JP2018080628A - プラント制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ディーゼルエンジンのEGR率(またはEGR量)と過給圧の将来値に関する項を含んだ目的関数を最小化する修正目標値候補を勾配法によって探索するリファレンスガバナにおいて、当該将来値の予測に用いるモデルの非線形性が高い場合であっても、探索を継続可能にする。【解決手段】修正目標値候補wcandの探索中に、修正目標値候補wcandが図7の中心部に位置する停留点に辿り着いたとする。鞍点判定ステップでは、停留点の近傍の3点を次の修正目標値候補wcandとして設定する。そして、これらの修正目標値候補wcandに対して勾配∇(wcand)をそれぞれ計算し、各勾配∇(wcand)を表す合成ベクトルの方向に、更に次の修正目標値候補wcandを設定する。図7は、修正目標値候補wcandが元の停留点から遠ざかっていくことから、当該停留点は鞍点であったと判断される。【選択図】図7

Description

本発明は、プラント制御装置に関する。
特開2016−157310号公報には、車載動力ブラントであるディーゼルエンジンのEGR率(またはEGR量)と過給圧とをそれぞれの目標値に近づけるフィードバック制御に、リファレンスガバナを適用したプラント制御装置が開示されている。このプラント制御装置のリファレンスガバナは、具体的に、勾配法によって、次式(1)で表される目的関数J(w)を最小化する修正目標値候補wcandを探索する。
Figure 2018080628
式(1)において、rはEGR率と過給圧のオリジナルの目標値であり、wはEGR率と過給圧の修正目標値であり、ρ,ρは重み定数であり、y1,i,y2,iはEGR率と過給圧の時刻kにおけるiステップ先の予測値(将来予測値)であり、y ,y はEGR率と過給圧の各制約であり、Nは予測ホライズンである。
式(1)に示す目的関数J(w)の右辺第1項は、修正目標値候補wcandを変数とする項である。この右辺第1項は、目標値rと修正目標値候補wcandの距離が小さいほど小さな値を取るように構成されている。また、右辺第2項,第3項は制約抵触量に関する項であり、EGR率と過給圧の将来予測値y1,i,y2,iがそれぞれの制約y ,y に抵触する場合、右辺第1項にペナルティを加えるように構成されている。
リファレンスガバナによる修正目標値候補wcandの探索は、次のように行われる。先ず、オリジナルの目標値rに基づいて修正目標値候補wcandが用意される。続いて、過給圧およびEGR率の目標値の修正量を2軸とする座標平面において、修正目標値候補wcandからそれぞれ微小摂動Δ,Δだけ離れた近傍値wcand±Δ,wcand±Δに基づいて、合計4個の目的関数J(wcand+Δ),J(wcand−Δ),J(wcand+Δ),J(wcand−Δ)が求められる。続いて、4個の目的関数に基づいて、座標軸ごとの傾斜∇Δ1(wcand),∇Δ2(wcand)が求められる。続いて、傾斜∇Δ1(wcand),∇Δ2(wcand)の合成ベクトルの方向に次の修正目標値候補wcandが設定される。
次の修正目標値候補wcandが設定されたら、この修正目標値候補wcandに対しても上記同様にして合成ベクトルを求め、更に次の修正目標値候補wcandが設定される。この一連の処理は、事前に設定した回数だけ繰り返される。そして、繰り返しが終了した時点において目的関数J(w)を最小化する修正目標値候補wcandが、EGR率と過給圧の最適な修正目標値w(最適解)として決定される。
特開2016−157310号公報
ところで、上述のプラント制御装置では、上記式(1)のEGR率と過給圧の将来予測値y1,i,y2,iが、予測モデルを用いて計算される。この予測モデルは、ディーゼルエンジンと、上述したフィードバック制御を実行するフィードバックコントローラと、を含む閉ループシステムを線形モデルで記述したものである。そのため、将来予測値y1,i,y2,iの制約y ,y への抵触量を表す上記式(1)の右辺第2項,第3項は、比較的安定した値を取ることになる。
しかし、将来予測値y1,i,y2,iの予測精度を高めるべく、予測モデルの非線形性を高めた場合には、線形モデルを用いる場合に比べて上記式(1)の右辺第2項,第3項が複雑な値を取り易くなる。その結果、上記式(1)の目的関数J(w)の値も複雑となり、当該目的関数J(w)の微分値が0となる鞍点(サドルポイント)が随所に現れる可能性が高まる。そして、このような鞍点に修正目標値候補wcandが辿り着いてしまうと、上述した座標平面の一方の軸に対する合成ベクトルの傾斜がフラットになってしまい、当該軸の方向への探索が進まなくなり、最適解の探索が停止してしまう可能性がある。
本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたものである。即ち、ディーゼルエンジンのEGR率(またはEGR量)と過給圧の将来値に関する項を含んだ目的関数を最小化する修正目標値候補を勾配法によって探索するリファレンスガバナにおいて、当該将来値の予測に用いるモデルの非線形性が高い場合であっても、探索を継続可能にすることを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するため、プラント制御装置であって、
車載動力ブラントであるディーゼルエンジンの特定状態量であるEGR率またはEGR量と過給圧とがそれぞれの目標値に追従するように前記ディーゼルエンジンの制御入力を決定するように構成されたフィードバックコントローラと、
前記ディーゼルエンジンと前記フィードバックコントローラとを含む閉ループシステムを記述した予測モデルを用いて予測した前記特定状態量の将来値に関する項を含む目的関数を算出して前記特定状態量の修正目標値の候補を探索すると共に、有限回に亘って探索した前記修正目標値の候補のうち前記目的関数を最小にする候補を前記フィードバックコントローラに与える前記特定状態量の目標値として決定するように構成されたリファレンスガバナと、を備え、
前記リファレンスガバナは、前記修正目標値の候補の探索回数が前記有限回に到達する前に前記修正目標値の候補が停留点に辿り着いた場合には、前記停留点の近傍の複数点を前記修正目標値の次回候補と仮定するように構成され、
前記リファレンスガバナは、更に、前記次回候補に基づいた探索の結果、何れの次回候補においても前記修正目標値の候補が前記停留点に再び辿り着いた場合には前記停留点が前記目的関数を最小にする候補であると決定し、何れかの次回候補において前記修正目標値の候補が前記停留点に再び辿り着かなかった場合には、前記停留点に再び辿り着かなかった次回候補に基づいた探索を継続するように構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、修正目標値の候補の探索回数が有限回に到達する前に当該候補が停留点に辿り着いた場合には、当該停留点の近傍の複数点を修正目標値の次回候補と仮定することができる。そのため、特定状態量の将来値の予測に用いるモデルの非線形性を高めたことで、修正目標値の候補が鞍点に辿り着いてしまった場合であっても、探索を継続することが可能となる。
また、本発明によれば、次回候補に基づいた探索の結果、何れの次回候補においても修正目標値の候補が停留点に再び辿り着いた場合には当該停留点が目的関数を最小にする候補であると決定することができる。一方、何れかの次回候補において修正目標値の候補が停留点に再び辿り着かなかった場合には、当該停留点に再び辿り着かなかった次回候補に基づいた探索を継続することができる。従って、次回候補に基づいた探索の結果がどのような結果であったとしても、特定状態量の最適な修正目標値を決定することができる。
実施の形態に係る制御装置が適用されるシステムの構成を示す図である。 実施の形態に係る制御装置が有する目標値追従制御構造を示す図である。 図2に示す目標値追従制御構造を等価変形して得られたフィードフォワード構造である。 勾配∇(wcand)を説明するための図である。 実施の形態に係るリファレンスガバナアルゴリズムを示す図である。 式(2)に示した予測モデルの非線形性を高めた場合の目的関数J(w)の形状および鞍点を概念的に示した図である。 鞍点判定ステップの一例を模式的に示した図である。 図2に示す目標値追従制御構造を適用可能なディーゼルエンジンの入出力の例を示す図である。
本発明の実施の形態に係るプラント制御装置は、車載動力プラントであるディーゼルエンジンの過給システムに適用される。図1は、本発明の実施の形態に係るプラント制御装置が適用される過給システムの構成例を示す図である。図1に示す過給システムは、直列4気筒型のディーゼルエンジンの本体2を備えている。本体2には、吸気マニホールド4と排気マニホールド6が取り付けられている。本体2の各気筒には、コモンレール8に接続されたインジェクタを介して高圧燃料が噴射される。
吸気マニホールド4には、エアクリーナ20から取り込まれた吸気が流れる吸気通路10が接続されている。吸気通路10には、また、過給機14のコンプレッサ14aが取り付けられている。コンプレッサ14aの下流には、インタークーラ22が設けられている。インタークーラ22の下流には、ディーゼルスロットル24が設けられている。一方、排気マニホールド6には、本体2からの排気が流れる排気通路12が接続されている。排気通路12には、また、過給機14のタービン14bが取り付けられている。過給機14は可変容量型の過給機であり、タービン14bには可変ノズル16が設けられている。
図1に示す過給システムは、また、排気系から吸気系に排気を還流させるEGR装置を備えている。EGR装置は、ディーゼルスロットル24の下流側の吸気通路10と、排気マニホールド6とをEGR通路30によって接続する高圧ループEGR装置である。EGR通路30には、EGR弁32が設けられている。但し、EGR装置は、コンプレッサの上流側の吸気通路10と、タービン14bの下流側の排気通路12とを、EGR通路30とは別のEGR通路によって接続する低圧ループEGR装置であってもよい。
[プラント制御装置の構成の説明]
図1に示すECU(Electronic Control Unit)40が、本実施の形態に係るプラント制御装置に相当する。ECU40は、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリメモリ)、CPU(マイクロプロセッサ)等を備えている。ECU40は、車両に搭載された各種センサの信号を取り込み処理する。各種センサには、エンジン回転速度を検出する回転速度センサ42や、アクセルペダルの開度に応じた信号を出力するアクセルペダル開度センサ44などが含まれている。ECU40は、取り込んだ各種センサの信号を処理する。ECU40は、RAMまたはROMに格納された所定の制御プログラムをCPUによって実行することにより、アクチュエータを操作する。ECU40によって操作されるアクチュエータには、少なくとも可変ノズル16が含まれる。
本実施の形態において、ECU40は、ディーゼルエンジンのEGR率と過給圧のフィードバック制御を実行する。このフィードバック制御における制御入力u(操作量)は、可変ノズル開度、EGR弁開度およびディーゼルスロットル開度である。また、このフィードバック制御における状態量xは、実際のEGR率と過給圧である。また、フィードバック制御における制御出力yは、EGR率と過給圧である。ここで、制御出力yであるEGR率と過給圧には、ハード上または制御上の制約が課せられている。なお、この制約は、EGR率と過給圧が厳密に超えてはならない限界値として設定されているものではなく、このような限界値よりも緩い値として事前に設定されたものである。
[フィードバック制御構造の説明]
図2は、図1に示したECU40が有するフィードバック制御構造を示す図である。なお、図2に示すフィードバック制御構造は、ECU40のROMに格納された制御プログラムに従ってCPUが動作することにより、仮想的に実現される構成である。このフィードバック制御構造は、目標値マップ(MAP)50、リファレンスガバナ(RG)52、フィードバックコントローラ(FBC)54およびプラント56を備えている。
MAP50は、ディーゼルエンジンの運転条件を示す外生入力dが与えられると、過給圧のオリジナルの目標値rをRG52に出力する。外生入力dには、エンジン回転速度と燃料噴射量が含まれる。外生入力dに含まれるこれらの物理量は、計測値でもよいし推定値でもよい。
RG52は、MAP50から制御出力yの目標値rが与えられると、制御出力yに関する制約yが満たされるように当該目標値rを修正し、修正目標値wとしてFBC54に出力する。RG52の構成の詳細ついては後述する。
FBC54は、RG52から修正目標値wが与えられると、状態量xを修正目標値wに追従させるように制御入力uを決定する。FBC54の仕様に限定はなく、公知のフィードバックコントローラを用いることができる。
図3は、図2に示したフィードバック制御構造を等価変形して得られたフィードフォワード制御構造を示す図である。図2において破線で囲まれた閉ループ系58は既に設計済みであるとして、図3に示すフィードフォワード構造では、例えば下記式(2)の予測モデル(P)によって記述される。式(2)において、f,hはモデル式の関数である。また、kは離散時間ステップを表している。
Figure 2018080628
[RG52の構成の詳細]
図2に示したRG52は、式(2)に示した予測モデルを用いて制御出力yの時刻kにおけるiステップ先の予測値(将来予測値)yを計算する。本実施の形態における制御出力yは過給圧yとEGR率yであり、制御出力y,yには制約が課せられている。制御出力y,yが上限値y ,y 以下であることが制御出力y,yに課せられた制約である。EGR率と過給圧の将来予測値y1,i,y2,iの計算には、状態量xおよび外生入力dに加えて修正目標値wが用いられる。RG52は、将来予測値y1,i,y2,iと上限値y ,y とに基づき、次式(3)で表される目的関数J(w)を用いて修正目標値wを探索する。なお、式(3)は既に説明した式(1)と同じである。
Figure 2018080628
また、RG52は、勾配法を用いて式(3)の目的関数J(w)を最小化する修正目標値候補wcandを探索する。概要については既に説明したが、修正目標値候補wcandの探索は、次のように行われる。先ず、MAP50から出力されたオリジナルの目標値rが、修正目標値候補wcandの初期値とされる。続いて、過給圧およびEGR率の目標値の修正量を2軸とする座標平面において、修正目標値候補wcandの初期値から過給圧軸方向とEGR率軸方向にそれぞれ微小摂動Δ,Δだけ離れた近傍値wcand±Δ,wcand±Δに対して、式(2)の予測モデルを用いて将来予測値y1,i(wcand+Δ),y1,i(wcand−Δ),y2,i(wcand+Δ),y2,i(wcand−Δ)が計算される。続いて、計算した将来予測値y1,i(wcand+Δ),y1,i(wcand−Δ),y2,i(wcand+Δ),y2,i(wcand−Δ)をそれぞれ式(3)に代入して、合計4個の目的関数J(wcand+Δ),J(wcand−Δ),J(wcand+Δ),J(wcand−Δ)が計算される。
続いて、過給圧軸方向の傾斜∇Δ1(wcand)(={J(wcand+Δ)−J(wcand−Δ)}/2Δ)と、EGR率軸方向の傾斜∇Δ2(wcand)(={J(wcand+Δ)−J(wcand−Δ)}/2Δ)との合成ベクトルである勾配∇(wcand)を計算する。図4は、勾配∇(wcand)を説明するための図である。図4に示す等高線は目的関数J(w)を表している。図4に示すように、修正目標値候補wcandから過給圧軸方向に微小摂動Δだけ離れた2つの近傍値に対応する目的関数J(wcand+Δ),J(wcand−Δ)に基づいて、過給圧軸方向(南北方向)の傾斜∇Δ1(wcand)が計算される。また、修正目標値候補wcandに基づいて、EGR率軸方向に微小摂動Δだけ離れた2つの近傍値に対応する目的関数J(wcand+Δ),J(wcand−Δ)からEGR率軸方向(東西方向)の傾斜∇Δ2(wcand)が計算される。勾配∇(wcand)は、過給圧軸方向の傾斜∇Δ1(wcand)とEGR率軸方向の傾斜∇Δ2(wcand)との合成ベクトルとして表される。
勾配∇(wcand)が算出されたら、この勾配∇(wcand)を表す合成ベクトルの方向に次の修正目標値候補wcandが設定される。次の修正目標値候補wcandが設定されたら、この修正目標値候補wcandに対しても勾配∇(wcand)が計算され、更に次の修正目標値候補wcandが設定される。この一連の処理は、事前に設定した回数だけ繰り返される。図5は、本実施の形態に係るリファレンスガバナアルゴリズムを示す図である。図5に示すように、本実施の形態では、修正目標値候補wcandに対して、将来予測値y1,i,y2,iの演算と、微小摂動Δ,Δだけ離れた合計4つの近傍値に対応する目的関数J(w)の演算と、修正目標値wの次の候補への移動と、が有限回に亘って繰り返される。そして、繰り返し回数が有限回に到達した段階で、修正目標値wの最終決定が行われる。具体的には、繰り返し回数が有限回に到達した時点において、それまでに算出された目的関数J(w)を最小化する修正目標値候補wcandが、EGR率と過給圧の最適な修正目標値w(最適解)として決定される。フィードバック制御に用いられるのは、このようにして決定された修正目標値wである。
[本実施の形態の特徴]
ところで、上記式(2)に示した予測モデルの非線形性を高めた場合には、将来予測値y1,i,y2,iの予測精度を高めることができる。反面、上記式(3)で計算される目的関数J(w)の形状が複雑となり、当該目的関数J(w)の微分値が0となる鞍点(サドルポイント)が随所に現れる可能性が高まる。図6は、式(2)に示した予測モデルの非線形性を高めた場合の目的関数J(w)の形状および鞍点を概念的に示した図である。修正目標値候補wcandが図6に示した鞍点に辿り着いてしまうと、過給圧軸方向の傾斜がフラットになってしまう。そうすると、EGR率軸方向への探索はできる一方で、過給圧軸方向への探索が進まなくなり、繰り返し回数が有限回に到達指定内にも関わらず、最適解の探索が停止してしまう可能性がある。
そこで、本実施の形態では、繰り返し回数が有限回に到達するよりも前に、修正目標値候補wcandがその探索が進まなくなる停留点に辿り着いた場合には、以下の鞍点判定ステップにより現在の座標点が鞍点であるか否かを判断する。
Step1:停留点の近傍の複数点を修正目標値候補wcandの次の候補として仮定し、この修正目標値候補wcandに対して勾配∇(wcand)を計算する(修正目標値候補wcandの探索を継続する)。
Step2:修正目標値候補wcandの探索を継続した結果、修正目標値候補wcandが元の停留点に戻った場合には、この停留点を最適解と判断する。
Step3:修正目標値候補wcandの探索を継続した結果、修正目標値候補wcandが元の停留点から遠ざかった場合には、この停留点は鞍点であったと判断する。
図7は、鞍点判定ステップの一例を模式的に示した図である。図7に示す等高線は目的関数J(w)を表している。修正目標値候補wcandの探索中に、修正目標値候補wcandが図7の中心部に位置する停留点に辿り着いたとする。鞍点判定ステップでは、この停留点の近傍の3点を次の修正目標値候補wcandとして仮設定する。そして、3つの修正目標値候補wcandに対して勾配∇(wcand)を計算する。勾配∇(wcand)が算出されたら、この勾配∇(wcand)を表す合成ベクトルの方向に次の修正目標値候補wcandが設定されることは既に説明した通りである。図7に示す矢印は、合成ベクトルの向きを表している。つまり、図7に示す例では、3つの修正目標値候補wcandが何れも元の停留点から遠ざかっていく。よって、図7に示す例では、図7の中心部の停留点が鞍点であったと判断される。
以上、本実施の形態によれば、仮に修正目標値候補wcandの探索中に修正目標値候補wcandが停留点に辿り着いたとしても、鞍点判定ステップによって当該停留点が鞍点であるか否かを判断できる。そして、停留点が鞍点でないと判断された場合は、この停留点が最適解と判断される。また、停留点が鞍点であると判断された場合は、修正目標値候補wcandの探索を継続することができる。つまり、鞍点判定ステップによれば、鞍点のような特異点に修正目標値候補wcandが捉えられてしまうのを回避できる。従って、最適解の探索精度を向上でき、制約充足性やハードウェア信頼性を高めることができる。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、図2に示した目標値追従制御構造は、ディーゼルエンジンが低圧ループEGR装置と高圧ループEGR装置とを備える場合には、図8の(a)〜(d)に示すような制御入力と制御出力との組み合わせにも適用することができる。図8の(a)および(b)では、可変ノズル開度(VN開度)やディーゼルスロットル開度(Dスロ開度)の他に、低圧ループEGR装置のEGR弁開度(LPL−EGR弁開度)と高圧ループEGR装置のEGR弁開度(HPL−EGR弁開度)とが制御入力に含まれている。図8の(c)および(d)では、EGR率の代わりに、低圧ループEGR装置のEGR量(LP−EGR量)と高圧ループEGR装置のEGR量(HP−EGR量)とが制御出力に含まれている。
なお、図8(c)および(d)の場合は、制御出力の総数が3つになるので、下記(4)で表される目的関数J(w)が用いられる。
Figure 2018080628
式(4)において、rはHP−EGR量、LP−EGR量および過給圧のオリジナルの目標値であり、wはHP−EGR量、LP−EGR量および過給圧の修正目標値であり、ρ,ρ,ρは重み定数であり、y1,i,y2,i,y3,iはHP−EGR量、LP−EGR量および過給圧の時刻kにおけるiステップ先の予測値(将来予測値)であり、y ,y ,y はHP−EGR量、LP−EGR量および過給圧の各制約であり、Nは予測ホライズンである。
2 エンジン本体
16 可変ノズル
24 ディーゼルスロットル
32 EGR弁
40 ECU

Claims (1)

  1. 車載動力ブラントであるディーゼルエンジンの特定状態量であるEGR率またはEGR量と過給圧とがそれぞれの目標値に追従するように前記ディーゼルエンジンの制御入力を決定するように構成されたフィードバックコントローラと、
    前記ディーゼルエンジンと前記フィードバックコントローラとを含む閉ループシステムを記述した予測モデルを用いて予測した前記特定状態量の将来値に関する項を含む目的関数を算出して前記特定状態量の修正目標値の候補を探索すると共に、有限回に亘って探索した前記修正目標値の候補のうち前記目的関数を最小にする候補を前記フィードバックコントローラに与える前記特定状態量の目標値として決定するように構成されたリファレンスガバナと、を備え、
    前記リファレンスガバナは、前記修正目標値の候補の探索回数が前記有限回に到達する前に前記修正目標値の候補が停留点に辿り着いた場合には、前記停留点の近傍の複数点を前記修正目標値の次回候補と仮定するように構成され、
    前記リファレンスガバナは、更に、前記次回候補に基づいた探索の結果、何れの次回候補においても前記修正目標値の候補が前記停留点に再び辿り着いた場合には前記停留点が前記目的関数を最小にする候補であると決定し、何れかの次回候補において前記修正目標値の候補が前記停留点に再び辿り着かなかった場合には、前記停留点に再び辿り着かなかった次回候補に基づいた探索を継続するように構成されていることを特徴とするプラント制御装置。
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