて、絶縁層418を形成することで、微細化されたチャネル長と同程度以下の膜厚にし、必要以上にソース領域とドレイン領域の距離が広がって、抵抗が増大することをふせぐことができる。
ここで、絶縁層418は、水又は水素などの不純物、及び酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁性材料を用いることが好ましく、例えば、酸化アルミニウム又は酸化ハフニウムなどを用いることが好ましい。これにより、絶縁層412中の酸素が外部に拡散することを防ぐことができる。また、絶縁層412の端部などから酸化物半導体膜406に水素、水などの不純物が浸入するのを抑制することができる。
絶縁層418は、ALD法を用いて絶縁膜を成膜してから、異方性エッチングを行って、当該絶縁膜のうち、絶縁層412、導電層404、及び絶縁層419の側面に接する部分を残存させて形成することが好ましい。これにより、上記のように膜厚の薄い絶縁層を容易に形成することができる。また、このとき、導電層404の上に、絶縁層419を設けておくことで、当該異方性エッチングで絶縁層419が一部除去されても、絶縁層418の絶縁層412及び導電層404に接する部分を十分残存させることができる。
上記の半導体装置の作製方法においては、酸化物半導体膜406に接して絶縁層409を成膜することにより、領域426b及び領域426cを形成したが、本実施の形態に係る半導体装置の作製方法はこれに限られるものではない。例えば、ドーパントを添加することで、領域426b及び領域426cを形成してもよい。
ドーパントを添加する工程は、図23に示す絶縁層418の形成の次に行う。図23に示すように、絶縁層412、導電層404、及び絶縁層418をマスクとして、酸化物半導体膜406にドーパントを添加する。
ドーパントの添加方法としては、イオン化された原料ガスを質量分離して添加するイオン注入法、イオン化された原料ガスを質量分離せずに添加するイオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法などを用いることができる。質量分離を行う場合、添加するイオン種及びその濃度を厳密に制御することができる。一方、質量分離を行わない場合、短時間で高濃度のイオンを添加することができる。また、原子又は分子のクラスターを生成してイオン化するイオンドーピング法を用いてもよい。なお、ドーパントを、イオン、ドナー、アクセプター、不純物又は元素などと言い換えてもよい。
ドーパントとしては、上述の酸素欠損を形成する元素、又は酸素欠損と結合する元素などを用いればよい。このような元素としては、代表的には水素、ホウ素、炭素、窒素、フッ素、リン、硫黄、塩素、チタン、希ガス等が挙げられる。また、希ガス元素の代表例としては、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、及びキセノン等がある。
また、上記の通り、酸化物半導体膜406は、インジウムの含有率を高くすることで、キャリア密度を高くし、低抵抗化を図ることができる。よって、ドーパントとして酸化物半導体膜406のキャリア密度を向上させるインジウムなどの金属元素を用いることができる。ここで、インジウムが、酸化物半導体膜406aに濃度のピークを持つように、ドーパントを添加することが好ましい。
このようにしてインジウムを添加し、酸化物半導体膜406aは、領域426b及び領域426cにおいて、元素Mに対するインジウムの原子数比が、酸化物半導体膜406bの元素Mに対するインジウムの原子数比と同程度になることが好ましい。言い換えると、酸化物半導体膜406aは、領域426b及び領域426cにおける元素Mに対するインジウムの原子数比が、領域426aにおける元素Mに対するインジウムの原子数比より大きくなることが好ましい。
このようにインジウムを添加することにより、トランジスタ350の作製工程において、酸化物半導体膜406bの膜厚が薄くなり、酸化物半導体膜406bの電気抵抗が大きくなった場合でも、領域426b及び領域426cにおいて、酸化物半導体膜406aが十分低抵抗化されており、酸化物半導体膜406の領域426b及び領域426cはソース領域及びドレイン領域として機能させることができる。
このようにして、酸化物半導体膜406に領域426b及び領域426cを形成した後で、絶縁層409などと同様の、水又は水素などの不純物、及び酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁性材料を用いることが好ましい。領域426b及び領域426cの上にこのような絶縁層を設けることにより、水又は水素などの不純物、や酸素が領域426b及び領域426cに混入して、キャリア密度が変化することを防ぐことができる。
絶縁層409は、絶縁層419、絶縁層418、酸化物半導体膜406及び絶縁層402を覆って設けられる。ここで、絶縁層409は、絶縁層419及び絶縁層418の上面に接し、かつ絶縁層418の側面に接して設けられる。絶縁層409は、上述の通り、水素又は窒素などの不純物を酸化物半導体膜406に添加して、領域426b及び領域426cを形成する。このため、絶縁層409は、水素及び窒素の少なくとも一方を有することが好ましい。
また、絶縁層409は、酸化物半導体膜406bの上面に加えて、酸化物半導体膜406bの側面及び酸化物半導体膜406aの側面に接して設けられることが好ましい。これにより、領域426b及び領域426cにおいて、酸化物半導体膜406bの側面及び酸化物半導体膜406aの側面まで低抵抗化することができる。
また、絶縁層409は、水又は水素などの不純物、及び酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁性材料を用いることが好ましい。例えば、絶縁層409として、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウムなどを用いることが好ましい。このような絶縁層409を形成することで、絶縁層409を透過して酸素が浸入し、領域426b及び領域426cの酸素欠損に酸素を供給して、キャリア密度が低下するのを防ぐことができる。また、絶縁層409を透過して水又は水素などの不純物が浸入し、領域426b及び領域426cが過剰に領域426a側に拡張するのを防ぐことができる。
絶縁層409の上に絶縁層415を設けることが好ましい。絶縁層415は、絶縁層402などと同様に、膜中の水又は水素などの不純物濃度が低減されていることが好ましい。なお、絶縁層415の上に絶縁層432と同様の絶縁層を設けてもよい。
絶縁層415及び絶縁層409に形成された開口に導電層450a及び導電層451aと、導電層450b及び導電層451bと、が配置される。導電層450a及び導電層451aと、導電層450b及び導電層451bと、は、導電層404を挟んで対向して設けられることが好ましい。
ここで、絶縁層415及び絶縁層409の開口の内壁に接して導電層450aが形成され、さらに内側に導電層451aが形成されている。当該開口の底部の少なくとも一部には酸化物半導体膜406の領域426bが位置しており、導電層450aは領域426bと接する。同様に、絶縁層415及び絶縁層409の開口の内壁に接して導電層450bが形成され、さらに内側に導電層451bが形成されている。当該開口の底部の少なくとも一部には酸化物半導体膜406の領域426cが位置しており、導電層450bは領域426cと接する。
図23(B)に示すように、導電層450bは、少なくとも酸化物半導体膜406の上面と接し、さらに酸化物半導体膜406の側面と接することが好ましい。また、図23(B)に示すように、導電層450bが、酸化物半導体膜406のチャネル長方向のA2側の側面と接する構成にしてもよい。このように、導電層450bが酸化物半導体膜406の上面に加えて、酸化物半導体膜406の側面と接する構成にすることにより、導電層450bと酸化物半導体膜406のコンタクト部の上面積を増やすことなく、コンタクト部の接触面積を増加させ、導電層450bと酸化物半導体膜406の接触抵抗を低減することができる。これにより、トランジスタのソース電極及びドレイン電極の微細化を図りつつ、オン電流を大きくすることができる。なお、導電層450a及び導電層451aについても上記と同様のことが言える。
ここで、導電層450aはトランジスタ350のソース領域及びドレイン領域の一方として機能する領域426bと接しており、導電層450bはトランジスタ350のソース領域及びドレイン領域の他方として機能する領域426cと接している。よって、導電層450a及び導電層451aはソース電極及びドレイン電極の一方として機能でき、導電層450b及び導電層451bはソース電極及びドレイン電極の他方として機能できる。領域426b及び領域426cは低抵抗化されているので、導電層450aと領域426bの接触抵抗、及び導電層450bと領域426cの接触抵抗を低減し、トランジスタ350のオン電流を大きくすることができる。
ここで、導電層450a及び導電層450bは、導電層310aなどと同様に、水又は水素などの不純物の透過を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。例えば、タンタル、窒化タンタル、チタン、窒化チタン、ルテニウム又は酸化ルテニウムなどを用いることが好ましく、単層又は積層とすればよい。これにより、絶縁層415より上層から水素、水などの不純物が導電層451a及び導電層451bを通じて酸化物半導体膜406に混入するのを抑制することができる。
また、導電層451a及び導電層451bは、タングステン、銅、又はアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。また、図示しないが、導電層451a及び導電層451bは積層構造としても良く、例えば、チタン、窒化チタンと上記導電性材料との積層としてもよい。
なお、図23(C)では、導電層450a及び導電層450bが、酸化物半導体膜406a及び酸化物半導体膜406bの両方と接しているが、これに限られず、例えば、酸化物半導体膜406bのみと接する構成にしてもよい。また、導電層450a、導電層451a、導電層450b、及び導電層451bの上面の高さは同程度にできる。また、トランジスタ350では、導電層450aと導電層451aを積層にし、導電層450bと導電層451bを積層にする構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、導電層451aと導電層451bのみを設ける構成にしてもよい。
導電層451aの上面に接して導電層452aが配置され、導電層451bの上面に接して導電層452bが配置されることが好ましい。導電層452a及び導電層452bは、タングステン、銅、又はアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。また、図示しないが、導電層452a及び導電層452bは積層構造としても良く、例えば、チタン、窒化チタンと上記導電性材料との積層としてもよい。なお、導電層452a及び導電層452bは、導電層440などと同様に、絶縁層に設けられた開口に埋め込むように形成してもよい。
もしくは、導電層451a及び導電層451bの上に、導電層452a及び導電層452bを配置するために、導電層451a及び導電層451bの上面は、平坦性を高めるために化学機械研磨(CMP)法等を用いた平坦化処理により平坦化されていてもよい。
以上のように、本発明の一態様により、微細化又は高集積化が可能な半導体装置を提供することができる。又は、本発明の一態様により、良好な電気特性を有する半導体装置を提供することができる。又は、本発明の一態様により、オフ電流の小さい半導体装置を提供することができる。又は、本発明の一態様により、オン電流の大きいトランジスタを提供することができる。又は、本発明の一態様により、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。又は、本発明の一態様により、消費電力が低減された半導体装置を提供することができる。又は、本発明の一態様により、生産性の高い半導体装置を提供することができる。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
FD1 フローティングノード
FD2 フローティングノード
FD3 フローティングノード
FD3a フローティングノード
FD3b フローティングノード
FD3c フローティングノード
10 メモリセル
10a メモリセル
10b メモリセル
10c メモリセル
11 トランジスタ
11a トランジスタ
11b トランジスタ
11c トランジスタ
12 トランジスタ
12a トランジスタ
12b トランジスタ
12c トランジスタ
13 容量素子
13a 容量素子
13b 容量素子
13c 容量素子
14 インバータ
15 スイッチ
21a センス回路
21b センス回路
21c センス回路
22 トランジスタ
22a トランジスタ
22b トランジスタ
22c トランジスタ
22d トランジスタ
22e トランジスタ
22f トランジスタ
22g トランジスタ
23 電圧変換素子
23a 電圧変換素子
23b 電圧変換素子
23c 電圧変換素子
24 電圧変換素子
25 デジタルアナログ変換回路
26 アナログデジタル変換回路
27 電源線
28 電源線
50 接着層
51 接着層
52 接着層
61 支持基板
62 支持基板
63 支持基板
64 支持基板
70 光
81 領域
82 領域
100 表示パネル
101 樹脂層
101a 樹脂層
102 樹脂層
102b 樹脂層
102c 樹脂層
103a 光吸収層
103aa 光吸収層
103b 光吸収層
103c 光吸収層
110 トランジスタ
110a トランジスタ
110b トランジスタ
110c トランジスタ
111 導電層
112 半導体層
113a 導電層
113b 導電層
114 導電層
115 導電層
117 ディスプレイ
120 発光素子
121 導電層
122 EL層
123 導電層
131 絶縁層
132 絶縁層
133 絶縁層
134 絶縁層
135 絶縁層
136 絶縁層
137 絶縁層
141 絶縁層
151 接着層
152 着色層
153 遮光層
200 表示パネル
201 樹脂層
202 樹脂層
204 絶縁層
210 トランジスタ
211 導電層
212 半導体層
213a 導電層
213b 導電層
220 液晶素子
221 導電層
222 液晶
223 導電層
224a 配向膜
224b 配向膜
231 絶縁層
232 絶縁層
233 絶縁層
234 絶縁層
301 絶縁層
302 絶縁層
303 絶縁層
310 導電層
310a 導電層
310b 導電層
350 トランジスタ
401 絶縁層
402 絶縁層
404 導電層
404a 導電層
404b 導電層
406 酸化物半導体膜
406a 酸化物半導体膜
406b 酸化物半導体膜
409 絶縁層
412 絶縁層
415 絶縁層
418 絶縁層
419 絶縁層
426a 領域
426b 領域
426c 領域
430 絶縁層
432 絶縁層
440 導電層
440a 導電層
440b 導電層
450a 導電層
450b 導電層
451a 導電層
451b 導電層
452a 導電層
452b 導電層
510 電子機器
511 プロセッサ
512 記憶装置
513 通信モジュール
514 入力装置
515 出力装置
516 タッチセンサモジュール
517 表示モジュール
517a ディスプレイコントローラ
517b フレームメモリ
517c ディスプレイ
517d 表示部
517e 表示部
518 記憶装置
520 サーバシステム
521 プロセッサ
522 記憶装置
523 通信モジュール
524 記憶装置ユニット
524a 記憶装置ユニット
524n 記憶装置ユニット
530 ネットワーク
611 基板
612 基板
621 発光
622 反射光
800 携帯情報端末
801 筐体
802 筐体
803 表示部
804 表示部
805 ヒンジ部
810 携帯情報端末
811 筐体
812 表示部
813 操作ボタン
814 外部接続ポート
815 スピーカ
816 マイク
817 カメラ
820 カメラ
821 筐体
822 表示部
823 操作ボタン
824 シャッターボタン
826 レンズ
1000 記憶装置
1000a 記憶装置
5001 OSトランジスタ
5002 OSトランジスタ
5003 OSトランジスタ
5010 酸化物層
5011 金属酸化物層
5012 金属酸化物層
5013 金属酸化物層
5021 絶縁層
5022 絶縁層
5023 絶縁層
5024 絶縁層
5025 絶縁層
5026 絶縁層
5027 絶縁層
5028 絶縁層
5029 絶縁層
5030 絶縁層
5031 絶縁層
5032 絶縁層
5050 導電層
5051 導電層
5052 導電層
5053 導電層
5054 導電層
5500 単結晶シリコンウエハ

Claims (12)

  1. 第1のメモリセル、第2のメモリセル、ビット線と、デジタルアナログ変換回路、センス回路、第1のセンス線、第2のセンス線、アナログデジタル変換回路を有し、
    前記デジタルアナログ変換回路は、前記ビット線を介して前記第1のメモリセルと、第2のメモリセルとが電気的に接続され、
    前記センス回路には、前記第1のセンス線を介して前記第1のメモリセル、及び前記第2のセンス線を介して前記第2のメモリセルが電気的に接続され、
    前記デジタルアナログ変換回路は、前記第1のメモリセル及び前記第2のメモリセルに、第1の信号として電圧を与える機能を有し、
    前記センス回路は、前記第1のメモリセル、又は前記第2のメモリセルが有する第1の信号のいずれか大きな電圧を、第2の信号として選択する機能を有し、
    前記アナログデジタル変換回路は、前記第2の信号を電圧からデジタル信号に変換する機能を有する記憶装置。
  2. 請求項1において、
    前記第1のメモリセルと、前記第2のメモリセルは、多値のデータ電圧を保持する機能を有する記憶装置。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    前記第1のメモリセルは、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、容量素子と、ワード線と、前記ビット線と、前記第1のセンス線と、容量線とを有し、
    前記第1のトランジスタのゲートは、前記ワード線と電気的に接続され、
    前記第1のトランジスタのソースもしくはドレインの一方は、前記ビット線に電気的に接続され、
    前記第1のトランジスタのソースもしくはドレインの他方は、前記第2のトランジスタのゲートと、前記容量素子の電極の1方と、に、電気的に接続され、
    前記第2のトランジスタのソースもしくはドレインの一方は、前記ビット線に電気的に接続され、
    前記第2のトランジスタのソースもしくはドレインの他方は、前記第1のセンス線と電気的に接続され、
    前記容量素子の電極の他方は、前記容量線と電気的に接続された記憶装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
    前記第1のメモリセルが有する前記第1のトランジスタ、及び前記第2のトランジスタの半導体層の上に設けられた絶縁層の上に、前記第2のメモリセルが有するトランジスタの半導体層が設けられ、
    それぞれの半導体層の一部が重なり合う位置に配置されたことを特徴とする記憶装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
    前記第1のメモリセルが有する前記第1のトランジスタ、及び前記第2のトランジスタの半導体層と、前記第2のメモリセルが有するトランジスタの半導体層とは、同じ絶縁層の上に設けられたことを特徴とする記憶装置。
  6. 請求項1において、
    前記センス回路は、第3のトランジスタと、第4のトランジスタと、第5のトランジスタと、第1の電圧変換素子と、第2の電圧変換素子と、第3の電圧変換素子と、フローティングノードと、第1の電源線と、第2の電源線と、を有し、
    前記第3のトランジスタのゲートは、前記第1の電圧変換素子を介して前記第1のセンス線と電気的に接続され、
    前記第4のトランジスタのゲートは、前記第2の電圧変換素子を介して前記第2のセンス線と電気的に接続され、
    前記第1の電源線は、前記第3のトランジスタのソースもしくはドレインの一方、及び前記第4のトランジスタのソースもしくはドレインの一方が電気的に接続され、
    前記アナログデジタル変換回路の入力端子には、前記第3のトランジスタのソースもしくはドレインの他方、前記第4のトランジスタのソースもしくはドレインの他方、前記第5のトランジスタのソースもしくはドレインの一方、及び前記第3の電圧変換素子の電極の一方が電気的に接続され、
    前記第2の電源線は、前記第5のトランジスタのソースもしくはドレインの他方、及び前記第3の電圧変換素子の電極の他方が電気的に接続され、
    前記フローティングノードは、前記アナログデジタル変換回路の入力端子に電気的に接続されることを特徴とする記憶装置。
  7. 請求項6において
    前記第1乃至第3の電圧変換素子は、電流を電圧に変換する機能を有することを特徴とする記憶装置。
  8. 請求項4又は請求項5において、前記第1のメモリセルが有する前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタの半導体層と、前記第2のメモリセルが有するトランジスタの半導体層はそれぞれ金属酸化物を有することを特徴とする記憶装置。
  9. 請求項8において、
    前記第1のメモリセルが有する前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタと、前記第2のメモリセルが有するトランジスタは、それぞれがバックゲートを有することを特徴とする記憶装置。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか一の記憶装置と、プロセッサを有する半導体装置。
  11. 請求項10に記載の半導体装置と、表示装置と、通信モジュールを有する電子機器。
  12. 請求項11に記載の半導体装置と、プロセッサと、通信モジュールを有するサーバシステム。
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