JP6459939B2 - プラント制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プラント制御装置に関する。
従来、例えば特許文献1には、車両動力プラントであるディーゼルエンジンの過給圧とEGR率をそれぞれの目標値に近づけるようにフィードバック制御によって当該プラントの制御入力を決定するフィードバックコントローラと、当該ディーゼルエンジンと当該フィードバックコントローラとを含む閉ループシステムの予測モデルを用いて当該ディーゼルエンジンの過給圧とEGR率の将来値を計算し、計算した将来値とそれらに課せられた制約とに基づいて制御出力の目標値を修正するリファレンスガバナと、を備えるプラント制御装置が開示されている。このプラント制御装置の予測モデルには、閉ループシステムの動特性を「むだ時間+2次振動(2次遅れ)系」で近似したモデルが使用されている。
特開2014−127101号公報 特開2013−142376号公報 特開2004−094437号公報
ところで、上述した「むだ時間+2次振動(2次遅れ)系」モデルに代表されるようなモデルには、モデル化誤差が含まれることが一般的である。また、このようなモデルを使用した将来予測では、ディーゼルエンジンの機差バラツキやディーゼルエンジンを取り巻く環境変化の影響を受けて実際の応答とのズレが生じる可能性があり、過給圧とEGR率の制約保障性が低下するおそれがある。
本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ディーゼルエンジンとフィードバックコントローラとを含む閉ループシステムのモデルにモデル化誤差等があるような場合においても、リファレンスガバナによるディーゼルエンジンの過給圧とEGR率の制約保障性を高めることにある。
本発明は、フィードバックコントローラとリファレンスガバナとを備える。フィードバックコントローラは、車両動力プラントであるディーゼルエンジンの過給圧とEGR率をそれぞれの目標値に近づけるようにフィードバック制御によって前記ディーゼルエンジンの制御入力を決定するように構成されている。リファレンスガバナは、前記ディーゼルエンジンと前記フィードバックコントローラとを含む閉ループシステムを記述した線形モデルを用い、現在から将来に向かう方向の予測区間に亘って前記ディーゼルエンジンの過給圧とEGR率の将来値を計算し、計算した将来値を用いて目的関数を最小にする修正目標値を探索し、前記目的関数を最小にする修正目標値を用いて前記フィードバックコントローラに与える過給圧とEGR率の目標値を修正するように構成されている。
リファレンスガバナは、前記線形モデルを等価的に記述した逆線形モデルを用い、現在から過去に向かう方向の遡及区間であって前記予測区間と等しい区間長の遡及区間に亘って前記ディーゼルエンジンの過給圧とEGR率の過去値を計算し、計算した過去値と、前記ディーゼルエンジンの過給圧とEGR率の実際の過去値との差に基づく積算値を前記目的関数に加えるようにも構成されている。前記逆線形モデルを用いた過去値の計算は、前記遡及区間における前記ディーゼルエンジンの過給圧とEGR率の実際の過去値であって、前記逆線形モデルを用いた過去値の計算の方向とは逆の時間軸方向に位置する実際の過去値を、前記線形モデルの次数に相当する数だけそれぞれ使用して開始される。
本発明によれば、ディーゼルエンジンとフィードバックコントローラとを含む閉ループシステムを記述した線形モデルを等価的に記述した逆線形モデルを使用すると共に、予測区間と等しい区間長の遡及区間における過給圧とEGR率の実際の過去値であって、過去値の計算の方向とは逆の時間軸方向に位置する実際の過給圧とEGR率の過去値を、線形モデルの次数に相当する数だけそれぞれ使用して、ディーゼルエンジンの過給圧とEGR率の過去値を計算できる。また、計算した過去値と、ディーゼルエンジンの過給圧とEGR率の実際の過去値との差に基づく積算値を目的関数に加えることができる。そのため、この目的関数を最小にする修正目標値の探索の精度を高めることができる。従って、リファレンスガバナによるディーゼルエンジンの過給圧とEGR率の制約保障性を高めることができる。
本実施の形態のプラント制御装置が適用されるシステムの構成を示す図である。 本実施の形態のプラント制御装置が有する目標値追従制御構造を示す図である。 図2に示す目標値追従制御構造を等価変形して得られたフィードフォワード構造である。 リファレンスガバナのアルゴリズムを説明するための図である。 ディーゼルエンジンの制御出力の将来値の予測計算を示した図である。 ディーゼルエンジンの制御出力の過去値の遡及計算を示した図である。 本実施の形態における制御出力の過去値の遡及計算手法を説明するための図である。 制御出力の過去値を用いた制御出力の将来値補正手法を説明するための図である。 制御出力の過去値の他の遡及計算手法を説明するための図である。 図2に示す目標値追従制御構造を適用可能なディーゼルエンジンの入出力の例を示す図である。
[システム構成の説明]
本発明の実施の形態のプラント制御装置は、車両動力プラントであるディーゼルエンジンの制御装置である。図1は、本実施の形態のプラント制御装置が適用されるシステムの構成を示す図である。図1に示すシステムは、ディーゼルエンジンのエンジン本体2を備えている。エンジン本体2には4つの気筒が直列に備えられ、気筒ごとにインジェクタ8が設けられている。また、エンジン本体2には、吸気マニホールド4と排気マニホールド6とが取り付けられている。
吸気マニホールド4にはエアクリーナ20から取り込まれた新気が流れる吸気通路10が接続されている。吸気通路10にはターボチャージャ14のコンプレッサが取り付けられている。このコンプレッサの下流にはインタークーラ22が備えられ、インタークーラ22の下流にはディーゼルスロットル24が設けられている。排気マニホールド6にはエンジン本体2からの排気を大気中に放出するための排気通路12が接続されている。排気通路12にはターボチャージャ14のタービンが取り付けられている。ターボチャージャ14は可変容量型であって、タービンには可変ノズル16が備えられている。
図1に示すシステムは、排気系から吸気系へ排気を再循環させるEGR装置を備えている。EGR装置は、吸気通路10におけるディーゼルスロットル24の下流と排気マニホールド6とをEGR通路30によって接続する高圧ループEGR装置である。EGR通路30にはEGR弁32が設けられている。但し、EGR装置は、吸気通路10におけるコンプレッサの上流と、排気通路12におけるタービンの下流とを、EGR通路30とは別のEGR通路によって接続する低圧ループEGR装置であってもよい。
図1に示すECU(Electronic Control Unit)40が本実施の形態のプラント制御装置に相当する。ECU40は、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリメモリ)、CPU(マイクロプロセッサ)等を備えている。ECU40は、各種センサの信号を取り込み処理する。各種センサには、エンジン回転速度を検出する回転速度センサ42や、アクセルペダルの開度(以下「アクセル開度」ともいう)に応じた信号を出力するアクセル開度センサ44が含まれている。ECU40は、取り込んだ各センサの信号を処理して所定の制御プログラムに従ってアクチュエータを操作する。ECU40によって操作されるアクチュエータには、可変ノズル16、ディーゼルスロットル24、EGR弁32が含まれている。
[ECU40によるエンジン制御]
本実施の形態において、ECU40は、ディーゼルエンジンの過給圧・EGR率制御を実行する。過給圧・EGR率制御における制御入力は可変ノズル16の開度(以下「可変ノズル開度」ともいう)、ディーゼルスロットル24の開度(以下「スロットル開度」ともいう)およびEGR弁32の開度(以下「EGR弁開度」ともいう)であり、制御出力は過給圧とEGR率である。ここで、過給圧とEGR率にはハード上または制御上の制約が課せられている。ECU40は、過給圧とEGR率がそれぞれの制約を満たし、尚且つ、それぞれの目標値に追従するように制御入力を決定する。
図2はECU40が有する目標値追従制御構造を示す図である。なお、図2に示す目的値追従制御構造は、ECU40のROMに格納された制御プログラムに従いCPUが動作することで仮想的に実現される構成である。この目標値追従制御構造は、目標値マップ(MAP)と、リファレンスガバナ(RG)と、フィードバックコントローラ(FBC)と、を備えている。
目標値マップ(MAP)は、ディーゼルエンジン(DE)の運転条件を示す外生入力d=[エンジン回転速度;燃料噴射量]が与えられると、ディーゼルエンジン(DE)の制御量のオリジナルの目標値r=[EGR率目標値;過給圧目標値]をリファレンスガバナ(RG)に出力する。
リファレンスガバナ(RG)は、目標値マップ(MAP)からオリジナルの目標値rが与えられると、ディーゼルエンジン(DE)の制御出力y=[EGR率;過給圧]に関する制約が満たされるようにオリジナルの目標値rを修正し、修正目標値w=[EGR率修正目標値;過給圧修正目標値]をフィードバックコントローラ(FBC)に出力する。リファレンスガバナ(RG)の詳細については後述する。
フィードバックコントローラ(FBC)は、リファレンスガバナ(RG)から修正目標値wが与えられると、ディーゼルエンジン(DE)の状態量x=[EGR率;過給圧]を修正目標値wに近づけるように、フィードバック制御によってディーゼルエンジン(DE)の制御入力u=[ディーゼルスロットル開度;EGR弁開度;可変ノズル開度]を決定する。フィードバックコントローラ(FBC)の仕様に限定はなく、公知のフィードバックコントローラを用いることができる。
図3は図2に示す目標値追従制御構造を等価変形して得られたフィードフォワード構造である。図2において破線で囲まれた閉ループシステムは既に設計済みであるとして、図3に示すフィードフォワード構造では1つの線形モデル(P)で記述できるものとする。
リファレンスガバナ(RG)は、図3に示した線形モデル(P)を用いて現在時刻kよりiステップ先の制御出力の将来値yk+iを予測計算する(但しiは1<i≦Nを満たす自然数であり、Nは予測計算を行うステップ数である)。本実施の形態における制御出力yはとEGR率(y)であり、これらには制約yが課せられている。上限値y 以下であることが過給圧(y)に課せられた制約であり、上限値y 以下であることがEGR率(y)に課せられた制約である。
また、リファレンスガバナ(RG)は、予測計算された過給圧の将来値y1,k+iおよびEGR率の将来値y2,k+iと、上限値y および上限値y と、に基づいて、次式(1)で表される目的関数J(w)を求める。なお、次式(1)の右辺第1項は修正目標値wを変数とする項であり、オリジナルの目標値rと修正目標値wの距離が小さいほど小さな値を取るように構成されている。また、右辺第2項および第3項は、それぞれ過給圧およびEGR率の制約抵触量に関する項であり、過給圧の将来値y1,k+iが上限値y 以上の場合や、EGRの将来値y2,k+iが上限値y 以上の場合に、右辺第1項にペナルティを加えるように構成されている。また、右辺第2項のρおよび第3項のρは重み定数であり、Nは予測計算ステップ数である。また、この予測計算ステップ数に離散時間の間隔を乗じた値が、現在時刻kから将来にかけての予測長(以下「予測区間」ともいう)となる。また、ここでは、予測区間の間、現在時刻kにおける外生入力dの値が継続すると仮定されている。
Figure 0006459939
また、リファレンスガバナ(RG)は、勾配法(具体的には最急降下法)を用いて式(1)の目的関数J(w)を最小化する修正目標値wを探索する。図4は、リファレンスガバナ(RG)のアルゴリズムを説明するための図である。この図に示すように、リファレンスガバナ(RG)では、オリジナルの目標値r(i=1)、または、修正目標値候補w(i≧2)に基づいて、制御出力の将来値yk+iの予測と、将来予測列に対する目的関数(上記式(1))の演算と、次の修正目標値候補wへの移動と、が有限回(設定回数)反復される。そして、反復終了までに演算された目的関数J(w)のうち、最も小さい目的関数J(w)に対応する修正目標値候補w(オリジナルの目標値rまたは修正目標値候補w)が、最終的な修正目標値wとして決定される。
[本実施の形態の特徴]
上述したように、リファレンスガバナ(RG)が使用するモデルにはモデル化誤差が含まれる。図3に示した線形モデル(P)もこの例外ではない。また、このような線形モデル(P)を使用した将来予測では、ディーゼルエンジンの機差バラツキやディーゼルエンジンを取り巻く環境変化の影響を受けて、実際の応答とのズレが生じる可能性がある。そこで本実施の形態では、このような場合においてもリファレンスガバナ(RG)のアルゴリズムを適応・学習して個々のディーゼルエンジンの特性を正確に予測できるように、現在時刻kからiステップ前の制御出力の過去値y’k−i、すなわち、過給圧の過去値y’1,k−iおよびEGR率の過去値y’2,k−iを、現在時刻kから過去の方向に予測区間と等しい区間長に遡った計算を行い、更に、この遡及計算の結果を利用して、上述した制御出力の将来値yk+iの予測計算を補正することとしている。
制御出力の将来値yk+iの予測計算や、制御出力の過去値y’k−iの遡及計算には、線形モデル(P)の次数が関係してくる。例えば次数が2の場合、線形モデル(P)は次式(2)で記述される。なお、式(2)におけるkは離散時間の時刻であり、a,a,aはモデル係数である。
Figure 0006459939
式(2)から分かるように、制御出力の将来値yの予測計算の場合は、現在時刻kよりも2ステップ前までの制御出力yの過去情報、すなわち、制御出力の過去値y’k−1(具体的には、時刻k−1におけるアクセル開度に基づいて算出された過給圧の実際の過去値y’’1,k−1、および、時刻k−1におけるEGR弁開度とスロットル開度に基づいて算出されたEGR率の実際の過去値y’’2,k−1)、および、過去値y’k−2(具体的には、時刻k−2におけるアクセル開度に基づいて算出された過給圧の実際の過去値y’’1,k−2および時刻k−2におけるEGR弁開度とスロットル開度に基づいて算出されたEGR率の実際の過去値y’’2,k−2)が必要である。これを現在時刻kよりもiステップ前の制御出力の過去値y’k−iの遡及計算に置き換えるべく式(2)を変形すると次式(3)となり、式(3)から時間を2ステップ先に進ませて等価的に記述すると次式(4)の逆線形モデルとなる。
Figure 0006459939
式(4)から分かるように、制御出力の過去値y’の遡及計算の場合は、現在時刻kよりも2ステップ先までの制御出力yの未来情報、すなわち、制御出力の将来値yk+2および将来値yk+1が必要となる。そして、このような未来情報は現在時刻kの時点では入手できない。式(2)の予測計算と式(4)の遡及計算の違いを図5と図6を参照しながら説明する。図5が式(2)の予測計算の場合に相当し、図6が(4)の遡及計算の場合に相当している。
図5では、現在時刻kよりも2ステップ前までの制御出力の過去値y’k−1および過去値y’k−2と、式(2)とに基づいて制御出力の将来値yが初期値として計算できることを示している。制御出力の過去値y’k−1と過去値y’k−2は、例えばECU40のRAMにストックしておくことができるので、これらのストック値があれば、式(2)に基づいた計算を繰り返すことができ、現在時刻kよりiステップ先の制御出力の将来値yk+iが次々と計算できることになる。一方、図6ではこのような過去情報のストックが不可能であることから、式(4)に基づいた計算を開始することがそもそもできない。
そこで本実施の形態では、現在時刻kよりも3ステップ前の時刻k−3を仮の現在時刻とする。そして、現在時刻kよりも2ステップ前までの制御出力の過去値y’k−1(具体的には上述した過去値y’’1,k−1および過去値y’’2,k−1)および過去値y’k−2(具体的には上述した過去値y’’1,k−2および過去値y’’2,k−2)を、それぞれ式(4)右辺のyk+2およびyk+1に代入する。そうすると、時刻k−3の制御出力の過去値y’k−3が初期値として計算できる(1回目の遡及計算)。また、この過去値y’k−3および過去値y’k−2を式(4)の右辺のyk+2およびyk+1に代入すれば、現在時刻kよりも4ステップ前の制御出力の過去値y’k−4が計算できる(2回目の遡及計算)。更に、この過去値y’k−4および過去値y’k−3を式(4)の右辺のyk+2およびyk+1に代入すれば、現在時刻kよりも5ステップ前の制御出力の過去値y’k−5が計算できる(3回目の遡及計算)。このような遡及計算を繰り返すことで、現在時刻kよりiステップ前の制御出力の過去値y’k−iが次々と計算できる。
上述したように、制御出力の過去値y’k−1と過去値y’k−2は、例えばECU40のRAMにストックしておくことができる。従って、時刻k−3を仮の現在時刻とし、時刻k−1と時刻k−2の過去情報をストックしておけば、これらのストック情報を用いて式(4)に基づいた計算を繰り返すことができ、現在時刻kよりiステップ前の制御出力の過去値y’k−iが次々と計算できることになる。このような制御出力の過去値y’k−iの遡及計算手法を図示すると、図7の通りとなる。この図に示すように、ストックしておいた時刻k−1と時刻k−2の過去情報に基づいて、時刻k−3の制御出力の過去値y’k−3が初期値として算出される。また、この時刻k−3から更に遡るように遡及計算がなされる。
上述した遡及計算により求めた制御出力の過去値y’k−iを用いた制御出力の将来値yk+iの補正手法について、図8を参照しながら説明する。なお、図7での前提と同様、図8では線形モデル(P)の次数が2であり、現在時刻kよりも3ステップ前の時刻k−3を仮の現在時刻とした遡及計算が行われるものとする。図8に示す現在時刻kよりも右側は、現在時刻kよりもiステップ先の制御出力の将来値yk+iが計算されている様子を示している。この図では現在時刻kよりも2ステップ先までの将来値yk+i(つまり、将来値yk+1と将来値yk+2)が示されているが、実際には現在時刻kよりもNステップ先まで予測計算が行われている。また、予測計算された制御出力の将来値yk+iが制約(具体的には上述した上限値y および上限値y )を上回る場合には、これらの差が制約抵触量とされる。
また、図8に示す現在時刻kよりも左側は、現在時刻kよりiステップ前の制御出力の過去値y’k−iが遡及計算されている様子を示している。図7で説明したように、この図においてもストックしておいた時刻k−1と時刻k−2の過去情報に基づいて、時刻k−3の制御出力の過去値y’k−3が初期値として算出され、時刻k−3から更に遡るように遡及計算がなされている。この図では時刻k−3から更に2ステップ前までの過去値y’k−i(つまり、過去値y’k−4と過去値y’k−5)が示されているが、実際には時刻k−3から更に(N−2)ステップ前まで遡及計算が行われている(つまり、遡及計算ステップ数は(N−2)回である)。
図8に示す制約よりも上方に、制御出力の過去値y’k−iを用いた制御出力の将来値yk+iの補正手法を示す。この手法では先ず、制御出力の実際の過去値y’’k−i(具体的には、時刻k−3,・・・,時刻k−Nにおけるアクセル開度に基づいてそれぞれ算出された過給圧の実際の過去値y’’1,k−3,・・・,過去値y’’1,k−Nhおよび時刻k−3・・・,時刻k−NにおけるEGR弁開度とスロットル開度に基づいてそれぞれ算出されたEGR率の実際の過去値y’’2,k−3,・・・,過去値y’’2,k−Nh)と、制御出力の過去値y’k−iとの差|y’’k−i−y’k−i|が遡及区間に亘って積算され、例えばエンジン回転速度と燃料噴射量のマップに格納される。続いて、この積算値がマップから読み出されて、図8の右側に示した制御出力の将来値yk+iの制約抵触量に加えられる。具体的には、上述した式(1)の右辺にこの積算値が追加されて、右辺第1項にペナルティが与えられる。
図8に示した補正を行うことで、上述した線形モデル(P)と実際のディーゼルエンジンとのギャップを埋めることができる。従って、リファレンスガバナ(RG)による制約保障性を高めることができる。また、このような高い制約保障性が実現されることで、過給圧・EGR率のフィードバック制御のゲインを上げることができ、閉ループモデルの応答性を速めることもできる。また、上述した線形モデル(P)と実際のディーゼルエンジンとのギャップを埋めることができるということは、リファレンスガバナ(RG)が機差バラツキや環境変化を吸収できるということに他ならないので、機差バラツキや環境変化を加味した各種の適合の労力を削減できるという効果も期待できる。
ところで、上述した実施の形態においては、現在時刻kよりも3ステップ前の時刻k−3を仮の現在時刻とし、時刻k−1と時刻k−2のストック情報を用いてこの時刻k−3から更に遡るように制御出力の過去値y’k−iを計算した。しかし、本発明では、仮の現在時刻から現在に向かって制御出力の過去値y’k−iを計算してもよい。このような計算手法について、図9を参照しながら説明する。なお、説明の便宜上、図7での前提と同様、図9では線形モデル(P)の次数mが2であり、現在時刻kよりも3ステップ前の時刻k−3を仮の現在時刻とするものとする。また、図9では、遡及計算ステップ数が3回(つまり、予測計算ステップ数Nは5回)であるものとする。
図9では、現在時刻kよりも4ステップ前の制御出力の過去値y’k−4および5ステップ前の制御出力の過去値y’k−5(具体的には時刻k−4および時刻k−5におけるアクセル開度に基づいてそれぞれ算出された実際の過給圧の過去値y’’1,k−4および過去値y’’1,k−5、および、時刻k−4,時刻k−5におけるEGR弁開度とスロットル開度に基づいてそれぞれ算出された実際のEGR率の過去値y’’2,k−4および過去値y’’2,k−5)を、式(4)の右辺のyk+2およびyk+1にそれぞれ代入する。そうすると、時刻k−3の制御出力の過去値y’k−3が初期値として計算できる(1回目の遡及計算)。また、この過去値y’k−3および過去値y’k−4を式(4)の右辺のyk+2およびyk+1にそれぞれ代入することで、時刻k−2の制御出力の過去値y’k−2が計算できる(2回目の遡及計算)。更に、この過去値y’k−2および過去値y’k−3を式(4)の右辺のyk+2およびyk+1にそれぞれ代入することで、時刻k−1の制御出力の過去値y’k−1が計算できる(3回目の遡及計算)。
また、上述した実施の形態においては、線形モデル(P)の次数が2の場合を例として説明したが、この次数が3以上であってもよい。線形モデル(P)の次数がmの場合は、現在時刻kよりもm+1ステップ前の時刻k−m−1を仮の現在時刻とし、ここから更に過去に遡るように(または、時刻k−m−1から現在に向かうように)制御出力の過去値y’k−m−1を計算する。この過去値y’k−m−1の計算には、この計算の方向とは逆の時間軸方向に位置するm個の制御出力の実際の過去値y’’k−i、つまり、時刻k−1から時刻k−mまでの制御出力の実際の過去値y’’k−1,・・・,過去値y’’k−m(時刻k−m−1から現在に向かう計算を行う場合は、時刻k−2m−1から時刻k−m−2までの制御出力の実際の過去値y’’k−2m−1,・・・,過去値y’’k−m−2)をストック情報とすればよい。
また、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。具体的に、上述した実施の形態は図10の(a)に示す制御入力と制御出力を前提としているが、ディーゼルエンジンが低圧ループEGR装置と高圧ループEGR装置とを備える場合には、同図の(b)に示すような低圧ループEGR装置のEGR弁開度(LPL−EGR弁開度)と、高圧ループEGR装置のEGR弁開度(HPL−EGR弁開度)とを制御入力とすることもできる。また、同図(b)の制御入力にディーゼルスロットル開度を更に加えることもできる。或いはまた、同図(b)のEGR率を、LPL−EGR量とHPL−EGR量に置換することもできる。
2 エンジン本体
14 ターボチャージャ
16 可変ノズル
24 ディーゼルスロットル
32 EGR弁
40 ECU
42 回転速度センサ
44 アクセル開度センサ

Claims (1)

  1. 車両動力プラントであるディーゼルエンジンの過給圧とEGR率をそれぞれの目標値に近づけるようにフィードバック制御によって前記ディーゼルエンジンの制御入力を決定するように構成されたフィードバックコントローラと、
    前記ディーゼルエンジンと前記フィードバックコントローラとを含む閉ループシステムを記述した線形モデルを用い、現在から将来に向かう方向の予測区間に亘って前記ディーゼルエンジンの過給圧とEGR率の将来値を計算し、計算した将来値を用いて目的関数を最小にする修正目標値を探索し、前記目的関数を最小にする修正目標値を用いて前記フィードバックコントローラに与える過給圧とEGR率の目標値を修正するように構成されたリファレンスガバナと、を備え、
    前記リファレンスガバナは、前記線形モデルを等価的に記述した逆線形モデルを用い、現在から過去に向かう方向の遡及区間であって前記予測区間と等しい区間長の遡及区間に亘って前記ディーゼルエンジンの過給圧とEGR率の過去値を計算し、計算した過去値と、前記ディーゼルエンジンの過給圧とEGR率の実際の過去値との差に基づく積算値を前記目的関数に加えるようにも構成され、
    前記逆線形モデルを用いた過去値の計算が、前記遡及区間における前記ディーゼルエンジンの過給圧とEGR率の実際の過去値であって、前記逆線形モデルを用いた過去値の計算の方向とは逆の時間軸方向に位置する実際の過去値を、前記線形モデルの次数に相当する数だけそれぞれ使用して開始されることを特徴とするプラント制御装置。
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