JP2017180113A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Yushi Shibaike
悠志 芝池
雅智 吉永
Masatomo Yoshinaga
雅智 吉永
航 福井
Ko Fukui
航 福井
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Satoshi Tanaka
聡 田中
足立 憲保
Noriyasu Adachi
憲保 足立
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Yoshiyuki Kageura
義之 影浦
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Abstract

【課題】内燃機関の加速時にEGRガスの到達遅れに起因するトルク段差を抑えることができる内燃機関の制御装置を提供する。【解決手段】制御装置は、目標充填効率の増加に伴って目標EGR率が増加している第1期間中、目標EGR率と推定EGR率との差分に相当する充填効率を、スロットルの開度の計算に用いる目標充填効率から差し引く。そして、目標充填効率の増加が継続中であって、目標EGR率のピークを検知してから推定EGR率のピークを検知するまでの第2期間中、目標EGR率のピーク値と推定EGR率との差分に相当する充填効率を、スロットルの開度の計算に用いる目標充填効率から差し引く。【選択図】図6

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関し、特に、過給機とEGR装置とを備える内燃機関の制御装置に関する。
特開2014−152716号公報に記載されている通り、吸気通路のコンプレッサより上流にEGR通路の出口が設けられている内燃機関では、加速の開始時、EGR通路の出口から吸気通路へ流れ出たEGRガスが燃焼室に最初に到達するまでに時間がかかる。このため、EGRガスが燃焼室に最初に到達するまでの間、燃焼室におけるEGR率が過少となる。その結果、加速後、燃焼室にEGRガスが到達した後に吸気量が唐突に低下し、これによりトルク段差が生じる。これを防止すべく、同公報において提案されている技術では、EGR通路の出口におけるEGR率を推定し、EGRガスが燃焼室に到達するまでの間は、このEGR率が大きいほど目標スロットル開度を閉じる側に補正することが行われる。
特開2014−152716号公報
上記従来技術では、吸気量、すなわち、充填効率の増加とともにEGR率も単調増加するとの前提のもとで目標スロットル開度の補正が行われている。しかし、実際には、低負荷側はEGRガスの導入性の制約によってEGR率は抑えられるが、高負荷側でも凝縮水の制約や失火の制約があるためにEGR率は高くはできない。つまり、実際のEGR制御では、充填効率とEGR率とを座標軸とする2次元平面上において、充填効率の増加に対してEGR率を上に凸の放物線上に変化させることが行われる。充填効率とEGR率との間にこのような関係がある場合、単にEGR通路の出口におけるEGR率が大きいほど目標スロットル開度を閉じる側に補正するだけでは、燃焼室にEGRガスが到達した後のトルク段差を抑えきることはできない。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、加速時にEGRガスの到達遅れに起因するトルク段差を抑えることができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る内燃機関の制御装置は、吸気通路に配置されたコンプレッサと、吸気通路のコンプレッサよりも下流に配置されたスロットルと、排気通路と吸気通路のコンプレッサよりも上流とを結ぶEGR通路に配置されたEGR弁とを備える内燃機関を制御するための制御装置であって、以下のように構成される。
すなわち、本発明に係る内燃機関の制御装置は、目標充填効率決定手段、目標EGR率決定手段、推定EGR率計算手段、目標EGR弁開度計算手段、及び目標スロットル開度計算手段を備え、さらに、第1補正手段と第2補正手段とを備える。目標充填効率決定手段は、アクセルペダルの操作量に基づいて目標充填効率を計算するように構成される。目標EGR率決定手段は、内燃機関の運転状態に基づいて目標EGR率を決定する手段であって、目標充填効率の増加に対して目標EGR率を単調増加させた後に単調減少させるように構成される。推定EGR率計算手段は、吸気弁を通過するガスの推定EGR率を計算するように構成される。目標EGR弁開度計算手段は、目標EGR率に基づいて目標EGR弁開度を計算するように構成される。目標スロットル開度計算手段は、目標充填効率に基づいて目標スロットル開度を計算するように構成される。
第1補正手段及び第2補正手段は、ともに、目標スロットル開度の計算に用いられる目標充填効率を補正する手段である。第1補正手段は、目標充填効率の増加に伴って目標EGR率が増加している第1期間中、前記目標EGR率と前記推定EGR率との差分に相当する充填効率を、目標スロットル開度の計算に用いられる目標充填効率から差し引くように構成される。第2補正手段は、目標充填効率の増加が継続中であって、目標EGR率のピークを検知してから推定EGR率のピークを検知するまでの第2期間中、目標EGR率のピーク値と推定EGR率との差分に相当する充填効率を、目標スロットル開度の計算に用いられる目標充填効率から差し引くように構成される。
本発明に係る内燃機関の制御装置によれば、第1期間中の目標スロットル開度の補正により、EGRガスが燃焼室に到達したときのトルク段差を抑えることができ、第2期間中の目標スロットル開度の補正により、最大流量のEGRガスが燃焼室に流入したときのトルク段差を抑えることができる。
本発明の実施の形態に係る内燃機関の構成概略を示す図である。 同実施の形態に係る制御装置が備える機能を示すブロック図である。 EGR率と充填効率との関係を示す図である。 加速時の目標EGR率と推定EGR率との関係の一例を示す図である。 加速時の目標EGR率と推定EGR率との関係の別の例を示す図である。 同実施の形態に係るスロットル開度制御の制御フローを示すフローチャートである。 同実施の形態に係るスロットル開度制御が実行された場合の内燃機関の動作の一例を示すタイムチャートである。 同実施の形態に係るスロットル開度制御が実行された場合の内燃機関の動作の別の例を示すタイムチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に示す実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に、この発明が限定されるものではない。また、以下に示す実施の形態において説明する構造やステップ等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、この発明に必ずしも必須のものではない。
1.内燃機関の構成
図1は、本発明の実施の形態に係る内燃機関の構成概略を示す図である。この実施の形態に係る内燃機関(以下、単にエンジンと表記する)1は、エンジンブロック3と、エンジンブロック3上に配置されるエンジンヘッド2とを有している。エンジンブロック3には、図示しない複数のシリンダが形成されている。エンジンヘッド2には、何れも図示しない、吸気弁とそれを駆動する動弁機構、排気弁とそれを駆動する動弁機構、点火プラグ、燃料噴射弁など、多数の装置及びアクチュエータが取り付けられている。
エンジンヘッド2には、吸気通路4と排気通路6とが接続されている。吸気通路4には、その上流からエンジンヘッド2に向けて、エアクリーナ10、エアフローセンサ12、コンプレッサ22、インタークーラ14、及び電子制御式スロットル16がこの順で配置されている。排気通路6には、エンジンヘッド2から下流に向けて、コンプレッサ22とともにターボ過給機20を構成するタービン24、及び触媒装置8がこの順で配置されている。
エンジン1は、排気通路6から吸気通路4へ排気の一部を再循環させるEGR装置30を備える。EGR装置30は、EGR通路32、EGRクーラ36、及びEGR弁34から構成される。EGR通路32は、触媒装置8よりも下流の排気通路6とコンプレッサ22よりも上流の吸気通路4とを接続する。EGRクーラ36はEGR通路32に設けられ、EGR通路32を流れる排気(EGRガス)を冷却する。EGR弁34は、EGRガスの流れの方向においてEGRクーラ36よりも下流のEGR通路32に設けられている。
エンジン1は、制御装置100を備える。制御装置100には、エアフローセンサ12の他、アクセル開度センサ40等の車両の各所に取り付けられた種々のセンサが接続されている。制御装置100は、これらのセンサで得られた情報に基づき、エンジン1が備える様々な装置及びアクチュエータを操作することにより、エンジン1の運転を制御する。制御装置100は、少なくとも1つのCPU、少なくとも1つのROM、少なくとも1つのRAMを有するECU(Electronic Control Unit)である。ただし、制御装置100は、複数のECUから構成されていてもよい。制御装置100では、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、CPUで実行することで、エンジン制御に係る様々な機能が実現される。
2.制御装置が備える機能
図2は、制御装置100が備える種々の機能のうち、特に、スロットル16の開度の制御に係る機能と、EGR弁34の開度の制御に係る機能とを抽出してブロックで表現した図である。制御装置100はその他にも様々な機能を備えているが、それらについての図示は省略されている。図2では、機能ごとに演算ユニット101−113が割当てられている。ただし、各演算ユニット101−113はハードウェアとして存在するものではなく、ROMに記憶された専用のソフトウェアがCPUで実行されたときに仮想的に実現される。以下、制御装置100が有するスロットル開度制御とEGR弁開度制御とに関係する機能について図2を用いて説明する。
演算ユニット101は、エンジン1に対して要求する新気による充填効率(以下、要求新気KLと表記する)を計算する。この計算には、アクセル開度に要求新気KLを関連付けたマップが用いられる。このマップを参照することによりアクセル開度に応じた要求新気KLが求められる。
演算ユニット102は、EGRガスによる充填効率の推定値(以下、推定EGRガスKLと表記する)を計算する。EGR弁34の開度に基づいてEGR弁34を通過するEGRガスの流量が求められ、EGRガスの流量に基づいて推定EGRガスKLが計算される。
演算ユニット103は、演算ユニット101で計算された要求新気KLと、演算ユニット102で計算された推定EGRガスKLとを合算することによって、エンジン1に対して要求する充填効率(以下、要求KLと表記する)を計算する。EGRガスの導入によって新気の導入が阻害されるため、スロットル16を余分に開いて必要な新気量(要求されている新気量)を確保するべく、新気だけでなくEGRガスも含めた全ガスによる充填効率である要求KLが計算される。
演算ユニット104は、エンジン1の状態を考慮した充填効率の上限値(以下、上限KLと表記する)を計算する。この計算には、エンジン回転速度や吸気温度等の現在のエンジン1の状態を示す情報に上限KLを関連付けたマップが用いられる。或いは、周知のエアモデルを用いて充填効率の上限値を計算してもよい。
演算ユニット105は、演算ユニット103で計算された要求KLと、演算ユニット104で計算された上限KLのうち、より小さい方を選択する。そして、選択した充填効率をエンジン1に与える目標充填効率(以下、目標KLと表記する)として決定する。要求KLはあくまでも運転者からの一方的な要求であるため、現在のエンジン1の状態では非現実的なことがある。ここでは、エンジン1の状態を考慮した現実的な値に要求KLを制限することにより、エンジン1が実現可能な目標KLを決定することが行われる。
演算ユニット107は、演算ユニット105で決定された目標KLと、後述する演算ユニット106で計算された補正目標KLのうち、より小さい方を選択する。そして、選択したKLを最終的な目標KL(以下、最終目標KLと表記する)として決定する。ゆえに、演算ユニット106で計算された補正目標KLがオリジナルの目標KLよりも小さければ、補正目標KLが最終目標KLとして決定されるが、そうでなければ、目標KLがそのまま最終目標KLとして決定される。
演算ユニット108は、演算ユニット107で決定された最終目標KLに基づいてスロットル16の目標開度(以下、目標スロットル開度と表記する)を計算する。目標スロットル開度の計算には、公知のエアモデルの逆モデルが用いられる。エアモデルは、スロットル16の動作に対する充填効率の応答を物理式によってモデル化したものである。その逆モデルを解くことで最終目標KLを達成するための目標スロットル開度が求められる。
演算ユニット109は、エンジン1に与える目標EGR率を決定する。目標EGR率の決定には、現在のエンジン1の運転状態を示す情報(エンジン回転速度や充填効率)に目標EGR率を関連付けたマップが用いられる。ここで、図3は、最良な燃費性能のためのEGR率と充填効率との関係を示す図である。燃費性能を最大限に高めるためには、図3に示すように、充填効率とEGR率とを座標軸とする2次元平面上において、充填効率の増加に対してEGR率を上に凸の放物線上に変化させたほうがよい。すなわち、暫くは充填効率の増加とともにEGR率を単調増加させた後、充填効率のさらなる増加とともにEGR率を単調減少させることが、燃費性能の向上には有効である。充填効率が60%程度のときにEGR率がピークに達するようにすれば、燃費性能の点においてより好ましい。目標EGR率を決定するマップは、このような知見に基づいて作成されている。
再び図2に戻って制御装置100が備える機能についての説明を続ける。演算ユニット113は、演算ユニット109で決定された目標EGR率に基づいてEGR弁34の目標開度(以下、目標EGR弁開度と表記する)を計算する。目標EGR弁開度の決定には、目標EGR率その他の情報に目標EGR弁開度を関連付けたマップが用いられる。
演算ユニット106は、演算ユニット105で計算された目標KLに対して補正を加える。この補正は、エンジン1の加速時に生じるトルク段差を抑えるために行われる。
このトルク段差に関して具体的に説明する。まず、EGRガスの導入を行なっていない低負荷から高負荷に移行する場合、燃費性能と排気ガス性能を向上させるべく、その途中で目標EGR率がゼロよりも大きい値に設定され、EGRガスの導入が開始される。上記の制御装置100によれば、EGRガスの導入の開始と合わせて、要求新気KLに推定EGRガスKLが合算される。加速による要求新気KLの増加に推定EGRガスKLが加わることで、要求KLは大きく増加し、上限KLを超えない範囲で目標KLも大きく増加する。そして、目標KLが大きく増加することでスロットル16も大きく開かれる。
しかし、EGR弁34から燃焼室までには距離があるため、加速の開始から暫くの間は燃焼室にEGRガスが届かない状態が続く。やがて、EGRガスが吸気弁を通って燃焼室に到達すると、燃焼室内のEGR率はその時点から上昇していき、EGR率の上昇分だけ燃焼室内の新気量は低下する。この新気量の低下は一時的であり、目標KLがさらに増加してターボ過給機20による過給が始まることで、燃焼室内の新気量はすぐに低下から増加へと転じる。しかし、燃焼室内の新気量が一時的にでも低下することで、エンジン1のトルクはその上昇の途中で一時的に低下或いは停滞することになる。つまり、トルク段差が生じることになる。
このようなトルク段差を抑えるべく、この実施の形態では、EGRガスの到達遅れの影響がなくなるまでは、目標KLを要求KLから決まる値よりも低く設定して燃焼室内への新気の導入を抑えるようにした。以下、これについて図4及び図5を用いて具体的に説明する。
図4は、加速時の目標EGR率と推定EGR率との関係の一例を示す図である。なお、図4及び図5における推定EGR率は、吸気弁を通過するガスの推定EGR率である(図中には、推定EGR率@吸気弁、と表記している)。図3においてエンジン1の動作点がA点からB点へ移動した場合の、目標EGR率及び推定EGR率の時刻による変化がここに示されている。目標EGR率は単調に増加した後に一定値となり、推定EGR率もそれに追従して変化する。目標EGR率が変化してから推定EGR率が変化するまでには、EGR弁34を通過したEGRガスが燃焼室に到達するのに要する時間分だけの時間遅れがある。
要求KLに含まれている推定EGRガスKLの時刻による変化は、目標EGR率の時刻による変化と対応していると考えて良い。しかし、実際の燃焼室内のEGRガスによる充填効率の時刻による変化は、推定EGR率の時刻による変化と対応している。ゆえに、要求KLから決まる目標KLに基づいて目標スロットル開度を計算したのでは、目標EGR率と推定EGR率との差分に相当する量の新気が余計に燃焼室内に導入されることになる。そこで、この実施の形態では、目標EGR率と推定EGR率とが図4に示す関係にある場合は、目標EGR率と推定EGR率との差分に相当する充填効率を目標KLから差し引いて目標KLを補正し、補正した目標KLに基づいて目標スロットル開度を計算することにした。
図5は、加速時の目標EGR率と推定EGR率との関係の別の例を示す図である。図3においてエンジン1の動作点がA点からC点へ移動した場合の、目標EGR率及び推定EGR率の時刻による変化がここに示されている。目標EGR率は、最初は単調に増加していき、暫くして単調減少に転じ、やがて一定値となる。推定EGR率もそれに追従して変化する。この場合も、図4に示すケースと同様、要求KLから決まる目標KLに基づいて目標スロットル開度を計算したのでは、目標EGR率と推定EGR率との差分に相当する量(図5における領域(a)に対応する量)の新気が余計に燃焼室内に導入されることになる。したがって、目標EGR率と推定EGR率との差分に相当する充填効率を目標KLから差し引いて補正すれば、新気が余計に燃焼室内に入ることは抑えることができる。
しかしながら、図5に示すケースでは、EGRガスが燃焼室に到達した直後のEGR率は、最終的な目標値に対してオーバーシュートしている。図5における領域(a)に対応する量の新気を減らしておくことは、EGRガスが燃焼室に到達した直後のEGR率の上昇に対しては有効ではあるが、EGR率がさらにオーバーシュートしたときには、新気量の一時的な低下を許してしまうことになる。トルク段差をより確実に抑えるためには、EGR率のオーバーシュートによる新気量の低下を見越して、前もって新気量を低下させておく必要がある。そこで、この実施の形態では、目標EGR率と推定EGR率とが図5に示す関係にある場合は、領域(a)に対応する量の新気だけでなく、領域(b)に対応する量の新気も減らすようにした。より具体的には、目標EGR率がピーク値に達するまでは、目標EGR率と推定EGR率との差分に相当する充填効率を目標KLから差し引いて目標KLを補正し、目標EGR率がピーク値に達した後は、そのピーク値を記憶しておき、目標EGR率のピーク値と推定EGR率との差分に相当する充填効率を目標KLから差し引いて目標KLを補正することにした。
再び図2に戻って制御装置100が備える機能についての説明を続ける。演算ユニット110,111,112は、演算ユニット106が目標KLの補正に用いる補正量の計算のために設けられている。演算ユニット110は、吸気弁を通過するガスの推定EGR率(推定EGR率@吸気弁)を計算する。この計算には、EGR弁34の動作に対するEGR率の応答を物理式で表したモデルや、EGR弁34の開度や新気の流量に推定EGR率を関連付けたマップが用いられる。
演算ユニット111は、演算ユニット109で計算された目標EGR率と、演算ユニット110で計算された推定EGR率とに基づいて目標KLの補正に用いる第1補正量を計算する。第1補正量は、目標EGR率と推定EGR率との差分に相当する充填効率と定義される。第1補正量の計算には、例えば、目標EGR率と推定EGR率との差と、エアモデルにより計算される全ガスの充填効率とが用いられる。演算ユニット111は、目標KLの増加に伴って目標EGR率が増加している期間(第1期間)中、第1補正量を所定の周期で計算してそれを演算ユニット106に入力するように構成されている。ゆえに、第1補正量の計算は、目標EGR率及び推定EGR率の変化が図4に示すケースと図5に示すケースのどちらに該当する場合でも行われる。
演算ユニット112は、演算ユニット109で計算された目標EGR率のピーク値と、演算ユニット110で計算された推定EGR率とに基づいて目標KLの補正に用いる第2補正量を計算する。第2補正量は、目標EGR率のピーク値と推定EGR率との差分に相当する充填効率と定義される。第2補正量の計算には、例えば、目標EGR率のピーク値と推定EGR率との差と、エアモデルにより計算される全ガスの充填効率とが用いられる。演算ユニット112は、目標EGR率のピークを検知してから推定EGR率のピークを検知するまでの期間(第2期間)中、第2補正量を所定の周期で計算してそれを演算ユニット106に入力するように構成されている。ゆえに、第2補正量の計算は、目標EGR率及び推定EGR率の変化が図5に示すケースに該当する場合には行われるが、図4に示すケースに該当する場合には行われない。
演算ユニット106は、演算ユニット111から第1補正量が入力されている場合、演算ユニット105で計算された目標KLから第1補正量を差し引くことにより目標KLを補正する。そして、演算ユニット112から第2補正量が入力されている場合、演算ユニット105で計算された目標KLから第2補正量を差し引くことにより目標KLを補正する。第1補正量が計算されるのは目標KLの増加に伴って目標EGR率が増加している期間であり、第2補正量が計算されるのは目標EGR率のピークを検知してから推定EGR率のピークを検知するまでの期間であるので、第1補正量と第2補正量とが同時に入力されることはない。
3.スロットル開度制御の制御フロー
上記のごとく構成された制御装置100によって、加速時のトルク段差を抑えるためのスロットル開度制御が行われる。図6は、制御装置100により実行されるスロットル開度制御の制御フローを示すフローチャートである。
ステップS1では、制御装置100は、アクセル開度センサ40により測定されたアクセル開度を取り込む。次に、ステップS2では、制御装置100は、ステップS1で取り込んだアクセル開度に応じた要求KLを計算する。そして、ステップS3では、制御装置100は、ステップS2で計算した要求KLを上限KLによって制限することにより、エンジン1により実現可能な目標KLを算出する。
次に、ステップS4では、制御装置100は、目標EGR率のピークを検知したかどうか判定する。
ステップS4の判定において目標EGR率のピークが検知されない場合、つまり、目標EGR率が増加し続けているか若しくは減少していない場合、ステップS5が選択される。ステップS5では、制御装置100は、目標EGR率と吸気弁を通過するガスの推定EGR率との差分に相当する充填効率を計算し、この充填効率を目標KLに対する第1補正量として用いる。すなわち、制御装置100は、目標KLから第1補正量を差し引き、第1補正量の分だけ目標KLを引き下げる。次に、ステップS8では、制御装置100は、ステップS5で補正された目標KLに応じた目標スロットル開度を算出する。そして、ステップS9では、制御装置100は、ステップS8で計算された目標スロットル開度に基づいてスロットル16の開度を制御する。
ステップS4の判定において目標EGR率のピークが検知された場合、制御装置100は、目標EGR率のピーク値を記憶した上で、ステップS6の判定を実行する。ステップS6では、制御装置100は、吸気弁を通過するガスの推定EGR率に関し、そのピークを検知したかどうか判定する。
ステップS6の判定において推定EGR率のピークが検知されない場合、つまり、推定EGR率が増加し続けているか若しくは減少していない場合、ステップS7が選択される。ステップS7では、制御装置100は、目標EGR率のピーク値と吸気弁を通過するガスの推定EGR率との差分に相当する充填効率を計算し、この充填効率を目標KLに対する第2補正量として用いる。すなわち、制御装置100は、目標KLから第2補正量を差し引き、第2補正量の分だけ目標KLを引き下げる。次に、ステップS8では、制御装置100は、ステップS7で補正された目標KLに応じた目標スロットル開度を算出する。そして、ステップS9では、制御装置100は、ステップS8で計算された目標スロットル開度に基づいてスロットル16の開度を制御する。
ステップS6の判定において推定EGR率のピークが検知された場合、制御装置100は、ステップS8の処理を実行する。ステップS8では、制御装置100は、ステップS3で計算された目標KLに応じた目標スロットル開度を算出する。そして、ステップS9では、制御装置100は、ステップS8で計算された目標スロットル開度に基づいてスロットル16の開度を制御する。
4.スロットル開度制御を実行した場合のエンジンの動作
上記の制御フローが実行された場合、EGRガスを導入していない低負荷からの加速時には、例えば図7及び図8にタイムチャートで示すようにエンジン1は動作する。各タイムチャートは、上から順に、新気による充填効率(新気KL)、EGR率、目標スロットル開度の時刻による変化を示している。
図7は、前掲の図3においてエンジン1の動作点がA点からB点へ移動した場合のエンジン1の動作を示している。
新気KLのタイムチャートにおいて、「要求KL」というラベルが付されている折れ線は、要求KLの時刻による変化を示している。この要求KLをエンジン1の状態を考慮した現実的な値に制限することによって、エンジン1が実現可能な目標KL(補正前の目標KL)が決定される。「目標KL(補正前)」というラベルが付されている曲線は、補正前の目標KLのうち新気のみによる充填効率の時刻による変化を示している。「目標KL」というラベルが付されている曲線は、補正後の目標KLのうち新気のみによる充填効率の時刻による変化を示している。そして、「実KL」というラベルが付されている曲線は、実際の充填効率の時刻による変化を示している。
EGR率のタイムチャートにおいて、「目標EGR率」というラベルが付されている曲線は、目標EGR率の時刻による変化を示している。「推定EGR率@吸気弁」というラベルが付されている曲線は、吸気弁を通過するガスの推定EGR率の時刻による変化を示している。目標EGR率と推定EGR率とがこのタイムチャートに示すように変化する場合、本実施の形態のスロットル開度制御によれば、目標EGR率と推定EGR率との差分に相当する充填効率が第1補正量として算出される。上段のタイムチャートに示す「目標KL」は、「目標KL(補正前)」からこの第1補正量を差し引くことで得られている。
目標スロットル開度のタイムチャートにおいて、「目標スロットル開度(補正前)」というラベルが付されている曲線は、「目標KL(補正前)」に基づいて計算された目標スロットル開度の時刻による変化を示している。「目標スロットル開度」というラベルが付されている曲線は、「目標KL」に基づいて計算された目標スロットル開度の時刻による変化を示している。目標スロットル開度の計算に第1補正量によって補正された「目標KL」が用いられることで、EGRガスが燃焼室に到達する前後において、目標スロットル開度は閉じ側に補正される。この目標スロットル開度に基づきスロットル16の開度が制御されることで、EGRガスが燃焼室に到達する前後においても「実KL」は滑らかに変化するようになり、EGRガスの到達遅れに起因するトルク段差は抑えられる。
図8は、前掲の図3においてエンジン1の動作点がA点からC点へ移動した場合のエンジン1の動作を示している。
新気KLのタイムチャートにおいて、「要求KL」というラベルが付されている折れ線は、要求KLの時刻による変化を示している。「目標KL(補正前)」というラベルが付されている曲線は、補正前の目標KLのうち新気のみによる充填効率の時刻による変化を示している。「目標KL(補正aのみ)」というラベルが付されている曲線は、一部補正後の目標KLのうち新気のみによる充填効率の時刻による変化を示している。「目標KL」というラベルが付されている曲線は、完全補正後の目標KLのうち新気のみによる充填効率の時刻による変化を示している。そして、「実KL」というラベルが付されている曲線は、実際の充填効率の時刻による変化を示している。
EGR率のタイムチャートにおいて、「目標EGR率」というラベルが付されている曲線は、目標EGR率の時刻による変化を示している。「推定EGR率@吸気弁」というラベルが付されている曲線は、吸気弁を通過するガスの推定EGR率の時刻による変化を示している。目標EGR率と推定EGR率とがこのタイムチャートに示すように変化する場合、本実施の形態のスロットル開度制御によれば、領域(a)のうち目標EGR率のピークまでの部分が第1補正量に反映され、領域(a)のうち目標EGR率のピークより後の部分と領域(b)の全部が第2補正量に反映される。上段のタイムチャートに示す「目標KL」は、「目標KL(補正前)」からこの第1補正量と第2補正量の両方を差し引くことで得られている。一方、「目標KL(補正aのみ)」は、「目標KL(補正前)」から領域(a)に対応する充填効率のみを差し引いたものである。「目標KL(補正aのみ)」と「目標KL」との比較から分かるように、領域(a)に対応する充填効率のみを差し引いたのでは、EGR率がオーバーシュートしたとき、すなわち、最大流量のEGRガスが燃焼室に流入したときの目標KLの低下を抑えきることができない。第1補正量と第2補正量の両方を差し引いて初めて、EGR率がオーバーシュートしたときの目標KLの低下を抑えきることができる。
目標スロットル開度のタイムチャートにおいて、「目標スロットル開度(補正前)」というラベルが付されている曲線は、「目標KL(補正前)」に基づいて計算された目標スロットル開度の時刻による変化を示している。「目標スロットル開度(補正aのみ)」というラベルが付されている曲線は、「目標KL(補正aのみ)」に基づいて計算された目標スロットル開度の時刻による変化を示している。そして、「目標スロットル開度」というラベルが付されている曲線は、「目標KL」に基づいて計算された目標スロットル開度の時刻による変化を示している。目標スロットル開度の計算に第1補正量と第2補正量とによって補正された「目標KL」が用いられることで、EGRガスが燃焼室に到達する前後において、目標スロットル開度は閉じ側に十分に補正される。この目標スロットル開度に基づきスロットル16の開度が制御されることで、EGRガスが燃焼室に到達する前後においても「実KL」は滑らかに変化するようになり、EGRガスの到達遅れに起因するトルク段差は抑えられる。
5.その他実施の形態
上記の実施の形態に係るEGR装置30は、タービン24の下流から取り出したEGRガスをコンプレッサ22の上流に再循環させるLPL−EGR装置である。しかし、上記のスロットル開度制御は、タービン24の上流から取り出したEGRガスをコンプレッサ22の下流に再循環させるいわゆるHPL−EGR装置や、LPL−EGR装置とHPL−EGR装置の両方を備えるMPL−EGRシステムを備える内燃機関にも応用可能である。
1 エンジン
2 エンジンヘッド
4 吸気通路
6 排気通路
12 エアフローセンサ
16 スロットル
20 ターボ過給機
22 コンプレッサ
30 EGR装置
34 EGR弁
40 アクセル開度センサ
100 制御装置

Claims (1)

  1. 吸気通路に配置されたコンプレッサと、前記吸気通路の前記コンプレッサよりも下流に配置されたスロットルと、排気通路と前記吸気通路の前記コンプレッサよりも上流とを結ぶEGR通路に配置されたEGR弁とを備える内燃機関を制御するための制御装置であって、
    目標充填効率を決定する目標充填効率決定手段と、
    目標EGR率を決定する手段であって、前記目標充填効率の増加に対して前記目標EGR率を単調増加させた後に単調減少させる目標EGR率決定手段と、
    吸気弁を通過するガスの推定EGR率を計算する推定EGR率計算手段と、
    前記目標EGR率に基づいて目標EGR弁開度を計算する目標EGR弁開度計算手段と、
    前記目標充填効率に基づいて目標スロットル開度を計算する目標スロットル開度計算手段と、
    前記目標充填効率の増加に伴って前記目標EGR率が増加している第1期間中、前記目標EGR率と前記推定EGR率との差分に相当する充填効率を、前記目標スロットル開度の計算に用いられる前記目標充填効率から差し引く第1補正手段と、
    前記目標充填効率の増加が継続中であって、前記目標EGR率のピークを検知してから前記推定EGR率のピークを検知するまでの第2期間中、前記目標EGR率のピーク値と前記推定EGR率との差分に相当する充填効率を、前記目標スロットル開度の計算に用いられる前記目標充填効率から差し引く第2補正手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
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